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Oracle Internal Controls Managerインプリメンテーション・ガイド
リリース11i
B25733-01
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財務諸表認証

概要

内部監査人と外部監査人の両方に、様々な目標を与えて各タイプの監査を実施させることができます。財務監査は、会社の財務諸表が特定の基準を遵守しているかどうかを判断するために実施されます。通常、これらの基準は一般的に容認されている会計原則ですが、現金主義や他の基準を使用して財務監査を実施することもできます。

使用する基準にかかわらず、財務監査の重要な目的は財務諸表を認証することです。この章では、財務諸表の認証にOracle Internal Controls Managerを使用する方法の詳細を説明します。

注意: 財務諸表の認証には、ビジネス・プロセスの認証結果を広範囲に使用します。グローバル業務管理者とプロセス・オーナーが社内の関連ビジネス・プロセスを認証した後で、署名役員が財務認証を実行できます。

詳細は、Oracle Internal Controls Managerの「プロセス認証」を参照してください。

財務諸表認証の概要

財務諸表を認証するには、様々なビジネス・プロセスが取引明細書に及ぼす影響を把握する必要があります。

財務諸表は財務項目で構成されます。各財務項目は勘定科目であるか、勘定科目とそれに影響するプロセスの重要部分を連結したものです。財務項目の裏付けとなるプロセスを認識し、財務監査に取り込む必要があります。したがって、財務監査には残高詳細のテストのみでなく各残高に影響するプロセスの監査も含まれます。

また、米国における企業改革法の第302項など、複数の国々の政府規制では、企業の社長に対して自社の四半期レポートと年次レポートに記載された情報を認証するように要求しています。経営者は、財務レポートに対する内部統制の有効性を証明する必要があります。

法規でも、これらの役員が次のことを認証するように要求しています。

そのため、企業の財務諸表を認証するためには、財務開示用に特別に実装されたビューのみでなく、確立された内部統制すべてのビューが必要です。財務諸表に影響する各種プロセスの統制をモニタリングする重要性が高まり、企業はこの継続的なモニタリングを財務監査の一部として確立する必要があります。

このようなプロセスの監査、および必要となる可能性のある関連フォローアップ活動が正常に完了すると、財務項目は認証済になります。認証は、財務項目の裏付けとなるプロセスの統制が有効であることを証明します。

Oracle Internal Controls Managerの財務諸表認証機能を使用すると、署名役員は構造化された方法で、すべての勘定科目または財務項目に関連する内部統制が機能していることを保証できます。財務諸表に影響するビジネス・プロセス内の内部統制の妥当性は、次の2つの入力から判断されます。

これらの入力により、署名役員が数値の裏付けとなるプロセスを評価し、適切な統制が有効であるかを判断するための十分な観点が提供されます。

継続要件

認証は特定の時間枠に対して有効とみなされるため、財務諸表の発行日現在で正確であることを保証するために財務項目を定期的に監査する必要があります。通常、政府法規は、当局に対する財務諸表の申告前に四半期ごとの認証を要求しています。

監査関与からの入力

一部のプロセスは監査の頻度が低いか、またはまったく監査されませんが、財務項目に影響するエンティティ内の重要なビジネス・プロセスの大多数は定期監査する必要があります。前章で説明したように、監査関与はエンティティに対する監査割当ての集合であり、通常はプロセスの監査に関連付けられています。監査関与では、プロセスが完全に機能し、妥当な統制が有効になっているかどうかを示す証拠が収集されます。

内部統制マネージャにおける財務認証の設定

Oracle Internal Controls Managerで財務認証を有効化するには、次の2つのステップを実行する必要があります。

A. 財務項目とビジネス・プロセスとのリンク

B. 認証する財務諸表のインポート

C. 重要な勘定科目アサーションの設定

A. 財務項目とビジネス・プロセスとのリンク

財務項目は、財務勘定科目と勘定科目要約で構成されます。前述のように、これらの項目の認証の一部は財務勘定科目に伴うプロセスの監査に基づきます。財務項目の裏付けとなるプロセスを認識し、適切な内部監査関与に取り込むことが重要です。

