Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザーズ・ガイド リリース12 E06012-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
Oracle ASCPには、変更をシミュレーションして、変化する条件に対応できるように、シミュレーション計画機能が用意されています。計画入力とパラメータを変更してシミュレーションを実行し、新規のシミュレーション済の計画を再実行できます。このシミュレーション済の計画を新規計画として保存し、元の(ベースライン)計画と比較します。計画のコピーとバージョン設定、例外の保存と比較、および変更のビジュアル表示ができます。
資材および生産資源能力の変更を同時にシミュレーションすることができます。さらに、計画オーダーの変更による影響もシミュレーションできます。
品目の供給の変化をシミュレーションするには、新規の仕入先生産能力を追加し、指定したタイム・フレームにおける仕入先生産能力を調整(たとえば、日次生産能力を100単位から200単位に変更)します。
新規生産資源可用性を追加し、ユーザー定義のタイム・フレームにおける生産資源の使用可能量を変更できます。生産資源制約には、使用可能マシン時間数、使用可能労働時間数、シフトの追加または削除が含まれます。
Oracle Enterprise Asset Managementでは、装置生産資源のシャットダウンを場合に応じて規定する保守活動が計画され、その保守作業指示が作成されます。このようなシャットダウンをOracle Advanced Supply Chain Planningで計画するには、Oracle Enterprise Asset Managementの「生産機材保守停止時間のロード」コンカレント・プロセスを実行します。
この処理を実行すると、停止時間は、時間の縮小という生産能力の変更として記録され、シミュレーション・セットが作成されます。このシミュレーション・セットに使用する組織、部門、生産資源は制限できます。
「24時間使用可能」が選択されている生産資源には、生産能力の変更は作成されません。
生産能力の変更エントリは編集できませんが、追加のシミュレーション・セット・エントリは作成できます。
詳細は、『Oracle Enterprise Asset Management User's Guide』を参照してください。
供給変更をシミュレーションするために、次の変更ができます。
新規計画オーダーの追加
計画オーダー、ショップ型製造オーダーおよび発注の確定
数量、日付、ソースおよび代替の変更
すべての需要の需要優先度を変更できます。Oracle ASCPでは、需要優先度の変更に対処するために既存の計画が変更されます。需要変更をシミュレーションするには、独立需要(MDS入力)の数量と納期を変更します。新規の手動MDSを追加することもできます。
「プランナ・ワークベンチ」を使用すると、特定のオーダー、仕入先生産能力および生産資源生産能力に対する変更をシミュレーションし、評価できます。需要と供給の追加のシミュレーションも可能です。ネット・チェンジ再計画シミュレーションは、強力なWhat-if分析機能であり、「プランナ・ワークベンチ」で変更した品目のみを計画して資材計画を更新できます。再計画処理は、元の計画処理中に収集されたスナップショット・データと、「プランナ・ワークベンチ」で行った変更に基づいています。Oracle Inventoryでの受入れなど、他の取引は、再計画処理では考慮されません。ネット・チェンジ再計画により推奨された変更を実施することもできます。
ネット・チェンジ再計画では、基本編成計画に比べて変更のあった計画出力のみが生成されます。これにより、計画に軽微な変更が加えられている場合に、計画を短時間で評価できます。
バッチ・モードでは、変更を加えて再計画するとき、データベースと直接やりとりできます。再計画を頻繁に行うとシステム・リソースに余分な負荷がかかることがありますが、バッチ・モードではシミュレーションの実行中に他のユーザーが計画にアクセスできます。
バッチ・モードが特に役立つのは、単一の再計画サイクルを完了する必要がある場合です。
