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Oracle® Enterprise Manager Cloud管理ガイド
12c リリース5 (12.1.0.5)
B70509-13
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12 DBaaSクラウドの有効化

この章では、DBaaSクラウドを有効化するために必要な初期構成について説明します。内容は次のとおりです。

12.1 開始

この項では、プライベート・データベース・クラウドの設定を開始するために実行する必要のある手順のリストを示すことで開始を支援します。データベース・クラウドを設定する前に、第11.2項「共通設定タスク」で説明した共通設定タスクを完了する必要があります。

表12-1 DBaaSの開始

手順 作業 ロール

1

管理対象ホストで権限委任設定を構成します。第3.5項「権限委任設定の構成」を参照してください。

スーパー管理者

2

プロビジョニング資格証明の設定第12.2項「プロビジョニング用の資格証明の設定」を参照してください。

セルフ・サービス管理者

3

セルフ・サービス管理者

4

リスナーの構成第12.6項「Oracleリスナーの構成」を参照してください。

セルフ・サービス管理者

5

スナップ・クローン・プロファイルを使用する場合、ストレージ・サーバーを登録する必要があります。第12.7項「ストレージ・サーバーの登録および管理」を参照してください。

セルフ・サービス管理者


12.2 プロビジョニング用の資格証明の設定

管理対象サーバーまたはデータベースで操作を実行する前に、Enterprise Managerがターゲットへの接続に使用する資格証明を定義する必要があります。

次のタイプの資格証明を設定する必要があります。

  • 通常の資格証明は、データベース・ソフトウェアのプロビジョニングおよびデータベースの作成に使用されるホスト・オペレーティング・システムの資格証明です。たとえば、oracle/<login password>などです。これらの資格証明は、データベース・プールの作成時に保存され、EM_SSA_USERがデータベースまたはスキーマをリクエストする場合に使用されます。

  • 特権資格証明は、rootスクリプトの実行といった特権的な処理を行うために使用するホスト・オペレーティング・システムの資格証明です。これらの資格証明は、ソフトウェアのデプロイ(デプロイメント中のroot.shを実行するため)、記憶域ボリュームのマウントとアンマウント(スナップショットを使用して作成されたデータベースのため)などに使用されます。プールがスナップショットを使用したデータベースを作成するために使用される場合、これらの資格証明はデータベース・プールとともに保存されます。

  • データベースSYSDBA資格証明は、Schema as a Serviceデータベース・プールに対して使用および保存されます。これらの資格証明は、Schema as a Serviceにのみ必要です。


注意:

ホストでOracleホームを所有する同じOSユーザーがデータベースを作成することが推奨されます。

名前付き資格証明の作成手順:

  1. EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つ管理者でEnterprise Managerにログインします。

  2. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「名前付き資格証明」の順に選択します。

  3. 名前付き資格証明ページで、「作成」をクリックします。

  4. 「資格証明名」および「資格証明の説明」を入力します。「認証ターゲット・タイプ」フィールドを「ホスト」に、「有効範囲」フィールドを「グローバル」を設定します。「資格証明プロパティ」セクションで、「ユーザー名」および「パスワード」を入力します。特権資格証明を設定する必要がある場合は、「実行権限」フォールドで、「sudo」または「PowerBroker」を選択し、「別名実行」および「プロファイル」フィールドに値を入力します。

  5. 「テスト」および「保存」をクリックします。

  6. これらの資格証明をホスト・ターゲットで確認し、「OK」をクリックします。

12.3 Database as a Serviceのデータベース・ソフトウェアのプロビジョニング

データベースをサービスとして有効化するためには、その前にデータベース・ソフトウェアがすべてのホストにプロビジョニングされている必要があります。データベース・ソフトウェアは、EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つ管理者により、次の方法でプロビジョニングできます。

  • プロビジョニング・プロファイル

    • プロビジョニング・プロファイルを使用して、既存のデータベースのゴールド・イメージを取得します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

    • プロビジョニング・プロファイルを使用し、クラスタウェア/ASMまたはグリッド・インフラストラクチャ(Real Application Clusterデータベースの場合)およびデータベースのOracleホームをプロビジョニングします。この方法により、データベース・プロビジョニングおよびOracleホームのインストールの一環として、必要なデータベース・プラグイン(データベース・プラグインの監視機能部分)が、管理エージェント上にデプロイされます。

      プロビジョニング・プロファイルを作成するには、「エンタープライズ」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択して、次に「データベースのプロビジョニング」を選択して、使用するデータベース・プロビジョニングのデプロイメント・プロシージャを選択します。「Oracleデータベースのプロビジョニング」またはOracle RACデータベースのプロビジョニングのいずれかのデプロイメント・プロシージャを選択できます。

      注意: 新規データベースをこのデプロイメント・プロシージャの一部として作成しないでください。

  • データベース・インストーラの使用

    • 「設定」メニューで、「拡張性」「プラグイン」の順に選択して、SSA (Enterprise Manager for Oracle Cloud)プラグイン一式をPaaSインフラストラクチャ・ゾーンのすべての管理エージェントにデプロイします。

    • クラスタウェア/ASMまたはグリッド・インフラストラクチャ・インストーラを実行して、クラスタとASM (RACデータベースの場合)を設定します。

    • データベース・インストーラを実行して、すべてのホスト上で「データベースの作成」オプションを選択します。

    • データベースを検出します。「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択し、次に「ガイド付きプロセスを使用して非ホスト・ターゲットを追加(関連ターゲットも追加)」を選択します。

    • 「エンタープライズ」メニューから「ジョブ」「ライブラリ」の順に選択して、「Oracleホーム昇格ターゲットの検出」ジョブを送信しても、Oracleホームを追加できます。

データベース・ソフトウェアのプロビジョニングの詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

12.4 Schema as a Serviceのデータベースのプロビジョニング

Schema as a Serviceの場合、単一インスタンスまたはRACデータベースをデプロイする必要があります。データベースをデプロイするには、Oracleデータベースのプロビジョニング・デプロイメント・プロシージャを使用する必要があります。詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

12.5 PDB as a Serviceのコンテナ・データベースのプロビジョニング


注意:

プラガブル・データベース(PDB)をプロビジョニングする必要がある場合には、コンテナ・データベースを作成する必要があります。

Oracle Databaseには、Oracle Netクライアントに個別のデータベースとして表示される、スキーマ、スキーマ・オブジェクト、および非スキーマ・オブジェクトのポータブル・コレクションを含めることができます。この自己完結型コレクションは、プラガブル・データベース(PDB)と呼ばれます。マルチテナントのコンテナ・データベース(CDB)は、1つ以上のPDBを含むデータベースです。

CDBを作成するには、Database Configuration Assistant(DBCA)またはCREATE_DATABASE SQL文のいずれかを使用します。詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。作成したCDBには、ルートとシードが含まれます。ルートにはユーザー・データが最小限含まれているかまったく含まれず、シードにはユーザー・データは含まれていません。

PDBにはユーザー・データが含まれています。CDBを作成したら、次のオプションのいずれかを使用して、PDBをCDBに追加できます。

  • 新規CDBを作成します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

  • 切断されたPDBをCDBに接続します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

12.6 Oracleリスナーの構成

Enterprise Managerターゲットに追加する前に、OracleホームおよびOracleリスナーを構成する必要があります。

データベース・ホストにOracleリスナー(リスナー)を設定するには、次の手順に従います。

  1. EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つユーザーとしてログインし、第11.2.1項「ホストの追加」に記載されているように、新規に追加されたホストで、データベース・ホームのマス・デプロイメントを実行します。

  2. データベース・インスタンスが生成されているものと同じOracleホームから実行されているリスナーを設定するには、Bashシェルを起動して次のコマンドを入力します。

    1. <AGENT_BASE>/agent_inst/bin/emctl stop agent

    2. export TNS_ADMIN=<DB_HOME_LOCATION>/network/admin

    3. <AGENT_BASE>/agent_inst/bin/emctl start agent

    4. export ORACLE_HOME=<DB_HOME_LOCATION>

    5. $ORACLE_HOME/bin/netcaを実行し、リスナーを作成します。すべてのホストが同じリスナー名とリスナー・ポートであることを確認してください。

  3. 単一インスタンスの高可用性(Single Instance High Availability: SIHA)のOracleホームから実行されているリスナーを設定するには、Bashシェルを起動して次のコマンドを入力します。

    1. export ORACLE_HOME=<SIHA_HOME_LOCATION>

    2. $ORACLE_HOME/bin/netcaを実行し、リスナーを作成します。すべてのホストが同じリスナー名とリスナー・ポートであることを確認してください

  4. DBAAS_ADMIN_ROLEを持つユーザーでログインし、すべてのホストで新規に追加されたリスナー・ターゲットを検出します。「設定」メニューから、「ターゲットの追加」を選択し、「ターゲットの手動追加」を選択します。

  5. 「ガイド付きプロセスを使用して非ホスト・ターゲットを追加(関連ターゲットも追加)」オプションを選択し、「ターゲット・タイプ」に「Oracle Database」、「リスナー」および「自動ストレージ管理」を選択し、ガイドされた検出の追加をクリックし、ウィザードの手順に従います。新しいリスナー・ターゲットを追加するには、リスナーのORACLE_HOMEが正しいORACLE_HOMEの場所を指していることを確認します。このプロセスにより、データベース・プールの作成時に使用されるOracleホーム・ターゲットが追加されます。

12.7 ストレージ・サーバーの登録および管理


注意:

スナップ・クローンに基づくプロファイルからシン・クローンを作成する場合には、NetApp、Sun ZFS、EMCなどのストレージ・サーバーの登録と管理を行う必要があります。詳細は、第20章「データベースのスナップ・クローンの作成」を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

12.7.1 ストレージ・サーバーの登録の概要

Enterprise ManagerでNetAppストレージ・サーバー、Sun ZFSストレージ・サーバー、EMCストレージ・サーバーなどのストレージ・サーバーを登録すると、ストレージによって提供されるスナップショットおよびクローニング機能を使用してデータベースをプロビジョニングできます。

登録プロセスは、ストレージを検証し、このストレージのEnterprise Manager管理データベース・ターゲットを検出します。データベースを検出した後、スナップ・クローン用に有効化できます。スナップ・クローンは、ストレージ・スナップショット・テクノロジを使用してデータベース・クローンを作成するプロセスです。


注意:

Windowsオペレーティング・システム上のデータベースはサポートされていません。

12.7.2 開始する前に

開始する前に、次の点に注意してください。

  • ストレージ検出の一部としてWindowsデータベースは検出されません。これは、WindowsストレージNFSコレクションがまったく発生しないためです。NFSコレクションは、特定のOSリリースでもサポートされていないため、これらのOSリリース上のデータベースはスナップ・クローンを行えません。詳細は、My Oracle Support Note 465472.1を参照してください。また、Windows上でのOracle Databaseのサポート用にはNASボリュームを使用できません。

  • スナップ・クローンは、Sun ZFS Storage 7120、7320、7410、7420およびZS3モデル、7モードおよびcモードのNetApp 8ハードウェア、EMC VMAX 10KおよびVNX 5300、Solaris ZFSファイルシステムでサポートされています。

  • OSバージョンがB.11.31以上の場合のみ、スナップ・クローンはHP-UXホスト上のSun ZFSストレージをサポートします。OSバージョンがこれより低い場合、Sunストレージは適切に機能しないことがあるため、スナップ・クローンで予期しない結果が発生します。

  • デフォルトでは、Enterprise Managerによってターゲット・ホスト上で検出されるNFSファイル・システムの最大数は、100です。ただし、このしきい値は構成可能です。すべての余分なファイル・システムを監視しないようにする場合、監視するファイル・システムのリストを選択することもできます。

    各ホスト・エージェントの構成ファイル$agent_inst/sysman/emd/emagent_storage.configには、様々なストレージ監視関連のパラメータが含まれています。

    NFSファイル・システムのしきい値を構成するには、次のパラメータを編集する必要があります。

    Collection Size:START
    Disks=1000
    FileSystems=1000
    Volumes=1000
    Collection Size:END 
    

    監視するファイル・システムのリストを指定することを選択した場合、次の行の間に指定できます。

    FileSystems:START

    FileSystems:END

    
    

    管理エージェントを再起動し、この構成ファイルへの変更内容が有効になるよう、ホスト構成をリフレッシュします。

  • RDBMS上で11.1.0.7.0およびAL32UTF8キャラクタ・セットを使用してOMSリポジトリが実行中の場合、パッチ11893621を適用する必要があります。

12.7.3 ストレージ・サーバーの登録の前提条件

ストレージ・サーバーを登録する前に、次の項で説明されている前提条件に従います。

12.7.3.1 ストレージ・サーバーの構成

ストレージ・サーバーを登録する前に、スナップ・クローンを正常に使用するには、次の権限およびライセンスが必要です。


注意:

Enterprise Manager Cloud Control 12cでは、NetApp、Sun ZFS、Solaris File System (ZFS)およびEMCのストレージ・サーバーがサポートされています。

NetAppハードウェアの構成

この項の内容は次のとおりです。

NetAppハードウェア権限の取得

権限(Privileges)は総称です。NetAppでは、権限(Privileges)を機能(Capabilities)と呼びます。

NetAppストレージ・サーバーの場合、スナップ・クローンを使用するには、次の権限または機能をNetAppストレージ資格証明に割り当てます。


注意:

これらの機能(Capabilities)を個別に割り当てるか、ワイルドカード表記を使用できます。たとえば、次のようになります。
'api-volume-*', 'api-*', 'cli-*' 

  • api-aggr-list-info

  • api-aggr-options-list-info

  • api-file-delete-file

  • api-file-get-file-info

  • api-file-read-file

  • api-license-list-info

  • api-nfs-exportfs-append-rules

  • api-nfs-exportfs-delete-rules

  • api-nfs-exportfs-list-rules

  • api-nfs-exportfs-modify-rule

  • api-snapshot-create

  • api-snapshot-delete

  • api-snapshot-list-info

  • api-snapshot-reclaimable-info

  • api-snapshot-restore-volume

  • api-snapshot-set-reserve

  • api-system-api-get-elements

  • api-system-api-list

  • api-snapshot-set-schedule

  • api-system-cli

  • api-system-get-info

  • api-system-get-ontapi-version

  • api-system-get-version

  • api-useradmin-group-list

  • api-useradmin-user-list

  • api-volume-clone-create

  • api-volume-clone-split-estimate

  • api-volume-create

  • api-volume-destroy

  • api-volume-get-root-name

  • api-volume-list-info

  • api-volume-list-info-iter-end

  • api-volume-list-info-iter-next

  • api-volume-list-info-iter-start

  • api-volume-offline

  • api-volume-online

  • api-volume-restrict

  • api-volume-set-option

  • api-volume-size

  • cli-filestats

  • login-http-admin

NetAppハードウェア・ライセンスの取得

NetAppストレージ・サーバーのスナップ・クローンには、次のサービスの有効なライセンスが必要です。

  • flex_clone

  • nfs

  • snaprestore

NetAppストレージ資格証明の作成

NetAppストレージ資格証明を作成するには、次の手順に従います。


注意:

スナップ・クローンはNetApp Data ONTAP® 7.2.1.1P1D18以上、およびONTAP@ 8.x (7モード、cモードおよびvサーバー・モード)でのみサポートされます。

  1. api-aggr-list-info,api-file-delete-fileなどのすべての推奨される機能(Capabilities)を使用して、ロールem_smf_admin_roleを作成します。

  2. ロールem_smf_admin_roleを使用してグループem_smf_admin_groupを作成します。

  3. グループem_smf_admin_groupおよびセキュア・パスワードを使用して、ユーザーem_smf_adminを作成します。


注意:

ユーザーem_smf_adminは、Oracle Enterprise Managerによって使用される専用のユーザーである必要があります。Oracleでは、他の目的のためにこのアカウントの共有をお薦めしていません。

NetApp 8クラスタ・モード・ハードウェアの構成

このトピックでは、Enterprise Manager Cloud Control 12cで、スナップ・クローンをサポートするためにNetApp 8クラスタ・モード(C-モード)ハードウェアを設定する方法について説明します。

NetApp 8ハードウェアの7-モードでは、スナップ・クローンがすでにサポートされています。

NetApp 8 C-モードのハードウェアを構成するには、次の項を参照してください。

クラスタ・モードでサポートされるNetApp 8構成

C-モードでサポートされている構成は次のとおりです。

  • スナップ・クローン機能はSVM (Vserver)でのみサポートされています。

  • 物理クラスタ・ノードの登録はサポートされていません。

  • Enterprise Manager Cloud Control 12cには複数のSVMを登録できます。登録済のSVMはすべて個別に管理されます。

NetApp 8ストレージおよびSVMの準備

NetApp 8ストレージおよびSVMを準備するには、次の要件が満たされていることを確認してください。

  • C-モードのNetApp 8ハードウェアにSVMが作成されている必要があります。作成されていない場合は、Enterprise Managerに登録するSVMを作成する必要があります。

  • SVMには、管理アクセス権とデータ・アクセス権の両方を持つネットワーク・インタフェース(LIF)が必要です。Enterprise Managerの「ストレージ登録」ページで、このインタフェースのドメイン名とIPアドレスを指定する必要があります。

  • 少なくとも1つの集計(ボリューム)がSVMに割り当てられている必要があります。集計をSVM間で共有しないでください。

  • SVMには、ontapiアクセス用にvsadmin-volumeロールが割り当てられたユーザー・アカウントが必要です。

    Enterprise Managerの「ストレージ登録」ページで、ユーザー資格証明を指定する必要があります。

  • SVMのルート・ボリュームには、すべてのホストに対する読取り専用アクセスを許可するルールを含むエクスポート・ポリシーが必要です。NFS v4を使用している場合は、エクスポート・ルールの変更ダイアログ・ボックスからスーパーユーザー・アクセス権を付与する必要があります。


    注意:

    • SVMのルート・ボリュームの中に、em_volumesというディレクトリが権限0444とともに作成されます。このディレクトリは、Enterprise Managerネームスペースのジャンクション・ポイントとして使用されます。

    • 作成されたストレージ・ボリュームではすべて、ネームスペースにジャンクション・ポイント/em_volumesが使用されます。



    注意:

    Enterprise Manager Cloud ControlでSVMを登録すると、それに割り当てられているすべての集計の詳細がフェッチされます。集計の合計サイズは、割当て制限の設定や領域計算の実行、およびレポートの目的で必要です。

    現在、NetAppには、SVMから合計集計サイズをフェッチするためのData ONTAP APIは備わっていません。このため、使用可能な集計サイズが合計サイズとみなされ、最初の同期実行中にストレージ上限として設定されます。ストレージ上限は、Enterprise Managerが集計で使用できる最大領域です。

    ストレージの集計の合計領域が増加した場合、その集計の使用可能領域を消費するまでストレージ上限を大きくすることができます。


Sun ZFSおよびZF3ハードウェアの構成

この項の内容は次のとおりです。

Sun ZFSハードウェア権限の取得

権限(Privileges)は総称です。たとえば、Sun ZFSでは、権限(Privileges)をアクセス権(Permissions)と呼びます。

Sun ZFSストレージ・サーバーの場合、スナップ・クローンを使用するには、次の権限またはアクセス権をSun ZFSストレージ資格証明に割り当てます。


注意:

リストされたすべてのアクセス権(Permissions)をtrueに設定する必要があります。有効範囲に'nas'を指定する必要があり、詳細なフィルタを指定しないでください。

  • changeProtocolProps

  • changeSpaceProps

  • clone and createShare

  • destroy

  • rollback

  • takeSnap

Sun ZFSハードウェア・ライセンスの取得

Sun ZFS Storage Appliance上のスナップ・クローンには、クローン機能のライセンスが必要です。この機能の使用制限付きライセンスが、Enterprise Manager Snap Cloneに含まれています。

Sun ZFSストレージ資格証明の作成

Sun ZFSストレージ資格証明を作成するには、次の手順に従います。

  1. ロールem_smf_admin_roleを作成します。

  2. ロールem_smf_admin_roleの認可を作成します。

  3. nasとして範囲を設定します。

  4. allow_changeProtocolProps、allow_changeSpacePropsなどの推奨されるアクセス権(Permissions)をtrueに設定します。

  5. ユーザーem_smf_adminを作成して、em_smf_admin_roleとしてロール・プロパティを設定します。


    注意:

    ユーザーem_smf_adminは、Oracle Enterprise Managerによって使用される専用のユーザーである必要があります。Oracleでは、他の目的のためにこのアカウントの共有をお薦めしていません。

Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバーの構成

この項の内容は次のとおりです。

Solaris File System (ZFS)権限の取得

Solaris File System (ZFS)では、権限(Privileges)をアクセス権(Permissions)と呼びます。Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバーの場合、スナップ・クローンを使用するには、プールに対する次のアクセス権をSolaris File System (ZFS)ユーザーに付与します。

  • clone

  • create

  • destroy

  • mount

  • rename

  • rollback

  • share

  • snapshot

  • 割当て制限

  • reservation

  • sharenfs

  • canmount

  • recordsize

Solaris File System (ZFS)ライセンスの取得

Solaris File System (ZFS)は、特別なハードウェア・ライセンスを必要としません。Oracle Solaris OSバージョン11.1のみサポートされます。

Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバーの設定

Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバーは、任意のストレージ・ハードウェアと連携できます。追加のストレージ・ハードウェアを購入する必要はありません。かわりに、社内ストレージ・ハードウェアをアタッチし、Oracle Snap Clone機能を取得できます。たとえば、EMC VMAX、VNXシステム、Hitachi VSPまたはOracle Pillar Axiom FCアレイからLUNをアタッチできます。

次のストレージ・トポロジの図で、この動作方法について説明します。


注意:

この図では、Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバーに公開されたSANストレージ・デバイス(4 x 1TBの論理ユニット・デバイスを含む)が存在すると仮定します。

ストレージ・トポロジ

この項の内容は次のとおりです。

Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバーの設定の前提条件

Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバーを構成する前に、次の要件を満たしていることを確認してください。

  • zfs_arc_maxが/etc/systemに設定されていないことを確認します。これを設定する必要がある場合、必ず大きい値(RAMの80%など)に設定します。

  • ストレージ・サーバーが複数のLUNで構成されていることを確認します。各LUNは、最大1TBである必要があります。スナップ・クローンでは、各1TBの2つ以上のLUNが推奨されます。各LUNは、フェイルオーバーを分離するため、異なるコントローラを経由してホストにマウントされたミラーLUNを持つ必要があります。LUNは、パフォーマンスを向上するためにファイバ・チャネルを介してSolarisホストにアタッチできます。


    注意:

    ファイバ・チャネルを使用できない場合、任意のDirect Attached StorageまたはiSCSIベースのLUNで十分です。

  • プールで使用するLUNは、すべて同じサイズである必要があります。プールでは12個より少ないLUNを使用することをお薦めします。

  • LUNとは別に、zpoolのパフォーマンスを向上するため、ストレージにはキャッシュ・デバイスとログ・デバイスが必要です。これら2つのデバイスは、別個のフラッシュ/SSDデバイスであれば理想的です。別個のデバイスを調達するのが難しい場合、1つのデバイスから分割したスライスを使用できます。ログ・デバイスは、サイズを約32GBとし、データ損失を避けるために冗長性および電源のバックアップを備える必要があります。キャッシュ・デバイスは、サイズを約128GBにすることが可能で、冗長性は必要ありません。

ストレージ・エリア・ネットワーク・ストレージの要件

ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)ストレージの要件は次のとおりです。

  • 大きなLUNを作成し、LUNの数を少なくすることをお薦めします。LUNの推奨される最大サイズは、3TBです。

  • LUNは、異なるSANストレージ・プールまたは完全に異なるSANストレージ・デバイスから取得する必要があります。

    これらのLUNは、プール・レベルの冗長性を維持するため、ミラー化で必要とされます。SANストレージでハードウェア・レベルの冗長性を維持する場合、この要件は無視できます。

  • LUNは、ファイバ・チャネルを介して公開する必要があります。

Solaris File System (ZFS)プールの推奨事項

Solarisファイルシステム(ZFS)のプールに関する推奨事項は次のとおりです。

  • 同じサイズの複数のLUNを使用してストレージ・プールを作成します。使用状況に応じて、ストレージ・プールに別のディスクを追加してサイズを増加できます。

  • Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバー上に作成するストレージ・プールでは、異なるSANストレージ・プールまたは完全に異なるSANストレージ・デバイスから取得したLUNを使用する必要があります。SANストレージでハードウェア・レベルの冗長性を維持する場合、これは無視できます。

  • データの不整合を修復するには、基礎となるストレージ・デバイスでRAIDZが実装されているかどうかにかかわらず、ミラー、RAIDZ、RAIDZ-2、RAIDZ-3などのZFS冗長性を使用してデータの不整合を修復します。

  • スループットとパフォーマンスを向上させるために、キャッシュ・デバイスとログ・デバイスを使用します。これら2つのデバイスは、別個のフラッシュ/SSDデバイスであれば理想的です。別個のデバイスを調達するのが難しい場合、1つのデバイスから分割したスライスを使用できます。

    ログ・デバイスは、RAMの約50%とし、データ損失を避けるために冗長性および電源のバックアップを備えることをお薦めします。キャッシュ・デバイスのサイズは、ワークロードおよびプールのサイズを基準にできます。

    キャッシュ・デバイスでは、冗長性はサポートされません。これはオプションです。

  • プールは、作成時に、テスト・マスター・データベースとクローン・データベースを格納できるようにサイズを変更する必要があります。クローンは、同じストレージ・プール内の親データベースと共存します。そのため、テスト・マスターとクローンのための容量を十分に確保するよう計画する必要があります。

    たとえば、テスト・マスターのサイズが1TBで、10個のクローンを作成する予定があり、そのそれぞれがテスト・マスターとは100G分異なるとします。この場合、ストレージ・プールのサイズは、2.5TB以上にする必要があります。

  • ストレージ・プールには20%以上の空き領域を常に確保します。空き領域がこのレベルを下回ると、プールのパフォーマンスが低下します。

Solaris File System (ZFS)のユーザーとプールの構成

Enterprise Managerからストレージを管理できるユーザーを作成する必要があります。これを行うには、rootユーザーとして次のコマンドを実行します。

# /sbin/useradd -d /home/emzfsadm -s /bin/bash emzfsadm
# passwd emzfsadm

注意:

ユーザー名は8文字以下である必要があります。

ボリュームをホストするために使用するZFSプールを構成し、作成したユーザーにそのプールに対する権限を付与する必要があります。emzfsadmユーザーは、システムのすべてのzpoolとそのマウント・ポイントに対する権限を持っている必要があります。

ZFSプールを構成するには、次の表を参照して各コマンドを実行してください。


注意:

この表には、リファレンス実装が示されていますが、これは必要に応じて変更できます。

プール名 lunpool
ディスク(FC/iSCIを介したSAN公開LUN) lun1=c9t5006016E3DE0340Ed0,

lun2=c9t5006016E3DE0340Ed1

ディスク・ミラー(FC/iSCIを介したSAN公開LUN) mir1=c10t5006016E3DE0340Ed2,

mir2=c10t5006016E3DE0340Ed3

フラッシュ/SSDディスク(ログ) ssd1=c4t0d0s0
フラッシュ/SSDディスク(キャッシュ) ssd2=c4t0d1s0

# zpool create lunpool mirror lun1=c9t5006016E3DE0340Ed0 mir1=c10t5006016E3DE0340Ed2 mirror lun2=c9t5006016E3DE0340Ed1 mir2=c10t5006016E3DE0340Ed3 log ssd1=c4t0d0s0 cache ssd2=c4t0d1s0
 

書式例の出力は次のとおりです。

bash-4.1# /usr/sbin/format
Searching for disks...done
 
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
       0. c9t5006016E3DE0340Ed0 <DGC-VRAID-0532-1.00TB>
          /pci@78,0/pci8086,3c08@3/pci10df,f100@0/fp@0,0/disk@w5006016e3de0340e,0
       1. c9t5006016E3DE0340Ed1 <DGC-VRAID-0532-1.00TB>
          /pci@78,0/pci8086,3c08@3/pci10df,f100@0/fp@0,0/disk@w5006016e3de0340e,1
       2. c10t5006016E3DE0340Ed2 <DGC-VRAID-0532-1.00TB>
          /pci@78,0/pci8086,3c08@3/pci10df,f100@0/fp@0,0/disk@w5006016e3de0340e,2
       3. c10t5006016E3DE0340Ed3 <DGC-VRAID-0532-1.00TB>
          /pci@78,0/pci8086,3c08@3/pci10df,f100@0/fp@0,0/disk@w5006016e3de0340e,3


[ We need to find the size of pool that was created ]
# df -k /lunpool
Filesystem           1024-blocks        Used   Available Capacity  Mounted on
lunpool              1434746880          31  1434746784     1%    /lunpool
 
[ We use the Available size shown here to set quota as shown below ]
 
# zfs set quota=1434746784 lunpool
 
# zfs allow emzfsadm clone,create,destroy,mount,rename,rollback,share,snapshot,quota,reservation,sharenfs,canmount,recordsize,logbias lunpool
 
# chmod A+user:emzfsadm:add_subdirectory:fd:allow /lunpool
 
# chmod A+user:emzfsadm:delete_child:fd:allow /lunpool

  • コマンドzfs set quotaを使用して割当て制限を設定すると、次のエラー・メッセージが表示されることがあります。

    Size is less than current used or reserved space

    割当て制限が使用済領域より大きい値に設定されていることを確認してください。割当て制限が適切に設定されていることを確認するには、次のコマンドを実行して割当て制限を検証することをお薦めします。

    $ zfs get quota lunpool

  • zfs allow emzfsadmコマンドを実行した後に、すべての必須パラメータが適切に設定されているかどうかを確認することをお薦めします。


EMCストレージ・サーバーの構成

EMC Symmetrix VMAXファミリまたはEMC VNXストレージ・サーバーを使用する前に、まず、Oracle Enterprise Manager 12cでスナップ・クローンをサポートするためにEMCストレージ・ハードウェアを設定する必要があります。次の各項で、すべての要件が満たされていることを確認してください。

EMCストレージ・サーバーでサポートされている構成

EMC Symmetrix VMAXファミリまたはEMC VNXストレージ・サーバーを構成する前に、次のリストを確認してください。このリストには、EMC VMAXストレージとEMC VNXストレージでサポートされているコンポーネントとサポートされていないコンポーネントが示されています。

