Oracle Shop Floor Management ユーザー・ガイド リリース12.2 B72358-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Oracle Cost Management User's Guideは、この章を理解するための前提条件です。ロット基準製造オーダーは標準原価計算を使用するので、その他の原価計算方法に固有の項はスキップしてもかまいません。
この章のトピックは、次のとおりです。
半導体業界などの多くの企業は、製造オーダーの各工程で見積廃棄を考慮する必要があります。工程歩留は、各工程の見積廃棄の補数として表されます。品目の工順を定義するとき、その工順の工程ごとに工程歩留を入力し、その工程歩留を組立原価として積み上げるかどうかを指定します。
原価積上には、このように見積もられた歩留損失の配賦が含まれます。ロットのWIPを実行する際、工程歩留原価がこのロットに賦課されます。見積済廃棄配賦と実際廃棄との差異が、工程別および部門別に追跡されます。
Oracle Shop Floor Managementには、次の機能があります。
製品の工順に工程レベルの歩留を定義
必要なすべての工程について、実際の歩留を収集
製品原価の一部として歩留損失を計算
関連トピック
Oracle Cost Management User's Guide、構成表と原価積上に関する項。
Oracle Cost Management User's Guide、品目/原価タイプ関連付けの選択に関する項。
原価積上では、累積歩留戻しの他に構成部品と製造の減損率を使用して、資材、間接費および生産資源原価を計算します。工程歩留は、工順の工程で「積上に含む」フラグと「工程歩留可能」フラグが有効な場合に、原価積上に計上されます。工程は、「積上に含む」フラグが有効な場合に、プライマリ・パスと代替パスのどちらにあるかにかかわらず、原価積上に計上されます。
ショップ型製造オーダーの場合と同様、「標準原価更新」は仕掛残高を再評価し、会計調整を作成して、標準原価WIP調整レポートで新しい製造オーダー値とともにその調整を出力します。ただし、部門ベースの新しい間接費はロット基準製造オーダーの優先工程には追加されません。このような新しい間接費は、製造オーダーの今後の工程にのみ追加されます。
製造オーダーに対する調整は通常、WIP会計区分で標準原価調整勘定によって相殺されます。ただし、標準ロット基準製造オーダーにおける廃棄が原因でWIPリリースされた値の調整は、部門の実績廃棄勘定によって相殺されます。また、標準原価更新による見積廃棄に対する調整は、部門の「見積廃棄配賦」勘定によって相殺されます。「標準原価更新」では、工程歩留の変更に対する既存の製造オーダーは調整されません。
擬似工順の部門は、その擬似を使用する工程の部門と同じである必要があります。見積廃棄会計は工程部門に基づくため、この点は重要です。
擬似工順における工程歩留は、親工程の歩留には含まれ(積み上げられ)ません。参照: Oracle Bills of Material User's Guide、ロット基準製造オーダーにおける擬似に関する項。
ロット基準製造オーダーでは、分割、マージ、更新組立、ボーナス、更新工順、更新数量および更新ロット番号の7種類のWIPロット取引を使用できます。Oracle Shop Floor Managementでは、ロット基準製造オーダーの組立原価に工程歩留を含めることができます。製造現場をロットが経過するとき、移動、廃棄、分割、マージ、ボーナス、更新数量の各取引では原価計算が必要です。
移動取引では、工程内の組立が、たとえばキューから実行に、またはある工程から次の工程へと移動します。移動取引は、自動的にバックフラッシュを起動し、生産資源と間接費を賦課します。ユーザーにより手動で、または移動プロセッサによるバックフラッシュによって作成された製造取引は、標準ショップ型製造オーダーと同様に原価計算されます。参照: Oracle Work In Process User's Guide、製造標準原価取引に関する項。
WIPロットが製造オーダーの各工程を経過するとき、その工程に結び付けられた部門が、工程歩留に起因する追加原価の「見積廃棄配賦」として貸方に記入されます。製造オーダーは、この同じ原価の「見積廃棄」として借方に記入されます。
工程10と部門Aを想定し、工程歩留が70%であると仮定します。10個の完成ユニットを生産するために100ユニットを工程10に送った場合、歩留が100%であれば、組立の単価は$10ですが、見積歩留が70%とすると、単価は(100 * 10)/70です。
したがって、工程歩留によるユニット組立当りの追加原価は、次のようになります。
(100*10)/70- 10 = 10 * (1/0.7 - 1) = 10 * [(1-0.7)/0.7]
ユニット当りの見積廃棄 = (現在の工程でのユニット当り工程原価合計 + 前の工程でのユニット当り見積廃棄原価合計) * [(1 - 工程歩留)/工程歩留]
工程で完成した良好なユニットによる部門別の回収済金額 = ユニット当りの見積廃棄 * 工程を通過した良好なユニットの数
