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Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - 構成
リリース11i(2005年6月)
部品番号: B15956-01
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コンカレント・プログラムおよびレポートの定義

コンカレント・プログラムと要求の概要

コンカレント・プログラムは、他のコンカレント・プログラムおよびオンライン操作と同時に実行する実行ファイルで、ハードウェアの能力を最大限に利用します。通常、コンカレント・プログラムは、仕訳の転記やレポートの生成など、実行に長時間かかるデータ集中型のタスクです。

要求グループおよび要求セット

レポートとコンカレント・プログラムを、要求グループおよび要求セットにまとめることができます。

標準要求発行および要求グループ

標準要求発行はOracle Applicationsの機能の1つで、この機能を使用すると、単一の標準フォームから全レポートと他のコンカレント・プログラムを選択して実行できます。標準発行フォームは「要求の発行」と呼ばれますが、別のタイトルを表示するようにカスタマイズできます。

要約すると、2つの方法で、要約グループを使用してレポートとコンカレント・プログラムへのアクセスを制御できます。ユーザーの職責に従うか、またはカスタマイズした標準発行(「要求の発行」)フォームに従います。「コードを使用した「要求の発行」ウィンドウのカスタマイズ」を参照してください。

関連項目: レポートおよびプログラムの実行

ユーザー別の有効要求の制限

システム管理者は、個々のユーザーに対して、有効な要求(ステータスが「実行中」)の数を制限できます。これにより、1人のユーザーが要求キューを独占できなくなります。たとえば、有効要求制限が5に設定されたユーザーが20の要求を発行した場合、同時に実行される要求は5つのみです。残りの要求は、そのユーザーの有効な要求の数が5つ未満に減ると実行されます。「プロファイル・オプション」ウィンドウを使用して、「コンカレント:有効要求制限」プロファイルを設定します。全ユーザーに対してグローバルな制限を設定する場合は、このオプションをサイト・レベルで設定します。次に、このプロファイル・オプションをユーザー・レベルで設定すると、各ユーザーの制限を変更できます。

関連リンク:

プログラムの要求セット別編成

システム管理者の要求セット権限

プログラムの要求グループ別編成

データ・グループの定義

プログラム定義のコピーおよび変更

プログラムの要求セット別編成

要求セットは、事前定義済の印刷オプションとパラメータ値を使用した、複数のレポートとコンカレント・プログラムを実行する迅速かつ便利な方法です。要求セットによって、そのセットから発行されるステージに複数の要求がグループ化されます。ステージの発行順序は、前のステージのステータスによって決まります。

レポートとコンカレント・プログラムへのアクセスをカスタマイズするため、システム管理者が要求セットを利用することもできます。要求セットを使用して、システム管理者は次の操作を実行できます。

注意: 複数言語要求は、要求セット内で実行できません。

システム管理者には、「要求セット」ウィンドウの特別版など、アプリケーション・ユーザーより上の権限があります。

要求セットの定義

要求セットを定義し、「要求の発行」フォームから要求セットを発行することで、同じコンカレント要求セットを定期的に実行できます。

システム管理者は、任意の標準要求発行レポートまたはコンカレント・プログラムを、定義する要求セットに組み込むことができます。エンド・ユーザーが要求セットを定義する場合、そのエンド・ユーザーの職責の要求セキュリティ・グループに属しているレポートとプログラムからのみ、選択できます。

要求セットの作成と編集には、「要求セット」フォームを使用します。

要求セット・ステージ

この項では、要求セット・ステージの定義方法と編成方法を説明します。

ステージへの要求セットの編成

要求セットは、実行順序を決めるためにリンクされる、1つ以上の「ステージ」に分割されます。各ステージは、並列に(同時に任意の順序で)実行する、1つ以上の要求で構成されます。たとえば、最も単純な要求セット構造では、すべての要求が1つのステージに割り当てられます。これによって、すべての要求を並列に実行できます。

