Oracle Advanced Pricingインプリメンテーション・マニュアル リリース12 E05612-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では次のトピックについて説明します。
Oracle Applicationsでは、機能セキュリティと呼ばれる基本レベルのセキュリティを使用して、ユーザーから各アプリケーションへのアクセスおよびアプリケーション内でのウィンドウ、機能およびレポートへのアクセスが管理されます。
一般には、システム管理者が機能セキュリティを管理し、営業単位、職責およびシステム・アクセスをユーザーに割り当てます。機能セキュリティの詳細は、『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド』を参照してください。
既存の機能セキュリティに加えて、Oracle Advanced Pricingには価格設定セキュリティと呼ばれる追加のセキュリティ・レベルが用意されています。価格設定セキュリティを使用すると、価格設定エンティティの更新や表示などの価格設定アクティビティを、特定のアクセス権限が付与されたユーザーに制限できます。価格設定エンティティには、価格表、価格設定基本契約およびモディファイアが含まれています。
価格設定セキュリティは、Oracle Pricing管理者の職責が割り当てられたユーザーがHTMLユーザー・インタフェースで設定および保守できます。Oracle Pricing管理者には、すべての機能ユーザーのすべての価格設定エンティティにアクセスし更新を行う権限があります。価格設定セキュリティによって、次のような上位レベルの管理を実装できます。
営業単位への価格設定エンティティの割当て: 営業単位には、価格設定エンティティの所有権を割り当てることができます。1つの営業単位に使用を制限するか、すべての営業単位に使用を許可するかを選択できます。
特定のエンティティについて、表示や保守のできる被付与者が誰か(グローバル・レベル、営業単位レベル、職責レベルまたはユーザー・レベル)を制御する権限の割当て: セキュリティ権限を使用して、次の方法で価格設定エンティティへのユーザー・アクセスを管理できます。
「グローバル」、「営業単位」、「職責」または「ユーザー」レベルの機能ユーザーに対する、表示専用アクセスまたは保守アクセスの権限付与
特定の日付範囲における一時的なアクセスの付与(付与対象例: 監査者、臨時従業員など)
価格表とモディファイアへの営業単位所有権の割当てまたは再割当て、およびその営業単位所有権を価格設定取引で使用できる営業単位の制御
エンティティ・セット(グループ化された価格設定エンティティで構成されるセット)の作成およびそのセット全体へのアクセス権限の割当て。エンティティ・セット機能はAdvanced Pricingへのライセンスでのみ使用可能です。
新規価格設定エンティティに対するセキュリティ・アクセスのデフォルト・ルールの設定
警告: 価格設定セキュリティを有効にする前に、既存の価格設定エンティティに対する権限を作成する必要があります。
職責はアプリケーション内での権限のレベルを定義するものです。それぞれの職責に応じて、組織内での役割を完遂するために必要なOracle Applicationsのウィンドウ、メニュー、レポートおよびデータの特定のセットにアクセスできます。複数のユーザーが同じ職責を共有したり、1人のユーザーが複数の職責を持つことも可能です。
価格設定のウィンドウ、メニュー、レポートおよびデータにアクセスできるよう、シードされている次の職責をユーザーに割り当てることができます。
Oracle Pricing管理者
Oracle Pricing管理者の職責を割り当てられたユーザーは、すべての価格設定エンティティに対して制限なしの完全なアクセス権限があり、価格設定セキュリティのグローバル設定および管理に責任を持ちます。価格設定セキュリティ機能には、権限、エンティティ・セットおよびエンティティ使用が含まれます。Oracle Pricing管理者には無制限のアクセス権限があり、任意の営業単位を選択することができ、すべての営業単位の価格設定エンティティにアクセスできます。営業単位ごとのアクセス権限の詳細は、「価格設定セキュリティと営業単位」を参照してください。
Oracle Pricingマネージャ職責
Oracle Pricingマネージャ職責を割り当てられたユーザーは、価格表、価格設定算式、モディファイア、属性管理、品目管理、カテゴリ管理などの価格設定機能を、設定、使用および管理するためのすべての機能にアクセスできます。ただし、価格設定セキュリティにはアクセスできません。
Oracle Pricingユーザー
この職責を割り当てられたユーザーはHTMLユーザー・インタフェースにアクセスできます。このインタフェースでは、価格表やモディファイア(取引、値引、販促品および追加料金)を作成したり、価格表保守機能へのアクセス、モディファイアや価格表へのクオリファイアまたはクオリファイア・グループの添付などを実行できます。
次の用語がOracle Pricing Securityで使用されます。
価格設定エンティティ・セキュリティ: Oracle Pricingの最上位レベルのセキュリティ管理。このレベルのセキュリティは、機能セキュリティおよび価格設定取引エンティティ(PTE)に、ソース・システム・コードのセキュリティが追加されたものです。機能セキュリティは、職責の設定によってユーザーごとに設定されます。Oracle Pricing管理者の職責には、すべての価格設定エンティティに対して制限なしの完全なアクセス権限があり、価格設定エンティティのグローバル管理のために使用されます。このセキュリティは、Oracle HTMLユーザー・インタフェースで管理されます。
価格設定エンティティ: 価格表、モディファイア・リストまたは価格設定基本契約。
エンティティ・セット: エンティティ・タイプとして使用される価格設定エンティティのセット。「保守」または「表示専用」アクセス・レベルの権限を付与できます。
エンティティ・タイプ: 価格設定エンティティである、標準価格表、モディファイア・リスト、価格設定基本契約およびエンティティ・セットのいずれかの記述に使用される用語。
エンティティ使用: 価格設定エンジンの呼出しで使用できるように、1つまたはすべての営業単位にエンティティの使用許可を付与します。
グローバル使用: 価格設定エンティティに対して「グローバル使用」を「Yes」に設定すると、受注処理のすべての営業単位で使用できるようになります。「No」を選択すると、エンティティの使用はそのエンティティを作成または所有している営業単位に制限されます。
セキュリティが有効になっている場合、「グローバル」ステータスを示す「グローバル」ボックスがすべての価格表およびモディファイアのヘッダー・リージョンに動的に追加されます。「グローバル」ボックスは、「保守」アクセス権限を持つユーザーが更新できます。また、Oracle Pricing管理者の場合、「エンティティ使用」ページの「グローバル使用」設定も更新できます。
被付与者: 価格設定エンティティを表示または保守する権限が与えられている、特定の被付与者タイプの(1人または複数の)ユーザー。被付与者タイプと組み合せて使用します。
被付与者タイプ: 権限が付与されるレベル。次のタイプがあります。
グローバル: 価格設定メニューにアクセスできるすべてのユーザーが含まれます。
営業単位: デフォルトの営業単位として指定されている営業単位を持つユーザーが含まれます(「MO: デフォルト営業単位」プロファイルで指定)。
職責: 指定された職責内のユーザーが含まれます。
ユーザー: ユーザーの名前を指定します。
アクセス・レベル: 価格設定エンティティへの「保守」または「表示専用」アクセス権限を与えます。
