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Oracle Application Management Pack for Oracle E-Business Suiteガイド
リリース12.1.0.2.0
部品番号E52969-01
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パッチ・マネージャ

概要

パッチ・マネージャでは、単一のコンソールからOracle E-Business Suiteインスタンス全体にパッチをデプロイできます。パッチ実行定義を作成してそれを複数のインスタンスで複数回実行でき、パッチ・プロシージャをコピーしてそれをビジネス・ニーズに応じて変更できます。また、パッチ実行の詳細に簡単にアクセスし、必要に応じてエラーを修正して、パッチ実行を継続できます。

主要機能

パッチ・マネージャ

パッチ・マネージャを使用して次のことができます。

この機能の診断テストの詳細は、「パッチ・マネージャの診断テスト」を参照してください。

パッチ・マネージャのホーム

パッチ・マネージャのホームページには、パッチ・デプロイメント・プロシージャの概要が記載されています。このページには、Oracle E-Business Suiteリリース12.1以前のパッチ実行に関するリージョン、およびリリース12.2のパッチ・デプロイメント・プロシージャに関連するリージョンがあります。「ページのパーソナライズ」アイコンを使用してこのページをパーソナライズして、ページのリージョンを非表示、表示または並替えできます。たとえば、主としてリリース12.2ターゲットにパッチ適用している場合、「オンライン・パッチ」リージョンを最初に表示し、中断実行およびカットオーバー実行リージョンも同様に表示するようページをパーソナライズできます。

表示されるページには、デフォルトで次のリージョンが表示されます。

2つの他のリージョンが使用できますが、デフォルトで非表示になっています。これらのリージョンは、リリース12.2のデプロイメント・プロシージャに関連するものです。

図の説明は本文にあります。

パッチ実行

パッチ・マネージャ・ホームのパッチ実行リージョンには、Oracle E-Business Suiteリリース12.1以前のパッチ実行とそのステータスが表示されます。

ステータスに応じてパッチ実行で様々なアクションを実行できます。

Oracle E-Business Suiteリリース12.1以前に対してパッチ実行を開始する場合、新規実行を選択します。同梱されているPatch Oracle E-Business Suiteデプロイメント・プロシージャに類似作成機能を使用している場合、新規実行をクリックすると、使用するデプロイメント・プロシージャを指定するよう求められます。それ以外の場合は、新規実行をクリックすると、パッチ実行インタビューが開始されます。

デフォルトでは、表にすべてのレコードが表示されます。ステータスごとにレコードをフィルタリングするには、「表示」リストを使用します。また、「検索」ボタンを使用して追加フィルタを適用し、表示されるレコードを制御することもできます。

オンライン・パッチ

「オンライン・パッチ」リージョンには、リリース12.2ターゲットに対するパッチ・デプロイメントが表示されます。

リリース12.2では、パッチ・マネージャでのadopパッチ適用プロセスが2つのデプロイメント・プロシージャに分類されます。最初のデプロイメント・プロシージャは、準備、適用、ファイナライズおよび潜在的にactualize_allの各フェーズを実行します。2番目のデプロイメント・プロシージャは、カットオーバー、クリーンナップおよび潜在的にfs_cloneの各フェーズを実行します。

新しいオンライン・パッチ・インタビューを開始するには、新規デプロイメントをクリックします。パッチ実行リージョンと同様に、デプロイメント・プロシージャで類似作成機能を使用している場合、使用するデプロイメント・プロシージャを指定するよう求められます。

このリージョンでは、「最新」または「すべて」でフィルタリングできます。これらを選択すると、最新のadopセッションまたはすべてのadopセッションが表示されます。

このリージョンのレコードは、親、子、孫の関係によるツリー形式で表示されます。親はターゲットで、子はadopセッション、そして孫はパッチ・デプロイメントになります。パッチ・マネージャは、単一のadopセッションで複数のパッチ・デプロイメントをサポートします。デプロイメント・プロシージャが準備フェーズから開始または実行されていない場合、デプロイメント・レコードは、保留中のADOPセッションに分類されます。

