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Oracle Projects基礎
リリース12
E06005-01
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稼働状況

この章では、Oracle Projectsの稼働状況機能について説明します。

この章では次のトピックを説明します。

稼働状況

稼働状況は、資源の許容量に対して実績時間または予定時間を追跡するプロセスです。資源の実績稼働状況を追跡するために資源の予定を作成する必要はありません。そのため、予定資源と未割当資源の両方について実績稼働状況を追跡できます。

Oracle Project CostingとOracle Project Resource Managementの稼働状況機能を使用すると、資源の実績稼働状況と予定稼働状況に関するレポートを生成できます。Oracle Project Costingを使用すると、タイムカードの実績時間に基づいて、資源の実績資源稼働状況をレポートできます。Oracle Project Resource Managementを使用すると、プロジェクトに対する将来の資源割当に基づいて、予定稼働状況をレポートできます。

Oracle Projectsは、稼働状況を3つの異なるビューでレポートすることで、次の3つの主要ロールのレポート・ニーズをサポートしています。

Oracle Projectsでは、稼働状況はOracle Discovererワークブック、「資源詳細」ページおよびOracle Daily Business Intelligence for Projectsの各レポートを介してレポートされます。詳細は、「稼働状況レポート」を参照してください。

注意: 稼働状況機能を使用するには、Oracle Daily Business Intelligence for Projectsを実装する必要があります。また、Oracle Daily Business Intelligence for Projectsのコンカレント・プログラムも実行する必要があります。資源の稼働状況および可用性データは、これらのコンカレント・プログラムにより要約されます。資源データの要約と、Oracle Projectsの取引データに基づく稼働状況および可用性レポートの表示の詳細は、『Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。

組織および資源マネージャ別の稼働状況情報にアクセスするには、Oracle Discovererを実装する必要があります。Oracle Discovererの実装の詳細は、『Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。

稼働状況期間

次の1つ以上の期間について稼働状況をレポートできます。様々な期間の稼働状況を表示するには、稼働状況および可用性レポートを有効化し、「Project Intelligence設定」ページで期間を有効化する必要があります。

作業タイプおよび稼働状況カテゴリ

稼働状況カテゴリは、レポート目的で使用する作業タイプのグループです。作業タイプは複数の稼働状況カテゴリにまとめられ、資源と組織に対して異なる加重比率を使用できます。稼働状況カテゴリの使用方法を、例を使用して説明します。次の例では、資源が請求不可の保証作業を実行したとします。この保証作業を稼働状況レポートに反映させる際に、この作業を収益生成の稼働状況に含めず、しかも、資源の稼働状況の数値を低下させない方法を説明します。

資源は、既存のプロジェクトでは再処理(保証)作業に割り当てられています。企業(プロジェクト組織)は、この追加作業が実行されても収益は得られません。割当では「保証」という作業タイプが割り当てられ、資源が入力するタイムカード入力は自動的に分類されます。

プロジェクト組織が、この再処理作業を対価を受け取れる資源の稼働とみなすのは適当ではありません。みなした場合には、稼働状況レポートに、組織の資源が収益生成のために実際に稼働した合計時間数として、誤った数値が表示されます。「保証」作業タイプの組織稼働状況率を0%に設定すると、収益を生成しない資源時間が組織稼働状況から除外できます。

ただし、会社は、保証関連の作業によって、資源の個人稼働状況率に負の影響がないことを望んでいます。このために、「保証」作業タイプの資源稼働状況率の加重を100%に設定します。これによって、資源は実行した作業の対価を受け取ることができます。

稼働状況ビュー

稼働状況ビューによって、資源時間は、2つの異なる稼働状況レポート・カテゴリ・グループにまとめられます。このカテゴリ・グループは、次の2つの稼働状況ビューを作成するために使用されます。

資源稼働状況ビュー: このビューでは、資源稼働状況カテゴリ別に実績稼働状況時間数が要約されます。資源稼働状況率は、加重された資源稼働状況カテゴリ時間数を、稼働状況の指定の計算方法で除算して計算されます。このビューは、資源マネージャ・レポートと資源の個人稼働状況レポートで使用されます。

組織稼働状況ビュー: このビューでは、組織稼働状況カテゴリ別に実績時間数が要約されます。組織稼働状況率は、加重された組織稼働状況カテゴリ時間数を、稼働状況の指定の計算方法で除算して計算されます。このビューは、組織稼働状況レポートで使用されます。

これらの稼働状況ビューによって、資源とその組織が実行した作業、または実行する予定の作業が異なる方法で別個の管理的な視点で要約されます。

稼働状況計算

稼働状況計算方法によって、稼働状況率の算出方法が決まります。計算方法は、許容量によるものまたは合計作業時間によるものの内いずれかを選択できます。選択した計算方法によって、稼働状況率計算の分母が決まります。

許容量計算方法: 許容量計算方法では、資源の正味許容量を稼働状況率計算の分母として使用します。正味許容量時間数は、資源のカレンダから導出された許容量時間数合計から、「許容量の低減」フラグが有効な作業タイプが設定されている作業時間または予定時間の合計を差し引いた時間数です。

