Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド リリース11g (11.1.1) 部品番号 B63038-01 | 目次 | 前 | 次 |
Oracle Business Intelligence Publisherは、レポートを作成し公開するためのアプリケーションです。このアプリケーションでは、複数のデータソースからデータを抽出し、レポート・データのレイアウトを作成し、多数の出力形式でレポートを公開できます。また、BI Publisherを使用すると、レポートをスケジュールして、ビジネスに必要な複数の配信チャネルにレポートを配信することもできます。
Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイドには、レポート・レイアウトを作成する方法およびレポートのコンポーネントを組み立てるためにBI Publisherのレポート・エディタを使用する方法が説明されています。製品を他のビジネス・ロールに使用する際の詳細は、これらの他のガイドを参照してください。
ロール | タスクの例 | ガイド |
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データ・モデル開発者 | レポートで使用するデータをフェッチして構造化 | Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイド |
管理者 | セキュリティの構成 システム設定の構成 システム・プロセスの診断と監視 | Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイド |
アプリケーション開発者またはインテグレータ | アプリケーション・プログラミング・インタフェースを使用して、既存のアプリケーションにBI Publisherを統合 | Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher開発者ガイド |
レポート利用者 | レポートの表示 レポート・ジョブのスケジュール レポート・ジョブの管理 | Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイド |
レポートは、データ・モデル、レイアウト、および1組のプロパティから構成されています。オプションとして、レポートは、スタイル・テンプレートおよび1組の変換を含むことができます。レポート設計者によって、次のタスクが実行されます。
レポートのレイアウトを設計します。レイアウトは、様々なツールを使用して作成できます。特定のレポートの出力と設計の要件によって、最適なレイアウト設計ツールが決定されます。オプションには、Webベースのレイアウト設計ツールであり、対話型の出力を実現するレイアウト・エディタ、Microsoft Word、Adobe Acrobat、Microsoft ExcelおよびAdobe Flexbuilderが含まれています。
レポートのランタイム構成プロパティを設定する作業
エンタープライズにおいて一貫性のあるレポートのルック・アンド・フィールを強化するために、スタイル・テンプレートを設計します。
複数のテンプレートで共通する機能を再使用するために、サブ・テンプレートを作成します。
レポートの翻訳を有効化する作業
BI Publisherには、レポートのレイアウトを設計するために複数のオプションが用意されています。次の形式がサポートされています。レイアウト・タイプによって、サポートされる出力ドキュメントのタイプが決定されます。
BI Publisherレイアウト(XPT)
BI Publisherのレイアウト・エディタは、レイアウトを作成するためのWebベースの設計ツールです。レイアウト・エディタで作成したレイアウトは、対話型の表示と、RTFレイアウトによってサポートされる出力タイプの全領域をサポートしています。
リッチ・テキスト・フォーマット(RTF)
BI Publisherでは、Microsoft Word用にプラグイン・ユーティリティが提供されます。これによってレイアウト設計が自動化され、BI Publisherに接続してデータにアクセスし、Microsoft Wordセッションからテンプレートを直接アップロードできます。また、RTF形式では、最も柔軟性があり強力なレイアウト・オプションを提供する高度な書式設定コマンドがサポートされています。RTFテンプレートでは、PDF、HTML、RTF、Excel、PowerPoint、圧縮済PDF、MHTMLなど、様々な出力タイプがサポートされています。
Portable Document Format(PDF)
