Oracle E-Business Suiteインストレーション・ガイド: Rapid Installの使用方法 リリース12.2 (12.2.0) E51766-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Oracle E-Business Suiteリリース12.2.0にアップグレードする際に、アップグレード前およびアップグレード後の両方の処理にRapid Installが使用されます。この章では、アップグレード処理の概略と、Rapid Installに依存するアップグレード・ステップの詳細について説明します。
この章の構成は、次のとおりです。
Oracle E-Business Suiteのアップグレードの一環として、Rapid Installウィザードで構成パラメータを入力し、Rapid Installをアップグレード前のタスクの1つとして実行します。Rapid Installでは、入力したパラメータによってファイル・システムが作成され、新規テクノロジ・スタックがインストールされます。また、該当する場合は、アップグレード前の別のタスクとして、既存のデータベースをOracle 11gリリース2 (11gR2)に移行またはアップグレードする必要があります。
アップグレード前のタスクを完了した後、AutoPatchを実行して、データベースを最新のリリース・レベルに更新するアップグレード・ドライバを適用します。データベース・アップグレードを完了した後、Rapid Installを再度実行してサービスを構成します。
注意: アップグレード時には、サービスを手動で開始する必要があります。これとは逆に、フレッシュ・インストールではサービスが自動的に開始されます。
通常、指定マニュアルの説明に従って、次のタスクを実行する必要があります。
注意: アップグレード元のリリースによっては、『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』またはOracle E-Business Suiteリリース12.0および12.1から12.2へのアップグレード・ガイドを参照してください。
Oracle E-Business Suiteリリース・ノート、Oracle E-Business Suite NLSリリース・ノート、Oracle E-Business Suiteインストレーション・アップデート・ノート、『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』またはOracle E-Business Suiteリリース12.0および12.1から12.2へのアップグレード・ガイドなど、現行リリースに関連するすべてのマニュアルを読み、内容を理解します。これらのマニュアルはすべて、Oracle E-Business Suite Documentation LibraryまたはMy Oracle Supportから入手できます。
『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』またはOracle E-Business Suiteリリース12.0および12.1から12.2へのアップグレード・ガイドの付録に記載されている機能の変更点情報と、停止時間の短縮とアップグレード後のデータの検証に関する提案を検討します。
『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』またはOracle E-Business Suiteリリース12.0および12.1から12.2へのアップグレード・ガイドに記載されているアップグレード前のステップを完了します。
指示されている場合は、この章の説明に従ってRapid Installを実行し、「Create Upgrade File System」オプションを使用します。Rapid Installでは、新しいOracle E-Business Suiteファイル・システムおよびRDBMS用の新しいOracleホームが作成され、その他のテクノロジ・スタック・コンポーネントがインストールされます。
『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』またはOracle E-Business Suiteリリース12.0および12.1から12.2へのアップグレード・ガイドに記載されているアップグレード前のタスクを完了した後、第3章の指示に従って必須のアップグレード前パッチを適用し、アップグレード・ドライバを実行して製品をアップグレードします。
『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』またはOracle E-Business Suiteリリース12.0および12.1から12.2へのアップグレード・ガイドに記載されているアップグレード後の指示に従います。指示されている場合は、この章に戻って再度Rapid Installを実行し、サーバー・プロセスを構成して起動します。
『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』またはOracle E-Business Suiteリリース12.0および12.1から12.2へのアップグレード・ガイドに記載されている残りのタスクを完了します。
