Oracle Advanced Pricingインプリメンテーション・マニュアル リリース12 E05612-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では次のトピックについて説明します。
特定の顧客について価格台帳を作成し、製品とその価格に関するリストを公開できます。選択したすべての製品について価格を表示する全価格台帳を作成することも、対応する全価格台帳の公開後に価格が変更された品目についてのみ表示するデルタ価格台帳を作成することもできます。価格台帳を作成するには、価格台帳に表示する品目を選択し、公開オプションを選択した後、価格台帳を生成するコンカレント要求を即時または時間を決めて実行します。様々な印刷および送信オプションから選択できます。
価格台帳は、次のどちらかの方法で印刷します。
文書をオンラインで表示し、印刷します。
価格台帳の公開オプションでプリンタを指定します。これには、XMLパブリッシャの送信マネージャ(Oracle E-Business Suiteのコンポーネント)が使用されます。
XMLパブリッシャの送信マネージャ・オプションを使用し、価格台帳をEメールに添付して外部の顧客に送信します。
使用可能なシード・テンプレートを使用して、次のようなフォーマットで価格台帳を公開します。
Excelスプレッドシート
PDF(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)
RTF(リッチ・テキスト・フォーマット)
注意: XMLパブリッシャを使用して独自のテンプレートを定義することもできます。
XMLメッセージとして送信します。
また、価格台帳を生成するための入力条件は、OAG XML取引(GET_CATALOG_002)によって取引先(外部顧客)から受け取ることもできます。その後、価格台帳はOAG XML取引(SYNC_CATALOG_003)として取引先に転送されます。価格台帳の生成にかかわるテクノロジ・スタック・コンポーネントには、Oracle XML Gateway、Oracle Workflow Business Event System、Oracle Supply Chain Trading Connectorが含まれます。
通常、内部顧客および外部顧客は、次の例で示すようなビジネス上の様々な理由から、価格台帳を作成することができます。
内部顧客
価格設定アナリストまたは価格設定スーパーユーザー: 監査や計画用、または価格設定ルールの保守管理用に価格設定レポートを定義するために、価格台帳を生成できます。
製品マネージャ: 定価やディーラー価格または販売業者価格を定義する必要のある製品マネージャは、既存の価格を検討したり、顧客別に特定の製品や製品カテゴリに関連する価格のハードコピーを作成するために、価格台帳を生成できます。
販売マネージャ: 顧客を訪問したり、既存価格を検討する必要のある販売マネージャは、特定の顧客に関連する価格のハードコピーを作成するために、価格台帳を使用できます。
外部顧客
ディーラーの特定の顧客は、仕入先やディーラーのWebサイトで価格を検索したり、公開されている価格表を参照する必要がある場合があります。これらの顧客は、価格台帳APIを使用して価格台帳情報を取得し、各自のWebサイト上でそれらの情報を使用可能にすることができます。
次に、外部顧客が価格台帳を使用する場合の一般的な例をいくつか示します。
クライアント会社のディーラーまたは販売業者は、仕入先に支払う必要がある価格を検索します。
販売業者は、一般的な価格設定用や、価格台帳が生成された日の最新の価格を知りたい顧客のために価格台帳を作成します。
会社は、将来の日付で価格台帳を公開する必要がある場合があります。たとえば、10月1日付けで価格の値上げを予定している場合、価格台帳を9月に印刷して発送することができます。
価格台帳について、Oracle Advanced Pricingでは、ビジネス・イベントに関連するシード済ワークフローが提供されています。ワークフローとは、順序立てられた複数のアクティビティからなるもので、自動的にまたはエンド・ユーザーの介入により実行されます。ビジネス・プロセスの自動化に役立ちます。受注の記帳など、定義済のビジネス・イベントが発生すると、関連するワークフロー・プロセスが起動されます。
oracle.apps.qp.pricebook.catso: このイベントは、価格台帳の公開を生成または開始する価格設定コンカレント・プログラムによって呼び出されます。