オンライン・プランナでは、データベース通信量を増大させずに、需要および供給レコードに対する手動変更をシミュレーションして再計画できます。オンライン・セッションを開始すると、すべての計画データがメモリーにロードされます。データに変更を加えて変更を再計画し、計画の残りの部分への影響を調べることができます。変更はセッション中に処理してリリースできます。また、リリース前に必要な回数だけ変更を加えて再計画できます。
シミュレーション・ツールとしてのオンライン・プランナでは、「プランナ・ワークベンチ」で行った変更による影響を確認できます。実施ツールとしては、不要なデータベース取引を減少し、計画の改訂と実行を高速化します。モニター・ツールとしては、再計画後に例外メッセージのフルセットを生成し、以前のセッションで生成された例外を保存することもできます。これにより、連続的な計画上の意思決定に関して、フィードバックが得られます。
オンライン・プランナが特に役立つのは、単一の計画に関して頻繁にシミュレーションを実行する場合です。オンライン・モードでは、そのためにパフォーマンスが大幅に低下することがありません。
オンライン・プランナには、次のような操作ルールがあります。
他のユーザーがオンライン・シミュレーションを実行中でも、任意の計画を表示できます。
オンライン再計画の進行中は、別のオンライン・プランナ・セッションを開始できず、計画を変更できません。
オンライン再計画の前後には変更を入力できますが、再計画中には入力できません。
オンライン再計画の前に行った変更は、再計画に取り込まれます。
計画の前回のバッチ再処理以降に行われた変更をすべて表示できます。
すべての変更の実施者とタイムスタンプを表示できます。
オンライン・セッション中に行った変更を元に戻すことができます。
ネット・チェンジ再計画によるシミュレーションを実行するには、次の2つのオプションがあります。
バッチ再計画
オンライン再計画
オンライン・プランナまたはバッチ再計画処理は、「プランナ・ワークベンチ」で供給および需要に変更を加えた後に実行します。この変更には、新規の供給および需要の追加、供給日および数量の変更などがあります。これらの処理を実行しないと、特に計画オプション「上書き」を「なし」または「計画タイム・フェンス外」に設定した場合は、次回の完全な再生成に失敗する可能性があります。
注意: バッチ再計画を実行する前に、ベースライン計画を保存して、コピーを作成してください(変更はこのコピーに対して行います)。コピーを作成しないと、ベースライン計画を表示できなくなります。「アンドゥ機能を使用した処理または変更の戻し処理」を参照してください。
「プランナ・ワークベンチ」で計画を選択します。
計画に必要な変更を加えます。
「計画」->「バッチ再計画」を選択し、計画を再実行します。
コンカレント要求IDをメモして「OK」を選択します。
再計画処理の完了を確認します。
計画を再度問い合せて、変更をレビューします。
再計画の結果に問題がある場合は、必要に応じてステップ2から6を繰り返します。
注意: バッチ再計画を実行する前に、ベースライン計画を保存して、コピーを作成してください(変更はこのコピーに対して行います)。コピーを作成しないと、ベースライン計画を表示できなくなります。
「プランナ・ワークベンチ」ウィンドウで計画を選択します。
「計画」->「オンライン・プランナの開始」を選択します。
コンカレント要求IDをメモして「OK」を選択します。
オンライン・プランナでデータをメモリーにロードする間、「オンライン・プランナ・ステータス」ウィンドウが表示されます。このウィンドウにはロードの進捗が表示され、セッションで計画の準備が整ったことを通知します。
「オンライン・プランナ・ステータス」ウィンドウに、セッションの計画準備完了を示すメッセージが表示されたら、ウィンドウを閉じて「プランナ・ワークベンチ」に戻ります。オンライン・プランナ・セッションがアクティブになります。
計画に必要な変更を加えます。
計画を保存します。
「計画」->「オンライン再計画」を選択します。
「計画」->「オンライン・プランナ・ステータス」を選択します。
「オンライン・プランナ・ステータス」ウィンドウが表示されます。
「オンライン・プランナ・ステータス」ウィンドウ
注意: 他のユーザーがオンライン・シミュレーションを実行している計画を表示することができます。ただし、その計画に対する変更や別のシミュレーションの開始は、現行の処理が完了するまでできません。左ペインのツリーには、計画の隣にオンライン・プランナが実行中であることを示すアイコンが表示されます。