『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』で指示されている場合は、後述のようにRapid Installを実行します。概要に続いて、マルチノード・アップグレードの詳細および例が記載されています。
重要: Rapid Installを実行してアップグレード・ファイル・システムを作成する前に、アップグレードする既存のリリース11iまたはリリース12.1のデータベースのデータベース言語とキャラクタ・セットの値を書き留めておいてください。この項の手順8 (国際化に関する設定)で示すように、これらの値を適切なRapid Install画面で指定する必要があります。
構成の設定
前の項で説明したように、Rapid Installではアップグレード時に2つの機能が実行されます。この項では、2つのうち1つ目の機能について説明します。この機能では、Rapid Installで新しいファイル・システムの作成および新規テクノロジ・スタックのインストールに必要となる構成値を指定します。
注意: Oracle E-Business Suite概要のOracle E-Business Suiteファイル・システムに関する項を参照してください。
「スタート・ガイド」の「インストール前のステップ」の指示に従います。その後、次のタスクを実行します。
コマンド・プロンプトにrapidwizと入力してウィザードを起動します。「Welcome」画面が表示されます。
「Welcome」画面
この画面には、このリリースのOracle E-Business Suiteに含まれる、またはこれによってサポートされるコンポーネントが表示されます。すべてのコンポーネントを表示するには、スクロールバーを使用します。
アップグレードの場合は、Rapid InstallによりOracle 11gR2データベースのOracleホームがデータベースなしで作成されます。このOracleホームを使用して、既存のデータベースをOracle 11gR2にアップグレードまたは移行できます。
この画面は参照用です。処理は必要ありません。「Next」をクリックして続行します。
ウィザード操作の選択
「Select Wizard Operation」画面を使用して、Rapid Installで実行する処理を指定します。新規インストールおよびアップグレードのどちらもこの画面から開始します。選択した処理に基づき、Rapid Installウィザードは該当する画面フローに進みます。
ウィザード操作の選択
可能な処理は次のとおりです。
Install Oracle E-Business Suite Release 12.2.0
この処理では、新規の完全に構成されたシステムが、フレッシュ・データベースまたはVision Demoデータベースとともに設定されます。Rapid Installウィザードで入力して構成ファイル(conf_<SID>.txt)に保存したシステム固有の構成パラメータから、構成が導出されます。
注意: 新規インストールについては、「標準インストール」のステップを参照してください。
Use Express Install
この処理では、完全に構成されたシングルユーザー/シングルマシン・システムが、フレッシュ・データベースまたはVision Demoデータベースとともに設定されます。データベースのタイプと名前、最上位インストール・ディレクトリおよびポート設定の増分など、いくつかの基本パラメータを指定します。残りのディレクトリおよびマウント・ポイントは、Rapid Installによりデフォルト値を使用して指定されます。
注意: このオプションについては、「標準インストール」の「簡易インストール」のステップを参照してください。
Upgrade to E-Business Suite Release 12.2.0
このオプションを選択すると、Oracle E-Business Suite製品を現行バージョンのOracle E-Business Suiteにアップグレードすることが指定されます。ウィザードの画面フローでは2つの方法が示されます。ファイル・システムを作成して新規テクノロジ・スタックをインストールする方法と、サーバーを構成してサービスを開始する方法です。
以降のステップでは、システムをアップグレードするための情報をウィザードに入力します。「Upgrade to Oracle E-Business Suite Release 12.2.0」を選択します。次に、「Next」をクリックして続行します。
Oracle Configuration Managerの詳細の指定
Oracle Configuration Manager (OCM)は、Oracle製品のサポートを容易にするように設計されたコンポーネントです。Oracle Configuration Managerの使用は任意ですが、使用することをお薦めします。
OCMは最小限のCPUリソースを消費する軽量エージェントです。インストール済コンポーネントおよび構成情報の自動検出をサポートし、OracleおよびOracleを実行中のマシンの主要な統計を継続的に記録します。
収集されたデータは、HTTPS (セキュアHTTP)を介してOracleサポートに送信され、Oracleサポートはデータに基づいてOracleインストールの更新後のビューを保守できます。これにより、事前の問題回避が容易になり、サポート関連事項の解決所要時間が短縮されます。
