Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - 構成 リリース12 E05661-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
文書連番では、Oracle Applications製品で生成された文書に一意の番号を設定します。Oracle Applicationsでは、フォームを介してデータを入力し、文書(たとえば、請求書)を生成することで取引が開始されます。文書連番により、取引を作成したアプリケーション(たとえば、Oracle Receivables)と生成されたオリジナル文書(たとえば、請求書番号1234)を特定する監査証跡が生成されます。
文書連番によって完全性が証明されます。たとえば、文書連番を使用すると、障害が発生した取引も含め、すべての取引を把握できます。
文書連番では、監査証跡も提供できます。たとえば、総勘定元帳から補助元帳へ、さらに、勘定科目残高に当初影響を与えた文書までの監査証跡を提供できます。
文書連番では監査データが生成されるため、文書が削除されても監査記録は残ります。
関連トピック
連番を定義するには、連番名と、連番を所有するアプリケーションを選択します。
連番では、連番を所有するアプリケーションが管理するデータベース表に格納される文書に番号を設定できます。
連番の監査記録は、アプリケーションの監査表に格納され、アプリケーション短縮名_DOC_SEQUENCE_AUDITというタイトルが付きます。たとえば、Oracle Payablesが所有する連番の監査表はAP_DOC_SEQUENCE_AUDITとなります。
重要: データベース管理者は、連番を使用する職責(連番を使用してフォームにアクセスする職責)に関連付けられているすべてのORACLEユーザー名に対して、アプリケーションの監査表へのアクセス権を付与する必要があります。
連番を使用できる開始日と終了日を設定できます。開始日は現在の日付にデフォルト設定されます。デフォルトでは終了日は指定されないため、連番の定義は無期限に有効となります。
文書に自動的に番号を設定するか、ユーザーが手動で番号を入力するかを選択できます。
自動採番では、生成された各文書に一意の番号が割り当てられます。自動採番は、作成日時に従って連続して割り当てられます。
無欠番採番の場合も、各文書に一意の番号を自動的に生成できますが、番号を割り当てる前に文書が正常に生成されている必要があります。無欠番採番では、文書の作成が不完全または失敗したことにより、連番が途切れることはありません。
重要: 無欠番採番は、システムのパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、欠番が出ないようにすることが不可欠な場合にのみ使用することをお薦めします。
手動採番では、文書が生成される前に、ユーザーが各文書に一意の番号を割り当てる必要があります。手動採番の場合、数字の順番や完全性は強制されません。ユーザーは、連番の値を入力する際に番号をスキップまたは省略できます。
連番を定義して文書に番号を自動的に設定する場合は、次の情報を指定できます。
連番の初期値を入力します。デフォルトは1です。
文書が生成される際に、連番名および連番値(文書番号)を示すメッセージをユーザーに表示するかどうかを選択します。
次の表に、連番定義の2つの例(自動採番と手動採番)を示します。
「文書連番」フォームのフィールド | 例1: 自動採番による連番 | 例2: 手動採番による連番 |
---|---|---|
(連番)名称 | AUTOPAY | ADJUSTMENTS |
(所有)アプリケーション | ORACLE PAYABLES: Oracle Payablesデータベース表に格納される文書に番号を設定できます。 | ORACLE RECEIVABLES: Oracle Receivablesデータベース表に格納される文書に番号を設定できます。 |
有効日: 開始 | 現在の日時(デフォルト値) | 1994年10月1日: ユーザー定義連番「ADJUSTMENTS」は1994年10月1日になるまでは使用できません。 |
有効日: 終了 | 空白: 連番は無期限に有効となります。 | 1994年12月31日: ユーザー定義連番「ADJUSTMENTS」は1994年12月31日よりも後は使用できません。 |
(採番)タイプ | 自動採番: 一意の番号が順序どおりに自動的に生成されます。無欠番採番: 文書が正しく作成されない場合はロールバックされるため、脱落や欠番がない番号設定が可能です。 | 手動採番: 取引が完了して文書が生成される前に、ユーザーが一意の番号を入力する必要があります。番号はスキップまたは省略できます。 |
