Oracle Order Managementインプリメンテーション・マニュアル リリース11i B25742-01 | ![]() 目次 | ![]() 戻る | ![]() 次へ |
Oracle Order Management(OM)の予定作成機能を使用すると、顧客に対して品目が引当可能になる時期を判断し、この引当可能状況に基づいて受注明細の出荷または到着予定を作成し、手持在庫を受注明細に予約できます。このような「予定作成」アクティビティは、個々の受注明細に対して、または出荷セット、到着セットおよび構成などの受注明細グループに対して実行されます。
Oracle Order Managementは、Oracle Advanced Planning and Scheduling(APS)およびOracle Inventoryと密接に連携して予定作成機能を提供します。この機能は、ユーザーがビジネス・ニーズにあわせてプロセスを調整できるように様々な方法で用意されています。
予定作成全般で用意されている機能は、次のとおりです。
有効在庫数量(ATP)の計算
予定作成
予約
予定解除および予約解除機能も用意されています。この章では、Oracle Order Managementでの予定作成の機能と、予定作成目標を達成できるようにOM、APSおよびOracle Inventoryを設定する方法について説明します。
Oracle Order Managementでは、明細に複数セットの出荷予定詳細(予定日や倉庫など)が必要な場合、その明細は複数に分割されます。受注明細は需要を表し、VISIBLE_DEMAND_FLAGが「Yes」に設定されている場合に計画アプリケーションで参照できます。このフラグは、明細の計画時に設定されます。
Order Managementの予定作成には、次の機能があります。
受注の記帳時に、または後でバックグラウンド・プロセスを使用して、明細入力中の複数時点で手動で、または自動的に予定を作成できます。
ソース・ルールを使用して受注明細に最適な倉庫を決定できます。これには、ATOモデルの使用が含まれます。
要求日が要求出荷日であるか要求到着日であるかを顧客が定義できます。
計算されたATPの日付に基づいて、予定出荷日と予定到着日を自動的に設定できます。
出荷ネットワークを定義し、移動時間に基づいて搬送所要日数を決定できます。
手持在庫を受注明細に自動的に予約できます。
受注取引タイプに基づいて、必要な予定作成レベルを制御できます。
1度に複数の倉庫の引当可能状況を表示できます。
異なる倉庫から異なる日付で出荷でき、顧客サイトには同日に到着する必要のある明細を到着セットにグループ化できます。また、同じ事業所から同日に出荷される出荷セットに明細をグループ化できます。
「受注の予約」コンカレント・プログラムを使用して複数の受注から計画済明細を予約できます。必要に応じて、「フェア・シェア」、「パーセント」および「一部」などの予約方法を使用できます。また、予約をシミュレートするか、コミットするかを選択できます。ビジネス固有のプロセスにあわせて予約ロジックを調整するためのAPIを書き込む場合は、APIフックを使用できます。「受注の予約」は、コンカレント要求メニューまたは「複数受注の予定作成」から実行できます。
有効在庫数量(ATP)を上書きできます。この機能により、承認されたユーザーは、例外のために必要な場合、「受注」ウィンドウからATP予定日を上書きできます。
複数受注にまたがる複数明細に対して予定作成処理を実行できます。
計画品目の最遅計画出力に基づいて予定作成を更新できます。
構成品目を計画品目の予定作成と一致させることができます。
柔軟な予定作成パラメータを使用して、「確約日」の使用、「予定日」に対する「要求日」および「出荷方法」の影響、手動予定作成によるLADの動作、手動予約の一部予約および予約時間フェンスの使用可否を制御できます。
Oracle Order Managementでの予定作成の機能を理解するには、次の用語を理解する必要があります。
到着実績日: 受注明細が顧客サイトに到着する日付。
出荷実績日: 受注明細の出荷日。この日付は出荷確認処理により記録されます。
到着セット: 搬送先に同時に到着する受注明細のセット。
有効在庫数量(ATP): まだ受注や他の需要ソースにコミットされていない現行手持在庫、未処理受入および計画生産の数量。
ATP日付: 要求数量が有効在庫数量になる日付。
搬送リード・タイム: 品目が出荷されてから顧客サイトに到着するまでの時間(日数)。
需要: 受注など、在庫を消し込む要求。ショップ型製造の作業指示およびフロー製造の予定作成により、構成品目の需要が設定され、受注により完成品の需要が設定されます。
明細セット: 出荷セットまたは到着セットにグループ化できる明細のセット。
ATPの上書き: 供給がなくても、承認されたユーザーが明細の予定を作成できる処理。「ATPの上書き」では、供給を手動で検索する必要があります。
確約日: 顧客に対して製品が出荷可能であること、または顧客が製品を受け入れることを同意する日付。このフィールドは追跡専用です。予定出荷日または予定到着日からデフォルト設定できます。
要求日: 顧客が商品の出荷または受入を要求した日付。
予約: 特定の受注に対して製品の割当を保証すること。予約済の製品を他の需要ソースに割り当てることはできません。「確定在庫引当」とも呼ばれます。
予約モード: 「受注の予約」を使用するときに、「フェア・シェア」、「パーセント」または「一部」の3つの予約方法の1つを選択します。
予約時間フェンス: 明細を自動的に予約する必要のある予定日までの期間(日数)。
予約タイプ: 受注の予約を使用して、予約実行時に、予約方法をシミュレートするか予約をコミットするかどうかを選択できます。
受注の予約: バッチ処理の検索基準に指定されているすべての受注明細の予約を試行するコンカレント・プログラム。
予定到着日: その日であれば顧客が製品を受け入れることができるとシステムが判断した日付。
予定出荷日: その日であれば製品を出荷できるとシステムが判断した日付。
複数受注の予定作成: 複数受注の明細に対して予定作成処理を実行する機能。「複数受注の予定作成」では、複数受注の明細に対して、ATPチェックを予定作成、予定解除、予約、予約解除および実行できます。
予定作成パラメータ: 予定作成属性がOMシステム・パラメータに追加されます。
出荷セット: 同じ倉庫から同じ事業所にまとめて出荷される明細のセット。
ソース: 受注明細の倉庫を選択すること。
供給: 在庫への入荷。供給を生成するOracle取引には、発注、ショップ型製造の作業指示およびフロー製造の予定作成などがあります。
Oracle Order Managementでは、現行の手持在庫数量と予想される供給および需要に基づいて、顧客に対して品目が引当可能になる時期を伝えることができます。ATPを計算するには、品目、受注数量、受注数量単位および要求日を入力する必要があります。通常は、受注明細ごとに品目と受注数量を入力します。要求日と受注数量単位は、デフォルトで設定する方法と手動で入力する方法があります。ATPは、単一明細、明細グループまたは受注全体について計算できます。単一明細の結果は、小さいウィンドウの1列に表示されます。複数明細のATPの結果は表形式で表示されます。どちらの形式でも、次の情報が表示されます。
倉庫: 受注明細の倉庫、または受注明細の倉庫が空白の場合は、ソース・ルールにより選択された最適の倉庫。
要求日数量: 要求日に引当可能な数量。
有効数量: ATPが正常に計算された場合は受注数量。ATPが正常に計算されない場合、有効数量は受注数量より少なくなります。
手持数量: 現在、倉庫に保有されている数量。
予約可能数量: 手持数量から他の需要ソースに予約済の数量を差し引いた数量。
要求日: 受注明細の日付。
可能日: 受注数量が引当可能になる日付。受注数量が要求日に引当可能になる場合は要求日ですが、受注数量が引当可能になる先日付の場合もあります。
エラー・メッセージ: ATP計算中に発生したエラー。たとえば、品目の「ATPのチェック」フラグが選択されていない場合、このフィールドには「ATP未適用」と表示されます。
代替品目: 要求品目が使用できず、定義済の代替品目の要求数量が引当可能である場合、代替品目が表示されます。また、単一品目に関する代替品目の有効数量が示された追加タブも表示されます。複数明細ウィンドウには、セットおよびモデルに関する有効数量情報が表示されます。
「引当可能状況」ウィンドウの下部には、「グローバルで使用可能」ボタンがあります。このボタンをクリックすると、品目が引当可能になっている倉庫のリストを示す「サプライ・チェーンATP」ウィンドウが開きます。引当可能状況を調べる倉庫を選択すると、選択したすべての倉庫の引当可能状況が表示されます。
「ATP詳細」ウィンドウは、「ATP詳細」ボタンをクリックして「引当可能状況」ウィンドウからオープンすることもできます。「ATP詳細」ウィンドウには、結果の導出方法が表示されます。
ATPは予定作成中に自動的に計算されます。また、「受注」ウィンドウの「明細品目」タブで「引当可能状況」をクリックすると、手動で計算できます。
ASCPを使用している場合、需要と供給は計画レベルで設定されます。詳細は、『Oracle ASCP Implementation Manual』を参照してください。Global Order Promisingは、ATPルールに指定されている無限タイム・フェンスのみを使用します。
ASCPを使用していない場合は、計算に含める需要と供給のソースを決定するために、ATPルールを定義する必要があります。ATPルールを品目または在庫組織、あるいはその両方に対応付けます。また、データ収集プログラムを実行します。ATP計算はきわめて高速である必要があるため、一部の顧客サービス担当はこの情報を電話で顧客に連絡する必要があります。ただし、ATP計算に考えられる需要と供給のソースをすべて考慮すると、きわめて複雑になる場合があります。したがって、データ収集と呼ばれるコンカレント・プロセスを実行し、需要および供給データを要約します。このプログラムは、Oracle Advanced Planning and Schedulingアプリケーションの一部です。ATP計算は要約表に対して実行されます。ATPルールの設定とデータ収集プログラムの実行の詳細は、このマニュアルの設定に関する項を参照してください。