単一ステージの要求セット

テキストで説明されている画像

要求を順番に実行するには、要求を異なるステージに割り当て、そのステージを要求の実行順にリンクします。

複数ステージがある要求セット

テキストで説明されている画像

コンカレント・マネージャが要求セット内で一度に実行できるのは、1つのステージのみです。1つのステージが完了すると、次のステージが発行されます。ステージ内のすべての要求が完了しないかぎり、そのステージは完了したとみなされません。

ステージを使用するメリットの1つは、複数の要求を並列に実行し、次のステージに順に移動できることです。これによって、要求セットを様々な用途で効率的に使用できます。

1つのステージ内で複数の要求を並列に実行する要求セット

テキストで説明されている画像

ステージ・ステータスの使用

要求セットやコンカレント要求と同様に、ステージも様々なステータスで完了します。各ステージは、ステータスが「成功」、「警告」または「エラー」で完了します。これらの完了ステータスを使用して要求セットを構築するには、現行ステージの完了ステータスに基づいて後続のステージを定義します。たとえば、要求セットは常にステージ1から開始します。ステージ1がステータス「成功」で完了した場合は、「成功」リンクに続いてステージ2が発行されます。ステージ2が完了すると要求セットが終了します。ステージ1がステータス「警告」で完了した場合は、「警告」リンクに続いてステージ3が発行されます。ステージ3が完了すると要求セットが終了します。ステージ1がステータス「エラー」で完了した場合は、「エラー」リンクに続いてステージ4が発行されます。ステージ4が完了すると要求セットが終了します。

ステージ・ステータスを使用する要求セット

テキストで説明されている画像

この例では、標準ステージ機能を使用してステージ・ステータスを決定します。標準ステージ機能では、ステージ内の各要求のステータスを使用して、そのステージのステータスを計算します。1つのステージ内のすべての要求がステータス「成功」で完了した場合、そのステージのステータスは「成功」になります。1つ以上の要求がステータス「エラー」で完了した場合、そのステージのステータスは「エラー」になります。1つ以上の要求がステータス「警告」で完了し、ステータス「エラー」で完了した要求がない場合、そのステージのステータスは「警告」になります。

ステージのリンク

要求セット内のステージ間のリンクに制限はありません。あるステージから別のステージに任意にリンクでき、1つのステージに複数のリンクを作成することもできます。たとえば、ステージ1は、完了ステータスが「成功」または「警告」の場合はステージ2にリンクし、ステータスが「エラー」の場合はステージ3にリンクできます。

ステージへのリンクが複数ある要求セット

テキストで説明されている画像

各完了ステータスに対して後続のステージを指定しないと、要求セットの終了が決定します。要求セットは、要求セット内の任意のステージの後で終了できます。つまり、任意のステージが、他のステージへのリンクがないステータスで完了すると、その要求セットは終了します。

要求セットは、ステージ間のリンクを使用して管理できます。以前のリリースには、「パラレルに実行」、「順次に実行」、および「順次に実行するがエラー時中断」の3つのオプションがありました。これらのオプションはすべて、要求セット・ウィザードを使用して簡単に再作成できます。「要求セット」ウィンドウの「要求セット・ウィザード」ボタンを使用して、ウィザードを起動できます。ウィザードに従って、次のように要求セットの入力と作成を行います。

変数 説明
パラレルに実行 並列に実行するすべての要求を含む1つのステージを作成します。
順次に実行 各ステップの1つ以上の要求を順番に含む個別のステージを作成し、適切な順序でリンクします。
順次に実行するがエラー時中断 「順次に実行」と同様に順序を設定します。ただし、複数のステージにリンクすると、「エラー」の完了ステータス・フィールドにおけるリンクのように、後続のステージには進みません。

ステージ評価機能

ステージの完了ステータスは、事前定義済の機能によって判断されます。Oracle Applicationsの標準ステージ評価機能では、含まれている要求の完了ステータスを使用します。この機能を使用して、ステージのステータスを判断します。

