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Oracle® WebCenter Content Content Serverアプリケーション管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B65036-02
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6 FoldersとWebDAVの使用

Oracle WebCenter Content Serverには、従来のファイル・システムと同様に、リポジトリ内の一部またはすべてのコンテンツを編成および管理するための階層フォルダ・インタフェースを提供するコンポーネントがあります。

この章では、フォルダとWebDAVインタフェースを管理する方法について説明します。次の項目について説明します。

6.1 Foldersの使用

Foldersコンポーネント(Framework Foldersとも呼ばれます)は、従来のファイル・システムと同様に、リポジトリ内の一部またはすべてのコンテンツを編成および検索するための階層フォルダ・インタフェースを提供します。Folders機能はデフォルトでインストールされますが、無効化されています。これはスケーラブルな企業ソリューションで、Contribution Foldersに置き換わることを意図したものです。


注意:

Contribution FoldersからFoldersインタフェースにコンテンツを移行する場合を除き、Contribution FoldersとFoldersの両方を有効にしないでください。コントリビューション・フォルダのコンテンツの移行の詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Serverシステム管理者ガイド』を参照してください。


この項の内容は次のとおりです。

6.1.1 Foldersインタフェース

フォルダ階層は、標準のコンテンツ管理WebインタフェースとWebDAVインタフェースの両方からアクセスできます。標準のインタフェースからアクセスすると、ブラウザおよび特別に設計されたWebページにフォルダおよびコンテンツ・アイテム(ファイル)が表示されます。WebDAVインタフェースからアクセスすると、コンテンツ・サーバーへのネットワーク接続が確立され、共有フォルダの場合と同様に、Windows Explorerにフォルダおよびファイルが表示されます。

使い慣れたフォルダとファイルのモデルが、リポジトリに格納されているコンテンツを編成し、アクセスするためのフレームワークとなります。フォルダおよびファイルの機能は、従来のファイル・システムにきわめてよく似ています。フォルダおよびファイルをコピー、移動、名前変更および削除できます。また、フォルダまたはファイルへのショートカットを作成して、階層内の複数の場所からコンテンツ・アイテムにアクセスすることもできます。

Foldersインタフェース内のファイルは、リポジトリ内のコンテンツ・アイテムを指すシンボリック・リンクまたはポインタであると考えることができます。Foldersインタフェースで操作(メタデータの検索や伝播など)を実行すると、関連付けられたコンテンツ・アイテムに対して、実質的に同じ操作が実行されます。

6.1.2 Foldersとファイル

従来のファイル・システムと同様に、Foldersではコンテンツを簡単に編成できます。ユーザーは、フォルダとサブフォルダ間のリレーションシップを簡単に表示し、コンテンツ・アイテムのグループを参照できます。

コンテンツ・サーバーの標準セキュリティ・モデルによって定義された権限のあるユーザーは、Foldersを使用して次のアクションを実行できます。

  • チェックインやチェックアウトの対象となるコンテンツ・アイテムの保存場所に移動し、フォルダやアイテムの情報を表示および変更します。

  • フォルダやサブフォルダを新規に作成します。

  • フォルダにコンテンツ・アイテムを新規に作成したり、既存のリポジトリ・コンテンツをフォルダに追加します。

  • フォルダやコンテンツ・アイテムへのショートカットを1つ以上の場所に追加します。ショートカットは、参照先のコンテンツ・アイテムのプレースホルダとして機能します。

  • フォルダやファイルを他の場所に移動またはコピーします。

  • フォルダやファイルの名前を変更します。

  • フォルダ階層からファイルを削除します。このアクションを実行しても、関連付けられたコンテンツ・アイテムには影響を与えません。

  • フォルダやファイルを削除します。フォルダやファイルを削除すると、フォルダやファイルに加え、ショートカットも一緒にフォルダ階層から削除されます。ファイルにコンテンツ・アイテムが関連付けられていると、リポジトリではそのアイテムが「期限切れ」に設定されます。

  • 関連付けられた問合せから返されたコンテンツ・アイテムを保存する、問合せフォルダを作成します。問合せフォルダの詳細は、第6.1.4項「問合せフォルダおよびフォルダ検索」を参照してください。

  • 保存問合せフォルダを作成し、問合せから返されたコンテンツ・アイテムに対して保存ルールを割り当てます。問合せフォルダおよび保存スケジュールの詳細は、第6.1.5項「フォルダ保存」を参照してください。

  • フォルダに作成されるコンテンツ・アイテムに対してフォルダ・セキュリティおよびデフォルト・メタデータ値を割り当てます。また、指定されたメタデータ値をフォルダのコンテンツに伝播したり、特定のフォルダの伝播を遮断することもできます。詳細は、第6.1.9項「フォルダおよびコンテンツ・アイテムのメタデータ」を参照してください。

Foldersインタフェースは、ファイル・システムのユーザーが使い慣れた表記規則に従っています。

  • フォルダを作成するときには、Windows標準のネーミング規則を使用します。スラッシュやバックスラッシュ、または二重引用符などの特殊文字は使用しないでください。

  • コンテンツ・サーバーには、ファイル名が同じである複数のファイルを個別のコンテンツ・アイテムとして格納できます。ただし、Foldersインタフェースではフォルダ内のファイル名は一意である必要があります(Windowsのフォルダに同じ名前の2つのファイルを格納できないのと同じです)。

6.1.3 ショートカットおよびリンク

Foldersでは、ショートカットを使用して、複数の場所で同じフォルダまたはコンテンツ・アイテムを参照できます。ショートカットは、参照先のフォルダまたはファイルのプレースホルダとして機能します。フォルダ階層内で目的のコンテンツ・アイテムの検索および管理に役立つ、フォルダまたはファイルへのショートカットを作成できます。

6.1.3.1 フォルダおよびショートカット

フォルダおよびフォルダ・ショートカットは、それぞれ異なるアイコンで識別されます。

アイコン 説明
説明の列で説明しているフォルダのアイコン

フォルダ: フォルダには、他のフォルダ、コンテンツ・アイテム、および他のフォルダやコンテンツ・アイテムへのショートカットを保存できます。フォルダは、標準のフォルダ・アイコンで識別されます。

説明の列で説明しているフォルダ・リンクのアイコン

フォルダ・ショートカット: フォルダ・ショートカットには、ショートカットが格納された階層にある関連付けられたフォルダのコンテンツが含まれています。フォルダ・ショートカットは矢印の付いたフォルダ・アイコンで識別され、フォルダまたは問合せフォルダのいずれかを参照できます。フォルダ・ショートカットは、メタデータ伝播アクションの対象外です。

説明の列で説明している問合せフォルダのアイコン

問合せフォルダ: 問合せフォルダのコンテンツは、そのフォルダに関連付けられた問合せから返されたリポジトリ・コンテンツ・アイテムです。問合せフォルダは、拡大鏡の付いたフォルダ・アイコンで識別されます。

説明の列で説明している保存問合せフォルダのアイコン

保存問合せフォルダ: 保存問合せフォルダのコンテンツは、問合せフォルダと同じように、そのフォルダに関連付けられた問合せから返されたリポジトリ・コンテンツ・アイテムです。問合せから返されたコンテンツ・アイテムの保存ルールを追加で指定できます。保存問合せフォルダは、拡大鏡と時計の付いたフォルダ・アイコンで識別されます。


6.1.3.2 コンテンツ・アイテム・リンク

Foldersインタフェースのコンテンツ・アイテムは、リポジトリ内のアイテムへのリンクであると考えることができます。コンテンツ・アイテムのリンクには、2つのタイプがあります。

アイコン 説明
説明の列で説明しているプライマリ・リンクのアイコン

ファイル(プライマリ・リンク): Foldersインタフェース内でコンテンツ・アイテムを指すことができるプライマリ・リンクは1つのみです。プライマリ・リンクはリポジトリ内のコンテンツ・アイテムを表し、標準のドキュメント・アイコンで識別されます。ファイル(またはプライマリ・リンク)に対する操作は、リポジトリ内のコンテンツ・アイテムを直接操作するのとほとんど同じです。たとえば、ファイルを削除すると、リポジトリ内の関連付けられたコンテンツ・アイテムのステータスが「期限切れ」に設定されます。

