Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド 11gリリース1(11.1.1) B61376-01 |
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この章では、PL/SQLデータ型REFカーソルを含むレポートについて説明します。この章の手順に従うと、図41-1に示すレポート出力を生成できます。
概要
REFカーソルは、問合せの中でデータをフェッチするために使用するPL/SQLデータ型です。各REFカーソル問合せは、強く型付けされたREFカーソルを返すPL/SQLファンクションに関連付けられています。PL/SQLファンクションでは、REFカーソルがオープンされ、REFカーソル型と一致するSELECT
リストが含まれたSELECT
文と関連付けられている必要があります。次のことを行うときに問合せの基準としてREFカーソルを使用します。
より簡単なSQLの管理
レポート内での文字パラメータの使用の回避
他のアプリケーションとのデータ・ソースの共有
制御とセキュリティの向上
サブプログラム内のロジックのカプセル化
REFカーソルの実装にストアド・プログラム・ユニットを使用する場合は、Oracleデータベースにそのプログラム・ユニットを同時に格納できるという利点があります。
Reports Builderでは、REFカーソルを使用して問合せを容易に管理できます。たとえば、作成した多数の問合せをレポートで再利用する場合は、レポート・データ・モデル内でREFカーソルを使用することで、それらの問合せにアクセスできます。
図41-2には、レポートのREFカーソル問合せ
にSELECT
文を使用するレポートを作成する様子が示されています。また、データベース内のパッケージにSELECT
文を格納できることも示されています。データベースのパッケージはレポートからコールできるので、多数のレポートでパッケージを再使用できます。
使用例
この例では、REFカーソルを使用して各部門における従業員とその職務上の地位に関する情報を表示する詳細なペーパー・レポートを作成する方法について説明します。データ・モデル・ビューを使用して複数問合せデータ・モデルを作成した後に、レポート・ウィザードを使用してレポート・レイアウトを作成します。データ・モデル・ビューで、詳細な調整を手動で行います。
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
REFカーソル
を定義するパッケージ仕様部を作成することによるREFカーソル型の定義。
REFカーソル
を使用するREFカーソル問合せの作成。
意味のある名前になるようにオブジェクトの名前を変更することによるデータ・モデルの調整。
REFカーソル問合せ間のリレーションシップを作成するためのREFカーソル問合せ間のリンクの作成。
データを詳細に説明するサマリー列の追加。
レポート・ウィザードを使用したレイアウトの作成。
REFカーソル
型を定義するパッケージへのSELECT文の移動。
他のレポートがコードを共有できるようにするための、ライブラリへのパッケージの移動。
REFカーソルを使用したサンプル・レポートを表示するには、サンプル・フォルダrefcursor
を開き、ref_emp68.rdf
を開きます。このファイルの開き方の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。この章で使用されているサンプル・ファイルのリストと説明を表41-1に示します。