PDFテンプレートは、主に事前定義されたフォームをレポートのレイアウトとして使用する必要があるときに使用されます(政府関係機関によって提供されるフォームなど)。多くのPDFフォームには、すでにフォーム・フィールドが含まれているため、PDFフォームをテンプレートとして使用するには、データ要素をフォームに存在するフィールドにマップするだけです。また、Adobe Acrobat Professionalを使用して、自分のPDFテンプレートを設計することもできます。PDFテンプレートは、PDF出力のみをサポートしています。
Microsoft Excel (XLS)
Excelテンプレートを使うと、データをマップし、Excelワークブックに計算および書式設定ロジックを定義できます。Excelテンプレートでは、Microsoft Excel(.xls)出力のみがサポートされています。
Excelでレポート・データを表示するだけの場合は、BI Publisherのアナライザを使用してMicrosoft Excelでレポート・データをExcelワークシートにダウンロードすることもできます。Excelでデータのレイアウトを作成し、スプレッドシートをBI Publisherにアップロードしてレポート・レイアウトとして保存します。
XSLスタイルシート
レイアウトは、XSL書式設定言語で直接定義することもできます。レイアウトがFO、HTML、XML、またはText変換のいずれなのかを指定します。
eText
これは、Electronic Data Interchange(EDI)トランザクションやElectronic Funds Transfer(EFT)トランザクションのテキスト出力を作成するために特化して使用するRTFテンプレートです。
Flash
BI PublisherではFlashレイアウトがサポートされており、Adobe Flexテンプレートを開発してBI Publisherのレポートに適用し、対話型のFlash出力ドキュメントを生成することができます。
BI Publisherには、簡単にアクセスできる「ランタイム構成」ページから指定する、様々なユーザー制御の設定が用意されています。これには、PDFレポートごとのセキュリティ設定、HTML出力の表示設定、フォント・マッピング、通貨の書式設定、他の出力固有の設定などがあります。詳細は、「レポート処理および出力文書のプロパティの設定」を参照してください。また、これらの設定は、システム・レベルで構成されますが、レポートごとにカスタマイズできます。
BI Publisherでは、RTFテンプレートからXLIFFファイルを作成する機能が提供されます。XLIFFとは、XML Localization Interchange File Formatのことです。これはローカライゼーション・プロバイダによって使用される標準的なフォーマットです。BI PublisherのXLIFF生成ツールを使用すると、RTFテンプレートの標準的な翻訳ファイルを生成できます。次に、このファイルを翻訳(または変換プロバイダに送信)できます。一旦、翻訳されたならば、ファイルは、適切なロケール設定でレポート定義にアップロードして、実行時に翻訳されたレポートが、対応するロケールを選択するユーザーのために自動的に実行されるようにできます。詳細は、「レポートとカタログ・オブジェクトの翻訳」を参照してください。
スタイル・テンプレートは、レイアウト・テンプレートに適用できるスタイル情報を含むRTFテンプレートです。エンタープライズ・レポート全体で一貫性のあるルック・アンド・フィールを達成するために、スタイル・テンプレートのスタイル情報は、実行時にレポート・レイアウト・テンプレートに適用されます。
詳細は、「スタイル・テンプレートの作成および実装」を参照してください。
サブ・テンプレートは1つのレイアウト・テンプレート内、または複数のレイアウト・テンプレート・ファイルで、一度定義すると複数回使用できる書式設定機能です。この書式設定は、RTFファイル形式でもXSLファイル形式でもかまいません。Microsoft Wordの従来の機能を使用できるため、RTFサブ・テンプレートは設計が簡単です。XSLサブ・テンプレートは、複雑なレイアウトとデータ要件に使用できます。
詳細は、「サブ・テンプレートの作成および実装」を参照してください。
この項では、Oracle Business Intelligence Publisher 11g リリース1 (11.1.1)の新機能について説明します。以前のリリースからアップグレードする場合は、新機能、ツールおよび手順の詳細について、次を読んでください。
この項の項目は次のとおりです。
Oracle BI Publisher 11g リリース1 (11.1.1.5)の新機能
Oracle BI Publisher 11g リリース1 (11.1.1.3)の新機能
Oracle BI Publisher 11g リリース1 (11.1.1.5)の新機能には、次が含まれています。
Excelテンプレートとは、エンタープライズ・データをExcelで取得するためにMicrosoft Excelで設計するレポート・レイアウトのことです。Excelテンプレートでは、データの表示を制御し、特定の書式設定命令を提供するために特殊な機能が提供されます。Excelテンプレートでは、次の機能がサポートされています。