oracle.apps.qp.pricebook.catgi: このイベントは、取引先からGET_CATALOG_002メッセージを受信したときにXMLゲートウェイ(ECX)によって呼び出されます。
Oracle Pricingでは、コラボレーション履歴コンポーネントについてOracle Supply Chain Trading Connector(CLN)アプリケーションにシードされている次のワークフローを使用します。
oracle.apps.cln.ch.collaboration.create: このイベントは、価格台帳の公開を生成または開始する価格設定コンカレント・プログラムにリンクされています。このイベントのCLNワークフローは、コラボレーション履歴表に価格台帳コラボレーションの追跡情報を作成します。
Oracle Advanced Pricingでは、価格台帳機能に対して、価格台帳の作成APIと価格台帳の取得APIというパブリック・アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)が提供されています。Oracle Advanced Pricingと統合するアプリケーションでは、これらのAPIを呼び出して、価格台帳を生成または取得することができます。次に、価格台帳パブリックAPIについて説明します。
Create_Price_Book API: このAPIを使用して、新規または既存の価格台帳(フルまたはデルタ価格台帳)を作成、上書きおよび公開します。入力条件に基づき、コンカレント要求がシステムによって発行されます(コンカレント要求は、価格台帳を価格台帳機能またはGet_Catalogで作成したときにも発行されます)。要求ID、戻りステータス、および入力パラメータの検証時またはコンカレント要求の発行時に発生したエラーがすべて出力パラメータとして戻されます。価格台帳を作成したら、Get_Price_Book APIを使用して価格台帳を取得します。
Get_Price_Book API: このAPIを使用して、入力パラメータの価格台帳名、価格台帳タイプおよび顧客を入力し、既存の価格台帳を取得します。
関連トピック
『Oracle Order Management Open Interfaces, API, & Electronic Messaging Guide』
価格台帳を使用する前に、次の実装ステップを実行します。
価格台帳機能では、次のプロファイル・オプションを使用してデフォルトの設定を定義します。
QP: Eメール - 送信元アドレス: 価格台帳機能から送信されたすべてのEメールの送信元アドレスを定義します。
QP: 外部デフォルト価格設定状況: すべての外部ユーザーについてデフォルトの価格設定状況を設定します。
QP: インバウンドXMLメッセージ職責: インバウンドXMLメッセージで使用される職責を定義します。
QP: 内部デフォルト価格設定状況: すべての内部ユーザーについてデフォルトの価格設定状況を設定します。
QP: 価格設定状況要求タイプ: 価格設定状況(呼出し側アプリケーション)と使用される要求タイプとのマッピングを定義します。
このプロファイル・オプションの設定および使用方法は、このマニュアルの「プロファイル・オプション」を参照してください。
価格台帳をEメールとして送信する際には、「価格台帳の作成」ページの「Eメール・アドレス」フィールドにEメール・アドレスを入力します。価格台帳は生成後、構成で指定されたEメール・サーバーを使用して、指定されたEメール・アドレスに送信されます。Eメールで送信される価格台帳は、デフォルトのEメール・サーバーを使用します。Eメール・サーバーを指定するには、Oracle XML Publisherの送信マネージャの構成にEメール・サーバーを追加し、デフォルトのエントリとして指定する必要があります。送信マネージャの構成方法の詳細は、『Oracle XML Publisherユーザーズ・ガイド』を参照してください。
注意: 価格台帳をEメールとして送信する際には、送信する価格台帳のレイアウトと外観を定義するテンプレートを選択する必要があります。
価格台帳を特定のプリンタに出力するには、「価格台帳の作成」ページの「プリンタ」フィールドにプリンタ名を入力します。プリンタ名が指定されていない場合、構成で定義されたデフォルトのプリンタが使用されます。デフォルトのプリンタを定義するには、Oracle XML Publisherの送信マネージャの構成にユーザーのサイトのプリンタを追加し、デフォルトのエントリとして指定する必要があります。また、構成にエントリを追加することによって、複数のプリンタを設定することもできます。送信マネージャの構成の詳細は、『Oracle XML Publisherユーザーズ・ガイド』を参照してください。
