Oracle® Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド 12c リリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64 E61771-02 |
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この章では、KPI概要機能の使用方法について説明します。具体的には、レポートされるKPIの外観を制御する方法、ならびにKPIをドリルダウンすることで、KPIを構成するステータス、および生成されるアラートに関する詳細情報を表示する方法について説明します。また、KPI相関機能およびアラート・リストの使用方法についても説明します。このタブを表示するには、少なくとも「概要」アクセス・レベル権限が必要です。ユーザーのアクセス・レベル権限については、14.2項「ユーザー・アカウントのロールと権限の概要」に記載されています。
KPI概要機能でユーザーが表示できるKPIは、そのユーザーが許可されている情報範囲によって異なります(14.7項「モジュールにおける許可データの有効範囲の管理」を参照)。許可されているKPIのステータスを確認するには、「KPIの概要」タブをクリックします。ここでは、スナップショットが直感的かつ状況把握に役立つ形式で示されます。例を図6-1に示します。
この概要には、各カテゴリ内のKPIの現在のステータスのサマリーがただちに表示されます。「完全」アクセス・レベル権限がある場合は、カテゴリが組織の特定の要件を反映するよう自由に構成でき、各カテゴリには関連するパフォーマンス・インジケータを含めることができます。たとえば、可用性の問題、パフォーマンスまたはビジターのトラフィックなど、組織内の運用の個々の項目を別々のカテゴリに構成できます。
また、ツールバーの「新規KPI」をクリックし、追加のKPIを作成することもできます。KPIの作成手順の詳細は、7.2項「KPIおよびSLAの定義」に記載されています。
定義済カテゴリを表示するには、「KPIの概要」タブ→「概要」を選択します。「概要」カテゴリは、権限があるKPIの最上位ビューを示す特殊な表示カテゴリです。ここでは、他の全KPIカテゴリの簡潔なサマリーが示されるのみでなく、表示された情報をドリルダウンすることで個々のKPIにもアクセスできます。
特定のKPIカテゴリを表示するには、目的のカテゴリをクリックします。または、目的のカテゴリを右クリックした後、コンテキスト・メニューから「開く」または「新規ウィンドウで開く」を選択します。後者のオプションは、グラフを全画面で表示する場合や、複数のKPIカテゴリを同時に表示するため複数のウィンドウをサイズ変更して整列する場合に特に便利です。
KPI概要は、メーターとグラフの2タイプで表示できます。図6-1は、メーターによる概要の例です。この形式では、選択したKPIがアナログ・メーターで表示されます。より詳しい表示が必要な場合は、直近の90分間のKPIに関する情報を示すグラフ形式を選択できます。例を図6-2に示します。
この表示では、縦軸が適切な範囲に自動的に調整され、表示が最適化されます。希望の表示形式を選択するには、「KPIの概要」メニューから「表示形式」オプションを選択し、希望の形式を選択します。
グラフ表示形式では、ズーム・インおよびズーム・アウトを行い、グラフを表示する対象となる期間を変更できます。保存されている履歴情報に応じて、時間単位や日単位へのズーム・アウトが可能です。グラフの形式が棒グラフから線グラフに自動的に変更されます。例を図6-3に示します。
「KPIの概要」メニューから「ターゲットのないKPIを含む」オプションを選択すると、ターゲットが定義されていないKPIを、現在表示されているカテゴリに対して追加または除外できます。KPIに設定されているすべてのターゲットがグラフに表示されます。0のベースラインから設定済の最小ターゲットまでが最小ターゲットとして、KPIグラフの最上部から設定済の最大ターゲットまでが最大ターゲットとして表示されます。例を図6-3に示します。
また、グラフ内では、次のカラー・コードを使用して、ターゲットに関する情報が表示されます。
青: KPIにはターゲットは設定されていません。
緑: 現在選択されている期間のKPIは、設定されたターゲットの範囲内です。
赤: 現在選択されている期間のKPIは、設定されたターゲットの範囲外です。
例を図6-4に示します。
監視中に収集されたデータは、まず、コレクタ・システムに格納されているログ・ファイルに書き込まれます。これらのファイルは、レポータ・システムによって処理され、KPIの追跡に使用されます。なんらかの理由でこれらのログ・ファイルの1つ以上の生成が遅れてレポータ・システムで処理できない場合、KPI概要には、KPIが不完全なデータに基づいていることが示されます。例を図6-5に示します。
不完全なデータに基づく期間は、境界が点線で示されます。さらに、マウス・カーソルをその上に置くと、欠落しているデータのレベルに関する情報が表示されます。
概要とは、あるカテゴリ内のKPIのサマリーであり、各概要をドリルダウンすると、基となるKPIに関する詳細情報を表示できます。それには、KPIのタイトルを右クリックし、図6-6に示すメニューを選択します。
表6-1に示すオプションがあります。
表6-1 KPIのコンテキスト・メニュー・オプション
オプション | 説明 |
---|---|
関係付け |
選択したKPIの所定期間における変動を、他のKPIおよびパフォーマンス・メトリックと比較できます。この詳細は、6.2項「KPIの変動の比較」に記載されています。 |
編集 |
