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Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド
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Oracle General LedgerとEnterprise Performance Foundationの実装

この章のトピックは、次のとおりです。

概要

Oracle General Ledgerは、Oracle E-Business Suiteを実行する企業にとって財務情報のセントラル・リポジトリです。Oracle General Ledgerに格納された情報は、財務諸表作成や管理レポート、収益性分析、予算処理や計画処理、連結などの活動に不可欠です。

Oracle General Ledgerベースのデータに対するこれらの活動は、次のような複数のCorporate Performance Managementアプリケーションにより有効化されます。

これらのアプリケーションでは、Oracle General Ledgerデータおよび他のソースからのデータを使用した分析処理にEnterprise Performance Foundationを利用します。したがって、分析や計画処理を行う前に、この基礎となるアーキテクチャにソースOracle General Ledgerデータを転送して格納する必要があります。

Enterprise Performance Foundationには一連のGeneral Ledgerルールが組み込まれており、Corporate Performance Managementアプリケーションで使用可能なOracle General Ledgerデータを指定できます。この章では、これらのルールの設定と実行に必要なすべての情報を提供します。

General Ledgerルールの概要

General Ledgerルールでは、Oracle General Ledgerの勘定体系、カレンダおよび残高について、Enterprise Performance Foundationでの表現方法を定義します。この項では、General Ledgerルール・アーキテクチャの概要を説明します。

次の各項では、設定に使用する重要な構成メンバーについて説明します。

注意: これらの構成メンバーの定義と実行の詳細は、「General Ledgerルールの定義」以降の項を参照してください。

Oracle元帳割当

「Oracle元帳割当」では、分析処理のためにEnterprise Performance Foundationにデータを表示する元帳のセットを選択できます。元帳を選択することで、Enterprise Performance Foundationのディメンションに関連付ける必要のある勘定体系も決まります。

ディメンションとディメンション・ルール

Oracle General Ledger残高をEnterprise Performance Foundationに転送する前に、ディメンション・ルールと階層ルールを作成して実行し、必要なディメンションとディメンション値をすべて定義する必要があります。これらのルールにより、重要なOracle General LedgerエンティティについてEnterprise Performance Foundationにおける表現方法が決まります。

Enterprise Performance Foundationには、主に次の2種類のディメンションが存在します。

  1. 勘定に基づくディメンション: Oracle General Ledgerの勘定体系に関連するディメンションであり、ディメンション値を格納するための値セットが必要です。

  2. 勘定に基づかないディメンション: 勘定体系以外の重要なOracle General Ledgerエンティティに関連するディメンションです。

勘定に基づくディメンション

勘定に基づくディメンションとは、Oracle General Ledgerの勘定体系の1つ以上のセグメントに関連するディメンションです。セグメント値から適切なディメンション値を生成して保守できるように、これらのディメンションと勘定体系セグメントの関連を個別に指定する必要があります。Enterprise Performance Foundationの一部のディメンションは、複数のセグメントに関連付けることができます。これにより、勘定セグメント値を連結した値に基づくディメンション値が生成されます。

Enterprise Performance Foundationでは、勘定に基づく次のディメンションを使用できます。

  1. 会社コスト・センター組織

  2. 勘定科目

  3. 明細項目

  4. 製品

  5. 会社間

  6. チャネル

  7. 地域

  8. プロジェクト

  9. 顧客

  10. タスク

  11. エンティティ

  12. ユーザー定義ディメンション1〜10

注意: ユーザー・インタフェースには処理キー・ディメンションのみが表示されるため、常に全ディメンションが表示されるわけではありません。

正常に実装するには、前述の勘定に基づく各ディメンションを1つ以上の勘定体系セグメントにマップするか、ディメンション・ルールを介してデフォルト値を割り当てる必要があります。その結果、有効な勘定コード組合せそれぞれが、その勘定体系固有のディメンション・ルールを介して1つのディメンション値セットにマップされます。

各ディメンション・ルールは1つの勘定体系と1つのディメンションに関連付けられ、選択したディメンションのメンバーの生成方法に関する情報を含んでいます。たとえば、明細項目ディメンションのディメンション・ルールでは、明細項目ディメンションに関連付ける必要のある勘定体系の1つ以上のセグメントを定義します。

グローバル値セット組合せ: 通常、勘定に基づくディメンションのディメンション値は、Enterprise Performance Foundationの「グローバル値セット組合せ」(GVSC)の値セットに格納されます。GVSCはEnterprise Performance Foundationの構成メンバーであり、勘定体系に類似しています。元帳の各勘定体系は、Enterprise Performance FoundationのGVSCに関連付けられ、GVSCで表現されます。勘定に基づくディメンションごとに値セットが1つ指定され、この値セット割当は特定の勘定体系に対するディメンション・ルールの定義から導出されます。Oracle General Ledgerで同じ勘定体系を使用する元帳の場合、Enterprise Performance FoundationでのGVSCはすべて同じになります。

注意: 割当済の2つの元帳が共通の勘定体系を共有する場合、両者は同じマッピング・セットを共有することになります。

たとえば、元帳1では勘定科目セグメントから勘定科目ディメンションへのマッピングにディメンション・ルールXYZを使用するとします。割当済元帳の同じグループに含まれる元帳2に元帳1と同じ勘定体系を使用する場合、勘定科目ディメンションのマッピング中は同じディメンション・ルールXYZを使用する必要があります。

勘定に基づかないディメンション

勘定に基づかないディメンションには、次のように勘定体系にない主要Oracleエンティティが含まれます。

残高転送を容易にするために、これらの項目もEnterprise Performance Foundationで定義する必要があります。これらのオブジェクトの場合、設定は単純です。予算と予算引当タイプは、残高転送定義の一部として選択すると自動的に保守されます。元帳は、「Oracle元帳割当」を介して含めるときに設定されます。

Oracle General Ledgerカレンダを対応するEnterprise Performance Foundationのカレンダおよびカレンダ期間ディメンションに容易に伝播できるように、カレンダ・ルールの単一バージョンがシードされています。

