Oracle Projects基礎 リリース12 E06005-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
資源とは、プロジェクト作業の計画、追跡、完了および会計処理に必要な労務、サービス、資材、機材などの項目です。Oracle Projectsでは、次の内容を実行するために資源を定義して利用できます。
作業の計画
プロジェクトのスタッフ配置
予算と予測の見積
タスク、懸案および変更要求の割当
プロジェクト原価の追跡とレポートおよび収益の分類
予定の割当およびプロジェクト進捗状況の監視
従業員および派遣就業者を含むプロジェクトへの労務費と経費の賦課
この章では次のトピックを説明します。
Oracle Projectsでは、様々な種類の資源、資源タイプ、計画資源、資源リストおよび計画資源リストがサポートされています。資源は、プロジェクトを正常に完了するために不可欠な個人、機材またはその他の項目です。
個人資源を使用すると、プロジェクトの完了に必要な作業とコラボレーションを計画、管理および制御できます。個人資源は、プロジェクト・チームの構築に使用します。Oracle Projectsでは、次のタイプの個人資源がサポートされています。
従業員: 採用企業によって採用された個人
派遣就業者: 採用企業と契約が結ばれた個人
外部チーム・メンバー: 顧客またはパートナ組織の個人担当者または従業員
次の表に、Oracle Projectsにおける一般的な活動と、それぞれのタイプの個人資源は各活動を実行できるか、または各活動に組み込むことができるかを示します。
活動 | 従業員 | 派遣 就業者 | 外部チーム・ メンバー |
---|---|---|---|
プロジェクトに予定 | Yes | Yes | No |
タスクの割当 | Yes | Yes | No |
タスク・マネージャとして機能 | Yes | Yes | No |
作業計画の作成、表示および更新 | Yes | Yes | No |
資源として予算編成 | Yes | Yes | No |
処理(懸案/変更要求と変更オーダー)の作成、割当および更新 | Yes | Yes | Yes |
処理(懸案/変更要求と変更オーダー)の担当者として機能 | Yes | Yes | Yes |
ステータス・レポートの作成、更新、表示および公開 | Yes | Yes | Yes |
資源検索での表示 | Yes | Yes | No |
企業全体の資源可用性の追跡 | Yes | No | No |
Oracle Projectsでは、従業員の情報をOracle Human Resourcesから取得します。Oracle Human Resourcesとの統合には、次の内容が含まれます。
ビジネス・グループ定義。プロジェクト間接費計算階層の指定が含まれます。
役職定義。
組織、組織階層および組織タイプと定義。
従業員と従業員割当の入力と照会。これには、従業員割当に関する一定期間有効な割当、および管理者や請求職位の指定(Oracle Projectsで使用)が含まれます。
詳細は、『Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。
派遣就業者は、企業に勤務する非従業員の個人資源であり、企業はその原価と費用に責任を負います。従業員と同様に、Oracle Projectsでは、派遣就業者の情報をOracle Human Resourcesから取得します。
Oracle Projectsでは、派遣就業者を従業員と同じ稼働能力と同じ方法でプロジェクトに定義して利用できます。派遣就業者候補の要件を定義して検索を実行したり、派遣就業者をプロジェクトおよびタスクに直接割り当てることができます。
派遣就業者は、事前承認済バッチまたはOracle Time and Laborを介してタイムカードを入力できます。必要に応じて、派遣就業者サービスを調達するために作成した発注に定義されているレートに基づいて派遣就業者の労務費を計算するように、Oracle Projectsを設定できます。
注意: 発注で規定された原価レートに基づいて派遣就業者の労務費を計算するには、「発注統合による派遣就業者タイムカードのインポート」実装オプションを有効にする必要があります。