説明の列で説明しているセカンダリ・リンクのアイコン

ショートカット(セカンダリ・リンク): Foldersインタフェースには、関連付けられるコンテンツ・アイテムへのファイル・ショートカットを任意の数だけ作成できます。ファイル・ショートカットは、矢印の付いたドキュメント・アイコンで識別され、矢印は、ファイル・ショートカットが実際のコンテンツ・アイテムへの参照であることを示しています。ショートカットは、メタデータ伝播アクションの対象外です。ショートカットを使用して(メタデータ変更などの)変更を加えると、基礎となるコンテンツ・アイテムにも同じ変更が加えられます。ショートカット自体に(ショートカットの削除などの)変更を加えても、基礎となるコンテンツ・アイテムには影響を与えません。

説明の列で説明しているセカンダリ・リンクのアイコン

問合せ結果: 問合せフォルダのコンテンツは、そのフォルダに関連付けられた問合せから返されたリポジトリ・コンテンツ・アイテムです。問合せコンテンツ・アイテムは、拡大鏡の付いたドキュメント・アイコンで識別されます。


6.1.4 問合せフォルダおよびフォルダ検索

問合せフォルダは保存済の検索と同じように機能し、フォルダにアクセスするたびに、そのフォルダに関連付けられた問合せが開始されます。問合せフォルダのコンテンツは、問合せから返されたコンテンツ・アイテムです。問合せフォルダのコンテンツは、リポジトリのコンテンツの変更に伴って動的に変更される場合があります。

問合せフォルダには、問合せから返された実際のリポジトリ・コンテンツ・アイテムが含まれています。つまり、フォルダおよびショートカットは問合せフォルダのコンテンツに含まれません。

問合せフォルダのコンテンツとともに、関連付けられたコンテンツ・アイテムをコピーしたり、個々のアイテムのメタデータ情報を表示および更新したり、問合せフォルダ内のすべてのアイテムにメタデータ変更を伝播できます。

また、Foldersでは、標準の検索結果オプションに「問合せフォルダの作成」オプションを含めて、検索問合せを問合せフォルダとして保存することもできます。

フォルダ内からフォルダやファイルを検索するには、フォルダの「検索」メニューに用意されている各種オプションを使用します。任意またはすべてのフォルダのメタデータ・フィールドを検索できます。

6.1.5 フォルダ保存

Foldersを使用すると、保存問合せフォルダを作成し、そのフォルダに保存属性を割り当ててから保存スケジュールを構成することによって、基本的なコンテンツ保存のスケジューリングを実行できます。保存ルールは、コンテンツ・アイテムの存続時間またはリビジョンの数に基づいて割り当てることができます。また、Oracle WebCenter Content: Recordsのライセンスがある場合には、Recordsで定義されたカテゴリに基づいて保存ルールを定義することもできます。

保存ルールまたはスケジュールを指定するには、管理者である必要があります。保存スケジュールの指定の詳細は、第6.2.2.1項「保存ルールの指定」を参照してください。保存スケジュールの指定の詳細は、第6.2.2.2項「保存スケジュールの構成」を参照してください。

考慮事項

次の考慮事項が、保存問合せフォルダに適用されます。

  • 保存ルールは保存問合せフォルダに関連付けられますが、標準のフォルダ・メタデータとは別に格納されます。このため、フォルダの保存属性に基づいて問合せフォルダを検索できません。

  • 標準の問合せフォルダと異なり、保存問合せフォルダではデータベース値のみを検索し、フルテキスト検索は、システムでサポートされている場合でも実行できません。

  • 特定の1つの保存問合せフォルダに対して複数の保存ルールを指定した場合、処理が実行されるには、すべてのルールが満たされる必要があります。たとえば、有効期限を1カレンダ年、保持するリビジョンの数を3と指定した場合、1年を超え、かつ最新の3つのリビジョンよりも古いアイテムのみが削除されます。

  • 異なる問合せの結果に、同じコンテンツ・アイテムが含まれることになってもかまいません。この場合、各保存問合せフォルダの保存ルールが互いに独立して適用されます。たとえば、ある問合せフォルダでは保持するリビジョンの数を2に指定し、別の問合せフォルダでは保持するリビジョンの数を3に指定した場合、アイテムのリビジョンは2つのみ保持されます。

  • フォルダ保存は、Oracle WebCenter Content: Recordsとは異なる方法で処理されます。Recordsを使用しているときは、複数の削除アクションが呼び出された場合、期間の最も長い保存が使用されます。Foldersでは、期間の最も短いものが常に最初に使用されます。

  • フォルダ保存は、データベースのRevisions表のdCreateDate行の値に基づいてアイテムを処理します。

Oracle WebCenter Content: Recordsに関する考慮事項

FoldersとOracle WebCenter Content: Recordsの両方を同じシステムで使用する場合は、次の追加的な考慮事項も適用されます。

  • Recordsがインストールされている場合は、同じアイテムに対して(ルールを複数作成できるだけでなく)保存スケジュールを2つ作成できます。コンテンツ・アイテムの保存ルールがコンテンツ・サーバーとOracle WebCenter Content: Recordsの両方に定義されている場合は、Recordsシステムに定義されている保存とスケジュールのみが使用されます。

  • Recordsがあるレベル以降のDoDベースラインとともにインストールされている場合、コンテンツ・サーバー・インタフェースでは保存問合せフォルダ・オプションを使用できません。すべての既存の保存問合せフォルダは、アイコンと(非アクティブな)保存属性を保持しますが、標準の問合せフォルダとして機能します。

    レベルが「標準」以下に設定されている場合は、コンテンツ・サーバーで保存問合せフォルダ・オプションが有効になり、既存の保存問合せフォルダのルールもアクティブになります。

6.1.6 個人フォルダ

フォルダ階層のルート・フォルダには「Users」フォルダがあり、認証済ユーザーに対して定義されている個人用のフォルダが格納されています。階層内の他のフォルダを操作する場合と同じ方法で、サブフォルダとコンテンツ・アイテムを作成できます。ただし、自分の個人フォルダは自分のみが表示可能です。すべての認証済ユーザーは、個人フォルダを持つことができます。

Foldersには、フォルダ、ファイル、および個人フォルダへのショートカットをすばやく追加するためのメニュー・オプションが用意されており、これらは「フォルダに追加」などのメニューにあります。

個人フォルダにアクセスするには、トレイ領域の「コンテンツ・サーバー」をクリックし、「フォルダ」をクリックします。

6.1.7 セキュリティおよびユーザー・アクセス

ユーザーは、コンテンツ・サーバーの標準のセキュリティ・モデルで許可されているように、フォルダ、フォルダへのショートカット、およびドキュメントへのリンクを作成および編集できます。フォルダがコンテンツ・アイテムに割り当てられるのと同じ方法で、フォルダには、セキュリティ・グループ、アカウント、アクセス制御リストの属性などのセキュリティ属性(有効になっている場合)が割り当てられます。

デフォルトでは、フォルダはセキュリティ設定をはじめ、親フォルダに対して定義されているデフォルト・メタデータを継承します。ただし、特定のフォルダにセキュリティ値とメタデータ値を明示的に設定し、それぞれの値をそのフォルダ内のフォルダとコンテンツ・アイテムに伝播することもできます。

6.1.8 コンテンツ・アイテムのバージョニング

コンテンツ・アイテムをチェックアウトし、標準のコンテンツ管理ページを使用する場合とほぼ同じ方法でFoldersインタフェースを介してそのコンテンツ・アイテムの新規バージョンをチェックインできます。特定のコンテンツ・アイテムのメタデータ情報を表示または編集するときには、まずそのアイテムをチェックアウトするためのメニュー・オプションを選択し、次にそのアイテムの新規バージョンをチェックインするためのメニュー・オプションを選択できます。

Foldersには、コンテンツ・アイテムのバージョンを表示するためのモードが2つあります。

  • パブリッシュ済アイテム(使用量モード): ドキュメントの最新のリリース済リビジョンが表示されます。検索結果リストで返されるのと同じリビジョンです。

  • すべてのアイテム(コントリビューション・モード): 各ドキュメントの最新のリビジョンが表示されます。まだワークフローにあるドキュメントのリビジョンや、検索索引作成プロセスがまだ完了していないドキュメントのリビジョンも含まれる場合があります。