要求セットの完了ステータス

リンクが定義されていないステータスでステージが完了すると、要求セットが終了します。要求セットの完了ステータスは、次のいずれかの方法で判断されます。

要求セットの印刷

要求セット内のレポートごとに、異なるプリンタを選択できます。要求セットを定義すると、レポートの送信先プリンタなどの印刷オプションが保存されるため、要求セットを実行するときに再度オプションを指定する必要はありません。

注意: 「コンカレント・プログラム」フォームを使用して、コンカレント・プログラムに対してプリンタを定義した場合、その値は、ユーザー・プロファイル・オプションの設定や要求セット定義では更新できません。また、プログラムや要求セットの実行時にも更新できません。

注意: 「コンカレント・プログラム」フォームで要求セット・コンカレント・プログラム(要求セット買掛年齢調べレポートなど)に対するプリンタを定義しても意味がありません。そのプリンタ定義は参照されません。

コンカレント・プログラムとしての要求セット

非互換性が許可された要求セット内で要求セットまたはステージを定義すると、入力した指示に従って要求セット内の要求を実行するコンカレント・プログラムが作成されます。

要求セットを実行するすべてのコンカレント・プログラムのタイトルは要求セット<要求セット名>になり、要求セット・ステージを実行するプログラムのタイトルは要求セット・ステージ<要求セット・ステージ名>になります。「コンカレント・プログラム」フォームで、プログラム名に基づいて要求セットまたは要求セット・ステージのコンカレント・プログラムを問い合せるには、「名称」フィールドに次のように入力します。

要求セットと要求セット・ステージのコンカレント・プログラムでは、要求セットまたはステージの実行を記録したログ・ファイルが作成されます。また、要求セットやステージ内の各レポートやコンカレント・プログラムでも、独自のログ・ファイルが作成されます。

非互換性が許可された要求セットを実行する際は、その要求セットを定義したコンカレント・プログラムを実行する要求を発行します。この要求セット・コンカレント・プログラムは、要求セット・ステージ・コンカレント・プログラムを発行します。要求セット・ステージ・コンカレント・プログラムでは、ステージ内のプログラムおよびレポートごとに要求を発行します。要求セット・コンカレント・プログラムまたは要求セット・ステージ・コンカレント・プログラムを実行する要求は親要求であり、プログラムおよびレポートを実行する要求は子要求となります。

「コンカレント要求」フォームを使用すると、要求セットのステータス、およびその要求セットに含まれているプログラムを検討できます。次の表に、「実行中」フェーズの要求セットに関連する情報を示します。

ステータス 説明
一時停止 親要求は、すべての子要求が完了するまで一時停止します。たとえば、要求セット・ステージは、ステージ内のすべてのレポートが完了するまで一時停止します。
再開 同じ親要求によって発行されたすべての要求の実行が完了しました。親要求の実行が再開されます。

要求セットの変更

要求セットを変更できるのは、要求セットの所有者またはシステム管理者のみです。変更を行うには、「要求セット」ウィンドウで、変更する要求セットを問い合せます。

注意: アップグレード時に、Oracleアプリケーションから提供された要求セットへの変更内容を保持する場合は、アップグレードする前に、要求セットの名称を変更するか、または別の名称を使用して再作成する必要があります。事前定義済の要求セットを名称を変えずに変更すると、Oracle Applicationsをアップグレードsyる際に変更内容が上書きされます。

要求セットの作成

要求セットを作成する手順は、次のとおりです。

ステージの定義

ステージを定義する手順は、次のとおりです。

注意: 複数のステージに対してこのチェック・ボックスを選択すると、要求セットの完了ステータスは、要求セット内で最後に実行されたステージの完了ステータスと同じになります。