リージョンの列には次のものがあります。

パッチ・ログ

図の説明は本文にあります。

パッチ・ログ・リージョンでは、Oracle E-Business Suiteシステムのホスト全体のパッチ・ログ・ファイルにアクセスできます。

ログ・ファイルにアクセスするための手順

  1. 最初にEnterprise Managerでアクセスを許可されているOracle E-Business Suiteターゲットを選択します。

  2. ターゲットの選択後、各ホストのログ・ファイルのディレクトリとともに、個別のウィンドウでホストのリストが表示されます。

  3. このウィンドウから、ログ・ファイルを選択して、オンラインで表示するかZIPファイルとしてコンピュータにダウンロードできます。

図の説明は本文にあります。

パッチ・マネージャ・ログを確認するための前提条件

パッチ・マネージャ・ログ・ビューアにアクセスするには、すべての中間層ホストのOracle E-Business Suiteノード・ターゲットに優先資格証明を設定する必要があります。優先資格証明を設定するには、Enterprise Managerで、「設定」→「セキュリティ」→「優先資格証明」→Oracle E-Business Suiteノードの順にナビゲートします。これらの資格証明は、パッチ・マネージャを使用するために必要な資格証明に加えて必要となります。

また、パッチ・マネージャ・リクエストを生成する権限を付与されている必要があります。

詳細は、「変更管理優先資格証明の設定」および「変更管理の権限」を参照してください。

デプロイメントの中断

図の説明は本文にあります。

このリージョンは、Oracle E-Business Suite Onlineオンライン・パッチ・サイクルの中断デプロイメント・プロシージャのすべての実行を表示します。

中断の送信アイコンを使用して、中断操作を実行するためのリクエストを送信できます。このアクションでは、「オンライン・パッチ」リージョンと同様の中断リクエストが送信されます。このアクションでは、ターゲットEBSシステムadopセッションIDと、EMからのすべてのパッチ・デプロイメントのadopセッションIDを比較しません。

このリージョンはデフォルトで非表示になっています。パッチ・マネージャのホームページにこのリージョンを表示するには、ホームページで「ページのパーソナライズ」アイコンを使用します。

デプロイメントのカットオーバー

図の説明は本文にあります。

このリージョンは、Oracle E-Business Suiteのカットオーバー・デプロイメント・プロシージャのすべての実行を表示します。このリージョンはデフォルトで非表示になっています。パッチ・マネージャのホームページにこのリージョンを表示するには、ホームページで「ページのパーソナライズ」アイコンを使用します。

カットオーバーの送信アイコンを使用して、カットオーバー操作を実行するためのリクエストを送信できます。

レコードは、「表示」リストを使用してステータスごとにフィルタリングできます。保留中のパッチ・ボタンを使用すると、適用済だがカットオーバーされていないすべてのパッチが表示されます。

パッチ適用プロシージャの実行(リリース12.1以前)

オラクル社では、Oracle E-Business Suiteにパッチを適用するためのベスト・プラクティスであるパッチ適用プロシージャを提供しています。オラクル社によって作成されたプロシージャは編集できませんが、「類似作成」機能を使用してコピーできるため、ユーザーの環境に応じてプロシージャをカスタマイズできます。

パッチ適用プロシージャを実行するか、パッチ実行を作成するには、次のいずれかを実行します。

既存のパッチ実行をコピーすることもできます。ホームページで、コピーするパッチ実行を選択して「類似作成」アイコンをクリックします。

注意: パッチ実行インタビューで「戻る」ボタンを使用して前のステップに戻ることができますが、現在のページで入力した値は失われます。

前提条件

次に、パッチ適用プロシージャを実行するための前提条件を示します。

  1. OracleパッチをMy Oracle Supportから直接ダウンロードするには、「プリファレンス」ページで次のプロパティを設定する必要があります。

  2. パッチは適用時にOMSにダウンロードされます。OMSステージング・ディレクトリの場所というプロパティを、パッチのダウンロード先となるディレクトリに設定します。

    注意: パッチがすでにOMSにダウンロードされている場合、再度ダウンロードされることはありません。

    パッチは、OMSに配置された後、ターゲットOracle E-Business Suiteシステムに移動されます。この手順の例外は、システムがターゲット上にすでに存在するOracleパッチを検出した場合であり、パッチはOMSからターゲットに再度移動されません。次の章で説明するカスタム・パッチは、開発者がパッチを変更できるため、常にOMSからターゲットに移動されます。

