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Oracle Applicationsパッチ・プロシージャ
リリース12
E05656-01
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5 パッチ・プロシージャ

この章では、Oracle Applicationsシステムへのパッチの適用について説明します。この章には次の項があります。

対話型パッチ適用の実行

Oracle Applicationsのファイル・システムまたはデータベースへのパッチおよび更新は、AutoPatchを使用して適用します。AutoPatchでは、インストール時にサーバーを識別し、パッチに必要な処理を各APPL_TOPで実行します。共有アプリケーション層ファイル・システムでは、1つのノードでのパッチ適用セッションへの変更が、すべてのノードでただちに有効になります。

パッチは、対話型または非対話型で適用できます。対話型のパッチ適用は通常のパッチ方法で、一連のプロンプトに応答してAutoPatchで必要な情報をすべて提供します。パッチを非対話型で適用することもできます。非対話型のパッチ適用では、AutoPatchのいくつかのプロンプトに応答せずに、特別なタイプのパッチを実行できます。


追加情報:

「AutoPatch」を参照してください。「非対話型パッチ適用の実行」も参照してください。

最適なパフォーマンスを確保してパッチ適用セッション時の停止時間を短縮するために、AutoPatchでは、パッチ適用時にメンテナンス・モードの有効化が必要です。メンテナンス・モード機能を有効にするとワークフロー・ビジネス・イベント・システムが停止し、Oracle Applicationsの機能を使用できないように機能セキュリティが設定されます。これによって、通常の実行時操作とパッチ適用時のシステム・停止時間が明確に区別されます。

パッチ適用セッションが完了するとメンテナンス・モードが無効になり、ユーザーは新しく更新されたシステムに完全にアクセスできます。


注意:

メンテナンス・モードが無効の場合は、必要に応じてoptions=hotpatchをコマンドラインで使用することにより、AutoPatchを実行できます。ただし、パフォーマンスが大幅に低下する原因となります。


追加情報:

「パッチを適用するシステムの準備」を参照してください。

対話型のパッチ適用

ビジネス要件

パッチを適用する方法は?

説明

パッチ適用の必要性が判明したら該当するパッチをダウンロードし、AutoPatchを使用してシステムに適用します。すべてのAPPL_TOPに統合ドライバを適用すると、AutoPatchによって、現在のAPPL_TOPに必要な処理が振り分けられます。

前提条件パッチおよび手動のステップが必要なパッチもあります。admsi.plスクリプトを実行して、パッチ用にカスタマイズされたインストール手順を生成します。この手順には、必要な手動ステップがすべて含まれています。


注意:

admsi.plスクリプトによって生成されるインストール手順の一部では、事前インストール・モードが指定される場合があります。その場合は、指示に従って事前インストール・モードを使用します。「AutoPatchの各モード」を参照してください。


注意:

大量のパッチ(Minipack、Family Pack、Maintenance Packなど)を適用する場合は、その前にファイル・システムとデータベースをバックアップすることが重要です。統合ドライバのデータベース部分を実行しているときにパッチ適用処理が失敗すると、パッチをバックアウトできなくなります。ファイル・システムおよびデータベースの回復されたバックアップを使用して、パッチ適用処理を再開する必要があります。

処理

ここでは、パッチを適用するための一般的なステップについて説明します。続いて、AutoPatchのデフォルトの動作を変更するコマンドライン・オプションについて説明します。

  1. applmgr(アプリケーション・ファイル・システム所有者)でログインし、環境を設定します。環境を設定する手順は次のとおりです。

    UNIX:

    通常、環境ファイルはAPPS<CONTEXT_NAME>.envで、APPL_TOPの下にあります。Bourne、KornまたはBashシェルから、次のように入力します。

    $ . APPS<CONTEXT_NAME>.env
    
    

    Windows:

    Windowsエクスプローラ、または「スタート」メニューの「ファイル名を指定して実行」を使用して、%APPL_TOP%¥envshell.cmdを実行します。これにより、「コマンド・プロンプト」ウィンドウが作成され、Oracle Applicationsの必須の環境設定が表示されます。この「コマンド・プロンプト」ウィンドウで、すべての後続のコマンドを実行します。

    Windowsプラットフォームで実行している場合は、必要なツールがすべて正しくインストールされていることを確認します。%JAVA_TOP%および%JAVA_TOP%¥loadjava.zipファイルがすべて、%APPL_TOP%¥admin¥adovars.cmdのset CLASSPATH文に指定されていることも確認します。

  2. パッチ・トップ・ディレクトリがない場合は作成します。ステージング・ディレクトリにパッチをダウンロードし、パッチ・トップ・ディレクトリにUnzipします。<PROD>_TOPディレクトリのパッチ・サブディレクトリをパッチ・トップ・ディレクトリに使用しないでください。

  3. ディレクトリを、パッチをUnzipしたパッチ・トップ・ディレクトリに変更します。

  4. パッチ・トップ・ディレクトリ内のREADMEファイルを確認します。

    パッチをUnzipしたディレクトリにあるREADMEファイル(README.txtまたはREADME.html)を確認します。READMEには、パッチの要約およびadmsi.plスクリプトを実行するための手順が記載されています。

  5. admsi.plスクリプトを実行して、パッチを適用するためのカスタマイズされたインストール手順を生成します。パッチ・トップ・ディレクトリの場所およびapplmgrパスワードを指定する必要があります。

    admsi.pl
    
    

    次の生成ステップは、スクリプトによって生成されるカスタム・インストール手順に含まれています。カスタマイズされたインストール手順には、パッチ、システムの状態およびインストールした製品に応じて、追加ステップの詳細も含まれています。

    パッチを適用するには、カスタマイズされたインストール手順に記載されたステップ以外に、次のステップを使用します。

  6. サービスを停止します。

    システムに適したサービスを停止するには、adstpall.shスクリプトを実行します。applmgrユーザー名とパスワードを指定する必要があります。


    注意:

    複数ノード・システムへのパッチの適用の詳細は、「複数ノード・システムへのパッチの適用」を参照してください。

    UNIX:

    $ adstpall.sh
    
    

    Windows:

    C:¥> adstpall.cmd
    

    注意:

    Oracle Applicationsにアクセスする前に、パッチの適用に関連したすべてのタスクを完了する必要があります。

  7. メンテナンス・モードを有効にします。

    AD Administrationの「Change Maintenance Mode」メニューを使用して、メンテナンス・モードを有効にします。メンテナンス・モードを使用可能にするにはオプション1を選択します。


    関連項目:

    詳細は、『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』のメンテナンス・モードの変更に関する項を参照してください。

  8. AutoPatchを起動します。

    adpatchコマンドを使用して、パッチ・トップ・ディレクトリ(パッチ・ファイルをダウンロードしたディレクトリ)からAutoPatchを起動します。AutoPatchの実行方法は、コマンドラインに引数を追加してカスタマイズできます。「コマンドライン引数」を参照してください。

  9. AutoPatchのプロンプトに応答します。パッチの適用に必要な次の情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。

    • APPL_TOP名: パッチを適用する場所。

    • ログ・ファイル名: ログ・ファイルの名前(u<patchnum>.logなど)を選択します。

    • 電子メール: 通知を受信する電子メール・アドレス。

    • バッチ・サイズ: デフォルトは1000です。

    • データベース名。

    • パッチ・トップ・ディレクトリ: パッチをUnzipした場所。

    • ドライバ・ファイル名: パッチ・トップ・ディレクトリにあるドライバ・ファイルの名前(u<patchnum>.drvなど)を指定します。

  10. ドライバを適用します。

    ドライバ名の入力を求めるプロンプトが表示されたら、ドライバの名前を指定します。

  11. カスタマイゼーションを検討します。

    カスタマイズ済ファイルは、OAMの「Registered Flagged Files」ページに登録されます。以前に登録したカスタマイズ済ファイルがパッチによって置き換えられることを示すメッセージが表示された場合は、「Registered Flagged Files」ページでそのファイルを検討し、カスタマイゼーションの再登録または削除する必要性を判断します。


    追加情報:

    詳細は、「Registered Flagged Files」を参照してください。

  12. AutoPatchの終了後に、ログ・ファイルを確認します。

    各ドライバ・ファイルの適用後に、AutoPatchログ・ファイルで警告またはエラーがないかを確認します。ログ・ファイルは<APPL_TOP>/admin/<SID>/logにあります。これは、ステップ9でu<patchnum>.logと名前を付けたファイルです。また、一部のパッチ・タスクでは、同じディレクトリに別のログ・ファイルが作成される場合があります。パッチ適用処理で複数のワーカーが使用された場合は、各ワーカーごとに専用のログ・ファイルが作成されます。Timing Reportsの「View Log Files」機能を使用してログ・ファイルを確認することもできます。


    追加情報:

    「ログ・ファイル」および「ログ・ファイルの表示」を参照してください。

  13. パッケージ、ファンクションおよび順序に対して事前に領域を割り当てます(オプション)。

    AutoPatchによってOracle Applicationsのデータベース・オブジェクトが変更された場合は、ADXGNPIN.sqlとADXGNPNS.sqlを実行し、Oracleシステム・グローバル領域内の新規パッケージと順序に対して領域を割り当てます(確保します)。これらのスクリプトは、AD_TOP/sql内にあります。


    追加情報:

    『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』のパッケージとファンクションに対する領域の事前割当に関する項を参照してください。

  14. メンテナンス・モードを無効にします。

    AD Administrationの「Change Maintenance Mode」メニューを使用して、メンテナンス・モードを無効にします。メンテナンス・モードを使用不可にするにはオプション2を選択します。

  15. サーバー・プロセスを再起動します。

    パッチが正常に適用されたことを確認した後、すべてのサーバー・プロセスを起動して、ユーザーがシステムにアクセスできるようにします。

    UNIX:

    $ adstrtal.sh
    
    

    Windows:

    C:¥> adstrtal.cmd
    

    追加情報:

    『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』のアプリケーション層サービスの停止または起動に関する項を参照してください。

  16. AutoPatchバックアップ・ファイルを削除またはアーカイブします(オプション)。

    パッチを適用したシステムをテストした後、必要な場合はパッチ・トップ・ディレクトリからファイルのバックアップ・コピーを削除すると、ディスク領域をリカバリできます。空き領域に余裕がある場合、これらのファイルはアーカイブすることをお薦めします。


    追加情報:

    『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』のファイルの圧縮、アーカイブおよび削除に関する項を参照してください。

統合ドライバの適用

ビジネス要件

統合ドライバが含まれたパッチを受け取りましたが、パッチのデータベース部分のみを実行するようにという指示があります。

説明

ステージAPPL_TOPでパッチを適用するなどの手順では、統合ドライバのデータベース部分のみを適用する必要が生じる場合があります。このような場合は、コマンドライン・オプションを使用して、パッチのどの部分を省略するかをAutoPatchに指示します。コマンドラインで明示的に省略した部分が除かれてパッチが適用されます。

処理

次のステップを実行してください。

  1. 「対話型のパッチ適用」の項のステップ0から7の指示に従います。

  2. ステップ8のadpatchコマンドを入力し、コマンドラインでnocopyportion,nogenerateportionオプションを追加します。コマンドラインの構文は次のようになります。

    $ adpatch options=nocopyportion,nogenerateportion
    

    追加情報:

    「コマンドライン引数」を参照してください。

  3. ドライバ名のプロンプトで、統合(u)ドライバを指定します。AutoPatchによりドライバが実行され、パッチのデータベース部分のみ適用されます。

  4. AutoPatchのプロンプトに応答します。詳細は、「AutoPatch」を参照してください。

  5. 「対話型のパッチ適用」の項のステップ12から16の指示に従って、パッチの適用を終了します。

適用前のパッチのテスト

ビジネス要件

パッチを適用する前に、システムに対するパッチの影響をテストできますか?

