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Oracle Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス) Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
パート II ネットワークファイルシステムへのアクセス (トピック)
6. ネットワークファイルシステムへのアクセス (リファレンス)
ダイアルアップの PPP リンクを設定する主な作業 (作業マップ)
シリアル回線を介した通信を定義する方法 (ダイアルインサーバー)
この節の作業では、ダイアルアウトマシンの構成方法について説明します。この作業では、図 16-1 で紹介した自宅からのダイアルイン事例を使用します。予想されるユーザーにマシンを渡す前に、会社での作業があります。経験豊富なユーザーであれば、自宅のマシンの設定を指導することもできます。ダイアルアウトマシンを設定する人は必ずそのマシンのスーパーユーザー権限を持つ必要があります。
表 17-2 ダイアルアウトマシンの設定 (作業マップ)
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Solaris PPP 4.0 はテンプレートファイルを提供します。各テンプレートファイルには、特定の PPP 構成ファイルのために一般的なオプションが含まれています。次の表は、ダイアルアップリンクの設定に使用できるテンプレートのサンプルと、それらと同等の Solaris PPP 4.0 ファイルを示します。
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テンプレートファイルを使用するように決めたら、そのテンプレートファイルの名前を同等の PPP 構成ファイルの名前に変更します。chat ファイルのテンプレート (/etc/ppp/myisp-chat.tmpl) だけは例外です。chat スクリプトには任意の名前を選択できます。
ダイアルアウト PPP マシンを設定するための最初の作業は、シリアル回線にデバイス (モデムとシリアルポート) を構成することです。
注 - モデムに適用する作業は、通常 ISDN TA にも適用します。
以降の手順を実行する前に、次の作業を終了しておく必要があります。
ダイアルアウトマシンに Oracle Solaris リリースをインストールする
モデムの最適速度を決定する
ダイアルアウトマシンに使用するシリアルポートを決定する
ダイアルアウトマシンのルートパスワードを取得する
計画情報については、「ダイアルアウトマシンを設定する前に」を参照してください。
さまざまなタイプのモデムを使用できますが、ほとんどのモデムは、Solaris PPP 4.0 用に正しく設定されて出荷されています。 次のリストは、Solaris PPP 4.0 を使用するモデムの基本的なパラメータ設定を示したものです。
DCD – キャリアの指示に従う
DTR – モデムがハングアップするように Low に設定する (モデムをオンフックにする)
Flow Control – 全二重ハードウェアのフロー制御用 RTS/CTS を設定する
Attention Sequences – 使用不可
リンクの設定で問題が発生し、原因がモデムにあれば、まずモデムの製造元のマニュアルを参照します。また、多くの Web サイトが、役に立つモデムの設定情報を提供しています。最後に、「モデムの問題を診断する方法」でモデム問題を解決するためのヒントを見つけることができます。
詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。
この節の手順では、ダイアルアウトマシンのシリアル回線に通信を構成する方法を示します。これらの手順を使用する前に、「モデムとシリアルポートの構成方法 (ダイアルアウトマシン)」で説明しているように、モデムとシリアルポートを設定しておく必要があります。
次の作業は、ダイアルアウトマシンがダイアルインサーバーとの通信を正常に開始できるようにする方法を示します。通信は、PPP 構成ファイルで定義されているオプションに基づいて開始されます。次のファイルを作成する必要があります。
/etc/ppp/options
/etc/ppp/options.ttyname
chat スクリプト
/etc/ppp/peers/peer-name
Solaris PPP 4.0 は、PPP 構成ファイルにテンプレートを提供します。これらのテンプレートは要求に合わせてカスタマイズできます。これらのファイルについては、「ダイアルアップ PPP のテンプレートファイル」を参照してください。
詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。
lock
/etc/ppp/options ファイルは、ローカルマシンが実行するすべての通信に適用されるグローバルパラメータの定義に使用されます。lock オプションによって、/var/spool/locks/LK.xxx.yyy.zzz 形式の UUCP スタイルのロックが可能です。
注 - ダイアルアウトマシンが /etc/ppp/options ファイルを持たない場合は、スーパーユーザーだけが pppd コマンドを実行できます。ただし、/etc/ppp/options は空でもかまいません。
/etc/ppp/options については、「/etc/ppp/options 構成ファイル」を参照してください。
次の例は、デバイス名として /dev/cua/a を持つポートの /etc/ppp/options.ttyname ファイルを示しています。
# cat /etc/ppp/options.cua.a crtscts
PPP オプション crtscts は、pppd デーモンに、シリアルポート a のハードウェアフロー制御をオンにするように指示します。
/etc/ppp/options.ttyname ファイルについては、「 /etc/ppp/options. ttyname 構成ファイル」を参照してください。