予定作成は、受注明細または明細グループに対して実行される処理です。この処理の内容は、次のとおりです。
受注明細のソース(倉庫)が決定されます。倉庫が手動で、またはデフォルト・ルールを使用して明細に入力されている場合、予定作成処理では要求した倉庫が使用され、その他の予定作成結果はそれに基づいて生成されます。倉庫が空白の場合は、予定作成処理によりソース・ルールに基づいて最適の倉庫が決定されます。この機能には、ATOモデルが含まれます。
予定出荷日、予定到着日、搬送リード・タイムおよび出荷方法が決定されます。
明細を計画アプリケーションで参照可能になり、品目の供給が消し込まれます。明細の予定が正常に作成されると、VISIBLE_DEMAND_FLAGが「Yes」に設定されます。
予約時間フェンスが設定され、予定出荷日が予約時間フェンス内の場合は、その明細が自動的に予約されます。
要求日には、顧客の要求日タイプに応じて要求出荷日または要求到着日を使用できます。顧客の要求日が要求到着日の場合、予定作成処理では要求到着日を使用してMRPの予定作成APIがコールされます。このAPIでは、要求到着日以降で品目が顧客事業所に到着可能な最初の日付が戻され、その日付が明細の「予定到着日」フィールドに入力されます。予定出荷日は、予定到着日から搬送リード・タイム(品目が出荷されてから顧客サイトに到着するまでの日数)を差し引くことで計算されます。この事業所の組合せに出荷ネットワークが定義されていない場合、搬送リード・タイムは0(ゼロ)日とみなされ、予定出荷日と予定到着日は同じになります。
予定作成処理を実行する前に受注明細に予定出荷日を入力すると、予定作成処理の発生時にその日付に基づく予定作成が試行されます。この試行に失敗すると、予定作成処理が失敗します。
「顧客」ウィンドウで最遅出荷予定制限を入力すると、顧客ごとに搬送許容日数を定義できます。受注明細を入力すると、要求日に最遅出荷予定制限が加算されて最終受入期限日が算出されます。予定作成処理の発生時に予定日が戻されるのは、要求日から最終受入期限日までの範囲内にある場合のみです。この範囲内にないと、予定作成処理は失敗します。たとえば、顧客が要求日から5日以内に出荷される受注のみを受け入れるとします。「顧客」ウィンドウの「受注管理」タブで「最遅出荷予定制限」フィールドに「5」と入力します。受注明細の入力時に、要求日が9月10日の場合、最終受入期限日は9月15日となります。予定作成処理の発生時には、戻される予定日付が9月10日〜9月15日の範囲内にないと、計画要求は失敗します。
「OM: 保留明細の予定作成」プロファイル・オプションを使用すると、保留中の明細をOMで予定作成に含めるかどうかを制御できます。受注または明細が保留中で、このプロファイル・オプションが「No」の場合、予定作成処理は失敗します。
予定作成処理を起動するには、複数の方法があります。「受注」ウィンドウから予定を作成するには、「自動予定作成」をオンにするか、「コンテキスト」メニューまたは「ツール」メニューを使用して、予定作成するように手動で選択します。ワークフロー・アクティビティを使用すると、即時に、または遅延モードで予定を作成できます。ワークフローで予定作成処理が失敗すると、明細は「計画適格」アクティビティに移動します。次に、「予定作成」コンカレント・プログラムを使用して、例外を使用して明細の予定を作成できます。
自動予定作成
受注明細は、保存した時点で予定作成されます。受注取引タイプの「自動予定作成」チェック・ボックスがオンになっているか、「OM: 自動予定作成」プロファイル・オプションが「Yes」になっている場合、受注は自動予定作成モードで開きます。自動予定作成のオン/オフを切り替えるには、「受注」ウィンドウの「ツール」メニューを使用します。自動予定作成がオンになっている場合は「受注」ウィンドウを開くと「引当可能状況」ウィンドウが自動的に表示されることに注意してください。「引当可能状況」ウィンドウは閉じることができますが、「ツール」メニューの「自動予定作成」チェック・ボックスをオフにしないかぎり、明細の予定は自動的に作成されます。
手動
「予定作成」サブメニューにアクセスするには、「ツール」メニューのアクティビティ・リストから「予定作成」を選択する方法と、カーソルを明細に置いてマウスの右ボタンをクリックする方法があります。これらのメニューから「予定作成」を選択すると、予定作成処理がトリガーされます。「受注ヘッダー」タブで処理を選択すると、その受注のすべての明細が予定作成の対象となります。この処理を「明細」タブで選択した場合は、選択した明細または明細グループにのみ適用されます。
ワークフロー
受注明細のワークフロー・プロセスには、シード済の「予定作成」ワークフロー・アクティビティを使用する必要があります。「明細フロー - 一般」シード済フローでは、「予定作成」アクティビティは記帳の直後に発生する同期アクティビティです。このタイプのプロセスでは、予定作成は記帳直後に発生し、予定作成エラーがあると受注の記帳担当に表示されます。「予定作成」アクティビティが遅延される場合は、ワークフロー・バックグラウンド・プロセスの実行後に発生し、「プロセス・メッセージ」ウィンドウでエラー・メッセージが使用可能になります。詳細は、『Oracle Order ManagementにおけるOracle Workflowの使用』を参照してください。
「予定作成」コンカレント・プログラム
また、「予定作成」コンカレント・プログラムも使用できます。このプログラムでは、「予定作成」ワークフローに失敗したすべての明細が選択され、その予定が作成されます。これらの明細は、「計画 - 適格」アクティビティを待機しています。ユーザーは、受注番号およびその他のパラメータに基づいて受注を選択できます。
「予定作成」ワークフローに失敗した受注の各明細に対して、メッセージが「プロセス・メッセージ」表に格納され、ログ・ファイルにも記録されます。
予定作成に成功した場合は、明細が次のアクティビティに進行できるように、COMPLETEの結果を戻して「予定作成」ワークフロー・アクティビティを完了します。
予定作成に失敗した場合は、INCOMPLETEの結果を戻してワークフロー・アクティビティが完了します。明細は、「受注」ウィンドウから(「処理」ボタンをクリックし、「進行受注」を選択して)手動で進行させるか、「予定作成」コンカレント・プログラムの次回実行時に自動的に進行させることができます。
「予定作成」コンカレント・プログラムを実行するには、(N)「受注、返品」→「受注の予定作成」にナビゲートします。詳細は、『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』を参照してください。
複数受注の予定作成
「複数受注の予定作成」には、複数受注の複数明細の予定作成属性を表示する機能や、単一ウィンドウから予定作成処理を実行する機能があります。「受注オーガナイザ」の「検索」ウィンドウの「予定作成」タブでは、次のような様々なパラメータに基づいて明細を問い合せることができます。
品目
倉庫
要求日
予約ステータス(「予約済」または「予約解除」)
計画ステータス(「予定作成済」または「予定解除」)
出荷ステータス(「ピック済」、「未ピック」または「出荷残」)
受注ステータス
顧客
出荷優先度
予定日付範囲
要求日付範囲
インテリジェント問合せを実行して明細グループを表示すると、新規ウィンドウ「予定作成オーガナイザ」が表示されます。「予定作成オーガナイザ」では、複数受注の明細に対して予定作成処理を実行できます。つまり、「予定作成」、「予定解除」、「予約」、「予約解除」および「ATP照会」を実行できます。
「予定作成」タブへのアクセスは、プロファイル・オプション「OM: 予定作成役割」によって制御されます。「CSRのみ」の役割を持つユーザーは「予定作成」タブにはアクセスできませんが、前のリリース11iでは同等の機能を使用できました。「スケジューラのみ」の役割を持つユーザーは、「予定作成」タブにアクセスできますが、その他のタブ(「受注情報」、「明細情報」、「拡張」および「保留情報」)にはアクセスできません。「CSRおよびスケジューラ」の両方の役割を持つユーザーは、「受注オーガナイザ」の「検索」ウィンドウのすべてのタブにアクセスできます。また、役割により、使用可能な処理かどうかが決まります。たとえば、「スケジューラのみ」の役割を持つユーザーは、「予定作成オーガナイザ」から「受注」ウィンドウをオープンできません。
「複数受注の予定作成」は、様々なビジネス・シナリオにおいて役立ちます。
引当可能状況または不足在庫(あるいはその両方): 誰が品目を予約したか。明細の予定を作成したのはどの顧客か。明細の予定を解除したのはどの顧客か。必要な場合、「複数受注の予定作成」を使用して、優先度の低い顧客からの供給を優先度の高い顧客に割り当てることができます。
顧客サービス: 顧客のすべての明細を表示します。予定を作成または解除する必要があるのはどの明細か。
予定作成: 特定の日付に出荷が予定されているすべての明細を問い合せ、必要に応じて、これらの明細の予定日を取り消します。また、「ATPの上書き」がフラグ付きの場合、すべての明細を問い合せて、供給方法を決定します。
収益の影響: 品目のすべての明細を問い合せ、売上総利益を表示します。フォルダを使用して、「予定作成オーガナイザ」の先頭の3列の1つに売上総利益を移動します。次に、売上総利益に基づいてソートします。売上総利益がより大きい明細を予約し、事前の予約によってピックします。これにより、月や四半期などの収支決算に影響を与えることができます。
これらの方法を使用する場合の一般的な手順は、次のとおりです。
ビジネス・ロジックを使用したピック・リリース対象の明細の選択および予約