派遣就業者経費の処理を容易にするために、必要に応じて、派遣就業者が直接Oracle Internet Expensesに、またはMicrosoft Excelの費用入力およびOracle Projectsの事前承認済バッチを介して各自の経費を入力することを許可できます。また、派遣就業者サービスを提供する企業にこれらの経費原価を請求するように要求し、その経費請求書をOracle Payablesで処理できます。
派遣就業者の労務費および経費原価を従業員原価と区別するために、派遣就業者の原価を別個に会計処理するように自動会計ルールを定義できます。他のプロジェクト原価と同様に、派遣就業者の労務費および経費原価の詳細は、支出照会、プロジェクト・ステータス照会、プロジェクト実績レポートを介して、およびDiscovererワークブックで表示できます。
外部チーム・メンバーは、顧客またはパートナ組織の担当者または従業員です。この個人には、プロジェクトに対する割当済ロールがある場合や、出資者または関係者の場合もあります。外部チーム・メンバーの時間または原価は追跡できません。
Fremont Corporationは、Business Worldのプロジェクトを展開しています。Business WorldのJohn Smithはこの統合タスクの一部を支援します。Fremont Corporationは、John Smithのプロジェクト・ロールを技術コンサルタントとして定義します。John Smithはこのプロジェクトの外部チーム・メンバーとみなされ、John Smithの時間と原価はBusiness Worldが追跡します。
外部チーム・メンバーは、プロジェクト・チームの一部とみなされます。外部チーム・メンバーをプロジェクトに追加するには、プロジェクトの顧客またはパートナ組織を最初に入力する必要があります。
Oracle Projectsは、外部チーム・メンバーをOracle Trading Community Architecture(TCA)から取得します。Oracle Trading Community Architectureは、取引コミュニティに属しているパーティや顧客について、組織、事業所および相互の階層型関連のネットワークなどの複合情報を管理できるようにするデータ・モデルです。
雇用または契約がまだ開始していない従業員および派遣就業者を入力できます。先日付担当者は、システム日付よりも後に雇用が開始します。
先日付担当者は、次の領域で使用できます。
機能領域 | 使用と制限 |
---|---|
プロジェクト設定 | 先日付担当者をチーム・メンバーとして定義し、レート上書きや取引管理などの関連設定情報を定義できます。ただし、このような定義の開始日は、その個人の開始日以降である必要があります。 |
原価計算および請求 | 先日付担当者の実際のプロジェクト取引を入力できるのは、先日付担当者が有効になった後のみです。先日付支出バッチには、取引日現在で有効な担当者を入力できます。 |
基本契約 | 先日付の個人を基本契約の管理者として割り当てることができます。 |
稼働状況 | 先日付の個人に関する予定資源および組織稼働状況は、その個人が有効となる期間について表示できます。 |
権限とアクセス | 先日付の個人への職責の割当または組織権限の付与ができるのは、その個人の開始日以降のみです。 |
スタッフ | 先日付担当者をプロジェクトの予定メンバーとして割り当て、候補として追加して検索できるのも、その個人の開始日以降のみです。 |
Oracle Project Resource Managementでは、先日付の個人には、配属される組織のデフォルト・カレンダが割り当てられます。このカレンダによって、その個人の予定、稼働能力および可用性の基準が提供されます。個人のカレンダは、その個人が有効になるまで変更できません。したがって、先日付担当者は、それぞれの開始日以前は「カレンダ割当資源」ウィンドウに表示されません。
関連項目
『Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド』の発注統合による派遣就業者タイムカードのインポートに関する項
『Oracle Trading Community Architecture User Guide』