説明

パッチの適用によるシステムへの影響を確認するには、最初にテスト・システムに対してパッチを適用します。

テスト・システムを使用しない(できない)場合は、AutoPatchのテスト・モード(apply=no)を使用して本番システムにパッチを適用すると、AutoPatchの処理をすべて確認できます。通常、AutoPatchをテスト・モードで実行すると、コピー、生成、再リンクまたは実行された各ファイルがリスト表示されますが、テスト・モードでは実際にはこれらの処理は実行されません。

テスト・モードでは、パッチ・ドライバ・ファイルの読込みと検証、製品ファイルのドライバ・ファイルの読込み、製品ライブラリからのオブジェクト・モジュールの抽出(バージョン・チェックのため)、バージョン・チェックの実行、およびAutoConfigの実行(テスト・モード)が行われます。ただし、データベース・またはファイル・システムは更新されません。


追加情報:

『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』のAutoConfigテスト・モードに関する項を参照してください。

パッチによるシステム・ファイルへの影響を判断するには、Patch Wizardのパッチ影響分析レポートを使用します。

処理

次のステップを実行してください。

  1. この章の「対話型のパッチ適用」の項のステップに従います。

  2. AutoPatchの実行を指示するには、コマンドラインにテスト・モード引数を追加します。

    $ adpatch apply=no
    
    
  3. 「対話型のパッチ適用」の項のステップ1211を実行します。パッチを適用する前にサーバーを停止してメンテナンス・モードを有効にする場合は、ステップ1415も実行する必要があります。

パスワード検証の有効化

ビジネス要件

パッチを適用するためのパスワードの検証方法は?

説明

パッチを適用する時間を短縮するため、AutoPatchではOracleスキーマ・パスワードが検証されません(デフォルト)。パスワードの検証を有効にする必要がある場合は、AutoPatchを実行するときに検証オプション(options=validate)をコマンドラインに指定することで、パスワードを検証できます。

複数のパッチを適用する場合は、AD Merge Patchを使用して(互換性のある場合は)パッチを統合し、1回のAutoPatchセッションで適用することをお薦めします。その場合、パスワードの検証は1回のみです。


追加情報:

「マージ・パッチの作成」を参照してください。

複数のパッチをマージできない場合は、最初のパッチの適用時にのみ検証オプションをオンにし、それ以後のパッチの適用時にはこのオプションをオフにしておくと時間を節約できます。

処理

次のステップを実行してください。

  1. この章の「対話型のパッチ適用」で説明した指示に従います。

  2. AutoPatchの実行を指示するには、検証コマンドを使用します。次のように入力します。

    $ adpatch options=validate
    
    
  3. 「対話型のパッチ適用」の項の残りのステップを実行します。

緊急パッチの適用

ビジネス要件

システムのサービスを停止せずにパッチを適用できますか?

説明

サービスを停止せずに緊急パッチを適用できる場合は、パッチのREADMEファイルに明示されています。パッチのREADMEファイルにこのことが明示されていない場合は、パッチを適用する前にサービスを停止し、メンテナンス・モードを有効にする必要があります。


注意:

ドキュメント・パッチ(Oracle Applicationsオンライン・ヘルプ)は、サーバーを停止せずにいつでも適用できます。

処理

次のステップを実行してください。

  1. 本番データベースのテスト・バージョンにパッチを適用します。本番システムに近い状態にするため、テスト・コピーが最新であることを確認してください。

  2. options=hotpatchを使用してAutoPatchを実行し、パッチを適用します。サーバー・プロセスを停止する必要がない場合もあります。


追加情報:

「AutoPatchオプション」を参照してください。

非対話型パッチ適用の実行

パッチは、対話型または非対話型で適用できます。対話型のパッチ適用では、一連のプロンプトに応答してAutoPatchで必要な基本情報を提供します。詳細は、この章の「対話型パッチ適用の実行」を参照してください。

非対話型でパッチを適用すると、AutoPatchでパッチ適用タスクを処理する際のユーザーの操作を大幅に削減できます。AutoPatchのプロンプトで指定する多くの情報が記述されたデフォルト・ファイルを作成します。その後、AutoPatchを実行する際に、デフォルト・ファイルの名前、パッチ・トップ・ディレクトリの場所、ドライバ・ファイルの名前などのパラメータをコマンドラインに指定します。


注意:

Minipack、Family Pack、Maintenance Packなど大量のパッチを適用する場合は、その前にファイル・システムとデータベースをバックアップしてください。

非対話型のパッチ適用

ビジネス要件

パッチを非対話型で適用する方法は?

説明

パッチ適用セッションを開始するたびにAutoPatchプロンプトに応答するのではなく、その応答をデフォルト・ファイルに格納できます。その後、パッチを非対話型で実行する際にデフォルト・ファイルの名前を指定します。パッチの実行時に、AutoPatchは、応答を使用して関連するプロンプトの情報を完成し、わずかなユーザー介入またはユーザー介入なしでパッチ適用処理を完了します。

非対話型のパッチ適用セッションを設定するには、AutoPatchを実行するときに、defaultsfile=<defaults file name>引数を使用して、最初にデフォルト・ファイルを作成および保存します。これによって、プロンプトで指定した情報およびその他の関連情報が取得および保存されます。


注意:

AutoConfigでは、実行のたびにデフォルト・ファイル(adalldefaults.txt)が自動的に作成されます。このファイルをテンプレートとして使用して、カスタマイズされたデフォルト・ファイルを作成できます。ただし、デフォルト・ファイルは、ここで説明されている手順に従って作成することをお薦めします。

処理

次のステップを実行してください。

  1. デフォルト・ファイルを作成します。

    defaultsfile=引数を使用してファイル名とデフォルト・ファイルのパスを指定し、AutoPatchを起動します。これによって、現在の環境に応じたデフォルト・ファイルが作成されます。

    UNIX:

    このファイルは、$APPL_TOP/admin/<SID>ディレクトリに格納する必要があります。<SID>はデータベース名(ORACLE_SID/TWO_TASK)です。次に例を示します。

    $ adpatch defaultsfile=$APPL_TOP/admin/testdb1/adpatchdef.txt
    
    

    Windows:

    このファイルは、%APPL_TOP%¥admin¥<SID>ディレクトリに格納する必要があります。<SID>はデータベース名(LOCAL)です。次に例を示します。

    C:¥> adpatch defaultsfile=%APPL_TOP%¥admin¥testdb1¥adpatchdef.txt
    
    
  2. Oracle Applicationsパッチをアンロードしたディレクトリを入力するように求められるまで、AutoPatchを実行します。プロンプトでabortと入力します。

  3. デフォルト・ファイルが存在することを検証します。

  4. AutoPatchを非対話型で実行し、単一のパッチ・ドライバ、すべてのドライバ、またはこの項にある他の手順を適用します。

単一パッチ・ドライバの適用

ビジネス要件

単一パッチ・ドライバを非対話型で適用する方法は?

説明

デフォルト・ファイルを作成した後は、AutoPatchを非対話型で実行するように指定し、デフォルト・ファイルおよびドライバの場所と名前を指定できます。

処理

次のステップを実行してください。

  1. 「非対話型のパッチ適用」の説明に従って、デフォルト・ファイルを作成します。

  2. 「対話型のパッチ適用」の項のステップ0から7に従います。

  3. デフォルト・ファイルの場所(defaultsfile=)、ログ・ファイルの名前(logfile=)、パッチ・トップ・ディレクトリの場所(patchtop=)、ドライバ・ファイルの名前(driver=)、パッチの適用後に使用するワーカーの数(workers=)およびinteractive=noなどのパラメータを追加して、AutoPatchコマンドを実行します。

    たとえば、デフォルト・ファイルがAPPL_TOP/admin/testdb1/def.txt、パッチ1234567のドライバ・ファイルがu1234567.drv(場所はAPPL_TOP/patches/1234567)、使用するパラレル・ワーカー数が3、AutoPatchログ・ファイル名が1234567.logの場合は、次のように入力します。

    UNIX:

    $ adpatch defaultsfile=$APPL_TOP/admin/testdb1/def.txt logfile=1234567.log \
      patchtop=$APPL_TOP/patches/1234567 driver=u1234567.drv workers=3 \   interactive=no
    
    

    Windows:

    C:¥> adpatch defaultsfile=%APPL_TOP%¥admin¥testdb1¥def.txt \      logfile=1234567.log patchtop=%APPL_TOP%¥patches¥1234567 \      driver=u1234567.drv workers=3 interactive=no
    
    
    