階層と階層ルール

Oracle General Ledgerは、勘定体系セグメント値の階層構造の作成をサポートしています。これらの階層構造は分析処理や管理レポート作成に広範囲に使用されるため、Enterprise Performance Foundationでも「General Ledgerルール」がこれらの階層の作成と保守をサポートしています。Enterprise Performance Foundationに伝播させて保守する勘定体系階層は、「階層ルール」を介して指定できます。各階層ルールは、Enterprise Performance Foundationの単一の最上位階層となります。

階層の作成に必要な勘定体系セグメントと値は、階層ルールに関連付けられたディメンション・ルールの定義に基づきます。単一セグメントにリンクされているディメンションの場合、ディメンション階層はOracle General Ledgerでそのセグメントに関連付けられている階層のコピーとなります。メンバーの親値の1つを、ディメンション階層の上位の親値として選択する必要があります。これにより、プログラムでは、選択した最上位の親から始まるセグメント値セットの情報を使用して階層を作成できます。

複数の勘定体系セグメントにリンクされているディメンションの場合、階層ルールの定義ではディメンション・ルールで選択したセグメントごとに最上位の親を1つ指定する必要があります。複数セグメント階層では、ディメンション・メンバーの作成に使用するセグメント順序とは異なるセグメント横断順序を、階層の作成用に指定できます。

例: 複数セグメント階層ルール

ディメンション1のユーザー定義ディメンション・ルールが、勘定科目セグメントと製品セグメントに基づいているとします。このルールでは、最初に勘定科目セグメント値、次に製品セグメント値を連結してメンバーを作成するように指定しています。

次のダイアグラムに、Oracle General Ledgerにおける両方のセグメントのセグメント階層を示します。

テキストで説明されている画像

シナリオ1

次の表に、このディメンションについて定義できる「製品-勘定科目階層」ルールとコンテキストの詳細を示します。

階層ルール セグメント 横断順序 開始親値
製品-勘定科目階層 勘定科目 2 9999
製品-勘定科目階層 製品 1 P99

次のダイアグラムに、前述のルールに基づいてEnterprise Performance Foundationで作成される階層を示します。

テキストで説明されている画像

シナリオ2

次の表に、このディメンションについて定義できる新規の階層ルール「勘定科目-製品階層」とコンテキストの詳細を示します。

階層ルール セグメント 横断順序 開始親値
勘定科目-製品階層 勘定科目 1 9999
勘定科目-製品階層 製品 2 P99

このルールの横断順序がシナリオ1とは異なることに注意してください。次のダイアグラムに、前述のルールに基づいて、このディメンションのメンバー用にEnterprise Performance Foundationで作成される階層を示します。

テキストで説明されている画像

この2つのシナリオでは、どちらの場合も親ディメンション・メンバーは引き続きディメンション・ルール(勘定科目-製品)で指定されたセグメント順序を使用して作成されることに注意してください。ただし、親子関連は階層ルールで指定された横断順序に基づいて作成されます。その結果、階層の積上構造と親値は異なることになります。

連結階層は、ボトムアップ方式を使用してコンポーネント階層から作成されます。つまり、プログラムで製品-勘定科目階層を作成する際には、製品階層と勘定科目階層の最下位レベル(詳細な子)から始めます。次に、まず製品階層を上へ横断します(勘定科目は最下位レベルのままです)。最上位の親(P99)に到達すると、9999に到達するまで勘定科目階層を上へ横断します。したがって、作成された階層を上位から下位へと調べると、製品階層は実際には最後に横断されるセグメントになります。

親値Tは、使用されている場合にも特別な意味はなく、他の親値と同様に扱われます。つまり、最上位の親として使用されるセグメント階層内に子割当を持つ必要があります。

注意: これは、Oracle General LedgerにおけるTセグメント値の使用方法とは少し異なります。Oracle General Ledgerでは、Tはセグメント内のすべての詳細メンバーの親とみなされます。

階層ルールのバージョニング

Oracle General Ledgerのセグメント階層は時間経過とともに変化することがあり、階層の保守に異なる基準を使用する必要が生じることもあります。「General Ledgerルール」では、階層ルール・バージョンを作成して、以前の階層構造を比較用に保守しつつEnterprise Performance Foundationで階層を更新できます。

新規階層ルール・バージョンは、以前のバージョンの終了日を設定することで作成されます。各バージョンは特定の階層構造を表します。つまり、特定の親子関連セットを持つ特定の最上位の親(階層の起点)です。

注意: 階層ルール自体は単にルールの1つ以上のバージョンの集合でありポインタであって、階層構造を終了させるものではありません。階層のバージョンは、親子関連と最上位レベルの親の格納場所です。

特定の階層ルールの新バージョン作成が必要になる一般的な事例を次に示します。

それ以外の場合は、階層ルール・バージョンを実行すると、プロセスでは現行の構造が常にOracle General Ledgerからの最新構造で置換されます。これには、新規の子値の追加や、ある親から別の親への子の移動なども含まれます。

次のダイアグラムに、前述の階層ルール・バージョンの例を示します。

テキストで説明されている画像

このダイアグラムが示すように、各階層ルールはディメンションに基づいており、階層を定義します。Enterprise Performance Foundationでは、資産階層、収益階層など、複数の階層を作成して、Oracle General Ledger内の関連セグメントに関連付けられている階層を複製できます。階層ルールごとに、それぞれ特定の階層構造を表す複数のバージョンを作成できます。

残高ルール

残高ルールでは、Enterprise Performance Foundationにおける特定の元帳の残高の表示方法と表示対象を定義します。残高ルールに使用できるのは、実装に割り当てられている元帳のみです。

この元帳内の残高タイプ(実績、予算または予算引当)ごとに、残高ルールが1つ必要です。また、各残高ルールには、特定の残高タイプについて残高転送を制御するためのオプションおよび設定の独自セットがあります。これらを使用してデータのサブセットを転送できます。たとえば、ABC元帳について、2004年1月〜3月および会社1〜5の実績残高のみを転送するように残高ルールを設定できます。