個人資源以外に、プロジェクトを完了するために他のタイプの資源を使用できます。次の表に、Oracle Projectsでサポートされている資源タイプとその説明および定義されている製品を示します。
資源タイプ | 説明 | 定義製品 |
---|---|---|
指定個人 | 組織のサービスを実行する従業員または派遣就業者(John Smithなど)。 | Oracle Human Resources |
役職 | 従業員に割り当てることができる職務のセット。各指定個人に役職(プリンシパル・コンサルタントなど)が割り当てられます。 | Oracle Human Resources |
組織 | 会社内の部署、グループ、コスト・センターまたはその他の組織単位。 | Oracle Human Resources |
支出タイプ | 各支出項目に割り当てる原価の実装定義分類。 | Oracle Projects |
支出カテゴリ | 原価タイプ別の支出タイプの実装定義グループ。 | Oracle Projects |
収益カテゴリ | 収益タイプ別の支出タイプの実装定義グループ。 | Oracle Projects |
イベント・タイプ | イベントの収益および請求書効果を決定するイベントの実装定義分類。 | Oracle Projects |
仕入先 | 支払の見返りに商品またはサービス(あるいはその両方)を供給する事業団体または個人。 | Oracle Payables |
関連項目
資源リストは資源のグループです。プロジェクトの原価と収益の予算を効果的に立て、資源の使用を追跡し、相互プロジェクト・レポートを表示するには、この資源リストをプロジェクトに添付します。Oracle Projectsでは、資源の実績原価と取引約定を要約し、関連する資源リストに基づいてプロジェクトの金額を積み上げます。
Oracle Projectsでは、すべてのプロジェクトに少なくとも1つの資源リストの割当が必要です。これは、予算または予測がプロジェクトに作成されていない場合に、「プロジェクト・ステータス」ウィンドウおよびプロジェクト・ステータス・レポートで実績情報を表示できるようにするためです。
柔軟性および細分性を高める場合は、「計画資源」を使用できます。
プロジェクトに対して予算の基本編成を作成すると、Oracle Projectsでは、予算に使用する資源リストがプロジェクトに自動的に割り当てられます。これによって、予算計画および予測で使用した資源を使用して、予算に対する実績を簡単にレポートできます。
「プロジェクト・ステータス照会」フォームまたはカスタマイズしたレポートに集計実績を表示する場合に使用する、追加資源リストを割り当てることができます。追加資源リスト割当を定義する場合、次の値を入力する必要があります。
資源リスト: 有効な資源リストを自由に選択できます。
使用: Oracle Projectsでは、特定の予算タイプまたはステータス・レポート作成に資源リストが使用されているかどうかが追跡されます。ステータス・レポート作成は、新規資源リスト割当を入力する場合のみ、選択できます。
ドリルダウン デフォルト: このチェック・ボックスは、「プロジェクト・ステータス」ウィンドウでドリルダウンして資源ステータスを表示するときに使用する、デフォルトの資源リストを指定するために使用します。必要に応じて、「プロジェクト・ステータス照会」フォームで資源ステータスの検討に使用する資源リストは、変更できます。ただし、その変更は現行のセッションのみで有効になります。
資源リストをプロジェクトに割り当てる手順は、次のとおりです。
「プロジェクト」フォームにナビゲートします。
資源リストを割り当てる対象のプロジェクトを検索します。
「プロジェクト」ウィンドウで、「資源リスト割当」オプションを選択します。
「資源リスト割当」ウィンドウに、資源リストを入力し、その資源リストが「プロジェクト・ステータス照会」のドリルダウン・デフォルトかどうかを定義します。
作業内容を保存します。
関連項目
『Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド』の資源リストに関する項
計画資源リストは、プロジェクトの原価と従事を計画するために使用します。資源ニーズは、組織や仕入先をプロジェクトに含める必要を示すために、上位レベルで定義できます。資源ニーズは、詳細な形式で定義することもできます。たとえば、特定のチーム・ロール、特定の個人または特定の財務要素を指定します。計画資源は、計画資源リストのコンテキストで定義します。