「事前の予約別」ピック・リリース
予約品目の即時出荷
供給の引当可能時における残りの数量の出荷
明細グループの予定作成
「ATPの上書き」以外の予定作成機能の場合、Order Managementでは、この機能は単一明細または明細および関連明細グループに対してのみ実行される場合があります。予定作成では、次のグループが予定作成セットとして処理されます。これらの明細グループの場合、「予定作成」アクティビティは予定作成セットのすべての明細に対して実行されます。
受注組立(ATO)モデル
出荷モデル完了(SMC)受注荷揃(PTO)モデル
明細セット
出荷セット
到着セット
予定作成では、セットの明細が一括して処理され、そのセットに必要なルールが適用されます。明細が出荷セットに含まれている場合は、同じ倉庫から予定作成され、同じ要求出荷日および出荷先が使用されます。これらの出荷方法は同じでない場合があります。たとえば、PTOモデルまたは出荷セットでは、壊れやすい部品に使用する出荷方法と重い部品に使用する出荷方法が異なる場合があります。
ユーザー作成の出荷セット、ATOモデルおよびSMC PTOモデルは、いずれも出荷セットです。
ユーザー作成の到着セットに含まれるすべての明細は、到着日と出荷先組織が同じになります。1つの受注の到着セットに割り当てられた明細は、同じ要求到着日および出荷先で予定が作成されます。
次の表に、各タイプの明細グループでの各予定作成機能の動作を示します。
明細グループのタイプ | ATP計算 | 予定作成 | 予約 |
---|---|---|---|
標準明細(セット外) | その明細 | その明細 | その明細 |
標準明細(出荷セットまたは到着セット内) | セット全体 | セット全体 | その明細 |
ATOモデル | 構成全体 | 構成全体 | 予約不可 |
ATO区分 | 構成全体 | 構成全体 | 予約不可 |
ATOオプション | 構成全体 | 構成全体 | 予約不可 |
PTOモデル(出荷モデル完了) | 構成全体 | 構成全体 | 構成全体、ただし、各明細は別途に予約 |
PTO区分(出荷モデル完了) | 構成全体 | 構成全体 | 区分とその展開品目 |
PTOオプション(出荷モデル完了) | 構成全体 | 構成全体 | オプションのみ |
PTOモデル(出荷モデル完了以外) | 構成全体、ただし、ATPは各明細に対して別途に実行 | 構成全体、ただし、各明細は別途に予定作成 | 構成全体、ただし、各明細は別途に予約 |
PTO区分(出荷モデル完了以外) | 区分とその展開品目 | 区分とその展開品目 | 区分とその展開品目 |
PTOオプション(出荷モデル完了以外) | オプションのみ | オプションのみ | オプションのみ |
展開品目(出荷モデル完了) | 構成全体 | 構成全体 | その明細 |
展開品目(出荷モデル完了以外) | その明細 | その明細 | その明細 |
サービス明細 | ATPの計算は不可 | 予定作成は不可 | 予約不可 |
「ATPの上書き」以外の予定作成処理の場合、明細を複数選択すると、一度に複数の明細に対する予定作成を手動で要求できます。(「ATPの上書き」は例外のみを対象としています。)「受注」ウィンドウから、[Ctrl]キーを押しながらマウスでクリックして各明細を選択します。選択した明細がハイライトされます。要求した「予定作成」アクティビティは、選択した明細、および同じグループに属しているために一括して予定作成する必要のある明細に対して実行されます。複数選択した明細が予定作成グループに属していない場合は、個別に処理されます。
出荷セットは、ピック・リリース時に強制したり、出荷確認時に警告を表示できます。出荷セットをピック・リリース時に強制する場合は、(N)「設定」→「出荷」→「出荷パラメータ」→「ピック・リリース」の順に選択して、「出荷セットおよび出荷モデルの強制」フラグを選択します。この強制により、同じ明細セットに割り当てられたすべての明細は、明細セット内の各明細の準備が完了するまで進行しなくなります。
出荷セットは、同じ出荷先事業所に対して同じ日付に同じ倉庫から出荷する必要がある受注明細のグループです。出荷セットの強制フラグが選択されている場合、ピック・リリース時には、出荷セット内のすべての準備が完了するまでは出荷セットからは一切ピックされません。つまり、有効在庫があり、保留が存在せず、ピック・リリースに適格である状態です。「受注入力」ウィンドウでは、出荷セット内のすべての明細の共通属性が同じであることが確認されます。
到着セットは、各明細の出荷方法や出荷元とは関係なく、顧客サイトに同時に到着する必要がある受注明細出荷のセットです。予定作成機能は到着セットを優先し、ATP計算は、到着セットをグループとして到着セット全体に対して処理されます。この場合、予定到着日に間に合うように搬送リード・タイムも考慮されます。到着セットは異なる倉庫から異なる日付で出荷できますが、出荷先組織および予定到着日は到着セット内の各明細について同じであることが必要です。
セット内の明細は、共通属性を持つように強制されます。出荷セットは共通の予定出荷日、出荷元および出荷先を持ち、到着セットは共通の予定到着日および出荷先を持つ必要があります。1つの明細は、一度は出荷セットまたは到着セットのいずれかに属することになります。
Oracle Order Managementでは、シード済デフォルト・ルールを使用して必要なユーザー処理を最小限に抑えるように明細セット(出荷/到着)機能を拡張することで、エラーおよびキーストローク数を減らします。
機能は次のとおりです。
「受注取引タイプ」からヘッダー・レベルの明細セット(出荷/到着)にデフォルト設定できます。詳細は、「取引タイプ」を参照してください。
顧客
請求先
出荷先
以前は、出荷セットまたは到着セットに自動的に含まれる明細に応じて、Ship To.Line Set、Invoice To.Line SetまたはCustomer.Line Set(販売先)などのデフォルト・ルールがハード・コード化されていました。
ハード・コード化されたデフォルト・ルールは、デフォルティング・フレームワークを使用してシード済デフォルト・ルールに変換されたため、使用するルールの順序を柔軟に変更できるようになりました。
Order Type.Line Setのデフォルト・ルールが追加されました。
取引タイプに基づいて出荷セットまたは到着セットのデフォルト・ルールを定義する機能が提供されます。
注意: ヘッダー・レベルのデフォルト・セットは、新規作成された明細にのみ影響し、既存の明細には影響しません。
参照: 「デフォルト・ルールの定義」
「取引タイプ」フォームに「デフォルト明細セット」列が追加されました。この列は、受注レベルの取引タイプに対してのみ使用できます。
「明細セット」の値リストに「出荷」または「到着」が用意されました。「N:」→「設定」→「取引タイプ」→「定義」→「出荷」タブ→「明細セット」フィールドの順に選択します。
参照: 「Order Management取引タイプの定義」
Oracle Order Managementでは、顧客用のヘッダー・レベルの出荷/到着セット機能の選択肢が増えました。プロファイル「OM: 各明細に対する新規セットの割当」には2つの代替方法があります。
多くの企業では、1つの受注に対して複数の出荷を作成しません。このため、受注ごとに1つの出荷/到着セットを作成するように、「No」にデフォルト設定されています。たとえば、ヘッダー・レベルが「出荷」に設定されている場合、正常に予定作成されたすべての明細は、作成時に1つの出荷セットに割り当てられます。1つの明細の予定作成が失敗すると、出荷セットにはいずれの明細も割り当てられません。
また、その他の企業にとっては、1つの明細出荷が完了し、複数の出荷が受注ごとに有効であることが重要です。このプロファイルを「Yes」に設定すると、明細が予定作成済の場合は、受注内の明細ごとに一意の出荷/到着セットがシステムにより作成されます。
このプロファイルを使用して、Order Managementが明細をセットに格納する方法を決定します。「No」に設定すると、正常に予定作成されたすべての明細は自動的に1つの出荷または到着セットに格納されます。「Yes」に設定すると、ヘッダー・レベルの設定に基づいて各明細は一意のセット(出荷または到着)に予定作成されます。
オプション1には、1つの受注のすべての明細を1つの出荷セットまたは到着セットにグループ化する企業向けの機能が用意されています。
ヘッダー・レベルを「出荷」に設定してこのプロファイルを「No」に設定すると、受注ごとに1つの出荷セットが作成され、すべての明細が同じ倉庫から同じ出荷先に対して同じ予定出荷日にまとめて出荷されます。これにより、運送費が安くなる場合があります。
ヘッダー・レベルを「到着」に設定してこのプロファイルを「No」に設定すると、受注ごとに1つの到着セットが作成され、すべての明細が同じ予定到着日に同じ出荷先に対してまとめて到着します。このように、受注のすべての明細を同じ場所に対して同時に搬送することにより、予定作成を介して高度な顧客サービスを提供できるようになります。
オプション2では、受注明細ごとに一意のセットを作成することにより、出荷/到着セットのその他の使用方法を作成します。
ヘッダー・レベルを「出荷」に設定してこのプロファイルを「Yes」に設定すると、受注明細ごとに一意の出荷セットが作成されます。明細レベルの出荷セットを作成すると、全部の受注数量を同時に出荷するように予定作成できます。したがって、品目を受注するたびに全数量を出荷できるため、顧客の満足度を高めることができます。また、各明細は独立しているため、柔軟性も増します。たとえば、(1)数量500の品目Aと(2)数量200の品目Bの2つの受注明細で考えます。予定作成時に、品目Aは数量500のすべてが受注可能で、品目Bは引当可能な数量が50のみとします。出荷セットが異なる場合、数量500の品目Aはピック・リリースおよび出荷確認まで進みますが、明細2の品目Bは処理が進みません。これにより、全数量500が揃った明細1の品目Aが即時に出荷され、明細2の品目Bの数量が揃って同日に出荷できるまで待たずに済むため、顧客は満足します。