初期値 | 1(デフォルト値): 独自の初期値を入力できます(たとえば、5700)。 | 手動採番タイプでは使用できません。 |
メッセージ | 表示: 自動採番で文書が作成される際に、連番名と連番(文書番号)が表示されます。 | 手動採番タイプでは使用できません。 |
関連トピック
文書カテゴリは、文書を論理グループに編成します。
文書カテゴリ(文書タイプとも呼ばれる)とは、番号を割り当てる対象文書を定義するために使用するルールの1つです。
異なる連番を各カテゴリに割り当てることで、各文書カテゴリを独立した番号設定にできます。
文書カテゴリは、ユーザーが入力する取引によって生成される文書の格納先データベース表を特定します。
連番をカテゴリに割り当てると、特定の表に格納されている文書に番号が設定されます。
文書をさらに正確に分類するにはカテゴリを使用します。たとえば、売掛金の請求書を次のように異なる複数のカテゴリに分類できます。
チャージバック
預り金
保証
デビット・メモ
クレジット・メモ
売上請求書
顧客サービス請求書
同様に、買掛金または購買の請求書を次のように異なる複数のカテゴリに分類できます。
標準
経費精算書
前払金
利息
クレジット・メモ
デビット・メモ
関連トピック
文書に番号を設定する連番を割り当てる前に、番号を設定する文書を定義する必要があります。
連番の定義と一連の文書への連番の割当とは異なります。
連番の定義では、文書の番号を自動的に生成するか、ユーザーが手動で番号を入力するかを決定します。
連番の割当(つまり、連番が割り当てられる文書)は、「連番割当」フォームで定義します。
4種類のルールの組合せを指定して、特定の連番名を割り当てる特定の文書を定義します。
異なる(採番の)連番を各文書の定義に割り当てることができます。
次の4種類のルールを組み合せて、選択した連番で番号を割り当てる文書を定義します。
変数 | 説明 |
---|---|
アプリケーション | 採番の対象文書を生成するアプリケーションを選択します。 たとえば、売上請求書に番号を設定する場合は、Oracle Receivablesを選択します。 |
カテゴリ | 文書の論理サブセットを特定するための文書カテゴリを選択します。 たとえば、Oracle Receivablesの請求書すべてを採番する必要がない場合は、売上請求書のカテゴリのみを採番対象として選択できます。 カテゴリは、Oracle Applicationを使用して入力された取引(生成された文書)を格納する表を特定します。 文書を定義するために選択する「カテゴリ」値は、選択したアプリケーションによって異なります。 |
会計帳簿 | 採番する文書によって影響される業務の勘定体系を選択します。このルールは、文書フレックスフィールドを介して必要に応じて使用可能にできます。 |
方法 | 文書の入力方法(「自動」または「手動」)を選択します。このルールはオプションで文書フレックスフィールドからも使用可能にできます。 「自動」は、外部プログラムなどのコンカレント・プロセスからOracle Applicationに取引データが入力される場合に選択します。 「手動」は、アプリケーションのフォームを使用して、文書を手動入力する場合に選択します。 |
一意の各文書定義に対して、有効な連番割当は1つのみです。文書定義は、アプリケーション、カテゴリ、および(必要に応じて)文書フレックスフィールド・セグメントの会計帳簿と方法で構成されます。
重要: 連番を文書定義に割り当てる場合は、他と重複しないアプリケーションとカテゴリの単一の組合せ(つまり、アプリケーション表)に対してのみ、有効な各連番を割り当てられます。
有効な連番割当とは、終了日に達していない割当を指します。つまり、終了日が現在日以降の割当です。
有効な連番割当とは、終了日がない割当、または終了日が現在の日付以降に指定されている割当です。
連番割当と有効日は、「連番割当」フォームで定義します。
また、連番の定義が有効であることが必要です。つまり、連番定義の終了日は(その割当の終了日とは対照的に)、現在の日付よりも前にできません。
連番の定義と有効日は、「文書連番」フォームで定義します。
文書連番を定義する場合は、連番に名称を指定して、各文書に番号を設定する方法を定義します。
番号が順序どおりに自動的に生成されるようにするか、ユーザーが手動で番号を入力するかを選択します。
初期値または連番の最初の番号を入力します。
関連トピック
連番で使用する文書の採番タイプ(自動採番または手動採番を指定可能)を、文書の入力方法(こちらも自動または手動を指定可能)と混同しないでください。
新しい文書連番に名称を付け、各文書に番号を設定する方法を定義します。
