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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle RAC 用サポート のインストール

2.  Oracle ファイル用ストレージの構成

3.  リソースグループの登録と構成

4.  クラスタでの Oracle RAC の実行

Oracle RAC をクラスタで実行できるようにするための作業の概要

Oracle RAC ソフトウェアのインストール

共有ファイルシステム上のバイナリファイルと構成ファイルのインストール

Oracle 10g または 11g Oracle Clusterware のネットワークデフォルト設定の上書き

Oracle Solaris Cluster ノードのサブセットへの Oracle Clusterware のインストール

次のステップ

共有ファイルシステム用のノード固有のファイルとディレクトリの作成

共有ファイルシステム用のノード固有のディレクトリを作成する

共有ファイルシステム用のノード固有のファイルを作成する

Oracle RAC のインストールの確認

Oracle 10g または 11g RAC のインストールを確認する

Oracle 9i RAC のインストールを確認する

Oracle ASM インスタンスおよびディスクグループの作成

Oracle ASM インスタンスおよびディスクグループを作成する

Oracle データベースの作成

Oracle 10g または 11g で共有ファイルシステム上のデータファイルの場所を指定する

Oracle 9i で共有ファイルシステム上のデータファイルの場所を指定する

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースを登録および構成するためのツール

Oracle Solaris Cluster および Oracle 10g Release 2 または 11g Oracle Clusterware の相互運用を実現する

Oracle 9i RAC データベースインスタンスの起動と停止を自動化する

Oracle RAC 用サポート のインストールおよび構成の確認

RAC フレームワークリソースグループの構成を確認する

複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの構成を確認する

Oracle ファイル用のストレージリソースの構成を確認する

Oracle 10g Release 2 または 11g RAC データベースインスタンスのリソースの構成を確認する

Oracle 9i RAC データベースインスタンスのリソースの構成を確認する

クラスタの停止および起動のための適切な動作を確認する

5.  Oracle RAC 用サポート の管理

6.  Oracle RAC 用サポート のトラブルシューティング

7.  Oracle RAC 用サポート の既存の構成の変更

8.  Oracle RAC 用サポート のアップグレード

A.  このデータサービスの構成例

B.  DBMS エラーおよび記録された警告用の事前設定アクション

C.  Oracle RAC 用サポート 拡張プロパティー

D.  コマンド行のオプション

索引

共有ファイルシステム用のノード固有のファイルとディレクトリの作成

Oracle ソフトウェアが共有ファイルシステムにインストールされている場合、ORACLE_HOME 環境変数が指定するディレクトリ内のすべてのファイルに、すべてのクラスタノードからアクセスできます。 しかし、一部の Oracle ファイルおよびディレクトリでは、ノード固有の情報を維持する必要があります。

Oracle ソフトウェアを共有ファイルシステムにインストールする場合、ノード固有の情報を維持する必要があるファイルおよびディレクトリのローカルコピーを作成する必要があります。 これらのファイルおよびディレクトリにすべてのクラスタノードからアクセスできるようにするには、ノードに対してローカルであるファイルシステム上のファイルまたはディレクトリがターゲットであるシンボリックリンクを使用します。 そのようなファイルシステムは、共有ファイルシステムの一部ではありません。

この目的でシンボリックリンクを使用するには、ローカルファイルシステム上の領域を割り当てる必要があります。 この領域内のファイルへのシンボリックリンクを Oracle アプリケーションで作成できるようにするには、Oracle アプリケーションがこの領域内のファイルにアクセスできる必要があります。 シンボリックリンクは共有ファイルシステム上に存在するため、これらのリンクへのすべてのノードからのすべての参照は同じです。 したがって、すべてのノードは、ローカルファイルシステム上の領域に対する同じ名前空間を保持している必要があります。

管理者は、ゾーンクラスタがファイルシステムを使用するときでも、グローバルクラスタ投票ノード上にファイルシステムを作成します。 管理者は、zonecfg コマンドを使用して、ノード固有のファイルシステムをゾーンクラスタノード内に構成します。