次のような残高転送オプションおよび設定があります。

残高ルールを実行して、Oracle General Ledgerの残高をEnterprise Performance Foundationで使用可能にします。残高データは、Oracle General Ledgerで選択した元帳のGL_BALANCES表とGL_DAILY_BALANCES表およびFEM_BALANCESにロードされた残高から抽出されます。

これらのルールの実行モードとして「増分更新」または「スナップショットのみ」を指定できます。全社の場合、残高データは最初に完全スナップショットに取り込まれてから、増分保守されます。後者の場合、残高データは常にOracle General Ledger残高の新規スナップショットを取得することで保守されます。

残高ルールは有効日でバージョニングでき、これによりルールが適用される会計期間データが決まります。

ビジネス・イベントの公開

残高ルールが実行されて新規データがEnterprise Performance Foundationに取り込まれると、ビジネス・イベント・メッセージが公開されます。この情報をCorporate Performance Managementアプリケーションで使用して、データ変更に着手する必要があるかどうかを判断できます。したがって、ビジネス・イベントの発生により、残高変更の処理に柔軟性が得られます。

General Ledgerルールのアーキテクチャ

次のダイアグラムに、プロセスの概要とGeneral Ledgerルールがどのように連動するかを示します。

テキストで説明されている画像

General Ledgerルールの初期実装を完了する手順は、次のとおりです。

  1. 「Oracle元帳割当」を介して、実装の適用範囲に関連元帳を含めます。これらの元帳のデータは、分析およびレポート処理のためにEnterprise Performance Foundationフレームワークにプルされます。

  2. 割当済元帳で使用される勘定体系ごとに、すべての関連ディメンション・ルールが自動的に作成されます。勘定体系セグメントに基づいてEnterprise Performance Foundationで各ディメンションのメンバーを生成する方法を示すオプションを更新する必要があります。

  3. (オプション・ステップ)関連ディメンションごとに、関連階層の階層ルールをEnterprise Performance Foundationに表示するように指定します。

  4. 割当済元帳ごとに残高ルールを作成して、Enterprise Performance Foundationに転送するデータを定義します。各ルールには、ルールの実行時にOracle General Ledgerから抽出する残高データに関して特定の情報を含めます。

  5. ディメンション・メンバー、階層およびOracle General Ledger残高をEnterprise Performance Foundationフレームワークで作成して保守するには、該当するルールを選択して実行します。

  6. 該当する場合は、標準コンカレント・マネージャのスケジュール機能を使用してルールの実行計画をスケジュールします。

  7. Enterprise Performance Foundationを、Oracle General Ledgerからの設定、定義および残高データの適用可能な変更内容で定期的に更新します。

注意: 元帳、カレンダ、予算および予算引当タイプなど、勘定に基づかない必要なディメンション・オブジェクトは、General Ledgerルールの様々な設定および実行フェーズ中にEnterprise Performance Foundationに伝播します。

継続的な保守のために、General Ledgerルールを継続的に実行して、Enterprise Performance Foundationに常に最新の企業データが表示されることを保証する必要があります。

新規のOracle General Ledger残高がEnterprise Performance Foundationに転送されると、公開済のビジネス・イベントを介してCorporate Performance Managementアプリケーションに通知されます。これは、以前の残高に基づく結果が新規データと変更があったデータにより無効化される可能性があるためです。

General Ledgerルールの定義

以降の各項では、前述したGeneral Ledgerルール構成メンバーの設定の詳細を説明します。

前提条件

General Ledgerルールと構成メンバーを設定する前に、Enterprise Performance Foundationの設定を完了しておく必要があります。

注意: 詳細は、『Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』の該当する項を参照してください。

1. 「Oracle元帳割当」の設定

「Oracle元帳割当」は、Enterprise Performance Foundationにデータが表示されるOracle General Ledger元帳のグループです。

注意: 元帳割当の概要は、「General Ledgerルールの概要」を参照してください。

トピック ナビゲータ・パス
Oracle元帳割当 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」タブ->「Oracle元帳割当」サブタブ[「元帳割当」ウィンドウ]の順にナビゲートします。
必要に応じて元帳を割り当てるか、割当を解除します。

テキストで説明されている画像

「Oracle元帳割当」を使用して組み込める元帳の数やタイプに制限はありません。特定の時点でEnterprise Performance Foundationを介して分析する予定の元帳をすべて割り当ててください。元帳は、勘定体系、カレンダまたは機能通貨、あるいはそのすべてが異なっていてもかまいません。

残高ルールが定義されて実行された元帳でも、必要に応じて割当解除できます。ただし、「元帳割当」に割当済として表示されていない元帳に対しては、残高ルールを実行できません。

2. ディメンション・ルールの設定

ディメンション・ルールでは、Oracle General Ledgerの主要仕訳とEnterprise Performance Foundationのディメンションとの関連を詳細に定義します。

注意: ディメンション・ルールの詳細は、「General Ledgerルールの概要」を参照してください。

前述のように、Enterprise Performance Foundationには、主に次の2種類のディメンションが存在します。

  1. 勘定に基づくディメンション: Oracle General Ledgerの勘定体系に関連するディメンションです。

  2. 勘定に基づかないディメンション: カレンダのような他のOracle General Ledgerエンティティに関連するディメンションです。

勘定に基づくディメンション・ルールの設定

Oracle General LedgerからEnterprise Performance Foundationに残高を転送する前に、生成したディメンション・ルールを持つ全ディメンションを1つ以上の勘定体系セグメントにマップするか、デフォルト値を割り当てる必要があります。この勘定体系セグメントと勘定に基づくディメンションとのマッピングの定義は、ディメンション・ルールを表します。

デフォルトのディメンション・ルールは、すべての値セットの必須ディメンションについて、デフォルトのマッピング・メカニズムを使用して自動的に生成されることに注意してください。これらのルールは必要に応じて変更できます。

トピック ナビゲータ・パス
ディメンション・ルールの作成 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」->「Oracleディメンション・ソース」サブタブの順にナビゲートします。