「ステージ要求」ウィンドウ

「ステージ要求」ウィンドウでは、ステージに含める要求を定義します。

注意: 一部の要求には、変更できない必須の形式またはプリンタが指定されている場合があります。

「要求パラメータ」ウィンドウ

「要求パラメータ」ウィンドウでは、要求セット内にある特定の要求のパラメータ値をカスタマイズできます。「要求パラメータ」ウィンドウの最上部にあるフィールドには、現行の要求セット、およびパラメータ値をカスタマイズできる要求に関する一般情報がリスト表示されます。ウィンドウの複数行の部分には、その要求のパラメータがリスト表示されます。

注意: 共有パラメータ・ラベルが入力されたパラメータの値を後で変更すると、そのパラメータのインスタンスについてのみ値が変更されますが、同じラベルが入力された他のパラメータすべての値が変更されるわけではありません。

ステージのリンク

ステージをリンクする手順は、次のとおりです。

表示順序 名称 成功 警告 エラー
1 ステージA ステージB ステージB  
2 ステージB ステージC ステージD  
3 ステージC      
4 ステージD      

関連リンク:

コンカレント・プログラムおよびコンカレント要求の概要

要求セットおよび所有者

要求セットを定義または編集するとき、エンド・ユーザーとシステム管理者の権限には大きな違いがあります。

エンド・ユーザーは作成する要求セットを所有

エンド・ユーザーは、自身の職責に割り当てられたレポート・セキュリティ・グループに含まれるレポート、他の要求セットまたはコンカレント・プログラムを選択して、要求セットを作成できます。

要求セットを作成するエンド・ユーザーは、自動的にその要求セットの「所有者」になります。所有権は、個人のアプリケーション・ユーザー名で識別されます。

エンド・ユーザーは「要求セット」フォームを使用して、新規の要求セットを作成したり、所有している要求セットを問い合せて更新します。エンド・ユーザーが編集できるのは、所有している要求セットのみです。

エンド・ユーザーが所有する要求セットは、個人要求セットと呼ばれる場合があります。個人要求セットは、要求セキュリティ・グループに自動的に追加されません。つまり、システム管理者が個人要求セットを要求セキュリティ・グループに割り当てないかぎり、他のユーザーは「要求の発行」ウィンドウを使用して個人要求セットにアクセスできません。

エンド・ユーザーは、どの職責で作業を行っているかに関係なく、自分が所有する要求セットをいつでも使用できます。ただし、個人要求セットは、コードを使用して要求グループ内のレポートのみを表示するようにカスタマイズされた標準発行フォームでは表示されません。

Oracle Applicationsにサインオンすると、ユーザーは、次に含まれる要求、要求セットおよびコンカレント・プログラムを実行できます。

エンド・ユーザーが個人要求セットを使用するメリット

エンド・ユーザーが個人要求セットを使用すると、主に次の2つのメリットがあります。

システム管理者の要求セット権限

システム管理者は、次の操作を実行できます。

ユーザーが職責に関係なく要求セットを実行および編集できるようにする場合、要求セットを定義した後で、その所有者にユーザーを割り当てます。所有者を持たない要求セットは、どのエンド・ユーザーも編集または更新できません。この方法で、要求セットの印刷オプションおよびレポート・パラメータを保証できます。後で要求セットを編集し、その所有権プロパティを削除または変更することもできます。

システム管理者がユーザー職責の要求セキュリティ・グループに要求セットを割り当てる場合、その要求セットは他のユーザーも実行できます。システム管理者が要求セットを要求セキュリティ・グループに割り当てない場合、その要求セットを実行できるのは所有者のみです。この方法によって、レポートとコンカレント・プログラムへのアクセス権をユーザーごとに付与できます。

要求セキュリティ・グループ、要求セットおよびレポート

システム管理者は、個人要求セットなどの任意の要求セットを要求セキュリティ・グループに追加できます。これによって、職責のメンバーに、要求セキュリティ・グループの外部にあるレポートとコンカレント・プログラムに対するアクセス権を付与できます。

要求セットの編集権限とレポートの表示権限は、対象のレポートがユーザーの要求セキュリティ・グループに属している場合と属さない場合で、次のように異なります。