  • EMC VMAX 10KおよびVNX 5300の使用が認定されています。同じシリーズの上位モデルは動作することが予想されます。

  • LinuxおよびSolarisオペレーティング・システムのみがサポートされています。それ以外のオペレーティング・システムはまだサポートされていません。

  • マルチパスは必須です。

  • EMC PowerPathとSolaris MPxIOのみがサポートされています。

  • 切替えファブリックはサポートされています。調停ループはサポートされていません。

  • Emulex (LPe12002-E)ホスト・バス・アダプタは、動作が確認されています。それ以外のアダプタは正常に機能すると予測されます。

  • ファイバ・チャネルを介するSCSIはサポートされています。iSCSIとNASはまだサポートされていません。

  • Oracle Grid Infrastructure 11.2はサポートされています。

  • ローカルASMストレージ・オプションを設定したOracle Grid Infrastructure 12.1はサポートされています。Flex ASMはサポートされていません。

  • ASMフィルタ・ドライバはサポートされません。

  • ASMのサポートはRAWデバイスに対してのみです。ファイル・システムはサポートされていません。

  • VMAXでのシン・ボリューム(TDEV)のサポート。

  • VNXではLUNのみをサポート。NASはまだサポートされていません。

EMC Symmetrix VMAXファミリおよびデータベース・サーバーの要件

EMC Symmetrix VMAXファミリのオペレーティング・システム・バージョンの要件は次のとおりです。

  • EMC VMAX Enginuityバージョン: 5876.251.161以上

  • SMI-Sプロバイダのバージョン: V4.6.1.6以上

  • Solutions Enablerのバージョン: V7.6-1755以上


注意:

EMC VMAX Enginuityのバージョンは、ストレージのオペレーティング・システムのバージョンです。

SMIプロバイダおよびSolutions Enablerは、SANのホストにインストールされます。


データベース・サーバーの要件は次のとおりです。

Oracle Databaseの要件

  • Oracle Database 10.2.0.5以上

オペレーティング・システムの要件

  • (RHEL 5 update 8と互換性のある) Oracle Linux 5 update 8以上

  • (RHEL 6と互換性のある) Oracle Linux 6以上

  • Oracle Solaris 10および11

マルチパスの要件

  • EMC PowerPathバージョン5.6以上(Linuxオペレーティング・システム・リリースおよびカーネル・バージョンで使用可能)

  • EMC PowerPathバージョン5.5以上(Oracle Solaris 11.1リリースで使用可能)

  • EMC PowerPathバージョン6はサポートされていません。

  • Solaris MPxIO (最新の更新で使用可能)

Oracle Grid Infrastructureの要件

  • Oracle Grid Infrastructure 11.2

  • Oracle Grid Infrastructure 12.1。Flex ASMはサポートされていません。

ストレージ・エリア・ネットワークの準備

ストレージ・エリア・ネットワークを準備するには、各項で説明されている構成手順に従います。

SANファブリックの構成

次のことを確認して、マルチパスを使用してSANファブリックを構成します。

  • ストレージ・レベル、スイッチ・レベルおよびサーバー・レベルで冗長性が必要です。

  • ストレージからサーバーへの複数のパスが構成されるようにゾーニングを実行します。

  • ターゲット・ポートにおける障害、スイッチまたはホスト・バス・アダプタが原因でストレージLUNが使用不可能になることがないように、パスを構成します。

  • EMC SMI-Sプロバイダがインストールされたホストで、Gatekeeperを構成します。ゲートキーパーを構成するには、EMC Webサイトで入手できるドキュメントを参照してください。

SMI-Sプロバイダ

SMI-SプロバイダおよびSolutions Enablerは、ストレージが構成されているファブリック内のサーバーの1つにインストールする必要があります。SMI-Sプロバイダをインストールおよび構成するには、EMC Webサイトで入手できるドキュメントを参照してください。

ストレージとの対話には、SMI-SプロバイダのURLおよびログイン資格証明が必要です。SMI-Sサービス・プロバイダのURLの例はhttps://rstx4100smis:5989です。

これらの詳細はストレージ・サーバーを登録するときに必要です。次の操作を実行する必要があります。

  • VMAXストレージまたはVNXストレージがSMI-Sプロバイダによって検出されていることを確認します。

  • VNXストレージをSMI-Sプロバイダに追加します。

  • SMI-Sプロバイダで管理者権限を持つユーザー・アカウントを作成して、VMAXストレージまたはVNXストレージにアクセスします。

  • 同期間隔を1時間に設定します。

ストレージ・エリア・ネットワーク環境の設定

VMAXの用語の理解

次の表は、この項で使用しているVMAX用語を概説しています。EMC VMAXストレージを準備する前に、これらの用語を参照して概念をよく理解しておいてください。

表12-2 VMAX用語

用語 定義

論理ユニット

I/Oデバイスは論理ユニットと呼ばれます。

論理ユニット番号

論理ユニットに関連付けられている一意のアドレス

イニシエータ

別の論理ユニットへのサービス・リクエストを開始する論理ユニットは、イニシエータと呼ばれます。

イニシエータ・グループ

イニシエータ・グループは、最大32個のファイバ・チャネル・イニシエータ(HBAポート)、8個のiSCSI名またはその両方の組合せの論理グループです。イニシエータ・グループには、別のイニシエータ・グループの名前を含めて、グループを深さ1にカスケードすることもできます。

ポート・グループ

ポート・グループは、ファイバ・チャネルまたはiSCSI、あるいはその両方のフロントエンド・ダイレクタ・ポートの論理グループです。ポート・グループ内のポート数に対する制限は、Symmetrixシステムのポート・グループ数のみです。ポート・グループには、ワークロードを特定のポートに分離するために使用可能なポートのサブセットを含められる可能性もあります。

注意: 前提条件として、OEMはORACLE_EM_PORT_GROUPという名前で作成されたポート・グループを期待し、必要なターゲット・ポートを含んでいる必要があります。

ストレージ・グループ

ストレージ・グループは、最大4,096台のSymmetrixデバイスの論理グループです。

ターゲット

サービス・リクエストのターゲットとなる論理ユニットは、ターゲットと呼ばれます。

マスキング・ビュー

マスキング・ビューは、1つのイニシエータ・グループ、1つのポート・グループおよび1つのストレージ・グループ間の関連付けを定義します。マスキング・ビューが作成されると、ストレージ・グループ内のデバイスはポート・グループ内のポートにマップされ、イニシエータ・グループ内のイニシエータにマスクされます。

SCSIコマンド

サービス・リクエストは、SCSIコマンドと呼ばれます。

ホスト・バス・アダプタ(HBA)

ホスト・バス・アダプタ(HBA)という用語は、ファイバ・チャネル・インタフェース・カードを表すために最もよく使用されます。各HBAには固有のWorld Wide Name (WWN)があります。これは、IEEEによって割り当てられたOUIを使用するという点で、Ethernet MACアドレスに似ています。ただし、WWNの方が長くなっています(8バイト)。HBAには2種類のWWNがあります。ホスト・バス・アダプタ上のすべてのポートによって共有されるノードWWN (WWNN)と、各ポートに固有のポートWWN (WWPN)です。様々な速度のHBAモデルがあります(1Gbit/s、2Gbit/s、4Gbit/s、8Gbit/s、10Gbit/s、16Gbit/sおよび20Gbit/s)。


VMAXストレージおよび用語の詳細は、EMC Webサイトで入手できるドキュメント「EMC Symmetrix VMAX Family with Enginuity」を参照してください。

EMC VMAXストレージの準備

データベースをプロビジョニングする必要のあるすべての必須ノードでゾーニングされるように、EMC VMAXアプライアンスを構成します。EMC VMAXストレージを準備するには、ストレージ・サーバーで次を実行します。

  • すべてのホスト・イニシエータ・ポートがストレージ側から使用可能であることを確認します。

  • ホストごとに対応するイニシエータを含むイニシエータ・グループを1つずつ作成して、セキュリティを強化することをお薦めします。イニシエータの直接の親イニシエータ・グループの「Consistent LUNs」プロパティを「No」に設定する必要があります

  • Oracle Enterprise Managerでマスキング・ビューを作成するために使用されるORACLE_EM_PORT_GROUPという名前のポート・グループを作成します。このポート・グループには、Enterprise Manager Cloud Controlシステムに登録されたすべてのホストが集合的に参照するすべてのターゲット・ポートが含まれている必要があります。

    たとえば、host1がストレージ・ポートP1およびP2を参照し、host2がストレージ・ポートP3およびP4を参照するとします。この場合、ORACLE_EM_PORT_GROUPには、P1、P2、P3およびP4のポート全部が含まれている必要があります。開発インフラストラクチャに必要なターゲット・ポートのみを含めてください。

  • 別個の仮想プロビジョニング・プール(シン・プールとも呼ばれる)を作成し、それをOracle Enterprise Manager専用に使用します。

  • VP Snapを実行するためにTimeFinderライセンスが有効になっていることを確認します。

EMC VNXストレージの準備

データベースをプロビジョニングする必要のあるすべての必須ノードでゾーニングされるように、EMC VNXアプライアンスを構成します。EMC VNXストレージを準備するには、ストレージ・サーバーで次を実行します。


注意:

EMC VNXストレージでは、LUNの作成、クローニングおよび削除のみがサポートされています。NASはサポートしていません。

  • すべてのホスト・イニシエータ・ポートがストレージ側から使用可能であることを確認します。

  • 1つのホストに属する複数のイニシエータがグループ化され、EMC VNXストレージのホストに基づく名前が付けられていることを確認します。

  • Enterprise Managerに登録されているホストごとに、1つのホストを含むストレージ・グループを1つ作成します。

    たとえば、イニシエータi1とi2がhost1に属する場合は、Host1という名前でイニシエータを登録します。新しいストレージ・グループSG1を作成し、Host1をそれに接続します。同様に、Enterprise Managerに追加するホストごとに、ストレージ・グループを1つ作成します。

データベース・サーバーの準備

Enterprise Managerスナップ・クローン用にサーバーを準備するには、次のことを確認してください。

  • サーバーは物理サーバーであり、ホスト・バス・アダプタが搭載されている必要があります。NPIVおよびVMはサポートされません。

  • サポートされている推奨マルチパス・ソフトウェアを使用してサーバーを構成します。EMC PowerPathを使用する場合は、PowerPathライセンスを有効にします。PowerPathライセンスを有効にするには、次のコマンドを使用します。

    emcpreg -install
    
  • サーバーでOracle Real Application Clustersをサポートする必要がある場合は、Oracle Clusterwareをインストールします。


    注意:

    ASMおよびクラスタウェアをインストールする必要があり、これらのコンポーネントをEnterprise Managerでターゲットとして検出する必要があります。ASMおよびクラスタウェアがインストールされたら、追加のASMディスク・グループをEnterprise Managerから作成できます。

  • すべてのサーバーの特権ホスト監視資格証明を有効化します。サーバーがクラスタの一部である場合、そのクラスタの優先ホスト監視資格証明を有効化する必要があります。

    優先ホスト監視資格証明の有効化の詳細は、『Oracle Enterprise Managerフレームワーク、ホストおよびサービス・メトリック・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

  • Linuxを使用している場合は、Oracle ASMLibを構成し、asm_diskstringパラメータを有効なASMパスに設定する必要があります。たとえば、次のようになります。

    /dev/oracleasm/disks/

    最初にASMLibサービス、次にマルチパス・サービスが実行されるように、ブート順序を更新します。

    Oracle ASMLibをインストールするには、次のWebサイトを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/linux/install-082632.html">>http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/linux/install-082632.html

    マルチパス・ディスクでOracle ASMLibを構成するには、次のWebサイトを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/linux/multipath-097959.html">>http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/linux/multipath-097959.html

特権ホストの監視資格証明の設定

ホスト監視資格証明を設定する前に、権限委任設定を設定する必要があります。次の手順を実行します。


注意:

これは、EMCストレージでスナップ・クローニング・データベースに使用されるホストでのみ必要です。

  1. 「設定」メニューから、「セキュリティ」をクリックし、「監視資格証明」を選択します。

  2. モニタリング資格証明ページで、要件に従って「クラスタ」または「ホスト」を選択し、「モニタリング資格証明の管理」をクリックします。

    モニタリング資格証明ページ
  3. クラスタ・モニタリング資格証明ページで、クラスタまたはホストに対して設定された特権ホストのモニタリング資格証明を選択し、「資格証明の設定」をクリックします。

    クラスタ・モニタリング資格証明ページ
  4. 表示されるダイアログ・ボックスで、資格証明を指定し、「保存」をクリックします。

  5. ホスト監視資格証明がクラスタに対して設定された後で、クラスタ・メトリックをリフレッシュします。ホストに対して「ストレージ・エリア・ネットワーク」メトリックが収集されているかどうかを確認します。

    SANホスト・メトリック

12.7.3.2 ストレージ・プロキシ・エージェントのカスタマイズ

プロキシ・エージェントは、NetApp、Sun ZFSSAまたはSolaris File System (ZFS)のファイル・システムを登録するときに必要です。

NetAppストレージ・サーバーを登録する前に、次の前提条件を満たしてください。


注意:

ストレージ・プロキシ・エージェントは、Linux Intel x64プラットフォームでのみサポートされます。

サード・パーティ・ライセンスの取得

ストレージ管理フレームワークは、Linux x86-64ビット・プラットフォーム用にデフォルトで付属しており、次のサード・パーティ・モジュールに依存しています。

  • ソースCPAN - CPANライセンス適用

    • IO::Tty (バージョン1.10)

    • XML::Simple (バージョン2.20)

    • Net::SSLeay (バージョン 1.52)

  • オープン・ソース - 所有者ライセンス適用

    • OpenSSL (バージョン1.0.1e)

ストレージ・ベンダーSDKのアップロード

NetAppストレージ・サーバーを登録する前に、次の手順を実行します。

  1. すべてのプラットフォーム用のNetApp Manageability SDKバージョン5.0R1を、NetAppサポート・サイト(http://support.netapp.com/NOW/cgi-bin/software">>http://support.netapp.com/NOW/cgi-bin/software)からダウンロードします。

  2. 5.1 SDKを解凍して、Perl NetApp Data OnTap Client SDKをtarファイルとしてパッケージ化します。通常、lib/perl/NetAppフォルダにSDKがあります。tarファイルは、解凍すると、次のようになります。

    NetApp.tar
    - netapp
      - Na  Element.pm
      - NaServer.pm
      - NaErrno.pm
    

    たとえば、ソフトウェア・ライブラリ・エンティティStorage Management Framework Third Party/Storage/NetApp/defaultは、上のtar構造を使用したNetApp.tarを含む単一ファイル・エントリを持つ必要があります。


    注意:

    ファイル・パス名またはソフトウェア・ライブラリ名に余分なスペースがないことを確認します。

  3. tarファイルの準備ができると、ソフトウェア・ライブラリに次のフォルダ構造が作成されます。Storage Management Framework Third Party/Storage/NetApp

  4. defaultという名前の汎用コンポーネントとして、tarファイルをアップロードします。


    注意:

    tarファイルをアップロードするには、ソフトウェア・ライブラリ用にOMS共有ファイル・システムを使用する必要があります。

    tarファイルは、メイン・ファイルとして、このdefaultソフトウェア・ライブラリ・エンティティにアップロードする必要があります。

デフォルトSDKのオーバーライド

default SDKは、すべてのNetAppストレージ・サーバーに使用されます。ただし、ストレージ・サーバーは、特定のSDKとのみ連携する場合があります。このような場合、SDKをアップロードしてこの特定のストレージ・サーバーにのみ使用して、ストレージ・サーバーごとにSDKをオーバーライドできます。

ストレージ・サーバーの既存のSDKをオーバーライドするには、tarファイルをソフトウェア・ライブラリ・エンティティにアップロードします。tarファイルは、前述の項の手順3に示された構造を持つ必要があります。

ソフトウェア・ライブラリ・エンティティ名は、ストレージ・サーバー名と同じにする必要があります。

たとえば、ストレージ・サーバー名がmynetapp.example.comの場合、ソフトウェア・ライブラリ・エンティティを次のようにする必要があります。

Storage Management Framework Third Party/Storage/NetApp/mynetapp.example.com


注意:

ストレージ固有のSDKは、default SDKより優先されます

サード・パーティ・サーバー・コンポーネントのオーバーライド

デフォルトでは、すべての必要なサード・パーティ・コンポーネントがLinux Intel 64ビット・プラットフォーム用に提供されます。オーバーライドする必要がある場合、次のようにtarファイルをパッケージ化します。


注意:

tarファイルは、次に示す構造にする必要があるthirdpartyフォルダを含む必要があります。

thirdparty
|-- lib
| |-- engines
| | |-- lib4758cca.so
| | |-- libaep.so
| | |-- libatalla.so
| | |-- libcapi.so
| | |-- libchil.so
| | |-- libcswift.so
| | |-- libgmp.so
| | |-- libgost.so
| | |-- libnuron.so
| | |-- libpadlock.so
| | |-- libsureware.so
| | `-- libubsec.so
| |-- libcrypto.a
| |-- libcrypto.so
| |-- libcrypto.so.1.0.0
| |-- libssl.a
| |-- libssl.so
| `-- libssl.so.1.0.0
`-- pm
|-- CPAN
| |-- IO
| | |-- Pty.pm
| | |-- Tty
| | | `-- Constant.pm
| | `-- Tty.pm
| |-- Net
| | |-- SSLeay
| | | `-- Handle.pm
| | `-- SSLeay.pm
| |-- XML
| | `-- Simple.pm
| `-- auto
| |-- IO
| | `-- Tty
| | |-- Tty.bs
| | `-- Tty.so
| `-- Net
| `-- SSLeay
| |-- SSLeay.bs
| |-- SSLeay.so

tarファイルがプラットフォーム名x86_64に基づいた名前のソフトウェア・ライブラリ・エンティティにアップロードされることを確認します。ソフトウェア・ライブラリ・エンティティは次の下にある必要があります。

Storage Management Framework Third Party/Server

x86_64エンティティは、処理するストレージ・サーバーに関係なくアップロード時にすべてのストレージ・プロキシ・ホストにコピーされます。特定のストレージ・プロキシ・エージェントでこのエンティティを使用するには、ホスト名に基づいてエンティティの名前を付けます。

たとえば、Storage Management Framework/Third Party/Server/x86_64は、x86_64プラットフォーム上のストレージ・プロキシ・ホストにコピーされます。同様に、Storage Management Framework Third Party/Server/myhost.example.comは、ストレージ・プロキシ・ホストとして使用する場合、myhost.example.comにのみコピーされます。

ホスト名は、プラットフォーム・プリファレンスより優先されます。

12.7.4 ストレージ・サーバーの登録

特定のストレージ・サーバーを登録するには、各項に記載されている次の手順に従います。

12.7.4.1 NetAppまたはSun ZFSストレージ・サーバーの登録

ストレージ・サーバーを登録するには、次の手順に従ってください。

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」をクリックして、「ストレージ登録」を選択します。

  2. 「ストレージ登録」ページの「記憶域」セクションで、「登録」をクリックし、登録するストレージ・サーバーに基づいて、「NetAppストレージ・アプライアンス」または「Sun ZFSストレージ・アプライアンス」を選択します。


    注意:

    「名前付き資格証明を使用できません。」メッセージが表示される場合は、資格証明が登録されていないか、資格証明が別のユーザーによって所有されています。

    ストレージ登録ページ

    注意:

    ストレージ登録を完了するには、EM_STORAGE_ADMINISTRATORロールが必要です。

  3. NetAppまたはSun ZFSストレージの「登録」ページにある「記憶域」セクションで、次の手順を実行します。

    NetAppストレージ登録
    • 「名前」フィールドにストレージ・サーバーの名前を入力します。名前が有効なホスト名で、空白や無効な文字が含まれていないことを確認してください。

    • プロトコルを選択します。


      注意:

      NetAppストレージの場合、HTTPまたはHTTPSで接続します。Sun ZFSストレージの場合は、SSHで接続します。

    • ストレージの資格証明を選択するか、緑のプラス記号をクリックして追加します。


      注意:

      これらの資格証明は、ストレージ(NetAppまたはSun ZFS) APIを実行するために、管理エージェントによって使用されます。

      ユーザーが所有する資格証明のみが、ここに表示されます。


      表示される表示ボックスに、ストレージ・サーバー名とパスワードを入力します。パスワードを確認し、「OK」をクリックします。

    • ストレージ名の別名を入力します(オプション)。

      ストレージ名の別名は小文字にする必要があります。


      注意:

      ストレージ名の別名は、ストレージのボリュームをマウントする際に使用された任意の名前です。

      たとえば、IPアドレス、FQDN、DNS別名などです。

      ストレージ別名は、ストレージのデータベース・ターゲットの識別に必要です。データベース・ターゲットは、マウント・ポイントとデータベースで使用されるファイルをマッピングして識別されます。たとえば、ストレージmystorage.comが別名mystorage.netを持ち、データベースがmystorage.net:/u01としてマウントされているデータ・ファイルを使用する場合、検出を有効にするため、mystorage.netを別名として追加する必要があります。