表示専用: ユーザーは価格設定エンティティを表示できますが、更新はできません。
保守: ユーザーは価格設定エンティティを表示および更新できます。エンティティのすべてが削除機能をサポートしているわけではありません。
価格設定セキュリティにより、営業単位固有の価格設定データの作成が可能になります。複数組織アクセス管理(MOAC)機能を使用すると、1つの職責で複数の営業単位にアクセスすることができ、職責を変更せずに別の営業単位用の価格設定エンティティ(価格表やモディファイア)を複数作成することも可能になります。この機能は、プロファイルオプションの「MO: セキュリティ・プロファイル」で制御されます。MOACが有効な場合、価格設定セキュリティを使用して価格設定エンティティを中央管理し、受注の価格設定において価格設定エンティティが単一の営業単位またはすべての営業単位で使用されるようにすることができます。価格設定セキュリティを使用して、表示専用または保守のアクセス権限を、グローバル・レベル、組織レベル、職責レベルまたはユーザー・レベルで割り当てる場合もあります。しかし、MOACが有効な場合は、価格設定セキュリティの処理で次のような変更があるため確認が必要です。
注意: プロファイル「MO: セキュリティ・プロファイル」および「MO: デフォルト営業単位」の設定の詳細は、『Oracle Applications Multiple Organizations Implementation Guide』を参照してください。
プロファイル・オプション「MO: デフォルト営業単位」: 価格設定セキュリティ権限を自動的に作成する
価格表またはモディファイア・リストを作成する際、それらをグローバルまたは別の営業単位用として作成した場合でも、「MO: デフォルト営業単位」に設定された営業単位に対してデフォルトの価格設定セキュリティ権限が作成されます。これが該当するのは次の場合です。
プロファイル・オプション「MO: デフォルト営業単位」が有効(「MO: セキュリティ・プロファイル」が設定されている)
価格設定セキュリティが有効(プロファイル・オプション「QP: セキュリティ管理」が「ON」)
価格設定プロファイル・オプション「QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限」または「QP: セキュリティ・デフォルト保守権限」が、営業単位に設定されている場合
たとえば、次の条件下で、営業単位OU1、OU2およびOU3にアクセスできる価格設定マネージャ職責を割り当てられているとします。
価格設定セキュリティが有効
「MO: デフォルト営業単位」プロファイルの設定がOU1
「QP: セキュリティ・デフォルト保守権限」および「QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限」プロファイルの設定が「営業単位」
この条件下でグローバル価格表(PL1)またはOU2用の価格表(PL2)を作成すると、OU1に対して表示と保守の権限が作成されます。PL1とPL2の両価格表で、営業単位のデフォルトとして「MO: デフォルト営業単位」プロファイルの設定(その職責に設定されているデフォルトの営業単位)が設定されるためです。
ユーザーに保守アクセス権限がある場合、「営業単位」フィールドの更新が許可される
Oracle Advanced Pricingでは、価格表またはモディファイア・リスト上の営業単位と、価格設定の対象となる取引(たとえば、受注)を行う営業単位が一致している必要があります。価格設定セキュリティが有効の場合、価格表またはモディファイア・リストへの保守アクセスを許可されているユーザーは、モディファイア・リストまたは価格表の「営業単位」フィールドを更新できます。
たとえば、営業単位OU1の価格表PL1にグローバルの保守権限が割り当てられていて、「MO: セキュリティ・プロファイル」によりOU2とOU3へのアクセスのみ許可されている職責でログインしたとします。グローバル・セキュリティ権限により、価格表PL1を更新して、OU1をOU2に変更することは可能ですが、セキュリティ・プロファイルでOU1へのアクセスが許可されていないため、同じ職責を使用して営業単位をOU1に戻すことはできません。
価格設定セキュリティにアップグレードしても、価格設定セキュリティは自動的には有効になりません。機能アクセスのある価格設定ユーザーは、既存の価格表およびモディファイアをアップグレード前と同様に、引き続き全面的に表示および保守できます。
セキュリティを有効にする前に、価格設定セキュリティを実装する次の設定ステップを検討および完了する必要があります。そうしないと、価格設定ユーザーは価格設定ウィンドウでどの価格表またはモディファイアにも問い合せできない可能性があります。セキュリティ設定ステップを完了した後に、コンカレント・プログラム「QP: 表示の変換によるセキュリティ管理」を実行して、価格設定セキュリティを有効にします。
注意: プロファイル・オプション「QP: セキュリティ管理」(表示専用)は、すべてのインストールの現在のセキュリティ・オプションの設定(有効または無効)を表示します。
すべての機能価格設定ユーザーに対して、価格設定セキュリティ機能を設定および保守するOracle Pricing管理者の職責が割り当てられている必要があります。
ステップ1: セキュリティ・アクセス要件のマッピング
すべての価格表、モディファイアおよび基本契約価格表を識別し、次にマップします。
これらを所有および保守する営業単位
価格設定エンティティに対して「表示専用」または「保守」アクセス権限(表示および更新)を必要とする営業単位内のユーザー
価格設定取引時にこれらを使用する営業単位
ステップ2: 価格設定エンティティの所有権割当て(「エンティティ使用」ページ)
このステップでは、既存の価格表およびモディファイアを営業単位に割り当てます。「グローバル使用」設定を使用して、エンティティを特定の営業単位に制限するか、エンティティをすべての営業単位で使用できるようにします。
ステップ3: 権限の作成(「権限」ページ)
このステップでは、すべての営業単位の全ユーザーに対して、アクセス権限を作成します。価格設定エンティティへの表示または保守アクセスを割り当てることができます。
オプションで、同じエンティティ・タイプの複数のエンティティをグループ化するエンティティ・セットを作成し、そのエンティティ・セットへのアクセス権限を付与することができます。たとえば、モディファイア名が「サマー・キャンペーン」であるすべての有効なモディファイアを含む「サマー・セット」という名称のセットを作成するとします。そして、エンティティごとではなく、エンティティ・セットに対して権限を割り当てることができます。
注意: エンティティ・セットを使用するには「Oracle Advanced Pricing」のライセンスが必要です。
ステップ4: セキュリティ・プロファイル・オプションの設定
次のセキュリティ・プロファイル・オプションを使用して、新規作成した価格設定エンティティにデフォルトのセキュリティ権限を設定できます。
QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限: 新規作成した価格設定エンティティに対するデフォルトの表示専用権限を設定します。
QP: セキュリティ・デフォルト保守権限: 新規作成した価格設定エンティティに対するデフォルトの保守権限を設定します。
QP: セキュリティ管理(表示専用): すべてのインストールの現在のセキュリティ・オプションの設定(有効または無効)を表示します。このプロファイル・オプションの値は直接更新できません。価格設定セキュリティを有効または無効にするには、コンカレント・プログラム「QP: 表示の変換によるセキュリティ管理」を実行する必要があります。