ユーザーは、2つのモードを切り替えて、リリース済のコンテンツ・アイテムのみを表示したり、リリース前に作業が必要なコンテンツ・アイテムを表示できます。選択した内容は、明示的に変更するまで有効なままです。

6.1.9 フォルダおよびコンテンツ・アイテムのメタデータ

すべてのフォルダには、フォルダに追加されるコンテンツ・アイテムに適用できる一連のメタデータ値があります。フォルダは、コンテンツ・アイテムにメタデータ・ルールを適用するように構成したり、任意またはすべての値の変更を許可するように構成できます。たとえば、「セキュリティ・グループ」メタデータ・フィールドの値としてSecureを適用するようにフォルダを構成できます。その後、コンテンツ・アイテムをそのフォルダに追加すると、「セキュリティ・グループ」の値がSecureに自動的に更新されます。

フォルダは、そうしないように明示的にフォルダを構成した場合を除き、親フォルダに割り当てられたデフォルト・メタデータを継承します。継承後に親フォルダのメタデータを変更しても、明示的に下の階層に伝播させないかぎり、既存のサブフォルダのメタデータは変更されません。

フォルダ・メタデータの継承および伝播によって、コンテンツ・アイテムにメタデータを容易に適用できます。すべてのフォルダおよびファイルを管理する管理者であるか、自分のフォルダおよびファイルのみを管理するユーザーであるかに関係なく、フォルダを作成し、コンテンツ・アイテムを追加する前に、メタデータ戦略を計画することをお薦めします。メタデータ戦略には、次の基本手順を含めてください。

  1. 階層内の特定のフォルダまたは分岐に固有のメタデータ要件があるかどうか、および、それらの要件を特定して管理する最適な方法を判断します。

  2. 特定のフォルダを介してコンテンツ・アイテムを追加またはチェックインするときに、ユーザーがどのメタデータ・フィールド(ある場合)を指定する必要があるかを決定します。

  3. 特定のフォルダについて、どのメタデータ・フィールド(ある場合)にデフォルト値または強制値を設定するかを決定します。

  4. フォルダ経由でメタデータを伝播するときに、どのサブフォルダ(ある場合)を変更対象にするかを決定します。

  5. メタデータ要件を管理するためにプロファイルを使用するかどうかを決定します。管理者は、1つ以上のプロファイルを作成し、そのプロファイルに関連付けたルールに基づいて、メタデータ・フィールドを編成したり、選択的に表示したり、アクセス制御できます。

6.1.9.1 デフォルト・メタデータ

フォルダに新しいコンテンツ・アイテムを作成またはチェックインすると、デフォルト・メタデータ値がそのアイテムに自動的に適用されます。フォルダのデフォルト・メタデータ値を変更するには、そのフォルダに対する削除権限を持つか、作成者として書込み権限を持つ必要があります。

デフォルト値のない必須フィールドがある場合は、コンテンツ・アイテムを作成またはチェックインするときに、デフォルト値を指定するように求められます。

デフォルト・メタデータ値は、メタデータを伝播するときにデフォルト値としても使用されます。

Oracle WebCenter Content: Desktopを使用し、フォルダの「メタデータのプロンプト」オプションを選択している場合は、フォルダのデフォルト・メタデータ設定を使用するのではなく、アイテムのメタデータ値を指定するように求められます。Desktopの詳細は、Oracle WebCenter Desktopユーザーズ・ガイドを参照してください。

6.1.9.2 メタデータ伝播

適切な権限を持っていると、メタデータ値をフォルダからそのサブフォルダおよびコンテンツ・アイテムに伝播できます。メタデータを特定のフォルダ内のコンテンツ・アイテムに伝播するには、そのフォルダおよびコンテンツ・アイテム自体に対する書込み権限が必要です。そのフォルダの下の階層にあるいずれかのフォルダに伝播するには、そのフォルダに対する削除権限が必要です。

同じフォルダ内にあるコンテンツ・アイテムのセキュリティ設定は、必ずしも同じではありません。メタデータをコンテンツ・アイテムに伝播するには、そのコンテンツ・アイテムに対する書込み権限も必要です。必要に応じて、変更をフォルダに限定するために、「フォルダにのみ伝播」オプションを選択することもできます。

メタデータを伝播するときには、メタデータ・フィールドを選択し、現在のフォルダ用のメタデータから伝播する値を指定できます。変更できるすべてのメタデータ値を伝播できます。たとえば、セキュリティ・グループや所有者値は伝播できますが、コンテンツIDは伝播できません。また、コンテンツ・アイテムから関連付けられた値を消去するために、「コメント」や「有効期限」などの空白フィールドを伝播することもできます。

フォルダのフォルダ情報で「伝播禁止」を選択することによって、伝播しないようにフォルダを構成できます。また、必要に応じて、「伝播」ウィンドウの「伝播の強制」設定を使用して、フォルダの禁止設定をオーバーライドすることもできます。

6.1.9.3 メタデータ・プロファイル

管理者は、メタデータ・セットを1つ以上のプロファイルとして作成でき、管理者や他のユーザーは、フォルダのデフォルトを指定したり、メタデータを伝播するときに、そのプロファイルをフォルダに容易に適用できます。プロファイルの使用方法の詳細は、第3.1項「スキーマを使用したメタデータのカスタマイズ」を参照してください。

6.2 Foldersの管理

Folders(FrameworkFoldersコンポーネント)は、従来のファイル・システムと同様に、リポジトリ内の一部またはすべてのコンテンツを編成および検索するための階層フォルダ・インタフェースを提供します。

この項の内容は次のとおりです。

6.2.1 構成変数の設定

コンテンツ・サーバーのconfig.cfgファイルで構成変数を設定して、Foldersの動作を変更できます。この項の内容は次のとおりです。

6.2.1.1 フォルダ変数

これらの変数によって、Foldersインタフェースのオプション設定が構成されます。

変数 説明

AuthorDelete

trueに設定すると、アイテムの所有者/作成者は書込み権限がある場合にはそのアイテムを削除でき、それ以外の場合、削除権限が必要になります。デフォルト値はtrueです。

DisablePersonalFolderFormat

trueに設定すると、FldPersonalFolderFormatで指定されている個人フォルダ命名規則が無効になります。デフォルトはfalseです。

個人フォルダの作成後に個人フォルダの名前書式を変更または無効にした場合には、手動で既存のフォルダの名前を変更するか、または既存のフォルダを再作成する必要があります。たとえば、ユーザーabc.def@oracle.comの個人フォルダがabc.defという名前書式で、かつDisablePersonalFolderFormatが設定されている場合、データベースには既存のフォルダ名が保持されますが、ユーザー・インタフェースではフォルダ名はabc.def@oracle.comであると想定されます。無効になった書式に合わせてフォルダの名前を変更するか、またはいったんデータベースから該当行を削除し、その後、ユーザーがログインしたときにフォルダを再作成する必要があります。

FldDefaultFilesLoadCount

フォルダ・エクスプローラに表示するファイルの数。デフォルトは50です。

FldDefaultFoldersLoadCount

フォルダ・エクスプローラに表示するフォルダの数。デフォルトは50です。

FldEnableInProcessIndicator

trueに設定すると、コピー、移動、削除、伝播の操作時にプロセス・インジケータが表示されるようになります。デフォルト値はfalseです。

FldPersonalFolderFormat

ユーザーの名前から個人フォルダの名前を作成するために使用する正規表現を指定します。デフォルトの正規表現は(.+)@(.+):$1であり、つまり、1つ以上の文字からなる2つのグループを@で区切り、最初のグループをフォルダ名として使用します。たとえば、ユーザー名abc.def@oracle.comの場合、個人フォルダの名前はabc.defとなります。正規表現の詳細は、http://download.oracle.com/javase/6/docs/api/java/util/regex/Pattern.htmlを参照してください。