計画資源は、次のいずれかの形式で表示できます。
指定した個人(Amy Marlin)などの単一の識別された資源、またはラップトップなどの特定の機器または非労務資源
識別された資源と特定の属性の組合せ(Consulting EastのAmy Marlin)
特定組織のチーム・ロール(建築家 - US東海岸地域やDBA - Chicago本社)などの資源関連属性の組合せ、または財務カテゴリの特定費用(航空運賃 - 従業員経費)
「資源タイプ」トピックで説明されている資源タイプに関して、計画資源リストのコンテキストで使用できるのは特定の資源タイプのみです。次の表に、これらの資源タイプとその説明および定義されている製品を示します。
資源タイプ | 説明 | 定義製品 |
---|---|---|
個人タイプ | 従業員と派遣就業者を区別します。たとえば、プロジェクトに100時間の個人従事が必要で、資源は80時間のみであるとします。このプロジェクトには、従業員時間の80時間と派遣就業者時間の20時間を計画できます。 | Oracle Human Resources |
チーム・ロール | 要件に割り当てられる実績資源のプレースホルダ。 | Oracle Projects |
プロジェクト非労務資源 | 実装定義の資産または資産のプール。たとえば、PCなどの名称で非労務資源を定義することによって、ビジネスが所有する複数の個人用コンピュータを表すことができます。 | Oracle Projects |
在庫品目 | 購入または製造できる品目。品目の消費に関連する原価については予算を計上して追跡できます。 | Oracle Inventory |
品目カテゴリ | 材料の総消費を追跡するために使用する類似在庫品目の集合。 | Oracle Inventory |
BOM労務費 | Oracle Manufacturingの部品構成表(BOM)モジュールで定義された労務資源。役職(溶接工など)に関連付けられます。 | Oracle Manufacturing |
BOM機材 | Oracle Manufacturingの部品構成表(BOM)モジュールで定義された機材(旋盤など)。 | Oracle Manufacturing |
資源区分 | 個人、機材、資材品目および財務要素への資源の分類。 | Oracle Projects |
計画資源リストは、計画資源書式と計画資源の組合せです。次の表に、計画資源リストの例を示します。
計画資源書式 | 計画資源 |
---|---|
指定個人 - 財務カテゴリ - 組織 | James Robinson - 直接労務費 - Vision Health System |
役職 - 組織 | コンサルタント - Atlanta Manufacturing |
個人タイプ | 派遣就業者 |
チーム・ロール | 会計主任 |
実装チームは、計画資源リストの次のタイプを定義できます。
プロジェクト固有: 指定したプロジェクトについて、計画資源を追加または削除できる計画資源リスト。プロジェクト固有の計画資源リストに対する計画資源書式は集中して保守されますが、計画資源はプロジェクト固有です。
集中管理プロジェクト内では変更できない計画資源リスト。このタイプの計画資源リストは企業で保守され、企業内のプロジェクトが作業を計画し、原価を予算計上するために使用します。
財務計画は、プロジェクトの作業計画、別の財務計画または実績取引をコピーすることで作成できます。実績金額と計画資源の照合は、次の方法で実行できます。
ソース計画資源とターゲット計画資源との照合
作業計画または別の財務計画をコピーして財務計画または予算を作成すると、ソース内の各計画取引が、ターゲット作業計画または財務計画で使用される計画資源リストの計画資源に割り当てられます。ターゲット資源の決定方法は、計画資源の優先ルールによって決まります。
照合する計画資源の決定には、ソース取引属性を使用します。
実績と計画資源との照合
同様に、取引がプロジェクトに賦課されると、各実績取引が、計画資源優先ルールに基づいて、ターゲット作業計画または財務計画で使用される計画資源リストの計画資源に割り当てられます。