見積廃棄配賦取引の会計仕訳は、次のようになります。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX | |
部門の見積廃棄配賦勘定 | XX |
上の例の工程10に続く第2の工程20を次のように考えます。
工程20に送られた70個の良好なユニットのうち、工程20で5個のユニットが廃棄されると仮定します。これらは前の工程(この例では工程10)でそれぞれ見積廃棄による追加コストを吸収しているので、廃棄ユニットに対して行われた見積廃棄配賦を戻す必要があります。
新しい戻し処理 = (前の工程でのユニット別見積廃棄合計) * (実際に廃棄されたユニット数)
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
部門の実績廃棄勘定 | XX | |
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX |
組立廃棄は、部門に定義されている実績廃棄勘定に対する製造オーダーの所要量に基づいて賦課されます。参照: Oracle Cost Management User's Guide、組立廃棄取引に関する項。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
部門の実績廃棄勘定 | XX | |
WIP原価集計勘定 | XX |
完了取引は、この会計区分のWIP原価集計勘定をリリースし、組立の標準原価(確定済)に基づいて在庫評価勘定を賦課します。工程歩留原価は、見積廃棄勘定からリリースされます。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
INV原価集計の材料費勘定 | 7.0 | |
INV原価集計の間接材料費勘定 | 1.2 | |
INV原価集計の生産資源勘定 | 3.5 | |
INV原価集計の間接費勘定 | 2.3 | |
INV原価集計の外注加工費勘定 | 2.0 | |
WIP原価集計の材料費勘定 | 6.0 | |
WIP原価集計の間接材料費勘定 | 1.0 | |
WIP原価集計の生産資源勘定 | 3.0 | |
WIP原価集計の間接費勘定 | 2.0 | |
WIP原価集計の外注加工費勘定 | 1.0 | |
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | 3.0 |
注意: WIP見積廃棄は、5つのINV勘定に配賦されます。
ショップ型製造オーダーの場合と同様に、製造オーダー・クローズ処理ではWIP原価集計勘定の残高を個々の差異勘定に消し込みます。「見積廃棄勘定科目」の残高は、「見積廃棄差異勘定」会計区分に消し込まれます。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
WIP見積廃棄差異勘定 | XX | |
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX |
見積廃棄差異の最大の原因は、標準BOMまたは工順からの偏差です。見積廃棄配賦と実際廃棄との差異は、部門の業績を反映する指標となります。
ロット基準製造オーダーにおける原価計算では、移動取引中の見積廃棄会計とボーナスがサポートされています。
各工程で歩留を指定できます。この歩留を積み上げて、組立原価を求めることができます。ロット基準製造オーダーは見積廃棄会計をサポートしているので、各部門の業績を追跡するうえで役に立ちます。
「工程歩留」は、各工程の見積廃棄の補数として定義されます。
組立原価で工程歩留を計算に入れるには、「積上に含む」フラグと「工程歩留可能」フラグを使用します。見積廃棄配賦と実際廃棄との差異は、部門に応じて追跡できるため、各部門の効率の追跡が可能です。
工程歩留: 式
実績廃棄勘定と見積廃棄配賦勘定は、どの部門でも必須です。
見積廃棄勘定は、WIP会計区分に対して定義されます。組立の原価を積み上げるときに工程歩留を計算に入れるように指定できます。
見積廃棄会計の有効と無効は、Shop Floor Managementのパラメータで切り替えることができます。参照: 「パラメータの定義」
工程で工程歩留を有効にする手順:
Oracle Shop Floor Managementのメニューで「工順」ウィンドウに移動します
「品目」フィールドに品目を入力します
「工程」領域で「工程歩留」タブを選択します
対応する工程連番で、「工程歩留可能」チェック・ボックスを選択します
見積廃棄配賦と実際廃棄との差異は、部門に応じて追跡できます。ロットが工程を経過するとき、部門ごとの見積廃棄配賦勘定は、工程歩留に起因する追加原価を貸方に記入されます。WIP会計区分の見積廃棄勘定では、同じ金額が借方に記入されます。
設定: 例
見積廃棄会計: 例
WIPロット取引の場合、原価計算に影響するのは分割、マージ、ボーナスおよび更新数量のみです。
業種によって、たとえば金属業界などでは、廃棄された品目を別の製品として再使用できるため、見積廃棄会計を配賦する必要がありません。また、廃棄のときに製造オーダーから原価をリリースすることも不要です。