FldShowAutoPropagateOption

デフォルトでは、移動されたアイテムはアイテムに定義されたメタデータを保持し、新しい場所ではメタデータ値を継承しません。この変数をtrueに設定すると、移動操作のための「宛先のメタデータをフォルダに自動伝播」オプションが「保存先の選択」ウィンドウに追加されます。ユーザーがこのオプションを選択すると、移動されたアイテムはコピーされたアイテムと同じように、それを含むフォルダによって定義されたメタデータを継承します。デフォルト値はfalseです。

FoldersDefaultDocType

コンテンツ・アイテムの作成時にドキュメント・タイプを決定できない場合に使用するドキュメント・タイプを指定します。デフォルトのドキュメント・タイプは、「ドキュメント」です。

FoldersIndexParentFolderValues

trueに設定すると、Oracle Text Searchの使用中、サブフォルダ検索が有効になります。デフォルトはfalseです。

有効にすると、すべてのドキュメントへのすべてのパスが検索索引に追加されます。フォルダに対してドキュメントが追加または削除されるたびに、ドキュメントの索引が再構築されます。また、そのフルパスがわずかでも変更された場合にも(たとえば、親フォルダが移動したとき)、ドキュメントの索引が再構築されます。


6.2.1.2 Folders移行変数

これらの変数によって、Folders移行ユーティリティのオプション設定が構成されます。Folders移行ユーティリティでは、フォルダ・コンテンツと構造をContribution Folders(Folders_gコンポーネント)からFolders(FrameworkFoldersコンポーネント)に移行します。このユーティリティは、Contribution Foldersに関連付けられた表がデータベース・スキーマに存在する場合に使用できます。コンテンツの移行の詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Serverシステム管理者ガイド』を参照してください。

変数 説明

FldMigrateDefaultSecurityGroup

移行したフォルダにまだセキュリティ・グループが関連付けられていない場合に割り当てるデフォルトのセキュリティ・グループを指定します。明示的に設定しないと、デフォルト値はPublicになります。

Contribution Foldersではセキュリティ・グループ設定が必要なく、設定自体がない場合もあります。移行したフォルダには、セキュリティ設定が必要です。

FldMigrateRootBaseName

移行時に作成されるルート・フォルダの基準名を指定します。

フォルダ名の書式は、
<$FldMigrateRootBaseName$>_<$date$>_#<$run_index$>です。

設定しないと、デフォルト値のMigrateが使用されます。

FolderMigrateExcludeList

移行の対象外とするフォルダのリストを指定します。リストには、フォルダIDとフォルダ・マークを含めることができます。

明示的に設定しないと、TRASHフォルダのみが対象外になります。

ShowFolderMigrationMenu.

0(ゼロ)に設定すると、「管理」メニューに「フォルダ移行」オプションが表示されなくなります。1に設定するか、または明示的に設定しないと、移行が可能である場合に、このオプションが表示されます。


6.2.1.3 Folders WebDAV変数

これらの変数によって、Folders WebDAVインタフェースのオプション設定が構成されます。

変数 説明

OVERWRITE

falseに設定すると、WebDAVコピーが同じ名前でアイテムを上書きできなくなります。デフォルト値はtrueです。


6.2.2 保存スケジュールの使用

コンテンツ・アイテムの有効期限またはリビジョンの数に基づいて、コンテンツ・アイテムのリビジョンを処理する方法を指定できます。Oracle WebCenter Content: Recordsのライセンスを保有している場合は、Recordsに定義されているカテゴリに基づいて保存ルールを定義することもできます。保存問合せフォルダに関するその他の考慮事項は、第6.1.5項「フォルダ保存」を参照してください。

保存問合せフォルダのコンテンツの保存スケジュールを定義するには、まずそのフォルダに関連付けられる保存ルールを指定し、次に、1つ以上の保存問合せフォルダで使用されるそれぞれの保存ルールについて、保存スケジュールを指定する必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

6.2.2.1 保存ルールの指定

保存問合せフォルダの作成時に保存ルールを指定し、後でその保存ルールに変更を加えることができます。保存ルールは、管理者のみが、保存問合せフォルダに対してのみ指定できます。保存ルールが指定されていない保存問合せフォルダは、標準の問合せフォルダと同じように機能します。


注意:

Oracle WebCenter Content: Recordsがあるレベル以降のDoDベースラインとともにインストールされている場合、コンテンツ・サーバー・インタフェースでは保存問合せフォルダ・オプションを使用できません。すべての既存の保存問合せフォルダは、アイコンと(非アクティブな)保存属性を保持しますが、標準の問合せフォルダとして機能します。


次の手順では、保存ルールを指定する方法を示します。フォルダの作成および問合せの指定の詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Serverユーザーズ・ガイド』を参照してください。

問合せフォルダに保存ルールが指定されている場合は、指定したスケジュールに従ってそのルールが適用されます。保存スケジュールを作成する方法の詳細は、第6.2.2.2項「保存スケジュールの構成」を参照してください。

  1. 保存問合せフォルダがあるフォルダに移動します。

  2. 保存ルールなどのメタデータ値を変更するには、関連付けられたフォルダの「アクション」メニューから「フォルダ情報の更新」を選択します。

    フォルダのコンテンツを表示しているときにそのフォルダのメタデータ値を変更するには、表示しているページの「編集」メニューから「フォルダ情報」を選択します。

  3. 「詳細保存オプションの表示」をクリックします。

  4. 保存オプションを1つ以上選択します。たとえば、コンテンツ・アイテムのリビジョンを最新の3つのみ保持するには、「リビジョン」を選択し、3を指定します。より古いリビジョンは、「リビジョン」に指定されている保存スケジュールに従って期限切れになります。

    1. リビジョン: 問合せフォルダにコンテンツ・アイテムのリビジョンをいくつ保持するかを指定し、「更新」をクリックします。

    2. 期間: 問合せフォルダにコンテンツ・アイテムを保持する期間を指定し、「更新」をクリックします。

      完全なOracle WebCenter Content: Records製品の場合は、単位リストに、会計単位とカレンダ単位が含まれます。

    3. カテゴリ: 問合せフォルダにカテゴリを割り当て、カテゴリに対して定義された処理を使用して、コンテンツ・アイテムの処理方法を決定します。

      このオプションは、完全なOracle WebCenter Content: Records製品でのみ使用できます。

  5. 他に必要に応じてフォルダ・メタデータまたは問合せに変更を加え、「保存」をクリックします。

6.2.2.2 保存スケジュールの構成

問合せフォルダに保存ルールが割り当てられている場合は、指定したスケジュールに従ってそのルールが適用されます。保存ルールのタイプごとに異なるスケジュールを指定できます。複数の問合せフォルダに含まれているコンテンツ・アイテムには保存ルールが複数存在する場合があり、そのために適用されるスケジュールも複数存在する場合があります。


注意:

フォルダ保存ルールは、Oracle WebCenter Content: Recordsとは異なる方法で処理されます。Recordsを使用しているときは、複数の削除アクションが呼び出された場合、期間の最も長い保存が使用されます。Foldersでは、期間の最も短いものが常に最初に使用されます。



注意:

コンテンツ・アイテムの保存ルールがコンテンツ・サーバーとOracle WebCenter Content: Recordsの両方に定義されている場合は、Recordsシステムに定義されている保存とスケジュールのみが使用されます。


保存問合せフォルダに関するその他の考慮事項は、第6.1.5項「フォルダ保存」を参照してください。

  1. 「管理」メニューから、「フォルダ保存管理」を選択し、「スケジュールされたジョブの構成」を選択します。

    フォルダ保存スケジュール・ジョブ・ページが開きます。

  2. 存続時間またはリビジョンによって管理される保存ルールのスケジュールを指定します。

    存続時間ベースのルールでは、データベース内のRevisions表のdCreateDate行の値に基づいてアイテムを処理します。

    1. 週/日: 開始時刻と終了時刻を選択します。これにより、週次保存ルールを使用して問合せフォルダの保存がスケジュールされます。スケジュール済の処理をただちに実行するには、「今すぐ実行」をクリックします。

    2. カレンダ月: 日、開始時刻および終了時刻を選択します。これにより、月次または四半期の保存ルールを使用して問合せフォルダの保存がスケジュールされます。スケジュール済の処理をただちに実行するには、「今すぐ実行」をクリックします。