これらのプロファイル・オプションは、Oracle Pricingの既存の機能セキュリティ機能を保守するデフォルトの設定で提供されます。これらのプロファイル設定を変更する前に、Oracle Pricing管理者は価格設定エンティティごとに完全なセキュリティ・アクセス要件をマップしておく必要があります。これらのステップが完了するまで、セキュリティ・プロファイル・オプションは変更しないでください。
ステップ5: 価格設定セキュリティの有効化
価格設定セキュリティを有効にするには、コンカレント・プログラム「QP: 表示の変換によるセキュリティ管理」を「ON」に設定します。これが、インストールに対してセキュリティを有効または無効にするスイッチです。プログラムを「ON」にする前に、これまでの実装のステップがすべて完了していることを確認してください。
関連トピック
価格設定エンティティ使用の割当て(「エンティティ使用」ページ)
この項では、価格設定セキュリティへアップグレードし、セキュリティを有効にした後に、価格設定エンティティに生じる変更について要約します。価格表およびモディファイア上の新規の「グローバル」チェック・ボックスといった変更は、価格設定セキュリティが有効になった場合にのみユーザーに表示されます。
エンティティ使用
セキュリティへのアップグレード後、既存のすべての価格表およびモディファイアに、デフォルトのエンティティ使用である「グローバル使用」が割り当てられます。グローバル使用によって、価格設定エンティティがすべての営業単位で使用できるようになります。セキュリティが有効になると、すべてのモディファイアおよび価格表のヘッダーに「グローバル」ボックスが追加され、これによってエンティティのグローバル使用ステータスが示されます。「グローバル」チェック・ボックスは次のように機能します。
選択されると、そのエンティティのグローバル使用が有効になります。
選択が解除されると、その価格設定エンティティのグローバル使用は無効になります。そのエンティティには営業単位を割り当てる必要があります。
「グローバル」チェック・ボックスは、コンカレント・プログラム「セキュリティ管理」を有効にするまでユーザーに表示されません。このチェック・ボックスが表示されている場合、保守アクセス権限を持つユーザーは「グローバル」チェック・ボックスを選択または選択解除できます。表示専用権限しか持たないユーザーは、「グローバル」チェック・ボックスを変更できません。ユーザーが新規の価格設定エンティティ(価格表など)を作成し、「グローバル」チェック・ボックスの選択を解除した場合、そのエンティティに営業単位を割り当てる必要があります。MOACが無効の場合、営業単位はデフォルトで「MO: 営業単位」プロファイルの値に設定されます。
MOACが有効の場合、営業単位はデフォルトで「MO: デフォルト営業単位」プロファイルの値に設定されます。このデフォルト設定を上書きして、「MO: セキュリティ・プロファイル」オプションに割り当てられている営業単位から任意の営業単位を選択することもできます。「グローバル」チェック・ボックスを選択した状態(デフォルト値)のままにした場合、そのエンティティは、すべての営業単位で価格設定取引時に使用できます。
Oracle Pricing管理者は、「グローバル」チェック・ボックスを個々に更新することも、また、「エンティティ使用の一括更新」ページを使用して一括で更新することもできます。これらは「エンティティ使用」ページからアクセスできます。
価格表への変更
アップグレード後は、「エンティティ使用」ページでエンティティについて営業単位およびグローバル使用の設定を検証できます。選択したエンティティについて表示される情報の例を、次の表に示します。
エンティティ名 | タイプ | グローバル使用 | 営業単位により所有 |
---|---|---|---|
エンティティの名称(「夏期価格表」など) | エンティティのタイプ(「標準価格表」など) | Yes | 空白(営業単位に未割当て) |
価格設定セキュリティへのアップグレード後に、次の変更が価格表に生じます。
グローバル使用が割り当てられた価格表は営業単位に割当てできません。これらのグローバル価格表は営業単位が削除されて更新されます。
セキュリティを有効にすると、新規のすべての価格表の表示および更新のプロパティが、価格設定セキュリティ・プロファイル・オプションにより決定されます。
「価格表」ウィンドウで価格表の表示または問合せを行うためには、少なくとも表示専用のアクセス権限が必要です。表示専用のアクセス権限では、ヘッダー情報を変更したり、価格表明細、価格設定属性、クオリファイア、第2価格表などの関連情報を変更することはできません。
価格表に対して価格設定セキュリティ・ルールに基づき表示専用権限を持つユーザーは、価格表ウィンドウ上では表示専用モードとなります。価格表を更新するには、ユーザーは特定の保守アクセス権限が必要です。
第2価格表については、第2価格表に対する表示専用または保守の権限を持つ場合にのみ価格表を選択できます。また、第2価格表も、主要価格表に割り当てられているエンティティ使用によって制限されます。主要価格表がグローバルの場合、第2価格表は任意に(グローバル価格表も営業単位に割り当てられた価格表も)選択できます。主要価格表に営業単位が割り当てられている場合、第2価格表に選択できるのは、グローバル価格表か、主要価格表と同じ営業単位の第2価格表です。
パブリックAPI「QP_PRICE_LIST_PUB.PROCESS_PRICE_LIST」は、価格表セキュリティ・ルールに従って価格表のみを更新します。
「価格表」->「価格表のコピー」を選択すると価格表をコピーできます。コピーされた価格表には、セキュリティ・プロファイル・オプションからデフォルトの権限が割り当てられます。コピー中、「コピー元」価格表から導出されたデフォルト値を上書きして、「コピー先」価格表に独自のグローバル・フラグや営業単位の設定を指定できます。ただし、デフォルトのセキュリティ権限が「営業単位」に設定されている場合、コピーした価格表にも「MO: デフォルト営業単位」プロファイルに基づくデフォルトの権限が割り当てられます。
モディファイア・ウィンドウへの変更
価格設定セキュリティへのアップグレード後に、次の変更がモディファイアに生じます。
グローバル使用が割り当てられたモディファイアは営業単位に割当てできません。これらのグローバル・モディファイアは「営業単位」フィールドが削除されて更新されます。
価格設定セキュリティを有効にした後、新規のすべてのモディファイアのデフォルトの表示および保守のプロパティが、セキュリティ・プロファイル・オプションによって決定されます。
「モディファイアの定義」ウィンドウでモディファイアの表示または問合せを行うためには、少なくとも表示専用のアクセス権限が必要です。表示専用のアクセス権限では、モディファイアのリストおよび明細のすべての限度(その限度の属性および取引を含む)を表示できます。
表示専用のアクセス権限では、ヘッダー情報、明細、リストまたは明細のクオリファイア、価格設定属性、および関連するモディファイア情報を変更できません。ステータスが表示専用であることを示すメッセージが表示されます。
タイプ「販促品」のモディファイア明細は、「取得」リージョンの「取得価格」列の値リスト(LOV)に(価格設定セキュリティに基づいて)表示される価格表に添付できます。
また、「販促品」の「取得価格」列の値リストは、モディファイアに割り当てられているエンティティ使用によっても制限されます。
モディファイアがグローバルの場合、「取得価格」列ではグローバル価格表のみ選択できます。
モディファイアが営業単位に割り当てられている場合、グローバル価格表またはモディファイアと同じ営業単位の価格表を選択できます。
パブリックAPI「QP_MODIFIERS_PUB.PROCESS_MODIFIERS」は、モディファイア・セキュリティ・ルールに基づくモディファイアのみ更新できます。