照合する計画資源がない場合、Oracle Projectsでは、計画資源の優先ルールに基づいて、実績取引に最も近い計画資源に対する未計画取引が作成されます。
計画資源の優先ルールは、計画取引または実績とターゲット計画資源リストを照合するために使用されます。次の表に、照合資源書式をターゲット計画資源リストで検索するために使用する、優先階層を示します。
注意: 小さい値の優先番号が高い優先度を示します。例では、資源要素/発生元資源が最も優先されます。
資源書式要素 | 優先 |
---|---|
資源要素/発生元資源 | 1 |
チーム・ロール | 2 |
財務カテゴリ | 3 |
組織 | 4 |
仕入先 | 5 |
次の表に、資源書式を決定した後、照合する資源タイプをターゲット計画資源リストで検索するために使用する階層を示します。
資源タイプ | 優先 |
---|---|
指定個人 | 1 |
BOM労務費 | 2 |
プロジェクト非労務 | 3 |
BOM機材 | 4 |
在庫品目 | 5 |
役職 | 6 |
品目カテゴリ | 7 |
個人タイプ | 8 |
資源区分 | 9 |
次の表に、2つの計画資源が含まれる計画資源リストの例を示します。
計画資源 | 説明 |
---|---|
計画資源A | 指定個人 - 財務カテゴリ - 組織(Amy Marlin - 専門職 - Consulting East) |
計画資源B | 役職 - 組織(主任コンサルタント - Consulting East) |
Consulting East組織で主任コンサルタントであるAmy Marlinが(専門職の支出タイプで)タイムカードを入力すると、その原価は計画資源Aに関連付けられます。これは、属性が共有され、「指定個人」属性の優先度が役職より高いためです。
実績金額は、次のルールを使用して計画資源と照合されます。
集中管理の計画資源リストの場合
ソース取引の資源区分が決定されます。
資源区分のターゲット計画資源リストで最も小さい優先番号の照合資源書式が決定されます。
優先番号が最も小さい書式内にある計画資源が決定されます。指定した書式に計画資源が存在しない場合は、次の優先番号を使用して、手順2が繰り返されます。
プロジェクト固有の計画資源リストの場合
ソース取引の資源区分が決定されます。
資源区分のターゲット計画資源リストで最も小さい優先番号の照合資源書式が決定されます。
計画資源が存在しない場合は、新規の計画資源が作成されます。
計画資源リストは、作業計画、財務計画またはその両方に割り当てます。財務計画には、任意の計画資源リストを割り当てることができます。ただし、作業計画に計画資源リストを割り当てるには、「計画資源リスト」ページで「作業計画に対して使用可能」チェック・ボックスを選択する必要があります。
計画資源リストを作業計画または財務計画に割り当てる手順は、次のとおりです。
計画資源リストを関連付けるプロジェクトを選択し、「作業計画」ページまたは「財務設定」ページにナビゲートします。
「計画設定」を選択して計画資源リストを表示します。
作業計画の「設定」セクションから計画資源リストを選択して適用します。
作業計画または財務計画でプロジェクト固有の計画資源リストを使用する場合は、プロジェクト内の計画資源を追加または削除できます。ただし、変更はそのプロジェクトに限定され、実装レベルで定義された計画資源リストに影響を与えることはありません。
計画資源を追加する場合は、資源区分と計画資源書式の両方を選択します。資源区分は、資源の上位レベル・カテゴリです。計画資源書式によって、プロジェクトで計画する資源の細分性レベルが決まります。次の表に、資源区分を示します。
資源区分 | 説明 |
---|---|
個人 | 個人資源は、指定した個人または指定した個人のグループを役職、組織またはロールなどの属性で表し、その時間(従事)許容量は、プロジェクトの作業を完了するために消費されます。例: Amy Marlin |
機材 | 機材資源は、機械、機材または施設などの非個人資源です。その時間許容量は、プロジェクトの作業を完了するために消費されます。例: ラップトップ |
資材品目 | 資材品目は、資源許容量ではなく、資源自体を消費してプロジェクトの作業を完了する点が機材資源とは異なります。資材品目は、Oracle E-Business Suiteの在庫、サブアセンブリ、WIP、購入可能品目または完成品として実際に追跡されます。例: WIP |