    3. カレンダ年: 月、日、開始時刻および終了時刻を選択します。これにより、年次保存ルールを使用して問合せフォルダの保存がスケジュールされます。スケジュール済の処理をただちに実行するには、「今すぐ実行」をクリックします。

    4. 会計年度月/会計年: Oracle WebCenter Content: Records製品を保有している場合は、会計年度月および会計年の保存ルールを使用して問合せフォルダの保存をスケジュールできます。スケジュール済の処理をただちに実行するには、「今すぐ実行」をクリックします。

    5. 保存リビジョン: 日、開始時刻および終了時刻を選択します。これにより、リビジョン保存ルールを使用して問合せフォルダの保存がスケジュールされます。スケジュール済の処理をただちに実行するには、「今すぐ実行」をクリックします。


    注意:

    Oracle WebCenter Content: Records製品を保有し、カテゴリ保存ルールを使用している場合、カテゴリは関連付けられた存続時間またはリビジョン・ルールに従ってスケジュールされます。たとえば、保存が月単位で指定されているカテゴリは、「カレンダ月」に指定する値によって管理されます。同様に、保存ルールまたはカテゴリが月単位で指定されているすべてのアイテムの保存ルールをただちに適用するには、このページの「カレンダ月」に関連付けられた「今すぐ実行」ボタンをクリックします。


  3. 「更新」をクリックします。

6.2.3 Folders構造への移行

既存のContribution Folders階層(Folders_gコンポーネント)にコンテンツがあり、フォルダおよびファイルをFoldersインタフェースに移行する場合は、Folders移行ユーティリティを使用して、フォルダ階層をレプリケートし、フォルダ・コンテンツを選択的に移行できます。Folders移行ユーティリティの詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Serverシステム管理者ガイド』を参照してください。

6.3 Contribution Foldersの使用

Contribution Foldersはオプションのコンポーネントで、有効にすると、コントリビューション・フォルダ(階層フォルダとも呼ばれます)の形式で階層フォルダ・インタフェースが提供され、マルチレベル・フォルダ構造を作成できます。


注意:

より新しいFoldersコンポーネントはスケーラブルな企業ソリューションで、Contribution Foldersに置き換わることを意図したものです。


この項の内容は次のとおりです。

6.3.1 使用方法と構造

フォルダを使用すると、次のような利点があります。

  • 参照: ユーザーは、フォルダに関する追加情報を取得するための簡単なメカニズムを使用して、フォルダを参照してサブフォルダやコンテンツ・アイテムを探したり、ツリー構造をトラバースできます。多数のサブフォルダがあるフォルダで、ユーザーはそのフォルダ内のコンテンツ・アイテムを簡単に表示して参照できます。

  • フォルダの作成: ユーザーは、フォルダの命名規則に従って、任意のフォルダに新しいフォルダを容易に作成できます。フォルダ・メタデータやデフォルト・メタデータなどの追加情報には、必要な場合にのみアクセスできます。

  • フォルダ・メタデータの割当て: ユーザーは、フォルダの作成時にフォルダにメタデータを割り当てたり、同じプロセスを使用して既存のフォルダにメタデータを割り当てることができます。

  • アイテムのデフォルト・メタデータの割当て: ユーザーは、フォルダに作成されるコンテンツやフォルダに追加されるコンテンツに割り当てるメタデータを指定できます。メタデータは、フォルダの作成時または後で設定できます。手順とプロセスは同じです。

  • フォルダへのコンテンツ・プロファイルの割当て: フォルダを作成するとき、またはその後で、コンテンツ・プロファイルをフォルダに割り当てることができ、このコンテンツ・プロファイルによって、そのフォルダに追加されるコンテンツ・アイテムにデフォルトとして設定できるメタデータ・フィールドが決まります。

  • フォルダでの新しいコンテンツの作成: ユーザーは、フォルダを参照し、新しいアイテムをチェックインできます。フォルダに新しいコンテンツのデフォルト・メタデータまたはコンテンツ・プロファイルが指定されている場合は、そのことがコンテンツ・チェックイン・フォームに反映されます。

  • フォルダへの既存のコンテンツの追加: ユーザーは、フォルダ内を参照し、既存のコンテンツ・アイテムへのリンクを追加できます。追加先のフォルダに同じ名前のアイテムがある場合、ユーザーは新しいリンクの名前の変更を求められます。

  • アイテムの移動またはコピー: ユーザーは、フォルダを参照し、1つ以上のサブフォルダおよびコンテンツ・アイテムを選択して別のフォルダに移動またはコピーできます。

  • アイテム/フォルダの削除: ユーザーは、フォルダを参照し、1つ以上のサブフォルダおよびコンテンツ・アイテムを選択して削除できます。削除アクションの確認を求めるプロンプトが表示されます。リビジョンが複数あるアイテムの場合、ユーザーはすべてのリビジョンを削除するか、最新のリビジョンのみを削除するかを尋ねられます。選択したファイルすべてに対してユーザーの応答を適用するオプションもあります。

  • アイテム/フォルダの名前の変更: ユーザーは、フォルダ内のリンク/ショートカットまたはサブフォルダを選択して、その名前を変更できます。名前の変更アクションは、単一のアイテムに対してのみ実行できます。新しい名前が既存のアイテムまたはフォルダの名前と同じ場合、ユーザーには警告が表示され、一意の名前に変更するように求められます。

Contribution Foldersには次の構造が使用されます。

  • 各Oracle WebCenter Content Serverインスタンスには、共通のコントリビューション・フォルダのセットがあります。フォルダへの変更はシステム全体に適用されます。

  • コントリビューション・フォルダというシステムレベルのデフォルト・フォルダが1つあります。インストール時にごみ箱機能が有効な場合は、ごみ箱というシステムレベルのフォルダが作成されます。

  • システム管理者はシステムレベル・フォルダの名前を変更できますが、システムレベル・フォルダを削除したり、システムレベルのカスタム・フォルダを追加するには、データベースへの変更が必要です。システムレベルのフォルダを削除すると、そのフォルダは無効になりますが、システムからは除去されていません。

  • 階層内の各フォルダには、フォルダの作成時に自動的に割り当てられた値と同じフォルダ値(数値)のコンテンツ・アイテムが含まれています。コンテンツ・アイテムの「フォルダ」フィールドの値を変更すると、そのコンテンツ・アイテムは別のフォルダに配置されます。

  • コントリビューション・フォルダの参照がシステム・パフォーマンスに影響を与えないように、各フォルダ内のフォルダとコンテンツ・アイテムの最大数を制限できます。

Contribution Foldersコンポーネントの機能は、Windowsファイル・システムと似ています。名前には二重引用符を使用できません(たとえば、"doublequotedfolder")。フォルダを作成するときは、Windowsの標準のネーミング規則を使用します。

6.3.2 Contribution Foldersコンポーネントのセキュリティ

Contribution Foldersコンポーネントには、2つのレベルのセキュリティが適用されます。

  • コンテンツ・アイテムのセキュリティ: Oracle WebCenter Content Serverにおけるユーザー・ログインおよびセキュリティ制御は、コントリビューション・フォルダを通して管理されるコンテンツにも適用されます。たとえば、あるコンテンツ・アイテムの読取り権限がある場合、そのファイルは表示できますが、そのファイルにリビジョンをチェックインすることはできません。

    読取り権限を持つユーザーがコントリビューション・フォルダを介してコンテンツにアクセスできるようにするには、環境変数GetCopyAccessを設定する必要があります。この変数を設定する手順は、次のとおりです。

    1. 「管理」トレイから、「管理サーバー」を選択します。

    2. 「コンテンツ・セキュリティ」をクリックします。

    3. 「読取り権限を持つユーザーである場合にコピーを許可する」を選択します。

  • フォルダ・セキュリティ: フォルダ・レベルのセキュリティも適用されます。

    • 各コントリビューション・フォルダには、そのフォルダの管理権限を持つユーザーである所有者がいます。所有者は、フォルダのセキュリティ・グループに対する書込み権限または削除権限がない場合でも、フォルダのメタデータを変更したり、フォルダを削除できます。ただし、所有者にはそのフォルダ内のコンテンツ・アイテムに対する付加的な権限はありません。