注意: 「価格台帳の作成」ページの「プリンタ」フィールドに入力したプリンタ名は、Oracle XML Publisherの送信マネージャの構成に定義されているプリンタ・サーバー名に対応している必要があります。また、価格台帳を印刷する際には、印刷された価格台帳のレイアウトと外観を定義するテンプレートも選択する必要があります。
Oracle XML Publisherを使用すると、PDF、RTF、Excelといった様々なフォーマットで価格台帳を公開できます。
注意: 価格台帳をプリンタまたはEメールの添付ファイルに直接公開するには、Oracle XML Publisher(XDO)製品の送信マネージャ・コンポーネントが必要です。印刷およびEメール送信用の公開オプションが付いた送信マネージャ・コンポーネントは、XML Publisher 5.0で使用可能です。
XMLパブリッシャ・テンプレートを選択するには:
Oracle Advanced Pricingでは、価格台帳の生成に使用できるシード済のXMLパブリッシャ・テンプレートを提供しています。Oracle XML Publisherを使用して、公開された価格台帳のレイアウトを定義する追加のテンプレートを作成および保守できます。公開オプション(電子メールまたは印刷)および出力フォーマット(Excel、PDF、RTF)を様々に指定することで、複数のテンプレートを作成することができます。たとえば、印刷バージョンとPDF出力とで別々のテンプレートを使用できます。
価格台帳の印刷時やEメールでの送信時には、選択されている公開オプションに合わせて適切なテンプレートを選択します。製品の定価が表示されないようにするには、シード済の価格台帳テンプレートの1つをコピーし、新しいテンプレートから定価列(または他の任意の列)を削除します。
価格台帳では、外部の顧客との間で価格台帳情報を転送するために、次のXMLゲートウェイ・メッセージ・マップが必要です。
GET_CATALOG_002メッセージ・マップ: OAG XML取引を使用して、取引先(外部顧客)から入力条件を受け取り、価格台帳を生成します。
SYNC_CATALOG_003メッセージ・マップ: OAG XML取引を使用して、価格台帳を取引先に転送します。
XMLゲートウェイ・メッセージ・マップは、XMLゲートウェイ・メッセージ・デザイナで作成され、.xgmファイルとして格納されます。これらのマップは、シード・データとしてXMLゲートウェイにロードされます。さらに、XMLメッセージングでは、カタログの取得メッセージとカタログの同期化メッセージそれぞれについて、取引先レコードと取引先詳細レコードも必要です。
Get_Catalog_002 XMLメッセージのマップ
XMLゲートウェイ・メッセージ・マップ、QP_CATGI_OAG72_IN.xgmが、GET_CATALOG_002 XML文書を取得するために提供されています。次の表は、受信したXMLメッセージにマップされます。
QP_PB_INPUT_HEADERS_B
QP_PB_INPUT_HEADERS_TL
QP_PB_INPUT_LINES
GET_CATALOG_002 XML文書は、オープン・アプリケーション・グループ(OAG)文書タイプ定義(DTD)の129_get_catalog_002.dtdおよびoagis_extensions.dtdに準拠します。これらのDTDとその他の関連DTD(oagis_domains.dtd、oagis_entity_extensions.dtd、oagis_fields.dtd、oagis_resources.dtd、oagis_segments.dtd)は、XMLゲートウェイにロードされ、$qp/xml/oagに置かれます。
このマップで使用される表およびビューは、ECX_OAG_CONTROLAREA_TP_V(管理領域マッピング用にXMLゲートウェイによって提供)と、前述の表になります。
SYNC_CATALOG_003 XMLメッセージのマップ
XMLメッセージSYNC_CATALOG_003は、Oracle Applicationsが関与するビジネス・コラボレーション向けに価格台帳を電子的に公開する方法を提供するOAG標準です。SYNC_CATALOG_003を利用することで、売り手はOracle Advanced Pricingで作成した製品カタログを買い手に公開することができます。
