Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザーズ・ガイド リリース12 E06012-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
Oracle ASCPでは、最適化済のサプライ・チェーン計画に従来の線型プログラミング技法と制約プログラミング技法が併用されます。
次の1つ以上の目的を満たすために計画を最適化するように選択できます。
在庫回転率の最大化
計画収益の最大化
納期搬送の最大化
計画目的は、選択した目的を組み合せて重み付けすることで導出されます。最適化により、資材、生産資源および輸送の制約をすべて考慮した上で最善の供給ソースが決定されます。
最適化済計画では、次の代替が(計画目的の原価を最小化するという基準で)自動的に選択されます)。
代替部品構成表
代替工順
代替生産資源
代替構成部品
決定ルールを使用する制約付き計画でも代替部品構成表、工順および生産資源は選択されますが、計画目的を最大化するという基準で選択されることはありません。
最適化済計画では、代替工順が指定されていないかぎり代替部品構成表は選択されず、代替部品構成表が指定されていないかぎり代替工順は選択されません。
最適化済計画では、 計画目的の原価を最小化するために、必要に応じてソース・ルールと物流構成表に指定されているランクとソーシング率が上書きされます。
ライン型品目は、最適化済計画では計画できません。
個別に重みを割当てることで、複数の最適化の目的を達成できます。そのためには、「最適化」タブを使用します。
「最適化」タブの詳細は、「計画の定義」を参照してください。
ここでは、様々な最適化の目的について説明します。
この目的は、計画期間中の在庫合計を最小限に抑えることで達成されます。
次の原価が考慮されます。
品目原価
生産資源原価
在庫保管費
輸送原価
需要遅延、生産資源稼働率超過など、その他のペナルティ原価が考慮されます。
この納期搬送の最適化という目的では、すべての需要が納期に確実に充足されるようにすることで、納期搬送を最大化します。ペナルティ・ファクタでは、納期搬送を最大化する際の需要の相対重要度を指定します。
Oracle ASCPは、ERPシステムから入手可能なデータ以上に原価、ペナルティおよび優先度に関連するデータに大きく依存しています。ペナルティ・ファクタは、フレックスフィールド、計画オプションまたはプロファイル・オプションを使用して様々なレベルで設定できます。フレックスフィールドを使用すると、最も個別のレベルでペナルティ・ファクタを設定できます。たとえば、フレックスフィールドを使用して需要、品目または組織レベルで遅延需要のペナルティ・ファクタを設定できます。計画オプションとプロファイル・オプションを使用すると、同じペナルティ・ファクタをそれぞれ計画レベルとサイト・レベルで設定できます。
警告: ペナルティ原価は、ペナルティ・ファクタとは異なります。ペナルティ原価は、ペナルティ・ファクタと他のなんらかのパラメータ(定価、品目原価、生産資源原価または輸送原価など)の積です。
ペナルティ・ファクタの設定に関連する全ステップは、特に説明がないかぎり「製造および物流マネージャ」職責でログインして実行してください。操作用のペナルティ・ファクタの設定に使用するフレックスフィールドについて、「計画フレックスフィールドの作成」プログラムを実行しておく必要があります。詳細は、「Oracle ASCPのフレックスフィールド」を参照してください。また、実際のペナルティ原価の設定については、「目的機能の選択」を参照してください。
ペナルティ・ファクタの設定の詳細は、「プロファイル・オプション」および「Oracle ASCPのフレックスフィールド」を参照してください。
次の図に、遅延需要のペナルティ・ファクタを設定するための階層を示します。
遅延需要のペナルティ・ファクタを設定するための階層
特定のレベルのデータを使用できなければ、Oracle ASCPでは階層の次のレベルで使用可能なデータがチェックされます。
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「予測」->「エントリ」を選択します。
「品目予測入力」ウィンドウが表示されます。
予測を選択します。
フレックスフィールドを選択します。
「MRP予測日」ウィンドウが表示されます。
「遅延予測ペナルティ」にファクタを入力します。
この手順の詳細は、『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』を参照してください。
