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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
12cリリース1(12.1.0.1)
B65086-03
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27 発生データ移行ジョブのステータスの追跡


注意:

この章は、2システム・アップグレード方式のみに適用されます。

この章の内容は次のとおりです。

発生データ移行の概要

発生データ移行は、旧リリースのOracle Management Repository(管理リポジトリ)に格納されている発生データをアップグレード後の管理リポジトリに移行する、アップグレード後アクティビティの1つです。発生データは、ブラックアウト、アラート、イベント、メトリックなどの機能領域に関連しています。


注意:

発生データ移行プロセスでは、手動で作成したデータ(新しいジョブ・タイプ、ユーザー定義メトリック、ソフトウェア・ライブラリ関連の変更など)は移行されません。

この移行アクティビティは基本的に、旧リリースのOracle Management Agent (管理エージェント)がOracle Management Agent 12cにスイッチオーバーされた直後、特に2システム・アップグレード方式の場合に、バックグラウンドで実行されるEnterprise Managerのジョブです。

アップグレード・プロセスの一部として、旧リリースのOracle Management AgentをOracle Management Agent 12cにスイッチオーバーするとき、新しい管理エージェントはEnterprise Manager Cloud Controlとの通信を開始し、アップグレード後のOracle Management Repository(管理リポジトリ)へのデータのアップロードを開始します。

1システム・アップグレード方式の場合、Enterprise Managerシステムの全体がアップグレードされるため、管理エージェントはすべて任意の時点でスイッチオーバーされます。この方式では、旧リリースの管理エージェントがアップグレード後の管理エージェントと共存できないため、いったんスイッチオーバーすると、アップグレード後の管理エージェントは1つの管理リポジトリ、つまりアップグレード後のリポジトリにしかデータをアップロードしません。したがって、発生データには対応しないことになります。

これに対して、2システム・アップグレード方式の場合には、管理エージェントへの段階的なスイッチオーバーを選択できます。一方の管理エージェント・セットをスイッチオーバーすると、それらのホストおよびターゲットに関するデータがアップグレード後の管理リポジトリにアップロードされ始めますが、もう一方の管理エージェント・セットはまだスイッチオーバーされていないため、それらのホストおよびターゲットに関するデータは引き続き古い管理リポジトリにアップロードされます。したがって、一部の管理エージェントのみがスイッチオーバーされた場合には、旧リリースの管理エージェントとアップグレード後の管理エージェントが共存することになり、そのような状況では、データは新しい管理リポジトリと同時に古い管理リポジトリにもアップロードされます。ただし、常に1つの管理エージェントのみが1つのホストを表すため、この共存は、同じホストに2つの管理エージェントがあるという意味ではありません。ホストを監視する旧リリースの管理エージェントが、別のホストを監視するアップグレード後の管理エージェントと共存することのみを意味します。

次のフェーズで次のセットの管理エージェントをスイッチオーバーすると、アップグレード後の管理リポジトリにデータがアップロードされ始めますが、スイッチオーバー以前に古い管理リポジトリにアップロードされていたデータも、古い管理リポジトリに残されます。このデータを発生データと呼び、古い管理リポジトリから新しい管理リポジトリへ発生データを移行するプロセスを発生データ移行プロセスと呼びます。


注意:

発生データ移行ジョブではECM履歴データが移行されますが、次の例外があります。
  • Enterprise Managerシステムに含まれなくなったターゲットにECM履歴データが関連付けられている場合、そのターゲットのECM履歴データはEnterprise Manager Cloud Controlに移行されません。

  • Oracle WebLogic Serverターゲットでは、WebLogic構成データは移行されません。この構成データは、Enterprise Manager Cloud Controlで大幅に変更されています。

  • 現在、データ移行プロセスの一部としてサマリー数が計算され、ECMサマリー・リージョンに表示されます。移行されるデータのサマリー数は、過去7日分のみ計算されます。

以前表示されたキー値が表示されなくなったり、キー値として新しい値が表示されても、これは予期される動作です。旧リリースで一部のスナップショットにメターデータの変更があったため、キー値が変更されています。メタデータからメタデータ・キーが削除された場合、移行されたデータベースにデータは存在しますが、それらの値はEnterprise Manager Cloud Controlではキー列として表示されなくなります。既存の列が現時点でキー列としてフラグ付けされた場合、それらの列は新たに収集されたデータに対してのみ、キー列として表示され始めます。キー列またはキー以外の列として追加された新しい列の場合、データは、新たに収集されるデータのみに対して表示されるようになります。



注意:

デフォルトでADMPジョブが即時実行されないようにする場合は、第8章(手順6)を参照してください。

見越データ移行ジョブのステータスの追跡

発生データ移行ジョブのステータスを追跡するには、次の手順を実行します。

  1. Cloud Controlで、「設定」メニューから「アップグレード後のタスク」をクリックします。

  2. アップグレード後のコンソールで、発生データ移行タブをクリックします。

    発生データ移行ページに、Enterprise Managerシステムで使用可能なすべてのターゲットに関連する発生データ移行ジョブについての情報が表示されます。デフォルトでは、各ターゲットに対して、発生データ移行ジョブによってECM履歴詳細およびメトリック詳細が移行されます。

  3. このタブでは次の処理が可能です。

    • すべてのターゲットに対して移行されるデータを制御するには、「発生データ移行の実行対象」リストから次のオプションのいずれかを選択します。

      • ECMの履歴の移行: ECM履歴詳細のみを移行します。

      • メトリック・データの移行: メトリック詳細のみを移行します。

      • すべて: ECM履歴詳細およびメトリック詳細を移行します。

    • 各種のデータを表示するには、ターゲットの表示リストから、次のオプションからいずれかを選択します。

      • すべて: Enterprise Managerシステムのすべてのターゲットについて、すべての発生データ移行ジョブを表示します。

      • アクティブ: 失敗した、または現在実行中の発生データ移行ジョブを表示します。

      • 履歴: 成功した発生データ移行ジョブを表示します。

      • 未開始: まだ開始されていない発生データ移行ジョブを表示します。

    • 失敗したジョブを再試行するには、ジョブが失敗したターゲットを選択し、「再試行」をクリックします。

    • 実行中のジョブを停止するには、ジョブを停止するターゲットを選択して「停止」をクリックします。