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Oracle Order Managementインプリメンテーション・マニュアル
リリース11i
B25742-01
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予定作成

概要

Oracle Order Management(OM)の予定作成機能を使用すると、顧客に対して品目が引当可能になる時期を判断し、この引当可能状況に基づいて受注明細の出荷または到着予定を作成し、手持在庫を受注明細に予約できます。このような「予定作成」アクティビティは、個々の受注明細に対して、または出荷セット、到着セットおよび構成などの受注明細グループに対して実行されます。

機能の概要

Oracle Order Managementは、Oracle Advanced Planning and Scheduling(APS)およびOracle Inventoryと密接に連携して予定作成機能を提供します。この機能は、ユーザーがビジネス・ニーズにあわせてプロセスを調整できるように様々な方法で用意されています。

予定作成全般で用意されている機能は、次のとおりです。

予定解除および予約解除機能も用意されています。この章では、Oracle Order Managementでの予定作成の機能と、予定作成目標を達成できるようにOM、APSおよびOracle Inventoryを設定する方法について説明します。

Oracle Order Managementでは、明細に複数セットの出荷予定詳細(予定日や倉庫など)が必要な場合、その明細は複数に分割されます。受注明細は需要を表し、VISIBLE_DEMAND_FLAGが「Yes」に設定されている場合に計画アプリケーションで参照できます。このフラグは、明細の計画時に設定されます。

主な機能

Order Managementの予定作成には、次の機能があります。

用語

Oracle Order Managementでの予定作成の機能を理解するには、次の用語を理解する必要があります。

有効在庫数量(ATP)の計算

Oracle Order Managementでは、現行の手持在庫数量と予想される供給および需要に基づいて、顧客に対して品目が引当可能になる時期を伝えることができます。ATPを計算するには、品目、受注数量、受注数量単位および要求日を入力する必要があります。通常は、受注明細ごとに品目と受注数量を入力します。要求日と受注数量単位は、デフォルトで設定する方法と手動で入力する方法があります。ATPは、単一明細、明細グループまたは受注全体について計算できます。単一明細の結果は、小さいウィンドウの1列に表示されます。複数明細のATPの結果は表形式で表示されます。どちらの形式でも、次の情報が表示されます。

「引当可能状況」ウィンドウの下部には、「グローバルで使用可能」ボタンがあります。このボタンをクリックすると、品目が引当可能になっている倉庫のリストを示す「サプライ・チェーンATP」ウィンドウが開きます。引当可能状況を調べる倉庫を選択すると、選択したすべての倉庫の引当可能状況が表示されます。

「ATP詳細」ウィンドウは、「ATP詳細」ボタンをクリックして「引当可能状況」ウィンドウからオープンすることもできます。「ATP詳細」ウィンドウには、結果の導出方法が表示されます。

ATPは予定作成中に自動的に計算されます。また、「受注」ウィンドウの「明細品目」タブで「引当可能状況」をクリックすると、手動で計算できます。

ASCPを使用している場合、需要と供給は計画レベルで設定されます。詳細は、『Oracle ASCP Implementation Manual』を参照してください。Global Order Promisingは、ATPルールに指定されている無限タイム・フェンスのみを使用します。

ASCPを使用していない場合は、計算に含める需要と供給のソースを決定するために、ATPルールを定義する必要があります。ATPルールを品目または在庫組織、あるいはその両方に対応付けます。また、データ収集プログラムを実行します。ATP計算はきわめて高速である必要があるため、一部の顧客サービス担当はこの情報を電話で顧客に連絡する必要があります。ただし、ATP計算に考えられる需要と供給のソースをすべて考慮すると、きわめて複雑になる場合があります。したがって、データ収集と呼ばれるコンカレント・プロセスを実行し、需要および供給データを要約します。このプログラムは、Oracle Advanced Planning and Schedulingアプリケーションの一部です。ATP計算は要約表に対して実行されます。ATPルールの設定とデータ収集プログラムの実行の詳細は、このマニュアルの設定に関する項を参照してください。

予定作成

予定作成は、受注明細または明細グループに対して実行される処理です。この処理の内容は、次のとおりです。

出荷日または到着日による予定作成

要求日には、顧客の要求日タイプに応じて要求出荷日または要求到着日を使用できます。顧客の要求日が要求到着日の場合、予定作成処理では要求到着日を使用してMRPの予定作成APIがコールされます。このAPIでは、要求到着日以降で品目が顧客事業所に到着可能な最初の日付が戻され、その日付が明細の「予定到着日」フィールドに入力されます。予定出荷日は、予定到着日から搬送リード・タイム(品目が出荷されてから顧客サイトに到着するまでの日数)を差し引くことで計算されます。この事業所の組合せに出荷ネットワークが定義されていない場合、搬送リード・タイムは0(ゼロ)日とみなされ、予定出荷日と予定到着日は同じになります。

予定作成処理を実行する前に受注明細に予定出荷日を入力すると、予定作成処理の発生時にその日付に基づく予定作成が試行されます。この試行に失敗すると、予定作成処理が失敗します。

「顧客」ウィンドウで最遅出荷予定制限を入力すると、顧客ごとに搬送許容日数を定義できます。受注明細を入力すると、要求日に最遅出荷予定制限が加算されて最終受入期限日が算出されます。予定作成処理の発生時に予定日が戻されるのは、要求日から最終受入期限日までの範囲内にある場合のみです。この範囲内にないと、予定作成処理は失敗します。たとえば、顧客が要求日から5日以内に出荷される受注のみを受け入れるとします。「顧客」ウィンドウの「受注管理」タブで「最遅出荷予定制限」フィールドに「5」と入力します。受注明細の入力時に、要求日が9月10日の場合、最終受入期限日は9月15日となります。予定作成処理の発生時には、戻される予定日付が9月10日〜9月15日の範囲内にないと、計画要求は失敗します。

「OM: 保留明細の予定作成」プロファイル・オプションを使用すると、保留中の明細をOMで予定作成に含めるかどうかを制御できます。受注または明細が保留中で、このプロファイル・オプションが「No」の場合、予定作成処理は失敗します。

予定作成の代替方法

予定作成処理を起動するには、複数の方法があります。「受注」ウィンドウから予定を作成するには、「自動予定作成」をオンにするか、「コンテキスト」メニューまたは「ツール」メニューを使用して、予定作成するように手動で選択します。ワークフロー・アクティビティを使用すると、即時に、または遅延モードで予定を作成できます。ワークフローで予定作成処理が失敗すると、明細は「計画適格」アクティビティに移動します。次に、「予定作成」コンカレント・プログラムを使用して、例外を使用して明細の予定を作成できます。

