用途
mksched
コマンドは、バックアップ、ボールティング・スキャンまたは複製スキャンの新しいスケジュールを作成する場合に使用します。
スケジュールには0個以上のトリガーを記述します。トリガーは、スケジュール済バックアップ、ボールティング・スキャンまたは複製スキャンを実行する日(--day
)と時間(--time
)のセットをユーザー定義したものです。1日の初めに、Oracle Secure Backupは使用可能な各スケジュール内のトリガーを検査します。
既存スケジュールにおいてトリガーを追加、変更または削除する場合は、chschedコマンドを使用します。
前提条件
mksched
コマンドを使用するには、管理ドメインの構成の変更(modify administrative domain's configuration)権を備えている必要があります。
構文1
バックアップ・スケジュールを作成する場合は、次の構文を使用します。このスケジュールではバックアップの対象、時期および方法を記述します。バックアップ・スケジュールには、各データセットの名前とそれに関連付けられたメディア・ファミリを指定します。
特定の日に起動する各トリガーに対して、スケジュールにリストされているデータセットごとにバックアップ・ジョブが1つずつ作成されます。backupコマンドで作成されるオンデマンド(1回かぎりの)バックアップとは異なり、スケジューラはジョブを直接作成し、最初にバックアップ・リクエストを作成しません。
mksched::=
mksched [ --type/-Y backup ] [ --dataset/-D dataset-name[,dataset-name]... ] [ --comment/-c comment | --inputcomment/-i ] [ --priority/-p schedule-priority ] [ --restrict/-r restriction[,restriction]... ] [ --enabled/-z ] [ --disabled/-Z ] [ --encryption/-e { yes | no } ] [ [ --day/-d day-date] [ --time/-t time ] [ --level/-l backup-level][ --family/-f media-family-name ] [ --expires/-x duration] ]... schedulename ...
意味1
作成するスケジュールのタイプを指定します。有効な値は、backup
、duplicationscan
およびvaultingscan
です。
バックアップ・ジョブに含めるデータセットを指定します。
データセットがスケジュールで指定されない場合は、Oracle Secure Backupはスケジュールに基づいたバックアップを開始しません。既存のスケジュールにデータセットを追加する場合は、chschedコマンドを使用します。
スケジュールにコメントを追加します。
コメントの入力を要求します。mksched
を実行すると、コメントの入力を要求するプロンプトが表示されます。コメントを終了するには、その行にピリオド(.)を付けます。
バックアップにスケジュールの優先度を割り当てます。schedule-priority
プレースホルダの詳細は、「schedule-priority」を参照してください。
バックアップを管理ドメイン内の特定のデバイスに制限します。メディア・サーバー・ホストまたはこれらのホスト上の特定のデバイスを選択できます。制限を指定しない場合(デフォルト)、現行のスケジュールはデバイスの制限を受けず、任意のメディア・サーバー上にある使用可能な任意のデバイスを、Oracle Secure Backupスケジューリング・システムの判断で使用できます。restriction
プレースホルダの詳細は、「restriction」を参照してください。
作成時にバックアップ・スケジュールを有効にするように指定します。--enabled/-z
または--disabled/-Z
を指定しない場合、スケジュールは作成時に有効になります。
作成時にバックアップ・スケジュールを無効にするように指定します。このオプションを指定した場合、chsched
コマンドを使用して、後でバックアップ・スケジュールを有効にすることができます。
バックアップ・スケジュールまたはバックアップ・ジョブに対する暗号化フラグを指定します。有効な値は次のとおりです。
yes
これらのスケジュール済ジョブのバックアップは、グローバルまたはホスト固有の暗号化ポリシーの設定に関係なく、常に暗号化されます。
no
グローバルまたはホスト固有の暗号化ポリシーがallowed
に設定されている場合、これらのジョブに対して作成されるバックアップは暗号化されません。これがデフォルト設定です。
グローバルとホスト固有の両方の暗号化ポリシーがallowed
に設定されている場合、これらのジョブに対して作成されるバックアップは暗号化されません。
グローバル暗号化ポリシーまたはホスト固有の暗号化ポリシーのいずれかがrequired
に設定されている場合、ポリシーがこの設定に優先し、バックアップは常に暗号化されます。暗号化アルゴリズムおよびキーは各クライアント・ホストのポリシーによって決まります。
Oracle Secure Backupでスケジュール済のバックアップをトリガーする日を指定します。日または時間を指定しない場合、バックアップ・ジョブはスケジュールに基づいて実行されません。日を指定して時間を指定しない場合、時間は00:00にデフォルト設定されます。day-date
プレースホルダの詳細は、「day-date」を参照してください。
Oracle Secure Backupでスケジュール済のバックアップをトリガーする時刻を指定します。日を指定せずに時間のみを指定することはできません。time
プレースホルダの詳細は、「time」を参照してください。
バックアップ・レベルを指定します。デフォルトはfull
です。backup-level