テキストで説明されている画像

「ディメンション」列にはFEM_BALANCES表の処理キー・ディメンションのリストが表示され、「マッピング」列には関連ディメンション・ルールに格納されているディメンションの現行のマッピング定義が表示されます。各ルールのマッピング定義により、指定した勘定体系について関連ディメンションのメンバーが生成される方法が決まります。

使用可能なマッピング・オプションには、次の3種類があります。

  1. 単一セグメントからの値のコピー: 選択したセグメントからディメンションにセグメント値をすべてコピーします。この場合、ディメンションはそのセグメントに直接関連付けられます。

  2. 複数セグメントからの連結値: 複数の勘定体系セグメントをダッシュで区切って連結した値がディメンション値になります。この場合は、連結順序も指定する必要があります。

  3. 単一値の割当: ディメンションは特定の勘定体系セグメント値にマップされません。かわりに、ディメンションには特定の値が割り当てられます。

デフォルトのマッピング・メカニズム

値セットの必須ディメンションに対するデフォルトのマッピング・メカニズムは次のとおりです。

ディメンション デフォルト・マッピング
会社コスト・センター組織 貸借一致セグメントからの値のコピー
明細項目 勘定科目セグメントからの値のコピー
勘定科目 勘定科目セグメントからの値のコピー
勘定に基づく他のすべてのアクティブ・ディメンション 「単一値: &DEF_VALUE の割当」として表示されるデフォルトの単一値の割当

注意: 貸借一致セグメントと勘定科目セグメントは、勘定体系ではそれぞれのセグメント修飾子で識別されます。

「表示」または「更新」アイコンをクリックすると、特定のディメンション・ルールの詳細が表示されます。

テキストで説明されている画像

勘定に基づくディメンションのマッピング

ディメンション 勘定体系セグメントの候補 使用可能なマッピング・オプション その他のルール
会社コスト・センター組織 会社、コスト・センター、会社+コスト・センター 単一セグメントからの値のコピー
複数セグメントからの連結値
デフォルト・オプションは「単一セグメントからの値のコピー」で、貸借一致セグメントとコスト・センター・セグメントの両方が候補となります。
「複数セグメントからの連結値」を選択した場合は、2つのセグメントを指定できます。「第1セグメント」には貸借一致セグメント、「第2セグメント」にはコスト・センター・セグメントを指定する必要があります。
明細項目 勘定科目セグメントに加えて最大4つのセグメント 単一セグメントからの値のコピー
複数セグメントからの連結値
デフォルト・オプションは「単一セグメントからの値のコピー」で、勘定科目セグメントがデフォルト設定されます。このデフォルト値を他のセグメントに変更することはできません。
「複数セグメントからの連結値」を選択した場合は、一方のセグメントに勘定科目セグメントを指定する必要があります。
勘定科目 勘定科目セグメントに加えて1つのセグメント 単一セグメントからの値のコピー
複数セグメントからの連結値
デフォルト・オプションは「単一セグメントからの値のコピー」で、勘定科目セグメントがデフォルト設定されます。このデフォルト値を他のセグメントに変更することはできません。
「複数セグメントからの連結値」を選択した場合は、「第1セグメント」が勘定科目セグメントにデフォルト設定され、変更はできません。
エンティティ 貸借一致セグメント 単一セグメントからの値のコピー
単一値の割当
デフォルト・オプションは「単一セグメントからの値のコピー」で、貸借一致セグメントがデフォルト設定されます。この貸借一致セグメントの選択は変更できません。
会社間 最大2つのセグメント 単一セグメントからの値のコピー
複数セグメントからの連結値
単一値の割当
次の「会社間ディメンションのマッピング」を参照してください。
チャネル
地域
顧客
製品
プロジェクト
タスク
ユーザー定義1〜10
全セグメント 単一セグメントからの値のコピー
複数セグメントからの連結値
単一値の割当
デフォルト・オプションは「単一値: &DEF_VALUE の割当」です。これは、ディメンションに対応する勘定体系が存在しない場合に有効です。

会社間ディメンションのマッピング

会社間ディメンション・ルールは、会社コスト・センター組織ディメンションのマッピングに従う必要があります。これは、この2つのディメンション間にクローズ関連があるためです。したがって、会社間ディメンション用に適切なマッピングを選択する前に、会社コスト・センター組織ディメンションに対してディメンション・ルールを実行する必要があります。

会社コスト・センター組織ディメンションのマッピングに基づいて、次の2つの事例が存在します。

  1. 会社コスト・センター組織ディメンションのオプションが「単一セグメントからの値のコピー」の場合

  2. 会社コスト・センター組織ディメンションのオプションが「複数セグメントからの連結値」の場合

テキストで説明されている画像

a. 会社コスト・センター組織ディメンションのオプション: 単一セグメントからの値のコピー

会社コスト・センター組織のディメンション・マッピングの選択内容 会社間ディメンション・マッピング・オプション 会社間ディメンションにマップされるセグメント
貸借一致セグメント 単一セグメントからの値のコピー デフォルト・オプションは「単一セグメントからの値のコピー」で、会社間セグメント(会社間修飾子で識別)がデフォルト設定されます。この値を他のセグメントに変更することはできません。
会社間セグメントが識別されていない場合は、すべてのセグメントが表示され、会社間セグメントとして使用するセグメントを選択する必要があります。
コスト・センター・セグメント 単一セグメントからの値のコピー 会社間コスト・センター・セグメントとしてセグメントを1つ選択します。
貸借一致セグメントまたはコスト・センター・セグメント 単一値の割当 値が自動的にデフォルト設定されます。このオプションを使用するのは、実装で会社間またはコスト・センター間の貸借一致が使用されない場合です。

b. 会社コスト・センター組織ディメンションのオプション: 複数セグメントからの連結値

会社コスト・センター組織ディメンションのセグメント 会社間ディメンション・マッピング・オプション 会社間ディメンションにマップされるセグメント
「第1セグメント」は貸借一致セグメントにデフォルト設定され、「第2セグメント」はコスト・センター・セグメントにデフォルト設定されます。 複数セグメントからの連結値 「第1セグメント」は会社間セグメント(会社間修飾子で識別)にデフォルト設定されます。会社間セグメントが識別されていない場合は、すべてのセグメントが表示され、会社間セグメントとして使用するセグメントを選択する必要があります。
「第2セグメント」では、セグメントの1つを会社間コスト・センター・セグメントとして選択します。
「第1セグメント」は貸借一致セグメントにデフォルト設定され、「第2セグメント」はコスト・センター・セグメントにデフォルト設定されます。 単一値の割当 値が自動的にデフォルト設定されます。このオプションを使用するのは、実装で会社間またはコスト・センター間の貸借一致が使用されない場合です。