  4. 「対話型のパッチ適用」の項の残りのステップを実行します(必要な場合)。

非標準パッチの適用

ビジネス要件

標準パッチの命名規則に従って作成されていないパッチを適用する必要があります。非標準パッチを非対話型で適用する必要があります。

説明

非標準パッチとは、構造が標準であっても命名規則が標準でないパッチです。つまり、パッチ・ディレクトリの最後のコンポーネントは6から8桁数字でない、またはパッチ・ドライバ・ファイルの名前が*<patchnum>.drvでない、またはその両方があります。マージ・パッチのほとんどは、命名方法が異なるため非標準です。

処理

次のステップを実行してください。

  1. 「非対話型のパッチ適用」の説明に従って、デフォルト・ファイルを作成します。

  2. 「対話型のパッチ適用」の項のステップ0から7に従います。

  3. 「単一パッチ・ドライバの適用」の説明に従って、AutoPatchコマンドを実行します。driver=<values>引数には、パッチ・ドライバ名のカンマ区切りリストを使用します。

  4. 「対話型のパッチ適用」の項の残りのステップを実行します(必要な場合)。


    注意:

    複数ノード・システムで、パッチの全ドライバを非対話型で適用する場合は、管理サーバーでパッチを適用した後に、その他のサーバーでパッチを適用する必要があります。

非対話型AutoPatchセッションの再起動

ビジネス要件

AutoPatchを非対話型で適用中にエラーが発生しました。エラーの原因となった問題を解決したので、異常終了したセッションを再起動する必要があります。

説明

AutoPatchを非対話型で実行している場合にエラーが発生すると、オペレーティング・システムに戻り障害がレポートされます。このような場合は、restart引数を使用します。restart=yes引数を指定すると、AutoPatchでは以前のセッションが存在すると認識してそのセッションを検索します。以前のセッションが存在しない場合、AutoPatchは異常終了します。新しいAutoPatchセッションを起動する場合は、restart=yesを指定しないでください。

処理

次のステップを実行してください。

  1. ログ・ファイルを検索してエラーを判断し、エラーを修正します。

  2. 最初に使用したコマンドライン・オプションに、restart=yesを追加して使用します。たとえば、「単一パッチ・ドライバの適用」の例を再起動するコマンドは、次のようになります。

    UNIX:

    $ adpatch defaultsfile=$APPL_TOP/admin/testdb1/def.txt logfile=1234567.log \
      patchtop=$APPL_TOP/patches/1234567 driver=u1234567.drv workers=3 \
      interactive=no restart=yes
    
    

    Windows:

    C:¥> adpatch defaultsfile=%APPL_TOP%¥admin¥testdb1¥def.txt \      logfile=1234567.log patchtop=%APPL_TOP%¥patches¥1234567 \      driver=u1234567.drv workers=3 interactive=no restart=yes
    

    注意:

    元のコマンドライン引数は省略しないでください。省略するとAutoPatchの動作が変わり、予期しない結果が生じることがあります。

非対話型AutoPatchセッションの中止

ビジネス要件

AutoPatchを非対話型で適用中にエラーが発生しました。異常終了したセッションを再起動しないで、別のパッチを非対話型で適用する必要があります。

説明

AutoPatchコマンドラインにinteractive=noを指定すると、異常終了した既存のセッションがないとみなされます。異常終了したセッションから再起動ファイルを検出した場合、AutoPatchは強制終了します。interactive=noとrestart=yesのコマンドライン引数を使用してAutoPatchを実行すると、完了していない以前のセッションが再起動されます。

異常終了した既存のセッションがある場合に完全に新しいAutoPatchセッションを起動するには、AutoPatchコマンドラインにinteractive=noとabandon=yesを指定します。このコマンドによって、再起動ファイルおよび異常終了したセッションによるデータベース情報が削除されます。


注意:

abandon=yes引数を使用すると再起動ファイルが使用不可になるため、それ以降は異常終了したセッションを再起動できません。後でセッションを再起動する可能性がある場合は、abandon=yesを指定しないでください。

処理

次のステップを実行してください。

  1. 以前に異常終了したセッションを再起動する必要がないことを確認します。

  2. abandon=yesオプションを使用してAutoPatchを起動します。

    UNIX:

    $ adpatch defaultsfile=$APPL_TOP/admin/testdb1/def.txt logfile=7654321.log \
      patchtop=$APPL_TOP/patches/7654321 driver=c7654321.drv workers=3 \
      interactive=no abandon=yes
    
    

    Windows:

    C:/> adpatch defaultsfile=%APPL_TOP%¥admin¥testdb1¥def.txt \
         logfile=7654321.log patchtop=%APPL_TOP%¥patches¥7654321 \
         driver=c7654321.drv workers=3 interactive=no abandon=yes
    

NLSシステムへのパッチの適用

ここで説明するパッチ処理は、英語(アメリカ)(US)と1つの追加言語を実行しているか、または英語(アメリカ)(US)と複数の追加言語を実行しているかに関係なく適用されます。システムで複数の言語を使用している場合は、AD Merge Patchを使用して、次の3つのいずれかの方法でマージ・パッチを作成できます。

第1の方法は、適用するパッチが1つのみであり、最も簡単です。ただし、パッチが大きくなり、3つの方法の中でシステム・停止時間が最も長くなります。第2の方法は、比較的簡単に適用でき、非US言語のパッチの適用中はUSユーザーがシステムに復帰できます。第3の方法は、適用が最も面倒ですが、段階的なアプローチで様々な非US言語のユーザーをオンラインで復帰できます。多国籍企業の場合などに有用です。一般には、適用の容易性と最短停止時間との適切な譲歩が得られるため、第2の方法をお薦めします。

複数の言語パッチをマージする場合は、AD Merge Patchで、Oracle Applications環境ファイルのNLS_LANG変数に従ってキャラクタ・セットが変換されます。初期のインストール以降にキャラクタ・セットを変更した場合は、NLS_LANG変数を更新する必要があります。この変数が適切に設定されていない場合は、OAMのAutoConfigを実行してOracle Applicationsコンテキストを正しいキャラクタ・セット情報で更新し、次に、AutoConfigスクリプトを実行してOracle Applications環境ファイルを再作成します。新しい環境ファイルを使用して環境をリセットした後は、パッチをマージしてください。


追加情報:

「AD Merge Patch」を参照してください。『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』の構成パラメータの管理に関する項も参照してください。

NLSインストレーションへの単一パッチの適用

ビジネス要件

Oracle ApplicationsのNLSインストレーションに、単一のパッチを適用する必要があります。

説明

Oracle Applicationsシステムに英語(アメリカ)(US)以外の言語が含まれる場合は、USパッチを最初に適用し、次にインストールされている言語の翻訳パッチを適用する方法をお薦めします。複数の追加言語をインストールしている場合は、すべての翻訳パッチをマージし、マージした単一のNLSパッチとして適用できます。

USパッチとその他の言語パッチをマージすることもできます。ただし、停止時間やシステム・トポロジに応じて、USパッチとUS以外のパッチを個別に保持することが必要な場合もあります(「緊急NLSパッチの適用」を参照してください)。

処理

次の手順は、USパッチと言語パッチを個別に適用する場合を想定しています。

  1. AutoPatchを使用して、USパッチのパッチ・ドライバを適用します。

  2. AutoPatchを使用して、各NLSパッチのパッチ・ドライバを適用します。複数の言語を実行しているシステム用のNLSパッチをマージした場合は、マージしたNLSパッチのドライバをすべて適用します。


追加情報:

「対話型のパッチ適用」を参照してください。

NLSインストレーションへの複数パッチの適用

ビジネス要件

Oracle ApplicationsのNLSインストレーションに、複数のパッチを適用する必要があります。

説明

Oracle Applicationsシステムに英語(アメリカ)(US)以外の複数の言語が含まれており、各言語に複数のパッチを適用する場合は、すべてのUSパッチを1つのパッチにマージし、非USのすべての言語のパッチを1つのパッチにマージする方法をお薦めします。マージしたUSパッチを適用した後で、マージした非US言語パッチを適用します。USパッチとその他の言語パッチをマージしたり、各言語をその言語固有の独立したパッチにマージすることもできます。停止時間やシステム・トポロジに応じて、USパッチとUS以外のパッチを個別に保持することが必要な場合もあります。次の手順は、USパッチと言語パッチを個別に適用する場合を想定しています。


追加情報:

「緊急NLSパッチの適用」を参照してください。

処理

次のステップを実行してください。ここでは、システムに英語(アメリカ)、フランス語およびドイツ語がインストールされているとします。

  1. AD Merge Patchを使用して、英語(アメリカ)(US)パッチを単一のパッチにマージします。

  2. AD Merge Patchを使用して、フランス語パッチとドイツ語パッチを単一のNLSパッチにマージします。

  3. AutoPatchを使用して、マージしたUSパッチの全ドライバを適用します。

  4. AutoPatchを使用して、マージしたNLSパッチの全ドライバを適用します。

緊急NLSパッチの適用

ビジネス要件

システムを停止せずに、すべての翻訳パッチを適用する必要があります。

説明

言語翻訳が必要なパッチを適用する場合は、他のドライバを適用し終わるまで、翻訳ドライバのデータベース部分の適用を遅延できます。これによって、言語翻訳が適用されている間もすべてのユーザーがシステムを使用できます。また、複数のNLSパッチを適用する場合は、それらのNLSパッチをマージできます。


追加情報:

「マージ・パッチの作成」を参照してください。

処理

次のステップを実行してください。

  1. システム(すべてのサービス)を停止して、ユーザーをログオフします。

  2. メンテナンス・モードを有効にします。

  3. 統合ドライバのUSコピー部分をすべてのサーバーに適用します。

  4. 統合ドライバのUSデータベース部分を管理サーバーに適用します。

  5. 統合ドライバのUS生成部分をすべてのサーバーに適用します。

  6. メンテナンス・モードを無効にします。

  7. システムを再起動して、USユーザーのログオンを許可します。

  8. コマンドラインでoptions=hotpatchを使用して、統合ドライバの翻訳コピー部分をすべてのサーバーに適用します。

  9. コマンドラインでoptions=hotpatchを使用して、統合ドライバの翻訳生成部分をすべてのサーバーに適用します。

  10. 翻訳ユーザーのログオンを許可します。

  11. コマンドラインでoptions=hotpatchを使用して、統合ドライバの翻訳データベース部分を管理サーバーに適用します。


追加情報:

「AutoPatchオプション」を参照してください。

複数ノード・システムへのパッチの適用

複数ノード・システムでは、サーバーは複数のノードにインストールされます。コア・テクノロジ・ディレクトリ(admin、ad、auおよびfnd)およびすべての製品ディレクトリは、RDBMSのみを含むノードを除いて、すべてのノードのAPPL_TOPの下にインストールされます。APPL_TOPは単独で保持できます。あるいは、APPL_TOPを共有するようにシステムを構成できます。

共有アプリケーション層ファイル・システムでは、APPL_TOP、COMMON_TOP、10.1.2 Oracleホームおよび10.1.3 Oracleホームの各ファイル・システムが、システム内の各ノードにマウントされた共有ディスク・リソースにインストールされます。共有ファイル・システムへの変更は、すべてのノードでただちに使用可能になります。


追加情報:

『Oracle Applicationsのインストール』の複数ノード・システムに関する項を参照してください。『Oracle Applications概要』の共有アプリケーション層ファイル・システムに関する項および「共有アプリケーション層ファイル・システム内のAPPL_TOPへのパッチの適用」も参照してください。

複数ノードでの統合ドライバの実行

ビジネス要件

複数ノード・システムで統合ドライバ・パッチを実行する方法は?