自動予定作成

受注明細は、保存した時点で予定作成されます。受注取引タイプの「自動予定作成」チェック・ボックスがオンになっているか、「OM: 自動予定作成」プロファイル・オプションが「Yes」になっている場合、受注は自動予定作成モードで開きます。自動予定作成のオン/オフを切り替えるには、「受注」ウィンドウの「ツール」メニューを使用します。自動予定作成がオンになっている場合は「受注」ウィンドウを開くと「引当可能状況」ウィンドウが自動的に表示されることに注意してください。「引当可能状況」ウィンドウは閉じることができますが、「ツール」メニューの「自動予定作成」チェック・ボックスをオフにしないかぎり、明細の予定は自動的に作成されます。

手動

「予定作成」サブメニューにアクセスするには、「ツール」メニューのアクティビティ・リストから「予定作成」を選択する方法と、カーソルを明細に置いてマウスの右ボタンをクリックする方法があります。これらのメニューから「予定作成」を選択すると、予定作成処理がトリガーされます。「受注ヘッダー」タブで処理を選択すると、その受注のすべての明細が予定作成の対象となります。この処理を「明細」タブで選択した場合は、選択した明細または明細グループにのみ適用されます。

ワークフロー

受注明細のワークフロー・プロセスには、シード済の「予定作成」ワークフロー・アクティビティを使用する必要があります。「明細フロー - 一般」シード済フローでは、「予定作成」アクティビティは記帳の直後に発生する同期アクティビティです。このタイプのプロセスでは、予定作成は記帳直後に発生し、予定作成エラーがあると受注の記帳担当に表示されます。「予定作成」アクティビティが遅延される場合は、ワークフロー・バックグラウンド・プロセスの実行後に発生し、「プロセス・メッセージ」ウィンドウでエラー・メッセージが使用可能になります。詳細は、『Oracle Order ManagementにおけるOracle Workflowの使用』を参照してください。

「予定作成」コンカレント・プログラム

また、「予定作成」コンカレント・プログラムも使用できます。このプログラムでは、「予定作成」ワークフローに失敗したすべての明細が選択され、その予定が作成されます。これらの明細は、「計画 - 適格」アクティビティを待機しています。ユーザーは、受注番号およびその他のパラメータに基づいて受注を選択できます。

「予定作成」コンカレント・プログラムを実行するには、(N)「受注、返品」→「受注の予定作成」にナビゲートします。詳細は、『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』を参照してください。

複数受注の予定作成

「複数受注の予定作成」には、複数受注の複数明細の予定作成属性を表示する機能や、単一ウィンドウから予定作成処理を実行する機能があります。「受注オーガナイザ」の「検索」ウィンドウの「予定作成」タブでは、次のような様々なパラメータに基づいて明細を問い合せることができます。

インテリジェント問合せを実行して明細グループを表示すると、新規ウィンドウ「予定作成オーガナイザ」が表示されます。「予定作成オーガナイザ」では、複数受注の明細に対して予定作成処理を実行できます。つまり、「予定作成」、「予定解除」、「予約」、「予約解除」および「ATP照会」を実行できます。

「予定作成」タブへのアクセスは、プロファイル・オプション「OM: 予定作成役割」によって制御されます。「CSRのみ」の役割を持つユーザーは「予定作成」タブにはアクセスできませんが、前のリリース11iでは同等の機能を使用できました。「スケジューラのみ」の役割を持つユーザーは、「予定作成」タブにアクセスできますが、その他のタブ(「受注情報」、「明細情報」、「拡張」および「保留情報」)にはアクセスできません。「CSRおよびスケジューラ」の両方の役割を持つユーザーは、「受注オーガナイザ」の「検索」ウィンドウのすべてのタブにアクセスできます。また、役割により、使用可能な処理かどうかが決まります。たとえば、「スケジューラのみ」の役割を持つユーザーは、「予定作成オーガナイザ」から「受注」ウィンドウをオープンできません。

「複数受注の予定作成」は、様々なビジネス・シナリオにおいて役立ちます。

これらの方法を使用する場合の一般的な手順は、次のとおりです。

「ATPの上書き」以外の予定作成機能の場合、Order Managementでは、この機能は単一明細または明細および関連明細グループに対してのみ実行される場合があります。予定作成では、次のグループが予定作成セットとして処理されます。これらの明細グループの場合、「予定作成」アクティビティは予定作成セットのすべての明細に対して実行されます。

予定作成では、セットの明細が一括して処理され、そのセットに必要なルールが適用されます。明細が出荷セットに含まれている場合は、同じ倉庫から予定作成され、同じ要求出荷日および出荷先が使用されます。これらの出荷方法は同じでない場合があります。たとえば、PTOモデルまたは出荷セットでは、壊れやすい部品に使用する出荷方法と重い部品に使用する出荷方法が異なる場合があります。

ユーザー作成の出荷セット、ATOモデルおよびSMC PTOモデルは、いずれも出荷セットです。

ユーザー作成の到着セットに含まれるすべての明細は、到着日と出荷先組織が同じになります。1つの受注の到着セットに割り当てられた明細は、同じ要求到着日および出荷先で予定が作成されます。

次の表に、各タイプの明細グループでの各予定作成機能の動作を示します。

明細グループの予定作成
明細グループのタイプ ATP計算 予定作成 予約
標準明細(セット外) その明細 その明細 その明細
標準明細(出荷セットまたは到着セット内) セット全体 セット全体 その明細
ATOモデル 構成全体 構成全体 予約不可
ATO区分 構成全体 構成全体 予約不可
ATOオプション 構成全体 構成全体 予約不可
PTOモデル(出荷モデル完了) 構成全体 構成全体 構成全体、ただし、各明細は別途に予約
PTO区分(出荷モデル完了) 構成全体 構成全体 区分とその展開品目
PTOオプション(出荷モデル完了) 構成全体 構成全体 オプションのみ
PTOモデル(出荷モデル完了以外) 構成全体、ただし、ATPは各明細に対して別途に実行 構成全体、ただし、各明細は別途に予定作成 構成全体、ただし、各明細は別途に予約
PTO区分(出荷モデル完了以外) 区分とその展開品目 区分とその展開品目 区分とその展開品目
PTOオプション(出荷モデル完了以外) オプションのみ オプションのみ オプションのみ
展開品目(出荷モデル完了) 構成全体 構成全体 その明細
展開品目(出荷モデル完了以外) その明細 その明細 その明細
サービス明細 ATPの計算は不可 予定作成は不可 予約不可

「ATPの上書き」以外の予定作成処理の場合、明細を複数選択すると、一度に複数の明細に対する予定作成を手動で要求できます。(「ATPの上書き」は例外のみを対象としています。)「受注」ウィンドウから、[Ctrl]キーを押しながらマウスでクリックして各明細を選択します。選択した明細がハイライトされます。要求した「予定作成」アクティビティは、選択した明細、および同じグループに属しているために一括して予定作成する必要のある明細に対して実行されます。複数選択した明細が予定作成グループに属していない場合は、個別に処理されます。

明細セット: 出荷/到着

出荷セットは、ピック・リリース時に強制したり、出荷確認時に警告を表示できます。出荷セットをピック・リリース時に強制する場合は、(N)「設定」→「出荷」→「出荷パラメータ」→「ピック・リリース」の順に選択して、「出荷セットおよび出荷モデルの強制」フラグを選択します。この強制により、同じ明細セットに割り当てられたすべての明細は、明細セット内の各明細の準備が完了するまで進行しなくなります。