「モディファイア非互換性設定」ウィンドウでは、表示または保守できるモディファイア・リストに属するモディファイア明細のみが、価格設定セキュリティ・ルールに従って問い合されます。「モディファイア」ボタンをクリックして開くモディファイアは、価格設定セキュリティ管理者の定義した権限に応じて表示または保守されます。
モディファイアに対する表示専用のアクセス権限がある場合、モディファイア ->「モディファイアのコピー」を選択することで、モディファイアをコピーできます。
セキュリティ・プロファイル・オプションからデフォルトの権限が割り当てられます。プロファイル・オプションが「営業単位」に設定されている場合、コピーしたモディファイアに割り当てられている営業単位とは関係なく、デフォルト権限は常に「MO: デフォルト営業単位」プロファイルにより決定されます。
コピーしたモディファイアのグローバル・フラグと営業単位の値は、「コピー元」モディファイアからデフォルト設定されます。このデフォルト設定を上書きして、「コピー先」モディファイアのグローバル・フラグと営業単位に別の値を選択できます。
呼出し側アプリケーションへの変更
価格表の値リストを表示するすべての呼出し側アプリケーションでは、価格設定ビューQP_PRICELISTS_LOV_Vを使用して、グローバル価格表と、その営業単位の取引専用の有効な営業単位(OU)価格表を表示することができます。ビューには、価格設定セキュリティ機能が有効か無効かに応じて、グローバル価格表およびその営業単位の取引専用の価格表が表示されるか、またはすべての価格表が表示されます。
他の価格設定ウィンドウへの変更
次の表に、Advanced Pricingの様々なウィンドウにおける価格設定セキュリティおよびセキュリティ権限の影響の概略を示します。
対象ウィンドウ | セキュリティ権限の強制の有無 |
---|---|
価格表のコピー | 有。少なくとも表示専用のアクセス権限が必要。 |
モディファイアのコピー | 有。少なくとも表示専用のアクセス権限が必要。 |
モディファイア非互換性設定 | 有。保守アクセス権限がある場合のみ更新可能。 |
価格設定オーガナイザ | 有。表示されていれば、モディファイアの表示とアクセスが可能。 |
価格設定一括保守 | 有。保守アクセス権限が必要。 |
価格表の調整 | 有。保守アクセス権限が必要。 |
価格表に品目を追加 | 有。保守アクセス権限が必要。 |
複数通貨換算 | 現在セキュリティなし。 |
算式 | 現在セキュリティなし。 |
基本契約ヘッダー | 基本契約は添付された価格表のセキュリティ・ルールを継承。 |
価格表レポート | 有。少なくとも表示専用のアクセス権限が必要。 |
モディファイア詳細レポート | 有。少なくとも表示専用のアクセス権限が必要。 |
アーカイブおよびパージ | 有。保守アクセス権限が必要。 |
デフォルトでは、新規の価格表やモディファイアには「グローバル使用」が割り当てられます。モディファイアなどの価格設定エンティティで「グローバル」チェック・ボックスの選択を解除すると、「営業単位」フィールドが有効になります。MOACが有効の場合、営業単位はデフォルトで「MO: デフォルト営業単位」プロファイル・オプションの値に設定されます。MOACが無効の場合、営業単位はデフォルトで「MO: 営業単位」プロファイル・オプションの値に設定されます。
この営業単位フィールドの値は、価格設定エンティティ使用のユーザー・インタフェースの「営業単位により所有」フィールドに表示されます。営業単位に割り当てられた価格設定エンティティはその営業単位専用で、他の営業単位では使用できません。ただし、既存の価格表およびモディファイアにはデフォルトの営業単位が割り当てられていないため、エンティティ使用機能を使用して、次の操作を実行できます。
既存の価格表およびモディファイアの所有権の、適切な営業単位への割当てまたは再割当て
価格設定エンティティのグローバル使用の許可または取消し。グローバル使用によって、価格設定エンティティにすべての営業単位がアクセスできるようになります。
価格表やモディファイアなどの価格設定エンティティに価格設定エンティティ使用を割り当てる場合は、次の点について考慮する必要があります。
すべての営業単位で価格設定取引に使用(グローバル使用)するエンティティの識別
1つの営業単位にのみ制限(営業単位により所有)するエンティティの識別
すべての営業単位ではなく複数の営業単位で使用する価格設定エンティティの識別
「グローバル使用」で「Yes」を選択。
特定の営業単位用のモディファイアまたは価格表クオリファイアを作成。クオリファイアは、価格表またはモディファイアのユーザー・インタフェースを使用して作成する必要があります。
エンティティ使用の設定後、Oracle Pricing管理者は、組織のセキュリティ・ポリシーに基づいて価格設定エンティティにアクセス権限を付与できます。
警告: Oracle Pricing Securityをアップグレードまたは実装する前に、Oracle Pricing管理者はすべての価格表およびモディファイアに所有権を割り当てる必要があります。これは、「エンティティ使用」ページの「エンティティ使用の一括更新」機能を使用して行うこともできます。
価格設定エンティティ使用の割当て
「エンティティ使用」ページでエンティティを検索し、次のエンティティ使用値を割り当てます。
注意: 新規アップグレードまたは新規インストールでは、「グローバル使用」ボックスは「Yes」(選択済)、「営業単位により所有」フィールドは空白です。
グローバル使用: すべての営業単位でエンティティを使用可能にするには、「グローバル使用」で「Yes」を選択します。選択しない(選択を解除した)場合、この価格設定エンティティに対してグローバル使用は有効にならず、エンティティの使用は割り当てられた営業単位に制限されます。グローバル使用のステータスは、価格表およびモディファイアのウィンドウの「グローバル」ボックスによってユーザーにも表示されます。
営業単位により所有: エンティティ使用を特定の営業単位に制限するには、営業単位名を選択します。
複数の価格設定エンティティに対して一括変更を行うには、「エンティティ使用の一括更新」をクリックします。
エンティティ使用の一括更新の使用
「エンティティ使用の一括更新」ページを使用して、たとえばすべての価格表に同じ営業単位を割り当てるなど、複数の価格設定エンティティに対してグローバル使用や営業単位の割当ての設定を速やかに適用できます。
「エンティティ使用」ページで、更新する価格設定エンティティを見つけます。また、ページにあるすべての価格設定エンティティを選択するには、「全て選択」をクリックします。追加エンティティが後続ページにリストされている場合、「次」リンクをクリックしてから「全て選択」をクリックします。更新するすべてのエンティティが選択されるまでこのプロセスを繰り返します。「エンティティ使用の一括更新」をクリックして、次の設定を更新します。
ノート
グローバル使用: 「Yes」または「No」を選択して、エンティティのグローバル使用を更新します。
営業単位により所有: このボックス(および「営業単位」)を選択すると、エンティティが特定の営業単位に割り当てられます。
価格設定セキュリティを有効にする前に、次の計画および実装ステップを実行します。このマッピングを実行する担当者は、価格設定ユーザーとその営業単位、すべての価格表、モディファイア・リスト、および様々ある価格設定エンティティの中の任意のエンティティに対するアクセス権限を付与するためのビジネス要件について、豊富な知識を持っている必要があります。
Advanced Pricingメニューへの機能アクセスができるすべてのユーザーの識別およびリスト