ここでは、次の手順について説明します。

共有ファイルシステム用のノード固有のディレクトリを作成する

この手順は、ノード固有の情報を維持するディレクトリごとに実行します。 ノード固有の情報を維持するには、通常は次のディレクトリが必要です。

ノード固有の情報を維持するために必要な他のディレクトリについては、Oracle のドキュメントを参照してください。

  1. 各クラスタノードで、ノード固有の情報を維持するローカルディレクトリを作成します。

    作成するローカルディレクトリ構造が、ノード固有の情報を含む大域ディレクトリ構造と一致することを確認します。 たとえば、大域ディレクトリ /global/oracle/network/agent に、ローカルの /local ディレクトリの下に格納する必要があるノード固有の情報が含まれている場合があります。 その場合は、/local/oracle/network/agent という名前のディレクトリを作成します。

    # mkdir -p local-dir
    -p

    存在しないすべての親ディレクトリを最初に作成することを指定します。

    local-dir

    作成するディレクトリのフルパス名を指定します。

  2. 各クラスタノードで、ノード固有の情報を維持する大域ディレクトリのローカルコピーを作成します。

    ノード固有の情報のローカルコピーが、手順 1 で作成したローカルディレクトリに含まれることを確認します。

    # cp -pr global-dir local-dir-parent
    -p

    所有者、グループ、アクセス権モード、修正時刻、アクセス時刻、およびアクセス制御リストを維持することを指定します。

    -r

    ディレクトリとそのすべてのファイル (サブディレクトリとそのファイルを含む) をコピーすることを指定します。

    global-dir

    コピーする大域ディレクトリのフルパスを指定します。 このディレクトリは、共有ファイルシステム上の、ORACLE_HOME 環境変数が指定するディレクトリに存在します。

    local-dir-parent

    ローカルコピーを含むローカルノード上のディレクトリを指定します。 このディレクトリは、手順 1 で作成したディレクトリの親ディレクトリです。

  3. 手順 2 でコピーした大域ディレクトリを、大域ディレクトリのローカルコピーへのシンボリックリンクで置き換えます。
    1. 任意のクラスタノードから、手順 2 でコピーした大域ディレクトリを削除します。
      # rm -r global-dir
      -r

      ディレクトリとそのすべてのファイル (サブディレクトリとそのファイルを含む) を削除することを指定します。

      global-dir

      削除する大域ディレクトリのファイル名とフルパスを指定します。 このディレクトリは、手順 2 でコピーした大域ディレクトリです。

    2. 任意のクラスタノードから、ディレクトリのローカルコピーから 手順 a で削除した大域ディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。
      # ln -s local-dir global-dir
      -s

      リンクがシンボリックリンクであることを指定します。

      local-dir

      手順 1 で作成したローカルディレクトリがリンクのソースであることを指定します。

      global-dir

      手順 a で削除した大域ディレクトリがリンクのターゲットであることを指定します。

例 4-1 ノード固有のディレクトリの作成

この例では、2 ノードクラスタ上にノード固有のディレクトリを作成するために必要な一連の操作を示します。 このクラスタは次のように構成されています。

次の操作は、各ノードで実行します。

  1. 必要なディレクトリをローカルファイルシステム上に作成するために、次のコマンドを実行します。

    # mkdir -p /local/oracle/network/agent
    # mkdir -p /local/oracle/network/log
    # mkdir -p /local/oracle/network/trace
    # mkdir -p /local/oracle/srvm/log
    # mkdir -p /local/oracle/apache
  2. ノード固有の情報を維持する大域ディレクトリのローカルコピーを作成するために、次のコマンドを実行します。

    # cp -pr $ORACLE_HOME/network/agent /local/oracle/network/.
    # cp -pr $ORACLE_HOME/network/log /local/oracle/network/.
    # cp -pr $ORACLE_HOME/network/trace /local/oracle/network/.
    # cp -pr $ORACLE_HOME/srvm/log /local/oracle/srvm/.
    # cp -pr $ORACLE_HOME/apache /local/oracle/.