説明

すべてのAPPL_TOPに統合ドライバを適用すると、AutoPatchによって、現在のAPPL_TOPに必要な統合ドライバの処理が振り分けられます。

処理

統合ドライバを適用するには、次のステップを実行してください。

  1. 「対話型のパッチ適用」のステップ1から9を実行します。

  2. 管理サーバーが配置されているノードで統合ドライバを適用します。

  3. コンカレント処理サーバーが配置されているノードで統合ドライバを適用します。

  4. コンカレント・マネージャを起動します。

  5. アプリケーション層の残りのノードで統合ドライバを適用します。

  6. メンテナンス・モードを無効にします。

    AD Administrationの「Change Maintenance Mode」メニューを使用して、メンテナンス・モードを無効にします。『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』のメンテナンス・モードの変更に関する項を参照してください。

  7. 必要に応じてその他のサービスを起動し、Webサーバーを再起動します。

共有アプリケーション層ファイル・システム内のAPPL_TOPへのパッチの適用

ビジネス要件

共有アプリケーション層ファイル・システム構成のシステムにパッチを適用する方法は?

説明

従来の複数ノード・システムでは、各ノードにアプリケーション層ファイル・システムが必要です。共有アプリケーション層ファイル・システムでは、APPL_TOP、COMMON_TOP、10.1.2 Oracleホームおよび10.1.3 Oracleホームの各ファイル・システムが、システム内の各ノードにマウントされた共有ディスク・リソースにインストールされます。これらのノードを使用して、フォーム、Webおよびコンカレント処理などの標準アプリケーション層サービスを提供できます。パッチの適用を含めた共有ファイル・システムへの変更は、すべてのノードにただちに表示されます。

パッチは任意のノードから適用できますが、主ノードを1つ選択し、そのノードからすべてのパッチを適用することをお薦めします。主ノードを選択すると、AutoPatchとAutoConfigのログ・ファイルが一貫して同じ場所に書き込まれます。

パッチを適用する場合は、複数のノードを使用することで、パッチの適用による停止時間を短縮できます。この章の「処理タスクの分散」を参照してください。

処理

共有アプリケーション層ファイル・システムのAPPL_TOPの場合は、この章の「対話型のパッチ適用」の説明のように、パッチを1回適用します。

停止時間の短縮

この項では、パッチ適用時間を削減し、システムがオフラインのためにユーザーが使用できない時間を短縮するための手順を説明します。

マージ・パッチの作成

ビジネス要件

複数のパッチを適用する必要があります。すべてのパッチを適用する時間を短縮する方法は?

説明

AD Merge Patchを使用して、複数のパッチを単一のパッチにマージできます。このADコマンドライン・ユーティリティによって、AutoPatchと互換性のある複数のパッチが単一の統合パッチにマージされます。マージ・パッチが作成された後は、AutoPatchを使用して1回の操作でパッチを適用できます。マージ・パッチを適用すると、パッチ適用処理にかかる時間を短縮できます。


追加情報:

「AD Merge Patch」を参照してください。

一般に、任意のOracle Applicationsパッチと別のOracle Applicationsパッチのマージは安全です。パッチは、簡単に適用できるように、そのパッチにリストされている前提条件パッチとマージしてください。


注意:

AD Merge Patchでは、リリース、パラレル・モード、プラットフォームのいずれかが異なるパッチはマージできません。ただし、特定プラットフォームのパッチとジェネリック・パッチ、またはソース・キャラクタ・セットの異なるパッチはマージできます。互換性のないパッチをマージしようとした場合は、AD Merge Patchによって通知されます。

ただし、Applications DBA(AD)製品に影響を与えるパッチは、個別に処理する必要があります。ADパッチは他のADパッチとマージできますが、ADパッチと非ADパッチはマージできません。これは、ADパッチがAutoPatchユーティリティ自体を変更する可能性があるためです。マージしたADパッチは、非ADパッチを適用する前に別途作成して適用する必要があります。

英語(アメリカ)以外の言語を使用しているシステムでパッチをマージする場合は、別の検討事項があります。NLSパッチのマージと適用の詳細は、「NLSインストレーションへの複数パッチの適用」を参照してください。

処理

マージ・パッチを作成するには、コマンドライン・プロシージャまたはOAM(Webベース)プロシージャを使用します。

コマンドライン・プロシージャ:

次のステップを実行してください。

  1. ディレクトリを作成します。

    AD Merge Patchは、ソース・ディレクトリ内の個々のパッチに含まれている一連のファイルを、そのファイルの改訂に従ってマージして宛先ディレクトリにコピーします。ソース・ディレクトリの親ディレクトリからAD Merge Patchを実行します。宛先ディレクトリは、ソース・ディレクトリと同じ親ディレクトリの下に配置してください。

    パッチ・トップ領域で、ソース・ディレクトリおよび宛先ディレクトリを作成します。任意の名前をこれらのディレクトリに付けてください。


    追加情報:

    ディレクトリの設定の詳細は、「ソース・ディレクトリと宛先ディレクトリ」を参照してください。

  2. パッチをダウンロードします。

    マージするパッチすべてをソース・ディレクトリにダウンロードします。

  3. パッチのREADMEファイルを確認します。

    マージする際、パッチによっては特別な注意と追加ステップが必要です。READMEファイルを慎重に確認し、その指示に従ってください。

  4. AD Merge Patchを実行します。

    マージ・パッチが宛先ディレクトリに作成されます。AD Merge Patchを実行し、宛先ディレクトリ名とソース・ディレクトリ名の引数を指定します。マージ・パッチ名を指定するか、またはデフォルトの名前を受け入れます。

    $ admrgpch -s <source directory> -d <destination directory>
    
    

    -manifestコマンドライン引数を使用してAD Merge Patchを実行すると、Unzipする前にパッチをマージできます。最初に、Zipファイルのみをリストしたマニフェスト・ファイルを作成する必要があります。AD Merge Patchは、これらのファイルをソース・ディレクトリにUnzipし、ソース・ディレクトリ内の既存のファイルと一緒にマージ・パッチに挿入します。マニフェスト・ファイルを使用するには、コマンドラインに-manifest引数を追加します。

    $ admrgpch -s <source directory> -d <destination directory>\
    -merge_name <name> [-manifest <manifest filename>]
    

    注意:

    マニフェスト・ファイルを作成しない場合は、マージするパッチすべてをソース・ディレクトリにUnzipします。マニフェスト・ファイルの引数は省略します。


    追加情報:

    マニフェスト・ファイルの作成の詳細は、「Zipされたパッチのマージ」を参照してください。

  5. AD Merge Patchログ・ファイルをチェックします。

    AD Merge Patchの実行後は、admrgpch.logファイルでエラーをチェックしてください。このファイルは、AD Merge Patchが実行された現行の作業ディレクトリにあります。

  6. パッチを適用します。

    マージ・パッチの作成後は、単一のパッチと同様に、対話型または非対話型で適用します。非対話型で適用する場合は、「非標準パッチの適用」の指示に従ってください。

OAM(Webベース)プロシージャ:

次のステップを実行してください。

  1. Oracle Applications Managerにアクセスします。

    OAMにアクセスするには、「Patch Wizardへのアクセス」の手順に従ってください。

  2. 「Patch Wizard Tasks」表から、「Download Patches」に対応する「Tasks」アイコンをクリックします。

    「Download Patches」ページが表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ
  3. 「Patch List」フィールドに、マージするパッチのパッチ番号を入力します。

  4. 「Merge Options」領域で、「Automatically merge downloaded patches」を選択します。また、このセクションでマージ・パッチの名前とマージ方法を指定します。「OK」をクリックして、パッチのダウンロードとマージを開始します。

パッチ情報のアップロードの遅延

ビジネス要件

システムの停止時間が終わるまで遅延できるAutoPatchプロセス内のタスクは?

説明

パッチが正常に適用されるたびに、AutoPatchによってパッチ履歴情報が自動的にデータベースにアップロードされます。パッチのサイズに応じて、アップロードに必要な時間が非常に長い場合があります。AutoPatchセッション中にこのタスクを遅延し、Oracle Applicationsシステムの使用中にパッチ履歴情報をアップロードできます。

データベースへのパッチ履歴情報のアップロードを遅延すると、AutoPatchによってパッチ情報ファイルに書き込まれます。

  • javaupdates<YYYYMMDDhhmiss>.txtには、Javaファイルの変更に関する情報が含まれています。

  • adpsv<YYYYMMDDhhmiss>.txtには、Javaファイル以外のすべてのファイルの変更に関する情報が含まれています。

これらのファイルは、APPL_TOP/admin/<SID>ディレクトリに配置されます。AutoPatchセッションが完了し、システムがオンラインに戻った後、uploadph=y引数を使用してAutoPatchを実行し、パッチ情報ファイルの内容をデータベースにアップロードします。

処理

次のステップを実行してください。

  1. パッチ準備ステップを実行します。


    追加情報:

    「対話型のパッチ適用」を参照してください。

  2. 遅延パッチ履歴情報アップロード・オプションを使用してAutoPatchを実行することで、パッチを適用します。

    $ adpatch options=phtofile
    
    
  3. パッチ・セッションの完了後、メンテナンス・モードを無効にして、すべてのサービスを開始し、ユーザーがシステムにアクセスできるようにします。

  4. アップロード・パッチ履歴情報引数を使用して、AutoPatchを実行します。

    $ adpatch uploadph=y
    
    

    AutoPatchによりパッチ履歴情報がデータベースにアップロードされて終了します。

処理タスクの分散

ビジネス要件

パッチを適用する際にシステム内の他のノードの処理能力を使用できますか?