プレースホルダの詳細は、「backup-level」を参照してください。
このスケジュール済バックアップのデータを割り当てるメディア・ファミリの名前を指定します。デフォルトはnull
メディア・ファミリです。
有効期間を指定します。duration
プレースホルダの詳細は、「duration」を参照してください。このオプションを指定すると、トリガーの時間からduration
が経過するまでに処理されていないバックアップ、ボールティング・スキャン、複製スキャンは期限切れになります。
作成するスケジュールの名前を指定します。スケジュール名は大/小文字が区別され、英数字で始める必要があります。使用できるのは文字、数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオドのみです(空白は不可)。最大127文字までです。
構文2
ボールティング・スケジュールを作成する場合は、次の構文を使用します。このスケジュールでは、ボリューム・カタログをスキャンしてボールティングの対象となるボリュームを判別する時期を記述します。ボールティング・スケジュールでは、--type
オプションがvaultingscan
に設定されています。ボールティング・スキャン制御ジョブ・タイプは、スケジュールに指定された時間にOracle Secure Backupのメディア・マネージャ・コンポーネントによる処理のためにキューに入れられます。
スキャンは場所ごとに行われます。スケジュールされたボールティング・ジョブは、指定されたボールティング・ウィンドウ内で、リソースが使用可能なときに実行されます。
mksched::=
mksched [ --type/-Y vaultingscan ] [ --comment/-c comment|--inputcomment/-i ] [ --priority/-p schedule-priority ] [ --restrict/-r vault_restriction[,vault_restriction]... ] [ --location/-L location_name[,location_name]... ] [ --enabled/-z ] [ --disabled/-Z ] [ --select/-S select_criterion[,select_criterion]... ] [ [ --day/-d day-date ] [ --time/-t time ][ --expires/-x duration ] ]... schedulename...
意味2
作成するスケジュールのタイプを指定します。有効な値は、backup
、duplicationscan
およびvaultingscan
です。
スケジュールにコメントを追加します。
コメントの入力を要求します。mksched
を実行すると、コメントの入力を要求するプロンプトが表示されます。コメントを終了するには、その行にピリオド(.)を付けます。
ボールティング・スキャンにスケジュールの優先度を割り当てます。schedule-priority
プレースホルダの詳細は、「schedule-priority」を参照してください。
ボールティング・スキャンを1つまたは複数の場所に制限します。場所は、次のどの書式でも設定できます。
location_name
@cap_name
location_name
は、移動に適したボリュームのスキャン・ジョブの間にスキャンされる場所です。カートリッジ・アクセス・ポート(CAP)の名前は、場所がACSLSライブラリである場合にのみ指定することができます。
location_name
location_name
がACSLSライブラリで、CAP名が指定されている場合、Oracle Secure Backupは利用可能な最大CAPを選択します。
@cap_name
場所名が指定されていない場合、指定したCAPの場所がスキャンされます。この書式は、ACSLSライブラリにのみ適用されます。
ライブラリの取出しタイプが自動またはオンデマンドに設定されている場合、メディア移動ジョブの間、指定したCAPにボリュームがエクスポートされます。
ボールティング・スキャン・スケジュールに適用する、1つまたは複数の場所を指定します。場所を指定しない場合、スケジュールはすべての場所に適用されます。
注意: --location オプションは、このリリースのボールティング・スキャン・スケジュールについては非推奨ですが、下位互換性のためにサポートされています。--restrict オプションを使用してボールティング・スキャンを特定の場所に制限することをお薦めします。 |
作成時にボールティング・スキャン・スケジュールを有効にするように指定します。--enabled/-z
または--disabled/-Z
を指定しない場合、スケジュールはデフォルトで作成時に有効になります。
作成時にボールティング・スキャン・スケジュールを無効にするように指定します。このオプションを指定した場合、chsched
コマンドを使用して、後でバックアップ・スケジュールを有効にすることができます。
ボールティング・スキャンを1つまたは複数のメディア・ファミリに制限します。
Oracle Secure Backupでスケジュール済のボールティング・スキャンをトリガーする日を指定します。日または時間を指定しない場合、ボールティング・スキャン・ジョブはスケジュールに基づいて実行されません。日を指定して時間を指定しない場合、時間は00:00にデフォルト設定されます。day-date
プレースホルダの詳細は、「day-date」を参照してください。
Oracle Secure Backupでスケジュール済のボールティング・スキャンをトリガーする時刻を指定します。日を指定せずに時間のみを指定することはできません。time
プレースホルダの詳細は、「time」を参照してください。
有効期間を指定します。このオプションを指定すると、トリガーの時間からduration
が経過するまでに処理されていないボールティング・スキャンは期限切れになります。