次の操作は、1 つのノードのみで実行します。

  1. 大域ディレクトリを削除するために、次のコマンドを実行します。

    # rm -r $ORACLE_HOME/network/agent
    # rm -r $ORACLE_HOME/network/log
    # rm -r $ORACLE_HOME/network/trace
    # rm -r $ORACLE_HOME/srvm/log
    # rm -r $ORACLE_HOME/apache
  2. ローカルディレクトリから対応する大域ディレクトリへのシンボリックリンクを作成するために、次のコマンドを実行します。

    # ln -s /local/oracle/network/agent $ORACLE_HOME/network/agent 
    # ln -s /local/oracle/network/log $ORACLE_HOME/network/log
    # ln -s /local/oracle/network/trace $ORACLE_HOME/network/trace
    # ln -s /local/oracle/srvm/log $ORACLE_HOME/srvm/log
    # ln -s /local/oracle/apache $ORACLE_HOME/apache

共有ファイルシステム用のノード固有のファイルを作成する

この手順は、ノード固有の情報を維持するファイルごとに実行します。 ノード固有の情報を維持するには、通常は次のファイルが必要です。

ノード固有の情報を維持するために必要な他のファイルについては、Oracle のドキュメントを参照してください。

  1. 各クラスタノードで、ノード固有の情報を維持するファイルを含むローカルディレクトリを作成します。
    # mkdir -p local-dir
    -p

    存在しないすべての親ディレクトリを最初に作成することを指定します。

    local-dir

    作成するディレクトリのフルパス名を指定します。

  2. 各クラスタノードで、ノード固有の情報を維持するグローバルファイルのローカルコピーを作成します。
    # cp -p global-file local-dir
    -p

    所有者、グループ、アクセス権モード、修正時刻、アクセス時刻、およびアクセス制御リストを維持することを指定します。

    global-file

    コピーするグローバルファイルのファイル名とフルパスを指定します。 このファイルは、共有ファイルシステム上の ORACLE_HOME 環境変数が指定するディレクトリにインストールされています。

    local-dir

    ファイルのローカルコピーを含むディレクトリを指定します。 このディレクトリは、手順 1 で作成したディレクトリです。

  3. 手順 2 でコピーしたグローバルファイルを、このファイルのローカルコピーへのシンボリックリンクで置き換えます。
    1. 任意のクラスタノードから、手順 2 でコピーしたグローバルファイルを削除します。
      # rm global-file
      global-file

      削除するグローバルファイルのファイル名とフルパスを指定します。 このファイルは、手順 2 でコピーしたグローバルファイルです。

    2. 任意のクラスタノードから、ファイルのローカルコピーから 手順 a で削除したグローバルファイルへのシンボリックリンクを作成します。
      # ln -s local-file global-file
      -s

      リンクがシンボリックリンクであることを指定します。

      local-file

      手順 2 でコピーしたファイルがリンクのソースであることを指定します。

      global-file

      手順 a で削除したグローバルバージョンのファイルがリンクのターゲットであることを指定します。

例 4-2 ノード固有のファイルの作成

この例では、2 ノードクラスタ上にノード固有のファイルを作成するために必要な一連の操作を示します。 このクラスタは次のように構成されています。

次の操作は、各ノードで実行します。

  1. ノード固有の情報を維持するファイルを含むローカルディレクトリを作成するために、次のコマンドを実行します。

    # mkdir -p /local/oracle/network/admin
  2. ノード固有の情報を維持するグローバルファイルのローカルコピーを作成するために、次のコマンドを実行します。

    # cp -p $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_ro.ora \
      /local/oracle/network/admin/.
    # cp -p $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora \
      /local/oracle/network/admin/.

次の操作は、1 つのノードのみで実行します。

  1. グローバルファイルを削除するために、次のコマンドを実行します。

    # rm $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_ro.ora
    # rm $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
  2. ファイルのローカルコピーから対応するグローバルファイルへのシンボリックリンクを作成するために、次のコマンドを実行します。

    # ln -s /local/oracle/network/admin/snmp_ro.ora \
      $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
    # ln -s /local/oracle/network/admin/snmp_rw.ora \
      $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
次の手順

「Oracle RAC のインストールの確認」 に進みます。