      ストレージを登録する場合、管理インタフェースをストレージ名として使用します。ストレージ別名セクションで、データ・インタフェースをリストします。登録されたストレージ名は登録操作を実行するために使用され、ターゲット・ホストにボリュームをマウントしているときは、ストレージ別名としてリストされているインタフェースを優先します。


  4. ストレージを管理するエージェント・セクションで、次の手順を実行します。

    • 「追加」をクリックして、管理エージェント・ホストを追加します。ストレージ・エージェント表示ボックスが表示されます。表の「ターゲット名」列から管理エージェントを選択します。次に、「選択」をクリックします。


      注意:

      管理エージェント・リストには、Linux X64管理エージェントのみが表示されます。

      ストレージを管理するエージェント
      ストレージ・エージェント

      選択された管理エージェントは、ストレージ・サーバーでの操作の実行に使用されます。

    • 管理エージェントを選択すると、管理エージェント資格証明が検索され、ホストの名前付き資格証明が表示されます。


      注意:

      管理エージェント資格証明は、Oracle Management Serviceから管理エージェントに接続する際に使用されます。

      複数の管理エージェントを構成して、ストレージ・デバイスを監視できます。必要な場合は、「追加」をクリックして、2つ目の管理エージェントを選択します。


      注意:

      ストレージ・デバイスを監視するために複数の管理エージェントを構成しておくと、ホストが停止した場合や管理エージェントがブラックアウト中の場合に、バックアップとして機能します。

    • 「発行」をクリックし、ストレージ・サーバーを登録します。

      登録ジョブの発行

12.7.4.2 Solaris File System (ZFS)ストレージ・サーバーの登録

ストレージ・サーバーを登録するには、次の手順に従ってください。

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」をクリックして、「ストレージ登録」を選択します。

  2. 「ストレージ登録」ページの「記憶域」セクションで、「登録」をクリックし、次に「Solarisファイルシステム(ZFS)」を選択します。


    注意:

    「名前付き資格証明を使用できません。」メッセージが表示される場合は、資格証明が登録されていないか、資格証明が別のユーザーによって所有されています。

    Solaris ZFSファイル・システムの登録

    注意:

    ストレージ登録を完了するには、EM_STORAGE_ADMINISTRATORロールが必要です。

  3. 「ファイル・システム(ZFS)の登録」ページの「記憶域」セクションで、次の操作を実行します。

    • 「名前」フィールドに、Solarisシステム名を入力します。名前が有効なホスト名またはIPアドレスで、空白や無効な文字が含まれていないことを確認してください。

    • プロトコルを選択します。

    • ストレージの資格証明を選択するか、緑のプラス記号をクリックして追加します。


      注意:

      これらの資格証明は、Solarisファイル・システムAPIを実行するために、管理エージェントによって使用されます。

      ユーザーが所有する資格証明のみが、ここに表示されます。


      表示される表示ボックスに、ストレージ・サーバー名とパスワードを入力します。パスワードを確認し、「OK」をクリックします。

    • ストレージ名の別名を入力します(オプション)。

      ストレージ名の別名は小文字にする必要があります。


      注意:

      ストレージ名の別名は、ストレージのボリュームをマウントする際に使用された任意の名前です。

      たとえば、IPアドレス、FQDN、DNS別名などです。

      ストレージ別名は、ストレージのデータベース・ターゲットの識別に必要です。データベース・ターゲットは、マウント・ポイントとデータベースで使用されるファイルをマッピングして識別されます。たとえば、ストレージmystorage.comが別名mystorage.netを持ち、データベースがmystorage.net:/u01としてマウントされているデータ・ファイルを使用する場合、検出を有効にするため、mystorage.netを別名として追加する必要があります。

      ストレージを登録する場合、管理インタフェースをストレージ名として使用します。ストレージ別名セクションで、データ・インタフェースをリストします。登録されたストレージ名は登録操作を実行するために使用され、ターゲット・ホストにボリュームをマウントしているときは、ストレージ別名としてリストされているインタフェースを優先します。


      Solaris ZFSファイル・システムの「ストレージ登録」ページ
  4. 「スケジュールの同期」セクションで、ストレージ詳細をハードウェアと同期する頻度を指定します。

    「発行」をクリックする前に、zpoolの設定が完了していることを確認します。zpoolを設定するには、「Solaris File System (ZFS)のユーザーとプールの構成」を参照してください。

12.7.4.3 EMCストレージ・サーバーの登録

ストレージ・サーバーを登録するには、次の手順に従ってください。


注意:

EMCストレージ・サーバーを登録する前に、ストレージ・サーバーを準備する必要があります。ストレージ・サーバーを準備するには、「EMCストレージ・サーバーの構成」を参照してください。

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」をクリックして、「ストレージ登録」を選択します。

  2. 「ストレージ登録」ページの「記憶域」セクションで、「登録」をクリックし、「EMCストレージ・アプライアンス」を選択します。

    EMCのストレージ登録ページ

    注意:

    「名前付き資格証明を使用できません。」メッセージが表示される場合は、資格証明が登録されていないか、資格証明が別のユーザーによって所有されています。


    注意:

    ストレージ登録を完了するには、EM_STORAGE_ADMINISTRATORロールが必要です。

  3. 「EMCストレージ・アプライアンスの登録」ページの「記憶域」セクションで、次の操作を実行します。

    • 「名前」フィールドで、ストレージ・サーバー名を指定します。名前が有効なストレージ名であり、空白や無効な文字が含まれていないことを確認してください。

    • EMCストレージの場合、接続にSMI-Sプロトコルを使用します。「SMI-SプロバイダのURL」を指定します。

    • 「SMI-Sユーザー資格証明」を指定するか、緑色の+記号をクリックして追加します。


      注意:

      これらの資格証明は、Enterprise ManagerがEMCストレージ・アプライアンスと対話するために使用されます。

      ストレージの資格証明ではなく、SMI-Sプロバイダの管理者の資格証明である必要があります。

      ユーザーが所有する資格証明のみが、ここに表示されます。


      表示される表示ボックスに、SMI-Sユーザーの名前とパスワードを入力します。パスワードを確認し、「OK」をクリックします。

  4. 「スケジュールの同期」セクションで、ストレージ詳細をハードウェアと同期する頻度を指定します。

    EMCストレージ・アプライアンスの登録ページ

    「発行」をクリックします。

12.7.5 ストレージ・サーバーの管理

ストレージ・サーバーを管理するには、次の項を参照してください。

12.7.5.1 ストレージ・サーバーの同期

初めてストレージ・サーバーを登録する際は、同期ジョブが自動的に実行されます。ただし、新しい変更または作成を検出するには、同期ジョブをスケジュールして、スナップ・クローン・アクションが進行中でない静止している期間のスケジュール時間に実行する必要があります。これを実行するには、次の手順に従います。

  1. ストレージ登録ページにある「記憶域」セクションで、「同期」をクリックします。「同期」ボタン


    注意:

    「同期」をクリックすると、スナップ・クローンに使用可能なEnterprise Manager Cloud Controlによって監視されているすべてのデータベースを検出するデプロイメント・プロシージャが発行されます。

    ストレージ検出の一部としてWindowsデータベースは検出されません。これは、WindowsストレージNFSコレクションがまったく発生しないためです。詳細は、MOSノート465472.1を参照してください

    ストレージを同期できるようにするには、ストレージ・サーバーおよびストレージ管理エージェント資格証明に、GET_CREDENTIAL権限とともにEM_STORAGE_OPERATORロールが必要です。


  2. 「確認」ボックスが表示されます。「OK」をクリックします。同期の確認ボックス

    このアクションでは、1回の同期ジョブが発行されます。


    注意:

    同期ジョブは、最新のストレージ情報をフェッチし、ストレージ・ボリュームおよびデータベース間のマッピングを再計算します。

  3. ストレージ登録ページにある「記憶域」セクションで、管理エージェント・ホストのプロシージャ詳細を表示して、「ステータス」列の値(「スケジュール済」など)をクリックします。

    同期の確認
  4. 「プロビジョニング」ページの「プロシージャ・ステップ」セクションで、「表示」をクリックして、「すべて開く」を選択します。進行状況に合せてプロシージャ・アクティビティを表示するには、ページの「リフレッシュ」ボタンを繰り返しクリックします。

    プロビジョニング・ページの「すべてを開く」

    ストレージ登録ページの管理エージェントの同期ステータスは、同期処理が完了すると、「成功」に変更されます。

  5. 登録されたストレージ・サーバーの同期スケジュールを更新するには、「ストレージ登録」ページのストレージ・サーバーを選択して、「編集」をクリックします。ストレージの編集ページにある「ストレージの同期」セクションで、同期ジョブの繰返し時間および頻度を編集します。 スケジュールの同期


    注意:

    同期ジョブの頻度は、デフォルトで3時間に設定されています。

    「発行」をクリックします。


注意:

「ストレージ・ボリュームをターゲットと関連付け中」ステップは、データベース・ターゲット・メトリックおよびホスト・メトリックの両方に依存します。データベース・ターゲット(oracle_database/rac_database)は、制御ファイルデータファイルおよびREDOログの最新のメトリックを持つ必要があります。ファイル・システム・メトリックは、データベースを実行しているホストに対して最新である必要があります。

12.7.5.2 ストレージ・サーバーの登録解除

登録されたストレージ・サーバーを登録解除するには、次の手順を実行します。


注意:

ストレージ・サーバーを登録解除するには、ストレージ・サーバーの同期化GUIDでのFULL_JOB権限とともに、ストレージでのFULL_STORAGE権限が必要です。

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」をクリックして、「ストレージ登録」を選択します。

  2. 「ストレージ登録」ページにある「記憶域」セクションで、登録されたストレージ・サーバーのリストからストレージ・サーバーを選択します。

  3. 「削除」を選択します。

    ストレージの削除ページで、登録解除するストレージ・サーバーを選択し、「発行」をクリックします。

    登録解除の確認

    ストレージ・サーバーが登録解除されます。


注意:

ストレージが登録解除されると、ストレージ上のスナップ・クローン・プロファイルおよびサービス・テンプレートは機能しなくなり、これらのプロファイル、サービス・テンプレートおよびスナップ・クローンされたターゲットの間の関係が失われます。