注意: OCMの詳細は、OCM画面の「詳細の表示」リンクをクリックしてください。
Oracle Configuration Managerの詳細の指定
接続できなかったために詳細の送信が失敗した場合は、プロキシ・サーバー情報の入力を求めるポップアップ画面が表示されます。
Oracle Configuration Managerのプロキシ・サーバー(接続の試行が失敗した後に表示される)
この画面が表示された場合は、適切に応答し、「OK」をクリックします。
アップグレード・オプションの選択
「Select Upgrade Action」画面では、アップグレード・システム用のアップグレード・ファイル・システムを作成するか、またはアップグレード・インスタンスを構成するかを選択します。
アップグレード操作の選択
アップグレードに関連する処理は、独立したRapid Installセッションで次のように実行されます。
Create Upgrade File System
Oracle E-Business Suiteアップグレード・ガイドでアップグレード前のステップとしてRapid Installを実行するように要求されている場合は、このオプションを選択します。このオプションに関連するウィザードの画面フローでは、システムの構成パラメータが収集され、これらのパラメータがOracle E-Business Suiteデータベースに格納されます。Rapid Installを実行すると、AutoConfigにより、ユーザーの構成にあわせたファイル・システム構造およびテクノロジ・スタック・コンポーネントの作成にこれらの値が使用されます。また、Rapid Installを実行すると、ユーザーのシステムを詳細に指定するすべてのパラメータが含まれるコンテキスト・ファイル(<CONTEXT_NAME>.xml)が作成されます。このコンテキスト・ファイルはAutoConfigによって作成および管理されます。
Configure Upgraded Release 12.2.0 Instance
Oracle E-Business Suiteアップグレード・ガイドでアップグレード後のタスクとしてRapid Installを実行するように要求されている場合は、このオプションを選択します。関連する画面フローでは、Rapid Installを最初に実行したときにAutoConfigにより作成されたコンテキスト・ファイル(<CONTEXT_NAME>.xml)の名前を指定します。今回は、AutoConfigにより、サーバーの構成およびサービスの起動にコンテキスト・ファイル内の値が使用されます。
「Create Upgrade File System」を選択し、「Next」をクリックします。
グローバル・システム設定の指定
「Global System Settings」画面で、ポート・プールと個別ポート値(必要な場合)を選択して、システムに必要なポート使用を指定します。
グローバル・システム設定
選択後、「Next」をクリックして続行します。
データベース・ノード構成の指定
「Database Node Configuration」画面で、既存のデータベースの詳細を指定します。
データベース・ノード構成
「Database SID」フィールドに、Rapid Installで既存のデータベースの識別に使用するサービス名(SIDではありません)を入力します。このサービス名は英数字で8文字以内で、1文字目には数字を使用できず、空白を含めることもできません。Rapid Installにより、この名前がネット・サービス構成およびinit<SID>.oraファイルに記録されます。
既存のORACLE_HOMEをアップグレードに使用する場合は、「Use Existing Oracle Home」チェック・ボックスを選択します。
重要: 既存のデータベースを開く必要があります。また、ORACLE_HOME init.oraのservice_namesパラメータにebs_patchというエントリを指定する必要があります。
有効なドメイン名を入力します。この値をホスト(マシン)名と組み合せることで、完全修飾ドメイン名(FQDN)となる必要があります。たとえば、ホスト名がapps1でドメイン名がcompany.comであれば、FQDNはapps1.company.comとなります。
必要な詳細をすべて入力した後、「Next」をクリックして続行します。
「Review Application User Information」画面に、ウィザードによってアプリケーション・ユーザー用に割り当てられたユーザー名およびデフォルトのパスワードが表示されます。
重要: 続行する前に、既存のシステムの実際のパスワードを記録してください。
アプリケーション・ユーザー情報の確認
スクリーンショットのように、ユーザー名とそれぞれのデフォルト・パスワードは、「APPS Username」(APPS)、「APPS Password」(APPS)、「GWYUID Username」(APPLSYSPUB)、「GWYUID Password」(PUB)、「Guest Username」(GUEST)および「Guest Password」(ORACLE)です。
テキスト・フィールドに入力することで、この画面のすべてのパスワードを既存のシステムのパスワードにあわせて変更します。ウィザードにより、この情報が構成ファイルに格納されます。