同様に、ヘッダー・レベルを「到着」に設定してこのプロファイルを「Yes」に設定すると、受注明細ごとに一意の到着セットが作成されます。明細レベルの到着セットを作成すると、全部の受注数量を同時に到着するように予定作成できます。したがって、品目を受注するたびに全数量を出荷できるため、顧客の満足度を高めることができます。また、各明細は独立しているため、柔軟性も増します。たとえば、(1)数量500の品目Aと(2)数量200の品目Bの2つの同じ受注明細で考えます。予定作成時に、品目Aは数量500のすべてが受注可能で、品目Bは引当可能な数量が50のみとします。到着セットが異なる場合、数量500の品目Aはピック・リリースおよび出荷確認まで進みますが、明細2の品目Bは処理が進みません。これにより、全数量500が揃った明細1の品目Aがまとめて到着し、明細2の品目Bの数量が揃って同日に到着するまで待たずに済むため、顧客は満足します。
デフォルト・ルールを定義し、ヘッダー・レベルの設定を出荷または到着として決定します。
プロファイル・オプション「OM: 各明細に対する新規セットの割当」を「No」に設定します。
デフォルト・ルールを定義し、ヘッダー・レベルの設定を出荷または到着として決定します。
プロファイル・オプション「OM: 各明細に対する新規セットの割当」を「Yes」に設定します。
Order Managementには、明細の変更時に予定作成済明細を管理できるように、多数の機能が用意されています。計画済明細に変更があると、その明細が再計画されます。たとえば、受注数量または倉庫を変更すると、この新規情報に基づいて再計画されます。
予定作成対象となっている予定作成グループ(出荷セットや構成など)に新規明細が挿入されると、システムでは最初に予定作成グループ内の他の明細と同じ属性を使用して、新規明細の予定作成が試行されます。それに失敗すると、プロファイル・オプション「自動プッシュ・グループ日」の値がチェックされます。このオプションの値が「No」の場合、明細は挿入されますが予定は作成されません。値が「Yes」の場合は、セット全体の再計画が試行されます。セット全体の再計画が失敗すると、明細は挿入されますが予定は作成されません。例外: 明細がATO構成または出荷モデル完了のPTO構成に含まれている場合は、明細グループ全体の予定作成に失敗すると、明細は挿入されません。
予定作成済または予約済の明細を取り消すと、その明細が予定解除されて予約が解除されます。計画済明細の一部を取り消すと、この受注の予定作成情報が次のように取り消されます。
取消が要求された数量に予約付き明細が含まれる場合、予約数量が取り消されていない残余数量以下になるまで予約が1度に1つずつ取り消されます。予約が取り消される順序は、次のとおりです。
詳細化されていない予約(組織または倉庫レベルの予約)が最初に取り消されます。次に、詳細化されている予約(保管場所またはロット・レベルの予約)が取り消されます。
予定作成済明細が分割される場合は、両方の新規明細が予定作成されます。明細の一部が予約されている場合、Order Managementでは、分割を実行したのがユーザーであるかシステムであるかに応じて、どの新規明細に予約数量を割り当てるかを決定します。
ユーザー分割: 顧客から複数の日付にまたがって出荷するように要求された場合、ユーザーは明細を分割できます。当初明細が一部予約済の場合、最初の新規明細に予約数量ができるだけ多く割り当てられてから、次の新規明細に割り当てられます。たとえば、明細の受注数量が10で予約数量が3であるとします。この明細を2つに分割するときに受注数量6および4を指定すると、最初の新規明細の予約が3となり、第2の新規明細には予約されません。受注明細の受注数量が10で、予約数量が7の場合に、この明細の分割時に受注数量6および4を指定すると、最初の明細の予約数量は6、第2の明細の予約数量は1となります。
システム分割: システムにより明細が分割されるのは、一部数量が出荷確認済の場合です。この場合、出荷済明細の予約数量は0(それ以上の予約は不要)になるため、残りの予約数量は未出荷明細に割り当てられます。
ATOモデルに対するGlobal Order Promising
提供される機能は、次のとおりです。
倉庫に供給せずにATOモデルを予定作成する機能: ATOモデルの予定を作成するために、倉庫に供給する必要はありません。ソース・ルールを使用して、引当可能状況に基づいて最適な倉庫を提供し、ATOモデルのソースを導出できます。この機能は、工程データ格納と計画データ格納のどちらを使用していても使用可能です。計画データを使用して予定作成する場合、既存の構成が算入されます。
一致する構成が見つかると、一致した構成に基づいて予定作成されます。その他の供給をチェックする前に、有効手持資材が使用されます。
一致する構成が見つからない場合は、モデルおよびその子に基づいて予定作成されます。
ATOモデルの構成を算入する機能: この機能は、完全なライセンスが供与されたASCPおよびGOPのバージョンでのみ使用できます。照合機能は、計画データ格納でのみ使用でき、工程データ格納では使用できません。
構成データがモデルおよびオプションのデータよりも適切である場合、GOPは、モデルおよびオプションのかわりに構成に基づいて有効数量を確約します。一致する構成が見つかると、確約された有効数量は一致した構成の供給とみなされます。この場合、新規品目を作成するための有効数量をチェックする前に、その他の受注によって消費されていない、一致する構成の手持数量または受注数量があるかどうかチェックされます。
構成品目を作成するリンクを参照します。構成品目は、手動または構成品目の自動作成コンカレント・プログラムを使用して作成できます。構成品目の作成時には、予定作成時に使用する機能と同じ照合機能もサポートされます。
注意: 工程データ格納(ODS)は、Oracle Applicationsまたは旧システムからの収集データの宛先として機能するすべての表を示します。ODS ATPは、収集データに基づく有効在庫数量です。
注意: 計画データ格納(PDS)には、ODSのすべての表と計画のその他の出力表が含まれます。PDS ATPは、計画出力に基づくATPを意味します。
計画結果の公開
計画品目を持つ計画済明細の場合、Advanced Supply Chain Planning(ASCP)は、最遅供給/需要データに基づいて計画に関する推奨を作成できます。これらの推奨事項をOrder Managementに公開し、受注明細を自動的に更新できます。ただし、計画品目にのみ適用できます。明細を確定して倉庫の更新を防止することも可能です。計画結果をOrder Managementに公開することは、多くの予定作成属性が変更される可能性があるため注意してください。品目が計画品目でない場合、これらの品目は計画が変更されても影響を受けません。
ASCPによって更新される可能性がある属性は、次のとおりです。
予定到着日
予定出荷日
倉庫(明細が確定されていない場合)
搬送リード・タイム
出荷方法
モデルを持つ計画公開の動作
「確定需要」フラグの、受注組立(ATO)モデル全体への適用
更新の実行(ATOモデル内のすべての明細に計画品目が含まれる場合のみ)
受注荷揃(PTO)モデルおよびキット
出荷モデル完了(SMC)モデル/キット(SMC)は、サポートされていません。
非SMCモデルおよびキットのオプションおよび展開品目は、サポートされています。
出荷セットおよび到着セットを持つ計画公開の動作
セットの更新の実行(セット内のすべての明細に計画品目が含まれる場合のみ)
倉庫の更新不可(セット内の明細が確定されている場合)
セット内に計画されていない明細がある場合、セット内の明細はいずれも新規計画の結果に基づいて更新されません。
注意: セット内に確定されている明細がある場合、セット内のすべての明細が確定済として処理されます。セット内の明細が1つでも確定されている場合、倉庫はセット内の明細を更新できません。
この新機能の「ATPの上書き」との動作
APSは、上書きされた明細が確定されていない場合に、これらの明細を更新できます。この場合、OMは明細の上書きを解除します。
OMでは、APSは承認プロファイル「OM: ATPの上書き承認」の値とは関係なく、上書きされた明細を更新できます。
明細を確定すると、APSによる倉庫の更新はできません。
確定方法には、次の3つのオプションがあります。
「受注明細」の「確定需要」フラグを手動で使用可能にします。
「出荷」タブで、「フォルダ」機能を使用して「確定需要」フラグを表示します。
明細を手動で確定するには、「確定需要」のフラグを選択します。
「OMシステム・パラメータ」フォームで事前定義のイベントを設定します。
明細フローに挿入されたシード済サブプロセス「確定を待機 - 明細」を使用して明細タイプを作成します。次に、「確定処理の進捗」コンカレント・プログラムを使用して、明細を進めて確定します。
「ATPの上書き」を使用すると、供給がない場合も、有効在庫数量である品目の予定を作成できます。この機能は例外用として設計されています。たとえば、ある顧客から優先度の高い顧客に供給を割り当てることができます。また、システムによって認識されていない供給も使用できます。明細に対して「ATPの上書き」を設定すると、この明細は、上書きフラグが削除されるか明細が予定解除されるまでは上書きされたままです。
この機能の使用を、1人の計画者、予定作成者または受注管理者のみに限定する場合があります。ATPの上書きでは、供給を手動で検索する職責が作成されます。ATPの上書き承認では、プロファイル・オプション「OM: ATPの上書き承認」を使用して保護されます。
予定日の指定
「ATPの上書き」ボックスの選択
変更の保存