    • ユーザーが表示できるのは、セキュリティ・グループが割り当てられていないコントリビューション・フォルダか、そのユーザーに少なくとも読取り権限があるセキュリティ・グループが割り当てられているコントリビューション・フォルダのみです。

    • フォルダを削除するには、そのフォルダに対する削除権限があるか、そのフォルダの所有者である必要があります。フォルダ内のすべてのコンテンツ・アイテムおよびサブフォルダを削除する権限も必要です。

    • フォルダのデフォルト・メタデータを変更するには、読取り権限と書込み権限が必要です。環境変数FoldersModifyWithRWがfalseの場合は、そのフォルダに対する削除権限があるか、そのフォルダの所有者である必要があります。


注意:

フォルダのセキュリティ・グループを変更する場合は注意が必要です。フォルダをより制限の厳しいセキュリティ・グループに変更すると、作成者が自分自身のコンテンツ・アイテムを管理できなくなる場合があります。


新しいフォルダを作成すると、その親フォルダのメタデータが新しいフォルダのフィールドに移入されます。フォルダは最初にメタデータを継承しますが、その値は親フォルダに影響を及ぼすことなく変更できます。親フォルダのメタデータに対する以降の変更は、既存のサブフォルダのメタデータには反映されません。親フォルダのメタデータをサブフォルダおよびコンテンツ・アイテムに適用する場合は、メタデータ伝播とデフォルト値機能を使用できます。

6.3.3 ごみ箱

ごみ箱は、削除したアイテムを完全に削除せずに「ごみ箱」フォルダに送信するオプションの機能です。ごみ箱のアイテムは、その後、完全に削除するか、フォルダ階層の元の場所に戻すことができます。

ごみ箱機能については、次の事項に注意してください。

  • リポジトリ・マネージャからリビジョンを削除すると、そのリビジョンはごみ箱をバイパスして完全に削除されます。

  • ごみ箱機能は、インストール後にシステム・フォルダの構成を使用して有効または無効にできます。

  • フォルダを使用してコンテンツをSite Studio Webサイトにコントリビュートする場合は、ごみ箱機能の無効化を検討してください。無効にしないと、削除したコンテンツ・アイテム(ごみ箱に移動したコンテンツ・アイテム)はWebサイトの目次(動的リスト)に引き続き表示されます。このコンテンツ・アイテムを削除するには、WebDAVのごみ箱に移動し、そこからもドキュメントを明示的に削除します。

6.3.4 メタデータ伝播とデフォルト値

メタデータの伝播機能を使用すると、コントリビュータは、指定したメタデータ値をフォルダからそのサブフォルダとコンテンツ・アイテムにコピーできます。伝播は、数多くのコンテンツ・アイテムを新しいフォルダ構造に移動するときや、フォルダのデフォルト・メタデータを改訂した後に役立ちます。この機能を使用すると、メタデータを構造内のすべてのアイテムに適用できます。

メタデータ伝播機能については、次の事項に注意してください。

  • 伝播機能によって、そのフォルダ内の禁止されていないすべてのサブフォルダおよびコンテンツ・アイテムに対して、各フォルダのメタデータが適用されます。禁止されていないそれぞれのサブフォルダおよびコンテンツ・アイテムによって、伝播の開始元であるフォルダのメタデータが継承されます。

  • あるフォルダを伝播禁止にすると、上位フォルダからのメタデータの伝播はそのフォルダに適用されません。ただし、禁止されているフォルダからは引き続きメタデータ伝播を開始できます。

  • システム管理者は、伝播の対象に含めるメタデータ・フィールドを選択します。この設定は、システム全体に適用されます。デフォルトでは、メタデータ・フィールドは選択されるまで対象に含まれません。

  • フォルダのメタデータ・フィールドの値が定義されていない場合は、伝播時にそのフォルダ内のサブフォルダとコンテンツ・アイテムに空白の値が継承されず、そのアイテムの既存のメタデータ値がそのまま使用される場合があります。空のフィールド値を伝播するかどうかはCollectionPropagateEmptyValues構成変数によって制御されます。

  • メタデータ伝播を開始すると、セキュリティ・グループに対する書込み権限を持つフォルダおよびコンテンツ・アイテムのみが影響を受けます。

コントリビューション・フォルダを介してファイルがチェックインされると、デフォルト・メタデータ値がコンテンツ・チェックイン・フォームに入力されます。デフォルト値が評価される順序は、次のとおりです。

  1. コントリビューション・フォルダのデフォルト値: 検索ページから新しいコンテンツ・アイテムをチェックインすると、該当するコントリビューション・フォルダのデフォルト・メタデータ値がコンテンツ・チェックイン・フォームに入力されます。

  2. ユーザーのデフォルト・メタデータ値: メタデータ・デフォルトがコントリビューション・フォルダに対して定義されていない場合は、ユーザーのデフォルト・メタデータ値が適用されます。ユーザーのデフォルト・メタデータ値を適用できるのは、WebDAVを使用して新しいコンテンツ・アイテムを作成する場合のみです。Webインタフェースを使用している場合は適用されません。

  3. システムのデフォルト・メタデータ値: システムのデフォルト値は、コントリビューション・フォルダでもユーザーのデフォルト・メタデータでも定義されていないフィールドに適用されます。この値はシステム管理者が定義します。システムのデフォルト・メタデータ値を適用できるのは、WebDAVを使用して新しいコンテンツ・アイテムを作成する場合のみです。Oracle WebCenter Content ServerのWebインタフェースを使用するときは適用されません。

  4. なし: メタデータ・フィールドは、必須フィールドでない場合には空白にできます。必須フィールドが空白である場合は、エラーが発生し、そのコンテンツ・アイテムはチェックインされません。

6.3.5 最新バージョンと最新リリース済バージョンとの比較

ドキュメントを編集してチェックインすると、改訂されたドキュメントが処理され、索引付けされ、リリースされます。改訂されたドキュメントは、このプロセスが完了するまで最新バージョンとみなされます。このプロセスが完了すると、改訂されたドキュメントは、最新リリース済バージョンとみなされます。

CollectionReleasedOnly構成変数の設定によっては、コンテンツ・アイテムの読取りアクセス権があるユーザーに最新バージョンが表示されたり、アイテムが未リリースの場合に何も表示されないことがあります。ただし、作成者はいつでも最新バージョンを参照できます。デフォルトではこの変数が有効になっており、読取りアクセス権があるすべてのユーザーに最新バージョンが表示されます。

CollectionReleasedOnly構成変数の詳細は、Oracle WebCenter Content Idocスクリプト・リファレンス・ガイドを参照してください。

6.3.6 ローカルのコントリビューション・フォルダ

ローカル・フォルダ機能を使用すると、コントリビューション・フォルダの構造を(ユーザーのシステムではなく)ホスト・システム上のローカル・ファイル・システムにマップできます。フォルダ、そのサブフォルダおよびコンテンツ・アイテムへの変更はローカル・ディレクトリに反映されます。ユーザーがローカル・ディレクトリ内のファイルにアクセスして変更できるようにするには、ローカル・フォルダを共有ドライブにマップし、標準のフォルダ権限を使用してアクセスを許可します。

ローカル・フォルダを使用すると、同じフォルダ階層内の他のファイルへのリンクが含まれているWebサイトのファイルなどのコンテンツを管理できます。コンテンツ・サーバーでは、フォルダの場所ではなくセキュリティ・グループおよびコンテンツ・タイプに従って、個々のコンテンツ・アイテムが格納されます。コンテンツ・サーバーから直接アクセスする場合には、Webページ間のハイパーリンクは機能しません。ローカル・フォルダを使用すると、フォルダ階層にコンテンツ・アイテムを配置して、コンテンツ・アイテム間のリンク関係を保持できます。

