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iPlanet Application Server 管理者ガイド



第 16 章   開発用 iPlanet Application Server の設定


この章では、開発目的の iPlanet Application Server を設定するために必要な作業について説明します。

この章には次のトピックがあります。



クラスパスの設定

次の操作を実行するときは、iPlanet Application Server クラスパスを手動でセットアップする必要があります。

  • EJB への RMI/IIOP アクセスを有効にするとき

  • サーバに配置されているすべてのアプリケーションで使用できるヘルパーおよびフレームワーククラスのセットを作成するとき

iPlanet Application Server クラスパスを変更するには、次の手順を実行します。


Solaris の場合

  1. <iasinstall>/ias/env パスに移動し、Common Environment スクリプト、iasenv.ksh を編集します。ファイルを編集するにはテキストエディタを使います。

  2. ClassPath エントリを検索します。デフォルトのクラスパスを変更するか、または新しいクラスパスを追加することができます。

  3. 変更を有効にするには、サーバを再起動します。


Windows の場合

  1. iPlanet レジストリエディタを開きます。

  2. 次のキーを開きます。

    SOFTWAREiPlanetApplication Server6.5Java

  3. classPath を変更したら、変更を有効にするためにサーバを再起動します。



Java エンジンのヒープサイズの変更

KJS のデフォルトのヒープサイズは KJS スクリプトで指定されています。KJS により多くのオブジェクトを保存できるようにする場合は、手動でヒープサイズを変更します。Java ヒープのチューニングの詳細については、『iPlanet Application Server パフォーマンスおよびチューニングガイド』を参照してください。


Solaris の場合

  1. <iasinstall>/ias/env に移動し、 KJS (Java エンジン) 起動スクリプト、iasenv.ksh を編集します。

    JAVA_ARGS エントリを検索し、必要に応じて最小ヒープサイズ (-Xms) と最大ヒープサイズ (-Xmx) の仕様を変更します。

  2. ヒープサイズの変更を有効にするには、KJS プロセスをすべて閉じてから再起動します。


Windows の場合

  1. iPlanet レジストリエディタを起動します。

  2. 次のキーを開きます。

    SOFTWAREiPlanetApplication Server6.5Java

  3. JavaArgs 値を変更して、Java エンジンの最小ヒープサイズ (-Xms <number>m) と最大ヒープサイズ (-Xmx<number>m) を設定します。

    ヒープサイズの仕様は次のようになります。

    JavaArgs=-Xms16m -Xmx32m

  4. 変更を有効にするには、すべての kjs プロセスを再起動します。

    Windows では、Java エンジンのデフォルトのヒープサイズは設定されていません。



デフォルトのアプリケーションパスの変更

アプリケーションはデフォルトのアプリケーションパスに保存されています。これらのアプリケーションを配置するには、DeployTool を使ってその場所からアプリケーションを選択します。たとえば、サーバのホームディレクトリにアプリケーションを保存する場合は、このパスを変更する必要があります。kregedit を介してデフォルトのアプリケーションクラスパスを変更できます。

デフォルトのアプリケーションパスを変更する前に、次の手順を実行します。

  • マシンまたはネットワークで新しいパスを作成します。

  • この場所にアプリケーションのクラスファイルを手動でコピーします。

パスを作成したら、iplanet レジストリでデフォルトのクラスパスを変更します。iplanet レジストリでデフォルトのクラスパスを変更するには、次の手順を実行します。

  1. iPlanet レジストリエディタを開きます。

  2. 次のキーを開きます。

    SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥6.5¥

  3. AppPath 値を編集して、デフォルトのアプリケーションクラスパスを変更します。「クラスパスの設定」を参照してください。

  4. 変更を有効にするには、サーバを再起動します。



ダイナミッククラス再読み込みの有効化

デフォルトでは、ダイナミッククラスの再読み込みは iPlanet Application Server で無効になっています。ダイナミッククラスの再読み込みを有効にするには 2 つの方法があります。

ダイナミッククラスの再読み込みを有効にするには、次の手順のどちらかを実行します。


iASAT を使う

  1. iASAT を起動します。

  2. アプリケーションサーバインスタンスを選択します。

  3. 右側のペインで、「サーバ」の下の「ダイナミッククラスの再読み込みを有効にする」を選択します。


レジストリエディタを使う

  1. iPlanet レジストリエディタを起動します。

  2. 次のキーを開きます。

    SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥6.5¥CCSO¥SYSTEM_JAVA¥Versioning

  3. Disable=0 に設定します。デフォルト値は 1 です。この値は Servlet のダイナミック再読み込みが無効であることを示しています。

  4. 変更を有効にするには、iPlanet Application Server を再起動します。

これにより Servlet クラスと登録済み JSP、および EJB 実装クラスのダイナミック再読み込みが有効になります。登録済み JSP は GUID が割り当てられていて、web.xml ファイルに Servlets として一覧表示されています。