警告: この情報を正確に記録しないと、アップグレードに失敗する可能性があります。
「Next」をクリックして続行します。
「Internationalization Settings」画面には、NLS機能を必要とするシステムのオプションが表示されます。
重要: この項の最初に示したとおり、このRapid Install画面で指定するデータベース言語とキャラクタ・セットの値は、アップグレードするデータベースの値と一致する必要があります。
国際化に関する設定
選択した言語により、ベース言語、地域およびキャラクタ・セットなど、システムで必要なその他のNLS関連構成パラメータに使用可能なオプションが決定されます。
「Available Languages」ボックスで言語をダブルクリックして「Selected Languages」ボックスに移動するか、または言語を強調表示して右矢印(>)をクリックします。「Selected Languages」ボックスで言語を強調表示し、左矢印(<)をクリックすると、その言語は削除されます。1回の処理ですべての言語を選択するか、または選択を解除するには、二重矢印(>>または<<)を使用します。
注意: 「Selected Languages」ボックスからアメリカ英語を削除することはできません。
言語のインストールを完了するには、場合によって追加タスクを実行する必要があります。詳細は、Oracle E-Business Suite NLSリリース・ノートを参照してください。最初のインストールまたはアップグレードの後いつでも、追加言語を登録できます。『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』の言語の登録に関する項を参照してください。
この画面には、次の段落で説明するRapid Installのデフォルトが表示されます。
「Selected Languages」: 既存のシステムに他のアクティブな言語がある場合は、デフォルトを変更し、既存データベースのキャラクタ・セットを反映する言語を追加できます。
「Default Territory」: このフィールドは「AMERICA」に設定されており、アップグレード時も変更できません。システム管理者は、必要に応じてアップグレード後にこの値を変更できます。
「Database character set」および「APPL_TOP character set」: 「Select Additional Languages」画面で指定したアクティブな言語と互換性のある共通キャラクタ・セットにデフォルト設定されます。既存のシステム内のキャラクタ・セットでない場合、ドロップダウン・リストから正しいキャラクタ・セットを選択します。
重要: データベース接続が確立されると、現在のデータベースのキャラクタ・セットが自動的に使用されるため、キャラクタ・セットの選択画面は表示されません。接続が確立されない場合は、表示される選択画面で、現在のデータベースのキャラクタ・セットのみを指定する必要があります。
「IANA character set」: Internet Assigned Numbers Authorityキャラクタ・セットは、Webサーバーで使用される、インターネットで割り当てられる標準キャラクタ・セットです。詳細は、http://www.iana.org/assignments/character-setsを参照してください。
必要に応じてこの値を変更し、既存のシステムで使用されているキャラクタ・セットを指定します。「Next」をクリックして続行します。
主アプリケーション・ノード情報の入力
これまでに、RDBMSの最上位ディレクトリおよびマウント・ポイントを指定しました。ここで、主アプリケーション・ノードに関連付けられた最上位ディレクトリおよびサブディレクトリを指定する必要があります。
主アプリケーション・ノード構成
デフォルト・ディレクトリでは、Rapid Installを実行中のオペレーティング・システムの構文が使用されています。デフォルトを受け入れるか、新しい値を入力できます。
一部のフィールドはオペレーティング・システムに依存します。たとえば、「UNIX Toolkit directory」および「Visual Studio directory」は、Windows固有です。Windowsプラットフォームを使用している場合は、「UNIX Toolkit directory」フィールドにMKS(またはCygwin)ツールの場所を入力し、「Visual Studio directory」フィールドにVisual C/C++の実行可能ファイルとDLLの場所を入力します。UNIXシステムを使用している場合は、「Apps OS User」(アプリケーション・ノード・ファイル・システムおよびテクノロジ・スタックを所有するアカウント)および「Apps OS Group」(「Apps OS User」が属するグループ)の情報を入力します。
「Base directory」は、アプリケーション・ノードのマウント・ポイントを導出する際にRapid Installで使用される最上位ディレクトリです。デフォルトを受け入れるか、新しい値を入力できます。「Browse」をクリックして新しいパスにナビゲートし、必要なディレクトリをダブルクリックして選択します。
