ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B65039-01
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

2 Oracle Enterprise Content Management Suiteのスキーマの作成

この章では、Oracle Enterprise Content Management Suiteアプリケーションのデータベース・スキーマを作成するためにリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用する方法について、次のトピックで説明します。

2.1 リポジトリ作成ユーティリティの実行およびスキーマのロードの準備

Oracle Enterprise Content Management Suiteでは、アプリケーションの構成前に、アプリケーションのスキーマがデータベースに存在する必要があります。データベースにスキーマを作成するには、RCUを実行する必要があります。

RCUを実行し、アプリケーションのスキーマをロードする前に、システムがRCUおよびアプリケーションの前提条件を満たしていることを確認します。

2.1.1 データベースに関する前提条件

Oracle Enterprise Content Management Suiteのインストールには、サポートされているデータベースの可用性が必要です。このデータベースは稼働中である必要がありますが、製品をインストールするシステムと同じシステム上にある必要はありません。また、データベースには、Oracle Enterprise Content Management Suite製品に必要なスキーマの作成に使用するRCUとの互換性も必要です。

サポートされているデータベースの詳細は、次のOracle Technology NetworkのOracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成のページにある、製品のシステム要件とサポート対象プラットフォームに関するドキュメントを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html

データベースをインストールしたら、次のOracle Technology Networkのシステム要件と仕様に関するドキュメントのリポジトリ作成ユーティリティの要件に関する項を参照して、データベースが正しく構成されていることを確認します。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_requirements.htm

2.1.2 LinuxおよびWindowsオペレーティング・システム用のRCU

RCUはLinuxまたはWindowsオペレーティング・システムでのみ使用可能です。LinuxまたはWindowsオペレーティング・システムから、RCUを使用して、任意のオペレーティング・システムにインストールされた、サポート対象のデータベースにスキーマを作成できます。

2.2 Oracle Enterprise Content Management Suiteのスキーマの作成

Oracle Enterprise Content Management Suiteでは、アプリケーションの構成前に、アプリケーションのスキーマがデータベースに存在する必要があります。データベースにアプリケーションのスキーマを作成するには、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行する必要があります。スキーマを作成する手順は、次のとおりです。

Oracle Enterprise Content Management Suiteのスキーマを作成するには、次の手順を実行します。

  1. DVDを挿入するか、リポジトリ作成ユーティリティを含むZIPを解凍し、bin/rcuまたはBIN\rcu.batファイルでRCUを起動します。

    • UNIXパス: RCU_HOME/bin/rcu

    • Windowsパス: RCU_HOME\BIN\rcu.bat

    リポジトリ作成ユーティリティを含むZIPファイルは、次のいずれかのWebサイトからダウンロードできます。


    注意:

    Windowsオペレーティング・システムでは、名前に空白が含まれるディレクトリにRCU ZIPファイルを解凍しないでください。

    ZIPファイルをダウンロードした後、選択したディレクトリにコンテンツを抽出し、前述のようにRCUを実行します。

  2. 「ようこそ」画面

    「次へ」をクリックします。

  3. 「リポジトリの作成」画面

    作成」を選択します。

    「次へ」をクリックします。

  4. 「データベース接続の詳細」画面

    データベース・タイプ: Oracle DatabaseMicrosoft SQL ServerまたはIBM DB2を選択します。

    デフォルトはOracle Databaseです。

    Oracle UCMでSQL Serverを使用する前に、データベースでスナップショット分離をオンにする必要があります。Oracle Imaging and Process Management (Oracle I/PM)およびOracle SOA Suiteのバックエンド・データベースにSQL Serverを使用する場合は、データベースにメタデータ・サービス(MDS)リポジトリを構成し、「コンポーネントの選択」画面でMDSスキーマを作成することも必要です(ステップ5)。

    Oracle UCMおよびMDSリポジトリの、事前に必要な構成は次のとおりです。

    1. DBA権限を持ち、データベースに複数ログインを持たないユーザー名を使用して、データベースにログインします。

      DBAの複数ログインを行うと、ロック・エラーが発生します。

    2. 次のコマンドを使用して、ALLOW_SNAPSHOT_ISOLATIONオプションをオンにするようにデータベースを変更します。

      ALTER DATABASE dbname SET ALLOW_SNAPSHOT_ISOLATION ON
      
    3. 次のコマンドを使用して、READ_COMMITTED_SNAPSHOTオプションをオンにするようにデータベースを変更します。

      ALTER DATABASE MDS SET READ_COMMITTED_SNAPSHOT ON
      

    サポート対象データベースの詳細は、第2.1.1項「データベースに関する前提条件」を参照してください。

    データベース・インスタンスに接続するには、次の情報を入力します。

    • ホスト名: データベースが搭載されているマシンの名前をhost.example.comという形式で指定します。

      Oracle Real Application Cluster (RAC)データベースの場合は、仮想IP名またはいずれかのノード名を指定します。

    • ポート: データベースのリスニング・ポート番号を指定します。デフォルトのポート番号は、Oracle Databaseインスタンスでは1521、Microsoft SQL Serverでは1433、IBM DB2では50000です。