  3. 次のプリファレンスは、デフォルトでAPPL_TOP以下にあるディレクトリに設定されています。通常は、デフォルトの場所にこれらのプリファレンスを設定しておきます。デフォルトの場所はオーバーライドできますが、ターゲット・パッチ・ディレクトリの場所が複数のOracle E-Business Suiteインスタンスで共有されないようにしてください。ターゲット・ステージング・ディレクトリの場所は、そこにアクセスするユーザーがすべてのファイルに対して読取り/書込み権限がある場合、共有できます。

    詳細は、「プリファレンスの設定」を参照してください。

  4. パッチ実行のキューイング・メカニズムの一環として、パッチ・マネージャが停止中のターゲットを待機する分数というプロパティを設定します。

    パッチ実行の実行時に、パッチ適用対象のターゲットがブラックアウト状態にあることが検出された場合、パッチ実行は停止する前にこの指定された時間だけ待機します。パッチ・マネージャは、ターゲットがブラックアウト状態から戻っているかどうかを毎分確認し、戻っていればパッチ実行を継続します。このプロパティでは、パッチ実行が失敗する前にパッチ・マネージャが待機する時間の最大長を分単位で指定します。

  5. パッチ・マネージャは優先資格証明を使用します。それらはパッチ・プロシージャの実行前に設定する必要があります。「設定」→「セキュリティ」→「優先資格証明」の順にナビゲートして設定します。必要な優先資格証明は次のとおりです。

    詳細は、「変更管理優先資格証明の設定」を参照してください。

パッチ実行を作成する手順

  1. パッチ実行の詳細ページで、次の詳細を入力します。

    図の説明は本文にあります。

  2. 「ターゲット・リスト」ページで、パッチを適用するターゲット・システムを入力します。

    図の説明は本文にあります。

    使用可能なターゲットを検索するには、「アプリケーション・システム」の下の「追加」ボタンをクリックします。「値リスト(LOV)」ウィンドウに、ターゲット名とそのリリース・レベルが表示されます。このウィンドウから目的のターゲットを選択します。注意: 選択したすべてのターゲットが同じリリース・レベルである必要があります。

    選択後、システム名が次の情報とともに「ターゲット・リスト」に表示されます。

    「すべて削除」ボタンをクリックすると、「ターゲット・リスト」からすべてのアプリケーション・システムを削除できます。

    「資格証明テスト」ボタンをクリックすると、アプリケーション・システムの優先資格証明をテストできます。

  3. 「パッチ詳細」ページで、適用するパッチの詳細を選択します。

    図の説明は本文にあります。

    次の情報が「パッチ詳細」ページに表示されます(これらは「プリファレンス」ページで設定します)。

    重要: 少なくとも、ターゲット・ホストのエージェントに対する「表示」ターゲット権限を持っている必要があります。たとえば、3つの中間層を含むOracle E-Business Suiteシステムにパッチを適用するとします。これら3つの中間層のエージェントに対する「表示」権限(またはそれ以上の権限)を持っている必要があります。

    適用するソフトウェア更新を入力します。Oracleパッチの追加を使用してオラクル社からのパッチを追加したり、カスタム・パッチの追加を使用してカスタマイズ・マネージャを通じて作成されたカスタム・パッチを追加できます。

    重要: パッチ・マネージャでカスタム・パッチをデプロイする前にインスタンス比較レポートを実行して、パッケージのテクノロジ・スタック・プロパティを、パッケージがデプロイされるインスタンスのプロパティと比較する必要があります。パッチ・マネージャは、テクノロジ・スタック・プロパティに互換性がない場合でもパッチのデプロイメントを停止しないため、インスタンス比較レポートに基づいて適切な判断を行う必要があります。

    Oracleパッチを追加するには、次の手順を実行します。

    1. Oracleパッチの追加を選択します。

    2. 「検索と選択」ウィンドウのOracle E-Business Suiteへのパッチ適用で、My Oracle Supportから1つ以上のパッチをダウンロードする場合、次の基準に基づいて検索を実行できます。

      • パッチ番号

      • プラットフォーム: 「任意」(すべてのプラットフォームに対応するパッチが返されます)または「汎用」(パッチがポート固有ではない場合)。

        特定のプラットフォーム用のパッチを検索する場合、プラットフォーム固有のパッチが存在しないと、検索結果では「汎用」プラットフォーム・パッチが返されます。

      • 言語: すべてのインストール済言語では、選択したターゲットにインストールされているすべての言語に対してベース(汎用またはプラットフォーム固有)・パッチと任意の言語パッチ(存在する場合)が返されます。ドロップダウン・リストから特定の言語を選択すると、その言語パッチ(存在する場合)とベース・パッチが返されます。

