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Oracle VM Server for SPARC 2.0 管理ガイド
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要

2.  ソフトウェアのインストールおよび有効化

3.  セキュリティー

4.  サービスおよび制御ドメインの設定

5.  ゲストドメインの設定

6.  I/O ドメインの設定

7.  仮想ディスクの使用

8.  仮想ネットワークの使用

9.  ドメインの移行

10.  リソースの管理

11.  構成の管理

12.  その他の管理タスクの実行

CLI での名前の入力

ファイル名 (file) と変数名 (var-name)

仮想ディスクサーバー backend および仮想スイッチデバイス名

構成名 (config-name)

その他のすべての名前

ネットワークを介したゲストコンソールへの接続

コンソールグループの使用

複数のコンソールを 1 つのグループにまとめる

負荷が大きいドメインの停止処理がタイムアウトする可能性

Oracle VM Server for SPARC による Oracle Solaris OS の運用

Oracle Solaris OS の起動後には OpenBoot ファームフェアを使用できない

サーバーの電源の再投入

現在のドメイン構成を SP に保存する

電源管理されているドメインのアクティブな CPU での psradm(1M) コマンドの使用禁止

Oracle Solaris OS ブレークの結果

制御ドメインの停止または再起動の結果

サービスプロセッサでの Logical Domains の使用

ドメインの構成をデフォルトまたは別の構成にリセットする

ドメインの依存関係の構成

ドメインの依存関係の例

依存サイクル

CPU およびメモリーアドレスのマッピングによるエラー発生箇所の確認

CPU マッピング

CPU 番号を確認する

メモリーのマッピング

実メモリーアドレスを確認する

CPU およびメモリーのマッピングの例

ユニバーサル固有識別子の使用

仮想ドメイン情報コマンドと API

A.  Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール

B.  Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant

C.  Logical Domains Manager の検出

D.  Logical Domains Manager での XML インタフェースの使用

E.  Logical Domains Manager XML スキーマ

用語集

索引

ドメインの依存関係の構成

Logical Domains Manager を使用して、ドメイン間の依存関係を確立できます。依存する 1 つ以上のドメインを持つドメインは、マスタードメインと呼ばれます。別のドメインに依存するドメインは、スレーブドメインと呼ばれます。

master プロパティーを設定することによって、各スレーブドメインに最大 4 つのマスタードメインを指定できます。たとえば、次に示すコンマで区切られたリストでは、pine スレーブドメインに 4 つのマスタードメインを指定しています。

# ldm add-domain master=apple,lemon,orange,peach pine

各マスタードメインには、マスタードメインに障害が発生した場合のスレーブドメインの動作を指定できます。たとえば、マスタードメインに障害が発生した場合、そのスレーブドメインでパニックを発生させる必要があることがあります。1 つのスレーブドメインに複数のマスタードメインが指定されている場合、最初のマスタードメインに障害が発生すると、そのすべてのスレーブドメインに対して定義済みの障害ポリシーがトリガーされます。


注 - 複数のマスタードメインに同時に障害が発生した場合、指定された障害ポリシーのうち 1 つのみが、影響を受けるすべてのスレーブドメインに対して実施されます。たとえば、障害が発生したマスタードメインに stop および panic という障害ポリシーが定義されている場合、すべてのスレーブドメインが停止するか、パニックが発生します。


マスタードメインの障害ポリシーは、failure-policy プロパティーに次のいずれかの値を設定することによって制御できます。

この例では、マスタードメインの障害ポリシーが次のように指定されています。

# ldm set-domain failure-policy=ignore apple
# ldm set-domain failure-policy=panic lemon
# ldm set-domain failure-policy=reset orange
# ldm set-domain failure-policy=stop peach

このメカニズムを使用して、ドメイン間の明示的な依存関係を作成できます。たとえば、ゲストドメインが、サービスドメインに暗黙に依存し、その仮想デバイスを提供しているとします。ゲストドメインが依存しているサービスドメインが実行されていない場合、ゲストドメインの入出力はブロックされます。ゲストドメインをサービスドメインのスレーブドメインとして定義することによって、サービスドメインが停止した場合のゲストドメインの動作を指定できます。このような依存関係が確立されていない場合、ゲストドメインはサービスドメインが使用可能になるのを待機します。


注 - Logical Domains Manager では、依存サイクルを作成するようなドメインの依存関係は作成できません。詳細は、「依存サイクル」 を参照してください。


ドメインの依存関係の XML の例については、例 D-6を参照してください。

ドメインの依存関係の例

次の例は、ドメインの依存関係を構成する方法を示します。

依存サイクル

Logical Domains Manager では、依存サイクルを作成するようなドメインの依存関係は作成できません。依存サイクルとは、スレーブドメインが自身に依存したり、マスタードメインがそのスレーブドメインのいずれかに依存したりすることになる、2 つ以上のドメイン間の関係です。

Logical Domains Manager は、依存関係を追加する前に、依存サイクルが存在するかどうかを確認します。Logical Domains Manager は、スレーブドメインから検索を開始し、マスターアレイによって指定されているすべてのパスに沿って、パスの最後に到達するまで検索を行います。途中で依存サイクルが見つかると、エラーとして報告されます。

次の例は、依存サイクルがどのように作成されるかを示します。最初のコマンドは、mohawk というスレーブドメインを作成します。このドメインは、マスタードメインに primary を指定します。その結果、mohawk は、次のような依存関係の連鎖で primary に依存します。

図 12-1 単一のドメインの依存関係

この図は、mohawk ドメインがマスタードメインである primary に依存する、ドメインの依存関係の連鎖を示しています。

2 つめのコマンドは、primary というスレーブドメインを作成します。このドメインは、マスタードメインに counter を指定します。その結果、次のような依存関係の連鎖で、mohawkprimary に依存し、primary が counter に依存します。

図 12-2 複数のドメインの依存関係

この図は、mohawk が primary に依存し、primary が counter に依存する、ドメインの依存関係の連鎖を示しています。

3 つめのコマンドは、counter ドメインと mohawk ドメインとの間に依存関係の作成を試みます。これによって、次のような依存サイクルが生成されます。

図 12-3 ドメインの依存サイクル

この図は、mohawk が primary に依存し、primary が counter に依存し、counter が mohawk に依存する、ドメインの依存サイクルを示しています。

次のエラーメッセージが表示されて ldm set-domain コマンドが失敗します。

# ldm add-domain master=primary mohawk
# ldm set-domain master=counter primary
# ldm set-domain master=mohawk counter
Dependency cycle detected: LDom "counter" indicates "primary" as its master