Oracle Pricingメニューへの機能アクセスができる、インストール内のすべての職責を識別します。これにより、価格設定エンティティについて、機能アクセス可能な職責を持つユーザーごとにアクセス権限を付与できるかどうか判別できます。職責別にアクセス権限を付与した場合、その職責を持つすべてのユーザーが、そのアクセス権限を持つことになります。
価格設定メニューにアクセスできるすべての職責のリストに、すべての個別ユーザーを名前で追加します。ユーザーによっては、どの価格設定エンティティについても「保守」権限は不要であるけれども「表示専用」アクセス権限は必要という場合もあります。これらのユーザーを識別し、必要な表示アクセス対象の価格設定エンティティに関連付ける必要があります。
このマッピングは、特定のユーザーへのアクセス権限の付与を支援します。ユーザーには、その職責に基づいたアクセス権限があります。ある価格設定エンティティについて、職責により付与されている権限が「表示専用」アクセス権限であるユーザーが「保守」アクセス権限を必要とする場合に、付与されている権限より上位の権限である「保守」権限をユーザーに付与する場合があります。
新規アクセス権限別の全ユーザーのリスト
Pricing管理者は、すべてのユーザーおよびそのアクセス権限のリストを保守する必要があります。マッピングを実行してアクセス権限が付与されると、「セキュリティ」ページの「権限」ページを使用して様々な方法で、付与された権限について問合せできます。「標準価格表」などの「エンティティ・タイプ」による検索では、すべての標準価格表が、「エンティティ名」、「被付与者タイプ」、「被付与者名」、「アクセス・レベル」(「表示専用」または「保守」)および「有効日」別に表示されます。この結果を使用して、新規アクセス権限のリストをチェックできます。
セキュリティ権限によって、価格設定エンティティごとにアクセスできるユーザーや、「表示専用」または「保守」を許可されるアクセス・レベルを定義できます。次のアクセス権限を割り当てることができます。
注意: 権限を付与するには、Oracle Pricing管理者の職責が割り当てられている必要があります。
「グローバル」、「営業単位」、「職責」または「ユーザー」レベルでの機能ユーザーへのアクセス権限の付与
グローバル: 価格設定メニューにアクセスできるすべてのユーザーが含まれます。
営業単位: デフォルトの営業単位として営業単位が指定されているユーザーが含まれます(「MO: デフォルト営業単位」プロファイルで指定)。
職責: 指定された職責内のユーザーが含まれます。
ユーザー: ユーザーの名前を指定します。
「表示専用」または「保守」のアクセス・レベルの付与
一時アクセス権限の付与(たとえば、監査者または臨時従業員に対する)およびその有効日の自動「開始」および「終了」
エンティティ・セットへの権限の割当て。エンティティ・セットを作成して同類のエンティティ(たとえば、特定顧客用のモディファイア)をグループ化し、エンティティごとではなく、エンティティ・セットに対して権限を割り当てることができます。エンティティ・セットに含まれるエンティティは、そのエンティティ・セットに割り当てられた権限を継承します。詳細は、「エンティティ・セットの作成」を参照してください。
次のページを使用して、権限を割り当てることができます。
「権限」ページ: 既存の権限の検索および更新
「権限簡易作成」ページ: 特定の1つの価格設定エンティティに対するアクセス権限の作成
「権限一括作成」ページ: 複数の価格設定エンティティを選択して被付与者のアクセス権限を作成
新規作成した価格設定エンティティにデフォルトのセキュリティ権限を割り当てる方法の詳細は、「セキュリティ・プロファイル・オプションの設定」を参照してください。
複数権限の優先レベル
職責分類(「価格設定ユーザー」など)に属するユーザーには、通常、その職責に関連付けられたアクセス権限が割り当てられます。しかし、職責により価格設定エンティティへの「表示専用」アクセス権限のみが付与されているユーザーが「保守」アクセス権限を必要とする場合、「保守」アクセス権限をそのユーザーに割り当てることができます。「保守」アクセス権限は「表示専用」より上位の権限であり、したがって、より上位の「保守」権限が指定されたユーザーに適用されます。
ユーザーに、特定のエンティティに対する「保守」アクセス権限が、任意のレベルのユーザー階層(「職責」、「営業単位」および「グローバル」)で与えられている場合、他のどの権限にも関係なく「保守」アクセス権限が与えられます。たとえば、ユーザーに、営業単位レベルで「保守」アクセス権限が与えられているが、ユーザー・レベルでは「表示専用」アクセス権限が与えられている場合、「保守」アクセス権限が優先されます。
権限の作成(「権限」ページからの直接作成)
「検索」リージョンで「エンティティ・タイプ」を使用して検索を実行し、「権限」ページで直接権限を割り当てます。
権限を取り消すには、削除する行を選択し、「削除」をクリックします。
「アクセス・レベル」の割当てまたは更新を行うには、「保守」または「表示専用」を選択します。
「有効開始日」および「有効終了日」を入力または更新し、「OK」をクリックして変更を保存します。
注意: 「結果: 権限」リージョンに、「データが存在しません。」というメッセージが表示される場合、そのエンティティに対する権限は存在しません。
または、エンティティを選択して「権限簡易作成」または「権限一括作成」をクリックします。
特定の価格設定エンティティ用の権限の作成(権限簡易作成)
特定の1つの価格設定エンティティに対して権限を作成するには、エンティティを選択して「権限簡易作成」をクリックします。
注意:
エンティティ・タイプ、エンティティ名: 権限を付与する価格設定エンティティのエンティティ・タイプとエンティティ名を選択します。
被付与者タイプ: 次のいずれかのオプションを選択します。
職責: 「価格設定ユーザー」、「ゲスト・ユーザー」(特定の「被付与者名」は特定のビジネスに対する設定に依存)など、特定の職責に権限を付与します。
ユーザー:特定のユーザー(価格設定部門のJohn Smithなど)に権限を付与します。
グローバル: 「被付与者タイプ」が「グローバル」である場合、「被付与者名」を空白のままにします。これにより、価格設定メニューに機能アクセスできるすべてのユーザーがこの権限を使用できるようになります。
営業単位: 特定の営業単位に権限を付与します。たとえば、「Vision1」を選択すると、デフォルトの営業単位が「Vision1」であるすべてのユーザーに権限が与えられます。
アクセス・レベル: 被付与者に付与するアクセス・レベルを選択します。
保守: ユーザーは価格設定エンティティを削除、表示および更新できます。
表示専用: ユーザーは価格設定エンティティを表示できますが更新できません。
開始日と終了日: 開始日と終了日を選択します。たとえば、臨時従業員に一時アクセスを提供するには、開始日として「02-Jul-2006」、終了日として「31-Aug-2006」を入力します。または、システム日付を受け入れます。
複数の価格設定エンティティ用の権限の作成(権限一括作成)
「権限一括作成」ページを使用すると、価格表やモディファイアなどの複数エンティティ用に瞬時に権限を作成して割り当てることができます。たとえば、営業単位「Vision France」に属するすべての価格表を検索し、「権限一括作成」機能を使用すると、それらすべての価格表に対して「保守」アクセスを付与することができます。または、変更するエンティティを含めたエンティティ・セットを作成し、一括更新機能を使用すると、そのエンティティ・セットを簡単に更新できます。変更箇所は、そのエンティティ・セット内のすべてのエンティティに対して適用されます。
エンティティ・タイプで検索を実行し、価格設定エンティティまたは権限を付与するエンティティを選択します。