出荷セットは、同じ出荷先事業所に対して同じ日付に同じ倉庫から出荷する必要がある受注明細のグループです。出荷セットの強制フラグが選択されている場合、ピック・リリース時には、出荷セット内のすべての準備が完了するまでは出荷セットからは一切ピックされません。つまり、有効在庫があり、保留が存在せず、ピック・リリースに適格である状態です。「受注入力」ウィンドウでは、出荷セット内のすべての明細の共通属性が同じであることが確認されます。

到着セットは、各明細の出荷方法や出荷元とは関係なく、顧客サイトに同時に到着する必要がある受注明細出荷のセットです。予定作成機能は到着セットを優先し、ATP計算は、到着セットをグループとして到着セット全体に対して処理されます。この場合、予定到着日に間に合うように搬送リード・タイムも考慮されます。到着セットは異なる倉庫から異なる日付で出荷できますが、出荷先組織および予定到着日は到着セット内の各明細について同じであることが必要です。

セット内の明細は、共通属性を持つように強制されます。出荷セットは共通の予定出荷日、出荷元および出荷先を持ち、到着セットは共通の予定到着日および出荷先を持つ必要があります。1つの明細は、一度は出荷セットまたは到着セットのいずれかに属することになります。

自動明細セット割当

概要

Oracle Order Managementでは、シード済デフォルト・ルールを使用して必要なユーザー処理を最小限に抑えるように明細セット(出荷/到着)機能を拡張することで、エラーおよびキーストローク数を減らします。

機能は次のとおりです。

デフォルト・ルール設定

以前は、出荷セットまたは到着セットに自動的に含まれる明細に応じて、Ship To.Line Set、Invoice To.Line SetまたはCustomer.Line Set(販売先)などのデフォルト・ルールがハード・コード化されていました。

参照: 「デフォルト・ルールの定義」

「取引タイプ」の定義フォーム

「取引タイプ」フォームに「デフォルト明細セット」列が追加されました。この列は、受注レベルの取引タイプに対してのみ使用できます。

参照: 「Order Management取引タイプの定義」

各明細に対する出荷セットまたは到着セット

Oracle Order Managementでは、顧客用のヘッダー・レベルの出荷/到着セット機能の選択肢が増えました。プロファイル「OM: 各明細に対する新規セットの割当」には2つの代替方法があります。

多くの企業では、1つの受注に対して複数の出荷を作成しません。このため、受注ごとに1つの出荷/到着セットを作成するように、「No」にデフォルト設定されています。たとえば、ヘッダー・レベルが「出荷」に設定されている場合、正常に予定作成されたすべての明細は、作成時に1つの出荷セットに割り当てられます。1つの明細の予定作成が失敗すると、出荷セットにはいずれの明細も割り当てられません。

また、その他の企業にとっては、1つの明細出荷が完了し、複数の出荷が受注ごとに有効であることが重要です。このプロファイルを「Yes」に設定すると、明細が予定作成済の場合は、受注内の明細ごとに一意の出荷/到着セットがシステムにより作成されます。

プロファイル

OM: 各明細に対する新規セットの割当

このプロファイルを使用して、Order Managementが明細をセットに格納する方法を決定します。「No」に設定すると、正常に予定作成されたすべての明細は自動的に1つの出荷または到着セットに格納されます。「Yes」に設定すると、ヘッダー・レベルの設定に基づいて各明細は一意のセット(出荷または到着)に予定作成されます。

実装時の考慮事項

オプション1には、1つの受注のすべての明細を1つの出荷セットまたは到着セットにグループ化する企業向けの機能が用意されています。

オプション2では、受注明細ごとに一意のセットを作成することにより、出荷/到着セットのその他の使用方法を作成します。

設定

受注レベルの出荷/到着セットを設定する手順は、次のとおりです。

  1. デフォルト・ルールを定義し、ヘッダー・レベルの設定を出荷または到着として決定します。

  2. プロファイル・オプション「OM: 各明細に対する新規セットの割当」を「No」に設定します。

一意の明細レベルの出荷/到着セットを設定する手順は、次のとおりです。

  1. デフォルト・ルールを定義し、ヘッダー・レベルの設定を出荷または到着として決定します。

  2. プロファイル・オプション「OM: 各明細に対する新規セットの割当」を「Yes」に設定します。

計画済明細の変更

Order Managementには、明細の変更時に予定作成済明細を管理できるように、多数の機能が用意されています。計画済明細に変更があると、その明細が再計画されます。たとえば、受注数量または倉庫を変更すると、この新規情報に基づいて再計画されます。

予定作成対象となっている予定作成グループ(出荷セットや構成など)に新規明細が挿入されると、システムでは最初に予定作成グループ内の他の明細と同じ属性を使用して、新規明細の予定作成が試行されます。それに失敗すると、プロファイル・オプション「自動プッシュ・グループ日」の値がチェックされます。このオプションの値が「No」の場合、明細は挿入されますが予定は作成されません。値が「Yes」の場合は、セット全体の再計画が試行されます。セット全体の再計画が失敗すると、明細は挿入されますが予定は作成されません。例外: 明細がATO構成または出荷モデル完了のPTO構成に含まれている場合は、明細グループ全体の予定作成に失敗すると、明細は挿入されません。

予定作成済または予約済の明細を取り消すと、その明細が予定解除されて予約が解除されます。計画済明細の一部を取り消すと、この受注の予定作成情報が次のように取り消されます。

予定作成済だが予約されていない数量の取消

取消が要求された数量に予約付き明細が含まれる場合、予約数量が取り消されていない残余数量以下になるまで予約が1度に1つずつ取り消されます。予約が取り消される順序は、次のとおりです。

ATOモデルに対するGlobal Order Promising

提供される機能は、次のとおりです。

計画結果の公開

計画品目を持つ計画済明細の場合、Advanced Supply Chain Planning(ASCP)は、最遅供給/需要データに基づいて計画に関する推奨を作成できます。これらの推奨事項をOrder Managementに公開し、受注明細を自動的に更新できます。ただし、計画品目にのみ適用できます。明細を確定して倉庫の更新を防止することも可能です。計画結果をOrder Managementに公開することは、多くの予定作成属性が変更される可能性があるため注意してください。品目が計画品目でない場合、これらの品目は計画が変更されても影響を受けません。

ASCPによって更新される可能性がある属性は、次のとおりです。

モデルを持つ計画公開の動作

出荷セットおよび到着セットを持つ計画公開の動作

セット内に計画されていない明細がある場合、セット内の明細はいずれも新規計画の結果に基づいて更新されません。

注意: セット内に確定されている明細がある場合、セット内のすべての明細が確定済として処理されます。セット内の明細が1つでも確定されている場合、倉庫はセット内の明細を更新できません。