duration
プレースホルダの詳細は、「duration」を参照してください。
作成するスケジュールの名前を指定します。スケジュール名は大/小文字が区別され、英数字で始める必要があります。使用できるのは文字、数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオドのみです(空白は不可)。最大127文字までです。
構文3
ボールティング・スケジュールを作成する場合は、次の構文を使用します。このスケジュールでは、ボリューム・カタログをスキャンしてボールティングの対象となるボリュームを判別する時期を記述します。複製スケジュールでは、--type
オプションがduplicationscan
に設定されています。複製スキャン制御ジョブ・タイプは、スケジュールに指定された時間にOracle Secure Backupのメディア・マネージャ・コンポーネントによる処理のためにキューに入れられます。
スキャンは場所ごとに行われます。スケジュールされた複製ジョブは、指定された複製ウィンドウ内で、リソースが使用可能なときに実行されます。
mksched::=
mksched [ --type/-Y duplicationscan ] [ --comment/-c comment | --inputcomment/-i ] [ --priority/-p schedule-priority ] [ --enabled/-z ] [ --disabled/-Z ] [ --location/-L locationname[,locationname]... ] [ [ --day/-d day-date ] [ --time/-t time ] [ --expires/-x duration ] ]... schedulename...
意味3
作成するスケジュールのタイプを指定します。有効な値は、backup
、duplicationscan
およびvaultingscan
です。
スケジュールにコメントを追加します。
コメントの入力を要求します。mksched
を実行すると、コメントの入力を要求するプロンプトが表示されます。コメントを終了するには、その行にピリオド(.)を付けます。
複製スキャンにスケジュールの優先度を割り当てます。schedule-priority
プレースホルダの詳細は、「schedule-priority」を参照してください。
Oracle Secure Backupでスケジュール済の複製スキャンをトリガーする日を指定します。日または時間を指定しない場合、複製スキャン・ジョブはスケジュールに基づいて実行されません。日を指定して時間を指定しない場合、時間は00:00にデフォルト設定されます。day-date
プレースホルダの詳細は、「day-date」を参照してください。
Oracle Secure Backupでスケジュール済の複製スキャンをトリガーする時刻を指定します。日を指定せずに時間のみを指定することはできません。time
プレースホルダの詳細は、「time」を参照してください。
有効期間を指定します。duration
プレースホルダの詳細は、「duration」を参照してください。このオプションを指定すると、トリガーの時間からduration
が経過するまでに処理されていない複製スキャンは期限切れになります。
作成時に複製スキャン・スケジュールを有効にするように指定します。--enabled/-z
または--disabled/-Z
を指定しない場合、スケジュールはデフォルトで作成時に有効になります。
作成時に複製スキャン・スケジュールを無効にするように指定します。このオプションを指定した場合、chsched
コマンドを使用して、後でバックアップ・スケジュールを有効にすることができます。
複製スケジュールに適用する、1つまたは複数の場所を指定します。複製スケジュールには、アクティブな場所のみを指定できます。場所を指定しない場合、スケジュールはすべての場所に適用されます。
作成するスケジュールの名前を指定します。スケジュール名は大/小文字が区別され、英数字で始める必要があります。使用できるのは文字、数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオドのみです(空白は不可)。最大127文字までです。
例
例2-90 週次バックアップのスケジューリング
この例では、毎週木曜日の午後9時にバックアップの実行をスケジュールします。
ob> lssched --long OSB-CATALOG-SCHED: Type: backup Dataset: OSB-CATALOG-DS Priority: 50 Encryption: no Comment: catalog backup schedule ob> mksched --priority 5 --dataset datadir.ds --day thursday --time 21:00 datadir ob> lssched --long OSB-CATALOG-SCHED: Type: backup Dataset: OSB-CATALOG-DS Priority: 50 Encryption: no Comment: catalog backup schedule datadir: Type: backup Dataset: datadir.ds Priority: 5 Encryption: no Trigger 1: Day/date: thursdays At: 21:00 Backup level: full Media family: (null) ob> lsjob --pending Job ID Sched time Contents State ---------------- ----------- ------------------------------ ---------------------- 3 10/06.21:00 dataset datadir.ds future work