      「簡易検索」を選択し、パッチ番号に基づいて単純な検索を実行することもできます。

      検索結果には、見つかったパッチごとに次の情報が含まれます。

      • パッチ番号

      • プラットフォーム

      • バージョン

      • 言語

      • 説明

      • 包含または置換

      OMSの場所からパッチをデプロイする予定の場合、「検索」ウィンドウには、「プリファレンス」ページのOMSステージング・ディレクトリの場所に指定されたディレクトリに存在するパッチに基づいて値リストが表示されます。

      目的のパッチを選択し、「選択」をクリックするとメイン・ウィンドウに戻ります。

    注意: ステージングの場所にすでにパッチがダウンロードされていても、「検索と選択: Oracleパッチの追加」ウィンドウを通じて目的のパッチを検索する必要があります(ただし、プロセスではパッチの再ダウンロードは行われません)。

    カスタム・パッチを追加するには、次の手順を実行します。

    1. カスタム・パッチの追加を選択します。

    2. 「検索と選択」ウィンドウで、次の基準に基づいて検索を実行できます。

      • パッチ番号

      • パッチ名

      • 説明

      • 作成者

      • バージョン

      • 言語

      検索結果には、見つかったパッチごとに次の情報が含まれます。

      • パッチ番号

      • パッチ名

      • バージョン

      • 言語

      • 説明

      • 作成者

      目的のパッチを選択し、「選択」をクリックするとメイン・ウィンドウに戻ります。パッチのリストが提供されます。

    複数のパッチを選択した場合、表の一番上にパッチのマージ・チェック・ボックスが表示されます。

    注意: 非ADパッチとは別にADパッチをマージする必要があります。

    表のパッチごとに次の情報が表示されます。

    注意: 制御リリース・パッチのダウンロードにはパスワードが必要です。パスワードを入力する列が表示されます。パスワードは設定した期間を超えると期限切れになるため、将来にスケジュールされたデプロイメントでは、パッチをダウンロードしてステージング済であることを確認してください。

    最後に、「前提条件の確認」ボタンを使用してパッチの前提条件を確認します。

  4. パッチ・オプションを指定します。

    図の説明は本文にあります。

    パッチの適用方法の詳細を指定します。

    これらの多くのオプションの詳細は、Oracle E-Business Suiteパッチ適用プロシージャおよびOracle E-Business Suiteメンテナンス・ユーティリティを参照してください。

    パッチ適用プロシージャ・オプションには、次のオプションが含まれます。

    AutoPatchオプションには、次のオプションが含まれます。

    AD管理オプションは次のとおりです。これらのタスクを実行して、データベース・オブジェクト(Oracle E-Business Suiteに関連するデータベース内のデータベース・オブジェクトまたはデータ)を管理します。たとえば、パッチによって、新しいメニュー・エントリが追加されたり、フレックスフィールドの設定が変更されることがあります。

    「通知」リージョンに、通知を希望するステータスを指定します。

  5. パッチ適用のスケジュールを指定します。

    図の説明は本文にあります。

    パッチを即座に適用するか、後日適用するかを選択できます。

    スケジュール・タイプとして「即時」を選択した場合、パッチは即座に適用されます。

    「後で」を選択した場合、パッチを適用する日時を指定できます。「タイムゾーン」、「日付」および「時間」を指定します。

    「猶予期間」も指定できます。「無期限」の猶予期間を選択すると、なんらかの理由でパッチを即座に適用できない場合、可能なかぎり早くその適用が試行され、それが無期限に繰り返されます。特定の時間数および分数の後に猶予期間を終了するように指定して猶予期間を定義すると、その期間の経過後はパッチが適用されなくなります。

    ブラックアウトの長さは、ターゲット・システムがEnterprise Managerでブラックアウト・ステータスになる時間を示します。この長さは、大規模なパッチ実行のために比較的大きな値に設定します。