「ATPの上書き」では、日数は優先されますが、日付フィールドのタイムスタンプは無視されます。明細が上書きされると、権限のないユーザーは、上書きの取消、明細の予定解除、または倉庫や出荷先事業所などの予定作成関連属性の変更はできません。明細がフロー上で処理制約の影響を受けないポイントにある場合、権限のないユーザーでも、数量の取消または削減、明細の削除を実行できます。また、予定作成属性が変更されていない場合は、明細を分割することもできます。
「ATPの上書き」チェック・ボックスをオフにすると、明細の予定の再作成が試行されます。供給がある場合は明細が予定作成されます。供給が不十分である場合は、明細を予定解除のままにしたり、ATPを上書きできます。「ATPの上書き」は、サービス品目や、直接出荷または返品明細には適用されません。
ATOモデルの場合、上書きフラグは、モデル内のその他の品目に適用されます。PTOモデルの場合は、展開品目に対してのみ適用されます。
Oracle Order Managementでは、受注に対して手持在庫を予約できます。予約済在庫は、他の目的には使用できません。受注明細に対する予約数量は、「出荷」タブに表示されます。受注数量の一部または全体を予約できます。
明細を予約する前に、予定作成を完了する必要があります。予定作成前の明細の予約を試みると、まず明細の予定作成が試行されます。明細の予定作成が正常に完了すると、その予約が試行されます。
「受注」ウィンドウから手動で予約するには、2つの方法があります。
「ツール」メニューの「予定作成」オプションから「予約」を選択します。
「コンテキスト」メニューを選択すると表示される「予定作成」サブメニューから「予約」を選択します。
カーソルが受注明細に置かれている場合は、その明細が予約されます。ヘッダーに置かれている場合は、すべての明細が予約されます。
手動による予約は、一部予約を手動で適用するかどうかを制御できる予定作成パラメータによる影響を受けます。10のうち9が使用可能で、パラメータが一部予約を許可するように設定されている場合、マウスを右クリックして「コンテキスト」メニューを起動し、「予約」を選択して9を予約できます。
明細が予定作成され、予定日が予約時間フェンスの範囲内にあると、常に自動的に予約が実行されます。たとえば、今日の日付が11月25日であるとします。受注明細について12月1日、つまり6日後の予定が作成されるとします。予約時間フェンスが10の場合は、6 < 10であるため明細が予約されます。予約時間フェンスが2の場合は、6 > 2であるため明細は予約されません。予約時間フェンスがNULLの場合、明細が自動的に予約されることはありません。予約時間フェンスは、プロファイル・オプション「OM: 予約時間フェンス」を使用して設定します。
予約時間フェンスは、予定作成パラメータ、一部予約を許可の影響を受けます。供給が十分でなくても予約時間フェンスでできるだけ多くの数量を予約するには、予定作成パラメータを一部予約を許可するように設定します。
予約を「受注」ウィンドウで手動で作成するか、予約時間フェンスを使用して自動的に作成すると、品目は在庫詳細の指定なしに倉庫レベルで予約されます。また、明細に保管場所が指定されている場合は保管場所レベルで予約されます。予約の在庫詳細は、Oracle Inventoryの「予約詳細」ウィンドウで指定できます。このウィンドウに「受注」ウィンドウからアクセスするには、「ツール」メニューにアクセスして「予定作成」を選択し、オプション・リストから「予約詳細」を選択します。ここでは、ロット、改訂、保管場所または保管棚あるいはそのすべてを指定して予約できます。「予約詳細」ウィンドウにアクセスできるのは、明細が予定作成対象の場合のみです。
「受注の予約」コンカレント・プログラムでは、明細の全数量が揃っていることを前提として、予定作成済明細を予約できます。このプログラムには多くのパラメータが用意されており、受注番号範囲、顧客名、受注タイプ、品目、要求日、出荷日、到着日、受注日、需要区分別に、予約時間フェンス内で予約対象の受注および明細を選択できます。
「受注の予約」では、問合せ済明細の供給をロックできません。品目の予約時には、1人のユーザーのビジネス・プロセスを実装できます。
「受注の予約」プログラムは、フィルタ処理済の受注グループに対して実行できます。また、「ソート」パラメータでは、次のような属性を使用して既存の供給を順序付けることができます。
受注日
要求日
予定出荷日
到着日
確約日
明細計画の優先度
この機能は様々なビジネス・シナリオで使用できます。たとえば、予約時間フェンスを使用しているが、明細の予定作成時に供給がないことがあります。供給が追加されると、「受注の予約」を実行し、予約時間フェンス内の明細に対する予約を更新できます。また、要求した品目を受け入れていないと顧客から苦情を受ける場合があります。このような場合も、特定の顧客に関するすべての明細や特定の予定日範囲内の明細を問い合せ、これらの明細を予約することもできます。
「フェア・シェア」、「パーセント」および「一部」の予約方法に対しても、「受注の予約」を使用できます。
予約を行う場合、次の予約モードを使用できます。
フェア・シェア
パーセント
一部(予約解除明細のみを含む)
一部(一部予約明細を含む)
また、次の予約実行タイプを使用できます。
予約
シミュレート
セットに対する予約の作成
前述のタイプには適合しない特定のビジネス・ニーズがある場合、APIフックOE_RESERVE_CONC_HOOKを使用して独自のタイプを作成できます。このビジネス・プロシージャを使用して、ビジネス検証ロジックを追加できます。ただし、これは予約の場合の数量のみに適用されます。
フェア・シェア
フェア・シェアでは、按分基準で選択された複数の明細間で引当可能な手持供給が分配されます。次はその例です。
10単位が引当可能な場合
明細1の要求数量は60
明細2の要求数量は40
フェア・シェアにより、次のように予約されます。
明細1に対して6単位の予約
明細2に対して4単位の予約
この方法の場合、分配方法は各受注量によって決まります。受注量が多いほど、引当可能な供給量の割合が大きくなります。予約後、事前の予約によってピックし、これらの明細を出荷および発送できます。残りの数量は、供給が引当可能になったときに履行されます。
フェア・シェアの場合、各明細が少なくとも1個を取得できる供給があることを前提として、問い合せられたすべての明細が供給を受け取ります。倉庫間で供給が分割される場合、次に示すように、フェア・シェアは倉庫ごとに個別に計算されます。この例では、M1に100個、M2に100個あります。M1では140個要求されているため、各明細は供給の約71%を取得します。この場合、係数を掛けられた数量は端数が切り捨てられています。これは、「品目マスター」の「物理属性」タブで「OM分割不可」フラグが設定されていることを前提としています。
明細 | 品目 | 倉庫 | 要求数量 | ファクタ | ファクタ * 要求数量 | 導出された数量 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 品目A | M1 | 80 | 0.71429 | 57.14286 | 57 |
2 | 品目A | M1 | 60 | 0.71429 | 42.85714 | 42 |
3 | 品目A | M2 | 20 | 0.625 | 25 | 25 |
4 | 品目A | M2 | 40 | 0.625 | 12.5 | 12 |
5 | 品目A | M2 | 100 | 0.625 | 62.5 | 62 |
この場合、供給は複数倉庫間で分割され、受注明細には異なる倉庫が指定されています。フェア・シェアは、最初は保管場所ごとに計算されます。次に、供給が残っている場合、保管場所のない明細がフェア・シェアを受け入れます。
明細 | 品目 | 倉庫 | 保管場所 | 要求数量 | ファクタ | ファクタ * 要求数量 | 導出された数量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 品目A | M1 | ストア | 80 | 0.71429 | 57.14285714 | 57 |
2 | 品目A | M1 | ストア | 60 | 0.71429 | 42.85714286 | 42 |
3 | 品目A | M2 | ストア | 20 | 1 | 20 | 20 |
4 | 品目A | M2 | FGI | 40 | 0.35714 | 14.28571 | 14 |
5 | 品目A | M2 | FGI | 100 | 0.35714 | 35.71429 | 35 |
6 | 品目A | M2 | 15 | 0.50000 | 7.50000 | 7* | |
7 | 品目A | M2 | 15 | 0.50000 | 7.50000 | 7* | |
*M2ストアで引当可能 |
パーセント
「パーセント」を使用して、引当可能な供給のパーセントを特定の明細に割り当てることができます。たとえば、特定の品目が100個引当可能だとします。
明細1では、80個が要求され、40個が予約されます。
明細2では、100個が要求され、50個が予約されます。
明細3では、30個が要求され、10個が予約されます。
明細4では、20個が要求され、予約はされません。
このモードでは、供給がある場合、明細ごとに指定したパーセントで予約されます。しかし、供給が消費されてしまうと、それ以上の予約はできません。
「ソート・キー要求日」など、パーセント・モードで「ソート・キー」パラメータを使用することにより、以降ではなく以前に要求された明細に引当可能な供給を提供できます。
一部
全要求数量の一部のみが引当可能である場合、一部予約を適用できます。
次のチャートでは、100個が引当可能で、次の個数が要求された場合の予測を示します。
「フェア・シェア」の場合、これらの明細の需要は300個であるため、各明細は要求数量の約3分の1を取得します。明細2は端数が切り捨てられていることに注意してください。つまり、.33333 * 60は19に丸められます。フェア・シェアでは、残りの数量を取得できます。
「パーセント」および「一部」の場合、各明細が供給を得られる保証はないため、「ソート・キー」パラメータの使用をお薦めします。