実績稼働状況%では実績許容量を、予定稼働状況率では予定許容量を使用します。

合計作業時間計算方法: 合計作業時間計算方法では、タイムカードに記録された時間の合計数を稼働状況率計算の分母として使用します。

次の表では、2つの計算方法を使用する各稼働状況ビューに対する稼働状況率の計算方法について説明します。

稼働状況ビュー分子(A)分母(B)稼働率(A/B * 100)
資源資源稼働状況カテゴリのパーセントで加重後の全時間数の合計正味許容時間数または合計作業時間数資源ビューのパーセント
組織組織稼働状況カテゴリのパーセントで加重後の全時間数の合計正味許容時間数または合計作業時間数組織ビューのパーセント

稼働状況レポート

稼働状況レポートを使用すると、資源稼働状況合計を様々な組織レベルで表示できます。

Oracle Project Costingの「稼働状況レポート」機能を使用すると、次の組織ロールに関する資源稼働状況の合計を表示できます。

1つ以上の期間の稼働状況合計を表示できます。詳細は、「稼働状況期間」を参照してください。

次のOracle Discovererワークブックに稼働状況の合計とトレンドを表示できます。

組織マネージャは、Oracle Daily Business Intelligence for Projectsのレポートに稼働状況合計、稼働状況トレンドおよび資源可用性を表示できます。組織内のプロジェクト間で資源管理レポートを表示する方法の詳細は、『Oracle Daily Business Intelligenceユーザー・ガイド』を参照してください。

個々の資源は、「資源詳細」ページの「稼働状況」タブを使用して次の個人稼働状況詳細を表示できます。

「資源詳細: 稼働状況」ページの検討

この稼働状況ページには、個別の稼働状況合計が表示されます。QTDおよびYTD合計に加えて、指定した期間の全合計も表示できます。また、ドリルダウンして、稼働状況カテゴリ別に合計を表示することもできます。このページに表示される合計の計算方法は、次のように定義されています。

実績稼働状況

この項では、Oracle Projectsによる実績稼働状況合計の計算方法を説明します。

実績許容量時間数: 資源許容量時間合計(カレンダから導出)から、許容量が低減された作業タイプを持つ割当時間(未割当時間など)を差し引いた時間数。稼働状況合計は、資源稼働状況カテゴリの加重比率に基づいて計算されます。

資源稼働状況計算方法(合計作業時間または許容量)は、プロファイル・オプション「PA: 資源稼働状況計算方法」で定義されます。期間タイプは、プロファイル・オプション「PA: 資源稼働状況期間タイプ」で指定されます。

低減された許容量時間は、「許容量の低減」フラグが有効な作業タイプが設定されているタイムカードから集計されます。

実績作業時間数: 実際のタイムカードから取得された、資源の作業時間の合計。表示される実績作業時間数は、加重されていない通常の時間数です。

実績稼働状況 %:資源の加重時間数を、プロファイル・オプション「PA: 資源稼働状況デフォルト計算方法」の値に応じ実績許容量または作業実績に対する率として表したもの。

予定稼働状況

この項では、Oracle Projectsによる予定稼働状況合計の計算方法を説明します。

予定許容量時間数: カレンダ時間数合計から、「許容量の低減」フラグが有効な作業タイプが設定されている割当時間数を差し引いた数。

予定確認済時間数: ステータスが「確認済」の予定割当時間数。予定確認済時間数は、加重されていない通常の時間数です。

予定稼働状況 %:資源の確認済加重時間数を、プロファイル・オプションに基づいて実績許容量または作業実績に対する率として表したもの。

予定暫定時間数: 資源の予定時間の合計。これは、ステータスが「暫定」の資源について、すべての予定時間を合計して計算されます。予定暫定時間数は、加重されていない通常の時間数です。

稼働状況合計の調整

組織マネージャは、組織全体で資源稼働状況とその懸案を追跡します。資源マネージャは自分が管理する資源の稼働状況を追跡しますが、マネージャ自身は他の組織に属していてもかまいません。その結果、資源マネージャと組織マネージャでは、参照する稼働状況合計が異なる場合があります。資源マネージャと組織マネージャの間では、次の理由から稼働状況合計が一致しないことが考えられます。

このような場合、組織マネージャは「資源詳細: 稼働状況」ページで「組織別稼働状況ワークブック」のドリルダウン機能を使用して、資源について報告された稼働状況詳細を消し込むことができます。同様に、資源マネージャは「資源詳細: 稼働状況」ページを使用して、「資源マネージャ別稼働状況ワークブック」で資源について報告された稼働状況情報を比較できます。マネージャが稼働状況合計を消し込むには、ワークブックの「期間タイプ」、「稼働状況計算方法」および「比率の表示単位」パラメータに使用するのと同じデフォルト・プロファイル値を、「資源詳細: 稼働状況」ページで選択する必要があります。