Sun Cluster Geographic Edition Hitachi TrueCopy 向けデータ複製ガイド

第 2 章 Hitachi TrueCopy 保護グループの管理

この章では、Hitachi TrueCopy ソフトウェアを使用して、データ複製を構成する手順と管理する手順を示します。この章では、次の節について説明します。

Hitachi TrueCopy 保護グループを作成する方法

保護グループを作成する前に、次のどちらかの方法を検討してください。

これ以降の節では、各方法の手順について説明します。

アプリケーションがオフラインの間に保護グループを作成

アプリケーションリソースグループがオフラインの間に保護グループを作成するには、次の手順を実行します。

アプリケーションがオンラインの間に保護グループを作成

アプリケーションをオフラインにすることなく新しい保護グループに既存のアプリケーションリソースグループを追加するには、アプリケーションリソースグループがオンライン状態にあるクラスタで次の手順を実行します。

他方のクラスタで、次の手順を実行します。


例 2–1 アプリケーションがオンラインの間に Hitachi TrueCopy 保護グループを作成する

この例では、アプリケーションをオフラインにせずに保護グループを作成します。

この例では、cluster-paris クラスタ上で apprg1 リソースグループがオンライン状態にあります。

  1. cluster-paris 上に保護グループを作成します。


    phys-paris-1# geopg create -d truecopy -p Nodelist=phys-paris-1,phys-paris-2 \
    -o Primary -s paris-newyork-ps tcpg
    Protection group "tcpg" has been successfully created
  2. デバイスグループ tcdg を保護グループに追加します。


    phys-paris-1# geopg add-device-group -p fence_level=async tcdg tcpg
  3. 保護グループをローカルに有効にします。


    phys-paris-1# geopg start -e local tcpg
    Processing operation.... this may take a while....
    Protection group "tcpg" successfully started.
  4. 保護グループにすでにオンライン状態のアプリケーションリソースグループを追加します。


    phys-paris-1# geopg add-resource-group apprg1 tcpg
    Following resource groups were successfully inserted:
    			"apprg1"
  5. アプリケーションリソースグループが正常に追加されたことを確認します。


    phys-paris-1# geoadm status
    Cluster: cluster-paris
    
       Partnership "paris-newyork-ps"    : OK
          Partner clusters               : newyork
          Synchronization                : OK
          ICRM Connection                : OK
    
          Heartbeat "hb_cluster-paris~cluster-newyork" monitoring \
    "paris-newyork-ps" OK
             Plug-in "ping-plugin"       : Inactive
             Plug-in "tcp_udp_plugin"    : OK
    
       Protection group "tcpg"           : Degraded
          Partnership                    : paris-newyork-ps
          Synchronization                : OK
    
          Cluster cluster-paris          : Degraded
             Role                        : Primary
             Configuration               : OK
             Data replication            : Degraded
             Resource groups             : OK
    
          Cluster cluster-newyork        : Unknown
             Role                        : Unknown
             Configuration               : Unknown
             Data Replication            : Unknown
             Resource Groups             : Unknown
  6. パートナークラスタ側のノードの 1 つで保護グループを取得します。


    phys-newyork-1# geopg get -s paris-newyork-ps tcpg
    Protection group "tcpg" has been successfully created.
  7. パートナークラスタで、保護グループをローカルに有効にします。


    phys-newyork-1# geopg start -e local tcpg
    Processing operation.... this may take a while....
    Protection group "tcpg" successfully started.
  8. 保護グループが正常に作成され有効になっていることを確認します。

    cluster-parisgeoadm status コマンドを実行すると、次のように出力されます。


    phys-paris-1# geoadm status
    Cluster: cluster-paris
    
       Partnership "paris-newyork-ps"        : OK
          Partner clusters                   : newyork
          Synchronization                    : OK
          ICRM Connection                    : OK
    
          Heartbeat "hb_cluster-paris~cluster-newyork" monitoring \
    "paris-newyork-ps": OK 			
             Plug-in "ping-plugin"           : Inactive
             Plug-in "tcp_udp_plugin"        : OK
    
       Protection group "tcpg"               : Degraded
          Partnership                        : paris-newyork-ps
          Synchronization                    : OK
    
          Cluster cluster-paris              : Degraded
             Role                            : Primary
             Configuration                   : OK
             Data replication                : Degraded
             Resource groups                 : OK
    
          Cluster cluster-newyork            : Degraded
             Role                            : Secondary
             Configuration                   : OK
             Data Replication                : Degraded
             Resource Groups                 : OK

Hitachi TrueCopy 保護グループの作成、変更、検証、および削除

この節では、次の作業の手順について説明します。


注 –

データ複製をともなわない保護グループも作成できます。データ複製サブシステムを使用しない保護グループを作成するには、geopg コマンドを使用するときに、-d datareplicationtype オプションを省略します。geoadm status コマンドを実行すると、こうした保護グループの状態は「Degraded」と表示されます。

詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「データ複製を必要としない保護グループの作成」を参照してください。


ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループを作成および構成する (Oracle Real Application Clusters を使用しない場合)

このタスクの手順を使用して、Hitachi TrueCopy 保護グループを作成し、構成します。Oracle Real Application Clusters を使用する場合は、「Oracle Real Application Clusters の保護グループを作成する」を参照してください。

始める前に

保護グループを作成するには、次の条件が満たされているかをまず確認する必要があります。


注 –

保護グループ名は Sun Cluster Geographic Edition のグローバルネームスペース内で一意です。同じシステム上にパートナーシップが 2 つ存在する場合、これらに同じ保護グループ名を付けることはできません。


保護グループの既存の構成は、リモートクラスタからローカルクラスタに複製することもできます。詳細は、「Hitachi TrueCopy 保護グループ構成をを二次クラスタに複製する」を参照してください。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. geopg create コマンドを実行して新しい保護グループを作成します。

    このコマンドを実行すると、ローカルクラスタのすべてのノードに、保護グループが 1 つずつ作成されます。


    # geopg create -s partnershipname -o localrole -d truecopy [-p property [-p...]] \
    protectiongroupname
    
    -s partnershipname

    パートナーシップの名前を指定します。

    -o localrole

    この保護グループのローカルクラスタでの役割を指定します (primary または secondary)。

    -d truecopy

    Hitachi TrueCopy ソフトウェアを使用して保護グループのデータを複製するように指定します。

    -p propertysetting

    保護グループのプロパティーを指定します。

    次のプロパティーを指定できます。

    • Description – 保護グループについて説明する。

    • Timeout – 保護グループのタイムアウト間隔を秒単位で指定する。

    • Nodelist – 複製サブシステムの主クラスタになりえるマシンのホスト名を表示する。

    • Cluster_dgs – データが書き込まれるデバイスグループを表示する。

    設定できるプロパティーの詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。

    Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされる名前と値の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。

    geopg コマンドの詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 2–2 Hitachi TrueCopy 保護グループを作成して構成する