会計設定と差異分析を簡単にするために、任意の組織で見積廃棄会計を無効にできます。「見積廃棄会計」フラグは、製造現場の「パラメータ」ウィンドウにあります。このフィールドで値を変更できるのは、すべてのロット基準製造オーダーが、「未リリース」、「クローズ」、「保留中」、「取消済」のいずれかのステータスにある場合に限られます。
このフィールドが有効に設定されている場合、廃棄取引原価は製造オーダーからリリースされ、「部門」ウィンドウで廃棄勘定が必要です。製造オーダーが1つの工程から次の工程に移動するとき、見積廃棄会計が実行されます。
これを無効に設定すると、見積廃棄会計は実行されません。「部門」ウィンドウで、「見積廃棄配賦」と、実績廃棄勘定は不要になります。この機能には、他に次の特徴があります。
工程歩留の原価計算を含めても含めなくても、更新可能な原価タイプに原価を積み上げることができます。
「組立原価積上」は変化しません。これは、原価がネットワーク工順の「積上に含む」フラグと「工程歩留可能」フラグに基づいて計算されるためです。これらのフラグは、「見積廃棄会計」の設定には影響されません。
標準原価(確定済原価タイプ)が工程歩留の原価計算に基づく場合、在庫評価と製造オーダー完了原価計算のどちらについても、5つの原価要素に見積廃棄原価が含まれます。組立完了取引のWIP見積廃棄勘定は貸方に記入されません。
廃棄取引の際には、「ロット基準製造オーダーの移動」ウィンドウで廃棄勘定を入力し、原価を作業指示からリリースできます。一般的に、標準原価が歩留原価計算に基づく場合、廃棄勘定は指定せず、製造オーダーに廃棄を残しておきます。標準原価が歩留原価計算に基づかない場合、廃棄勘定を指定し、製造オーダーは廃棄からリリースされます。どちらの場合にも、工程で廃棄される数量が更新されます。
工程歩留の原価計算と廃棄の原価計算の決定は、1つの品目に対して同じである必要があります。この一貫性によって、差異が抑えられます。ただし、品目ごとに設定を変更することもできます。
非標準経費のロット基準製造オーダーを操作する際には、次の点を考慮します。
非標準経費のロット基準製造オーダーでは、在庫組織レベルで見積廃棄会計が有効か無効かにかかわらず、見積廃棄会計を無効にします。
非標準経費のショップ型製造オーダーは、完了時に資材間接費が計上されないため、標準の原価更新によって再評価されません。
非標準経費のショップ型製造オーダーと異なり、非標準経費のロット基準製造オーダーの差異は、期間クローズ時にフラッシュされません。
非標準ロット基準製造オーダーでは、WIPロット取引を実行できます。このときの取引の原価計算は、標準のロット基準製造オーダーの場合と類似しています。
ロット基準製造オーダーでは、分割、マージ、更新組立、ボーナス、更新工順、更新数量および更新ロット番号の7種類のWIPロット取引を使用できます。WIPロット取引は、キューまたは移動の工程内ステップで実行できます。ただし、廃棄取引に続いて、キュー工程内ステップでWIPロット取引を実行することは推奨できません。
注意: 廃棄取引を別の工程で実行するほうが、原価計算は直感的に行えます。
製造現場をロットが経過するとき、次の取引では原価計算が意味を持ちます。
ロット分割取引
ロット・マージ取引
ボーナス取引
更新数量取引
ロット基準賦課には、ロット基準の生産資源、ロット基準の部門間接費、およびロット基準の生産資源に基づく生産資源ベースの間接費が含まれます。
1つの親ロットを複数の子ロットに分割する際には、親ロットに発行される資材と生産資源の実際原価(ロット基準の生産資源と間接費も含む)が、数量比に基づいて子ロットに再割当てされます。実際原価(親ロットに残る正味の値)は、副要素単位で子ロットに再割当てされます。いずれかの副要素の正味値が負の場合には、子ロットに再割当てされず、親にとどまります。
分割の際にはWIPロット分割取引が作成され、それによって親ロットと結果ロットのWIP値が適切な残高で調整されます。
ロットAが資材賦課$100でサイズ10、品目基準の生産資源賦課が$50、ロット基準の生産資源賦課が$50と仮定します。1つの品目が廃棄されると、結果として$20がリリーフされます。
ロットAの差引残高は、($200 - $20)で$180です。
このロットをサイズ4のロットBとサイズ5のロットCに分割すると、差引残高は比例して子ロットに再割当てされます。親は$180の貸方に記入され、子は次の数量比に基づいて借方に記入されます。
ロットBは、(4/9) * $180 = $80の借方になります。
ロットCは、(5/9) * $180 = $100の借方になります。
会計仕訳は、次のようになります。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
結果ロットのWIP原価集計勘定 | XX | |
開始ロットのWIP原価集計勘定 | XX |
親の見積廃棄配賦は、子ロットに再割当てされた賦課に対して戻し処理されます。子ロットはそれぞれ、再割当てされた賦課に基づいて工程歩留による追加原価の借方に記入されます。
開始ロットの場合:
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