文書連番では、Oracle Applications製品で生成された文書(たとえば、Oracle Receivablesで生成された請求書)に一意の番号を設定します。「連番割当」ウィンドウを使用して、定義したルールを満たす文書のみに、採番する連番を割り当てます。
文書連番では、Oracle Applicationsで生成された文書(たとえば、Oracle General Ledgerで生成された仕訳)に番号を設定します。
文書連番を使用すると、ユーザーが作成する文書すべてを把握できます。参照: 連番割当
文書連番の名称、採番方式のタイプ、有効日および初期値を定義します。
入力が終了した後は、連番名を変更できません。
選択が終了した後は、連番に関連付けられているアプリケーション名を変更できません。
連番の監査記録は、アプリケーションの監査表に格納され、アプリケーション短縮名_DOC_SEQUENCE_AUDITというタイトルが付きます。たとえば、Oracle Payablesが所有する連番の監査表はAP_DOC_SEQUENCE_AUDITとなります。
文書連番が有効になる日、または使用不可になる日を入力します。「開始日」フィールドは、現在の日付に自動的にデフォルト設定されます。連番の定義が終了した後は、開始日を変更できません。「終了日」フィールドを空白のままにすると、文書連番は無期限に有効となります。終了日を入力して連番の定義を完了すると、終了日は変更できなくなります。終了日が未指定で、連番の有効な割当がない場合は、現在の日付を終了日に入力することで連番を無効にできます。一度無効にした連番は再度有効にはできません。
定義が終了した後は、文書の採番タイプを変更できません。
変数 | 説明 |
---|---|
自動採番 | 作成日時に従って、生成された各文書に対して一意の番号を連続して割り当てます。 |
手動採番 | 手動採番では、文書が生成される前に、ユーザーが各文書に番号を割り当てる必要があります。一意の値を入力する必要があります。ただし、数値的な順序や完全性は強制されません。 |
重要: 「ユーザーによる自動採番」タイプは、現在サポートされていません。Oracle Applicationsの将来のバージョンのために予約されています。
警告: 「無欠番採番」タイプは、特定のローカライゼーションとの関連においてのみ有効です。このタイプは、システムのパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、オラクル社カスタマ・サポート・センターと相談の上で選択することをお薦めします。
各文書について、ユーザーに連番名と値(番号)を知らせるメッセージを(画面下部付近のメッセージ行に)表示する場合は、「メッセージ」チェック・ボックスを選択します。
このチェック・ボックスは、自動採番タイプの連番にのみ適用されます。メッセージは、フォーム上に表示されるのみで、要求のログ・ファイルには書き込まれません。
連番の定義が終了した後は、メッセージの選択を変更できません。
連番の最初の文書に対する値を入力します。このフィールドは、自動採番または無欠番採番タイプの連番にのみ適用されます。連番は8桁を超えないようにしてください。
このフィールドを空白のままにすると、最初の文書には1の値が自動的に割り当てられます。
連番の定義が終了した後は、この初期値を変更できません。
関連トピック
文書を論理グループに分類するために文書のカテゴリを定義します。各カテゴリに異なる連番を割り当てることで番号を個別に設定できます。
文書連番は、連番が割り当てられている各文書に番号を一意に設定します。
「連番割当」フォームを使用して、定義したルールを満たす文書のみに番号を設定するように連番を割り当てます。
いくつかのフォームにタイトルとして表示される文書カテゴリまたはタイプは、連番が番号を割り当てる文書を定義するルールの1つです。
各カテゴリは、ユーザーが生成した取引によって作成される文書を格納する表を特定します。
連番をカテゴリに割り当てると、表に格納されている文書に番号が設定されます。
文書カテゴリ名を指定し、表をカテゴリに関連付けます。
このブロックを入力すると、既存の文書カテゴリが自動的に問合せされます。
カテゴリの定義が終了した後は、アプリケーションの選択を変更できません。カテゴリに割り当てることができるのは、選択したアプリケーションが所有する表のみです。
カテゴリ・コードは、アプリケーションで一意にする必要があります。カテゴリの定義が終了した後は、このコードを更新できません。
必要な場合は、名称を更新できます。たとえば、カテゴリ名が事前定義されている場合は、より理解しやすい値に名称を変更できます。
必要な場合は、摘要を更新できます。たとえば、カテゴリの摘要が事前定義されている場合は、より理解しやすい値に摘要を変更できます。
カテゴリを使用して特定する文書が格納されている表名を選択します。
順次採番機能で、完全性をチェックしたり、レポートを生成する場合は、カテゴリの文書を表内で検索します。