    • 使用しているデータベースのサービス名が不明な場合は、データベースの初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAMESパラメータから取得できます。このファイルにSERVICE_NAMESパラメータが含まれていない場合、サービス名はDB_NAMEDB_DOMAINパラメータに指定されているグローバル・データベース名と同じです。サービス名を確認する別の方法として、データベースにSYSとしてログインし、次のコマンドを実行します。

      show parameter service_name 
      

      Oracle RACデータベースの場合は、このフィールドにいずれかのノードのサービス名(たとえばsales.example.com)を指定します。

    • ユーザー名: データベース管理者のユーザー名を指定します。

      Oracle Databaseの場合は、SYSDBA権限またはDBA権限を持つユーザーの名前を指定します。SYSDBA権限を持つデフォルトのユーザー名はSYSです。

      Microsoft SQL Serverの場合は、SYSDBA権限またはDBA権限を持つユーザーの名前を指定します。

      IBM DB2の場合は、RCUはMDSスキーマの所有者として接続する必要があります。MDSデータベース・スキーマのオペレーティング・システム・ユーザーを指定します(たとえば、OWSM_MDS)。RCUを使用してIBM DB2データベースにMDSスキーマを作成する前に、オペレーティング・システム・ユーザーを作成する必要があります。

    • パスワード: データベース・ユーザーのパスワードを指定します。

      IBM DB2の場合は、MDSデータベース・スキーマのオペレーティング・システム・ユーザーのパスワードを指定します。

    • ロール: リストからデータベース・ユーザーのロールを選択します。

      SYSにはSYSDBAロールが必要です。

    「次へ」をクリックします。「グローバルな前提条件の確認中」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    前提条件エラーが発生した場合は、「データベース接続の詳細」画面にエラーの詳細が表示されます。エラーを修正し、「次へ」をもう一度クリックします。

    エラーが発生せずにチェックが完了したら、「OK」をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じ、次の画面に進みます。

  5. 「コンポーネントの選択」画面

    図2-1 「コンポーネントの選択」画面

    図2-1の説明が続きます
    「図2-1「コンポーネントの選択」画面」の説明

    画面上部近くの「接頭辞の新規作成」を選択し、接頭辞を指定するか、デフォルトの接頭辞DEVをそのまま使用します。スキーマはデータベース内で接頭辞によって識別されます。データベースに同じ製品の複数のスキーマを格納する場合、各スキーマの所有者は一意の接頭辞を指定する必要があります。

    Oracle DatabaseとMicrosoft SQL Serverでは、接頭辞に1 - 12文字の英数字(0-9、a-zまたはA-Z)を使用できます。

    IBM DB2では、スキーマ所有者の名前は全体で8文字に制限されているため、接頭辞には4文字のみを使用できます。空白や特殊文字は使用できません。RCUでは、接頭辞はその後に下線文字が付加されて表示されます。たとえば、RCUではデフォルトの接頭辞はDEV_と表示されます。スキーマの接尾辞のデフォルト名が3文字を超える場合、IBM DB2では接尾辞を変更する必要があります。たとえば、DEV_URMSERVERDEV_URMに、DEV_ORAIRMDEV_IRMに変更します。

    「コンポーネント」リストで「Enterprise Content Management」を展開し、スキーマを作成する1つ以上のアプリケーションを選択します。

    • Oracle Information Rights Management

    • Oracle Content Server 11g - 完全

    • Oracle Content Server 11g - 検索のみ

    • Oracle Universal Records Management 11g

    • Oracle Imaging and Process Management

    Oracle UCMのスキーマを作成するには、「Oracle Content Server 11g - 完全」を選択します。

    Oracle Text検索またはIBM DB2データベース検索用の検索スキーマを作成するOracle UCMを構成するためのOCSSEARCHスキーマを作成するには、「Oracle Content Server 11g - 検索のみ」を選択します。詳細は、第5.2.2項「Oracle Content Serverインスタンスの構成」を参照してください。

    「Oracle Imaging and Process Management」を選択するときは、「Oracle Content Server 11g - 完全」も選択してOracle UCMをOracle I/PMリポジトリとして使用する必要があります。

    また、Oracle WSMポリシー・マネージャの場合、またはOracle I/PMをOracle SOA Suiteとともに使用する場合は、「AS共通スキーマ」を展開し、「Metadata Services」を選択します。バックエンド・データベースにMicrosoft SQL Serverを使用している場合は、この画面で「Metadata Services」を選択する前に、ステップ4の説明に従ってMDSを構成する必要があります。

    アプリケーションを構成するには、データベースにそのアプリケーションのスキーマが含まれている必要があります。


    注意:

    後で対応するアプリケーションを構成するときに必要になるため、この画面の各スキーマの所有者名をschemaprefix_schemasuffix,の形式で記録します。