「Instance directory」(リリース12の新機能)には、実行時に生成されるファイル、ログ・ファイルおよび構成ファイルなど、インスタンス固有のファイルが格納されます。このフィールドではローカル・ディレクトリを指定できます(アクセスが高速になります)。共有ディレクトリになくてもかまいません。
「Edit Services」ボタンをクリックすると、このアプリケーション・ノードで有効化するサービスを選択できます。「Edit Paths」ボタンをクリックするとウィンドウがオープンし、1つ以上のアプリケーション・ノード・パスについて新しい値を指定できます。
アプリケーション・ユーザー情報の入力
アプリケーション・ユーザー情報の入力
グローバル設定の確認
Rapid Installでは、修飾ドメイン名の識別、およびシステムでサービスとリスナーの接続に使用されるポート設定の導出に、「Global Settings」画面で指定した値が使用されます。
ノード情報の確認
「Add Server」ボタンをクリックし、追加する他のアプリケーション・ノードの詳細を入力し、入力完了後に「Next」をクリックします。
インストール前チェックの確認
構成ファイルに記述された構成の検証が開始されます。「Pre-Install Checks」画面に実行済のテストが表示され、それぞれに成否を示すマークが付けられます。
インストール前チェック
テスト項目 | チェック内容 |
---|---|
Port Uniqueness | サーバー・プロセス用のポートの定義が重複していないか。 |
File Space | 指定したファイル・システムに十分な容量があるか。 |
Stage Area Check | ステージ領域が完成しているかどうか。 |
File Systems | 指定したファイル・システムが存在し、適切な権限が設定されているか。 |
Host/Domain | ホスト名とドメイン名が有効かどうか。 |
System Utilities | 必要なシステム・ユーティリティが存在するか。 |
Rapid Installで検証されるパラメータは次のとおりです。
各テストの結果は、アイコンで示されます。次の3つのタイプがあります。
チェック・マーク
テスト結果に問題はありません。マークをクリックすると、実行されたテストの詳細が表示されます。
感嘆符(!)
構成の再検討が必要です。「!」をクリックすると、システム・テストの評価に関する情報を取得できます。問題を解決せずに先に進むと、警告が表示されます。
xマーク
xマークの付いた問題はすべて、インストールを続行する前に必ず解決する必要があります。「x」をクリックすると、エラー内容が表示されます。設定画面に入力した値を修正することで問題を解決できる場合は、「Back」をクリックして適切な画面まで戻り、値を再入力します。テストの中には、オペレーティング・システムでの解決が必要なものがあります。このケースでは、場合により、問題を修正した後でRapid Installウィザードを再度実行する必要があります。
解決を要する問題がない場合は、「Next」をクリックして続行します。
Rapid Installでは、インストール・プロセスで実行される処理が表示されます。リストの内容は、選択したインストール内容に応じて異なります。
コンポーネントの確認
「Next」をクリックして続行します。警告画面が表示され、インストールを開始する準備ができたかどうか確認するよう要求されます。「Yes」をクリックして続行します。
Rapid Installにより、アプリケーション層用の新規ファイル・システムとデータベース用の11gR1のOracleホームが作成されます。
インストール進行状況のモニター
進捗バーのチェック
インストール中に、Rapid Installにメインの進捗バーと個々の進捗バーが表示されます。メインの進捗バーにはインストール全体の完了パーセントが表示されます。個々の進捗バーには各ステップの進行状況が表示されます。
重要: 画面上からすべての進捗バーが消えるまで、インストールは完了しません。
インストール進行状況
インストール後チェックの確認
処理が完了すると、Rapid Installに「Post-Install Checks」画面が表示されます。
インストール後チェック
テストが成功しない場合、画面に表示されたエラーを確認します。必要に応じて、「Back」ボタンをクリックして適切な画面に戻り、修正します。次に、「Retry」ボタンをクリックします。
エラーがない場合、「Next」をクリックします。表示された「Finish」画面では、インストール済のコンポーネントが表示され、アップグレードを完了するために実行する必要があるステップが示されます。この画面の情報を確認し、「Finish」をクリックしてRapid Installを終了します。
注意: 既存のデータベースが使用され、アップグレード・ファイル・システムの作成時にそのデータベースを使用できる場合は、インストールが完了すると、Oracle E-Business Suiteのドメインとアプリケーションが配置されます。既存のデータベースを使用できない場合は、かわりにアップグレードの構成フェーズでドメインとアプリケーションが配置されます。
アップグレード・タスクの続行
Oracle E-Business Suiteアップグレード・ガイドに戻り、システムのマシンごとに残りのアップグレード前タスク、アップグレード・タスクおよびアップグレード後タスクを実行します。Rapid Installを実行してサーバー・プロセスを構成および起動するように指示された場合は、次の項の指示に従います。