この例では、主クラスタとして設定された cluster-paris に Hitachi TrueCopy 保護グループを作成します。


# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d truecopy \
-p Nodelist=phys-paris-1,phys-paris-2 tcpg


例 2–3 オンラインのアプリケーションリソースグループに Hitachi TrueCopy 保護グループを作成する

この例では、現在 cluster-newyork でオンラインになっているアプリケーションリソースグループ resourcegroup1 に Hitachi TrueCopy 保護グループ tcpg を作成します。

  1. アプリケーションリソースグループを持たない保護グループを作成します。


    # geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d truecopy \
     -p nodelist=phys-paris-1,phys-paris-2 tcpg
  2. 保護グループを有効にします。


    # geopg start -e local tcpg
  3. アプリケーションリソースグループを追加します。


    # geopg add-resource-group resourcegroup1 tcpg

ProcedureOracle Real Application Clusters の保護グループを作成する

始める前に

Oracle Real Application Clusters の保護グループを作成する前に、次の条件が満たされていることを確認する必要があります。

クラスタおよびクラスタボリュームマネージャーを再起動すると、Oracle Real Application Clusters フレームワークはクラスタが停止する前にすでにインポートされていたすべてのクラスタマネージャーデバイスグループをインポートしようとします。このため、デバイスグループを主クラスタにインポートしようとすると、失敗します。

  1. 主クラスタ上のクラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. geopg create コマンドを使用して、クラスタボリュームマネージャーディスクグループで新しい保護グループを作成します。

    このコマンドを実行すると、ローカルクラスタのすべてのノードに、保護グループが 1 つずつ作成されます。


    # geopg create -s partnershipname -o localrole -d truecopy [-p property [-p...]] \
    protectiongroupname
    
    -s partnershipname

    パートナーシップの名前を指定します。

    -o localrole

    ローカルクラスタ上でこの保護グループに primary というロールを指定します。

    -d truecopy

    Hitachi TrueCopy ソフトウェアを使用して保護グループのデータを複製するように指定します。

    -p propertysetting

    保護グループのプロパティーを指定します。

    次のプロパティーを指定できます。

    • Description – 保護グループについて説明する。

    • Timeout – 保護グループのタイムアウト間隔を秒単位で指定する。

    • Nodelist – 複製サブシステムの主クラスタになりえるマシンのホスト名を表示する。

    • Cluster_dgs – データが書き込まれるクラスタボリュームマネージャーのディスクグループを指定する。

    設定できるプロパティーの詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。

    Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされる名前と値の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。

    geopg コマンドの詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. Hitachi TrueCopy デバイスグループを保護グループに追加します。


    # geopg add-device-group [-p property [-p...]] \
    protectiongroupname
    
    -p propertysetting

    保護グループのプロパティーを指定します。

    ディスクデバイスグループによって使用されるフェンスレベルを定義する Fence_level プロパティーを指定できます。フェンスレベルにより、そのディスクデバイスグループの主ボリュームおよび二次ボリューム間での整合性のレベルが決定されます。これを never に設定する必要があります。


    注意 – 注意 –

    主クラスタにおけるアプリケーション停止を防ぐには、Fence_levelnever または async に指定します。Fence_level パラメータが never または async に設定されていないと、二次サイトが停止する際にデータ複製が正しく行われない可能性があります。

    neverFence_level を指定した場合、テイクオーバーを実行したあと、データ複製ロールが変わりません。

    datastatus は、特殊な状況下で必要になる場合があるため、Fence_level パラメータがこれらの値に設定されないようにするプログラムは使用しないでください。

    data または statusFence_level を使用する特別なニーズがある場合は、ご購入先に問い合わせてください。


    設定できるプロパティーの詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。

  4. Oracle Real Application Clusters フレームワークリソースグループ、すべての Oracle Real Application Clusters サーバーリソースグループ、すべての Oracle Real Application Clusters リスナーリソースグループを保護グループに追加します。


    # geopg add-resource-group resourcegroup protectiongroupname
    
    resourcegroup

    保護グループに追加する、または保護グループから削除するリソースグループをコンマで区切って指定します。指定したリソースグループはすでに定義されている必要があります。

    リソースグループを追加する前に、保護グループはオンラインである必要があります。geopg add-resource-group コマンドが失敗するのは、保護グループがオフラインであり、追加されるリソースグループがオンラインである場合です。


    注 –

    リソースグループを追加する時点で保護グループがすでに起動されている場合、リソースグループは管理されないままになります。geopg start コマンドを実行して、手動でリソースグループを起動する必要があります。


    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。


例 2–4 Oracle Real Application Clusters の保護グループの作成

この例では、Oracle Real Application Clusters およびクラスタボリュームマネージャーを使用する保護グループ pg1 を作成します。

クラスタボリュームマネージャーのディスクグループ oracle-dg は、Hitachi TrueCopy デバイスグループ VG01 によって複製されるデータを制御します。Oracle Real Application Clusters フレームワークリソースグループのノードリストは、クラスタのすべてのノードに設定されています。

  1. クラスタボリュームマネージャーのディスクグループ oracle-dg を使用して、主クラスタに保護グループを作成します。


    # geopg create -s pts1 -o PRIMARY -d Truecopy -p cluster_dgs=oracle-dg pg1
    Protection group "pg1" successfully created.
  2. Hitachi TrueCopy デバイスグループ VG01 を保護グループ pg1 に追加します。


    # geopg add-device-group --property fence_level=never VG01 pg1
    Device group "VG01" successfully added to the protection group "pg1".
  3. Oracle Real Application Clusters フレームワークリソースグループ rac-framework-rg 、すべての Oracle Real Application Clusters サーバーリソースグループ、およびすべての Oracle Real Application Clusters リスナーリソースグループを保護グループに追加します。


    # geopg add-resource-group rac-framework-rg,rac-server-rg1,\
    rac-listener-rg1,rac-server-rg2,rac-listener-rg2 pg1

データ複製サブシステムを使用してデバイスグループを検証する

保護グループを作成する前に、データ複製層は horcmd デーモンが動作しているかどうかを検証します。

データ複製層は、horcmd デーモンが少なくとも、Nodelist プロパティーで指定されているノードの 1 つで動作しているかどうかを検証します。horcmd デーモンについての詳細は、『Sun StorEdge SE 9900 V Series Command and Control Interface User and Reference Guide』を参照してください。