J2EE コンポーネントのセッションタイムアウト値とキャッシュタイムアウト値の指定



アプリケーションの配置時に、JSP、Servlets、EJB などの J2EE コンポーネントのセッションタイムアウト値が設定されます。これらの値は Web サーバおよびアプリケーションサーバで実行しているすべての J2EE コンポーネントに適用されます。

必要に応じて、それぞれのアプリケーションに対して個々の J2EE コンポーネントのセッションタイムアウト値を指定できます。個々の J2EE コンポーネントに指定した値は配置時に設定されたデフォルトの値よりも優先されます。

Servlets および JSP にはキャッシュタイムアウト値を指定できます。アプリケーション配置時の Servlets および JSP のデフォルトのキャッシュタイムアウト値は 0 に設定されています。

Deployment Tool を使ってこれらの値を設定することもできます。詳細は Deployment Tool に付属のオンラインヘルプを参照してください。

この節では次のトピックについて説明します。


JSP と Servlets のセッションタイムアウト値を設定するには

JSP と Servlets では、それぞれのアプリケーションに対してセッションタイムアウト値を設定できます。これらの値は配置時に設定されます。セッションタイムアウト値を変更するには、次の手順を実行します。

  1. iPlanet レジストリエディタを起動します。

  2. 次のキーを開きます。

    SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥6.5¥J2EE-Module¥<module name>¥

    セッションタイムアウト値がすでに指定されている場合は、session-timeout=() というキーが表示されます。セッションタイムアウト値が指定されていない場合は、この値をモジュールに追加できます。

  3. セッションタイムアウト値を指定するモジュールを選択します。

  4. 「編集」>「値を追加」をクリックします。

  5. 「名前」フィールドで名前を指定します (例 : Session-timeout)。

  6. 「値」フィールドで値を指定します (例 : 10)。タイムアウト値は分単位で指定されます。

  7. 値の種類を Integer に設定します。

  8. 「OK」をクリックして変更を保存します。

セッションタイムアウト値はアプリケーションに属している Servlets と JSP に設定されます。


EJB のセッションタイムアウト値を設定するには

EJB では、セッションタイムアウト値は iASAT を使ってグローバルに設定されます。詳細については、「実行時に EJB コンテナパラメータを指定する」を参照してください。iASAT を介して設定する値は配置されるすべての EJB に適用されます。

ただし、iPlanet レジストリの個々の EJB に対してセッションタイムアウト値をカスタマイズできます。1 つの EJB のセッションタイムアウト値を指定するには、次の手順を実行します。

  1. iPlanet レジストリエディタを起動します。

  2. 次のキーを開きます。

    SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥6.5¥J2EE-Module¥<module name>¥ejbs

    次のような文字列が表示されます。

    <Beanhomename>=(18c06cf0-21dd-11d2094b6-0060083a5082)

    角かっこで囲まれた文字列は、選択したアプリケーションモジュール内で使われる EJB を識別する GUID (Global Unique Identifier) です。この GUID を書き留めてください。

  3. SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥ClassDef¥ に移動します。

    このフォルダでは、アプリケーション配置時のすべての GUID を一覧表示します。希望の GUID を検索します。

  4. GUID のキーをツリー状の階層構造に展開します。

  5. SessionDescriptor キーを開きます。このキーには、EJB に設定されているセッションタイムアウト値や不活性化タイムアウト値などの値が含まれています。

  6. セッションタイムアウト値を変更したら、変更を有効にするためにサーバを再起動します。


JSP と Servlets のキャッシュタイムアウト値を設定するには

デフォルトのキャッシュタイムアウト値とは、Web サーバによって削除されるまでに Servlets と JSP がキャッシュ内に保持されている期間です。デフォルトのキャッシュタイム値はアプリケーションの配置時に設定されます。

JSP と Servlets のデフォルトのキャッシュタイムアウト設定値は GUID ごとに変更できます。キャッシュタイムアウト値を変更するには、次の手順を実行します。

  1. iPlanet レジストリエディタを起動します。

  2. 次のキーを開きます。

    SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥6.5¥J2EE-Module¥<module name>¥servlets¥

    次のような GUID が表示されます。

    <module name>servlet=(1a488137-7510-1941-bae5-080020b90148)