明細 | 要求数量 | フェア・シェア | パーセント、40% | 一部 |
---|---|---|---|---|
1 | 80 | 26 | 32 | 80 |
2 | 60 | 19 | 24 | 20 |
3 | 40 | 13 | 16 | |
4 | 20 | 6 | 8 | |
5 | 100 | 33 | 20 | |
残数 | 2 | N/A | N/A |
これらの予約方法のいずれかを使用する場合、セットおよびPTOモデル用の特別なロジックはありません。
予約実行タイプ
シミュレート: 予約は予約表にはコミットされません。かわりに、予約は一時表に保存され、必要に応じて「複数受注の予定作成」ウィンドウを使用して次を実行できます。
シミュレートした予約の表示
必要に応じた変更
セットの予約の作成: シミュレーション・セットに予約された数量をコミットして予約できます。
「複数受注の予定作成」または「コンカレント要求」から予約モードを実行できます。「複数受注の予定作成」から実行する手順は、次のとおりです。
「検索」ウィンドウの「予定作成」タブで、予約対象の品目および明細を問い合せます。
「処理」メニューで、「受注の予約要求」を選択します。この場合、次を指定するよう求められます。
予約実行タイプ: シミュレートするか予約するかを指定します。予約する場合、品目はOracleの表に予約されます。シミュレートする場合、予約をコミットする前に予約を表示および編集できます。
予約セット名: 後で問い合せて結果を参照できるように名前を指定します。
セット名を上書きしますか?: この予約セット名を使用してすでに予約が設定されている場合、この名前を上書きするかどうかを指定します。
予約モード: フェア・シェアを使用するか、別の予約方法を選択します。
パーセント: パーセント方法を選択した場合、パーセント(要求数量の60%など)を指定します。
ソート・キー: フェア・シェアの場合は使用できません。ただし、一部またはパーセント方法の場合、要求日がより早い明細や優先度がより高い計画などを選択できます。
これらのパラメータを入力した後、要求を発行します。次に、必要に応じて「検索」ウィンドウの「予定作成」タブで「予約セット名」を基準として問い合せることができます。「導出された数量」は、予約された品目数を示します。シュミレートを使用した場合、「訂正された数量」列で調整できます。問題がない場合、「処理」、「セットの予約の作成」を使用して予約をコミットできます。明細が予約された後、「処理中」列には、明細が処理済または予約済として表示されます。
このフックを使用して、ニーズ固有のAPIを作成し、「受注の予約」機能を拡張し、次のようなビジネス固有のルールを適用できます。
特定の顧客がケース数量のみを受け取るようにする。
明細の予約数量が指定した数量を超えないようにする。
必要に応じて、販促コードを持つ明細を優先する。
変更した予約数量は、Oracleに戻して予約できます。
注意: このビジネス・プロセスでは、1つの品目に対して1度に1人のユーザーのみが予約を実行することを前提としています。
一部または全体が予約済の明細の予約を解除できます。明細に割当済の在庫は他の受注に引当可能になりますが、明細は引き続き予定作成対象であるため、製造アプリケーションで需要として参照できます。明細を削除するか取り消すと、自動的に予約解除されます。
明細の予定を解除すると、予約解除と予定解除の両方が実行されます。明細の予定を解除すると、VISIBLE_DEMAND_FLAGが「No」に設定されるため、その明細は製造アプリケーションで需要として参照できなくなります。
予約解除または予定解除を行うには、「ツール」メニューの「予定作成」サブメニューから該当するオプションを選択する方法と、「コンテキスト」メニューから「予定作成」を選択する方法があります。
ビジネス・ニーズにあわせて予定作成を設定する場合、顧客の定義ウィンドウの「受注管理」タブの複数のフィールドが予定作成の動作に影響することに注意してください。
要求日タイプ: 出荷日または到着日による予定作成
出荷日と到着日のどちらで予定を作成するかを決定するには、「顧客」ウィンドウの「要求日タイプ」フラグを「出荷」または「到着」に設定します。値が「到着」の場合、要求日は到着日であるとみなされます。値が「出荷」の場合は出荷日とみなされます。要求日タイプは、顧客情報から受注にデフォルト設定でき、ユーザーは受注の要求日タイプを必要に応じて変更できます。
最遅出荷予定制限: 最遅許容日
受注明細の特定の顧客に対して「最遅許容日」(LAD)を設定するには、「最遅出荷予定制限」の「顧客」ウィンドウに値を入力します。このフィールドでは、任意の正の整数値を指定できます。この値は、ヘッダー・フィールド「最遅出荷予定制限」にデフォルト設定できます。受注明細の入力時には、要求日に最遅出荷予定制限の値が加算され、最遅許容日が算出されます。予定作成処理の発生時に予定日が戻されるのは、要求日から最遅許容日までの範囲内に含まれている場合のみです。この範囲にない場合、予定作成処理は失敗します。LADは手動で上書きできますが、LADを超える明細の予定は作成されません。
顧客に基づいてデフォルトの出荷セットまたは到着セットを設定するには、「明細」フィールドで「出荷セット」または「到着セット」を選択します。必要に応じて、「出荷先所在地」(サイト)レベルで値を設定することもできます。この値を受注にデフォルト設定できます。この値を受注に設定すると、予定作成が成功した場合、この受注のすべての明細がシステム定義のセットに格納されます。
個別の品目とともに「フェア・シェア」などの予約モードを使用している場合、品目の「物理属性」タブで「OM分割不可」フラグを設定します。たとえば、「フェア・シェア」数量を予約するときに、品目が個別単位である場合、この属性を設定すると、1.65などの小数数量の予約を回避できます。
要求日に変更がある場合、このパラメータを使用して、予定再作成を制御できます。
出荷方法に変更がある場合、このパラメータを使用して、予定再作成を制御できます。デフォルトでは、出荷方法が変更された場合、品目の予定は再作成されます。「リード・タイム」予定作成を使用している場合、この方法が効率的です。「リード・タイム」予定作成を使用していない場合、このパラメータを「No」に設定することにより、予定再作成をトリガーせずに出荷方法を変更できます。
このパラメータは、確約日の条件を定義します。使用可能なオプションは、次のとおりです。
手動: 確約日は、手動またはデフォルト・ルールで入力されます。確約日には、「予定出荷日」、「予定到着日」または「要求日」は使用されません。
第1予定日
第1要求日
予定日に依存: 予定出荷日が変更された場合、確約日が変更されます。
要求日に依存: 確約日は要求日に関連付けられます。
このパラメータを使用して、一部予約を受け入れるかどうかを決定できます。デフォルト動作では、全数量が引当可能でない場合、予約を行うことはできません。必要に応じて、このパラメータを設定し、引当可能な供給を使用して一部予約を許可できます。
最遅許容日の選択
このパラメータは、予定作成に関する最遅許容日の動作を選択します。オプションは、次のとおりです。
最遅許容日に従います
警告付き最遅許容日を無視します
警告なし最遅許容日を無視します(デフォルト設定)
予定作成機能に影響するプロファイル・オプションは、次のとおりです。
OM: 保留明細の予定作成
考えられる値は、「Yes」または「No」です。このフィールドを「Yes」に設定すると、受注または明細が保留中であっても、予定作成処理では受注明細が処理されます。「No」に設定すると、明細が保留中の場合、予定作成処理が失敗します。
OM: 自動予定作成
考えられる値は、「Yes」または「No」です。このフィールドを「Yes」に設定すると、「受注」ウィンドウを開くと「引当可能状況」ウィンドウが表示され、受注明細を保存するたびに予定作成が自動的に発生します。このプロファイルは、標準品目にのみ適用されます。このプロファイルは、「受注インポート」を介して入力された明細に適用されます。
OM: 予約時間フェンス
このオプションには、任意の正の整数値を指定できます。明細の予定作成時に、予定日が予約時間フェンスの範囲内にある場合は、自動的に予約も行われます。
OM: 自動プッシュ・グループ日
考えられる値は、「Yes」または「No」です。この値が「Yes」で、明細が計画済構成に追加され、残りの構成の予定作成日に新規明細の予定を作成できない場合は、構成全体の再計画が別の時点で試行されます。値が「No」で、新規明細を予定作成できない場合は、新規明細の予定作成が失敗し、構成の残りは影響を受けません。
OM: ATPの上書き承認
考えられる値は、「Yes」または「No」です。この値が「Yes」である場合、承認されたユーザーは、「ATPの上書き」フラグを選択し、予定出荷日または予定到着日を上書きできます。この値が「No」である場合、予定出荷日または予定到着日は上書きできません。
OM: 予定作成役割
これは、「複数受注の予定作成」に関連するプロファイル・オプションです。考えられる値は、「CSRのみ」、「CSRおよびスケジューラ」および「スケジューラのみ」です。このプロファイル・オプションは、職責レベルまたはユーザー・レベルで設定できます。このプロファイル・オプションにより、「受注オーガナイザ」の「検索」ウィンドウでアクセス可能なタブが決まります。「CSRのみ」に設定した場合、受注に関連するタブにはアクセスできますが、「予定作成」タブにはアクセスできません。「CSRおよびスケジューラ」に設定した場合、CSRに関するタブとスケジューラに関するタブを含むすべてのタブにアクセスできます。「スケジューラのみ」に設定した場合、「予定作成」タブにのみアクセスできます。
MRP: ATP割当セット
このオプションには、MRPアプリケーションで定義した任意の有効な割当セットを指定できます。ここでは、ATP計算に使用する割当セットを指定します。割当セットの詳細は後述します。