Cluster_dgs プロパティーが指定されている場合、データ複製層は、指定されたデバイスグループが有効な Sun Cluster デバイスグループであるかどうかを確認します。データ複製層はまた、そのデバイスグループが有効な種類であるかどうかも確認します。


注 –

Cluster_dgs プロパティーに指定されたデバイスグループへの書き込みは、保護グループに属するアプリケーションだけに限定する必要があります。このプロパティーには、保護グループ外のアプリケーションから情報を受信するデバイスグループを指定しないでください。


Sun Cluster リソースグループは、保護グループの作成時に自動的に作成されます。

このリソースグループ内のこのリソースは、データ複製を監視します。Hitachi TrueCopy データ複製リソースグループの名前は、rg-tc-protectiongroupname です。


注意 – 注意 –

このように自動的に作成される複製リソースグループは、Sun Cluster Geographic Edition 内部実装専用です。Sun Cluster コマンドを使用してこれらのリソースグループを変更する場合は注意してください。


ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループを変更する方法

始める前に

保護グループの構成を変更する前に、変更する保護グループがローカルに存在していることを確認します。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループの構成を変更します。

    このコマンドは、ローカルクラスタ上の全ノードの保護グループのプロパティーを変更します。パートナークラスタ上に同じ名前の保護グループが含まれている場合、このコマンドは、パートナークラスタにも新しい構成情報を伝達します。


    # geopg set-prop -p property [-p...] \
    protectiongroupname 
    
    -p propertysetting

    保護グループのプロパティーを指定します。

    設定できるプロパティーの詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。

    Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされる名前と値の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。

    geopg コマンドの詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 2–5 保護グループの構成の変更

この例では、例 2–2 で作成した保護グループの Timeout プロパティーを変更します。


# geopg set-prop -p Timeout=400 tcpg

Hitachi TrueCopy 保護グループの検証

保護グループの検証中、Hitachi TrueCopy データ複製サブシステムは次の検証を行います。

geoadm status の出力で保護グループの Configuration 状態が Error と表示された場合、geopg validate コマンドを使用して構成を検証できます。このコマンドは、保護グループとそのエンティティーの現在の状態を検査します。

保護グループとそのエンティティーが有効であれば、保護グループの Configuration 状態は OK に設定されます。構成ファイル内にエラーが見つかると、geopg validate コマンドはそのエラーについてのメッセージを表示し、構成はエラー状態にとどまります。この場合、ユーザーは構成内のエラーを修正し、geopg validate コマンドをもう一度実行できます。

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループを検証する方法

始める前に

検証する保護グループがローカルに存在し、共通エージェントコンテナがパートナーシップの両方のクラスタのすべてのノードでオンラインになっていることを確認します。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループの構成を検証します。

    このコマンドで検証されるのは、ローカルクラスタ上の保護グループの構成だけです。パートナークラスタ上の保護グループ構成を検証するには、次のコマンドをパートナークラスタでもう一度実行します。


    # geopg validate protectiongroupname 
    
    protectiongroupname

    単一の保護グループを識別する一意の名前を指定します


例 2–6 保護グループの構成の検証

この例では、保護グループを検証します。


# geopg validate tcpg

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループを削除する方法

始める前に

保護グループをすべての場所から削除する場合、保護グループが存在する各クラスタで、geopg delete コマンドを実行する必要があります。

保護グループを削除するには、次の条件が満たされているかをまず確認する必要があります。


注 –

保護グループの削除中にアプリケーションリソースグループをオンライン状態に保持するには、保護グループからアプリケーションリソースグループを除去する必要があります。この手順の例は、例 2–8例 2–10 を参照してください。


  1. 主クラスタ上のノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループを削除します。

    このコマンドは、ローカルクラスタから保護グループの構成を削除します。このコマンドはまた、保護グループの各 Hitachi TrueCopy デバイスグループの複製リソースグループも除去します。このコマンドは、Hitachi TrueCopy デバイスグループのペアの状態は変更しません。


    # geopg delete protectiongroupname 
    
    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します

  3. 二次クラスタ上の保護グループを削除する場合は、手順 1 と手順 2 を cluster-newyork で繰り返します。


例 2–7 保護グループの削除

この例では、両方のパートナークラスタから保護グループを削除します。

cluster-paris は主クラスタです。クラスタ構成の例を確認するには、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition クラスタ構成の例」を参照してください。


# rlogin phys-paris-1 -l root
phys-paris-1# geopg delete tcpg
# rlogin phys-newyork-1 -l root
phys-newyork-1# geopg delete tcpg


例 2–8 アプリケーションリソースグループをオンラインにしたまま Hitachi TrueCopy 保護グループを削除する

この例では、2 つのアプリケーションリソースグループ (apprg1 apprg2) をオンラインにしたまま、これらの保護グループ tcpg を削除します。保護グループからアプリケーションリソースグループを除去し、続いて保護グループを削除します。


# geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 tcpg
# geopg stop -e global tcpg 
# geopg delete tcpg

Hitachi TrueCopy アプリケーションリソースグループの管理

アプリケーションを高可用化するには、そのアプリケーションをアプリケーションリソースグループ内でリソースとして管理する必要があります。

主クラスタ上のアプリケーションリソースグループ用として構成するエンティティー (アプリケーションリソース、インストール、アプリケーション構成ファイル、リソースグループなど) は、すべて二次クラスタにも複製する必要があります。リソースグループ名は、両方のクラスタで同じにする必要があります。また、アプリケーションリソースが使用するデータは、二次クラスタに複製する必要があります。

この節では、次の作業について説明します。

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループにアプリケーションリソースグループを追加する方法

始める前に

既存のリソースグループは、保護グループのアプリケーションリソースグループのリストに追加できます。保護グループにアプリケーションリソースグループを追加する前に、次の条件が満たされていることを確認してください。

保護グループは有効でも無効でもかまいません。また、リソースグループは Online または Unmanaged のどちらでもかまいません。

保護グループの構成が変更されたあと、リソースグループが Unmanaged で保護グループが Active の場合、保護グループのローカル状態は Degraded になります。

追加するリソースグループが Online で保護グループが無効である場合、要求は拒否されます。有効なリソースグループを追加する前に、保護グループを有効にする必要があります。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。

    このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。このコマンドは次に、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、新しい構成情報をパートナークラスタに伝達します。


    # geopg add-resource-group resourcegrouplist protectiongroup
    
    resourcegrouplist

    アプリケーションリソースグループの名前を指定します。

    リソースグループは、コンマで区切って複数指定できます。

    protectiongroup

    保護グループの名前を指定します。

    Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされる名前と値の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。

    ローカルクラスタで追加操作が失敗した場合、保護グループの構成は変更されません。成功した場合、Configuration 状態はローカルクラスタで OK に設定されます。

    ローカルクラスタの Configuration 状態が OK になっていても、パートナークラスタ上で追加操作に失敗した場合、パートナークラスタの Configuration 状態は Error に設定されます。

    保護グループに追加されたアプリケーションリソースグループは、保護グループのエンティティーとして管理されます。この結果、このアプリケーションリソースグループは、保護グループの起動、停止、スイッチオーバー、テイクオーバーなどの操作の影響を受けます。


例 2–9 保護グループへのアプリケーションリソースグループの追加

この例では、2 つのアプリケーションリソースグループ apprg1 apprg2tcpg に追加します。


# geopg add-resource-group apprg1,apprg2 tcpg

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループからアプリケーションリソースグループを削除する方法

アプリケーションリソースグループの状態または内容を変更することなく、保護グループからアプリケーションリソースグループを削除できます。

始める前に

次の条件が満たされているか確認します。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。

    このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。このコマンドは次に、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、パートナークラスタ上の保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。


    # geopg remove-resource-group resourcegrouplist protectiongroup
    
    resourcegrouplist

    アプリケーションリソースグループの名前を指定します。

    リソースグループは、コンマで区切って複数指定できます。

    protectiongroup

    保護グループの名前を指定します。

    ローカルクラスタで除去操作が失敗した場合、保護グループの構成は変更されません。成功した場合、Configuration 状態はローカルクラスタで OK に設定されます。

    ローカルクラスタ上で Configuration 状態が OK になっていても、パートナークラスタ上で除去操作に失敗した場合、パートナークラスタ上の Configuration 状態が Error に設定されます。


例 2–10 保護グループからのアプリケーションリソースグループの削除

この例では、2 つのアプリケーションリソースグループ apprg1 apprg2tcpg から削除します。


# geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 tcpg

Hitachi TrueCopy データ複製デバイスグループの管理

この節では、Hitachi TrueCopy データ複製デバイスグループを管理する方法について説明します。内容は次のとおりです。

Hitachi TrueCopy データ複製保護グループの構成についての詳細は、「Hitachi TrueCopy 保護グループを作成および構成する (Oracle Real Application Clusters を使用しない場合)」を参照してください。

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループにデータ複製デバイスグループを追加する方法

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループ内にデータ複製デバイスグループを作成します。

    このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループにデバイスグループを追加します。そして、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、その新しい構成をパートナークラスタに伝達します。


    # geopg add-device-group -p property [-p...] devicegroupname protectiongroupname
    
    -p property

    データ複製デバイスグループのプロパティーを指定します。

    デバイスグループによって使用されるフェンスレベルを定義する Fence_level プロパティーを指定できます。フェンスレベルにより、そのデバイスグループの主ボリュームと二次ボリューム間の整合性のレベルが決定されます。

    このプロパティーを datastatus never、または asyncに設定できます。Fence_level never または async に設定した場合、二次クラスタに障害が発生したあとでも、アプリケーションは主クラスタに書き込みを続けることができます。しかし、Fence_level プロパティーを data または status に設定した場合は、次のような理由で二次クラスタが利用できないため、主クラスタのアプリケーションに障害が発生する可能性があります。

    • データ複製リンクに失敗した

    • 二次クラスタとストレージが停止している

    • 二次クラスタのストレージが停止している


    注意 – 注意 –

    主クラスタにおけるアプリケーション停止を防ぐには、Fence_levelnever または async に指定します。

    neverFence_level を指定した場合、テイクオーバーを実行したあと、データ複製ロールが変わりません。

    data または statusFence_level を使用する特別なニーズがある場合は、ご購入先に問い合わせてください。


    さまざまなフェンスレベルに関連したアプリケーションエラーの詳細は、『Sun StorEdge SE 9900 V Series Command and Control Interface User and Reference Guide』を参照してください。

    ほかにどのようなプロパティーが指定できるかは、使用しているデータ複製の種類によって異なります。これらのプロパティーについての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    devicegroupname

    新しいデータ複製デバイスグループの名前を指定します。

    protectiongroupname

    新しいデータ複製デバイスグループを追加する保護グループの名前を指定します。

    Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされる名前と値の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。

    geopg コマンドの詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。


    
    

例 2–11 Hitachi TrueCopy 保護グループへのデータ複製デバイスグループの追加

この例では、tcpg 保護グループに Hitachi TrueCopy データ複製デバイスグループを作成します。


# geopg add-device-group -p Fence_level=data devgroup1 tcpg

データ複製サブシステムによって行われる検証

/etc/horcm.conf ファイルで dev_group として構成されている Hitachi TrueCopy デバイスグループを保護グループに追加するとき、データ複製層は次の検証を行います。

Hitachi TrueCopy デバイスグループプロパティー 

検証 

devicegroupname

指定された Hitachi TrueCopy デバイスグループが Nodelist プロパティーに指定されているすべてのクラスタノードで構成されているかどうかを検査します。

Fence_level

この Hitachi TrueCopy デバイスグループ用にペアがすでに確立されている場合、データ複製層は、指定された Fence_level がすでに確立されているフェンスレベルと一致するかどうかを検査します。

ペアがまだ確立されていない場合 (ペアが SMPL 状態のときなど) は、どの Fence_level でも受け入れられます。

Hitachi TrueCopy デバイスグループが保護グループに追加されるとき、このコマンドによって、Sun Cluster リソースが自動的に作成されます。このリソースはデータ複製を監視します。リソースの名前は、r-tc-protectiongroupname -devicegroupname です。このリソースは、対応する Sun Cluster リソースグループに置かれます。このリソースグループの名前は、rg-tc-protectiongroupname です。


注意 – 注意 –

これらの複製リソースを Sun Cluster コマンドで変更する場合は注意する必要があります。これらのリソースは内部実装専用です。


Hitachi TrueCopy デバイスグループの状態を検証する

検証のため、Sun Cluster Geographic Edition は各 Hitachi TrueCopy デバイスグループに、そのペアの現在の状態に従った状態を与えます。この状態は、pairvolchk -g <DG> -ss コマンドで返されます。