したがって、Oracle Internal Controls Managerアプリケーションでは、すべての重大な財務項目をそれに影響するビジネス・プロセスとリンクすることが前提条件となります。たとえば、売掛/未収金財務項目は、売上、与信承認、出荷など、多数の受注管理プロセスおよびサブプロセスの影響を受けます。そのため、これらのプロセスをすべて売掛/未収金項目に関連付ける必要があります。

Oracle Internal Controls Managerでは、1つのプロセスに複数の財務項目をリンクしたり、複数のプロセスに1つの財務項目をリンクできます。

注意: この関連の設定の詳細は、「キー勘定項目とプロセスとのリンク」を参照してください。

B. 認証する財務諸表のインポート

トピック ナビゲータ・パス
財務諸表構成のインポート 「署名役員」(またはそれに相当する)職責を使用して「設定」タブをクリックし、「認証のために財務諸表を識別」オプションを選択します。

上記のステップAで設定したプロファイルに基づいて、Oracle FSGまたは外部財務レポート・アプリケーションから使用可能な財務諸表を選択できます。

Oracle Internal Controls Managerでは、財務諸表およびキー勘定科目のインポートに関連する各種の代替シナリオが処理されます。たとえば、変更済の財務諸表構成をインポートしても、旧バージョンの構成で実行されている認証は消去されません。かわりに、この財務諸表を含む新しい認証で新しい構成が自動的に使用されます。

インポートする財務諸表では、「AMW: 勘定科目の値セット」プロファイル・オプションで指定された値セットを使用する必要があります。このオプションでは、FSGレポートが使用された場合にOracle Internal Controls Managerによって認識される財務勘定科目が定義されます。サード・パーティのレポート・システムを使用する場合は、このプロファイル・オプションが無視されます。

注意: 財務諸表をインポートする前に、必ずキー勘定科目をインポートしてください。キー勘定科目をインポートしないと、財務項目と勘定科目の関連が定義されません。

C. 重要な勘定科目アサーションの設定

アサーションとは、経営者が組織のプロセスや財務諸表の構成要素に対して暗黙的または明示的に提示する情報を指します。

監査標準では、アサーションは大きくわけて次のカテゴリに分類されます。

このアプリケーションでは、リスク・ライブラリ内の個別の統制にアサーションを割り当てることができます。

注意: 詳細は、「統制の属性」を参照してください。

また、勘定科目(およびその積上)を特定のアサーションにリンクすることもできます。たとえば、会社はすべての重要な買掛/未払金勘定を「完全性」アサーションにリンクできます。

Oracle Internal Controls Managerでは、買掛/未払金勘定をこのアサーションにマッピングすることで、それらの財務項目に伴ういずれかの統制が「完全性」アサーションに対応しているかどうかチェックできます。

これにより、既存の買掛/未払金が買掛/未払金リストに含まれていることを確認できます。

トピック ナビゲータ・パス
重要な勘定科目アサーションの設定 「スーパーユーザー」(または相当する職責)を使用して、「リスク・ライブラリ」タブの「重要勘定科目」サブタブにナビゲートします。
該当する勘定科目の「更新」アイコンをクリックして、その勘定科目にアサーションを関連付けます。

図の説明は本文中にあります

内部統制マネージャを使用した財務諸表の認証

署名役員は重要な財務勘定科目を識別し、これらの勘定科目に影響する重要プロセスに対して十分な統制が存在することを認証するために署名します。Oracle Internal Controls Managerを使用して財務諸表を認証するには、次の3つのステップを実行します。

  1. 社内の財務認証の作成/検討

  2. 財務項目の評価および認証

  3. 財務諸表の認証

    注意: Oracle Internal Controls Managerは、後述の財務認証ウィンドウの数値に最新の評価および認証データが確実に反映されるように、ビジネス・イベント処理を使用してアプリケーション内の変更を取得し、処理します。詳細は、「認証に関する注意」を参照してください。