KPIの定義を変更できます。設定の詳細は、7.2項「KPIおよびSLAの定義」に記載されています。 |
名前の変更 |
選択したKPIの名前変更や、別のカテゴリへの移動が可能です。 |
コピー |
選択したKPIをコピーできます。これは、既存のKPIを新規KPIのベースとして使用する場合に役立ちます。詳細は、7.3.1項「既存のKPIのコピー」を参照してください。 |
ダッシュボードに追加 |
現在選択しているKPIを指定したダッシュボードに追加します。この機能は、第5章「ダッシュボードの使用」に記載されています。 |
アラート履歴の表示 |
選択したKPIに対して生成されたアラートをリストしたウィンドウが開きます。この詳細は、6.1.7項「アラート・ログの使用」に記載されています。 |
目的のKPIをクリックするか、またはメニューから「アラート履歴の表示」オプションを選択すると、KPIに対して生成されたアラート通知の詳細を示すウィンドウが開きます。例を図6-7に示します。
各アラートに関する情報は、そのアラートをクリックすると表示されます。ここでは、アラートで通知されたユーザーや通知方法などの情報が示されます。これは、7.5項「アラート・スケジュールの定義」で説明されているとおり、基礎となるアラート・プロファイルに基づきます。
KPIの相関機能では、選択したKPIの所定期間における変動を、同じ期間中の他のKPIおよびパフォーマンス・メトリックと比較できます。これにより、パフォーマンス上の問題点を見極め、関連する症状、およびそれに対して考えられる原因を特定できます。比較に含まれる特定のKPIは、現在定義されているKPIのアクセス・タイプ定義と、ユーザー・プロファイルで表示が許可されているアプリケーション、スイートおよびサービスによって異なります。
この機能を使用するには、「相関」構造からKPIを選択します。または、「概要」構造からKPIを選択し、図6-6に示すコンテキスト・メニューから「関係付け」を選択します。図6-8に示すような画面が表示されます。
左矢印および右矢印コントロールを使用して、表示される履歴を変更してから、グラフ上部のコントロールを使用して目的の期間を指定します。期間は、1時間から6時間の範囲から選択できます。「範囲の適用」をクリックし、一致したメトリックを表示します。
「KPI」タブには、現在定義されているKPIのうち、指定した期間の変動が、選択したKPIのものに一致する全KPIがリストされます。他のタブ(「すべてのページ」や「遅いURL」など)には、関連付けられているデータ・ブラウザ・グループのうち、選択期間における当該KPIの変動に一致するメトリックがリストされます。これらのタブが表示されるかどうかは、選択したKPIと、インストールされているスイート・パッケージによって異なります。データ・ブラウザ・グループ(たとえば「失敗したページ」など)内にKPIの基となるメトリックが存在する場合、そのグループは「KPI相関」パネルにタブとして表示されます。
指定した期間は、新規KPIの選択時にも保持されます。新しい期間を指定するには、「期間の選択のリセット」をクリックし、前述の時間選択コントロールを使用して目的の新しい期間を指定し、タブをクリックして、見つかった一致を表示します。
6.1.5項「不完全なデータの使用」で説明したように、不完全なデータに基づくレポート対象期間は、境界が点線で表示されます。ただし、KPI概要と異なり、マウス・カーソルをその上に置いても、欠落しているデータのレベルは表示されません。
見つかった一致のドリルダウン
前述のように、選択したKPIに対して見つかった一致は、該当するデータ・ブラウザ・グループのタブでレポートされます。見つかった一致は、相関が90%以上の場合にのみレポートされます。例を図6-9に示します。
一致したメトリックの右にある「参照」アイコンをクリックすると、データ・ブラウザ(第3章「データ・ブラウザの使用」を参照)が開き、基となるデータを調べることができます。メトリックに相関がない場合もレポートされます。
「KPIの概要」→「アラート」の順に選択すると、KPIが指定の範囲を外れたときに生成されたすべてのアラートの完全なリストを表示できます。たとえば、ユーザーのホーム・ページの閲覧者数が1時間当たり100名を下回った場合などです。例を図6-10に示します。
アラート・リストの左側に示されるアイコンについて、図6-11で説明します。
アラート・リストの上にあるコントロールを使用すると、表示されるリストを制限できます。特定のKPI、月、日または時間に対するフィルタリングが可能です。図6-12にこれを示します。
「KPI」メニューに表示されるメトリックのリストは、アラートが生成されたKPIに指定されているメトリックによって異なります。
表示されたリスト内のアラートをクリックすると、その詳細を表示できます。例を図6-13に示します。
これは、失敗したページ・ビューの数に関するアラートを示しています。KPIの範囲は0から10ページ・ビュー/分ですが、これが14.20に達しています。「テキスト・メッセージ」/「SNMP」/「電子メール」の各タブには、通知先ユーザーと、使用された連絡先情報がリストされます。通知を受けて、担当のスタッフ・メンバーは、クライアント・トラフィックの激減に対して考えられる原因の調査を開始できます。
「解析」タブをクリックして、選択したKPIに関連付けられているKPIの詳細情報を表示します。例を図6-14に示します。
「実行」コマンド・ボタンを使用して、アラートの関連付けられたKPIの変動と他のKPIおよびパフォーマンス・メトリックを比較します。この機能の使用方法は、6.2項「KPIの変動の比較」に記載されています。「データ・ブラウザ」メニューを使用して、選択されたグループ内でKPIのフィルタが事前に選択されたデータ・ブラウザを開きます。