注意:

ストレージを登録解除する前に、Enterprise Managerを使用して作成したボリュームを削除することをお勧めします。セルフ・サービス・ユーザーとして、クローニングされたデータベースの削除リクエストを発行する必要があります。

これらの削除リクエストを発行するには、ストレージ登録ページの「階層」タブから「削除」をクリックして、テスト・マスター・データベースをホストするためにEnterprise Managerによって作成されたボリュームを削除します。


12.7.6 ストレージ・サーバーの管理

ストレージ・サーバーを管理するには、次の項を参照してください。

12.7.6.1 ストレージ割当ての管理

次のタスクを実行することで、ストレージ割当てを管理できます。

ストレージ上限の編集

ストレージ上限は、Enterprise Managerで使用できるプロジェクト、集計またはシン・プールのストレージの最大量です。これにより、この制限に到達するまで、Enterprise Managerでは、そのプロジェクトのみでクローンを作成することが確認されます。ストレージ・プロジェクトが最初に検出されると、プロジェクトの全体容量は、この上限に設定されます。Sun ZFSの場合、プロジェクトに設定される割当てが使用されます。


注意:

ストレージ終了時に、Sun ZFSストレージ・プロジェクトに対して明示的に割当て制限プロパティを設定する必要があります。また、ストレージ終了時に、プロジェクトにはゼロ以外の割当て制限セットを持つ必要があります。それ以外の場合、Enterprise Managerでは、そこでクローニングできません。

ストレージ上限を編集するには、次の手順を実行します。

  1. 「ストレージ登録」ページにある「記憶域」セクションで、ストレージ上限を編集するストレージ・サーバーを選択します。

  2. 「内容」タブで、集計を選択し、「ストレージ上限の編集」をクリックします。


    注意:

    ストレージの上限の編集オプションを使用すると、Enterprise Managerで使用できるストレージの最大量を変更できます。この制限に達するまでの範囲でのみ、クローンの作成やボリュームのサイズ変更を行うことができます。

    「ストレージ上限の編集」ボタン
  3. ストレージの上限の編集ダイアログ・ボックスに、ストレージの上限を入力し、「OK」をクリックします。

    「ストレージ上限の編集」ダイアログ・ボックス

ストレージ・ボリュームの作成

ストレージ・ボリュームを作成するには、次の手順に従います。

  1. 「ストレージ登録」ページにある「記憶域」セクションで、ストレージ・ボリュームを作成するストレージ・サーバーを選択します。

  2. 「内容」タブを選択し、集計を選択して、「記憶域ボリュームの作成」を選択します。

    「記憶域ボリュームの作成」ボタン
  3. 記憶域ボリュームの作成ページの「ストレージ・ボリューム詳細」セクションで、「追加」をクリックします。

    ストレージ・ボリュームの追加
  4. ストレージを選択し、サイズをGB単位で指定します(サイズはストレージ・サイズを超えないようにしてください)。指定したサイズで、ストレージ・サイズ全体を使い果たすことなく、テスト・マスター・データベースのサイズを収容できる必要があります。

    次に、/で始まるマウント・ポイントを指定します。

    For example,
    If the storage is "lunpool", select the "lunpool".
    The specified size under the size column should not exceed the storage space. If the size of the "lunpool" is 100GB and the test master database is 10 GB, then specify size as 10GB. 
    The mount point should be a meaningful mount point starting with "/".
    For example: /oracle/oradata
    
    ストレージ・ボリュームの詳細
  5. 「ホスト詳細」セクションで、次の内容を指定します:

    • ホスト資格証明: Oracleソフトウェアのターゲット・ホスト資格証明を指定します。

    • ストレージ目標: スナップ・クローンを使用する場合、最も重要なオプションは次のとおりです:

      • RAC用のOracleデータファイル

      • 単一インスタンス用のOracleデータファイル


      注意:

      OCRおよび投票ディスクとOracleバイナリをストレージ・ボリュームに格納することもできます。

    • プラットフォーム: サポートされるターゲット・プラットフォームを選択します。ボリュームは、サポートされるターゲット・プラットフォーム上にマウントされます。

    • マウント・オプション: 「マウント・オプション」フィールドは、ストレージ目標およびプラットフォームとして指定した値に基づいて自動的に入力されます。マウント・オプションは編集しないでください。

    • NFS v3またはNFS v4を選択します。

  6. 「追加」をクリックして、マウント操作を実行するホストを1つ以上選択します。

    RAC用のOracleデータファイルを選択した場合、通常は複数のホストを指定します。そうすると、プロシージャ・アクティビティの完了後、指定したホストにボリュームが自動的にマウントされます。

    ストレージ・ボリューム・ホストの詳細
  7. 「発行」をクリックします。

    「発行」をクリックすると、プロシージャ・アクティビティが実行されます。プロシージャ・アクティビティの完了とともに、ボリュームがターゲット・システムにマウントされます。これで、ターゲット・システムにマウントされたボリュームへのテスト・マスター・データベースの作成に進むことができます。

データベースのボリュームのサイズ変更

データベースのいずれかのボリュームの領域が不足している場合は、要件に応じてボリュームをサイズ変更できます。クローンのボリュームをサイズ変更するには、次の手順に従います。


注意:

これは、EMCストレージ・サーバーでは使用できません。


注意:

テスト・マスター・データベースのボリュームのサイズ変更は、テスト・マスターのボリュームがUI「ボリュームの作成」を使用して作成されている場合を除き、Enterprise Managerを使用して実行できません。


注意:

データベースまたはクローンのボリュームをサイズ変更するにはFULL_STORAGE権限が必要です。また、基礎となるストレージがボリュームの割当て制限管理をサポートしていることを確認してください。

  1. 「ストレージ登録」ページの「ストレージ」セクションで、必要なストレージ・サーバーを選択します。

  2. 「詳細」セクションで、「階層」タブを選択し、ターゲットを選択します。

    「ストレージ・ボリューム詳細」表には、ターゲットのボリュームの詳細が表示されます。これにより、領域が不足しているターゲットのボリュームを識別できます。

  3. 「ボリューム詳細」表で、「サイズ変更」を選択します。

    ボリュームをサイズ変更するための「サイズ変更」ボタン
  4. ストレージ・ボリュームのサイズ変更ページで、サイズ変更する1つまたは複数のボリュームの「新規の書込み領域」を指定します。ボリュームのサイズを変更しない場合は、「新規の書込み領域」フィールドを空白のままにできます。

    データベースのボリュームのサイズ変更ページ
  5. 即時または後で実行するようサイズ変更をスケジュールできます。

    データベースのストレージ・ボリュームをサイズ変更するスケジュール
  6. 「発行」をクリックします。


    注意:

    「プロシージャ・アクティビティ」タブからサイズ変更プロシージャを監視できます。

シン・ボリュームの作成

この項は、EMC Symmetrix VMAXファミリおよびEMC VNXストレージのみに適用されます。

EMC Symmetrix VMAXファミリまたはEMC VNXストレージを使用すると、シン・ボリュームを作成し、作成したシン・ボリュームからASMディスクを作成できます。EMC Symmetrix VMAXファミリまたはEMC VNXストレージでシン・ボリュームを作成するには、次の手順に従います。


注意:

Enterprise Managerでは、クラスタウェアとASMコンポーネントのインストール後に、シン・プールからシン・ボリュームを作成できます。

クラスタウェアとASMコンポーネントのインストール後に、asm_diskstringパラメータがNULLに設定されることがあります。これにより、シン・プールの作成中に障害が発生する可能性があります。

この発生を防ぐには、asm_diskstringパラメータに有効なディスク・パスを設定し、ASMインスタンスを再起動します。

たとえば、asm_diskstringパラメータを次のように設定します。

/dev/oracleasm/disks/*


  1. 「ストレージ登録」ページの「記憶域」セクションで、シン・ボリュームを作成するEMC Symmetrix VMAXファミリまたはEMX VNXストレージを選択します。

  2. 「詳細」セクションで、「内容」タブを選択し、「シン・ボリュームの作成」を選択します。

    「シン・ボリュームの作成」ボタン
  3. 「記憶域詳細」セクションでは、「ASMディスク・グループ」はデフォルトで「外部冗長性を設定して作成」に設定されています。ASMディスク・グループの作成はオプションです。冗長性を持たせてASMディスク・グループを作成する場合は、ここでは次を選択して、この手順を省略できます。作成しないでください。後で作成します。後で、Oracle Enterprise Manager ASMターゲット・ホームページまたはASM構成アシスタントを使用して作成できます。

  4. 「追加」をクリックして同じサイズのLUNを複数作成し、それらのボリュームを使用してASMディスク・グループを作成します。一度に1つ以上のディスク・グループを作成できます。

  5. シン・プール/記憶域プールを選択し、シン・ボリュームの数およびシン・ボリュームのサイズを指定します。


    注意:

    より大きなLUNを作成し、LUNの数を少なくすることをお薦めします。

    たとえば、200 GBのサイズのディスク・グループが必要な場合は、200 GBのサイズのLUNを1つ作成し、そこからディスク・グループを作成します。10個の20 GB LUNは作成しないでください。



    注意:

    240 GBを超えるサイズのシン・ボリュームは、VMAXストレージ上でデフォルトでは許可されません。240 GBを超えるサイズのシン・ボリュームを作成するには、ストレージ管理者に、VMAX上で自動メタを有効にするようリクエストします。ストレージ管理者は、この制限を除去するか、240 GB.未満のサイズのシン・ボリュームを複数作成できます。

    240 GBを超えるサイズのLUNを作成するには、ストレージ管理者に連絡して、自動メタを有効にします。

    2 TBを超えるサイズのLUNは作成しないでください。


  6. 「ホスト詳細」セクションで、ホストまたはクラスタを指定するか、「検索」アイコンをクリックして選択します。ディスクは、このホストまたはクラスタに存在するASMインスタンス上に作成されます。存在するすべてのディスクに、1つのディスク・パーティションが作成されます。


    注意:

    LinuxおよびSolarisのホストのみがサポートされています。

  7. ルートおよびグリッド・インフラストラクチャ資格証明を指定します。自分が所有する資格証明のみがリストされます。

    シン・ボリュームの詳細

    「発行」をクリックします。


注意:

「ターゲットの作成」リクエストに成功し、ディスクグループが作成された後で、ディスクグループにインストールするデータベースのバージョンに応じてcompatible.asmおよびcompatible.rdbmsにディスクグループの属性を手動で設定する必要があります。

EMCストレージ・サーバーの領域使用率について

EMCストレージ・サーバーの書込み可能領域の実装は、NetApp、Sun ZFS SAおよびSun ZFSストレージ・サーバーと異なります。NetApp、Sun ZFS SAおよびSun ZFSストレージ・サーバーでは、サービス・テンプレートで定義される書込み領域は、データがボリュームに書き込まれない場合でもストレージ・プールからクローン・データベースに割り当てられます。EMCストレージ・サーバー(VMAXおよびVNX)では、領域はストレージ・プールに予約のみされます。領域は、データがボリュームまたはLUNに書き込まれるときにのみ消費されます。

たとえば、サービス・テンプレートで10GBの書込み可能領域を定義する場合、NetApp、Sun ZFS SAおよびSun ZFSでは、データがボリュームに書き込まれない場合でもストレージ・プールからクローン・データベースに10GBの領域が割り当てられます。EMCストレージでは、領域は、データがボリュームまたはLUNに書き込まれるときにのみ消費されます。

Enterprise Managerで、ストレージ・プールに対して定義された最大サイズまでシン・ボリューム(ASMディスク・グループ/LUN)を作成するには、ストレージ登録ページの「内容」タブを選択し、「シン・ボリュームの作成」を選択します。テスト・マスター・データベースは、ASMディスク・グループまたはLUNに作成できます。

次のグラフィックは、テスト・マスター・データベースおよび作成されたクローン・データベースを示します。

テスト・マスターおよびクローン・データベース

次のグラフィックは、テスト・マスター・データベースのストレージ・ボリュームを示します。

テスト・マスター・データベースのストレージ・ボリューム

次のグラフィックは、クローン・データベースのストレージ・ボリュームを示します。

クローン・データベースのストレージ・ボリューム

注意:

説明したように、ASMディスク・グループは、「シン・ボリュームの作成」オプションを使用して作成できます。ただし、他の方法を使用して作成することもできます。次の例は、EMC VMAXおよびVNXストレージ・サーバーの領域使用状況を示しています。

ストレージ・プールのサイズが1 TBで、「ストレージ上限」が1 TBに設定されているとします。

シナリオ1:

Enterprise Managerストレージ管理者が2個のASMディスク・グループを作成した場合、たとえば、「シン・ボリュームの作成」手法と「テスト・マスター・データベース」手法を使用してそれぞれサイズが125 GBおよび75 GBのDATAおよびREDOがそれらのディスク・グループに作成され、DATAおよびREDOディスク・グループで使用される領域がそれぞれ100 GBおよび50 GB (DATAおよびREDOディスク・グループ上の残りの空き領域は25 GB)の場合、セルフ・サービス・ユーザーが作成する各クローン・データベースには、DATAおよびREDOディスク・グループ上の25 GBの書込み可能領域が割り当てられます。

クローン・データベースに書き込まれる新規データは、実際に使用される領域であり、各ディスク・グループで最大25 GBに増加することがあります。このシナリオではDATAおよびREDOディスク・グループです。

クローン・データベースが200 GBのテスト・マスター・データベースから作成されると想定した場合、Enterprise Managerストレージ管理者は、「シン・ボリュームの作成」手法を使用して600 GBのLUNを作成できます。クローン・データベースのサイズも使用可能領域から差し引かれます。セルフ・サービス・ユーザーは、複数のクローンを作成できます。作成できるクローン・データベースの数は、そのストレージ・プール内の初期クローン・データベースに書き込まれる新規データの量に依存するため、見積もることができません。

シナリオ2:

Enterprise Managerストレージ管理者が2個のASMディスク・グループを作成した場合、たとえば、「シン・ボリュームの作成」手法と「テスト・マスター・データベース」手法を使用してそれぞれサイズが850 GBおよび150 GBのDATAおよびREDOがそれらのASMディスク・グループに作成され、DATAおよびREDOディスク・グループで使用される領域がそれぞれ750 GBおよび50 GB (DATAおよびREDO上の残りの空き領域は100 GB)の場合、セルフ・サービス・ユーザーが作成する各クローン・データベースには、DATAおよびREDOディスク・グループ上の100 GBの書込み可能領域が割り当てられます。

クローン・データベースに書き込まれる新規データは、実際に使用される領域であり、各ディスク・グループで最大100 GBに増加することがあります。このシナリオではDATAおよびREDOディスク・グループです。

シナリオ1と同様に、セルフ・サービス・ユーザーは複数のクローンを作成できますが、クローン・データベース数は見積もることができません。Enterprise Managerストレージ管理者は、シナリオ2で追加のディスク・グループを作成できません。これは、シナリオ1と比較した場合の大きな違いです。

どちらのシナリオでも、クローンに実際に使用される領域は、「ストレージ上限」から引かれます。書込み可能ディスク領域の一般的な計算式は、LUNサイズとデータが実際に占める領域の差です。


12.7.6.2 ストレージのアクセス権限の管理

登録されたストレージ・サーバーのストレージ・アクセス権限を管理するには、次の手順を実行します。

  1. 「ストレージ登録」ページにある「記憶域」セクションで、登録されたストレージ・サーバーのリストからストレージ・サーバーを選択します。


    注意:

    ストレージ登録ページには、VIEW_STORAGE権限を持つデータベースのみが表示されます。

  2. 「アクセスの管理」をクリックします。

    「アクセスの管理」ボタン
  3. 「アクセスの管理」ページで、次の手順を実行します。

    • 登録されたストレージ・サーバーの所有者を変更する必要がある場合は、「変更」をクリックします。


      注意:

      登録されたストレージ・サーバーの所有者は、ストレージ・サーバーのすべてのアクションを実行して、権限およびロールを他の管理者に付与できます。

      「アクセスの管理」の「変更」ボタン
    • 「権限の追加」をクリックして、管理者、ロールまたは両方に権限を付与します。

    • 「権限の追加」ページで、管理者名を入力するか、タイプを選択して、「実行」をクリックします。

    • 管理者またはロールのリストから管理者を選択して、「選択」をクリックします。

  4. 「アクセスの管理」ページで、「権限受領者」列から管理者またはロールを選択し、「権限の変更」をクリックして、管理者またはロールの権限を変更できます。

  5. 「権限の変更」ダイアログ・ボックスで、次の3つの権限のいずれかを選択できます。

    • ストレージの表示(ストレージを表示する機能)

    • ストレージの管理(ストレージを編集する機能)

    • フル・ストレージ(ストレージを編集または削除する機能)

    「OK」をクリックします。

  6. 「権限受領者」列から管理者を選択し、「権限の取消し」をクリックして、管理者への付与を取り消すこともできます。

  7. 管理者またはロールへの権限の付与、取消しまたは変更を完了したら、「発行」をクリックします。


注意:

ストレージ・サーバーを使用できるようにするには、ユーザーへのストレージ・サーバーおよびストレージ管理エージェント資格証明に、具体的に権限を付与する必要もあります。

12.7.6.3 ストレージ登録の概要と階層の表示

ストレージ登録の概要を表示するには、ストレージ登録ページの「詳細」セクションで、「概要」タブを選択します。「概要」には、ストレージ使用状況の概要が表示されます。また、「スナップ・クローンのストレージ保存」グラフが表示され、データベースをスナップ・クローンとして作成した場合とスナップ・クローンを使用しない場合を比較して、節約された領域の合計が示されます。


注意:

スペース・ギャランティが設定されていないNetAppボリュームがある場合、「概要」タブには負の値の割当て領域が表示されます。ギャランティを「ボリュームギャランティ」に設定して、このことを回避します。

ストレージ登録ページの「概要」タブ

ストレージ登録の階層を表示するには、ストレージ登録ページの「詳細」セクションで、「階層」タブを選択します。ここには、次の間のストレージの関係が表示されます。

  • テスト・マスター・データベース

  • データベース・プロファイル

  • スナップ・クローン・データベース

  • スナップ・クローン・データベース・スナップショット

任意の行を選択すると、対応するボリュームまたはスナップショットの詳細が表示されます。

ストレージ登録ページの「階層」タブ

データベース・プロファイルまたはスナップ・クローン・データベースの作成に失敗し、エンティティをそれぞれのユーザー・インタフェースから削除できない場合、「削除」ボタンをクリックして記憶域の管理ページにアクセスします。このページから、ボリュームをマウント解除して、作成されたスナップショットまたはボリュームを不完全なデータベース・プロファイルまたはスナップ・クローン・データベースから削除するプロシージャを送信できます。


注意:

記憶域の管理ページでは、ストレージ・エンティティのクリーンアップのみが処理され、データベース・プロファイルまたはターゲット情報はリポジトリから削除されません。

「削除」ボタンは、FULL_STORAGE権限がある場合にのみ有効になります。


右パネルの「プロシージャ・アクティビティ」タブを選択して、該当ストレージ・エンティティに対して実行されるすべてのストレージ関連プロシージャを表示することもできます。

NFSエクスポートを表示するには、「ボリューム詳細」タブを選択します。「表示」「列」NFSエクスポートの順に選択します。

「階層」タブの下の「ボリューム詳細」タブには「同期」ボタンもあります。これにより、同期ターゲット・デプロイメント・プロシージャを発行できます。デプロイメント・プロシージャは、特定のターゲットとそのホストのメトリックの収集、ターゲットで使用されるボリュームの判断、最新情報の収集およびストレージ登録データ・モデルの更新を行います。ターゲットが最後に変更されたとき、データ・ファイルが別の場所に追加されたときなどに使用できます。

12.7.6.4 ストレージ・サーバーの編集

ストレージ・サーバーを編集するには、「ストレージ登録」ページでストレージ・サーバーを選択し、「編集」をクリックします。ストレージ編集ページで、次の操作を実行できます。

  • 別名の追加または削除。

  • ストレージ・サーバーに対して操作を実行するために使用できるエージェントの追加、削除または選択。

  • ストレージ詳細をハードウェアと同期化する頻度の指定。


注意:

ストレージ・サーバーを編集するための資格証明を所有していない場合、「資格証明のオーバーライド」チェック・ボックスが「ストレージ」および「ストレージを管理するエージェント」セクションに表示されます。チェック・ボックスを選択して、同じ資格証明を使用するか、資格証明をオーバーライドするかを選択できます。