説明

共有アプリケーション層ファイル・システムを備えた複数ノード・システムを作成すると、パッチは基本ノードで1回のみ適用すれば済むため、パッチ適用時間が短縮されます。ただし、データベースに影響を与える多数のプロセスが含まれているパッチを適用する場合は、複数ノードの複数のサーバーにワーカー・プロセスを分散することで、停止時間をさらに短縮できます。

AutoPatchとAD Controllerのこの分散AD機能を使用すると、主ノードだけでなくアプリケーション層ファイル・システムを共有する補助ノードで処理を実行するようにワーカーを割当てできます。


追加情報:

『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』第1章の複数ノードへの処理タスクの分散に関する項を参照してください。

処理

次のステップを実行してください。

  1. 次のコマンド・オプションを使用して主ノードでAutoPatchを起動します。

    $ adpatch workers=<total number of workers> localworkers=<number of workers on primary node>
    
    

    たとえば、次のコマンドは、主ノードに3つのワーカー、リモート・ノードに5つのワーカーを保持するAutoPatchセッションを実行します。

    $ adpatch workers=8 localworkers=3
    
    
  2. distributed=y引数を使用することで、ワーカーを実行する各補助ノードで対話型AD Controllerセッションを起動します。

    $ adctrl distributed=y
    
    
  3. 各補助ノードについて、AD Controllerは、起動するワーカーの範囲をプロンプトで要求します。たとえば、あるノードでワーカー5から8を起動するには、「Enter the worker range」プロンプトに対して「5-8」と入力します。

    Enter the worker range: 5-8
    

    注意:

    ワーカーは、連続するグループであることが必要です。たとえば、あるノードでワーカー4、6、8を起動し、別のノードで5、7、9を起動することはできません。

ステージApplicationsシステムの使用

ビジネス要件

大量のパッチを適用する際にシステムの停止時間を短縮する方法は?

説明

ステージOracle Applicationsシステムは、本番データベースのコピーに加え、APPL_TOPすべてを含めた本番システムの正確なコピー(複製)を表します。本番システムの動作中でも、ステージ・システムにパッチを適用できます。その後、ステージ・システムを本番システムに接続してデータベースを更新し、APPL_TOPを同期化します。

本番システムの停止時間は、パッチがステージ・システムに正常に適用され、ユーザーが新しくパッチした環境をテストした後にのみ開始します。


注意:

ステージ・システムと本番システムのAD Minipackレベルは、同一であることが必要です。ステージ・システムは、AD MinipackまたはMaintenance Packに関連した新しい製品パッチの適用には使用できません。

パッチをステージ・システムに適用して本番システムを更新した後は、適用済パッチ情報をステージ・システムからエクスポートし、本番システムにインポートする必要があります。これによって、本番システムのOAMパッチ履歴データベースが最新となり、パッチ関連機能を引続き使用できるようになります。

処理

ステージ・システムを作成してパッチを適用し、本番システムを更新するには、いくつかのフェーズがあります。

前提条件タスクの完了:

ステージ・システムは、本番システムの完全な複製であることが必要です。本番システム内の物理的な各APPL_TOPが、ステージ・システムに存在する必要があります。次の条件に注意してください。

  • 本番システムのパッチ履歴の一貫性を確保するために、ステージ・システムの各APPL_TOPは、本番システムの各APPL_TOPと同じ名前にする必要があります。ステージ・システムから本番システムにパッチ履歴データをインポートする場合は、同じAPPL_TOP名が必要です。

  • ステージ・システムのデータベースは、本番データベースへの偶発的な接続を回避するために、異なる<SID>を持つ必要があります。リスクをさらに抑制するために、パスワード、ポートおよび任意のプロセスまたはサービス関連パラメータも変更できます。

  • ステージ・システムと本番システムには、異なるApplicationsシステム名が必要です。履歴情報は、AutoPatchによって修正されます。

次のタスクを実行してください。

  1. 本番システムのスナップショットを更新します。

    AD Administrationの「Maintain Current Snapshot」タスクを実行し、システムの現状表示スナップショットが最新であることを確認します。システムのすべてのAPPL_TOPでタスクを実行します。『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』第4章のApplicationsファイルのメンテナンス・タスクに関する項を参照してください。

  2. ステージ・システムを作成します。

    ステージ・システムとして使用するために、本番データベース、アプリケーション層コンポーネントおよび各APPL_TOPの複製を作成します。『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』のクローニングに関する項を参照してください。

ステージ・システムへのパッチの適用:

パッチ・ドライバを適用するために、他のシステムへのパッチの適用と同じ方法で、AutoPatchを使用してステージ・システムにパッチを適用します。詳細は、「AutoPatch」および「対話型パッチ適用の実行」を参照してください。複数のパッチ適用が必要な場合は、停止時間をさらに短縮するためにパッチのマージを考慮してください。

このフェーズが完了するまでは、本番システムに他のパッチを適用しないでください。本番システムに他のパッチを適用した場合は、ステージ・システムを再作成する必要があります。

本番システムへのパッチの適用:

ステージ・システムへのパッチの適用が完了すると、本番システムを更新する準備が整います。

  1. ステージ・システムから本番システムへの接続を有効にします。

    本番システム情報をステージ・システムのtnsnamesファイルに追加します。ステージ・システム上のAPPL_TOPコンテキスト・ファイルのs_ifile AutoConfig変数を、<iAS Oracle Home>/network/admin/globaltns.oraに更新します。構成パラメータと変数の更新の詳細は、『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』第1章の構成パラメータの管理に関する項を参照してください。

  2. 本番システムを停止します。

    本番システムで、環境を設定してすべてのサービスを停止し、メンテナンス・モードを有効にします。

  3. 本番データベースを更新します。

    ステージ・システムで、環境を設定して管理サーバーからAutoPatchを実行し、本番システムにパッチを適用します。

    パッチごとに、options=nocopyportion,nogenerateportionオプションを使用して、パッチのドライバをAutoPatch起動コマンド(adpatch)に適用します。AutoPatchプロンプトのデータベース名が正しいことを確認します。

  4. 本番APPL_TOPを更新します。

    すべての本番APPL_TOPをステージAPPL_TOPと同期化します。停止時間を最小化するために、このタスクは本番データベースの更新中に実行できます。単純なコピーやrdist、rcp、cpまたはzipなどのユーティリティを使用できます。

    次の条件に注意してください。

    • システムに複数のAPPL_TOPがある場合は、それぞれを本番システムのAPPL_TOPと同期化する必要があります。

    • 単一のAPPL_TOPを共有している場合は、1つのAPPL_TOPにのみ同期する必要があります。

    • COMMON_TOPディレクトリ(APPL_TOP以外の場所に指定可能)は、各APPL_TOPに対して更新する必要があります。

特定の構成ファイル、ログ・ディレクトリおよび環境スクリプトは、APPL_TOPに固有のものです。APPL_TOPをコピーする際は、次のファイルとディレクトリをコピーする必要はありません。


$APPL_TOP/admin/<SID>
$FND_TOP/out
$FND_TOP/log
$COMMON_TOP/html/_pages
$APPL_TOP/log/

rdistユーティリティを使用する場合は、distfileを使用してこれらのファイルを除外できます。環境を構成するには、本番APPL_TOPでAutoConfigを実行します。

本番パッチの完全な履歴を作成します。

この時点で、ステージ・システムに適用したパッチに関するパッチ履歴のコピーおよび生成部分は、ステージ・システム・データベースに格納されています。また、パッチ履歴のデータベース部分は、ステージ・システム・データベースと本番システム・データベースの両方に格納されています。本番システムのパッチ履歴の完全なコピーを作成するには、adphmigr.plユーティリティを使用して、すべてのパッチのコピーおよび生成部分から本番データベースに、適用済パッチ情報をロードします。

ステージ・システムに適用された各パッチについて、ステージ・システムの各APPL_TOPのパッチ履歴をエクスポートし、本番システムの対応するAPPL_TOPにインポートする必要があります。インポートおよびエクスポート・タスクを実行している間、ユーザーは本番システムをログオフする必要はありません。本番システムのパッチ履歴を統合した後で、追加パッチを適用したり、パッチに関連するOracle Applications Manager(OAM)機能を使用してください。

次のタスクを実行してください。

  1. 適用済パッチ情報をエクスポートします。

    ステージAPPL_TOPから、adphmigr.plスクリプトを実行します(<AD_TOP>/binにあります)。adphmigr.pl -helpと入力すると、ユーティリティの実行に有効なすべてのオプションが表示されます。各APPL_TOPのパッチ履歴は個別にインポートする必要があるため、個別にエクスポートすることをお薦めします。

    適用したパッチのデータベース部分のパッチ履歴がエクスポートされないように、コマンドラインにnodatabaseportion=yを指定します。次に例を示します。

    $ perl $AD_TOP/bin/adphmigr.pl userid=apps/apps \
    startdate='2003/10/10 00:00:00' enddate='2003/14/10 00:00:00' \
    appsystemname=stage appltopname=tafnwl nodatabaseportion=Y
    
    

    AutoConfigで生成された環境xmlファイルのs_atNameおよびs_systemnameの値を参照することで、appsystemnameとappltopnameを取得できます。

  2. エクスポート・データを検証します。

    ステージAPPL_TOPに対するAutoPatchの各実行ごとに、2つのデータ・ファイルが生成されます。1つはJava更新用、もう1つは他のすべてのパッチ処理用です。データ・ファイルがエクスポートするパッチ実行を表していること、および指定の開始時間と終了時間に不要なAutoPatchの実行が含まれていないことをadphmigr.logで確認します。

  3. 適用済パッチ情報をインポートします。

    本番システムの各APPL_TOPに対し、ステージ・システムで対応するAPPL_TOPの抽出データ・ファイルを<APPL_TOP>/admin/<SID>ディレクトリにコピーします。このAPPL_TOPで次回AutoPatchを実行すると、これらのファイルが自動的にアップロードされます。

    ファイルをただちにロードするには、AutoPatchを対話型で実行し、パッチ・ドライバ・ファイル名を指定するプロンプトまで応答します。このとき、パッチ・ドライバ・ファイルのプロンプトに「abort」と入力し、AutoPatchを終了してください。


    注意:

    FNDLOADを使用してパッチ履歴を転送する方法はお薦めしません。adphmigr.plを使用するほうが効率的で簡単です。

パッチの最新の状態の維持

パッチを適用するたびに、AutoPatchによって関連の情報がOracle Applications Manager(OAM)の適用済パッチ・データベースに格納されます。OAMPatch WizardおよびApplied Patchesツールのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用すると、システムに適用されたパッチの全履歴をデータベースに問い合せ、すでに適用されているパッチを検索し、システムを最新の状態に保つために適用する必要がある既存のパッチを判断できます。

Patch Wizardは、システムへの適用が必要な推奨パッチ、およびそれらのパッチの適用による影響を判断します。Patch Wizardを実行する前に、OracleMetaLinkの資格証明を設定し、パッチ情報バンドルをダウンロードします。このパッチ情報バンドルは毎日更新され、推奨パッチのリストと関連するメタデータが格納されます。

また、パッチのダウンロード方法を管理する作業環境およびフィルタを設定する必要があります。1回のみのタスクの完了手順や、Patch Wizardの各ページの移動と要求の発行方法は、「Patch Wizard」を参照してください。

推奨パッチのリストの作成

ビジネス要件

まだ適用していないパッチがあるかどうかを判断する方法は?