  6. パッチ実行を確認します。

    図の説明は本文にあります。

    「確認」ページでは、パッチ実行の詳細、ターゲット・リスト、パッチの詳細、パッチ適用オプションおよびスケジュールを確認できます。

Oracle E-Business Suiteリリース12.2用パッチ・デプロイメント・プロシージャの作成

パッチ・デプロイメントを作成する手順

  1. 「デプロイメントの詳細」ページで、次の詳細を入力します。

    図の説明は本文にあります。

  2. 「パッチ詳細」ページで、適用するパッチを検索します。

    図の説明は本文にあります。

    次の基準に基づいてパッチを検索できます。

    注意: ステージングの場所にすでにパッチがダウンロードされていても、「検索」リージョンを通じて目的のパッチを検索する必要があります(ただし、プロセスではパッチの再ダウンロードは行われません)。

    検索動作では、次を検索します。

    パッチのマージ・オプションを選択すると、後でadopを実行するときにパッチをマージできます。

    「前提条件の確認」オプションを選択すると、My Oracle Support (MOS)に接続し、選択したすべてのパッチの前提条件をチェックし、次にターゲット・システムをチェックして、これらのパッチが適用されているかどうかを確認できます。このオプションを使用するには、「プリファレンス」ページでパッチについてMy Oracle Supportに接続を有効にする必要があります。

    パッチ・アプリケーションの順序は、「上に移動」および「下に移動」矢印をクリックして修正できます。

    このページではパッチを選択する必要がないことに注意してください。リリース12.2では、準備、ファイナライズ、カットオーバーおよびクリーンナップのみが実行される空のパッチ・サイクルが、パッチ・マネージャでサポートされます。

    「パッチ検索結果」表に各パッチに関する次の項目が表示されます。

    「追加」アイコンをクリックして、パッチ・デプロイメントにパッチを追加します。パッチは、「選択したパッチ」表に表示されます。

    表のパッチごとに次の情報が表示されます。

  3. パッチ・オプションを指定します。

    図の説明は本文にあります。

    Oracle E-Business Suiteリリース12.2では、adopパッチ適用プロセスには、2つのデプロイメント・プロシージャが必要です。最初のデプロイメント・プロシージャは、準備、適用、ファイナライズおよび潜在的にactualize_allの各フェーズを実行します。2番目のデプロイメント・プロシージャは、カットオーバー、クリーンナップの各フェーズを実行し、さらにfs_cloneフェーズを実行する可能性があります。

    「オプション」ページで、これらのデプロイメント・プロシージャをいつ実行するか決定できます。最初のデプロイメント・プロシージャ(adop準備、適用、ファイナライズおよび潜在的なactualize_allを実行)は、送信後またはスケジュール後すぐに開始されます。「スケジュール」オプションが選択されている場合、日付フィールドが動的に表示されます。猶予期間とは、Enterprise Managerジョブ・システムがデプロイメント・プロシージャを設定時刻に開始できない場合、Enterprise Managerが待機する必要がある時間です。

    パッチの適用方法の詳細を指定します。

    パッチ・アプリケーション・デプロイメント・プロシージャ

    次の開始オプションを指定します。

    「準備」フェーズには、準備後一時停止を選択します。このオプションは、adop準備フェーズが実行されてから、デプロイメント・プロシージャの実行を停止します。ユーザーは、Enterprise Managerの一時停止を手動で認識し、次の手順を続行する必要があります。

    「適用」フェーズには、適用後一時停止を指定します。このオプションは、adop適用フェーズが実行されてから、デプロイメント・プロシージャの実行を停止します。ユーザーは、Enterprise Managerの一時停止を手動で確認し、手順を続行する必要があります。

    「適用」フェーズには、すべてのオブジェクトを現実化を指定します。このオプションは、adop actualize_allフェーズを実行します。このオプションが選択されている場合、クリーンナップ・モードが「フル」に切り替わります。

    「適用」フェーズには、ホットパッチを指定します。このオプションは、他のすべてのadopフェーズを無効にし、ホットパッチ・モードでadopを実行します。このオプションは、パッチのREADMEに明確に記載されていないかぎり、サポートされません。また、このオプションが選択されている場合、パッチ・マネージャに警告メッセージが表示されます。