この節の残りの部分では、個々のデバイスグループ状態と、保護グループのローカルな役割に照らしてこれらの状態を検証する方法について説明します。

個々の Hitachi TrueCopy デバイスグループの状態の判断

個々の Hitachi TrueCopy デバイスグループは、次に示す状態のいずれかになります。

特定のデバイスグループの状態を判断するには、pairvolchk -g <DG> -ss コマンドで返される値を使用します。次の表に、pairvolchk コマンドで返される値に関連付けられたデバイスグループ状態を示します。

表 2–1 個々の Hitachi TrueCopy デバイスグループ状態

pairvolchk の出力

個々のデバイスグループ状態 

11 = SMPL

SMPL

22 / 42 = PVOL_COPY

23 / 42 = PVOL_PAIR

26 / 46 = PVOL_PDUB

47 = PVOL_PFUL

48 = PVOL_PFUS

Regular Primary

24 / 44 = PVOL_PSUS

25 / 45 = PVOL_PSUE

これらの戻りコードで個々のデバイスグループのカテゴリを判断するためには、リモートクラスタの horcmd プロセスをアクティブにし、該当するデバイスグループの remote-pair-state 取得できるようにする必要があります。

Regular Primary (remote-cluster-state !=SSWS の場合)

または 

Takeover Secondary (remote-cluster-state == SSWS の場合)

SSWS (pairdisplay -g <DG> -fc コマンドを使用する場合)。

32 / 52 = SVOL_COPY

33 / 53 = SVOL_PAIR

35 / 55 = SVOL_PSUE

36 / 56 = SVOL_PDUB

57 = SVOL_PFUL

58 = SVOL_PFUS

Regular Secondary

34 / 54 = SVOL_PSUS

Regular Secondary (local-cluster-state !=SSWS の場合)

または 

Takeover Primary (local-cluster-state == SSWS の場合)

SSWS (pairdisplay -g <DG> -fc コマンドを使用する場合)。

Hitachi TrueCopy デバイスグループの全体的な状態の判断

保護グループに Hitachi TrueCopy デバイスグループ 1 つだけが含まれている場合、全体的なデバイスグループ状態は個々のデバイスグループ状態と同じです。

次の表に、保護グループに複数の Hitachi TrueCopy デバイスグループが含まれているときに、全体的なデバイスグループ状態を取得する方法を示します。

表 2–2 全体的なデバイスグループ状態を判断する条件

条件 

全体的なデバイスグループ状態 

個々のデバイスグループ状態がすべて SMPL である場合

SMPL

個々のデバイスグループ状態がすべて Regular Primary または SMPL である場合

Regular Primary

個々のデバイスグループ状態がすべて Regular Secondary または SMPL である場合

Regular Secondary

個々のデバイスグループ状態がすべて Takeover Primary または SMPL である場合

Takeover Primary

個々のデバイスグループ状態がすべて Takeover Secondary または SMPL である場合

Takeover Secondary

個々のデバイスグループ状態のほかのどんな組み合わせでも全体的なデバイスグループ状態を取得できません。これは、ペア状態検証エラーとみなされます。

全体的なデバイスグループ状態に照らして保護グループのローカルな役割を検証する

次の表に、全体的なデバイスグループ状態に照らして Hitachi TrueCopy 保護グループのローカルな役割を検証する方法を示します。

表 2–3 保護グループのローカルな役割に照らして全体的なデバイスグループ状態を検証する

全体的なデバイスグループ状態 

保護グループの有効なローカルな役割 

SMPL

primary または secondary

Regular Primary

primary

Regular Secondary

secondary

Takeover Primary

primary

Takeover Secondary

secondary


例 2–12 全体的なデバイスグループ状態の検証

この例では、Hitachi TrueCopy デバイスグループが属する Hitachi TrueCopy 保護グループの役割に照らしてこのデバイスグループの状態を検証します。

まず、次のように、保護グループを作成します。


phys-paris-1# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d truecopy tcpg

次のように、デバイスグループ devgroup1 を保護グループ tcpg に追加します。


phys-paris-1# geopg add-device-group -p fence_level=async devgroup1 tcpg

Hitachi TrueCopy デバイスグループ devgroup1 の現在の状態は、pairdisplay コマンドの出力に示されます。


phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1 
Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M 
devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345   1..P-VOL PAIR ASYNC,54321  609   -
devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL PAIR ASYNC,-----   1    - 
devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345   2..P-VOL PAIR ASYNC,54321  610   - 
devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL PAIR ASYNC,-----   2    -

pairvolchk -g <DG> -ss コマンドを実行すると、値 23 が戻ります。


phys-paris-1# pairvolchk -g devgroup1 -ss
parivolchk : Volstat is P-VOL.[status = PAIR fence = ASYNC]
phys-paris-1# echo $?
23

pairvolchk コマンドの出力は 23 です。これは、表 2–1 内で、Regular Primary の個々のデバイスグループ状態に対応します。保護グループにはデバイスグループが 1 つだけ含まれているため、全体的なデバイスグループ状態は個々のデバイスグループ状態と同じです。-o オプションで指定した保護グループのローカルな役割は、表 2–3 からわかるように primary です。このため、このデバイスグループ状態は有効です。


ProcedureHitachi TrueCopy データ複製デバイスグループを変更する方法

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. デバイスグループを変更します。

    このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループに存在するデバイスグループのプロパティーを変更します。このコマンドは次に、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、新しい構成をパートナークラスタに伝達します。


    # geopg modify-device-group -p property [-p...] \
    TCdevicegroupname protectiongroupname 
    
    -p property

    データ複製デバイスグループのプロパティーを指定します。

    設定できるプロパティーの詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    TCdevicegroupname

    新しいデータ複製デバイスグループの名前を指定します。

    protectiongroupname

    新しいデータ複製デバイスグループを追加する保護グループの名前を指定します。


例 2–13 Hitachi TrueCopy データ複製デバイスグループのプロパティーの変更

この例では、Hitachi TrueCopy 保護グループの一部であるデータ複製デバイスグループのプロパティーを変更します。


# geopg modify-device-group -p fence_level=async tcdg tcpg

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループからデータ複製デバイスグループを削除する方法

始める前に

保護グループにデータ複製デバイスグループを追加した場合、保護グループからそのデータ複製デバイスグループを削除することがあります。通常、ディスクセットに書き込むようにアプリケーションを構成したあとでそのディスクを変更することはありません。