説明

Patch Wizardによって、パッチ履歴データベースのパッチと、パッチ情報バンドルで推奨されるパッチのリストが比較され、推奨パッチのリストが作成されます。このパッチ情報バンドルは、Patch Wizardを実行する前にOracleMetaLinkからダウンロードしておきます。

Patch Wizardは、システムへの適用が必要な推奨パッチを識別し、パッチの内容と、パッチ適用時に更新されるファイルをレポートします。使用可能なすべてのパッチがレポートされるのではなく、High-priorityパッチなど、現在のコードレベルのパッチと、システムを新規コードレベルに更新するパッチ(Maintenance Pack、Family PackおよびMinipack)のみがレポートされます。


注意:

Patch Wizardを使用するには、作業環境とフィルタを設定する必要があります。詳細は、「Patch Wizard」を参照してください。

処理

システムに対する推奨パッチ・リストを参照するには、次のステップを実行してください。

  1. Oracle Applications Managerにアクセスします。

    「Patch Wizardへのアクセス」の説明に従って、OAMにアクセスします。この項の手順はすべて、Site Mapから開始します。

  2. Patch Wizardホームページにアクセスします。

    「Site Map」(「Maintenance」タブ)から、「Patching and Utilities」ヘッダーの下にある「Patch Wizard」をクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    Patch Wizardホームページが表示されます。

  3. パッチ情報バンドルをダウンロードします。

    Patch Wizardホームページには、「Tasks」、「Filter Criteria」および「Results」の3つのセクションがあります。

    本文の説明内容に関するイメージ

    以前に設定した作業環境と定義済のフィルタを使用して、「Patch Wizard Tasks」表から最新のパッチ情報バンドルをダウンロードし、「Recommend/Analyze Patches」の「Tasks」アイコンをクリックします。


    追加情報:

    作業環境とフィルタの詳細は、「Patch Wizard」を参照してください。

  4. 推奨パッチに対する要求を発行します。

    「Recommended Patches」ページで、パッチ・フィルタを選択します。拡大鏡アイコンを使用して、使用可能なフィルタのリストを表示します。

    本文の説明内容に関するイメージ

    要求情報を入力した後、「OK」をクリックします。要求の結果がPatch Wizardメイン・ページの「Results」セクションに表示されます。将来の日付で要求をスケジュールすることもできます。

  5. 要求のステータスを監視します。

    推奨パッチ要求のステータスは、メイン・ページから監視できます。「Recommend/Analyze Patches」の「Job Status」アイコンをクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    検索結果が表示されます。表示/非表示の三角をクリックすると、詳細が表示されます。このページのフィールドおよび機能の詳細は、「Patch Wizard」またはOAMヘルプを参照してください。

推奨パッチのダウンロード

ビジネス要件

Patch Wizardを使用してパッチをダウンロードする方法は?

説明

Patch Wizardでは、推奨パッチ要求で作成されたリストまたは「Download Patches」ページに入力したパッチのリストに基づいてパッチをダウンロードできます。

「Download Patches」ページでは、ダウンロードするパッチに関する情報を指定するためのプロンプトが表示され、その後、OracleMetaLinkからパッチを直接ダウンロードします。このページの「Merge Options」セクションでは、ダウンロードしたパッチのマージ方法を定義します。

処理

Patch Wizardを使用してパッチをダウンロードするには、次のステップを実行してください。

  1. Oracle Applications Managerにアクセスします。

    「Patch Wizardへのアクセス」の説明に従って、OAMにアクセスします。この項の手順はすべて、Site Mapから開始します。

  2. Patch Wizardホームページにアクセスします。

    「Site Map」(「Maintenance」タブ)から、「Patching and Utilities」ヘッダーの下にある「Patch Wizard」をクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    Patch Wizardホームページが表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ
  3. パッチのダウンロード要求を発行します。

    Patch Wizardホームページで、「Download Patches」の「Tasks」アイコンをクリックします。「Download Patches」ページが表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ

    このページの「Patch List」フィールドに、ダウンロードするパッチをリストします。

    あるいは、Patch Wizardホームページにある「Results」セクションで、推奨パッチ要求の「Details」アイコンをクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    推奨パッチ要求に関する「Recommended Patches Results」ページが表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ

    このページで推奨パッチを選択し(複数可)、「Download」ボタンをクリックします。選択したパッチ番号を使用して、「Download Patches」ページの「Patch List」フィールドが作成されます。

  4. ダウンロード・オプションを設定します。

    「Download Patches」ページで、マージ・オプションを設定して言語およびプラットフォームに関する情報を示します。ダウンロード時に自動的にパッチをマージするように選択した場合は、マージ・パッチの名前とマージ方法を指定します。ダウンロードするパッチの言語とプラットフォームを選択できます。このページのこのセクションに情報を指定すると、選択した言語とプラットフォームに一致するパッチのみがダウンロードされます。将来の日付でダウンロードをスケジュールすることもできます。

  5. 要求を発行します。

    パッチ情報を入力した後、「OK」をクリックします。要求の結果がPatch Wizardメイン・ページの「Results」セクションに表示されます。

  6. 要求のステータスを監視します。

    パッチ要求のステータスは、メイン・ページから監視できます。「Download Patches」の「Job Status」アイコンをクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    検索結果が表示されます。表示/非表示の三角をクリックすると、詳細が表示されます。このページのフィールドおよび機能の詳細は、「Patch Wizard」またはOAMヘルプを参照してください。

パッチによるシステム・ファイルへの影響の判断

ビジネス要件

パッチを適用する前に、システム・ファイルへの影響を参照できますか?

説明

Patch Wizardには、特定のパッチをシステムに適用した場合の影響を表示する「Patch Impact Summary」ページが用意されています。このページには、パッチ影響分析、直接影響要約、間接影響要約の情報が表示されます。これらの結果を検証することで、パッチに含まれているファイルに関する詳細情報や、特定のパッチが既存のシステム・ファイルに与える影響を確認できます。たとえば、パッチの合計ファイル数、インストールされるファイルの数とタイプ、変更される既存のファイル数を確認できます。


追加情報:

「Patch Wizard」を参照してください。

処理

Patch Wizardの「Patch Impact Summary」ページに情報を表示するには、次のステップを実行してください。

  1. Oracle Applications Managerにアクセスします。

    「Patch Wizardへのアクセス」の説明に従って、OAMにアクセスします。この項の手順はすべて、Site Mapから開始します。

  2. Patch Wizardホームページにアクセスします。

    「Site Map」(「Maintenance」タブ)から、「Patching and Utilities」ヘッダーの下にある「Patch Wizard」をクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ
  3. 推奨パッチ結果を表示します。

    ホームページの「Results」セクションで、項目の「Details」アイコンをクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    推奨パッチ要求に関する「Recommended Patches Results」ページが表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ
  4. 「Patch Impact Analysis」ページにアクセスします。

    「Recommended Patches Results」ページの「Impact」アイコンをクリックすると、選択したパッチに関する「Patch Impact Analysis」ページが表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ

    このページの多くの明細項目は、パッチによるシステムへの影響に関する詳細情報へのリンクになっています。たとえば、「File Types Installed」の値はあるページへのリンクで、このページには、選択したパッチを適用した結果として、ファイル・システム内の未変更ファイル、変更ファイルおよび新しいファイルのタイプと数がリストされます。

Applied Patchesの分析

パッチを適用すると、AutoPatchによってその処理がOracle Applicationsのパッチ履歴データベースに記録されます。Oracle Applications Manager(OAM)のApplied Patches機能を使用してこのデータベースを問い合せることができ、検索基準に基づいてレポートに容易にアクセスできます。


注意:

パッチがプレインストール・モードまたはテスト・モードで実行された場合、適用済パッチに関する情報はデータベースに格納されません。さらに、パッチが正常に完了しなかった場合、関連する情報はパッチ履歴データベースにアップロードされず、Applied Patches機能でも使用できません。

パッチの検索ページ(「Simple Search」または「Advanced Search」のいずれか)に検索基準を入力します。検索ページの下部に要約レポートが表示されます。さらに、詳細レポートとして「Timing Details」、「Files Copied」、「Bug Fixes」および「Action Summary」の各レポートを表示できます。

ほとんどの詳細レポートは、標準的なレイアウトで表示されます。レポートの上部には検索で使用した基準が表示されます。レポートの下部にはその検索の結果が表示されます。


追加情報:

OAMヘルプ・システムの「Applied Patches」も参照してください。

パッチが適用されたかどうかの判断

ビジネス要件

Oracle Applicationsシステムに特定のパッチが適用されているかどうかを判断する必要があります。

説明

パッチが適用されているかどうかを判断するには、「Software Updates」ページの「Applied Bug Fix Check」領域にバグ・フィックスIDを入力します。バグ・フィックスIDまたはカンマ区切りの一連のバグ・フィックスIDを入力することで、単純検索を実行できます。


追加情報:

「Applied Patches」検索ページを使用して、適用されたパッチを判別することもできます。Applied Patchesの使用の詳細は、「Applied Patches」を参照してください。

処理

次のステップを実行してください。

  1. Oracle Applications Managerにアクセスします。

    OAMにアクセスするには、「Patch Wizardへのアクセス」の手順に従ってください。

  2. 「Software Updates」ページにアクセスします。

    「Applications Dashboard」で「Software Updates」タブをクリックします。「Software Updates」ページが表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ
  3. バグ・フィックスIDを入力します。

    「Software Updates」ページの「Applied Bug Fix Check」領域に、バグ・フィックスIDまたはカンマ区切りの一連のバグ・フィックスIDを入力します。

    問い合せたバグ・フィックスIDが、適用されたかどうかに応じて、対応する列に表示されます。


    注意:

    パッチが暗黙的に適用された(つまり、パッチが他のパッチによって適用された)場合、「Applied Bug Fix Check」または「Applied Patches」を使用しても、パッチは見つかりません。

パッチ詳細の検索

ビジネス要件

「Patch Details」レポートにはどのような情報が表示されますか? レポートを作成する方法は?