    たとえば、デフォルトの接頭辞DEV_を使用した場合は、Oracle DatabaseのOracle URMスキーマに次の所有者名を指定します。

    DEV_URMSERVER
    

    ただし、IBM DB2では、スキーマの所有者名は最大4文字の接頭辞を含む8文字に制限されています。スキーマの接尾辞のデフォルト名が3文字を超える場合、IBM DB2では「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面でデフォルト名を変更する必要があります。たとえば、DEV_URMSERVERDEV_URMに、DEV_ORAIRMDEV_IRMに変更します。


    「次へ」をクリックします。「コンポーネント前提条件の確認中」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    前提条件にエラーがある場合は、「コンポーネントの選択」画面にエラーの詳細が表示されます。エラーを修正し、「次へ」をもう一度クリックします。

    エラーが発生せずにチェックが完了したら、「OK」をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じ、次の画面に進みます。

  6. 「スキーマ・パスワード」画面

    スキーマ所有者のパスワードを指定します。

    Microsoft SQL ServerまたはOracle Databaseの場合は、RCUは新規データベース・ユーザーが作成されます。

    IBM DB2認証ではオペレーティング・システム認証が使用されるため、データベースを実行しているオペレーティング・システム内に適切な名前を使用してユーザーを作成する必要があります。ここで設定するパスワードは、そのユーザーのデータベース・ホストでのパスワードである必要があります。RCUでは、パスワードに使用できる文字について、オペレーティング・システムとは異なる制限があります。

    「コンポーネント」列に表示されているアプリケーションごとに、「スキーマのパスワード」列と「パスワードの確認」列に同じパスワードを入力します。

    開発システムでは、画面上部近くにある「すべてのスキーマに同じパスワードを使用」を選択できます。パスワードを2回入力します(「パスワード」フィールドと「パスワードの確認」フィールド)。


    注意:

    後でアプリケーションを構成するときに必要になるため、この画面のすべてのスキーマのパスワードを記録します。

    「次へ」をクリックします。

  7. 「表領域のマップ」画面

    新規表領域を作成したり、既存の表領域を変更するには、「表領域の管理」をクリックし、画面の指示に従います。表領域の作成および変更の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』の「表領域のマップ」画面に関する項を参照してください。

    「表領域のマップ」画面で「次へ」をクリックします。「表領域の検証と作成中」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    検証エラーが発生した場合は、「表領域のマップ」画面にエラーの詳細が表示されます。irm.logrcu.logなどのログ・ファイルでエラーを追跡できます。この画面にはログの場所が表示されます。エラーを修正し、「次へ」をもう一度クリックします。エラーなしで表領域が作成されたら、「OK」をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じます。


    注意:

    • IBM DB2データベースでは、PUBLICがアクセスするすべての表領域に32KBのページ・サイズが必要です。Oracle UCMでは、設計時に表を作成するために32KBのページ・サイズが必要です。PUBLICがアクセスするすべての表領域は、Oracle UCMによるアクセスが可能です。

    • IBM DB2データベースを使用する場合は、デフォルト・データベースへのPUBLICアクセスを防ぐために、次の文を実行します。

      REVOKE USE OF TABLESPACE USERSPACE1 FROM PUBLIC
      

      文が複数回実行される場合は、かわりに次の文を実行します。

      GRANT USE OF TABLESPACE USERSPACE1 TO PUBLIC
      REVOKE USE OF TABLESPACE USERSPACE1 FROM PUBLIC
      

      IBM DB2のデフォルト表領域のUserspace1は、データベースの作成時に作成されます。すべてのユーザーがこの表領域にアクセスできます。このアクセスは問題の原因となることがあります。これは、システムのインストール後、設計時に作成された表によって、この表領域に表が挿入される可能性があるためです。これにより、1つのアプリケーションの表について、独自の表領域に存在するものと、他のユーザーと共有する表領域に存在するものとが不適切に混在する状態が発生します。前述のREVOKE文を実行すると、デフォルト表領域へのPUBLICアクセスが無効になり、これにより、表領域へのすべてのユーザーのアクセスが無効になります。各Oracle ECMアプリケーションは、独自の表領域にのみアクセスするようになります。


  8. 「サマリー」画面

    「作成」をクリックします。「作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    スキーマ作成エラーが発生した場合は、「サマリー」画面にエラーの詳細が表示されます。エラーを修正し、「次へ」をもう一度クリックします。

    RCUによってエラーなしでスキーマが作成されたら、「OK」をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じます。

  9. 「完了サマリー」画面

    この画面にはRCUログ・ファイルとコンポーネント(アプリケーション)・ログ・ファイルの場所が表示されます。

    「閉じる」をクリックします。


注意:

スキーマに作成されたユーザー・アカウントには、作成後6か月のデフォルトの有効期限があります。データベース管理者は、ユーザー・アカウントの有効期限を後の日付に変更する必要があります。アカウントの有効期限を表示するには、SQL文SELECT * FROM all_usersまたはSELECT * FROM dba_usersを使用します。

RCUの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。