勘定に基づかないディメンション・ルールの設定

転送プロセスをサポートするために、前述したディメンションに加えて、勘定に基づかない次のディメンションが必要です。

元帳

Oracle General LedgerからEnterprise Performance Foundationへの元帳の伝播は、ユーザーに対して透過的であり、「Oracle元帳割当」を介して元帳を選択すると自動的に実行されます。

カレンダ

Oracle General Ledgerのカレンダ定義は、シード済のカレンダ・ルールを発行することでEnterprise Performance Foundationに転送されます。発行ごとに、1会計期間の期間定義をEnterprise Performance Foundationに取り込むことができます。Oracle General Ledgerカレンダに新規会計年度を追加した場合は、カレンダ・ルールを再発行して同期化する必要があります。

トピック ナビゲータ・パス
Enterprise Performance Foundationでのカレンダ・ディメンションの設定 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」タブ->「Oracleディメンション・ソース」サブタブの順にナビゲートします。
「会計カレンダ」にドリルダウンします。

テキストで説明されている画像

使用可能なカレンダ・ルールのバージョンは「デフォルトのGeneral Ledgerカレンダ・ルール・バージョン」のみです。カレンダ・ルールの実行によりカレンダ情報が転送され、Enterprise Performance Foundationのカレンダ期間ディメンションに適切な期間階層構造(期間、四半期など)が生成されます。Enterprise Performance Foundationに残高を転送するすべての会計年度、または予算処理に期間を使用するすべての会計年度に対して、カレンダ・ルールを実行する必要があります。

予算引当タイプと予算

Enterprise Performance Foundationにおける予算引当タイプと予算の定義も、ユーザーに対して透過的です。残高ルールを定義するときに特定の予算または予算引当タイプを選択すると、自動的に処理されます。

3. 階層ルールの設定

関連ディメンションごとに、関連階層の階層ルールをEnterprise Performance Foundationに表示するように指定できます。

注意: 階層ルールの詳細は、「General Ledgerルールの概要」を参照してください。

トピック ナビゲータ・パス
階層ルールの作成 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」タブ->「Oracleディメンション・ソース」サブタブの順にナビゲートします。
関連ディメンションについて、関連階層ルールのアイコンをクリックして階層ルールを作成します。

関連ディメンションが単一セグメントに基づいている場合は、階層の単一の開始親値を入力します。複数セグメントの場合は、各セグメントの開始親値とともに親横断順序を入力します。

テキストで説明されている画像

次の表に、「階層ルールの作成」ウィンドウの選択フィールドの詳細を示します。

フィールド 説明
標準および水平化された書式の階層の生成 Enterprise Performance Foundationでプログラム「DHM:階層バージョンの水平化」を自動的に実行して、親とそのすべての下位の間に親子関連を生成するかどうか。
連番強制階層を作成 このオプションが有効化されている場合は、ディメンション・メンバーのレベルが自動的に作成されて割り当てられ、階層のスキップ・レベルは連番強制となります。それ以外の場合、レベルは作成されず、階層は連番強制となりません。
開始親値 階層ルール・バージョンには、階層の最上位の親を指定する必要があります。
この最上位の親は、親セグメント値である必要があります。Oracle General Ledger内でこの親から最下位の子レベル値までの階層構造全体が複製され、Enterprise Performance Foundationでディメンション階層として保守されます。
連結セグメントを持つディメンションの場合は、セグメントごとに開始親値が必要です。
開始日/終了日 前の階層バージョンがオーバーライドされるのを防ぐために、階層ルール・バージョンの終了日を設定して、対応する階層構造を分析用に保持できます。
階層ルールごとに複数のバージョンを作成できますが、各バージョンの有効日をオーバーラップさせることはできません。
階層の新規バージョンが作成されると、その名称には「<階層ルール・バージョン名>: <有効開始日>」という規則が適用されます。

4. 残高ルールの設定

残高ルールでは、Oracle General Ledgerの割当済元帳の残高をEnterprise Performance Foundationで表示する方法を定義します。

注意: 残高ルールの概要は、「General Ledgerルールの概要」を参照してください。

特定の元帳と残高タイプについて各残高ルールを作成し、4段階で設定します。

トピック ナビゲータ・パス
残高ルールの設定 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」タブ->「Oracleデータ・ソース」サブタブ[「残高ルール」ウィンドウ]の順にナビゲートし、残高ルールを作成、更新または削除します。

第1段階: ルール定義

ルール定義では、ルールの実行中に処理する元帳と残高タイプ(実績、予算、予算引当)を取得します。

テキストで説明されている画像

選択した残高タイプに基づき、さらにオプションとしてパラメータを選択する必要があります(後述の「第4段階: 残高オプション」を参照)。

「四半期残高の保守」チェック・ボックスを選択すると、転送プロセスの一部として各期間のQTD残高を計算するように指定できます。

注意: 現在、Corporate Performance Management製品ではQTD残高を使用しませんが、レポート処理のためにのみ追跡されます。QTDの計算には追加の処理リソースが必要となるため、このチェック・ボックスを選択することで得られるコスト上のメリットを取捨選択する必要があります。

第2段階: バージョン詳細

次の3つのパラメータを入力する必要があります。

  1. 開始日/終了日

  2. 出力データセット

  3. 実行モード(増分更新またはスナップショットのみ)

テキストで説明されている画像

開始日/終了日

残高ルールは、時間経過とともに変化することがあります。たとえば、指定の残高ルールについて貸借一致セグメント値、関連する換算済通貨、予算および予算引当タイプの割当などの変更が必要になる場合があります。