説明

「Patch Summary」レポートで、選択した行の「Details」アイコンをクリックすると「Patch Details」レポートが開きます。このレポートには、「Simple Search」または「Advanced Search」ページの検索結果から引き継がれた要約情報が表示されます。さらに、パッチに関する次のような詳細情報が表示されます。

  • ドライバ・ファイルの名前、およびパッチが適用された日時

  • ファイルの実行に使用されたコマンドライン・オプション

  • ドライバ・ファイルのプラットフォーム

  • ドライバが実行された場所

  • コードレベルが導入されたかどうか、および導入されたコードレベルに関するレポート

「Patch Details」ページからは、タイミング詳細、コピーされたファイル、バグ・フィックス、実行された処理の要約など、パッチに関する追加情報にもアクセスできます。


追加情報:

「Applied Patches」を参照してください。OAMヘルプのApplied Patchesに関する項も参照してください。

処理

次のステップを実行してください。

  1. Oracle Applications Managerにアクセスします。

    OAMにアクセスするには、「Patch Wizardへのアクセス」の手順に従ってください。

  2. 「Patch Summary」レポートを作成します。

    「Site Map」(「Maintenance」タブ)から、「Patching and Utilities」ヘッダーの下にある「Applied Patches」をクリックします。「Patch Summary」レポートを作成するには、「Simple Search」または「Advanced Search」ページのいずれかでパッチ番号または日付範囲を入力します。「Go」をクリックします。

  3. パッチを選択します。

    「Patch Summary」レポートで、選択した行の「Details」アイコンをクリックします。「Patch Details」レポートが表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ

    このレポートには、ドライバ・ファイル、開始日、プラットフォームなどのパッチ詳細が表示されます。また、このレポートからは、コピーされたファイル、バグ・フィックスなどドライバ・ファイルに関連する他のパッチ詳細にもアクセスできます。他のレポートを表示するには、リストからドライバを選択し、いずれかの追加詳細ボタンをクリックします。

  4. 追加詳細を表示します。

    ここでは、選択したドライバについて表示できる詳細レポートの例として「Files Copied」をクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    「Files Copied」レポートには、各ファイルの製品短縮名、ファイルがコピーされたディレクトリ、ファイル名およびバージョン番号が表示されます。ドライバ・ファイルに関連する他の情報を表示する場合は、ページの最上部にある「Patch Details」リンクをクリックして前のページに戻ります。

    次の例として、「Patch Details」レポートで「Bug Fixes」ボタンをクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    「Bug Fixes」レポートには、選択したドライバ・ファイルに含まれるすべてのバグ・フィックスがリスト表示されます。このレポートには、バグ番号、関連製品、およびバグ・フィックスが適用されたかどうかが表示されます。バグ・フィックスが適用されていない場合は、「Remarks」列にその理由が表示されます。

  5. 「Action Summary」レポートを表示します。

    選択したドライバ・ファイルの処理要約を表示するレポートを作成できます。ページの最上部にある「Patch Details」リンクをクリックして「Patch Details」ページに戻ります(「Bug Fixes」レポートでバグ・フィックス番号をクリックしても「Action Summary」レポートにアクセスできます)。

    「Patch Details」ページでドライバを選択し、「Action Summary」ボタンをクリックします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    「Action Summary」レポートには、ドライバとその処理に関する情報が表示されます。列ヘッダーの定義については、「処理要約」を参照してください。

    選択したドライバにデータベース部分が含まれている場合、「Patch Summary」レポートにはsqlやexecなどのドライバ処理が表示されます。ドライバがデータベース上で処理を実行した場合は「Details」アイコンが有効になります。このアイコンをクリックすると「Action Details」レポートが表示されます。

翻訳パッチの検索

ビジネス要件

複数の言語で運用しているOracle Applicationsシステムで、各翻訳パッチが正常に適用されていることを確認する必要があります。

説明

各USパッチには関連する翻訳パッチがあり、システムでアクティブな言語に基づいて個別に適用します。適用したすべての翻訳パッチに関する情報は、AutoPatchによってパッチ履歴データベースに格納されます。

処理

次のステップを実行してください。

  1. Oracle Applications Managerにアクセスします。

    OAMにアクセスするには、「Patch Wizardへのアクセス」の手順に従ってください。

  2. 「Simple Search」ページにアクセスします。

    本文の説明内容に関するイメージ

    「Site Map」(「Maintenance」タブ)から、「Patching and Utilities」ヘッダーの下にある「Applied Patches」をクリックします。「Simple Search」ページが表示されます。

    検索基準を入力します。「Simple Search」画面の使用方法の詳細は、「パッチが適用されたかどうかの判断」を参照するか、OAMの「Help」ボタンをクリックしてください。

  3. パッチを指定します。

    「Simple Search」ページで、「Patch ID」フィールドに翻訳パッチの番号を入力します。「Go」をクリックします。

  4. 「Patch Summary」レポートを確認します。

    パッチ適用の全履歴が表示されます。複数の翻訳が適用されている場合は、複数の行が表示されます。「Language」列には適用されている言語が表示されます。

    本文の説明内容に関するイメージ

レポート書式によるApplied Patchesの表示

ビジネス要件

OAM画面を使用せずに適用済パッチ情報を確認できますか?

説明

Oracle Applications Managerを実行せずに適用済パッチ履歴を表示することが必要な場合があります。たとえば、多量のデータを表示する場合や、パッチのリストのみでOAM「Patch History」レポートに表示される詳細が不要な場合は、コマンドライン・スクリプトを実行して、AutoPatchの各セッションで適用されたすべてのパッチ、パッチの影響を受けたすべてのファイル、または一定の日付範囲に適用されたすべてのパッチをリスト表示します。次の表に、スクリプトおよびスクリプトによって生成されるレポートの説明を示します。

スクリプト名 レポートの内容 出力フォーマット
adphrept.sql 各AutoPatchセッションで適用されたパッチとその詳細がリスト表示されます。 XML
adfhrept.sql パッチによって変更されたファイルに関する情報が表示されます。 XML
adpchlst.sql 指定の日付範囲に適用されたパッチがリスト表示されます。 テキスト

adphrept.sqlおよびadfhrept.sqlによって生成されたXMLレポートは、XMLとして処理したり、HTMLとして表示できます。

処理

適用済パッチがリスト表示されるレポートを実行するには、この項の必要な指示に従ってください。

完了したすべてのAutoPatchセッションおよびパッチ詳細のリストを表示するには

adphrept.sqlスクリプトを実行します(<AD_TOP>/patch/120/sqlにあります)。各AutoPatchセッションを表示するXMLレポートを生成します。パッチが複数回適用されている場合、このリストにはパッチのすべての適用がリスト表示されます。マージ・パッチが適用されている場合は、パッチ名ごとにマージ・パッチがリスト表示されます。マージ・パッチ内の個別のパッチはリスト表示されません。

adphrept.sqlを実行するには、次のパラメータを使用します。

<query_depth> <bug_number or ALL> <bug_product or ALL> \
<start_date_from (mm/dd/rr or ALL)> <end_date_to (mm/dd/yyyy or ALL)> \
<patchname/ALL> <patchtype/ALL> <level/ALL> <language/ALL> \
<appltop/ALL> <limit to forms server? (Y/N)> \
<limit to web server? (Y/N)> \
<limit to node server? (Y/N)> \
<limit to admin server? (Y/N)> \
<only patches that change DB? (Y/N)> <report_name>.xml

<query_depth>には、1(パッチの詳細のみ)、2(パッチの詳細とそのバグ・フィックスのみ)または3(パッチの詳細、バグ・フィックスおよびバグ処理)を指定します。

コマンド・プロンプトで、レポート・コマンドと、パラメータおよびプロンプトの値を入力します。たとえば、2006年10月に実行されたAutoPatchセッションのパッチの全詳細を表示するには、mm/dd/yyyy日付書式を使用して次のように入力します。

UNIX:

$ cd $AD_TOP/patch/120/sql
$ sqlplus <APPS username>/<APPS password> @adphrept.sql 3 ALL ALL 10/01/2006 \
  10/31/2006 ALL ALL ALL ALL ALL N N N N N oct06.xml

Windows:

C:>¥ cd %AD_TOP%¥patch¥120¥sql
C:>¥ sqlplus <APPS username>/<APPS password> @adphrept.sql 3 ALL ALL \
     10/01/2006 10/31/2006 ALL ALL ALL ALL ALL N N N N N oct06.xml

<AD_TOP>/htmlディレクトリには、XML出力ファイルをHTMLフォーマットで表示するためのadpchrep.xslスタイルシートが格納されます。XMLファイルをHTMLとして表示するには、adpchrep.xslスタイルシートとXML出力レポートを、ブラウザからアクセス可能なディレクトリにコピーします。次に、ブラウザでそのディレクトリを開き、XMLファイル名をクリックします。

パッチによって変更されたファイルに関する情報を表示するには

(<AD_TOP>//patch/120/sqlに格納されている)adfhrept.sqlスクリプトを実行して、adfilerep.xmlという名前のXMLレポートを生成します。次のパラメータを使用します。