財務要素 | 財務要素は、プロジェクト内で財務的な価値がある資源です。通常、資源の物理的な識別は、その資源の財務的な価値の追跡に比較して、重要でなく意味がありません。一般的に、財務要素は、会計処理および財務管理を目的した方法で区分された資源の集計です。例: 費用と仕入先原価 |
資源区分によって、事前定義の計画資源書式で使用可能な選択が決まります。計画資源書式は、次の表に示す各属性の組合せです。
属性 | 説明 |
---|---|
資源 | プロジェクトの完了と追跡に使用する個人、機材、施設、資材などの企業オブジェクトのいずれかです。 |
財務カテゴリ | 財務カテゴリは、原価のタイプまたはカテゴリを表します。財務カテゴリには次の資源タイプが含まれます。
|
組織 | 会社内の部署、グループ、コスト・センターまたは他の組織単位などの組織レベルです。 |
仕入先 | 支払対象の商品またはサービス(またはその両方)を供給する事業団体または個人です。 |
チーム・ロール | 特定のプロジェクトの要件です。 |
発生元資源 | 発生元資源は、費用金額が発生している資源を表します。この要素によって、ユーザーは、指定した個人による時間の消費とその同一の個人に対する費用の追跡を区別できます。 |
計画資源リストが作業計画に対して有効な場合、その計画資源リストの計画資源書式では、次の資源タイプを1回のみ使用できます。
指定個人
BOM労務費
BOM機材
プロジェクト非労務資源
在庫品目
関連項目
『Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド』の計画資源リストの定義に関する項
資源分解構造は、プロジェクトに関する計画および実績の原価と収益を資源、資源タイプおよび他の資源の各グループ別に表示する別の方法を提供します。資源分解構造は、資源要素の1つ以上の階層で構成されています。要素は、資源タイプ(役職や組織など)、または資源タイプと特定の資源(主任コンサルタントの役職やAmy Marlinという名前の個人)の組合せです。
「資源タイプ」トピックで説明されている資源タイプに関して、資源分解構造ではロールという別の資源タイプを排他的に使用することもできます。ロールは、実際に割り当てた資源(開発者やプロジェクト・マネージャなど)です。
次の表に、資源分解構造の例を示します。
アウトライン番号 | 資源タイプ | 資源 |
---|---|---|
1 | 組織 | コンサルタント - 東部 |
1.1 | 役職 | 主任コンサルタント |
1.2 | 指定個人 | Amy Marlin |
2 | 支出タイプ | コンピュータ |
2.1 | プロジェクトの非労務資源 | ネットワーク |
2.2 | プロジェクトの非労務資源 | サーバー |
財務計画および作業計画に対する従事と原価の両方の実績金額と計画金額を表示するには、資源分解構造を使用します。資源分解構造では、プロジェクトに関する財務情報と作業情報の集計方法およびレポート方法が定義されます。
たとえば、プロジェクト・タスクに割り当てられたすべての資源の原価インパクトを追跡し、資源分解構造を使用して分解したこれらの原価を表示できます。Oracle Projectsでは、原価を入力すると、タスクで使用する資源の原価が資源分解構造の各レベルに関連付けられます。適切な関連付けを決定する処理は、事前定義の優先ルールによって管理されます。
Oracle Projectsでは、事前定義の優先ルールを使用して、金額を資源分解構造の資源に関連付ける方法を決定します。次の表に、各資源区分の資源タイプに関連付けられた優先レベルを示します。
番号 | 資源タイプ | 個人資源区分 | 機材資源区分 | 資材品目資源区分 | 財務要素資源区分 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 指定個人 | 1 | 1 | 1 | 1 |
2 | BOM労務費 | 2 | 2 | 2 | 2 |
3 | プロジェクト非労務資源 | 3 | 3 | 3 | 3 |
4 | BOM機材 | 4 | 4 | 4 | 4 |
5 | 品目 | 5 | 5 | 5 | 5 |
