Sun Java System Portal Server 7.2 管理ガイド

Portal Server デスクトップ管理の概要

ここでは、Portal Server デスクトップの主要コンポーネントについて説明します。この章では、次の内容について説明します。

ディスプレイプロファイルの概要

Portal Server をインストールするときに、最初の組織を作成します。その際、指定した入力パラメータに基づいて、ディスプレイプロファイルグローバルレベルのドキュメントおよびデフォルト組織のディスプレイプロファイルがインポートされます。

その後は、組織、サブ組織、またはロールを新規に作成しても、ディスプレイプロファイルは毎回自動的にロードされません。ただし、それらの新しい組織、サブ組織、またはロールでは、親から定義済みのディスプレイプロファイルが継承されます。新規に作成した組織、サブ組織、またはロールに固有のエントリがある場合は、ディスプレイプロファイルを手動でロードする必要があります。

ディスプレイプロファイルでは、次の 3 つの項目を定義して標準デスクトップの表示設定を作成します。

プロバイダ定義

プロバイダの名前と Java クラスを指定します。プロバイダは、コンテンツの生成に使用されるテンプレートで、チャネルに表示されます。

チャネル定義

プロバイダクラスのインスタンスの実行時設定を指定します。チャネルはコンテンツの単位で、多くの場合は行と列で編成されます。また、チャネル内にチャネルを持つことができます。これは、コンテナチャネルと呼ばれます。

プロバイダとチャネルのプロパティー定義

プロバイダとチャネルのプロパティーに値を指定します。プロバイダに定義されたプロパティーは、通常はそのプロバイダに関連するチャネルの、デフォルトの値を指定します。チャネルの表示設定には、タイトル、説明、チャネル幅などのプロパティーが含まれます。チャネルに定義するプロパティーでは、通常、デフォルト値とは異なるそのチャネル固有の値を指定します。

コンテナプロパティーでは、コンテナに含まれるチャネルの表示方法に関する表示定義を定義します。これには、コンテナのレイアウト (狭い - 広い、広い - 狭い、または狭い - 広い - 狭い)、コンテナ内のチャネルのリスト、チャネルの位置 (行と列の番号)、コンテナ内のチャネルのウィンドウ状態 (最小または切り離し) などがあります。

ディスプレイプロファイルはチャネルのプロパティー値のみを提供します。ユーザーのデスクトップに実際に表示されるコンテンツの全体的なレイアウトや構造を定義するものではありません。ただし、ディスプレイプロファイルは、テーブルコンテナの列レイアウトやテーブルコンテナがテーブル内にチャネルを描画する方法など、チャネル表示のいくつかの側面を間接的に制御します。

無効な XML を含むディスプレイプロファイルドキュメントを保存しようとすると、システムがエラーを出力します。このエラーメッセージは、タイトル、メッセージ、およびサブメッセージとして表示されます。メッセージボックスのタイトルは、「無効な XML ドキュメント」です。メッセージは、次のいずれかの形式で表示されます。

「無効な XML ドキュメント」エラーが表示された場合、エラーを修正して XML ドキュメントを保存可能にする必要があります。

ドキュメントを表示する構文は次のとおりです。


<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="no"?>
<DOCTYPE DisplayProfile SYSTEM " jar://resources/psdp.dtd">

<DisplayProfile version="1.0" priority="xxx">
	<Properties>
	...
	</Properties>
	</Channels>
	...
	</Channels>
	<Providers>
	...
	</Providers>
</DisplayProfile>

デスクトップ属性の概要

デスクトップは、ユーザーのディスプレイプロファイルマージャーセットですべてのドキュメントをマージし、ユーザーのデスクトップを構成するために使います。ディスプレイプロファイルのマージしたセットには、ユーザーに関連するすべてのディスプレイプロファイルドキュメントが含まれます。ディスプレイプロファイルは、Portal Server 組織ツリーの異なるレベルで定義されます。ツリーのさまざまなレベルのディスプレイプロファイルドキュメントをマージまたは結合して、ユーザーのディスプレイプロファイルを作成します。

たとえば、ユーザーのディスプレイプロファイルドキュメントをロールディスプレイプロファイルドキュメント (存在する場合)、組織のディスプレイプロファイルドキュメント、およびグローバルディスプレイプロファイルドキュメントとマージして、ユーザーのディスプレイプロファイルを形成します。

デスクトップディスプレイプロファイルとその他の設定データは、Sun Java System Access Manager サービス管理フレームワークで、ポータルデスクトップサービスの親コンテナ、デスクトップタイプ、編集コンテナなどのサービス属性として定義されます。組織が Sun Java System Access Manager 管理コンソールでポータルデスクトップサービスを追加すると、組織内のすべてのユーザーが、自分のユーザープロファイルでポータルデスクトップサービス属性を継承します。これらの属性はポータルデスクトップで照会され、情報を集約してポータルデスクトップに表示する方法が決まります。

「デスクトップ属性の管理」 を参照してください。