    また、イベント処理で問題が発生した場合に備えて、コンカレント・プログラム「財務諸表認証要約の作成」をスケジュールすることもできます。このプログラムはプロセス・データと監査評価結果を要約し、アプリケーションの関連表を更新します。

1. 社内の財務認証の作成/検討

財務諸表認証の作成

認証済財務諸表を取得する必要のある署名役員は、財務諸表認証を作成できます。財務諸表認証はプロジェクトと同様のコンテナであり、認証中の特定の財務諸表を表します。

トピック ナビゲータ・パス
財務諸表認証の作成 「署名役員」またはそれに相当する職責を使用して「財務諸表」タブの「認証」サブタブにナビゲートし、「作成」ボタンをクリックします。

図の説明は本文中にあります

次の表に、「認証の作成」ウィンドウの各選択フィールドの詳細を示します。

フィールド 詳細 シード値 参照タイプ アクセシビリティ・レベル
タイプ 302または404遵守に向けた財務諸表認証。 SOX 302
SOX 404
N/A システム
オーナー この認証の担当者。 認証のターゲット完了日とステータスはオーナーが保守します。 N/A N/A N/A
財務諸表 この認証に含める財務諸表を選択します。この財務諸表に属する財務項目がすべて評価されます。財務諸表認証は、これらの個別財務項目の連結評価です。 FSGレポートまたはサード・パーティ・レポートで作成 N/A N/A
認証期間 値リストには、Oracle General Ledgerからの会計期間が表示されます。
これらの期間の取込み元であるカレンダは、プロファイル・オプション「AMW: カレンダ」に基づきます。Oracle Internal Controls Managerで認証に使用する期間は、このプロファイル設定に入力したカレンダに基づきます。
Oracle General Ledgerのカレンダに従う N/A N/A
プロセス認証 認証ウィンドウに詳細結果を表示するプロセス認証を選択します。同じ財務諸表および認証期間に対して複数のプロセス認証をリンクできることに注意してください。
これにより、結果(影響するプロセスの統制が有効かどうか)に基づいて財務項目を「有効」または「無効」として評価できます。
システムに保存されている全プロセス認証 N/A N/A

すべての認証は「草案」ステータスで作成されます。財務項目と財務諸表を認証するには、認証のステータスを「有効」に変更しておく必要があります。そのためには、「認証詳細」ウィンドウ(「財務諸表」)タブ->「認証」サブタブ)で「更新」ボタンをクリックします。

次の表に、「認証ステータスの更新」ウィンドウのステータス値の詳細を示します。

ステータス 詳細
草案 すべての認証は「草案」ステータスで作成されます。
有効 財務項目と財務諸表を認証するには、認証が「有効」ステータスである必要があります。
また、認証データを要約および更新するコンカレント・プログラムでは、「有効」ステータスの認証に含まれる財務項目のみが処理されます。
否認済 ユーザーが認証を終了しました。

財務諸表認証の検討

次の手順で財務諸表認証の現行のステータスを検討します。

トピック ナビゲータ・パス
財務諸表認証の表示 「署名役員」またはそれに相当する職責を使用して「財務諸表」タブをクリックし、「認証」サブタブをクリックします。

このウィンドウには、社内で開始された財務認証がすべて表示されます。認証内にドリルダウンして、その財務項目にアクセスします。この認証にリンクされた財務諸表に属するすべての財務項目を評価でき、最終的には認証がこれらの個別財務項目の連結評価となります。

注意: 財務諸表認証に関連付けるために特定の財務諸表を選択すると、認証範囲はその財務諸表に記載されている財務項目に自動的に限定されます。

「認証」ハイパーリンクをクリックして認証にドリルインし、次の情報を表示できます。

Oracle Internal Controls Managerでは、必要な情報がすべて認証ダッシュボード、スコアカードおよびその他のビューに収集され、財務項目と各項目に影響するプロセスの包括的な要約が表示されます。