カテゴリに関連付けられているアプリケーションが所有する表のみを選択できます。
カテゴリの定義が終了した後は、表の選択を変更できません。
関連トピック
文書連番で番号を設定できる文書を定義し、次に、文書連番を定義に割り当てます。
文書連番では、Oracle Applications製品で生成された文書(たとえば、Oracle Receivablesで生成された請求書)に番号を設定します。
文書を生成するアプリケーションとそのカテゴリ(文書が格納される表)で、文書を定義できます。定義している文書にオプションのルールが使用可能な場合は、追加フィールド(文書入力の「会計帳簿」と「方法」)が表示されます。
文書定義の入力や連番の割当に加え、必要な場合は、割当の有効日を入力できます。
「文書連番」ウィンドウを使用して、文書連番を定義します。参照: 文書連番
文書を生成するアプリケーションと文書のカテゴリ(文書が格納される表)で、文書を指定します。文書の定義には、影響を受ける会計帳簿や文書の入力方法を指定することもできます。
文書の定義を入力した後は、定義の割当先連番を選択し、必要な場合は割当の有効日を入力します。
アプリケーション、カテゴリ、会計帳簿および方法の一意の各組合せに対して、割り当てることができる有効な連番は1つのみです。最後の2つの基準はオプションで、文書フレックスフィールドに設定されます。
ただし、アプリケーションとカテゴリに変更がない場合は、同じ連番、同じ採番方式および初期値をアプリケーション、カテゴリ、会計帳簿および方法の複数の組合せに割り当てることができます。
変数 | 説明 |
---|---|
アプリケーション | 採番の対象文書を生成するアプリケーションを選択します。 たとえば、売上請求書に番号を設定する場合は、Oracle Receivablesを選択します。 |
カテゴリ | 文書の論理サブセットを特定するための文書カテゴリを選択します。 たとえば、採番を必要としているのがOracle Receivablesのすべての請求書でない場合は、売上請求書のカテゴリのみを採番対象として選択できます。 |
割当の有効日は、連番の開始日と終了日の範囲内であることが必要なため、使用可能な連番のリストは、割当に指定されている開始日と終了日によって異なります。
文書定義への連番割当が有効になる日付、または使用不可になる日付を入力します。「開始日」フィールドは、現在の日付に自動的にデフォルト設定されます。連番の定義が終了した後は、開始日を変更できません。
「終了日」フィールドを空白のままにすると、連番割当は無期限に有効となります。終了日を入力して連番割当の定義を完了すると、終了日は変更できなくなります。
終了日が未指定で、連番の有効な割当がない場合は、現在の日付を終了日に入力することで連番割当を無効にできます。一度無効にした連番は再度有効にはできません。
文書定義に割り当てる連番を選択します。連番のアプリケーションと文書のアプリケーションは同一であることが必要です。
連番割当の定義が終了した後は、連番名を更新できません。
連番割当を使用不可にして、文書の定義(文書フレックスフィールドの組合せ)に新しい連番を割り当てる場合は、最初に終了日を入力して現行の連番割当を無効にする必要があります。次に、新しい割当に対して新しいレコード(行)を作成します。
文書フレックスフィールドは、0、1または2個のセグメントで構成されます。
変数 | 説明 |
---|---|
会計帳簿 | 採番する文書によって影響される業務の勘定体系を選択します。 |
方法 | 文書の入力方法(自動または手動)を選択します。 自動は、コンカレント・プロセス(外部プログラムなど)からOracle Applicationに取引データが入力され、Oracle Applicationが文書を生成する場合です。 手動は、アプリケーションのフォームを使用して、文書が手動で入力される場合です。 |
定義が終了した後は、文書フレックスフィールドの定義を更新できません。文書フレックスフィールドの追加セグメントを定義することもできません。
重要: この付加フレックスフィールドを使用可能にするには、「付加フレックスフィールド・セグメント」ウィンドウを使用します。アプリケーション「Application Object Library」およびタイトル「文書フレックスフィールド」を選択します。フレックスフィールドが未確定であることを確認して「セグメント」ウィンドウにナビゲートし、セグメントを使用可能にします。設定後、フレックスフィールドを確定し、新しい定義を保存およびコンパイルします。
関連トピック
『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』の付加フレックスフィールドの概念に関する項