部門の見積廃棄配賦勘定 | XX | |
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX |
結果ロットの場合:
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX | |
部門の見積廃棄配賦勘定 | XX |
注意: 廃棄された数量によって発生する原価は、ロットAにとどまります。
複数のロットを1つの既存ロットに組み合せると、資材と生産資源の原価は結果ロットに再割当てされます。原価の再割当ては、代表ロットによって発生する原価に基づいて比例的に行われます。代表ロットにおける正味値が、副要素単位で結果ロットに再割当てされます。いずれかの副要素の正味値が負の場合には、結果ロットに再割当てされず、親にとどまります。
ロット基準賦課は比例的に扱われず、結果ロットによって代表ロットと同じロット基準賦課が発生します。非代表ロットによって発生するロット基準賦課は、結果ロットに賦課されません。
ロットAが資材賦課$100でサイズ10、品目基準の生産資源賦課が$50と仮定します。また、Aには$100の賦課があり、これは構成部品Eがロットにプッシュされるために発生します。
ロットBが資材賦課$100でサイズ10、品目基準の生産資源賦課が$50、ロット基準の生産資源賦課が$50と仮定します。Bには$200の賦課があり、これは構成部品Fがロットにプッシュされるために発生します。
ロットAとBをサイズ20のロットCにマージし、Aを代表ロットとして選択します。
Aは代表ロットのため、Cの賦課はすべてロットAによって発生する賦課に基づきます。したがって、ロットCは[(20/10) * (品目基準賦課)] + (ロット基準賦課) = [(20/10) * ($250)] + ($50) = $550の借方に記入されます。
ロットAは、(10/20) * $500 +$50 = $300の貸方になります。
ロットBは、(10/20) * $500 = $250の貸方になります。
ロットAでは発生せずロットBによって発生した追加の賦課$200は、ロットBにとどまります。Bによって発生したロット基準賦課は結果ロットに賦課されず、ロットBにとどまります。したがってロットBの差引残高は$150となります。
会計仕訳は、次のようになります。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
結果ロットのWIP原価集計勘定 | XX | |
開始ロットのWIP原価集計勘定 | XX |
開始ロットの見積廃棄配賦は、結果ロットに再割当てされた賦課に対して戻し処理されます。結果ロットはそれぞれ、再割当てされた賦課に基づいて工程歩留による追加原価を吸収します。
開始ロットの場合:
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
部門の見積廃棄配賦勘定 | XX | |
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX |
結果ロットの場合:
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX | |
部門の見積廃棄配賦勘定 | XX |
ボーナス・ロットを作成すると、以前に廃棄した組立について工程を実行できます。数量は、開始工程のキュー工程内ステップから始まります。したがって、開始工程における構成部品は、ボーナス・ロットの作成時に自動的には賦課されません。前の工程における組立の標準原価は、ボーナス勘定で貸方に記入されます。この勘定は多くの場合、廃棄勘定です。すべての前工程について、標準に基づいて工程歩留が計算されます。
構成部品B ($10)と生産資源R1 ($2)を工程10に持つ組立Aを想定します。また、工程20には構成部品C ($20)と生産資源R2 ($1)があるとします。
工程20に、ボーナス・ロットとしてサイズ10のロットAを作成します。このロットによって、工程10でのすべての賦課が発生します。このロットは、工程20のキュー工程内ステップにあるため、工程20における賦課はボーナス・ロットに含まれません。
したがって、ロットAで発生する賦課は、10 * $10 + 10 * $2 = $120です。
会計仕訳は、次のようになります。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
ボーナス・ロットのWIP原価集計勘定 | XX | |
ボーナス 勘定(ユーザー指定) | XX |
ボーナス・ロットも、発生した賦課に基づいて工程歩留による追加原価の借方に記入されます。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX | |
ボーナス 勘定(ユーザー指定) | XX |
これに基づいて、連番10 (最初の連番)でボーナス処理される製造オーダーは、オープンされたばかりの新しい製造オーダーと同じようになります。これは工順の最初の工程のため、前工程から発生する原価はありません。20など後の工程でオープンされた場合、10から前工程までの標準原価が発生しますが、現在の工程の原価は発生しません。