注意: 認証ダッシュボード、スコアカードなどの詳細は、次の項で説明します。

2. 財務項目の評価

特定の財務諸表認証にドリルインし、次のように評価して認証します。

「ダッシュボード」タブ

ダッシュボードには、認証に含まれる財務項目の監査評価結果および認証の要約ビューが表示されます。

図の説明は本文中にあります

「ダッシュボード」には次の6つのセクションがあります。

「スコアカード」タブ

図の説明は本文中にあります

このウィンドウには、署名役員に対する財務諸表認証の状態を示す包括ビューが表示されます。「スコアカード」ビューには、該当する認証に関して次の情報が表示されます。

次のように2つの異なる視点によるメトリックも表示されます。

「スコアカード」タブの情報はビジネス・プロセス認証に表示される情報に似ています。「スコアカード」タブには、財務諸表の範囲に含まれる財務項目に影響するプロセスおよび組織のみが含まれることに注意してください。

「更新」ボタンをクリックして認証結果を入力または更新します。

次のビューは、認証中の特定の財務項目および財務諸表に関する包括的な要約を提供します。これらのビューを使用して、評価を入力する前に財務項目の包括的な評価を取得できます。

「財務項目」ビュー: 評価の要約

「財務項目」ビューには、この認証の財務諸表に属している財務項目がすべて表示され、評価担当に異なる視点が提供されます。

「評価の要約」の機能は次のとおりです。署名役員は、次の視点に基づいて、財務諸表の各財務項目を評価できます。

内部監査評価の詳細は、それぞれのプロセスで未処理の問題領域を表します。これには、非軽減リスク、無効な統制などが含まれます。同様に、問題のあるプロセス認証結果(懸案ありで認証済のプロセスや認証保留中のプロセスなど)もハイライトされます。

そのため、Oracle Internal Controls Managerでのプロセス認証は、財務諸表の明細項目に関する署名役員のビューに送られます。署名役員は、特定の財務明細項目をサポートするプロセス(「プロセス/リスク/統制」ビューについての項で説明します)にドリルダウンできます。監査評価と認証により、これらのプロセスに関する2つの個別ビューが提供されます。

すべての数値は影響レベルを表すアイコンとともに表示できます。これらのイメージはカスタマイズでき、プロセス認証と財務諸表認証のすべての認証画面でフィルタされます。

注意: これらの列に関連付けられた数値およびアイコンの詳細は、「認証に関する注意」を参照してください。

プロファイル・オプション「AMW: 統制アサーション、 コンポーネントおよびカテゴリを持たない財務項目の表示」を「No」に設定すると、それらの財務項目がすべてのビューから除外されます。

財務項目は、それに影響するプロセスに有効な統制が存在するかどうかに基づいて「有効」または「無効」として評価できます。フォローアップを必要とする懸案が存在する場合もあります。

図の説明は本文中にあります

ここでは、このウィンドウの各列の詳細を説明します。

認証保留のプロセス: この財務項目に影響する社内のプロセス数合計に対する、未認証プロセス数の比率。

注意: 「懸案ありで認証済」のプロセスは、この方式による計算では認証済プロセスとしてカウントされます。

比率のハイパーリンクをクリックすると、この種のプロセスを含む最新監査関与の評価詳細にドリルダウンできます。

懸案ありで認証済のプロセス: この財務項目に影響する社内のプロセス数合計に対する、懸案ありで認証済のプロセス数の比率。比率のハイパーリンクをクリックすると、この種のプロセスを含む最新監査関与の評価詳細にドリルダウンできます。

無効な統制ありのプロセス: この財務項目に影響するプロセス数合計に対する、「無効」として評価されたプロセス数の比率。

注意: これらの数値は、監査関与にまたがって実施されたプロセスの最新評価によるものです。「無効」としてのプロセス評価の詳細は、ステップ4: 「リスクと統制の評価に基づくプロセスの評価」を参照してください。

監査評価: 次の2つの列があります。

この2列は、監査関与を介して実施された、この財務項目に影響するプロセスの最新評価から取り込まれます。通常、この評価は会社の内部監査スタッフにより実行され、署名役員が行う認証に信頼性のあるサポートを提供します。