マルチノード・アップグレード手順
複数のアプリケーション・ノードを含むシステム(Batch Processing ServicesとWeb Servicesが異なるサーバー上にある場合など)をアップグレードする場合、最初のサーバーのデータベース・ノードとアプリケーション・ノードに関する情報を入力してから、「Node Information」画面で「Add Server」ボタンをクリックして残りのノードを追加する必要があります。
注意: 独自のサーバー上で既存のデータベースを使用する場合でも、データベース層でRapid Installを実行することをお薦めします。これにより、Rapid Installで既存のOracleホームに必要なパッチがすべて含まれていることを確認し、有効なconfig<SID>.txtファイルを生成できます。ただし、Oracleホームに必要なパッチがすべて含まれていることが確かな場合は、主アプリケーション・ノードで直接Rapid Installを実行できます。
次の例に、3ノード・システムのアップグレードと各サーバーで実行中のサービスを示します。
サーバーA: データベース・ノード: なし
サーバーB: 主アプリケーション・ノード: Web Administration、Batch Processing Services
サーバーC: 追加アプリケーション・ノード: Root Service、Web Entry Point Services、Web Application Services、Other Service Group
サーバーA(データベース・ノード)でRapid Installを実行し、「Upgrade File System」オプションを選択します。
アップグレード操作の選択
サーバーAの必須情報を入力します。
データベース・ノード構成
主アプリケーション・ノード(サーバーB)の必須情報を入力します。このノードは異なるマシンにあるため、ホスト名を適切に変更する必要があります。
主アプリケーション・ノード構成
「Apps CSF」フィールドを使用すると、コンカレント処理のログ・ファイルを保存するディレクトリを指定できます。
また、このRapid Install画面では、64ビットのJava Development Kit (JDK)をWeb層で使用するかどうかを選択することもできます。使用を指定する場合は、チェック・ボックスを選択します。
「Edit Services」ボタンをクリックして、サーバーBの必須サービスを有効化します。この例では、「Batch Processing Services」のみを有効化する必要があります。
有効化するサービスの指定
「Node Information」画面で、「Add Server」ボタンをクリックしてアプリケーション・ノードをもう1つ追加します。
ノード情報の確認
追加アプリケーション・ノードであるサーバーCの情報を入力します。
追加アプリケーション・ノードの指定 - 初期画面
「Edit Services」ボタンをクリックして、サーバーCの必須サービスを有効化します。この例では、「Root Service」、「Web Entry Point Services」、「Web Application Services」および「Other Services」を有効化します。
有効化するサービスの指定
Rapid Installの続行
ノード情報の確認
Web Administration Servicesに関する注意事項
ServerBおよびServerCの両方でWeb Administration Servicesを有効化するように指定した場合は、ノード情報の確認画面にある「Next」をクリックすると、次のエラー・メッセージが表示されます。
一方、ServerBまたはServerCのどちらかでWeb Administration Servicesを有効化するように指定しなかった場合は、ノード情報の確認画面にある「Next」をクリックすると、次のエラー・メッセージが表示されます。
通常の(エラーのない)フローを続行すると、サーバーAのファイル・システムとして、データベース11gR2のOracleホームが作成されます。この時点では、このサーバーにOracle E-Business Suiteコンポーネントはインストールされません。
FTPを使用して、<11gR1 ORACLE_HOME>/appsutil/conf_<SID>.txt構成ファイルを各アプリケーション・ノード(サーバーBおよびサーバーC)にコピーします。
次のように入力してサーバーBでRapid Installを実行します。
rapidwiz -silent -config <configuration file>
たとえば、次のようになります。
rapidwiz -silent -config /u01/PROD/conf_PROD.txt
サーバーBのファイル・システムには、Oracle Application Server 10.1.2、Oracle Fusion Middleware、APPL_TOP、COMMON_TOPおよびINST_TOPの最上位ディレクトリが格納されます。
次のように入力してサーバーCでRapidwizを実行します。
rapidwiz -silent -config <configuration file>