Enterprise Performance Foundationでは、それぞれオーバーラップしない日付範囲を指定して残高ルールのバージョンを複数作成できます。バージョンの開始日と終了日は、どちらも「FEM: デフォルト有効開始日」および「FEM: デフォルト有効終了日」プロファイル・オプションの設定からデフォルト設定できることに注意してください。

バージョニングにより、データ転送の監査証跡を保持できるようになります。残高ルール・バージョンが実行されてEnterprise Performance Foundationにデータが生成されると、そのバージョンは監査証跡を提供するためにアーカイブされるので変更できなくなります。ただし、バージョンの終了日を設定して新規のバージョンを作成することはできます。

注意: なんらかの理由で残高ルールのロック済バージョンを変更する場合は、そのルール・バージョンを使用してロードされた残高をすべて逆仕訳する必要があります。

詳細は、「実行済ルールの逆仕訳」を参照してください。

出力データセット

出力データセットを指定する必要があるのは、「実績」残高タイプの残高ルールの場合のみです。他の残高タイプの場合は、出力データセットが自動的に生成されます。

残高ルールを実行すると、特定の期間範囲に対してルールの特定バージョンが実行されます。この期間範囲は実行時に入力します。

テキストで説明されている画像

データの整合性を保つために、指定の期間範囲内で指定の会計期間のデータに対して適用できる残高ルール・バージョンは1つのみです。これには次の注意事項があります。

残高の出力データセット: Enterprise Performance Foundationでデータの整合性を維持するには、Oracle General Ledgerから転送された残高を単一のデータ・ソースとして表示する必要があります。したがって、適用可能な次の組合せごとにEnterprise Performance Foundationで許可されるOracle General Ledger残高データのコピーは1つのみです。

このアーキテクチャでは、このルールをサポートして検証するために「データセット」という概念を採用しています。残高ルールの特定バージョンで実行できるのは各期間の残高を1つのデータセットに転送することのみで、複製して他のデータセットに格納することはできません。これにより、Enterprise Performance Foundationでレポート処理、モデル化および分析に使用されるベース・データの整合性が保証されます。

「実績」残高タイプを使用するルールの場合は、必要に応じて出力データセット名を指定できます。システムでは、予算および予算引当タイプを使用して、残高ルール用に必要なターゲット出力データセットが自動的に作成され、名称が与えられます。デフォルト名は、出力データセットの作成に使用された元帳および予算または予算引当タイプに基づきます。この名称は、Enterprise Performance Foundationのディメンション管理ツールを使用して更新できます。

実行モード: 残高ルールには2つの実行モードが用意されており、Enterprise Performance Foundationに残高を柔軟に転送できます。

「スナップショットのみ」モードでは、転送時に残高のコピーを作成して、期間ごとに1回のみOracle General Ledgerの残高をEnterprise Performance Foundationに転送できます。このモードでは、新規スナップショットを特定の期間にロードする前に、その期間の既存のスナップショット・データを逆仕訳する必要があります。

「スナップショットのみ」モードを使用すると、該当するルールを元に戻し、1つ以上の期間に対して再実行できます。

注意: 詳細は、「実行済ルールの逆仕訳」を参照してください。

「増分更新」モードでは、どの期間中にもOracle General Ledgerの残高をEnterprise Performance Foundationに複数回転送できます。このモードによる残高ルールの初回実行時に、残高のスナップショットがEnterprise Performance Foundationに取り込まれます。ただし、以降の実行時には、前回の転送以降に発生した残高変更のみが取り込まれます。したがって、Enterprise Performance Foundationでは既存の残高に増分金額が加算されます。

第3段階: 貸借一致セグメント値(BSV)フィルタ

設定のこの段階では、残高の転送に使用する貸借一致セグメント値を選択できます。

テキストで説明されている画像

残高ルールの実行時には、残高ルール定義自体で選択したセグメント値のみでなく、この段階での選択内容も絞り込めることに注意してください。

指定の期間についてルールを初めて発行する場合は、残高ルール定義の一部として選択した貸借一致セグメント値のリストのみが適用されます。プロセスでは、Enterprise Performance Foundation残高が期間について正しく初期化されるように、発行時に指定した貸借一致セグメント値の範囲が無視されます。以降に同じ期間について同じルールを発行すると、選択したBSVのみが更新されます。

第4段階: 残高オプション

「予算引当」タイプの残高ルールの場合は、残高転送に含める特定の予算引当タイプを選択できます。

「予算」タイプの残高ルールの場合は、残高を個別の予算に限定できます。これにより、その予算に関連した全通貨または選択した通貨の換算残高を含めることができます。特定の通貨による換算残高がEnterprise Performance Foundationに転送されるのは、この種の残高が予算に存在する場合のみです。

「実績」タイプの残高ルールの場合は、転送に含める残高のタイプとして次のいずれかを選択する必要があります。

テキストで説明されている画像

残高ルールの転送プロセスでは通貨換算が実行されないことに注意してください。すべての残高はソースのOracle General Ledgerシステムで準備されているものとみなされます。

実行済ルールの逆仕訳

「実行済ルール」ユーザー・インタフェースを介して、残高ルールにより生成された全データの作成を逆仕訳できます。

トピック ナビゲータ・パス
実行済残高ルールの逆仕訳 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「プロセス管理」タブ->「実行済ルール」サブタブの順にナビゲートします。
FEM_BALANCES表に影響する実行済ルールがすべて表示されます。

実行済ルールを選択して、FEM_BALANCES表への残高転送を元に戻します。

Oracle General LedgerとEnterprise Performance Foundationの同期化

General Ledgerルールの設定を完了した後、ルールを実行してOracle General LedgerとEnterprise Performance Foundationの間で関連データを同期化できます。

注意: 同期化手順の概要は、「General Ledgerルールのアーキテクチャ」を参照してください。

ディメンション・ルールの実行

単一セグメント・マッピング関連の場合、このプロセスではOracle General LedgerからEnterprise Performance Foundationにセグメント値がコピーされます。複数セグメント・マッピング関連の場合は、ユーザー指定の順序でセグメント値が連結され、連結ディメンション値が生成されます。