データ複製デバイスグループを削除しても、複製は停止せず、またデータ複製デバイスグループの複製状態は変更されません。

保護グループを削除する方法については、「Hitachi TrueCopy 保護グループを削除する方法」を参照してください。保護グループからアプリケーションリソースグループを削除する方法については、「Hitachi TrueCopy 保護グループからアプリケーションリソースグループを削除する方法」を参照してください。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. デバイスグループを除去します。

    このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループからデバイスグループを除去します。このコマンドは次に、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、新しい構成をパートナークラスタに伝達します。


    # geopg remove-device-group devicegroupname protectiongroupname
    
    devicegroupname

    データ複製デバイスグループの名前を指定します

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します

    Hitachi TrueCopy 保護グループからデバイスグループが削除されるとき、対応する Sun Cluster リソース r-tc-protectiongroupname-devicegroupname が複製リソースグループから除去されます。結果として、それ以降、削除されたデバイスグループは監視されません。リソースグループは、保護グループが削除されるときに除去されます。


例 2–14 Hitachi TrueCopy 保護グループからデータ複製デバイスグループを削除する

この例では、Hitachi TrueCopy データ複製デバイスグループを削除します。


# geopg remove-device-group tcdg tcpg

Hitachi TrueCopy 保護グループ構成をを二次クラスタに複製する

主クラスタと二次クラスタ上のデータ複製、リソースグループ、およびリソースを構成して終わると、保護グループの構成を二次クラスタに複製できます。

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループ構成を二次クラスタに複製する方法

始める前に

Hitachi TrueCopy 保護グループの構成を二次クラスタに複製する前に、次の条件が満たされていることを確認します。

  1. phys-newyork-1 にログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

    phys-newyork-1 は、二次クラスタ上の唯一のノードです。どのノードが phys-newyork-1 かを確認するには、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition クラスタ構成の例」を参照してください。

  2. geopg get コマンドを使用して、保護グループの構成をパートナークラスタに複製します。

    このコマンドは、リモートクラスタから保護グループの構成情報を取得して、その保護グループをローカルクラスタ上に作成します。


    phys-newyork-1# geopg get -s partnershipname [protectiongroup]
    -s partnershipname

    保護グループ構成情報を取得するべきパートナーシップの名前と、保護グループをローカルに作成するパートナーシップの名前を指定します。

    protectiongroup

    保護グループの名前を指定します。

    保護グループを指定しないと、リモートパートナー上の指定されたパートナーシップ内に存在するすべての保護グループがローカルクラスタ上に作成されます。


    注 –

    geopg get コマンドは、Sun Cluster Geographic Edition に関連するエンティティーを複製します。Sun Cluster エンティティーを複製する方法については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』「リソースグループ、リソースタイプ、およびリソースの構成データを複製およびアップグレードする」を参照してください。



例 2–15 Hitachi TrueCopy 保護グループをパートナークラスタに複製する

この例では、tcpg の構成を cluster-paris から cluster-newyork に複製します。


# rlogin phys-newyork-1 -l root
phys-newyork-1# geopg get -s paris-newyork-ps tcpg

Hitachi TrueCopy 保護グループの有効化

保護グループを有効にすると、その保護グループは構成時に割り当てられた役割を引き受けます。保護グループの構成についての詳細は、「Hitachi TrueCopy 保護グループを作成および構成する (Oracle Real Application Clusters を使用しない場合)」を参照してください。

保護グループは、次のレベルで有効にできます。

一方のクラスタで Hitachi TrueCopy 保護グループを有効にすると、データ複製層に次のような影響が出ます。

アプリケーションの処理が行われるのは、データ複製が正常に開始されたあとだけです。

保護グループを有効にすると、アプリケーション層に次のような影響が出ます。

データ複製の開始に使用する Hitachi TrueCopy コマンドは、次の要因によって変わります。

次の表に、これらの要因の考えられる組み合わせごとに、データ複製の開始に使用する Hitachi TrueCopy コマンドを示します。コマンド中、dg はデバイスグループ名であり、fl はデバイスグループに構成されたフェンスレベルです。

表 2–4 Hitachi TrueCopy データ複製の開始に使用するコマンド

全体的なデバイスグループ状態 

保護グループの有効なローカルな役割 

Hitachi TrueCopy 開始コマンド 

SMPL

primary または secondary

paircreate -vl -g dg -f fl

paircreate -vr -g dg -f fl

 

どちらのコマンドでも、horcmd プロセスがリモートクラスタで起動している必要があります。

Regular Primary

primary

ローカル状態コードが 22、23、25、26、29、42、43、45、46、または 47 の場合、データがすでに複製されているため、コマンドは実行されません。 

ローカル状態コードが 24、44、または 48 の場合は、次のコマンドが実行されます。pairresync -g dg [-l]

ローカル状態コードが 11 の場合は、次のコマンドが実行されます。 paircreate -vl -g dg -f fl

どちらのコマンドでも、horcmd プロセスがリモートクラスタで起動している必要があります。

Regular Secondary

secondary

ローカル状態コードが 32、33、35、36、39、52、53、55、56、または 57 の場合、データがすでに複製されているため、コマンドは実行されません。 

ローカル状態コードが 34、54、または 58 の場合は、次のコマンドが実行されます。pairresync -g dg

ローカル状態コードが 11 の場合は、次のコマンドが実行されます。 paircreate -vr -g dg -f fl

どちらのコマンドでも、horcmd プロセスがリモートクラスタで起動している必要があります。

Takeover Primary

primary

ローカル状態コードが 34 または 54 の場合は、次のコマンドが実行されます。 pairresync -swaps -g

ローカル状態コードが 11 の場合は、次のコマンドが実行されます。 paircreate -vl -g dg -f fl

paircreate コマンドでは、horcmd プロセスがリモートクラスタで起動している必要があります。

Takeover Secondary

secondary

ローカル状態コードが 24、44、25、または 45 の場合は、次のコマンドが実行されます。pairresync -swapp -g dg

ローカル状態コードが 11 の場合は、次のコマンドが実行されます。 paircreate -vr -g dg -f fl.