売り手は、SYNC_CATALOG_003を使用して新しい価格台帳を公開します。価格台帳の情報が変更された場合、売り手は価格台帳を再公開して、買い手がより最新の価格台帳に差し替えることができるようにします。
XMLゲートウェイ・メッセージ・マップQP_CATSO_OAG72_OUT.xgmが、SYNC_CATALOG_003 XML文書を生成するために提供されています。このマップには、次の入力があります。
価格台帳ヘッダー: QP_PRICE_BOOK_HEADERS_Vを使用して生成
価格台帳明細: QP_PRICE_BOOK_LINES_V(価格台帳要約明細)を使用して生成
価格台帳明細詳細: QP_PRICE_BOOK_LINE_DETAILS_V(価格表明細およびモディファイア明細)を使用して生成
価格表明細の価格設定属性: QP_PRICE_BOOK_ATTRIBUTES_V(価格表明細)を使用して生成
価格分岐ヘッダー・モディファイアおよび価格表明細の価格分岐明細: QP_PRICE_BOOK_BREAK_LINES_V(価格分岐ヘッダー・タイプの価格表明細およびモディファイア明細)を使用して生成
SYNC_CATALOG_003 XML文書は、OAG DTDの128_sync_catalog_003.dtdおよびoagis_extensions.dtdに準拠します。これらのDTDとその他の関連DTD(oagis_domains.dtd、oagis_entity_extensions.dtd、oagis_fields.dtd、oagis_resources.dtdおよびoagis_segments.dtd)は、$qp/xml/oagに置かれます。このマップで使用される表およびビューは、ECX_OAG_CONTROLAREA_TP_V(管理領域マッピング用にXMLゲートウェイによって提供)と、前述のビューになります。
XMLゲートウェイの取引先の設定
外部顧客に対してインバウンドGET_CATALOG_002 XMLメッセージおよびアウトバウンドSYNC_CATALOG_003 XMLメッセージを使用可能にするには、Oracle XMLゲートウェイの「取引先の設定」でまず顧客を取引先として定義する必要があります。この設定では、次の2つの取引を取引先に追加します。
GET_CATALOG_002
Transaction Type = QP
Transaction SubType = CATGI
Standard Code = OAG
External Transaction Type = CATALOG
External Transaction Subtype = GET
Direction = IN
Map = QP_CATGI_OAG72_IN
SYNC_CATALOG_003
Transaction Type = QP
Transaction SubType = CATSO
Standard Code = OAG
External Transaction Type = CATALOG
External Transaction Subtype = SYNC
Direction = OUT
Map = QP_CATSO_OAG72_OUT
取引先の設定の詳細は、『Oracle XML Gatewayユーザーズ・ガイド』を参照してください。ワークフロー管理者Webアプリケーション職責で処理モニターを使用して、XMLメッセージのステータスをモニターできます。
顧客品目番号および顧客品目摘要を使用している会社の場合、「価格台帳詳細」ページをカスタマイズする必要があります。非表示の列を顧客品目番号および顧客品目摘要用に使用できます。これらの列を使用可能にすると、品目を参照する際にユーザーは顧客品目番号および顧客品目摘要を表示できるようになります。
価格台帳では、価格設定パラメータ「価格台帳価格設定イベント」(QP_PRICE_BOOK_PRICING_EVENTS)を使用して価格設定イベントを要求タイプ・コードに関連付け、価格台帳エンジン・コールで使用します。通常は、シード済値を変更する必要はありません。
この価格設定パラメータは、要求タイプ・レベルにあります。各イベントをカンマで区切ることにより、複数の価格設定イベントを1つの要求タイプに関連付けることができます。この価格設定パラメータの値として使用されているイベントが有効で、適用可能な価格設定イベントかどうかを確認してください。