たとえば、次のようになります。
rapidwiz -silent -config /u01/PROD/conf_PROD.txt
サーバーCのファイル・システムには、Oracle Application Server 10.1.2、Oracle Fusion Middleware、APPL_TOP、COMMON_TOPおよびINST_TOPの最上位ディレクトリが格納されます。
重要: これらの例で示すのは、アップグレード時にユーザーが応答せずにすむように、Rapid Installをサイレント・モードで実行する場合のオプションです。このオプションを使用できるのは、アプリケーション層ノードの初期構成時に標準のユーザー・パスワード(WLSの管理者パスワードを含む)を保持するように選択した場合のみです。サイレント・モードではコマンドラインでパスワードを渡すことができないためです。
2ノード・システム(データベース・ノードと単一アプリケーション・ノード)をアップグレードするには、ステップ5、6、7および11を省略して同様の手順を実行します。
ヒント: なんらかの理由でconf_<SID>.txtが使用できなくなった場合は、追加アプリケーション・ノードでRapid Installを再実行し、サーバーA、BおよびCについて異なるホスト名を入力できます。
ここでRapid Installを実行し、アプリケーション層サービスを構成します。
既存のインスタンスの構成
Rapid Installを以前実行した場合は、ウィザード画面に入力したシステム変数が構成ファイル(config.txt)に保存した特定の値と置き換えられ、インスタンス固有のコンテキストが作成および格納されています。この項では、Rapid Installがアプリケーション・コンテキスト・ファイルを指すように設定するため、Rapid Installではこのファイルの値を使用してシステムの構成プロセスを完了できます。
最初に、データベースおよびネット・サービス・リスナーが起動していることを確認します。次に、「Rapid Installウィザードの起動」の指示に従ってRapid Installを起動します。
サービスの構成
「Select Wizard Operation」画面で、「Upgrade to Oracle E-Business Suite Release 12.2.0」オプションを選択し、アップグレードの実行を指定します。「Select Upgrade Action」画面が表示されます。
アップグレード操作の選択
この画面で、「Configure Upgraded Release 12.2.0 Instance」を選択し、アップグレード・データベースのサーバーを構成することを指定します。
コンテキスト・ファイルの名前および位置の指定
Rapid Installを以前実行した場合は、ウィザード画面に入力したシステム変数が構成ファイル(config.txt)に保存した特定の値と置き換えられ、システムが構成されています。この情報は、アプリケーション・コンテキスト・ファイル<CONTEXT_NAME>.xmlとして格納されています。
注意: Oracle E-Business Suite概要の「技術構成」の章を参照してください。
Rapid Installがファイル・システム1のアプリケーション・コンテキスト・ファイル($INST_TOP>/appl/admin/<CONTEXT_NAME>.xml)を指すよう設定するため、ディレクトリ・パスを入力します。たとえば、/u01/R122_EBS/fs1/inst/apps/<CONTEXT_NAME>/appl/admin/<CONTEXT_NAME>.xmlのように入力します。ボックスにパスを直接入力するか、「Browse」をクリックしてパスを選択できます。
「Next」をクリックして続行します。
構成プロセスの開始
セキュリティ上の理由により、APPSパスワードはコンテキスト・ファイルに保存されていないため、「Review Application User Information」画面に、APPSパスワードの再入力を求めるプロンプトが表示されます。詳細は、「ユーザー名およびパスワード情報の確認」を参照してください。「Next」をクリックします。
Rapid Installにより、構成されるコンポーネントおよびプロセスが通知されます。「Next」をクリックして続行します。すぐにインストールを開始するかどうかを確認するプロンプトに対して、「Yes」をクリックします。
このプロセスが完了すると、実行されたステップを示す画面が表示されます。「Finish」をクリックしてRapid Installを終了します。これで、アップグレードのこのフェーズは完了です。
次に、アップグレード後の必須タスクを実行する必要があります。
この章のステップが完了した後は、『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』またはOracle E-Business Suiteリリース12.0および12.1から12.2へのアップグレード・ガイドに戻って、該当する残りのステップを完了してください。
このマニュアルに戻って「終了タスク」を参照し、アップグレード・システムに適用する処理をすべて実行します。
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