どちらのコマンドでも、horcmd プロセスがリモートクラスタで起動している必要があります。

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループを有効にする方法

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループを有効にします。

    保護グループを有効にすると、そのアプリケーションリソースグループもオンラインになります。


    # geopg start -e scope [-n] protectiongroupname 
    
    -e scope

    コマンドの範囲を指定します。

    範囲が Local の場合、このコマンドはローカルクラスタだけを対象に実行されます。範囲が Global の場合、このコマンドは保護グループが配備されている両方のクラスタを対象に実行されます。


    注 –

    GlobalLocal などのプロパティー値は、大文字と小文字は区別されません。


    -n

    保護グループを有効にしたときにデータ複製を開始しないようにします。

    このオプションを省略した場合、データ複製サブシステムは保護グループと同時に起動されます。

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。

    geopg start コマンドは、scswitch -Z -g resourcegroups コマンドを使用して、リソースグループとリソースをオンラインにします。このコマンドの使用法についての詳細は、scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 2–16 Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアで複製開始コマンドを実行する

次の例では、データ複製の開始に使用する Hitachi TrueCopy コマンドを Sun Cluster Geographic Edition がどのように決定するかを示します。

まず、Hitachi TrueCopy 保護グループを作成します。


phys-paris-1# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d truecopy tcpg

デバイスグループ devgroup1 を保護グループに追加します。


phys-paris-1# geopg add-device-group -p fence_level=async devgroup1 tcpg

Hitachi TrueCopy デバイスグループ devgroup1 の現在の状態は、pairdisplay コマンドの出力に示されます。


phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1
Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M 
devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345   1..SMPL ----  ----, ----- ----   - 
devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..SMPL ----  ----, ----- ----   - 
devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345   2..SMPL ----  ----, ----- ----   - 
devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..SMPL ----  ----, ----- ----   -

全体的なデバイスグループ状態は SMPL です。

次に、geopg start コマンドを使用して、保護グループ tcpgを有効にします。


phys-paris-1# geopg start -e local tcpg

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは paircreate -g devgroup1 -vl -f async コマンドをデータ複製レベルで実行します。このコマンドが成功した場合、pairdisplay コマンドの出力に devgroup1 の状態が次のように表示されます。


phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1
Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M 
devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345   1..P-VOL COPY ASYNC,54321  609   - 
devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL COPY ASYNC,-----   1    - 
devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345   2..P-VOL COPY ASYNC,54321  610   - 
devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL COPY ASYNC,-----   2    -


例 2–17 Hitachi TrueCopy 保護グループのグローバルな有効化

この例では、保護グループをグローバルに有効にします。


# geopg start -e global tcpg

保護グループ tcpg は、保護グループが構成されている両方のクラスタで有効になります。



例 2–18 Hitachi TrueCopy 保護グループのローカルな有効化

この例では、保護グループをローカルクラスタでのみ有効にします。このローカルクラスタは、その役割に応じ、主クラスタの場合も二次クラスタの場合もあります。


# geopg start -e local tcpg

Hitachi TrueCopy 保護グループの無効化

保護グループは、次のレベルでアクティブ化を解除できます。

一方のクラスタで Hitachi TrueCopy 保護グループを無効にすると、データ複製層に次のような影響が出ます。

保護グループを無効にすると、アプリケーション層に次のような影響が出ます。

データ複製の停止に使用する Hitachi TrueCopy コマンドは、次の要因によって変わります。

次の表に、これらの要因の考えられる組み合わせごとに、データ複製の開始に使用する Hitachi TrueCopy コマンドを示します。コマンド中、dg はデバイスグループ名です。

表 2–5 Hitachi TrueCopy データ複製の停止に使用するコマンド

全体的なデバイスグループ状態 

保護グループの有効なローカルな役割 

Hitachi TrueCopy 停止コマンド 

SMPL

primary または secondary

複製されるデータがないため、コマンドは実行されません。 

Regular Primary

primary

ローカル状態コードが 22、23、26、29、42、43、46、または 47 の場合は、次のコマンドが実行されます。pairsplit -g dg [-l].

ローカル状態コードが 11、24、25、44、45、または 48 の場合は、複製されるデータがないため、コマンドは実行されません。 

Regular Secondary

secondary

ローカル状態コードが 32、33、35、36、39、52、53、55、56、または 57 の場合は、次のコマンドが実行されます。pairsplit -g dg .

ローカル状態コードが 33 または 53 で、リモート状態が PSUE の場合、複製を停止するコマンドは実行されません。

ローカル状態コードが 11、34、54、または 58 の場合は、複製されるデータがないため、コマンドは実行されません。 

Takeover Primary

primary

複製されるデータがないため、コマンドは実行されません。 

Takeover Secondary

secondary

複製されるデータがないため、コマンドは実行されません。 

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループを無効にする方法

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループを無効にします。

    保護グループを無効にすると、そのアプリケーションリソースグループも管理対象から外れます。


    # geopg stop -e scope [-D] protectiongroupname
    
    -e scope

    コマンドの範囲を指定します。

    範囲が Local の場合、このコマンドはローカルクラスタだけを対象に実行されます。この範囲が Global の場合、このコマンドは保護グループが配備されている両方のクラスタを対象に実行されます。


    注 –

    GlobalLocal などのプロパティー値は、大文字と小文字は区別されません。


    -D

    保護グループをオンラインにしたままデータ複製だけを停止することを指定します。

    このオプションを省略した場合、データ複製サブシステムと保護グループは両方とも停止されます。

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。


例 2–19 Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアで複製停止コマンドを実行する

この例では、データ複製の停止に使用する Hitachi TrueCopy コマンドを Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアがどのように決定するかを示します。

Hitachi TrueCopy デバイスグループ devgroup1 の現在の状態は、pairdisplay コマンドの出力に示されます。


phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1
Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M 
devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345   1..P-VOL PAIR ASYNC,54321  609   - 
devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL PAIR ASYNC,-----   1    - 
devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345   2..P-VOL PAIR ASYNC,54321  610   - 
devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL PAIR ASYNC,-----   2    -

デバイスグループ devgroup1 を保護グループに追加します。


phys-paris-1# geopg add-device-group -p fence_level=async devgroup1 tcpg

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは pairvolchk -g <DG> -ss コマンドをデータ複製レベルで実行します。そして、値 43 を返します。


pairvolchk -g devgroup1 -ss
Volstat is P-VOL.[status = PAIR fence = ASYNC]
phys-paris-1# echo $?
43

次に、geopg stop コマンドを使用して、保護グループ tcpgを無効にします。


phys-paris-1# geopg stop -s local tcpg

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは pairsplit -g devgroup1 コマンドをデータ複製レベルで実行します。