INV: CTP
考えられる値は、「製品ファミリのATPとCTPを使用可にする」、「製品ファミリATPを使用可にする」、「ATPを使用可にする」、「計画出力に基づくATP/CTP」および「収集データに基づくATP」です。このプロファイル・オプションは、ATP計算の有無および計算方法を示します。2つのオプションの1つを選択できます。
ASCPのライセンスを取得し、計画出力を使用する場合は、「計画出力に基づくATP/CTP」を選択します。
ASCPのライセンスを取得していないがATP計算を実行する場合は、「収集データに基づくATP」を選択します。「予定作成パラメータ」を参照してください。
「出荷」タブの「ATPの上書き」フラグを表示できます。また、「フォルダ」を使用して、「受注オーガナイザ」の「検索」ウィンドウの「予定作成」タブまたは「予定作成オーガナイザ」ウィンドウを調整することもできます。
受注取引タイプの予定作成レベルにより、使用可能な予定作成のタイプが決まります。考えられる値は、次のとおりです。
ATPのみ
受注明細の予定作成または予約はできません。予定作成レベルに「ATPのみ」を指定して定義された受注取引タイプがある場合は、明細レベル・ワークフロー・プロセスで「予定作成」アクティビティを実行しないでください。これは、「請求のみ」または「在庫消費のある請求のみ」インタフェース・フロー、または見積シナリオで使用します。
たとえば、ヘッダー・レベル・セットから除外する「請求のみ」明細に対して「ATPのみ」フローを使用できます。「請求のみ」明細の予定を作成せず、ヘッダー・レベル・セットの一部とみなさない場合、明細取引タイプの予定作成レベルを「ATPのみ」にします。
予約なし
在庫予約を除くすべての予定作成機能を実行できます。ATP可能品目を使用し、すべての品目の予定を作成できますが、「受注」ウィンドウで予約は作成できません。
全出荷予定処理の許可
すべての予定作成処理を実行できます。
予約あり無効需要
任意の予定日を手動で入力できますが、予定は作成されません。明細は予約できます。MRP/APSでは予定日は表示されません。この機能は標準品目専用で、出荷セットまたは到着セットはサポートしていません。
予約なし無効需要
任意の予定日を手動で入力できますが、予定は作成されません。明細は予約できません。MRP/APSでは予定日は表示されません。この機能は標準品目専用であり、出荷セットまたは到着セットはサポートしていません。
受注明細を製造アプリケーションで需要として参照可能にしない場合は、明細の予定を作成しないでください。これを制御するには、受注取引タイプの予定作成レベルを設定します。
「顧客」ウィンドウの「受注管理」タブの複数のフィールドが、予定作成の動作に影響します。
出荷日または到着日による予定作成
出荷日と到着日のどちらで予定を作成するかを決定するには、「顧客」ウィンドウの「要求日タイプ」フラグを「出荷」または「到着」に設定します。値が「到着」の場合、要求日は到着日であるとみなされます。値が「出荷」の場合は出荷日とみなされます。要求日タイプは、顧客情報から受注にデフォルト設定でき、ユーザーは受注の要求日タイプを必要に応じて変更できます。
最遅許容日
受注明細の特定の顧客に対して「最遅許容日」(LAD)を設定するには、「最遅出荷予定制限」の「顧客」ウィンドウに値を入力します。このフィールドでは、任意の正の整数値を指定できます。この値は、ヘッダー・フィールド「最遅出荷予定制限」にデフォルト設定できます。受注明細の入力時には、要求日に最遅出荷予定制限の値が加算され、最遅許容日が算出されます。予定作成処理の発生時に予定日が戻されるのは、要求日から最遅許容日までの範囲内に含まれている場合のみです。この範囲にない場合、予定作成処理は失敗します。LADは手動で上書きできますが、LADを超える明細の予定は作成されません。
明細セット
顧客に基づいてデフォルトの出荷セットまたは到着セットを設定するには、「明細」フィールドで「出荷セット」または「到着セット」を選択します。必要に応じて、「出荷先所在地」(サイト)レベルで値を設定することもできます。この値を受注にデフォルト設定できます。この値を受注に設定すると、予定作成が成功した場合、この受注のすべての明細がシステム定義のセットに格納されます。
ATPルールは、Oracle Inventoryモジュールで作成されます。このルールは、ATP計算時に考慮される需要と供給のソースを示します。各ソースは在庫組織と品目に割り当てることができます。ATPルールを品目に割り当てると、そのルールが使用されます。品目のATPルールを空白にすると、在庫組織のATPルールが使用されます。
ATPで受注明細の倉庫を決定する場合は、ソース・ルールを定義する必要があります。定義後に、それを特定の品目、カテゴリまたは在庫組織、あるいはそのすべてに割り当てます。この操作には割当セットを使用します。
Oracle Order Managementで予定作成を機能させるには、データ収集コンカレント要求セットを正常に実行する必要があります。前述のように、ATP計算はほぼ瞬時に実行する必要があるため、ATP計算のために考えられる需要と供給のすべてのソースを検索する処理はきわめて複雑です。したがって、データ収集コンカレント・プロセスを実行し、需要および供給データを要約する必要があります。その後、ATP計算が要約表に対して実行されます。データ収集要求セットを実行するには、Oracle Order Managementナビゲーション・メニューから「予定作成」→「収集データ」を選択します。この要求セットには、2つのプログラムがあります。両方のパラメータを入力してセットを発行してください。「計画データ・プル」プログラムには、「完全リフレッシュ」というパラメータがあります。このパラメータを「Yes」に設定すると、収集により関連表から予定作成関連情報がすべて選択されます。「No」に設定すると、更新済の情報のみが選択されます。
ATP設定の基本手順の要約を次に示します。
Inventoryで、ATPルールを作成し、これを品目に添付します。
ASCPで、ソース・ルール(品目XをM1からM2に転送するなど)を定義します。
「MRP: ATP割当セット」プロファイル・オプションを設定し、ソース・ルールが含まれる割当セットを指します。ATP可能品目を割当セットに含めます。
Order ManagementまたはASCPから「回収」を実行します。(以前に「回収」を実行したことがない場合は、最初に割り当てられている組織を使用してインスタンスを定義します。)詳細は、『Oracle Global Order Promising Implementation and User's Guide』を参照してください。
「INV: CTP」プロファイル・オプションを適切なレベルに設定します。ASCPのライセンスを取得している場合、「計画出力に基づくATP/CTP」を選択します。ASCPの共有バージョンを使用している場合、「収集データに基づくATP」を選択します。「計画出力に基づくATP/CTP」を使用するには、計画を実行する必要があります。
参照: 『Oracle Global Order Promising Implementation and User's Guide』
『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』
『Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningユーザーズ・ガイド』
Order Managementの一部またはすべての予定作成機能をオフにできます。明細を製造アプリケーションで需要として参照可能にするが、そのATPチェックを実行しない場合は、品目の「ATPチェック」フラグを「No」に設定できます。この操作は、常に引当可能であると想定される品目が対象となります。非ATP品目について予定作成処理がコールされた場合も、ソース処理は実行され、未指定の場合は倉庫が決定されます。ATPはチェックされませんが、要求日が「予定日」フィールドにコピーされます。明細は、製造アプリケーションで要求日または予定日の需要として参照可能になります。
受注明細を製造アプリケーションで需要として参照可能にしない場合は、明細の予定を作成しないでください。これを制御するには、受注/明細取引タイプの予定作成レベルを設定します。この設定で考えられる値は、「ATPのみ」、「予約なし」、「全出荷予定処理の許可」、「予約あり無効需要」および「予約なし無効需要」です。
指定した出荷方法による倉庫から顧客事業所までの出荷所要時間に基づいて到着日を計算する場合は、事業所間の移動時間を定義する必要があります。
参照: 『Oracle Global Order Promising Implementation and User's Guide』
『Oracle Shipping Executionユーザーズ・ガイド』
遅延需要のペナルティ・ファクタを使用して、計画最適化によって計算されるペナルティ原価を計算します。このフィールドは更新できますが、デフォルト設定ロジックは提供されていません。計画最適化がこの値を使用する方法の詳細は、『Oracle Advanced Planning Implementation and User's Guide』を参照してください。
MRPから戻される予定日は日付のみで、時刻はないため、OMでの自動予定作成は日付レベルのみでの実行となります。Order Managementの「日付」フィールドには時間機能があるため、要求日や確約日には時刻を入力できますが、予定作成機能では無視されます。ATPによって戻されるタイムスタンプは23:59:59です。引当可能状況チェックは迅速におおよその見積りを提供するため、時間ではなく日数によって引当可能状況が表示されます。
計画ありまたは計画なしでATPを使用できます。計画ありでATPを使用するには、ASCPのライセンスを取得する必要があります。