この新機能の「ATPの上書き」との動作

APSは、上書きされた明細が確定されていない場合に、これらの明細を更新できます。この場合、OMは明細の上書きを解除します。

OMでは、APSは承認プロファイル「OM: ATPの上書き承認」の値とは関係なく、上書きされた明細を更新できます。

明細を確定する手順は、次のとおりです。

明細を確定すると、APSによる倉庫の更新はできません。

確定方法には、次の3つのオプションがあります。

  1. 「受注明細」の「確定需要」フラグを手動で使用可能にします。

  2. 「OMシステム・パラメータ」フォームで事前定義のイベントを設定します。

  3. 明細フローに挿入されたシード済サブプロセス「確定を待機 - 明細」を使用して明細タイプを作成します。次に、「確定処理の進捗」コンカレント・プログラムを使用して、明細を進めて確定します。

ATPの上書き

「ATPの上書き」を使用すると、供給がない場合も、有効在庫数量である品目の予定を作成できます。この機能は例外用として設計されています。たとえば、ある顧客から優先度の高い顧客に供給を割り当てることができます。また、システムによって認識されていない供給も使用できます。明細に対して「ATPの上書き」を設定すると、この明細は、上書きフラグが削除されるか明細が予定解除されるまでは上書きされたままです。

この機能の使用を、1人の計画者、予定作成者または受注管理者のみに限定する場合があります。ATPの上書きでは、供給を手動で検索する職責が作成されます。ATPの上書き承認では、プロファイル・オプション「OM: ATPの上書き承認」を使用して保護されます。

ATPを上書きするには、次を実行する必要があります。

  1. 予定日の指定

  2. 「ATPの上書き」ボックスの選択

  3. 変更の保存

    「ATPの上書き」では、日数は優先されますが、日付フィールドのタイムスタンプは無視されます。明細が上書きされると、権限のないユーザーは、上書きの取消、明細の予定解除、または倉庫や出荷先事業所などの予定作成関連属性の変更はできません。明細がフロー上で処理制約の影響を受けないポイントにある場合、権限のないユーザーでも、数量の取消または削減、明細の削除を実行できます。また、予定作成属性が変更されていない場合は、明細を分割することもできます。

    「ATPの上書き」チェック・ボックスをオフにすると、明細の予定の再作成が試行されます。供給がある場合は明細が予定作成されます。供給が不十分である場合は、明細を予定解除のままにしたり、ATPを上書きできます。「ATPの上書き」は、サービス品目や、直接出荷または返品明細には適用されません。

    ATOモデルの場合、上書きフラグは、モデル内のその他の品目に適用されます。PTOモデルの場合は、展開品目に対してのみ適用されます。

予約

Oracle Order Managementでは、受注に対して手持在庫を予約できます。予約済在庫は、他の目的には使用できません。受注明細に対する予約数量は、「出荷」タブに表示されます。受注数量の一部または全体を予約できます。

明細を予約する前に、予定作成を完了する必要があります。予定作成前の明細の予約を試みると、まず明細の予定作成が試行されます。明細の予定作成が正常に完了すると、その予約が試行されます。

手動による予約

「受注」ウィンドウから手動で予約するには、2つの方法があります。

カーソルが受注明細に置かれている場合は、その明細が予約されます。ヘッダーに置かれている場合は、すべての明細が予約されます。

手動による予約は、一部予約を手動で適用するかどうかを制御できる予定作成パラメータによる影響を受けます。10のうち9が使用可能で、パラメータが一部予約を許可するように設定されている場合、マウスを右クリックして「コンテキスト」メニューを起動し、「予約」を選択して9を予約できます。

予約時間フェンス

明細が予定作成され、予定日が予約時間フェンスの範囲内にあると、常に自動的に予約が実行されます。たとえば、今日の日付が11月25日であるとします。受注明細について12月1日、つまり6日後の予定が作成されるとします。予約時間フェンスが10の場合は、6 < 10であるため明細が予約されます。予約時間フェンスが2の場合は、6 > 2であるため明細は予約されません。予約時間フェンスがNULLの場合、明細が自動的に予約されることはありません。予約時間フェンスは、プロファイル・オプション「OM: 予約時間フェンス」を使用して設定します。

予約時間フェンスは、予定作成パラメータ、一部予約を許可の影響を受けます。供給が十分でなくても予約時間フェンスでできるだけ多くの数量を予約するには、予定作成パラメータを一部予約を許可するように設定します。

「予約詳細」ウィンドウ

予約を「受注」ウィンドウで手動で作成するか、予約時間フェンスを使用して自動的に作成すると、品目は在庫詳細の指定なしに倉庫レベルで予約されます。また、明細に保管場所が指定されている場合は保管場所レベルで予約されます。予約の在庫詳細は、Oracle Inventoryの「予約詳細」ウィンドウで指定できます。このウィンドウに「受注」ウィンドウからアクセスするには、「ツール」メニューにアクセスして「予定作成」を選択し、オプション・リストから「予約詳細」を選択します。ここでは、ロット、改訂、保管場所または保管棚あるいはそのすべてを指定して予約できます。「予約詳細」ウィンドウにアクセスできるのは、明細が予定作成対象の場合のみです。

「受注の予約」コンカレント・プログラム

「受注の予約」コンカレント・プログラムでは、明細の全数量が揃っていることを前提として、予定作成済明細を予約できます。このプログラムには多くのパラメータが用意されており、受注番号範囲、顧客名、受注タイプ、品目、要求日、出荷日、到着日、受注日、需要区分別に、予約時間フェンス内で予約対象の受注および明細を選択できます。

「受注の予約」では、問合せ済明細の供給をロックできません。品目の予約時には、1人のユーザーのビジネス・プロセスを実装できます。

「受注の予約」プログラムは、フィルタ処理済の受注グループに対して実行できます。また、「ソート」パラメータでは、次のような属性を使用して既存の供給を順序付けることができます。

この機能は様々なビジネス・シナリオで使用できます。たとえば、予約時間フェンスを使用しているが、明細の予定作成時に供給がないことがあります。供給が追加されると、「受注の予約」を実行し、予約時間フェンス内の明細に対する予約を更新できます。また、要求した品目を受け入れていないと顧客から苦情を受ける場合があります。このような場合も、特定の顧客に関するすべての明細や特定の予定日範囲内の明細を問い合せ、これらの明細を予約することもできます。

予約の拡張機能

「フェア・シェア」、「パーセント」および「一部」の予約方法に対しても、「受注の予約」を使用できます。

予約を行う場合、次の予約モードを使用できます。

また、次の予約実行タイプを使用できます。

前述のタイプには適合しない特定のビジネス・ニーズがある場合、APIフックOE_RESERVE_CONC_HOOKを使用して独自のタイプを作成できます。このビジネス・プロシージャを使用して、ビジネス検証ロジックを追加できます。ただし、これは予約の場合の数量のみに適用されます。