注意: オンライン・プランナは、一連のシミュレーションが完了した直後に停止することをお薦めします。複数のオンライン・プランナがアクティブな場合は、本番環境で大量のシステム・リソース(CPU/メモリー)が消費される可能性があります。
「計画」->「オンライン・プランナの停止」を選択します。
「OK」をクリックして選択を確認します。
注意: オンライン・プランナは、すべてのシミュレーションが完了するまで停止しないでください。
「計画」->「保存処理」を選択します。
ポップアップ・ウィンドウに、保存した処理のバージョン番号が表示されます。後で処理を表示する場合は、このバージョン番号をメモしておきます。
アンデゥ機能を使用すると、オンライン計画での変更を戻し処理できます。次のリストは、この機能の動作を詳細に説明しています。
元に戻すレコードにさらに変更が加えられていないかぎり、変更は任意の順序で元に戻すことができます。
変更は、計画がバッチ・モードで再実行されるまで、元に戻すことができます。
アンドゥ要約を使用すると、オンライン計画変更を表示できます。
計画の最後のバッチ再実行以降に行われたすべての変更を表示できます。すべての変更について、ユーザーとタイムスタンプを表示できます。
プランナ・ワークベンチに入るとすぐに、オンライン・プランナが実行中であるか、またはそれが実行されたことを知ることができます。
セーブポイント/ブックマークを作成して、そのセーブポイントまでの変更すべてを元に戻すことができます。ブックマーク名は固有である必要はありません。
リリースを元に戻すことはできません。
実装プロパティに行われた変更は元に戻すことができません。
「計画」->「アンドゥ要約」を選択します。
「アンドゥ要約」ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、最後のバッチ再計画以降に計画に対して行われたすべての処理および変更のユーザーとタイムスタンプがリストされます。これには、ユーザー別にソートされたオンライン計画変更が示されます。
「アンドゥ要約」ウィンドウ
「アンドゥ要約」ウィンドウで処理を選択します。
「詳細」をクリックします。
「アンドゥ詳細」ウィンドウが表示されます。
「アンドゥ詳細」ウィンドウ
元に戻すレコードが他のユーザーにより変更されていないかぎり、オンライン・プランナで行った処理を任意の順序で元に戻すことができます。
注意: 元に戻すことができるのは、バッチ再計画が実行されてから次に実行されるまでに行われた変更のみです。
「計画」->「アンドゥ要約」を選択します。
「アンドゥ要約」ウィンドウが表示されます(図「「アンドゥ要約」ウィンドウ」を参照)。
オンライン・プランナで開始した変更を選択します。
「元に戻す」をクリックします。
注意: 他のユーザーが行った変更を元に戻すことはできません。元に戻そうとするとエラー・メッセージが表示されます。
オンライン・プランナでの処理を元に戻すために、セーブポイントを作成できます。その後は、ブックマーク以後に行われたオンライン・プランナでの処理のみを元に戻すことができます。
「計画」->「ブックマーク追加」を選択します。
ポップアップ・ウィンドウにブックマーク名を入力します。
シミュレーションにより、複数の計画のキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)を比較して、目標達成のために必要な変更を加えることができます。Oracle ASCPで使用可能な標準KPIは、次のとおりです。
在庫回転率
納期搬送
計画負荷率
マージン率
マージン
原価ブレークダウン
シミュレーション・シナリオの結果を数量化し、複数のシナリオの結果をグラフ形式で比較できます。これにより、パフォーマンスの目的に最も合致した計画を選択できます。
「計画比較レポート」で、2つの計画間の例外メッセージの相違を比較することもできます。「計画間の相違の識別」を参照してください。
「プランナ・ワークベンチ」にナビゲートします。
ベースライン計画を選択します。
[Shift]キーを押しながらシミュレーション済の計画を選択します。
両方の計画のKPIが並べて表示されます。