トピック ナビゲータ・パス
ディメンション・ルールの実行 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」タブ->「Oracleディメンション・ソース」サブタブの順にナビゲートします。
「すべてのルールを発行」ボタンをクリックします。
ディメンション・ルールのアンドゥ 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」タブ->「Oracleディメンション・ソース」サブタブの順にナビゲートします。
ディメンション・ルールの「元に戻す」ボタンをクリックします。

「会計カレンダ」にドリルダウンし、カレンダ・ルール・プロセスを設定して実行します。この発行により、Enterprise Performance Foundationにカレンダ階層構造のメンバー(期間、四半期など)が作成されます。

「最終実行者」および「最終実行日」フィールドを使用して発行履歴を追跡できます。

誤ったマッピング・オプションを指定してディメンション・ルールを発行した場合は、「元に戻す」ボタンをクリックするとディメンション・ルールの実行結果を元に戻すことができます。その後、マッピングを更新してディメンション・ルールを再発行できます。

注意: ディメンション・ルールを元に戻す前に、勘定体系を使用して元帳に対して実行されたルールをすべて逆仕訳する必要があります。

階層ルールの実行

階層ルール処理エンジンにより、選択した階層ルールで指定されているOracle General Ledgerの階層データが、Enterprise Performance Foundationに移入されます。これらの階層は残高転送プロセスでは使用されませんが、連結や予算処理のような以降の分析処理に必要です。

トピック ナビゲータ・パス
階層ルールの実行 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」タブ->「Oracleディメンション・ソース」サブタブの順にナビゲートします。
関連ディメンションの階層ルールにドリルダウンして、特定のバージョンを実行します。

テキストで説明されている画像

このプロセスでは、階層の一部である新規の親ディメンション・メンバーが作成されてから、階層ルールで指定した最上位の親値から順番に階層の親子関連が作成されます。

階層ルールを発行する前に、Enterprise Performance Foundationでディメンション値を定義しておく必要があります。

階層構造の変更の伝播

次の変更は階層内の親子関連に影響します。

したがって、階層ルール・バージョンを再実行すると、このプロセスでは常にEnterprise Performance Foundation内の既存の親子関連が最新の定義で置換されます。既存の階層定義がいずれかのCorporate Performance Managementプロセスで使用されていると、このプロセスでは定義を置換できず、エラーになります。この場合は、階層ルールの新規バージョンを作成する必要があります。

階層の削除

階層ルールを介してOracle General Ledgerから転送された階層をEnterprise Performance Foundation内で削除する手順は、次のとおりです。

  1. 「実行済ルール要求削除」プログラムを使用して、階層ルールを元に戻します。このプログラムの使用方法は、「実行済ルール要求削除」を参照してください。

  2. Oracle General Ledgerで、「構成ルール」タブ->「ディメンション」サブタブの順にナビゲートします。「階層」ページで、該当する階層を検索して親行で「更新」アイコンをクリックし、「読取りおよび書込み」を選択して「適用」をクリックします。

    注意: 階層を「読取りおよび書込み」に変更できるのは、階層ルールを実行したユーザーのみです。

  3. Enterprise Performance Foundationで、階層を再検索して「階層」ページをリフレッシュします。「削除」アイコンが有効化されています。階層の「削除」アイコンをクリックし、確認プロンプトに対して「Yes」を選択します。

  4. 削除した階層を作成した階層ルールを削除します。

注意: 階層を生成するために実行されたことがない階層ルール・バージョンは削除できます。つまり、階層ルールを削除できるのは、関連する階層ルール・バージョンが定義されていない場合のみです。

残高ルールの実行

残高ルール処理エンジンにより、Oracle General Ledgerの残高データがEnterprise Performance Foundationに転送されます。会計期間などのディメンション値は、残高ルールの発行前にEnterprise Performance Foundationで定義しておく必要があります。

トピック ナビゲータ・パス
残高ルールの実行 「Enterprise Performance Foundation管理者」職責(またはそれに相当する職責)で、「データ・ルール」タブ->「Oracleデータ・ソース」サブタブ[「残高ルール」ウィンドウ]の順にナビゲートし、該当する残高ルール・バージョンを実行します。

テキストで説明されている画像

例外処理

残高の転送時に、残高を転記する必要のあるディメンション値がEnterprise Performance Foundationに存在しない場合は、残高転送に含まれなかったOracle General Ledger勘定科目コード組合せのリストが「残高ルール」プロセスのログ・ファイルで維持されます。

Enterprise Performance FoundationとOracle General Ledgerのルールに関するその他の注意事項とベスト・プラクティス

次の各項では、注意事項とベスト・プラクティスについて説明します。

残高ルールの考慮事項

残高タイプごとに単一の残高ルールを使用

Enterprise Performance Foundationでは残高タイプ(実績、予算または予算引当)ごとに複数の残高ルールを作成できますが、実績および予算引当の各残高タイプについては、タイプごとに残高ルールを1つのみ定義することをお薦めします。単一ルールを使用することで、Enterprise Performance Foundationでレポート処理、モデル化および分析に使用されるベース・データの整合性を確保できます。

ルール定義の変更を反映させるために、1つの残高ルールのバージョンを複数作成できることに注意してください。

欠番なしの期間連番順による残高転送の実行

特定の元帳についてEnterprise Performance Foundationに残高が転送される期間の範囲に、ギャップができないようにする必要があります。残高が転送されない欠落期間が検出されると、プロセスでエラーが生成されます。

Oracle General Ledgerへの逆転記があった場合は、逆転記された期間から始めて以降の全期間にわたって残高転送を再実行する必要があります。これは、Enterprise Performance Foundationには種類を問わずロール・フォワードの論理が取り込まれておらず、期間ごとに転送されるOracle General Ledgerの残高情報にのみ依存するためです。

Oracle General Ledgerの要約勘定残高

Oracle General Ledgerの要約勘定科目に格納された残高は、Enterprise Performance Foundationに転送されません。

標準、平均および統計残高の区別

Oracle General Ledger残高をEnterprise Performance Foundationに転送するプロセスでは、財務要素ディメンションを使用して標準、平均および統計の各残高が区別されます。特に、財務要素ディメンションは次の条件に基づいて移入されます。