予約モード

フェア・シェア

フェア・シェアでは、按分基準で選択された複数の明細間で引当可能な手持供給が分配されます。次はその例です。

この方法の場合、分配方法は各受注量によって決まります。受注量が多いほど、引当可能な供給量の割合が大きくなります。予約後、事前の予約によってピックし、これらの明細を出荷および発送できます。残りの数量は、供給が引当可能になったときに履行されます。

フェア・シェアの場合、各明細が少なくとも1個を取得できる供給があることを前提として、問い合せられたすべての明細が供給を受け取ります。倉庫間で供給が分割される場合、次に示すように、フェア・シェアは倉庫ごとに個別に計算されます。この例では、M1に100個、M2に100個あります。M1では140個要求されているため、各明細は供給の約71%を取得します。この場合、係数を掛けられた数量は端数が切り捨てられています。これは、「品目マスター」の「物理属性」タブで「OM分割不可」フラグが設定されていることを前提としています。

フェア・シェアの例1
明細 品目 倉庫 要求数量 ファクタ ファクタ * 要求数量 導出された数量
1 品目A M1 80 0.71429 57.14286 57
2 品目A M1 60 0.71429 42.85714 42
3 品目A M2 20 0.625 25 25
4 品目A M2 40 0.625 12.5 12
5 品目A M2 100 0.625 62.5 62

この場合、供給は複数倉庫間で分割され、受注明細には異なる倉庫が指定されています。フェア・シェアは、最初は保管場所ごとに計算されます。次に、供給が残っている場合、保管場所のない明細がフェア・シェアを受け入れます。

フェア・シェアの例2
明細 品目 倉庫 保管場所 要求数量 ファクタ ファクタ * 要求数量 導出された数量
1 品目A M1 ストア 80 0.71429 57.14285714 57
2 品目A M1 ストア 60 0.71429 42.85714286 42
3 品目A M2 ストア 20 1 20 20
4 品目A M2 FGI 40 0.35714 14.28571 14
5 品目A M2 FGI 100 0.35714 35.71429 35
6 品目A M2   15 0.50000 7.50000 7*
7 品目A M2   15 0.50000 7.50000 7*
              *M2ストアで引当可能

パーセント

「パーセント」を使用して、引当可能な供給のパーセントを特定の明細に割り当てることができます。たとえば、特定の品目が100個引当可能だとします。

明細1では、80個が要求され、40個が予約されます。

明細2では、100個が要求され、50個が予約されます。

明細3では、30個が要求され、10個が予約されます。

明細4では、20個が要求され、予約はされません。

このモードでは、供給がある場合、明細ごとに指定したパーセントで予約されます。しかし、供給が消費されてしまうと、それ以上の予約はできません。

「ソート・キー要求日」など、パーセント・モードで「ソート・キー」パラメータを使用することにより、以降ではなく以前に要求された明細に引当可能な供給を提供できます。

一部

全要求数量の一部のみが引当可能である場合、一部予約を適用できます。

要約

次のチャートでは、100個が引当可能で、次の個数が要求された場合の予測を示します。

これらの予約方法のいずれかを使用する場合、セットおよびPTOモデル用の特別なロジックはありません。

予約実行タイプ

シミュレート: 予約は予約表にはコミットされません。かわりに、予約は一時表に保存され、必要に応じて「複数受注の予定作成」ウィンドウを使用して次を実行できます。

セットの予約の作成: シミュレーション・セットに予約された数量をコミットして予約できます。

「複数受注の予定作成」または「コンカレント要求」から予約モードを実行できます。「複数受注の予定作成」から実行する手順は、次のとおりです。

  1. 「検索」ウィンドウの「予定作成」タブで、予約対象の品目および明細を問い合せます。

  2. 「処理」メニューで、「受注の予約要求」を選択します。この場合、次を指定するよう求められます。

    予約実行タイプ: シミュレートするか予約するかを指定します。予約する場合、品目はOracleの表に予約されます。シミュレートする場合、予約をコミットする前に予約を表示および編集できます。

    予約セット名: 後で問い合せて結果を参照できるように名前を指定します。

    セット名を上書きしますか?: この予約セット名を使用してすでに予約が設定されている場合、この名前を上書きするかどうかを指定します。

    予約モード: フェア・シェアを使用するか、別の予約方法を選択します。

    パーセント: パーセント方法を選択した場合、パーセント(要求数量の60%など)を指定します。

    ソート・キー: フェア・シェアの場合は使用できません。ただし、一部またはパーセント方法の場合、要求日がより早い明細や優先度がより高い計画などを選択できます。

  3. これらのパラメータを入力した後、要求を発行します。次に、必要に応じて「検索」ウィンドウの「予定作成」タブで「予約セット名」を基準として問い合せることができます。「導出された数量」は、予約された品目数を示します。シュミレートを使用した場合、「訂正された数量」列で調整できます。問題がない場合、「処理」、「セットの予約の作成」を使用して予約をコミットできます。明細が予約された後、「処理中」列には、明細が処理済または予約済として表示されます。

予約APIフック

このフックを使用して、ニーズ固有のAPIを作成し、「受注の予約」機能を拡張し、次のようなビジネス固有のルールを適用できます。

変更した予約数量は、Oracleに戻して予約できます。

注意: このビジネス・プロセスでは、1つの品目に対して1度に1人のユーザーのみが予約を実行することを前提としています。

予約解除と予定解除

一部または全体が予約済の明細の予約を解除できます。明細に割当済の在庫は他の受注に引当可能になりますが、明細は引き続き予定作成対象であるため、製造アプリケーションで需要として参照できます。明細を削除するか取り消すと、自動的に予約解除されます。

明細の予定を解除すると、予約解除と予定解除の両方が実行されます。明細の予定を解除すると、VISIBLE_DEMAND_FLAGが「No」に設定されるため、その明細は製造アプリケーションで需要として参照できなくなります。

予約解除または予定解除を行うには、「ツール」メニューの「予定作成」サブメニューから該当するオプションを選択する方法と、「コンテキスト」メニューから「予定作成」を選択する方法があります。

設定

ビジネス・ニーズにあわせて予定作成を設定する場合、顧客の定義ウィンドウの「受注管理」タブの複数のフィールドが予定作成の動作に影響することに注意してください。

要求日タイプ: 出荷日または到着日による予定作成

出荷日と到着日のどちらで予定を作成するかを決定するには、「顧客」ウィンドウの「要求日タイプ」フラグを「出荷」または「到着」に設定します。値が「到着」の場合、要求日は到着日であるとみなされます。値が「出荷」の場合は出荷日とみなされます。要求日タイプは、顧客情報から受注にデフォルト設定でき、ユーザーは受注の要求日タイプを必要に応じて変更できます。