「次」をクリックして「一括作成権限: 追加権限情報の指定」ページを表示し、必要な情報を入力します。
エンティティ・タイプ、エンティティ名: 権限を付与する価格設定エンティティのエンティティ・タイプとエンティティ名を選択します。
被付与者タイプ、被付与者名: 次のいずれかのオプションを選択します。
職責: 「価格設定ユーザー」、「ゲスト・ユーザー」(特定の「被付与者名」は特定のビジネスに対する設定に依存)など、特定の職責に権限を付与します。
ユーザー:特定のユーザー(価格設定部門のJohn Smithなど)に権限を付与します。
グローバル: 「被付与者タイプ」が「グローバル」である場合、「被付与者名」を空白のままにします。これにより、価格設定メニューに機能アクセスできるすべてのユーザーがこの権限を使用できるようになります。
営業単位: 特定の営業単位に権限を付与します。たとえば、「Vision1」を選択すると、デフォルトの営業単位が「Vision1」であるすべてのユーザーに権限が与えられます。
アクセス・レベル: 被付与者に付与するアクセス・レベルを選択します。
保守: ユーザーは価格設定エンティティを削除、表示および更新できます。
表示専用: ユーザーは価格設定エンティティを表示できますが更新できません。
開始日と終了日: 開始日と終了日を選択します。たとえば、臨時従業員に一時アクセスを提供するには、開始日として「02-Jul-2006」、終了日として「31-Aug-2006」を入力します。または、システム日付を受け入れます。
同じエンティティ・タイプの価格設定エンティティを複数含めた価格設定エンティティ・セットを作成することができます。たとえば、価格表のエンティティ・セットやモディファイアのエンティティ・セットを作成できます。これにより、エンティティごとではなく、エンティティ・セットに対して権限を割り当てることができます。エンティティ・セットの使用例を示します。
エンティティ・セットを作成して、保守アクセスを少数の個別ユーザーに付与します。次に、同じセットを使用して表示専用アクセス権限を他のすべてのユーザーに与えることができます。
特定の顧客用のすべての価格表を含むエンティティ・セットを作成し、価格表の保守を担当する特定のユーザーに保守アクセス権限を付与します。権限を付与されたユーザーのみが、そのエンティティ・セットに含まれる価格表の表示と保守を許可されます。
エンティティ・セットを作成および使用する場合のステップは、次のとおりです。
「エンティティ・セットの作成」ページを使用してエンティティ・セットを作成します。このページでは、セット作成で使用するヘッダー・レベルの基準のみを選択できます。
付与オブジェクト(オブジェクト・タイプENTITY SET)として「エンティティ・セット」を使用し、被付与者タイプおよび被付与者にアクセス・ロールを付与します。
エンティティ・セットの摘要で、選択した基準を確認できるようにする必要があります。エンティティ・セットを作成した後に、そのエンティティ・セットのコピーや更新はできません。変更が必要な場合、新規エンティティ・セットを作成する必要があります。
注意: 必要に応じて、権限の取消しまたは追加ができます。ただし、エンティティ・セットは、そのエンティティ・セットに既存の権限がある場合には削除できません。「エンティティ・セット」機能を使用できるのは、Oracle Advanced Pricingのライセンス・ユーザーのみです。
エンティティ・セットについて、次の点に考慮してください。
現在システムに存在していない基準の指定されたセットに対してエンティティ・セットを作成することが可能です。
システムに現在レコードが存在していない場合でも、このエンティティ・セットに対してアクセス権限を作成することが可能です。
セット基準に一致する新規作成レコードは、そのセットに自動的に割り当てられ、そのセットに割り当てられた権限を継承します。
このエンティティ・セットがアクセス権限で使用される場合、新規作成されたエンティティはこのセットに組み込まれ、これらの権限を持つことになります。
エンティティ・セット使用の例
顧客名に「Wireless」を含むUSD通貨の有効なすべてのモディファイアに対して「SET1」という名称のエンティティ・セットを新規作成します。次に、「エンティティ・セット」ページでセット名「SET1」を問い合せます。「進む」ボタンをクリックしても、「結果」リージョンにはレコードが表示されません。これは、これらの基準に一致するレコードが現在存在していないためです。
次に、エンティティ・セット「SET1」に対して権限を作成し、「Vision」という「営業単位」に表示専用アクセスを割り当てます。次に、ユーザーは顧客「Totally Wireless」に対してUSD通貨で新規モディファイア「MOD 1」を作成し、そのモディファイアを有効にします。
「MOD 1」モディファイアは「SET1」エンティティ・セットに自動的に割り当てられ、表示専用アクセスを継承します。
ノート
「エンティティ・セットの作成」ページで、セットの基準を定義します。
セット名、摘要: 作成したエンティティ・セットを一意に識別する名称と、簡単で意味があり、このエンティティ・セットに対して選択したすべての基準を示す説明を入力します。セットを定義する基準は、セットの「摘要」に含まれている必要があります。
価格設定エンティティ・タイプ: エンティティ・セットに含める価格設定エンティティのタイプを選択します。エンティティ・セットに含めることができる価格設定エンティティ・タイプは1つのみです。
注意: エンティティ・セットに含めることができるのは、1つの一意の価格設定エンティティ・タイプのみです。たとえば、「Entity Set1」にエンティティ・タイプ「標準価格表」および「モディファイア」を同時に含めることはできません。
価格設定エンティティ名: 演算子(「等しい」、「等しくない」、「含む」、「始めが」、「終りが」を選択して、セットに含める価格設定エンティティ名についての特定の詳細を入力します。たとえば、「価格設定エンティティ名」に「夏期価格表」を選択する場合、「夏期価格表」という名称の価格表がエンティティ・セットに含まれます。(価格設定エンティティ・タイプとして「標準価格表」が選択されたとします。)
オプション・クオリファイア基準」: 追加基準として追加する基準を「基準の追加」フィールドから選択し、「追加」ボタンをクリックします。新規のエンティティ・セットに必要な基準のみを追加します。追加した基準をセットの「摘要」に追加します。エンティティ・セットには、基準に完全一致する価格設定エンティティのみが含まれます。
エンティティ・セットの削除
エンティティ・セットを削除するには、最初にこのセットのすべての権限を取り消してから削除する必要があります。
「エンティティ・セット」ページにナビゲートし、既存のエンティティ・セットを検索します。
「結果: エンティティ・セット」リージョンで、「削除」アイコンをクリックして特定のエンティティ・セットを削除します。
「削除」アイコンがグレー表示されている場合、エンティティ・セットには割り当てられた権限がまだ存在しています。エンティティ・セットを削除するには、最初に権限を取り消してから、エンティティ・セットを削除します。
セキュリティ・プロファイル・オプションを設定し、新規作成した価格表およびモディファイアに割り当てるデフォルトのセキュリティ権限を定義できます。これらのプロファイルは、デフォルトに設定(現在の機能が維持)されたままにし、価格設定エンティティの新規作成時に「表示専用」または「保守」の自動権限を与えるユーザーを決定するまで変更しないでください。これらの権限は、作成中のユーザーが新規エンティティを保存すると同時に自動的に作成されます。既存の価格設定エンティティに対するセキュリティ・アクセスは、Oracle Pricing管理者が価格設定セキュリティを使用して設定します。