出力データセットの要件

指定した期間の実績、予算および予算引当の各元帳残高の残高データを関連付けることのできる出力データセットは1つのみです。これにより、これらの残高には確実に単一のデータ・ソースが使用され、同じデータに複数の表現が使用される可能性がなくなります。

注意: General Ledgerルールにおけるデータセットの使用の詳細は、「残高の出力データセット」を参照してください。

予算と予算引当タイプの両方の残高転送により、各元帳にこれらのデータ型の一意のデータセットが自動的に生成されます。

ただし、実績残高データの場合は、1つの出力データセットを複数の元帳間で共有できます。実績残高を一貫した方法で追跡するために、元帳ごとに実績残高用の出力データセットを個別に作成して保守することをお薦めします。

ディメンション・ルールの考慮事項

ディメンション(および階層)の処理頻度

すべての勘定科目コード組合せの残高を正常に転送するには、まずすべての勘定科目値とコードの組合せをEnterprise Performance Foundationにマップしておく必要があります。

General Ledgerルールのアーキテクチャでは、Oracle General Ledgerのセグメント値と階層に対する変更や更新を自動的に認識することはできません。したがって、勘定体系セグメントの値と階層に変更があっても、変更内容が自動的にEnterprise Performance Foundationに伝播することはありません。

注意: これには、Oracle General Ledgerのセグメント値摘要や勘定科目タイプ割当などの属性の変更が含まれます。

Oracle General Ledgerで勘定体系の勘定科目値と階層が変更される頻度によっては、残高ルールの発行前にディメンション・ルールと階層ルールの再実行が必要になることがあります。Oracle General Ledgerで新規の子値が作成された場合、ディメンション・ルールを実行すると新規の子値が取り込まれ、階層ルールを実行すると更新後の親値と階層構造が取り込まれます。

最終的に、指定した勘定科目コード組合せに関連付けられているOracle General Ledger残高を正常に転送するには、すべての関連ディメンション・メンバーがEnterprise Performance Foundationに存在する必要があります。そのため、Oracle General LedgerからEnterprise Performance Foundationへのデータ転送を管理する際のベスト・プラクティスは、常にディメンション(および階層)ルールを発行してから残高ルールを実行することです。

ディメンションから貸借一致セグメントへのマッピング

Enterprise Performance Foundationの会社コスト・センター組織ディメンションをOracle General Ledgerの勘定体系セグメントにマップする際には、3つの選択肢があります。貸借一致セグメントのみ、コスト・センター・セグメントのみ、または会社セグメントとコスト・センター・セグメントの両方の組合せを関連付けるように選択できます。

Oracle General Ledger内の財務データの貸借は、貸借一致セグメント値のみで調整されます。会社コスト・センター組織ディメンションをコスト・センター・セグメントにのみ関連付けるように選択した場合は、貸借が一致しているEnterprise Performance Foundationデータのレポートが必要になった場合に備えて、貸借一致セグメントにEnterprise Performance Foundationのディメンションをもう1つマップすることをお薦めします。

勘定タイプの割当

勘定科目ディメンションと明細項目ディメンションの「拡張勘定タイプ」属性は、勘定科目セグメント値に指定されている勘定タイプに従って設定します。これは、Oracle General Ledgerの勘定科目コード組合せレベルで割り当てられた勘定タイプと異なっていてもかまいません。

Enterprise Performance Foundationでは、ディメンション・コード組合せの勘定タイプは、勘定科目ディメンション・メンバーに関連付けられているタイプからのみ導出されます。この動作はOracle General Ledgerとは異なっており、このアーキテクチャを使用するユーザーは注意する必要があります。

Enterprise Performance Foundationの値セット

Oracle General Ledgerの勘定体系セグメントからの1つ以上の値セットがディメンション・ルールを介してEnterprise Performance Foundationディメンションに関連付けられている場合に、Enterprise Performance Foundationで値セットが作成されます。

たとえば、2つの勘定体系があり、それぞれにOracle General Ledgerで同じ値セットを使用するセグメントが1つあるとします。この2つの勘定体系の両方でこのセグメントが同じディメンションにマップされている場合、Enterprise Performance Foundationではこのディメンションについて値セットが1つしか作成されません。ただし、勘定体系でセグメントが別のディメンションにマップされている場合、Enterprise Performance Foundationではディメンションごとに値セットが個別に作成されます。

階層ルールの考慮事項

複数の親を持つ子または親勘定科目値

Oracle General Ledgerセグメント値定義内で、1つの子または親セグメント値を複数の親に割り当てることができます。階層ルールを実行してOracle General Ledgerのセグメント値階層をEnterprise Performance Foundationに転送する場合に、ルールに指定されている最上位の親の下位にある複数の親に子が割り当てられていると、プロセスでエラーがレポートされます。Oracle General Ledgerの階層でこのように割り当てられていて、それをEnterprise Performance Foundationに転送する場合は、子がルールごとに1つの親にのみ割り当てられるように、適切な最上位の親を指定して複数の階層ルールを定義する必要があります。

その他の考慮事項

Enterprise Performance FoundationでのOracle General Ledger設定データの整合性

Enterprise Performance Foundation内でカレンダ、値セット・メンバーおよび値セット階層などのOracle General Ledger設定要素の整合性を維持するには、カレンダ・ルール、ディメンション・ルールおよび階層ルールなど、各種のGeneral Ledgerルール構成メンバーのみを使用して、この種のデータをEnterprise Performance Foundationに伝播させることが重要です。これにより、設定データのデータ・ソースは確実に1つになります。

アーキテクチャでは、ディメンション階層マネージャを使用して、Enterprise Performance Foundation内でこれらの設定要素を直接更新できます。ただし、これらの変更内容はOracle General Ledgerに伝播しません。そのため、このように直接的な更新を行うと、Enterprise Performance Foundationの設定データとOracle General Ledgerの設定データとの整合性がなくなります。