ダイアルアウトマシンが PPP リンクを開始する前に、ピアになるダイアルインサーバーの情報を収集する必要があります。情報を収集したら、この情報を使用して chat スクリプトを作成します。chat スクリプトには、ダイアルアウトマシンとピア間の実際の対話を記述します。
詳細は、「ダイアルアップリンクのモデム速度の設定」を参照してください。
サーバーの電話番号
必要な場合、使用している認証プロトコル
chat スクリプトでピアが必要とするログインシーケンス
たとえば、次の chat スクリプト (/etc/ppp/mychat) を作成して、ダイアルインサーバー (myserver) を呼び出します。
SAY "Calling the peer\n" TIMEOUT 10 ABORT BUSY ABORT 'NO CARRIER' ABORT ERROR REPORT CONNECT "" AT&F1&M5S2=255 TIMEOUT 60 OK ATDT1-123-555-1234 CONNECT \c SAY "Connected; logging in.\n" TIMEOUT 5 ogin:--ogin: pppuser TIMEOUT 20 ABORT 'ogin incorrect' ssword: \qmypassword "% " \c SAY "Logged in. Starting PPP on peer system.\n" ABORT 'not found' "" "exec pppd" ~ \c
スクリプトには、ログインシーケンスを必要とする Oracle Solaris ダイアルインサーバーを呼び出すための命令群が含まれています。各命令については、「UNIX 方式ログイン用に拡張された基本の chat スクリプト」を参照してください。chat スクリプトの作成については、「ダイアルアップリンクでの会話の定義」を参照してください。
注 - chat スクリプトを直接呼び出さないでください。chat コマンドの引数に chat スクリプトのファイル名を指定して、スクリプトを呼び出します。
ピアが Oracle Solaris または類似のオペレーティングシステムを実行する場合は、ダイアルアウトマシンのテンプレートとして前述の chat スクリプトの利用をお薦めします。
詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。
# svccfg svc:> select network/dns/client svc:/network/dns/client> setprop config/domain = astring: "bigcompany.com" svc:/network/dns/client> setprop config/nameserver = net_address: "10.10.111.15" svc:/network/dns/client> addpropval config/nameserver "10.10.130.8" svc:/network/dns/client> select network/dns/client:default svc:/network/dns/client:default > refresh svc:/network/dns/client:default > validate svc:/network/dns/client:default > select system/name-service/switch svc:/system/name-service/switch > setprop config/host = astring: "files dns" svc:/system/name-service/switch:default > select system/name-service/switch:default svc:/system/name-service/switch:default > refresh svc:/system/name-service/switch:default > validate # svcadm enable network/dns/client # svcadm refresh system/name-service/switch
たとえば、次のファイルを作成して、ダイアルインサーバー (myserver) を定義します。
# cat /etc/ppp/peers/myserver /dev/cua/a 57600 noipdefault defaultroute idle 120 noauth connect "chat -U 'mypassword' -T 1-123-555-1213 -f /etc/ppp/mychat"
myserver を呼び出すためのシリアルインタフェースとして、デバイス (/dev/cua/a) を使用する必要があることを示す
リンクの速度を定義する
ピア (myserver) のトランザクションでは、ダイアルアウトマシンは最初に 0.0.0.0 の IP アドレスを持つことを示す。myserver は、すべてのダイアルアップセッションのダイアルアウトマシンに IP アドレスを割り当てる
ダイアルアウトマシンとの接続をネゴシエートするとき、ピア (myserver) は認証資格を提供する必要がないことを示す
connect オプションとその引数を示す。引数には、ピアの電話番号、呼び出しの命令群を持つ chat スクリプト (/etc/ppp/mychat) などが指定されている
参照
関連情報の参照先は次のとおりです。
別のダイアルアウトマシンを構成する手順については、「モデムとシリアルポートの構成方法 (ダイアルアウトマシン)」を参照
別のコンピュータにダイアルアウトすることでモデムの接続性をテストする手順については、cu(1C) と tip(1) のマニュアルページを参照。これらのユーティリティーを使用すると、モデムが正しく構成されているかをテストできる。また、別のマシンとの接続が確立できるかもテストできる
構成ファイルとオプションの詳細については、「ファイルおよびコマンド行での PPP オプションの使用」を参照
ダイアルインサーバーの構成手順については、「ダイアルインサーバーにデバイスを構成する」を参照