ナビゲータから、「在庫」->「品目」->「マスター品目」を選択します。
「マスター品目」ウィンドウが表示されます。
「品目」フィールドをクリックします。
「表示」メニューで「検索」を選択します。
「マスター品目の検索」ウィンドウが表示されます。
「品目」フィールドに品目の検索文字列を入力して、「検索」ボタンをクリックします。
「マスター品目」ウィンドウが表示されます。
フレックスフィールドを選択します。
「品目」ウィンドウが表示されます。
遅延需要のペナルティ・ファクタを入力します。
ナビゲータから、「在庫」->「設定」->「組織」->「パラメータ」を選択します。
「組織パラメータ」ウィンドウが表示されます。
フレックスフィールドを選択します。
第2の「組織パラメータ」ウィンドウが表示されます。
遅延需要のペナルティ・ファクタを入力します。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」職責を選択します。
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「オプション」を選択します。
計画を選択します。
「計画オプション」ウィンドウが表示されます。
「最適化」タブをクリックします。
「需要遅延 %」フィールドにペナルティ・ファクタを入力します。
「システム管理者」としてログインします。
ナビゲータから、「プロファイル」->「システム」を選択します。
「システム・プロファイル値の検索」ウィンドウが表示されます。
「プロファイル」フィールドにプロファイル名「MSO: 遅延需要ペナルティ原価ファクタ」を入力し、「検索」をクリックします。
「システム・プロファイル値」ウィンドウが表示されます。
「サイト」列にペナルティ・ファクタを入力します。
次の図に、資材生産能力の超過のペナルティ・ファクタを設定するための階層を示します。
資材生産能力の超過のペナルティ・ファクタを設定するための階層
特定のレベルのデータを使用できなければ、Oracle ASCPでは階層の次のレベルで使用可能なデータがチェックされます。
この手順の詳細は、『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』を参照してください。
ナビゲータから、「購買」->「供給ベース」->「承認済仕入先リスト」を選択します。
「属性」をクリックします。
「仕入先品目属性」ウィンドウが表示されます。
フレックスフィールドを選択します。
「属性」ウィンドウが表示されます。
資材能力超過ペナルティ・ファクタを入力します。
この手順の詳細は、『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』を参照してください。
ナビゲータから、「在庫」->「品目」->「マスター品目」を選択します。
「マスター品目」ウィンドウが表示されます。
「品目」フィールドをクリックします。
「表示」メニューで「検索」を選択します。
「マスター品目の検索」ウィンドウが表示されます。
「品目」フィールドに品目の検索文字列を入力して、「検索」をクリックします。
「マスター品目」ウィンドウが表示されます。
フレックスフィールドを選択します。
「品目」ウィンドウが表示されます。
資材能力超過ペナルティ・ファクタを入力します。
ナビゲータから、「在庫」->「設定」->「組織」->「パラメータ」を選択します。
「組織パラメータ」ウィンドウが表示されます。
フレックスフィールドを選択します。
第2の「組織パラメータ」ウィンドウが表示されます。
資材能力超過ペナルティ・ファクタを入力します。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」職責を選択します。
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「オプション」を選択します。
計画を選択します。
「計画オプション」ウィンドウが表示されます。
「最適化」タブをクリックします。
「資材生産能力の超過 %」フィールドにペナルティ・ファクタを入力します。
「システム管理者」としてログインします。
ナビゲータから、「プロファイル」->「システム」を選択します。
「システム・プロファイル値の検索」ウィンドウが表示されます。
「プロファイル」フィールドにプロファイル名「MSO: 超過資材生産能力ペナルティ原価ファクタ」を入力し、「検索」をクリックします。
「システム・プロファイル値」ウィンドウが表示されます。
「サイト」列にペナルティ・ファクタを入力します。