「非軽減リスク」は、財務項目の関連プロセスに影響するリスク数合計に対する非軽減リスク数の比率に対応します。非軽減リスクとは、内部監査により非軽減として評価されたリスク(「軽減」以外の所見が選択されたリスク)です。

「無効な統制」は、財務項目の関連リスクおよびプロセスに影響する統制数合計に対する無効な統制数の比率に対応します。無効な統制とは、内部監査により無効として評価された統制(「有効」以外の所見が選択された統制)です。

どちらかの列をクリックすると、それぞれリスクまたは統制の詳細にドリルダウンできます。

注意: 軽減所見と有効所見の詳細は、次の各項を参照してください。

評価: 財務項目の残りのビュー(次の項で説明します)をチェックした後、「評価」アイコンをクリックして財務項目の評価を入力します。この評価は、Oracle Internal Controls Managerの所見フレームワークに結合されています。次の表に、「財務項目の評価」ウィンドウの各選択フィールドの詳細を示します。

フィールド シード値 ソース アクセシビリティ・レベル
(監査所見)結論 有効
不足
かなり不足
重大な欠陥あり
「財務項目」オブジェクトの所見フレームワーク・コンポーネント(「監査所見」コンポーネント) 「Oracle Internal Controls Managerの所見フレームワーク」を参照してください。

注意: 認証値のシードの詳細は、「Oracle Internal Controls Managerの所見フレームワーク」を参照してください。

財務項目にドリルインし、その項目を構成する財務勘定科目を表示して認証することもできます。

「財務項目」ビュー: 統制カテゴリ

図の説明は本文中にあります

アプリケーションのリスク・ライブラリで統制を統制カテゴリ(統制目的)に関連付けることができます。

注意: 詳細は、「統制の属性」を参照してください。

このリンクの結果、勘定科目も勘定科目 - プロセス - リスク - 統制マトリクスを介して「統制カテゴリ」にリンクされます。財務項目の「統制カテゴリ」ビューには、該当する統制カテゴリに対応する統制を持つ社内プロセスの有効性(無効性)が表示されます。

ダッシュボードの表示は、次のように解釈できます。この統制カテゴリ(列ヘッダーに表示されているもの)に対応し、この財務項目に関連付けられたプロセスにリンクしている統制のうち、X%が無効です。

「財務項目」ビュー: COSOコンポーネント

上記の統制カテゴリの場合には、アプリケーションのリスク・ライブラリで統制をCOSOコンポーネントに関連付けることもできます。

このリンクの結果、勘定科目も勘定科目 - プロセス - リスク - 統制マトリクスを介してCOSOコンポーネントにリンクされます。財務項目の「COSOコンポーネント」ビューには、該当するCOSOコンポーネントに伴う統制を持つ社内プロセスの有効性(無効性)が表示されます。

ダッシュボードの表示は、次のように解釈できます。この特定のCOSOコンポーネント(列ヘッダーに表示されているもの)に伴い、この財務項目に関連付けられたプロセスにリンクしている統制のうち、X%が無効です。

「財務項目」ビュー: 統制アサーション

図の説明は本文中にあります

アプリケーションのリスク・ライブラリで統制を統制アサーションに関連付けることができます。このリンクの結果、勘定科目も勘定科目 - プロセス - リスク - 統制マトリクスを介してCOSOコンポーネントにリンクされます。

また、統制アサーションの設定によって勘定科目が統制アサーションに直接リンクされます。

注意: 詳細は、「重要な勘定科目アサーションの設定」を参照してください。

財務項目の「統制アサーション」ビューには、該当する統制アサーションに伴う統制を持つ社内プロセスの有効性(無効性)が表示されます。

ダッシュボードの表示は、次のように解釈できます。このアサーション(列ヘッダーに表示されているもの)に対応し、この財務項目に関連付けられたプロセスにリンクしている統制のうち、X%が無効です。

また、勘定科目(財務項目)にアサーションが存在し、財務項目に関連付けられたプロセスのいずれの統制もそのアサーションに対応していない場合にも、勘定科目または項目に0%のフラグが設定されます。後者の機能は勘定とアサーションの関連付け設定の結果であり、統制カテゴリおよび統制コンポーネントの数値には適用されません。たとえば、財務項目に関連付けられたプロセスのいずれの統制も統制カテゴリに対応していない場合、グリッド内の表示は単にNULL(空白)となります。

