インストールオプションの比較

次の表では、各種インストールオプションの機能を比較しています。

表 1-1 インストールオプション

インストールオプション	最低限の準備	サーバーが必要	単一または複数のシステムへのインストール	パッケージリポジトリからのパッケージのインストール
x86 のみ: 第 3 章LiveCD の使用	はい	いいえ、メディアからインストールします	単一	いいえ
第 4 章テキストインストーラの使用	はい	いいえ、メディアからインストールします	単一	いいえ
「ネットワーク経由でのテキストインストールの実行」	いいえ	はい、サーバーからインストールイメージを取得します	単一	はい
第 5 章メディアからブートする自動インストール	いいえ	インストールメディアをカスタマイズする場合はサーバーが必要ですが、インストールには必要ありません	単一	はい
第 7 章複数のクライアントへの自動インストール	いいえ	はい、サーバーが必要です	単一または複数	はい

さらに、カスタム LiveCD イメージ、テキストインストーライメージ、自動インストールイメージなど、『カスタム Oracle Solaris 11 インストールイメージの作成』のオプションもあります。

シンプルで、事前設定されたインストール

LiveCD 上の GUI インストーラやテキストインストーラは、シンプルで、事前設定されたインストーラ方法です。

どちらのインストーラを使用しても、Oracle Solaris を x86 プラットフォームにインストールできます。テキストインストーラは、SPARC プラットフォームに Oracle Solaris をインストールする場合にも使用できます。
どちらのインストーラも、最小限のメモリーで実行できます。メモリー要件を確認するには、『Oracle Solaris 11 ご使用にあたって』を参照してください。
どちらのインストーラを使用しても、インストール中にディスクのパーティションを選択、作成、または変更できます。

LiveCD には、デスクトップまたはノートパソコンに適したソフトウェアセットが含まれています。テキストインストールメディアには、汎用的なサーバーシステムにより適した、さらに小さなソフトウェアセットが含まれています。

テキストインストーラには、GUI にはない次の利点があります。

オペレーティングシステムを SPARC または x86 ベースのシステムにインストールできる。
グラフィックスカードを搭載していない、または必要としないシステムで使用できる。
システムの仕様に応じ、要求されるメモリーが GUI インストーラよりも少なくて済む。
ネットワークやネームサービスを手動で構成できる。
ネットワークが自動インストールを実行するように設定されている場合は、ネットワーク上にインストールサービスを設定し、クライアントシステムがブートしたときにテキストインストールを選択することで、ネットワーク経由でテキストインストールを実行できます。

注 - テキストインストーラによってインストールされるパッケージセットは solaris-large-server パッケージセットです。ただし、ネットワーク経由でテキストインストーラを使用する場合は、これとは別の、より小さなパッケージセット solaris-auto-install がインストールされます。インストールされたシステムにブートしたあとで、solaris-large-server パッケージセットをインストールするようにしてください。
テキストインストーラでは、パーティションの変更に加え、Solaris パーティション内で VTOC スライスの作成および変更を行うこともできます。

シンプルインストールの実行の詳細は、パート II「インストールメディアを使用したインストール」を参照してください。

サーバーの設定を必要とするインストール

自動インストーラ (AI) 機能を使用すると、単一または複数のクライアントシステムで Oracle Solaris ソフトウェアの「手入力なし」のインストールを実行できます。

注 - インストール処理ではネットワーク上のリポジトリからパッケージを取得するため、各システムでネットワークにアクセスできる必要があります。

AI を使用するには、まずネットワーク上にサーバーを設定する必要があります。クライアントシステムがブートしたときに、システムはそのサーバーからインストール仕様を入手し、Oracle Solaris パッケージリポジトリからソフトウェアパッケージを取得します。その後、ソフトウェアがクライアントシステムにインストールされます。

AI は、x86 ベースおよび SPARC ベースの両方のクライアントシステムで「手入力なし」の自動ネットワークインストールを実行できます。インストールクライアントのアーキテクチャー、ディスクおよびメモリーの容量、およびその他の特性は異なっていても構いません。インストールのネットワーク構成、インストールするパッケージ、およびその他の仕様は、さまざまなものが可能です。

詳細は、パート III「インストールサーバーを使用したインストール」を参照してください。

AI サーバーが設定されていると、「手入力なし」のネットワークインストール以外に追加のインストールオプションを 2 つ使用できます。

ネットワーク経由で対話型テキストインストールを実行するオプションが用意されています。対話型インストールでは、特定のシステムに対してインストール仕様をさらにカスタマイズできます。

詳細は、「ネットワーク経由でのテキストインストールの実行」を参照してください。
AI の設定には、AI イメージのダウンロードやそれらのネットワーク上またはローカルでの格納などがあります。イメージは、CD、DVD、USB フラッシュドライブ (x86 でのインストールの場合) などのリムーバブルメディアに書き込むことができます。その後、各システムで AI メディアを直接ブートして、自動インストールを開始できます。AI メディアを使用するインストールは対話型ではありません。

手順については、第 5 章メディアからブートする自動インストールを参照してください。

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