    ファイナライズ・フェーズには、ファイナライズ・モードを指定します。このオプションは、クイックまたは「フル」モードでadopファイナライズ・フェーズを実行します。

    ファイナライズ後一時停止を指定します。このオプションは、adopファイナライズ・フェーズが実行されてから、デプロイメント・プロシージャの実行を停止します。ユーザーは、Enterprise Managerの一時停止を手動で確認し、手順を続行する必要があります。

    カットオーバー・デプロイメント・プロシージャ

    カットオーバー・オプションを指定します。

    カットオーバー・デプロイメント・プロシージャには、3つの実行オプションがあります。

    カットオーバー・オプションは、すぐに開始したり、前述のようにスケジュールできます。この場合、即時開始とは、適用デプロイメント・プロシージャの実行直後を意味します。ユーザーがこのデプロイメント・プロシージャをスケジュールし、適用デプロイメント・プロシージャがスケジュールされた日以降も実行している場合、適用デプロイメント・プロシージャはカットオーバーの送信試行時に失敗します。カットオーバー・デプロイメント・プロシージャは、カットオーバーしないオプションを指定することにより完全にスキップすることもできます。カットオーバーしないは10人の開発者が単一ターゲットをパッチしており、真夜中にインスタンスをバウンスさせたい場合の開発環境で有用です。その他の例としては、前提条件パッチが欠落している場合が挙げられます。ユーザーは前提条件が欠落した状態でファイナライズまでパッチ実行を行い、その後、オリジナルの失敗したデプロイメント・プロシージャを再起動できます。

    Enterprise Managerジョブ・システムが設定時間にデプロイメント・プロシージャを開始できない場合に、Enterprise Managerを時間制限なく待機させるには、無期限のカットオーバー猶予期間ボックスを選択します。

    カットオーバー・フェーズでは、デフォルトで中間層の再起動が選択されています。カットオーバーを実行する場合、このオプションが中間層を再起動するかどうかを制御します。

    カットオーバー後一時停止オプションは、adopカットオーバー・フェーズが実行されてから、デプロイメント・プロシージャの実行を停止します。ユーザーは、Enterprise Managerの一時停止を手動で確認し、手順を続行する必要があります。

    クリーンナップ・フェーズでは、クリーンナップ・モードをクイックまたは「フル」で実行するかどうかを選択します。

    FSクローンには、フル・ファイル・システム同期機能を実行するかどうかを指定します。

    通知

    「通知」リージョンに、通知の送信を希望するステータスを指定します。ボックスが選択され、適用またはカットオーバー・デプロイメント・プロシージャのいずれかがそのステータスとなった場合、ユーザーは指定したステータスの通知を受け取ります。

    通知のステータスは次のとおりです。

  4. デプロイメント・プロシージャを確認します。

    図の説明は本文にあります。

    「確認」ページでデプロイメント・プロシージャの詳細を確認できます。

パッチ実行のコピー

既存のパッチ実行をコピーして、その一部の機能を変更することや、パッチまたはターゲットの変更に応じて再実行することができます。これを行うには、パッチ・マネージャ・ホーム・ページでパッチ実行を選択して、「類似作成」アイコンをクリックします。

図の説明は本文にあります。

新しいパッチ実行を作成する場合のようにシステムによってパッチ実行の作成ページに移動されますが、ほとんどの値は元のパッチ実行からコピーされています。次のことに注意してください。

パッチ・マネージャ・デプロイメントの拡張

パッチ・マネージャ・プロシージャは、次の手順に従ってデプロイメント・プロシージャ・マネージャを使用することで拡張できます。これらの手順では、既存のプロシージャのコピーを作成して、それをデプロイメント・プロシージャ・マネージャで拡張します。

  1. 「エンタープライズ」メニュー→「プロビジョニングとパッチ適用」→「プロシージャ・ライブラリ」の順にナビゲートします。

  2. Oracle E-Business Suiteの次の2つのパッチ適用プロシージャでは拡張機能がサポートされています。

    注意: 拡張機能はカットオーバーおよび中断のデプロイメント・プロシージャではサポートされていません。

  3. 「類似作成」ボタンをクリックします。

  4. 必要に応じて元のプロシージャのコピー名を変更します。ここで他の更新を行うこともできます。

  5. 新しいプロシージャを保存します。

  6. 保存時に、デプロイメント・プロシージャ・マネージャ・プロシージャ・タブが表示されます。新しいプロシージャが最初にリストされます。このプロシージャを選択して「編集」をクリックし、ステップの追加、通知の選択、または他の変更を行うことができます。たとえば、Oracle E-Business Suiteへのパッチ適用の付属プロシージャのコピーにステップを追加して、パッチ前のアプリケーション層バックアップ、パッチ後のデータベース層バックアップ、またはパッチ後のアプリケーション層バックアップの各ステップを自動化できます。