最初の工程以外の工程でボーナス取引を実行した場合の例は、次の項で示します。
工程10に1000個の製造オーダーを作成します。この製造オーダーでは1000の構成部品が出庫されます
工程10で、200個を廃棄し、良好な800個を完了させます
この800個を工程20に移動して完了させます
20のキューにある200個の製造オーダーでボーナスを作成します。(これは開始資材を含んで工程10を完了したものとして、標準原価で評価されます。前の工程における組立の標準原価は、ボーナス勘定で貸方に記入されます。この勘定は多くの場合、廃棄勘定です。)
200個を工程20から移動して完了させます
更新数量取引を使用すると、製造オーダーに残っている数量を増やすことができます。製造オーダーによって発生する原価(ロット基準原価を除く)は、新しい数量と、製造オーダーに残っている正味値に基づいて比例的に製造オーダーの借方に記入されます。親製造オーダーに残っている正味値は、副要素単位で再割当てされます。いずれかの副要素の正味値が負の場合には、結果ロットに再割当てされません。
ロット基準賦課は、更新ロットで比例配分されません。
貸方は、更新数量取引の作成時に指定される勘定に記入され、多くの場合これは廃棄勘定です。
ロットAが資材賦課$100でサイズ10、品目基準の生産資源賦課が$50、ロット基準の生産資源に関連付けられる間接費からの生産資源ベースの間接費が$20と仮定します。
ロットAの数量を20に更新します。
新しいロットで発生する原価は[$100 * (20/10) + $50 + $20 = $270です。
ロット基準ではない賦課$100が比例配分されます。残りのロット基準賦課は比例配分されず、製造オーダーにとどまります。したがって、ロットAは$100の貸方になります。
この製造オーダーに対する新しい賦課の会計は、次のようになります。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
WIP原価集計勘定 | XX | |
ボーナス 勘定(ユーザー指定) | XX |
更新後のロットも、発生した追加賦課に基づいて工程歩留による追加原価の借方に記入されます。
会計仕訳は、次のようになります。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
WIP原価集計の見積廃棄勘定 | XX | |
ボーナス 勘定(ユーザー指定) | XX |
キュー工程内ステップで更新工順または更新組立の取引を実行するとき、現在の工程に手動生産資源と間接費がある場合、または構成部品をプッシュする場合、賦課は手動で戻す必要があります。
ロット基準製造オーダーの取引はすべて、WIPロット取引も含め、原価マネージャによって原価計算されます。原価計算は、発生する順で行われます。いずれかの取引について原価計算が失敗した場合、ロット基準製造オーダーのそれ以降の取引は、エラーを修正するまですべて保留されます。
WIPロット取引の原価を正しく計画するには、取引を連続して原価計算することが不可欠です。原価マネージャは、取引の発生日に基づいてすべての取引を連続的に原価計算します。ただし、MESを経由して以前の日付の取引をインポートする場合は、製造オーダーのその日付より後のWIPロット取引の原価がすでに計算されている可能性があります。WIPロット取引は、それより後の取引から遡って処理されません。
これが問題になる場合には、期限日機能を使用し、製造オーダー上で該当するすべての取引がインポートされるまで原価マネージャを停止できます。期限日を設定すると、任意の日付範囲を処理できるようになります。そのため、すべての取引を正しい順番で処理できます。参照: Oracle Cost Management User's Guide、原価マネージャに関する項。
「WIP価額要約」ウィンドウを使用すると、製造オーダーに関連する取引の原価が計算されている場合、原価要素を表示できます。発生した見積廃棄原価とリリースされた見積廃棄原価が、「工程歩留」タブに表示されます。また、ドリルダウンして、WIP価額の詳細な会計内訳を見ることもできます。
仕掛レポートでは、5つの原価要素(資材、資材間接費、生産資源、間接費、外注加工)に加えて、発生した見積廃棄、リリースされた見積廃棄、およびロット基準製造オーダーの廃棄差異の計算を表示できます。参照: Oracle Work In Process User's Guide、ショップ型製造オーダー価額レポートに関する項。
これらの原価を作業指示別に分析でき、ショップ型製造オーダー価額レポートを使用して部門の業績を追跡することもできます。参照: Oracle Work In Process User's Guide、WIP価額レポートに関する項。
製造生産資源、品目、制約タイプ、およびOracle Advanced Supply Chain Planningの詳細は、Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザー・ガイドを参照してください。
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