最遅出荷予定制限: 最遅許容日

受注明細の特定の顧客に対して「最遅許容日」(LAD)を設定するには、「最遅出荷予定制限」の「顧客」ウィンドウに値を入力します。このフィールドでは、任意の正の整数値を指定できます。この値は、ヘッダー・フィールド「最遅出荷予定制限」にデフォルト設定できます。受注明細の入力時には、要求日に最遅出荷予定制限の値が加算され、最遅許容日が算出されます。予定作成処理の発生時に予定日が戻されるのは、要求日から最遅許容日までの範囲内に含まれている場合のみです。この範囲にない場合、予定作成処理は失敗します。LADは手動で上書きできますが、LADを超える明細の予定は作成されません。

顧客に基づいてデフォルトの出荷セットまたは到着セットを設定するには、「明細」フィールドで「出荷セット」または「到着セット」を選択します。必要に応じて、「出荷先所在地」(サイト)レベルで値を設定することもできます。この値を受注にデフォルト設定できます。この値を受注に設定すると、予定作成が成功した場合、この受注のすべての明細がシステム定義のセットに格納されます。

個別の品目とともに「フェア・シェア」などの予約モードを使用している場合、品目の「物理属性」タブで「OM分割不可」フラグを設定します。たとえば、「フェア・シェア」数量を予約するときに、品目が個別単位である場合、この属性を設定すると、1.65などの小数数量の予約を回避できます。

予定作成パラメータ

予定日に影響する要求日

要求日に変更がある場合、このパラメータを使用して、予定再作成を制御できます。

予定日に影響する出荷方法

出荷方法に変更がある場合、このパラメータを使用して、予定再作成を制御できます。デフォルトでは、出荷方法が変更された場合、品目の予定は再作成されます。「リード・タイム」予定作成を使用している場合、この方法が効率的です。「リード・タイム」予定作成を使用していない場合、このパラメータを「No」に設定することにより、予定再作成をトリガーせずに出荷方法を変更できます。

確約日

このパラメータは、確約日の条件を定義します。使用可能なオプションは、次のとおりです。

一部予約

このパラメータを使用して、一部予約を受け入れるかどうかを決定できます。デフォルト動作では、全数量が引当可能でない場合、予約を行うことはできません。必要に応じて、このパラメータを設定し、引当可能な供給を使用して一部予約を許可できます。

最遅許容日

最遅許容日の選択

このパラメータは、予定作成に関する最遅許容日の動作を選択します。オプションは、次のとおりです。

プロファイル

予定作成機能に影響するプロファイル・オプションは、次のとおりです。

OM: 保留明細の予定作成

考えられる値は、「Yes」または「No」です。このフィールドを「Yes」に設定すると、受注または明細が保留中であっても、予定作成処理では受注明細が処理されます。「No」に設定すると、明細が保留中の場合、予定作成処理が失敗します。

OM: 自動予定作成

考えられる値は、「Yes」または「No」です。このフィールドを「Yes」に設定すると、「受注」ウィンドウを開くと「引当可能状況」ウィンドウが表示され、受注明細を保存するたびに予定作成が自動的に発生します。このプロファイルは、標準品目にのみ適用されます。このプロファイルは、「受注インポート」を介して入力された明細に適用されます。

OM: 予約時間フェンス

このオプションには、任意の正の整数値を指定できます。明細の予定作成時に、予定日が予約時間フェンスの範囲内にある場合は、自動的に予約も行われます。

OM: 自動プッシュ・グループ日

考えられる値は、「Yes」または「No」です。この値が「Yes」で、明細が計画済構成に追加され、残りの構成の予定作成日に新規明細の予定を作成できない場合は、構成全体の再計画が別の時点で試行されます。値が「No」で、新規明細を予定作成できない場合は、新規明細の予定作成が失敗し、構成の残りは影響を受けません。

OM: ATPの上書き承認

考えられる値は、「Yes」または「No」です。この値が「Yes」である場合、承認されたユーザーは、「ATPの上書き」フラグを選択し、予定出荷日または予定到着日を上書きできます。この値が「No」である場合、予定出荷日または予定到着日は上書きできません。

OM: 予定作成役割

これは、「複数受注の予定作成」に関連するプロファイル・オプションです。考えられる値は、「CSRのみ」、「CSRおよびスケジューラ」および「スケジューラのみ」です。このプロファイル・オプションは、職責レベルまたはユーザー・レベルで設定できます。このプロファイル・オプションにより、「受注オーガナイザ」の「検索」ウィンドウでアクセス可能なタブが決まります。「CSRのみ」に設定した場合、受注に関連するタブにはアクセスできますが、「予定作成」タブにはアクセスできません。「CSRおよびスケジューラ」に設定した場合、CSRに関するタブとスケジューラに関するタブを含むすべてのタブにアクセスできます。「スケジューラのみ」に設定した場合、「予定作成」タブにのみアクセスできます。

MRP: ATP割当セット

このオプションには、MRPアプリケーションで定義した任意の有効な割当セットを指定できます。ここでは、ATP計算に使用する割当セットを指定します。割当セットの詳細は後述します。

INV: CTP

考えられる値は、「製品ファミリのATPとCTPを使用可にする」、「製品ファミリATPを使用可にする」、「ATPを使用可にする」、「計画出力に基づくATP/CTP」および「収集データに基づくATP」です。このプロファイル・オプションは、ATP計算の有無および計算方法を示します。2つのオプションの1つを選択できます。

ASCPのライセンスを取得し、計画出力を使用する場合は、「計画出力に基づくATP/CTP」を選択します。

ASCPのライセンスを取得していないがATP計算を実行する場合は、「収集データに基づくATP」を選択します。「予定作成パラメータ」を参照してください。

フォルダ

「出荷」タブの「ATPの上書き」フラグを表示できます。また、「フォルダ」を使用して、「受注オーガナイザ」の「検索」ウィンドウの「予定作成」タブまたは「予定作成オーガナイザ」ウィンドウを調整することもできます。

取引タイプの予定作成レベル

受注取引タイプの予定作成レベルにより、使用可能な予定作成のタイプが決まります。考えられる値は、次のとおりです。

ATPのみ

受注明細の予定作成または予約はできません。予定作成レベルに「ATPのみ」を指定して定義された受注取引タイプがある場合は、明細レベル・ワークフロー・プロセスで「予定作成」アクティビティを実行しないでください。これは、「請求のみ」または「在庫消費のある請求のみ」インタフェース・フロー、または見積シナリオで使用します。

たとえば、ヘッダー・レベル・セットから除外する「請求のみ」明細に対して「ATPのみ」フローを使用できます。「請求のみ」明細の予定を作成せず、ヘッダー・レベル・セットの一部とみなさない場合、明細取引タイプの予定作成レベルを「ATPのみ」にします。

予約なし

在庫予約を除くすべての予定作成機能を実行できます。ATP可能品目を使用し、すべての品目の予定を作成できますが、「受注」ウィンドウで予約は作成できません。

全出荷予定処理の許可

すべての予定作成処理を実行できます。

予約あり無効需要

任意の予定日を手動で入力できますが、予定は作成されません。明細は予約できます。MRP/APSでは予定日は表示されません。この機能は標準品目専用で、出荷セットまたは到着セットはサポートしていません。