このコマンドが成功した場合、pairdisplay コマンドの出力に devgroup1 の状態が次のように表示されます。


phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1
Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M
devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345   1..P-VOL PSUS ASYNC,54321  609   - 
devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL SSUS ASYNC,-----   1    - 
devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345   2..P-VOL PSUS ASYNC,54321  610   - 
devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL SSUS ASYNC,-----   2    -


例 2–20 全クラスタの保護グループの無効化

この例では、保護グループをすべてのクラスタで無効にします。


# geopg stop -e global tcpg


例 2–21 ローカルクラスタ上の保護グループの無効化

この例では、保護グループをローカルクラスタで無効にします。


# geopg stop -e local tcpg


例 2–22 保護グループをオンラインにしたままデータ複製を停止

この例では、ローカルクラスタでデータの複製のみを停止します。


# geopg stop -e local -D tcpg

このコマンドを実行したあと、保護グループとその基盤であるデータ複製サブシステムの両方を無効にすることを管理者が決定した場合、-D オプションを指定せずにこのコマンドをもう一度実行できます。


# geopg stop -e local tcpg


例 2–23 アプリケーションリソースグループをオンラインに維持した状態での Hitachi TrueCopy 保護グループの無効化

この例では、2 つのアプリケーションリソースグループ apprg1apprg2 をオンラインにしたまま両方のクラスタ上の保護グループ tcpg を無効にします。

  1. 保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。


    # geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 tcpg
  2. 保護グループを無効にします。


    # geopg stop -e global tcpg

Hitachi TrueCopy 保護グループの再同期

ローカル保護グループの構成情報は、パートナークラスタから取得した構成情報と再同期させることができます。保護グループを再同期させる必要があるのは、geoadm status コマンドを実行した結果、保護グループの Synchronization 状態が Error になっている場合です。

たとえば、クラスタの起動後に保護グループの再同期が必要となることがあります。詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「クラスタの起動」を参照してください。

保護グループを再同期させると、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアに関連するエンティティーだけが更新されます。Sun Cluster エンティティーを更新する方法については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』「 リソースグループ、リソースタイプ、およびリソースの構成データを複製およびアップグレードする」を参照してください。

Procedure保護グループを再同期させる方法

始める前に

geopg update コマンドを実行するクラスタでは、保護グループを無効にする必要があります。保護グループを無効にする方法については、「Hitachi TrueCopy 保護グループの無効化」を参照してください。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループを再同期させます。


    # geopg update protectiongroupname
    
    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します


例 2–24 保護グループの再同期

この例では、保護グループを再同期します。


# geopg update tcpg

Hitachi TrueCopy データ複製の実行時状態の検査

複製の状態は、全体的な状態も、Hitachi TrueCopy 複製リソースグループの詳しい実行時状態も取得できます。この節では、各状態を検査する手順について説明します。

Hitachi TrueCopy 実行時状態の概要の表示

各 Hitachi TrueCopy データ複製リソースの状態は、特定のデバイスグループにおける複製の状態を示します。保護グループ内のすべてのリソースの状態は、複製状態としてまとめられます。この複製状態は、保護グループ状態の 2 つ目の構成要素です。保護グループの状態についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアの実行時状態の監視」を参照してください。

複製の全体的な状態を確認するには、次の手順で説明している方法で保護グループの状態を表示します。

Procedure複製の全体的な実行時状態を検査する方法

  1. 保護グループが定義されているクラスタのノードの 1 つにアクセスします。

    この手順を行うには、Basic Solaris User RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 複製の実行時状態を検査します。


    # geoadm status

    複製情報の出力の保護グループセクションを参照してください。このコマンドで表示される情報は次のとおりです。

    • ローカルクラスタがパートナーシップに参加できるように有効になっているかどうか

    • ローカルクラスタがパートナーシップに参加しているかどうか

    • ハートビート構成の状態

    • 定義されている保護グループの状態

    • 現在進行しているトランザクションの状態

  3. Hitachi TrueCopy デバイスグループごとに、データ複製の実行時状態を検査します。


    # scstat -g

    検査するデータ複製デバイスグループの Status フィールドと Status Message フィールドを参照してください。

参照

これらのフィールドについては、表 2–6 を参照してください。

詳細な Hitachi TrueCopy 実行時状態の表示

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは内部的に、保護グループごとに複製リソースグループを 1 つ作成し、保持します。複製リソースグループの名前の書式は次のとおりです。


rg-tc_truecopyprotectiongroupname

保護グループに Hitachi TrueCopy デバイスグループを追加する場合、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアはデバイスグループごとにリソースを 1 つ作成します。このリソースは、そのデバイスグループの複製の状態を監視します。各リソースの名前の書式は次のとおりです。


r-tc-truecopyprotectiongroupname-truecopydevicegroupname

このデバイスグループの複製の状態は、このリソースの StatusStatus Message を確認することで監視できます。scstat -g コマンドを使用して、リソースの状態および状態メッセージを表示します。

次の表に、Hitachi TrueCopy 複製リソースグループの StateOnline のときに、 scstat -g コマンドが返す StatusStatus Message の値を示します。

表 2–6 Hitachi TrueCopy 複製リソースグループがオンラインになっているときの状態と状態メッセージ

状態 

状態メッセージ 

オンライン 

P-Vol/S-Vol:PAIR 

オンライン 

P-Vol/S-Vol:PAIR:Remote horcmd not reachable 

オンライン 

P-Vol/S-Vol:PFUL 

オンライン 

P-Vol/S-Vol:PFUL:Remote horcmd not reachable 

縮退 

SMPL:SMPL 

縮退 

SMPL:SMPL:Remote horcmd not reachable 

縮退 

P-Vol/S-Vol:COPY 

縮退 

P-Vol/S-Vol:COPY:Remote horcmd not reachable 

縮退 

P-Vol/S-Vol:PSUS 

縮退 

P-Vol/S-Vol:PSUS:Remote horcmd not reachable 

縮退 

P-Vol/S-Vol:PFUS 

縮退 

P-Vol/S-Vol:PFUS:Remote horcmd not reachable 

障害発生 

P-Vol/S-Vol:PDFUB 

障害発生 

P-Vol/S-Vol:PDUB:Remote horcmd not reachable 

障害発生 

P-Vol/S-Vol:PSUE 

障害発生 

P-Vol/S-Vol:PSUE:Remote horcmd not reachable 

縮退 

S-Vol:SSWS:Takeover Volumes 

障害発生 

P-Vol/S-Vol:Suspicious role configuration. Actual Role=x, Config Role=y 

これらの値についての詳細は、Hitachi TrueCopy のマニュアルを参照してください。

scstat コマンドの詳細は、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。