<filename> <latest file version only? (Y/N) \
<start_date (mm/dd/rr or ALL)> <end_date (mm/dd/yyyy or ALL)> \
<patchtype/ALL> <language/ALL> \
<appltop/ALL> <limit to forms server? (Y/N)> \
<limit to web server? (Y/N)> \
<limit to node server? (Y/N)> \
<limit to admin server? (Y/N)> \
<only patches that change DB? (Y/N)>

コマンド・プロンプトで、レポート・コマンドと、パラメータおよびプロンプトの値を入力します。たとえば、2006年10月に適用されたパッチのみを対象に、admorgb.plsのファイル・バージョンの全履歴を表示するには、mm/dd/yyyy形式を使用して次のように入力します。

UNIX:

$ cd $AD_TOP/patch/120/sql
$ sqlplus <APPS username>/<APPS password> @adfhrept.sql admorgb.pls \
  N 10/01/2006 10/31/2006 ALL ALL ALL N N N N N

Windows:

C:>¥ cd %AD_TOP%¥patch¥120¥sql
C:>¥ sqlplus <APPS username>/<APPS password> @adfhrept.sql admorgb.pls \
     N 10/01/2006 10/31/2006 ALL ALL ALL N N N N N

<AD_TOP>/htmlディレクトリには、XML出力ファイルをHTMLフォーマットで表示するためのadfilerep.xslスタイルシートが格納されます。XMLファイルをHTMLとして表示するには、adfilerep.xslスタイルシートとXML出力レポートを、ブラウザからアクセス可能なディレクトリにコピーします。次に、ブラウザでそのディレクトリを開き、XMLファイル名をクリックします。

指定の日付範囲で全パッチのリストを表示するには

(<AD_TOP>/patch/120/sqlに格納されている)adpchlst.sqlレポートを実行して、日付範囲内の全パッチのリスト(adpchlst.lst)を生成します。リストにパッチ詳細は含まれません。このレポートがadphrept.sqlと異なる点は、パッチは適用回数に関係なく1回のみリストに表示されること、およびマージ・パッチに含まれたパッチもリスト表示されることです。たとえば、パッチ123、124および125をmerged1というマージ・パッチに統合した場合、レポートにはパッチ123、124および125がリストされますがmerged1は含まれません。

コマンド・プロンプトで、レポート・コマンドと、日付パラメータをmm/dd/yyyy形式で入力します。たとえば、2006年10月に適用されたパッチのリストを表示するには、次のように入力します。

UNIX:

$ cd $AD_TOP/patch/120/sql
$ sqlplus <APPS username>/<APPS password> @adpchlst.sql 10/01/2006 10/31/2006

Windows:

C:>¥ cd %AD_TOP%¥patch¥120¥sql
C:>¥ sqlplus <APPS username>/<APPS password> @adpchlst.sql 10/01/2006 10/31/2006

進行中のパッチのモニタリング

ビジネス要件

パッチ適用中の進行状況のモニター方法は?

説明

パッチのサイズおよび複雑度によって、パッチを完全にシステムに適用するのに数分から数時間かかる場合があります。このため、パッチが現在実行している処理、および各ステップの所要時間がわかると便利です。

パッチを適用するときに、Oracle Applicationsシステムはメンテナンス・モードになり、Webサーバーを含むアプリケーション層サービスが停止されます。これにより、Oracle ApplicationsおよびOracle Applications Managerにアクセスできなくなります。Timing Reportsにアクセスして進行中のパッチ適用セッションを監視するために、Webサーバーを制限モードで起動し、制限モードURLを使用してOAMにアクセスする必要があります。

Timing Reportsを使用して進行中のパッチ適用セッションを監視する場合、Timing Reportsには最新の実行済タスクが表示されます。「Refresh」アイコンを使用すると最新の実行中タスクを取得できます。

処理

次のステップを実行してください。

  1. ad_monitorユーザー・アカウントを設定します。ad_monitorユーザー・アカウントを使用して、制限モードでOAMにログインします。

    • SYSTEMとしてSQL*Plusにログインします。

    • ad_monitorユーザーのロックを解除します。

      SQL> alter user ad_monitor account unlock;
      
      
    • ad_monitorユーザーとしてSQL*Plusにログインし、パスワードをリセットします。デフォルトのパスワードはlizardです。

  2. すべてのアプリケーション層サービスを停止します。

  3. メンテナンス・モードを有効化します。

  4. 制限モードでWebサーバーを起動します。このサービスを開始および停止するスクリプトは、$COMMON_TOP/admin/scripts/<CONTEXT_NAME>ディレクトリにあります。

    UNIX:

    $ adaprstctl.sh start
    
    

    Windows:

    C:¥> adaprstctl.cmd start
    
    
    
  5. AutoPatchを実行してパッチ・セッションを起動します。

  6. 制限モードURL(<host>:<port>/servlets/weboamLocal/oam/oamLogin)を使用して、OAMにアクセスします。

  7. ad_monitorユーザーとしてOAMにログインします。

  8. Timing Reportsに移動します(ナビゲーション: 「Sitemap」>「Maintenance」>「Patching and Utilities」>「Timing Reports」)。

  9. パッチ適用セッションの完了時に、制限モードのWebサーバーを停止します。

    UNIX:

    $ adaprstctl.sh stop
    
    

    Windows:

    C:¥> adaprstctl.cmd stop
    
    
    
  10. メンテナンス・モードを無効にします。

  11. すべてのサービスを再起動します。


追加情報:

「Timing Reports」を参照してください。

パッチ適用処理の進行状況をモニターするには、次の事項も検証します。

  • AutoPatchメッセージ

    AutoPatchを実行すると、パッチ適用処理のステータスおよび進行状況に関するメッセージが画面に表示されます。

  • パッチ・ログ・ファイル

    AutoPatchは、現行ディレクトリにログ・ファイルを作成します。各ログ・ファイルには、完了したパッチ適用処理に関する情報が格納されます。


    追加情報:

    『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』のログ・ファイルと再起動ファイルに関する項を参照してください。

  • ワーカー・ステータス

    複数のジョブをパラレルに実行する場合は、AD Controllerを使用して、コンカレント・マネージャ、およびジョブを処理するために割り当てられたワーカーのステータスを表示します。


    追加情報:

    『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』のワーカー・ステータスの確認に関する項を参照してください。『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』のAD Controllerに関する項も参照してください。

パッチのバックアウト

Oracle Applicationsシステムに適用したパッチをバックアウトするとパッチ前の状態に回復できますが、この処理は、他に方法がない場合のみ行うことをお薦めします。


注意:

パッチのバックアウトを自動化する方法はありません。

統合ドライバのコピー部分の障害からの回復

ビジネス要件

パッチ適用処理中に、統合ドライバのコピー部分に障害が発生しました。システムを回復する必要があります。

説明

パッチがMinipack、Family PackまたはMaintenance Packの場合は特に、テスト・システム上で必ずパッチの適用状況を数回テストしてください。テスト適用に成功した場合は、本番システムでパッチを適用します。

多数のパッチ、一連のMinipack、Family PackまたはMaintenance Packを適用する場合は、あらかじめOracle Applicationsのファイル・システムとデータベースをバックアップしておいてください。

処理

次のステップを実行してください。

  1. 失敗の原因を調べます。

    通常は、問題を解決し、パッチ適用処理は障害の発生時点から再開できます。

  2. 統合ドライバのコピー部分の処理を決定します。

    適切な問題解決の方法が見つからない場合は、ログ・ファイルと統合ドライバのコピー部分を確認して、パッチでコピーされたファイルおよび実行された更新処理を調べます。

  3. ファイルを回復します。

    パッチ・トップ・ディレクトリ内のファイルが製品の現行のファイルよりも新しいバージョンである場合、現行のファイルはパッチ・トップ・ディレクトリのサブディレクトリ内にバックアップされます。<patches>がパッチ・トップ・ディレクトリ、<system_name>がApplicationsシステム名、<APPL_TOP_name>がAPPL_TOP名、<prod>がパッチを適用する製品の名前である場合、次のようにバックアップされます。

    <PROD>_TOP/<subdir(s)>/<old_file_name>
    
    

    から

    <patches>/backup/<system_name>/<appl_top_name>/<prod>/<subdir(s)>/ \ <old_file_name>
    

    注意:

    Oracle Applicationsシステム名とAPPL_TOP名は、Rapid Installの処理の過程で決まります。

    これらのバックアップ・ファイルを使用して、Oracle Applicationsシステム上のファイルを回復します。パッチが大きく多数のファイルをコピーした場合は、パッチ適用前に作成したバックアップでファイル・システム全体を回復します。ファイル・システム全体を回復する場合は、ステップ4から7は実行しないでください。

  4. ファイルを再リンクします。

    統合ドライバのコピー部分にファイルを再リンクする処理が含まれている場合は、影響を受けるファイルを判断し、AD Administrationを使用してそれらのファイルを再リンクします。ADプログラムの場合はAD Relinkを使用してください。


    追加情報:

    詳細は、『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』を参照してください。

  5. Javaファイルを回復します。

    パッチにJavaの更新が含まれていた場合は、<patches>/backup/ <system_name>/<appl_top_name>ディレクトリから、次のコマンドを実行して、Oracle ApplicationsのJavaファイルを回復します。

    $ adjava -mx256m oracle.apps.ad.jri.adjcopy @undoScript.cmd
    
    
  6. JARファイルを生成します。

    Javaファイルがパッチに含まれている場合は、AD AdministrationでJARファイルを生成します。


    追加情報:

    『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』のAD Administrationに関する項を参照してください。

  7. その他のファイルを生成します。

    パッチにフォーム、レポート、グラフィックスまたはメッセージ・ファイルが含まれている場合は、AD Administrationを使用してこれらのファイルを生成します。


    追加情報:

    『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』のファイルの管理に関する項を参照してください。

統合ドライバのデータベース部分の障害からの回復

ビジネス要件

統合ドライバのデータベース部分の障害発生後、システムを回復できますか?

説明

パッチによってOracle Applicationsデータベースに対して行われた変更をバックアウトする一般的な方法はありません。データベースの回復の必要性を回避するため、パッチがMinipack、Family PackまたはMaintenance Packの場合は特に、テスト・システム上で必ずパッチの適用状況を数回テストしてください。テスト適用に成功した場合は、本番システムでパッチを適用します。