データの構造をExcel出力で定義します。
複数のシートで階層データを分離し、シートに動的に名前を付けます。
マスター/ディテール関係を持つデータのシートを作成します。
データでネイティブのXSL機能を使用して表示前に操作します。
Excelのネイティブ機能を使用します。
詳細は、「Excelテンプレートの作成」を参照してください。
BI Publisherでは、Excelにダウンロード可能なアドインが提供されます。これによって、サンプル・データを使ってExcelテンプレートをプレビューできます。これにより、BI Publisherカタログに最初にアップロードすることなく、テンプレートをテストおよび編集できるため設計が促進されます。Template Builder for Wordをインストールすると、Template Builder for Excelが自動的にインストールされます。ツールは、次のように、Oracle Business Intelligence PublisherまたはOracle Business Intelligence Enterprise Editionのホーム・ページからダウンロードできます。
「はじめに」リージョンで、「BI Publisherツールのダウンロード」をクリックします。
詳細は、「Excelテンプレートの作成」を参照してください。
リスト・コンポーネントでは、垂直または水平のリストにデータ要素のすべての値が表示されます。対話型モードで表示するときは、リストのアイテムをクリックすると、レポートのリンクされたコンポーネントに表示される結果が更新されます。リストによって、レポート利用者は、リスト・エントリをクリックすることでリストの各アイテムの結果をすばやく見ることができます。詳細は、「リストについて」を参照してください。
BI Publisherレイアウト・エディタの式ダイアログの設計は、ユーザビリティを改善するために変更されました。詳細は、「事前定義済またはカスタムの式の設定」を参照してください。
Oracle BI Publisher 11g リリース1 (11.1.1.3)の新機能には、次が含まれています。
新しいホーム・ページや再設計されたエディタやペインなど、ユーザー・インタフェースがいくつかの点で大幅に改良されました。これらの改良は、Oracle BI Publisherでの操作をより容易にし、一貫性を高めるためのものです。このガイドには、様々なユーザー・インタフェースの操作の詳細が含まれています。
Oracle BI Enterprise EditionでのBI Publisherのインストールについて、BI Publisherでは、Oracle BIプレゼンテーション・サービスと同じカタログを共有しています。
このリリースでは、新しいタイプのレイアウト・テンプレートおよび設計ツールを導入しています。レイアウト・エディタは、BI Publisher内から起動され、レポート・レイアウトを設計するために直観的なWYSIWIGのドラッグ・アンド・ドロップ・インタフェースを提供します。
新しいBI Publisherレイアウト・エディタで作成されたレポートでは、新しい対話型の出力タイプを利用できます。対話型ビューアを使うと、レポートの異なるコンポーネントで、ポップ・アップ・チャートの詳細、スクロール可能な表、表のフィルタリング、表のソート、および伝播されたフィルタリングを利用できます。この対話型操作は、レイアウト・エディタでレポートを設計するだけで実現し、追加的なコーディングは必要ありません。
以前は、サブ・テンプレートはBI Publisherカタログ外に格納し、外部ディレクトリから実行時にコールする必要がありました。このリリースでは、RTFとXSLのサブ・テンプレートは、BI Publisherカタログのオブジェクトとして保存して管理できます。
スタイル・テンプレートは、RTFレイアウトに適用できるスタイル情報を含むRTFテンプレートです。スタイル・テンプレートのスタイル情報は、実行時にRTFレイアウトに適用され、エンタープライズ・レポート全体で一貫性のあるルック・アンド・フィールを実現します。スタイル・テンプレートは、BI Publisherカタログに保存されて管理されます。
このリリースでは、大きなPDF出力ファイルを小さくて管理しやすいファイルへと分割しながら、1つの論理単位としてレポートの完全性を維持する機能を導入しています。レポートに対してPDF出力の分割を有効にすると、レポートは1つのzipファイルに生成される複数のファイルへと分割されます。出力タイプはPDFZです。コンポーネント・ファイルへのアクセスを容易に行うために、BI Publisherは、各コンポーネントPDFファイルに含まれている要素を指定する索引ファイルを生成します。
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