デプロイメント・プロシージャ・マネージャおよびEnterprise Managerでのプロビジョニングの詳細は、次のようなEnterprise Managerのドキュメントを参照してください。

ロギング、ヘルス・チェックおよびトラブルシューティング

この項では、パッチ・マネージャ内のロギング、ヘルス・チェックおよびトラブルシューティング機能について説明します。

パッチ・ログへのアクセス方法

ログ・ファイルへの主なアクセス方法では、パッチ・マネージャ・ホーム・ページのパッチ・ログ・リージョンにあるログ・ビューアを使用します。「パッチ・ログ」を参照してください。

別の方法では、オンライン・パッチ適用デプロイメント・プロシージャの実行の手順にドリルダウンして、ログを確認できます。

失敗したワーカーを再起動する方法

Oracle E-Business Suiteリリース12.1以前のターゲットには、次の手順を使用します。

  1. 「パッチ実行の表示」の方法を使用してパッチ実行にナビゲートします。

  2. パッチ実行名をクリックします。

  3. adpatchステップをクリックします(パッチの適用)。

  4. 失敗したターゲットのチェック・ボックスを選択します。

  5. 「更新と再試行」をクリックします。

  6. パラメータrestart_workersを「はい」に変更して「再試行」をクリックします。

注意: これらの手順は、失敗したワーカーがある場合にADパッチ・ログにもリストされます。

Oracle E-Business Suiteリリース12.2以上のターゲットでは、デプロイメントにナビゲートする以外は前述と同様の手順を使用して、adop適用フェーズ手順に移動します。失敗したターゲットのチェック・ボックスを選択して、「更新」をクリックし、パラメータrestartを「はい」に変更し「再試行」をクリックします。

  1. デプロイメントにナビゲートし、それを選択します。

  2. adop適用フェーズをクリックします。

  3. 失敗したターゲットのチェック・ボックスを選択します。

  4. 「更新と再試行」をクリックします。

  5. パラメータrestartを「はい」に変更して「再試行」をクリックします。

パッチ実行パージ・ポリシーへのアクセス方法

Enterprise Managerはパッチ・マネージャのデプロイメント・プロシージャ実行データを定期的にパージします。これにより、古いパッチ実行はパッチ・マネージャでアクセスできなくなります。パージの頻度を変更するには、SYSMANとしてリポジトリに接続して次のPL/SQLブロックを実行します。

BEGIN
    MGMT_JOBS.drop_purge_policy('SYSPURGE_POLICY');
    MGMT_JOBS.register_purge_policy('SYSPURGE_POLICY', <number of days>,
null);
END;

パッチ・マネージャ・デプロイメントの失敗のトラブルシューティング

ログ・ファイルへのアクセスには、パッチ・マネージャ・ホーム・ページのパッチ・ログ・リージョンにあるログ・ビューアを使用します。「パッチ・ログ」を参照してください。

Enterprise Managerプロビジョニング機能を使用してエラーを見付けるには、次の操作を実行します。

  1. パッチ・マネージャ・ホーム・ページでパッチ実行またはデプロイメントを検索します。

  2. パッチ実行またはデプロイメントのステータス・リンクをクリックします。

    プロビジョニング中の「デプロイメント・プロシージャ・マネージャ」の「プロシージャ・アクティビティ」タブが表示されます。

  3. 失敗したパッチ実行またはデプロイメントの「ステータス」リンクをクリックします。

  4. パッチ実行またはデプロイメントのプロシージャ手順のリストが表示されます。ドロップダウン・リストを使用して表示された手順をフィルタリングします。たとえば、「失敗した手順」を選択して失敗した手順を確認します。これらの手順の詳細情報が表示されます。

ヘルス・チェック

パッチ・マネージャは、各サーバー(リスナー、Formsサーバー、Apache Webサービスおよび内部コンカレント・マネージャ)の停止と起動を検証します。