「QP: セキュリティ・デフォルト保守権限」および「QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限」の2つのセキュリティ・プロファイル・オプションは、新規作成した価格表およびモディファイアに割り当てられるデフォルトのアクセス権限のみを管理します。
QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限
新規作成した価格表およびモディファイアに対するデフォルトの表示専用権限を管理します。職責の表示と保守は、別々のプロファイル・オプションで個別に制御されます。このプロファイル・オプションによって、「グローバル」(デフォルト)、「営業単位」、「職責」、「ユーザー」または「なし」のいずれかのレベルで表示専用権限を設定できるようになります。これによって、新規作成した価格表およびモディファイアを表示できるユーザー(存在する場合)が管理されます。
QP: セキュリティ・デフォルト保守権限
新規作成した価格表およびモディファイアに対するデフォルトの保守権限を管理します。このプロファイル・オプションによって、「グローバル」(デフォルト)、「営業単位」、「職責」、「ユーザー」または「なし」のいずれかのレベルで保守権限を設定できるようになります。
注意: これらのデフォルト権限のいずれかが営業単位に設定されている場合、価格設定エンティティに割り当てられている営業単位ではなく、「MO: デフォルト営業単位」プロファイルで指定された営業単位に対して権限が作成されます。
QP: セキュリティ管理(表示専用): すべてのインストールの現在のセキュリティ・オプションの設定(有効または無効)を表示します。このプロファイル・オプションの値は直接更新できません。価格設定セキュリティを有効にするには、コンカレント・プログラム「セキュリティ管理」を使用する必要があります。
セキュリティ・プロファイル・オプションを設定し、デフォルト権限プロファイルを変更する前に、すべてのセキュリティ設定要件を入力してください。既存の価格表およびモディファイアに対するアクセス権限を変更するには、「セキュリティ権限」ウィンドウを使用します。
次の説明は、セキュリティ・ポリシーを満たすプロファイル・オプションの設定の組合せを選択する上でユーザーをサポートするものです。
複数のアクセス・レベル間の競合の解決
ユーザーに同じ価格設定エンティティに対する2つの異なるアクセス権限がある場合、「保守」のアクセス・レベルが常に優先されます。たとえば、価格設定ユーザーが特定の価格表に対して「ユーザー」レベルで「保守」アクセス権限を持ち、「職責」レベルで「表示専用」アクセス権限を持つ場合、ユーザーはこれらの価格表に対して「保守」権限を持ちます。
どの場合も、最上位アクセス・レベル(「保守」アクセス権限)が「表示専用」権限に優先します。このルールは、ユーザーの営業単位IDに関係なく適用されます。
次の項に、新規作成した価格設定エンティティに対してデフォルトの表示および保守アクセス権限を定義する、セキュリティ・プロファイル・オプション設定の可能な組合せを示します。プロファイル・オプション設定の組合せを検証し、インストールの要件に合う組合せを選択します。セキュリティが有効になっている場合、新規作成された価格表およびモディファイアにはプロファイル・オプション設定からのデフォルトの表示および保守セキュリティ権限が割り当てられます。
セキュリティ・プロファイル有効: 価格設定エンティティ新規作成時の動作
新規の価格表およびモディファイア設定時のプロファイル設定の組合せによる動作を次の表に示します。使用可能な値は、「なし」、「ユーザー」、「職責」、「営業単位」および「グローバル」です。
QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限 | QP: セキュリティ・デフォルト保守権限 | 作成中の動作 | 「エンティティ」(「価格表」または「モディファイア」)の設定ウィンドウの保存および終了後 |
---|---|---|---|
なし | なし | 作成中にエンティティの表示および更新が可能 | 1. 新規エンティティは全ユーザーが表示または更新不可 |
なし | ユーザー | 作成中にエンティティの表示および更新が可能 | 2. 新規エンティティは作成したユーザーのみ表示および更新可能 |
なし | 職責 | 作成中にエンティティの表示および更新が可能 | 3. 新規エンティティは作成したユーザーと同じ職責のユーザーのみ表示および更新可能 |
なし | 営業単位 | 作成中にエンティティを表示/更新可能 | 4. 新規エンティティは作成したユーザーとデフォルトの営業単位が同じユーザーのみ表示および更新可能 |
なし | グローバル | 作成中にエンティティの表示および更新が可能 | 5. 新規エンティティは全ユーザーが表示および更新可能 |
セキュリティ・プロファイル有効: ユーザーの値に対する組合せの価格設定エンティティ新規作成時の動作
新規の価格表およびモディファイア設定時のプロファイル設定の組合せによる動作を次の表に示します。使用可能な値は、「なし」、「ユーザー」、「職責」、「営業単位」および「グローバル」です。
QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限 | QP: セキュリティ・デフォルト保守権限 | 作成中の動作 | 「エンティティ」(「価格表」または「モディファイア」)の設定ウィンドウの保存および終了後 |
---|---|---|---|
ユーザー | なし | 作成中にエンティティの表示および更新が可能 | エンティティを作成したユーザーが新規エンティティを表示可能。全ユーザーが更新不可 |
ユーザー | ユーザー | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは作成したユーザーのみ表示および更新可能 |
ユーザー | 職責 | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 「なし」/「職責」の組合せで設定したときと同じ。ただし、職責から除外されてもユーザーはエンティティを表示可能 |
ユーザー | OU | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 「なし」/「営業単位」の組合せで設定したときと同じ。ただし、ユーザーが異なる営業単位である場合も、エンティティを表示可能 |
ユーザー | グローバル | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 「なし」/「グローバル」設定と同じ。新規エンティティは全ユーザーが表示および更新可能 |
セキュリティ・プロファイル有効: 職責の値に対する組合せの価格設定エンティティ新規作成時の動作
新規の価格表およびモディファイア設定時のプロファイル設定の組合せによる動作を次の表に示します。使用可能な値は、「なし」、「ユーザー」、「職責」、「営業単位」および「グローバル」です。
QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限 | QP: セキュリティ・デフォルト保守権限 | 作成中の動作 | 「エンティティ」(「価格表」または「モディファイア」)の設定ウィンドウの保存および終了後 |
---|---|---|---|
職責 | なし | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは作成したユーザーと同じ職責の全ユーザーが表示可能。全ユーザーが更新不可 |
職責 | ユーザー | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは作成したユーザーと同じ職責の全ユーザーが表示可能。さらに、作成したユーザーのみ更新可能 |