予約なし無効需要

任意の予定日を手動で入力できますが、予定は作成されません。明細は予約できません。MRP/APSでは予定日は表示されません。この機能は標準品目専用であり、出荷セットまたは到着セットはサポートしていません。

受注明細を製造アプリケーションで需要として参照可能にしない場合は、明細の予定を作成しないでください。これを制御するには、受注取引タイプの予定作成レベルを設定します。

「顧客」ウィンドウ

「顧客」ウィンドウの「受注管理」タブの複数のフィールドが、予定作成の動作に影響します。

出荷日または到着日による予定作成

出荷日と到着日のどちらで予定を作成するかを決定するには、「顧客」ウィンドウの「要求日タイプ」フラグを「出荷」または「到着」に設定します。値が「到着」の場合、要求日は到着日であるとみなされます。値が「出荷」の場合は出荷日とみなされます。要求日タイプは、顧客情報から受注にデフォルト設定でき、ユーザーは受注の要求日タイプを必要に応じて変更できます。

最遅許容日

受注明細の特定の顧客に対して「最遅許容日」(LAD)を設定するには、「最遅出荷予定制限」の「顧客」ウィンドウに値を入力します。このフィールドでは、任意の正の整数値を指定できます。この値は、ヘッダー・フィールド「最遅出荷予定制限」にデフォルト設定できます。受注明細の入力時には、要求日に最遅出荷予定制限の値が加算され、最遅許容日が算出されます。予定作成処理の発生時に予定日が戻されるのは、要求日から最遅許容日までの範囲内に含まれている場合のみです。この範囲にない場合、予定作成処理は失敗します。LADは手動で上書きできますが、LADを超える明細の予定は作成されません。

明細セット

顧客に基づいてデフォルトの出荷セットまたは到着セットを設定するには、「明細」フィールドで「出荷セット」または「到着セット」を選択します。必要に応じて、「出荷先所在地」(サイト)レベルで値を設定することもできます。この値を受注にデフォルト設定できます。この値を受注に設定すると、予定作成が成功した場合、この受注のすべての明細がシステム定義のセットに格納されます。

ATPルールおよびソース・ルール

ATPルールは、Oracle Inventoryモジュールで作成されます。このルールは、ATP計算時に考慮される需要と供給のソースを示します。各ソースは在庫組織と品目に割り当てることができます。ATPルールを品目に割り当てると、そのルールが使用されます。品目のATPルールを空白にすると、在庫組織のATPルールが使用されます。

ATPで受注明細の倉庫を決定する場合は、ソース・ルールを定義する必要があります。定義後に、それを特定の品目、カテゴリまたは在庫組織、あるいはそのすべてに割り当てます。この操作には割当セットを使用します。

Oracle Order Managementで予定作成を機能させるには、データ収集コンカレント要求セットを正常に実行する必要があります。前述のように、ATP計算はほぼ瞬時に実行する必要があるため、ATP計算のために考えられる需要と供給のすべてのソースを検索する処理はきわめて複雑です。したがって、データ収集コンカレント・プロセスを実行し、需要および供給データを要約する必要があります。その後、ATP計算が要約表に対して実行されます。データ収集要求セットを実行するには、Oracle Order Managementナビゲーション・メニューから「予定作成」→「収集データ」を選択します。この要求セットには、2つのプログラムがあります。両方のパラメータを入力してセットを発行してください。「計画データ・プル」プログラムには、「完全リフレッシュ」というパラメータがあります。このパラメータを「Yes」に設定すると、収集により関連表から予定作成関連情報がすべて選択されます。「No」に設定すると、更新済の情報のみが選択されます。

ATP設定の基本手順の要約を次に示します。

ATPの不使用の選択

Order Managementの一部またはすべての予定作成機能をオフにできます。明細を製造アプリケーションで需要として参照可能にするが、そのATPチェックを実行しない場合は、品目の「ATPチェック」フラグを「No」に設定できます。この操作は、常に引当可能であると想定される品目が対象となります。非ATP品目について予定作成処理がコールされた場合も、ソース処理は実行され、未指定の場合は倉庫が決定されます。ATPはチェックされませんが、要求日が「予定日」フィールドにコピーされます。明細は、製造アプリケーションで要求日または予定日の需要として参照可能になります。

受注明細を製造アプリケーションで需要として参照可能にしない場合は、明細の予定を作成しないでください。これを制御するには、受注/明細取引タイプの予定作成レベルを設定します。この設定で考えられる値は、「ATPのみ」、「予約なし」、「全出荷予定処理の許可」、「予約あり無効需要」および「予約なし無効需要」です。

事業所間の移動時間

指定した出荷方法による倉庫から顧客事業所までの出荷所要時間に基づいて到着日を計算する場合は、事業所間の移動時間を定義する必要があります。

参照: 『Oracle Global Order Promising Implementation and User's Guide』

『Oracle Shipping Executionユーザーズ・ガイド』

遅延需要ペナルティ

遅延需要のペナルティ・ファクタを使用して、計画最適化によって計算されるペナルティ原価を計算します。このフィールドは更新できますが、デフォルト設定ロジックは提供されていません。計画最適化がこの値を使用する方法の詳細は、『Oracle Advanced Planning Implementation and User's Guide』を参照してください。

実装時の考慮事項

タイムスタンプ

ASCPあり、またはASCPなしのATP

計画なしのATP

計画ありのATP

過去の日付

今日の日付より前の要求日を指定して予定作成をコールすると、ATPの計算には要求日ではなく今日の日付が使用されます。なんらかの理由(非ATP品目など)で過去の日付の予定日が戻されると、その日付が予約時間フェンスの範囲内に含まれていても、品目が自動的に予約されることはありません。

「予約詳細」ウィンドウ

「予約詳細」ウィンドウの使用方法には、次のような制限事項があります。

Order Managementでは、在庫に渡される詳細が在庫階層で有効でない場合があるため、「予約詳細」ウィンドウでの予約は保証されません。

受注の予約

次の明細を予約対象として問い合せ、100個が引当可能であるとします。

明細1: 数量35、予約済

明細2: 数量35、予約済

明細3: 数量35、予約解除(35個のうち30個のみ引当可能)

明細4: 数量20、予約済

明細5: 数量10、予約済

明細の全数量が引当可能でない場合は予約されません。

「受注の予約」を実行する場合、すべての明細が予約される保証はありません。「受注の予約」を実行する前に、別のユーザーが「受注の予約」を実行していたり、手動での予約によって、供給が予約されることがあります。

予約モード

コンカレント要求メニューまたは「複数受注の予定作成」を使用して「受注の予約」をコールする場合、問い合せて予約した品目の供給はロックされません。つまり、1度に1人のユーザーが品目を予約する必要があります。1度に1人のユーザーが品目を予約できるかどうかを評価できます。

予約モードを使用して不足在庫を管理する場合、ビジネス上、コストカットよりも顧客サービスの方が重要であるかどうかを分析します。顧客サービスの方が重要である場合、現在引当可能な一部数量を出荷し、供給が増えたときに残りの数量を出荷する方が非常に効率的です。