6 | 役職 | 6 | 6 | 6 | 6 |
7 | ロール | 7 | 7 | 7 | 7 |
8 | 品目カテゴリ | 8 | 8 | 8 | 8 |
9 | 支出タイプ | 9 | 9 | 9 | 9 |
10 | イベント・タイプ | 10 | 10 | 10 | 10 |
11 | 支出カテゴリ | 11 | 11 | 11 | 11 |
12 | 収益カテゴリ | 12 | 12 | 12 | 12 |
13 | 組織 | 13 | 13 | 15 | 15 |
14 | 個人タイプ | 14 | 14 | 14 | 14 |
15 | 仕入先 | 15 | 15 | 13 | 13 |
16 | 資源区分 | 16 | 16 | 16 | 16 |
17 | ユーザー定義資源 | 20 | 20 | 20 | 20 |
Oracle Projectsでは、金額と資源を関連付けるために次のルールを使用します。
取引でマップできる資源分解構造の最も深いレベルを選択します。
取引のマップ先が1レベルのみの場合、金額はこのレベルにマップされます。
取引のマップ先が2レベル以上ある場合、Oracle Projectsでは、最も高い積上優先値を持つ要素が選択されます。この優先値は、階層ブランチにあるすべての資源タイプの優先値を合計して計算されます。
あるレベルで優先が同じ場合、Oracle Projectsでは1つ上のレベルの優先が使用されます。
同じ優先値まで積み上げるブランチの場合
最下位レベルの、より高い優先値のブランチを選択します(次の例2を参照)。
あるブランチが「ユーザー定義」資源タイプを使用している場合は、他のブランチの、より高い優先を指定します。
次の表に、資源分解構造の例を示します。
アウトライン番号 | 資源タイプ | 資源 |
---|---|---|
1 | 組織 | コンサルタント - 東部 |
1.1 | 役職 | 主任コンサルタント |
1.2 | 指定個人 | Amy Marlin |
Amy Marlinの労務費は、事前定義の優先ルールに基づいて追跡できます。前述の構造では、労務費がレベル1.2 - 指定個人 - Amy Marlinに関連付けられます。
資源分解構造階層で、優先が特定レベルの同じ番号まで積み上がる場合、金額は最も高い優先値の資源に関連付けられます。
次の表では、優先レベルがレベル1とレベル2の両方について20まで積み上がります。タイムカードの場合、原価はレベル1.1 - 役職にマップされます。これは、個人資源区分では、資源タイプの役職(6)が資源タイプの支出タイプ(9)より優先順位が高いためです。
アウトライン番号 | 資源タイプ | 資源 | 優先レベル |
---|---|---|---|
1 | 個人タイプ | 従業員 | 14 |
1.1 | 役職 | 主任コンサルタント | 6 |
2 | 支出カテゴリ | 費用 | 11 |
2.1 | 支出タイプ | 旅費 | 9 |
資源分解構造は、プロジェクトの作業計画および財務計画に関連付けることができます。同じ資源分解構造を使用することも、別の構造を適用することもできます。作業計画に適用された構造では、タスク割当に対する分解された原価と従事が提供されます。財務計画に適用された構造では、予算と原価に基づいてプロジェクト・データを様々なビューで提供します。プロジェクトに他の資源分解構造を追加し、「レポート」タブでプロジェクト・データの代替表示を提供することもできます。
注意: 新規プロジェクトを作成するためにプロジェクトをコピーすると、資源分解構造の関連付けもコピーされます。
作業計画または財務計画に資源分解構造を添付する手順は、次のとおりです。
資源分解構造を関連付けるプロジェクトを選択します。
次のナビゲータ・パスのいずれかを使用して、資源分解構造を作業計画、財務計画またはプロジェクト全体に関連付けます。
「作業計画」>「設定」>「計画設定」
「財務」>「設定」>「計画設定」
「プロジェクト」>「設定」>「資源分解構造」
資源分解構造を選択して適用します。
関連項目
『Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド』の資源分解構造に関する項
『Oracle Project Managementユーザー・ガイド』のプロジェクト実績レポートに関する項