次のアウトラインでは、この機能をWebサイト管理に使用する方法について説明します。

  1. Webデザイナが、内部ハイパーリンクを備えた複数のWebページで構成されたWebサイトを複数レベルのディレクトリ構造内に作成します。

  2. WebDAVクライアントを介して、デザイナはWebサイトの構造全体をWebサイトというコントリビューション・フォルダにコピーします。

  3. ローカル・フォルダ・ページで、共有ドライブZ:\IntranetのディレクトリにWebSiteフォルダがマップされます。

  4. \Intranetディレクトリは、Webサーバーの仮想ディレクトリとして設定されます。

  5. ユーザーは、Oracle WebCenter Content Serverにログインせずに、Z:\IntranetディレクトリからWebサイトにアクセスできます。Oracle WebCenter Content ServerでWebページを更新でき、更新したWebページは、ローカル・ディレクトリに自動的にレプリケートされます。

ローカル・フォルダを使用する場合は、次のことを考慮してください。

  • Oracle WebCenter Content Serverのセキュリティは、ローカル・ディレクトリ内のフォルダまたはコンテンツ・アイテムには適用されません。

  • ローカル・ディレクトリに表示されるのは、ステータスが「リリース」のコンテンツ・アイテムのみです。変換に失敗したアイテム、索引作成中のアイテム、ワークフロー内にあるアイテム、または将来のリリース日が設定されているアイテムはローカル・ディレクトリでは使用できません。

  • ローカル・ディレクトリで使用できるのは、コンテンツ・アイテムの最新バージョンのみです。

  • ローカル・ファイル・システムのディレクトリまたはファイルを直接変更すると、ローカル・フォルダのマッピングに問題が発生する場合があります。変更はすべて、Oracle WebCenter Content ServerのContribution Foldersインタフェースを介して行う必要があります。

  • 特定のファイルへのアクセスを特定のセキュリティ・グループに属しているユーザーに限定する場合は、ローカル・ディレクトリを/weblayout保護ディレクトリに指定できます。

6.3.7 コントリビューション・フォルダのアーカイブと検索

フォルダの階層構造をエクスポートするのに使用する手順は、フォルダ・コンテンツをアーカイブするのに使用する手順とは異なります。フォルダ情報をエクスポートおよびアーカイブする場合には、次の考慮事項が適用されます。コンテンツは、アーカイバを使用して個別の手順でアーカイブできます。

  • フォルダの階層構造は、Contribution Folders管理インタフェースから直接インポートおよびエクスポートできます。

  • アーカイバを使用して、コンテンツ・アイテムをインポートおよびエクスポートできます。

  • フォルダ階層をエクスポートすると、構造全体がエクスポートされます。特定のフォルダを指定することはできません。

  • フォルダ階層は、Oracle WebCenter Content Serverによるインポートが可能なHDAフォーマットのテキスト・ファイルにエクスポートされます。


注意:

フォルダ・アーカイブ・ファイルをインポートすると、リポジトリからすべてのコンテンツ・アイテムが削除され、インポートしたフォルダ階層に置換されます。


Contribution FoldersのCollectionSearchRecursiveContent構成変数がtrueに設定されている場合は、ユーザーがインタフェースで「検索」をクリックすると、「参照」ボタンとフィールドが検索ページの「結果オプション」セクションに表示されます。「参照」をクリックして、目的のフォルダ(サブフォルダを含む)を探して選択します。

6.3.8 パフォーマンスの最適化

この項では、Contribution FoldersとWebDAVを有効にしてパフォーマンスを改善するためのガイドラインを示します。

  • コントリビューション・フォルダの数、特に未使用のコントリビューション・フォルダの数を制限します。使用するフォルダが多いほど、より多くのRAMがフォルダ・キャッシュで必要になります。多数のフォルダが必要になる場合は、使用可能なメモリーを増やしてください。メモリーをさらに割り当てるには、メモリー要件を十分に満たし、エラーの発生を回避できるような値を-Xmx JAVA_OPTIONSパラメータに設定します。

  • コントリビューション・フォルダ内のフォルダおよびコンテンツ・アイテムの数を制限します。コントリビューション・フォルダ内のフォルダまたはコンテンツ・アイテム(あるいはその両方)の数が多すぎると、パフォーマンスに影響を与える場合があります。フォルダを参照すると、フォルダ内の各アイテムはコンテンツ・サーバー、ネットワークおよびクライアント・ブラウザによって処理されます。各アイテムがこれらのステップを経由するたびに時間とリソースが費やされます。この時間は様々な要因によって異なります。経験則では、各アイテムによって、参照のレスポンス時間に数ミリ秒、ブラウザで表示されるページのサイズに数KBがそれぞれ追加されます。フォルダ内のアイテムの数は参照にのみ影響を与え、検索には影響を与えない点に注意してください。

    コントリビューション・フォルダ内のフォルダまたはコンテンツ・アイテム(あるいはその両方)の数が多いと、ユーザーの操作性に影響を与える場合があります。フォルダに多数のアイテムが含まれていると、目的のアイテムが見つけにくくなります。

    そのため、コントリビューション・フォルダごとにフォルダおよびコンテンツ・アイテムの数を制限します。フォルダ当たりのフォルダとコンテンツ・アイテムの推奨最大数はともに1,000です。Contribution Folders/WebDAVソフトウェアをインストールするときにこれらの制限を指定するか、または後で制限を変更します。詳細は、第6.4.1.1項「フォルダおよびファイルに関する制限の設定」を参照してください。

  • データベース・メンテナンスを定期的に実行します。システムに多数のコンテンツ・アイテムおよびフォルダが含まれている場合は、データベースのパフォーマンスがContribution Foldersのパフォーマンスに影響を及ぼします。データベースの定期的なメンテナンス(月1回など)を実行して、十分なRAMがあること、データベースの索引が最適化されていること、およびデータベースが過度に断片化されていないことを確認してください。

  • セキュリティを緩和して、適切なアクセス権がないユーザーがセキュアなコンテンツやフォルダを(アクセスではなく)表示できるようにします。セキュアなコンテンツやフォルダへのアクセス権がないユーザーに対して、そのコンテンツやフォルダを検索ページで表示可能にするかどうかは、変数CollectionContentSecurityおよびCollectionFolderSecurityによって制御されます。これらの変数を(デフォルト値ではなく) falseに設定すると、セキュアなコンテンツ・アイテムまたはフォルダへのアクセス権がないユーザーに対して、これらのアイテムまたはフォルダが検索ページに表示されます。ただし、ユーザーがそのコンテンツを表示しようとすると、アクセス拒否のエラーが表示されます。この設定では、問合せが単純化されるため(フィルタ処理の減少)、参照パフォーマンスが高速化されますが、ユーザーには、アクセスできないセキュアなコンテンツに関する情報の一部が表示されます。

  • 検索ページに表示されるアイテムおよびフォルダの数を制限します。構成変数CollectionDisplayResultSetSizeを設定すると、検索ページに表示されるアイテムの最大数を制御できます。結果セット内のアイテムが指定した数を超えると、その結果は切り捨てられ、複数ページに分割されます。ナビゲーション・リンクを使用すると、ページ間を移動できます。この設定を使用すると、極端に大きなページが生成されるのを回避できます。

  • 検索ページの項目に対する「アクション」ポップアップ・メニューから選択したオプションを削除します。次の構成変数は、検索ページの「情報」アイコンの横にある「アクション」ポップアップ・メニューから特定のメニュー・オプションを削除します。

    • CollectionInfoEnabled: 「フォルダ情報」オプションおよび「コンテンツ情報」オプション

    • CollectionLinkEnabled: 「ショートカットの作成」オプション

    • CollectionMoveEnabled: 「移動」オプション

    • CollectionDeleteEnabled: 「削除」オプション

6.3.9 メタデータの継承

新しいフォルダを作成したり、新しいコンテンツをフォルダにチェックインすると、その新しいフォルダまたはコンテンツ・アイテムのフィールドには親フォルダのメタデータが自動的に移入されます。フォルダは最初にメタデータを継承しますが、その値は親フォルダに影響を及ぼすことなく変更できます。後で親フォルダのメタデータを変更しても、既存のサブフォルダのメタデータやフォルダにチェックインしたコンテンツのメタデータは影響を受けません。

フォルダにチェックインしたアイテムに親フォルダのメタデータ値を継承しないことが適切である場合もあります。たとえば、ReadOnlyというメタデータ・フィールドをtrueに設定したフォルダを作成すると、そのフォルダの名前変更、移動、削除は禁止できますが、コンテンツはそのフォルダにチェックインできます。