APSのライセンスを取得していなくても、基本ATPは実行できます。計画なしのATPを使用して、現在の引当可能状況を参照できますが、計画を使用して要求日までに製品を製造できるかどうかは確認できません。計画なしのATPは単一レベルです。組み立てるATO品目の引当可能状況を確認したり、特定の日付までにWIP製造オーダーまたは発注が見込まれるかどうかを確認できます。ただし、特定の日付までに製造対象の構成部品または生産資源を構築できるかどうかは計算できません。計画なしのATPではODSを使用します。
APSのライセンスを取得している場合、現在の引当可能状況を確認できるだけでなく、要求日までに製品のソースとなる生産資源を用意できるかどうかも確認できます。このタイプのATPはマルチレベルであるため、構成部品レベルまでドリルダウンし、引当可能な材料および生産資源を参照し、可能日を確認できます。計画ありのATPではPDSを使用します。
今日の日付より前の要求日を指定して予定作成をコールすると、ATPの計算には要求日ではなく今日の日付が使用されます。なんらかの理由(非ATP品目など)で過去の日付の予定日が戻されると、その日付が予約時間フェンスの範囲内に含まれていても、品目が自動的に予約されることはありません。
「予約詳細」ウィンドウの使用方法には、次のような制限事項があります。
明細を複数選択して「予約詳細」ウィンドウにアクセスすることはできません。
受注ブロックから「予約詳細」ウィンドウにはアクセスできません。
このウィンドウで、受注数量を超える数量は予約できません。
このウィンドウで、ATO構成用に作成された構成品目の予約は変更できません。
Order Managementでは、在庫に渡される詳細が在庫階層で有効でない場合があるため、「予約詳細」ウィンドウでの予約は保証されません。
次の明細を予約対象として問い合せ、100個が引当可能であるとします。
明細1: 数量35、予約済
明細2: 数量35、予約済
明細3: 数量35、予約解除(35個のうち30個のみ引当可能)
明細4: 数量20、予約済
明細5: 数量10、予約済
明細の全数量が引当可能でない場合は予約されません。
「受注の予約」を実行する場合、すべての明細が予約される保証はありません。「受注の予約」を実行する前に、別のユーザーが「受注の予約」を実行していたり、手動での予約によって、供給が予約されることがあります。
コンカレント要求メニューまたは「複数受注の予定作成」を使用して「受注の予約」をコールする場合、問い合せて予約した品目の供給はロックされません。つまり、1度に1人のユーザーが品目を予約する必要があります。1度に1人のユーザーが品目を予約できるかどうかを評価できます。
予約モードを使用して不足在庫を管理する場合、ビジネス上、コストカットよりも顧客サービスの方が重要であるかどうかを分析します。顧客サービスの方が重要である場合、現在引当可能な一部数量を出荷し、供給が増えたときに残りの数量を出荷する方が非常に効率的です。
予約モードは、プロセスではなくショップ型製造に適用されます。
供給は引当可能ではありません。明細の上書き後に、供給を手動で検索する必要があります。
Oracle Order Entryリリース11までは、明細の予定作成情報は表SO_LINE_DETAILSに格納されていました。リリース11iでは、この表は存在しなくなり、明細の予定作成情報はメイン明細情報表OE_ORDER_LINESに格納されます。Oracle Order EntryからOracle Order Managementへの移行中には、SO_LINES_ALLおよびSO_LINE_DETAILSの組合せごとにOE_ORDER_LINES内でレコードが作成されます。SO_LINE_DETAILS内でステータスがDEMANDEDになっていた場合は、新規明細の予定が作成されます(VISIBLE_DEMAND_FLAG = Yes)。SO_LINE_DETAILS内でステータスがRESERVEDになっていた場合は、新規明細の予定が作成され、MTL_RESERVATIONS表内で予約に関するレコードが作成されます。
予定作成機能の例を次に示します。
受注の倉庫のデフォルトは出荷先サイトから設定されます。この倉庫/出荷先の組合せについて、出荷方法としてUPS陸送を指定して出荷ネットワークが定義されており、輸送リード・タイムは5日となっています。顧客からできるだけ早期の出荷を要求されているため、要求日として今日の日付を入力します。この受注を履行するための手持在庫は引当可能です。自動予定作成はオンで、予約時間フェンスは5日です。
品目、数量および要求日を指定して受注明細を入力します。明細を保存すると、自動予定作成がオンになっているため、予定出荷日に今日の日付を使用して、要求した倉庫に対して自動的に予定作成されます。予定出荷日が予約時間フェンスに含まれているため、明細も自動的に予約されます。
次のいずれかを設定および使用し、倉庫からの事業所間の移動時間を定義します。
在庫に設定されている顧客事業所
APSによって導入されたリージョンおよびゾーン機能
在庫に出荷ネットワークが設定されており、Order Managementによってデフォルト方法が選択されるように指定されています。「受注」ヘッダーの「その他」タブで、「受注日タイプ」は「到着」です。顧客の倉庫は、ヘッダーおよび明細にデフォルト設定されます。明細には出荷方法は設定されていません。
顧客は品目を5日目に受け入れることを要求しています。要求日は5日目です。品目は引当可能です。出荷リード・タイムは3日間です。到着日によって予定作成する場合、明細予定は保存時に作成されます。出荷ネットワークに定義されているデフォルト出荷方法が明細にデフォルト設定されます。明細を保存すると、品目が5日目に出荷され、顧客の要求どおりに5日目に到着するよう予定作成されます。
参照: 『Oracle Global Order Promising Implementation and User's Guide』
受注の倉庫はデフォルト設定されず、入力もされません。顧客用の出荷ネットワークも定義されていません。顧客からはできるだけ早期の出荷を要求されているため、要求日として今日の日付を入力します。この受注を履行するための供給はありませんが、10日以内に完了予定の作業指示があり、ATPルールには作業指示が供給ソースとして含まれています。自動予定作成はオフになっていますが、明細レベルのワークフロー・プロセスでは、記帳の直後に「予定作成」アクティビティが同期アクティビティとして発生します。
品目、数量および要求日を指定して受注明細を入力します。明細を保存する場合、自動予定作成はオフになっているため、予定は作成されません。明細を追加入力して受注を記帳します。受注が記帳されると、ワークフローから「予定作成」アクティビティが実行されます。倉庫はソース・ルールにより決定されます。予定出荷日は、システム日付+10日(作業指示の完了予定日)です。予定到着日は予定出荷日と同じになります。
一部の受注明細は2日目に出荷するよう予定作成されています。これは、この日に発注が予想されるためです。これで、2日目ではなく5日目に100個が到着することがわかります。
「複数受注の予定作成」で、予定出荷日が2日目の遅延品目の明細を問い合せます。予定を再作成する明細を複数選択し、予定日を今日の日付から、より正確な日付である5日目に変更します。
優先度の高い顧客から、特定の品目について受注した全数量を受け取っていないと苦情を受けました。「受注の予約」を使用して、この品目および顧客の全受注明細を問い合せます。「受注の予約」を実行し、これらの明細を予約します。
必要に応じて、「複数受注の予定作成」でこの品目および顧客の明細を問い合せます。予約を表示します。また、「受注のリリース」ウィンドウの事前の予約のみフラグを使用して、ピック・リリースすることもできます。これにより、優先度の高い顧客の特定の品目について予約されている全明細をピックおよび出荷します。
非常に重要な顧客ができるだけ早く在庫不足品目を大量に出荷することを要求しています。しかし、有効数量がないため、明細を予定作成できません。
この場合、優先度の低い顧客に供給が予定作成済であることがわかっています。ここで、優先度の高い顧客のATPを上書きし、この顧客に予定日を割り当てることを決定します。次に、「複数受注の予定作成」で不足品目について予定作成済の全明細を検討し、供給の待機が可能な優先度の低い顧客を検索します。優先度の低い顧客を特定すると、予定日を延長できます。これにより、優先度の低い顧客の供給を優先度の高い顧客に割り当てることができます。
予定日は4日目となっていますが、計画により、在庫不足で実際の予定日は6日目であることが確認されました。この明細の予定日を更新できます。しかし、この特定の出荷先所在地については、倉庫を変更しないようにする必要があります。この場合、この倉庫を確定することにより、予定日が更新されても倉庫が更新されないようにできます。
品目の供給が不足していますが、最も重要な顧客には要求数量の100%を提供する必要があります。この場合、その他の顧客にはフェア・シェアを適用します。最初に、優先度が最も高い顧客の品目についてすべての明細を問い合せ、要求数量の100%を予約します。次に、この品目のその他すべての明細(一定の日付範囲内に出荷が予定作成されている明細など)を問い合せ、これらの明細にフェア・シェアを適用します。これにより、全数量ではなくとも、すべての顧客が一定の数量を取得できます。
供給が不足しているときに、2つの顧客の供給を減らすことができるとします。つまり、これらの顧客は供給が過剰であるか、支払が迅速でない顧客です。これらの顧客ごとに明細を問い合せるか、計画または出荷優先度の低い全明細を問い合せます。これらの明細に、要求数量の30%を割り当てます。その他すべての明細を問い合せて、これらの明細に対してフェア・シェアまたはより高いパーセントを適用します。パーセント・モードを使用する場合、「ソート・キー」パラメータを使用して、優先度が高いとみなされる明細が優先度の低い明細よりも先に限られた供給を取得できるようにします。これには、「ソート・キー要求日」、「確約日」または「出荷日」があります。