    この GUID を書き留めてください。

  3. SOFTWARE¥iPlanet¥Application Server¥ClassDef¥ に移動します。

    このフォルダでは、アプリケーション配置時のすべての GUID を一覧表示します。希望の GUID を検索します。

  4. GUID を選択して、「編集」>「キーを追加」をクリックします。

  5. 「名前」のフィールドに、「Caching」と入力します。

  6. このキーの下に次の値を入力します。

    • キャッシュサイズ (K バイト 単位の値。Integer タイプ)

    • キャッシュタイムアウト (秒単位の値。Integer タイプ)

    • キャッシュオプション (値は Timeout-Create またはTimeout-Lastaccess として設定できます。String タイプ)

    • キャッシュ基準 (適切なキャッシュ基準を指定する値。String タイプ)キャッシュの基準の詳細については、『Java デベロッパガイド』を参照してください。

  7. 変更を有効にするには、サーバを再起動します。

アプリケーションで JSP を使っている場合は、手順 2 で説明したパスで該当する GUID が検出されます。



RMI/IIOP サポートの有効化



iPlanet Application Server では、インストール時に EJB への RMI/IIOP アクセスのサポートを有効にしません。ただし、iASAT を介して RMI/IIOP ブリッジプロセスを iPlanet Application Server 環境に追加できます。

iASAT を介して iPlanet Application Server 環境を RMI/IIOP ブリッジプロセスに追加するには、次の手順を実行します。

  1. iASAT を起動します。

    • Solaris の場合は、<iASinstall>/ias/bin/ に移動し、「ksvradmin」と入力します。

    • Windows の場合は、「スタート」メニューで「プログラム」>「iPlanet Application Server」を選択し、「iAS Administration Tool」を選択します。

  2. 新しい RMI/IIOP プロセスを追加するサーバを選択します。サーバを展開してサーバの下にプロセスを表示します。

    kjs プロセスと kxs プロセスが少なくとも 1 つずつ表示されます。cxs プロセスを追加して、RMI/IIOP プロセスを有効にします。

  3. 「ファイル」>「新規」をクリックします。「プロセス」を選択します。

  4. 「プロセス」ドロップダウンリストで「cxs」を選択します。

  5. 「Port」テキストフィールドで、他のプロセスで使われていないポート番号を入力します。

  6. 「IIOP Port」テキストフィールドで、IIOP ブリッジプロセスのポート番号を指定します。デフォルトの IIOP ポート番号は、9010 です。システム環境にすでに存在するポート番号と競合しない場合は、このポート番号を使うことできます。

  7. 「OK」をクリックして cxs プロセスを登録します。iPlanet Application Server マシンに cxs プロセスが追加されます。

  8. サーバを再起動して、cxs プロセスを起動します。

Solaris では、コマンドラインからも IIOP ブリッジプロセスの有無を確認できます。次のようにします。

ps - ef | grep iiop

root 1153 1 0 17:00:15 ?0:00 /bin/sh/usr/iPlanet/iAS6/bin/kjs -cset CCSO - eng 3 - iiop - DORBinsPOrt=9010



データベースの環境変数の設定



データベースのシステム環境の変数はインストール時に設定されますが、それらの変数が変更されていないことを確認します。

Solaris では、プロンプトに「env」と入力すると、環境変数を確認できます。環境変数のリストを確認してください。システム環境の変数がここで示したガイドラインどおりに設定されていない場合は、適切な設定値に変更します。


Sybase

  • Bourne シェルの場合

    DSQUERY=<sybase servername>; export DSQUERY

  • C シェルの場合

    setenv DSQUERY <sybase servername>

    sybase servername をユーザの Sybase サーバ名に置き換えます。


Oracle

  • Bourne シェルの場合

    ORACLE_HOME=<oracle install directory>; export ORACLE_HOME

  • C シェルの場合

    setenv ORACLE_SID <oracle SID>

    setenv ORACLE_HOME <oracle install directory>


DB2

  • Bourne シェルの場合

    DB2INSTANCE=<db2instance>; export DB2INSTANCE

  • C シェルの場合

    setenv DB2INSTANCE <db2instance>


INFORMIX

  • Bourne シェルの場合

    INFORMIXSERVER=<informixserver>; export INFORMIXSERVER

  • C シェルの場合

    setenv INFORMIXSERVER <informixserver>


環境サイズの調整

インストール後に Administrative Server プロセスがシステムリソースを 100% 消費している場合は、NT マシンで環境領域のサイズを増やします。システムルート (通常は、C:¥Winnt または C:¥Winnt4) の System32 ディレクトリにある Config.nt ファイルを編集して次の行を追加し、マシンを再起動します。

SHELL=%systemroot%¥system32¥command.com /e:2048

マシンを再起動しても問題が解消されない場合は、上記の行で指定した /e:2048 の代わりに /e:4096 を指定してさらに環境サイズを増やします。


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最新更新日 2002 年 3 月 6 日