「組織」ビュー

署名役員は、認証中の特定の財務諸表の範囲に含まれる様々な組織を調査して、認証作業を実行することもできます。この操作は、財務諸表認証詳細ページの「組織」タブで行います。

このビューには、財務諸表に影響するプロセスを実行している全組織の視点による、監査評価とプロセス認証の要約が表示されます。役員は特定のプロセスとそのプロセス認証および監査評価の詳細にドリルダウンして、統制に問題ありとレポートされたプロセスを把握できます。このレイアウトには「財務項目」タブと同じ情報が組織別に表示されます。役員は、「財務項目」タブに戻って項目を評価する必要があります。

「代替」ビュー

署名役員は、認証中の特定の財務諸表の範囲に含まれる様々なプロセス、リスクおよび統制を調査して、認証作業を実行することもできます。この操作は、次に説明する「プロセス」、「リスク」および「統制」タブで行います。

「プロセス」ビュー

「プロセス」タブには、財務諸表に影響する全プロセスの視点による、監査評価とプロセス認証の要約が表示されます。役員は特定のプロセスとそのプロセス認証および監査評価の詳細にドリルダウンして、統制に問題ありとレポートされたプロセスを把握できます。このレイアウトには「財務項目」タブと同じ情報がプロセス別に表示されます。役員は、「財務項目」タブに戻って項目を評価する必要があります。

サブプロセス: 親プロセスに対して有効。この親プロセスの下位プロセス数合計に対する認証済サブプロセス数の比率。ハイパーリンクをクリックすると、サブプロセスの評価と認証の詳細にドリルダウンできます。

組織プロセス: 親組織に対して有効。プロセス(またはバリアント)を実行中の子組織合計数に対する、その上位プロセスの下にある組織合計数の比率。

認証結果: Oracle Internal Controls Managerの所見フレームワークに連結されています。次の値が事前シード済です。

「懸案ありで認証済」は「サブプロセス」列の比率を計算する際に認証済エントリとしてカウントされますが、認証結果のないプロセスは「非認証」としてカウントされることに注意してください。

最終評価: 「最終評価」アイコンをクリックすると、その評価の詳細が表示されます。

評価履歴: 「履歴」アイコンをクリックすると「プロセス評価履歴」ウィンドウが表示され、このプロセスが過去に評価された全監査関与の履歴と結果を参照できます。

「統制」ビューと「リスク」ビュー

「統制」タブと「リスク」タブには、財務諸表に影響するすべての統制およびリスクに関する情報が、検討中の財務項目に影響するプロセスに関連付けて表示されます。また、どちらのビューにも、他のタブと同じ情報が組織別またはプロセス別に表示されます。

すべての検討が完了したら、「財務項目 - 評価の要約」ウィンドウに戻って財務項目を評価します。

注意: 詳細は、「「財務項目」ビュー: 評価の要約」の「評価」を参照してください。

3. 財務諸表の認証

前述のように、財務諸表認証に関連付けるために特定の財務諸表を選択すると自動的に、認証範囲がその財務諸表に記載される財務項目に限定されます。

財務諸表の個別項目の評価と認証に基づいて、署名役員は財務諸表を次のように認証できます。

トピック ナビゲータ・パス
財務諸表の認証 「署名役員」またはそれに相当する職責を使用して「財務諸表」タブをクリックし、「認証」サブタブをクリックします。
「財務諸表認証」にドリルインし、「更新」ボタンをクリックします。

次の表に、「財務諸表の認証」ウィンドウの各選択フィールドの詳細を示します。

フィールド シード値 ソース アクセシビリティ・レベル
(認証結果)結論 認証済
懸案ありで認証済
「財務諸表」オブジェクトの所見フレームワーク・コンポーネント(認証結果コンポーネント) 「Oracle Internal Controls Managerの所見フレームワーク」を参照してください。