職責 | 職責 | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 「なし」/「職責」設定と同じ。新規エンティティは作成したユーザーと同じ職責のユーザーのみ表示および更新可能 |
職責 | 営業単位 | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは作成したユーザーと同じ職責の全ユーザーが表示可能。さらに、作成したユーザーとデフォルトの営業単位が同じ全ユーザーも更新可能 |
職責 | グローバル | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 「なし」/「グローバル」と同じ。新規エンティティは全ユーザーが表示および更新可能 |
セキュリティ・プロファイル有効: 営業単位の値に対する組合せの価格設定エンティティ新規作成時の動作
新規の価格表およびモディファイア設定時のプロファイル設定の組合せによる動作を次の表に示します。使用可能な値は、「なし」、「ユーザー」、「職責」、「営業単位」および「グローバル」です。
QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限 | QP: セキュリティ・デフォルト保守権限 | 作成中の動作 | 「エンティティ」(「価格表」または「モディファイア」)の設定ウィンドウの保存および終了後 |
---|---|---|---|
営業単位 | なし | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは作成したユーザーとデフォルトの営業単位が同じ全ユーザーが表示可能。全ユーザーが更新不可 |
営業単位 | ユーザー | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは作成したユーザーとデフォルトの営業単位が同じ全ユーザーが表示可能。作成したユーザーのみ更新可能 |
営業単位 | 職責 | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは作成したユーザーとデフォルトの営業単位が同じ全ユーザーが表示可能。作成したユーザーと同じ職責の全ユーザーも更新可能 |
営業単位 | 営業単位 | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 「なし」/「OU」設定と同じ。新規エンティティは作成したユーザーとデフォルトの営業単位が同じユーザーのみ表示および更新可能 |
営業単位 | グローバル | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 「なし」/「グローバル」設定と同じ。新規エンティティは全ユーザーが表示および更新可能 |
セキュリティ・プロファイル有効: グローバルの値に対する組合せの価格設定エンティティ新規作成時の動作
新規の価格表およびモディファイア設定時のプロファイル設定の組合せによる動作を次の表に示します。使用可能な値は、「なし」、「ユーザー」、「職責」、「営業単位」および「グローバル」です。
QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限 | QP: セキュリティ・デフォルト保守権限 | 作成中の動作 | 「エンティティ」(「価格表」または「モディファイア」)の設定ウィンドウの保存および終了後 |
---|---|---|---|
グローバル | なし | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは全ユーザーが表示可能。ただし全ユーザーが更新不可 |
グローバル | ユーザー | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは全ユーザーが表示可能。作成したユーザーのみ更新可能 |
グローバル | 職責 | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは全ユーザーが表示可能。作成したユーザーと同じ職責の全ユーザーも更新可能 |
グローバル | 営業単位 | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 新規エンティティは全ユーザーが表示可能。作成したユーザーとデフォルトの営業単位が同じ全ユーザーも更新可能 |
グローバル | グローバル | エンティティは作成したユーザーが表示および保守可能 | 「なし」/「グローバル」と同じ。新規エンティティは全ユーザーが表示および更新可能 |
Oracle Pricing管理者は、「エンティティ使用」ページ(または、「エンティティ使用」ページの「エンティティ使用の一括更新」機能)を使用して価格設定エンティティの所有権を割当てまたは変更できます。
警告: コンカレント・プログラム「QP: 表示の変換によるセキュリティ管理」により、すべてのインストールに対して価格設定セキュリティが有効または無効になります。アップグレードまたはセキュリティ機能を初めてインストールする場合は、次の設定および実装ステップを必ず実施してから、価格設定セキュリティの有効化またはデフォルトのセキュリティ・プロファイル・オプションの設定を行ってください。そうしないと、ユーザーは価格設定ウィンドウでどの価格表またはモディファイアにも問合せできません。
価格表またはモディファイアの新規作成時にビジネスが要求する動作を評価および計画します。
既存の価格設定エンティティに営業単位所有者を割り当てます。
セキュリティ・ポリシーおよびニーズに基づいてすべてのレベルで権限を付与します。
セキュリティ管理を最初に「ON」に設定すると、「グローバル」チェック・ボックスがすべての価格表およびモディファイアのヘッダー・リージョンに表示されます。エンティティで「グローバル」チェック・ボックスが選択されている場合、組織のすべての営業単位でそのエンティティが使用可能です。「グローバル」チェック・ボックスは、エンド・ユーザーに対して表示され、「保守」アクセス権限のあるユーザーが更新(選択または選択解除)できます。
価格表およびモディファイアの「グローバル」チェック・ボックスを個別に更新するか、「エンティティ使用の一括更新」ページで一括更新できます。詳細は、「価格設定エンティティ使用の割当て」を参照してください。
セキュリティ管理を有効にするまで、価格設定エンティティは営業単位によって識別されません。価格設定エンティティ・セキュリティへのアップグレード前またはその実装前に、Oracle Pricing管理者がすべての価格表およびモディファイアに所有権を割り当てることが非常に重要です。「エンティティ使用」ページの「エンティティ使用の一括更新」機能を使用して、グローバル使用の値を割当てまたは再割当てできます。
価格設定セキュリティを有効にした後、「グローバル」チェック・ボックスの選択が解除されている場合は、デフォルトの営業単位が使用されます。
価格設定セキュリティが「ON」に設定されていて、セキュリティが事前に割り当てられていない場合の、既存の価格設定エンティティの動作を次の表に示します。
QP: セキュリティ・デフォルト表示専用権限 | QP: セキュリティ・デフォルト保守権限 | 価格設定セキュリティ管理者による権限 | 動作 |
---|---|---|---|
適用なし | 適用なし | 付与されている権限なし | Oracle HTMLユーザー・インタフェースから選択したセキュリティ管理ページを使用してOracle Pricing管理者が行う場合以外は、エンティティは全ユーザーが表示または更新不可 |
適用なし | 適用なし | 保守 | エンティティは「保守」アクセス権限を持つユーザーが表示および更新可能 |