次の図に、生産資源生産能力の超過のペナルティ・ファクタを設定するための階層を示します。
生産資源生産能力の超過のペナルティ・ファクタを設定するための階層
特定のレベルのデータを使用できなければ、Oracle ASCPでは階層の次のレベルで使用可能なデータがチェックされます。
ナビゲータから、「部品構成表」->「工順」->「部門」を選択します。
「部門」ウィンドウが表示されます。
部門を検索します。
「生産資源」をクリックします。
「生産資源」ウィンドウが表示されます。
フレックスフィールドを選択します。
「部門資源情報」ウィンドウが表示されます。
生産資源能力超過ペナルティ・ファクタを入力します。
ナビゲータから、「在庫」->「設定」->「組織」->「パラメータ」を選択します。
「組織パラメータ」ウィンドウが表示されます。
フレックスフィールドを選択します。
「組織パラメータ」ウィンドウが表示されます。
生産資源能力超過ペナルティ・ファクタを入力します。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」職責を選択します。
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「オプション」を選択します。
計画を選択します。
「計画オプション」ウィンドウが表示されます。
「最適化」タブをクリックします。
「生産資源生産能力の超過 %」フィールドにペナルティ・ファクタを入力します。
「システム管理者」としてログインします。
ナビゲータから、「プロファイル」->「システム」を選択します。
「システム・プロファイル値の検索」ウィンドウが表示されます。
「プロファイル」フィールドにプロファイル名「MSO: 超過生産資源生産能力ペナルティ原価ファクタ」を入力し、「検索」をクリックします。
「システム・プロファイル値」ウィンドウが表示されます。
「サイト」列にペナルティ・ファクタを入力します。
「最適化」タブで設定できるペナルティ・ファクタは4つあります。「最適化」タブの詳細は、「計画の定義」を参照してください。
遅延需要のペナルティ・ファクタ
超過資材生産能力ペナルティ・ファクタ
輸送能力超過のペナルティ・ファクタ
超過生産資源生産能力ペナルティ・ファクタ
遅延需要(予測と受注)のペナルティ原価は、次のように計算されます。
(ペナルティ・ファクタ) x (定価)
資材生産能力超過のペナルティ原価は、次のように計算されます。
(資材生産能力超過のペナルティ・ファクタ) x (品目原価)
輸送能力超過のペナルティ原価は、次のように計算されます。
(輸送能力超過のペナルティ・ファクタ) x (輸送原価)
生産資源生産能力超過のペナルティ原価は、次のように計算されます。
(生産資源生産能力超過のペナルティ・ファクタ) x (生産資源原価)
注意: ペナルティ原価の決定には、単位原価(定価、品目原価など)が重要な役割を果たします。
次のプロファイル・オプションを使用して、最適化に必要なデフォルト値を指定できます。
注意: これらのプロファイル・オプションと他のプロファイル・オプションの設定の詳細は、「プロファイル・オプション」を参照してください。
このプロファイル・オプションを使用して、すべての需要に共通するペナルティ・ファクタを定義します。需要には、受注と予測が含まれます。
このプロファイル・オプションを使用して、資材生産能力超過のグローバル・ペナルティ・ファクタを定義します。この値は、計画内の全品目に共通となります。
このプロファイル・オプションを使用して、生産資源生産能力超過のグローバル・ペナルティ・ファクタを定義します。この値は、計画内の全製造資源および輸送資源に共通となります。
このプロファイル・オプションを使用して、計画対象となる全品目の在庫の保管費率を指定します。この値は、0から1の数値として指定します。
このプロファイル・オプションを使用して、需要または未確定の計画受入を先送りできる日数を制限します。この値を使用して、最適化時のパフォーマンスが改善されます。この値は、0より大きい整数として指定します。
計画目的と、資材、生産資源および輸送の各制約に基づいて、最適化済で実行可能な計画を生成できます。たとえば、目的の重みが異なる2つの最適化済計画を比較したり、パフォーマンス・インディケータに基づいて結果を比較できます。
最適化済計画の結果は、将来の計画実行に使用できるように保存されます。
シミュレーションの詳細は、「シミュレーション」を参照してください。計画のパフォーマンス評価と複数計画の比較の詳細は、「例外メッセージ」を参照してください。