予約モードは、プロセスではなくショップ型製造に適用されます。

ATPの上書き

供給は引当可能ではありません。明細の上書き後に、供給を手動で検索する必要があります。

移行/アップグレード

Oracle Order Entryリリース11までは、明細の予定作成情報は表SO_LINE_DETAILSに格納されていました。リリース11iでは、この表は存在しなくなり、明細の予定作成情報はメイン明細情報表OE_ORDER_LINESに格納されます。Oracle Order EntryからOracle Order Managementへの移行中には、SO_LINES_ALLおよびSO_LINE_DETAILSの組合せごとにOE_ORDER_LINES内でレコードが作成されます。SO_LINE_DETAILS内でステータスがDEMANDEDになっていた場合は、新規明細の予定が作成されます(VISIBLE_DEMAND_FLAG = Yes)。SO_LINE_DETAILS内でステータスがRESERVEDになっていた場合は、新規明細の予定が作成され、MTL_RESERVATIONS表内で予約に関するレコードが作成されます。

予定作成機能の例を次に示します。

出荷日による予定作成、予約時間フェンスあり、ATPなし

受注の倉庫のデフォルトは出荷先サイトから設定されます。この倉庫/出荷先の組合せについて、出荷方法としてUPS陸送を指定して出荷ネットワークが定義されており、輸送リード・タイムは5日となっています。顧客からできるだけ早期の出荷を要求されているため、要求日として今日の日付を入力します。この受注を履行するための手持在庫は引当可能です。自動予定作成はオンで、予約時間フェンスは5日です。

品目、数量および要求日を指定して受注明細を入力します。明細を保存すると、自動予定作成がオンになっているため、予定出荷日に今日の日付を使用して、要求した倉庫に対して自動的に予定作成されます。予定出荷日が予約時間フェンスに含まれているため、明細も自動的に予約されます。

到着日による予定作成、ATPなし

次のいずれかを設定および使用し、倉庫からの事業所間の移動時間を定義します。

在庫に出荷ネットワークが設定されており、Order Managementによってデフォルト方法が選択されるように指定されています。「受注」ヘッダーの「その他」タブで、「受注日タイプ」は「到着」です。顧客の倉庫は、ヘッダーおよび明細にデフォルト設定されます。明細には出荷方法は設定されていません。

顧客は品目を5日目に受け入れることを要求しています。要求日は5日目です。品目は引当可能です。出荷リード・タイムは3日間です。到着日によって予定作成する場合、明細予定は保存時に作成されます。出荷ネットワークに定義されているデフォルト出荷方法が明細にデフォルト設定されます。明細を保存すると、品目が5日目に出荷され、顧客の要求どおりに5日目に到着するよう予定作成されます。

参照: 『Oracle Global Order Promising Implementation and User's Guide』

計画なしのATPの使用(ASCP)、出荷日による予定作成

受注の倉庫はデフォルト設定されず、入力もされません。顧客用の出荷ネットワークも定義されていません。顧客からはできるだけ早期の出荷を要求されているため、要求日として今日の日付を入力します。この受注を履行するための供給はありませんが、10日以内に完了予定の作業指示があり、ATPルールには作業指示が供給ソースとして含まれています。自動予定作成はオフになっていますが、明細レベルのワークフロー・プロセスでは、記帳の直後に「予定作成」アクティビティが同期アクティビティとして発生します。

品目、数量および要求日を指定して受注明細を入力します。明細を保存する場合、自動予定作成はオフになっているため、予定は作成されません。明細を追加入力して受注を記帳します。受注が記帳されると、ワークフローから「予定作成」アクティビティが実行されます。倉庫はソース・ルールにより決定されます。予定出荷日は、システム日付+10日(作業指示の完了予定日)です。予定到着日は予定出荷日と同じになります。

複数受注の予定作成

一部の受注明細は2日目に出荷するよう予定作成されています。これは、この日に発注が予想されるためです。これで、2日目ではなく5日目に100個が到着することがわかります。

「複数受注の予定作成」で、予定出荷日が2日目の遅延品目の明細を問い合せます。予定を再作成する明細を複数選択し、予定日を今日の日付から、より正確な日付である5日目に変更します。

受注の予約

優先度の高い顧客から、特定の品目について受注した全数量を受け取っていないと苦情を受けました。「受注の予約」を使用して、この品目および顧客の全受注明細を問い合せます。「受注の予約」を実行し、これらの明細を予約します。

必要に応じて、「複数受注の予定作成」でこの品目および顧客の明細を問い合せます。予約を表示します。また、「受注のリリース」ウィンドウの事前の予約のみフラグを使用して、ピック・リリースすることもできます。これにより、優先度の高い顧客の特定の品目について予約されている全明細をピックおよび出荷します。

ATPの上書き

非常に重要な顧客ができるだけ早く在庫不足品目を大量に出荷することを要求しています。しかし、有効数量がないため、明細を予定作成できません。

この場合、優先度の低い顧客に供給が予定作成済であることがわかっています。ここで、優先度の高い顧客のATPを上書きし、この顧客に予定日を割り当てることを決定します。次に、「複数受注の予定作成」で不足品目について予定作成済の全明細を検討し、供給の待機が可能な優先度の低い顧客を検索します。優先度の低い顧客を特定すると、予定日を延長できます。これにより、優先度の低い顧客の供給を優先度の高い顧客に割り当てることができます。

ループバック

予定日は4日目となっていますが、計画により、在庫不足で実際の予定日は6日目であることが確認されました。この明細の予定日を更新できます。しかし、この特定の出荷先所在地については、倉庫を変更しないようにする必要があります。この場合、この倉庫を確定することにより、予定日が更新されても倉庫が更新されないようにできます。

予約の拡張機能

品目の供給が不足していますが、最も重要な顧客には要求数量の100%を提供する必要があります。この場合、その他の顧客にはフェア・シェアを適用します。最初に、優先度が最も高い顧客の品目についてすべての明細を問い合せ、要求数量の100%を予約します。次に、この品目のその他すべての明細(一定の日付範囲内に出荷が予定作成されている明細など)を問い合せ、これらの明細にフェア・シェアを適用します。これにより、全数量ではなくとも、すべての顧客が一定の数量を取得できます。

供給が不足しているときに、2つの顧客の供給を減らすことができるとします。つまり、これらの顧客は供給が過剰であるか、支払が迅速でない顧客です。これらの顧客ごとに明細を問い合せるか、計画または出荷優先度の低い全明細を問い合せます。これらの明細に、要求数量の30%を割り当てます。その他すべての明細を問い合せて、これらの明細に対してフェア・シェアまたはより高いパーセントを適用します。パーセント・モードを使用する場合、「ソート・キー」パラメータを使用して、優先度が高いとみなされる明細が優先度の低い明細よりも先に限られた供給を取得できるようにします。これには、「ソート・キー要求日」、「確約日」または「出荷日」があります。