フォルダにチェックインしたコンテンツが、そのフォルダのメタデータ値(ReadOnlyフィールドがtrue)を継承すると、そのコンテンツは作成者であっても削除できなくなります。あるフォルダを読取り専用に設定しても、そのフォルダにチェックインしたコンテンツにはReadOnlyのtrueの値を継承させずにコンテンツを削除可能にすることもできます。

ブラウザ・インタフェースを使用してチェックイン・ページでフォルダにチェックインしたコンテンツではReadOnlyフィールドの値をfalseに変更できますが、WebDAVを介してコンテンツをチェックインする場合は、チェックイン時にこのフィールドの値を変更する方法はありません。

親フォルダから値を継承しないようにするには、次の手順に従います。この例ではReadOnlyフィールドを使用しますが、任意のメタデータ・フィールドを使用できます。

  1. /custom/Folders/resourcesディレクトリに移動します。

  2. 既存のfolders_forcemeta_resource.hdaファイルをバックアップ用に別の名前でコピーします。

  3. folders_forcemeta_resource.hdaファイルをテキスト・エディタで開きます。

  4. 次のようにファイルを編集します。ResultSetは次のようになります。

    @ResultSet METADATA_OVERRIDE
    2
    name
    value
    xReadOnly
    0
    @end
    
  5. ファイルを保存します。

  6. Oracle WebCenter Content Serverを再起動します。

6.4 コントリビューション・フォルダの管理

この項では、コントリビューション・フォルダの管理に通常伴うタスクについて説明します。次の項目について説明します。

6.4.1 コントリビューション・フォルダの構成

次の方法でフォルダのパフォーマンスを最適化できます。

6.4.1.1 フォルダとファイルに関する制限の設定

コントリビューション・フォルダ内のフォルダおよびコンテンツ・アイテムの最大数を変更するには、次の手順に従います。

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。

    「仮想フォルダの管理構成」画面が開きます。

  2. 「仮想フォルダ当たりの最大フォルダ数」フィールドに数値を入力します。ユーザーがこの数を超えるコントリビューション・フォルダを定義しようとすると、エラー・メッセージが表示されます。

  3. 「仮想フォルダ当たりの最大コンテンツ数」フィールドに数値を入力します。ユーザーがこの数を超えるコンテンツ・アイテムをチェックインしようとすると、エラー・メッセージが表示されます。

  4. 「更新」をクリックします。

6.4.1.2 システム・フォルダの有効化と無効化

無効化したシステムレベルの階層フォルダを有効にするには、次の手順に従います。

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。「システム・フォルダの構成」を選択します。

    「システム・フォルダの構成」画面が開きます。

  2. 有効にするフォルダの横にある灰色のアイコンをクリックします。

    フォルダが有効化され、そのフォルダの検索ページが開きます。有効化したフォルダはユーザーに表示されます。

フォルダを無効にするには、同じ手順を実行します。無効にするフォルダの横にある緑色のアイコンをクリックします。

6.4.1.3 ごみ箱の無効化

Contribution Foldersの初期設定後にごみ箱を無効にするには、次の手順に従います。

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。「システム・フォルダの構成」を選択します。

    「システム・フォルダの構成」画面が開きます。

  2. 「ごみ箱」の横にある緑色のドットをクリックして、ごみ箱を無効にします。

フォルダから削除したコンテンツは、ごみ箱に移動せずに完全に削除されます。いったん削除したコンテンツは復元できなくなります。


注意:

ごみ箱の無効化が特に有用なのは、Site Studioを使用している場合です。詳細は、第6.7.8項「Site Studio Webサイトのコントリビューション・フォルダからのコンテンツの削除」を参照してください。


6.4.1.4 システムのデフォルト・メタデータの定義

最初のチェックインに適用されるシステムのデフォルト・メタデータを定義するには、次の手順に従います。これらのデフォルト値がコントリビューション・フォルダを介してチェックインされたコンテンツに適用されるのは、ユーザーがそのコントリビューション・フォルダに対して値を定義していない場合のみです。

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。「フォルダ構成」「システムのデフォルト情報のフィールド構成」を選択します。

    システムのデフォルトの情報フィールドの構成ページが開きます。

  2. チェックイン時にコンテンツに適用するデフォルト値を指定します。Idocスクリプトを任意の情報フィールドで使用できます。

  3. 「更新」をクリックします。

6.4.1.5 メタデータの伝播の構成

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。「フォルダ構成」「フィールド情報の継承構成」を選択します。

    フィールド情報の継承構成ページが開きます。

  2. 伝播するメタデータ・フィールドのチェック・ボックスを選択します。

  3. 「更新」をクリックします。

    階層フォルダ情報ページの「伝播」をクリックすると、選択したメタデータ値のみが伝播されます。

    伝播禁止の設定自体を伝播するには、フィールド情報の継承構成ページのメタデータ更新の禁止フィールドのチェック・ボックスを選択します。ただし、伝播禁止の設定は、falseからtrueまたはfalseから空白にのみ伝播され、trueからfalseまたは空白からfalseには伝播されません。trueまたは空白に設定されているフォルダおよびコンテンツ・アイテムは、伝播プロセスの対象に含まれません。

6.4.1.6 特定フォルダを除くメタデータ・フィールドのグローバルな非表示

次の手順を使用して、すべてのフォルダおよび新しいチェックインに対して、1つ以上のメタデータ・フィールドをグローバルに非表示にし、特定のWebDAVコントリビューション・フォルダを使用したコンテンツのチェックインではこれらのメタデータ・フィールドを表示できるようにします。ルールの使用方法の詳細は、第3.2項「プロファイルを使用した「コンテンツ」画面のカスタマイズ」を参照してください。

  1. 「メイン」メニューから「管理」「管理アプレット」を選択します。「構成マネージャ」「ルール」タブをクリックします。

    「構成マネージャ」: 「ルール」タブ画面が開きます。

  2. 「追加」をクリックしてルールを追加します。ルールの名前と説明に関する情報を入力します。

  3. 「一般」タブで、「優先度のあるグローバル・ルール」および「ルールのアクティブ化条件の使用」を選択します。

    1. 「ルールのアクティブ化条件の使用」チェック・ボックスの横にある「編集」を選択します。

    2. 「追加」をクリックして条件を追加します。

    3. 条件がハイライトされていることを確認し、「句」タブを選択します。

    4. 「フィールド」メニューの「フォルダ」を選択します。

    5. 「演算子」メニューの「次の数値に等しくない」を選択します。

    6. 「値」メニューで、メタデータ・フィールドを表示するフォルダのxcollectionIDを入力します。xcollectionIDは、データベースのコレクション表のdCollectionIDの下にあります。

    7. 「追加」をクリックして、「句」セクションに句を追加します。

    8. 「OK」をクリックします。

  4. 「ルールの編集」ウィンドウから「フィールド」タブを選択します。

  5. 「追加」をクリックし、非表示にするフィールドを選択します。

  6. 「OK」をクリックします。

    「ルール・フィールド'名前'の追加」/「ルール・フィールド'名前'の編集」画面が開きます。

  7. 「ルール・フィールドの追加」ウィンドウの「タイプ」メニューで、「非表示」を選択します。

  8. 「OK」をクリックします。

  9. 「ルールの編集」メイン・ウィンドウで「OK」をクリックします。

  10. 未指定のフォルダにコンテンツを追加して構成をテストします。フィールドが非表示になります。ルールに指定されているフォルダにコンテンツを追加します。フィールドが表示されます。フィールドを表示するために複数のフォルダが必要になる場合は、同じルールの条項内でさらに条件が必要になります。

6.4.2 ローカル・フォルダの管理

この項では、ローカル・フォルダの管理の次の項目について説明します。

6.4.2.1 ローカル・フォルダの指定

コントリビューション・フォルダ構造をホスト・システム上のローカル・ファイル・システムにマップするには、次の手順に従います。

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。「フォルダ構成」「ローカル・フォルダ」を選択します。

    ローカル・フォルダ・ページが開きます。

  2. 「参照」をクリックします。

    「参照中」ダイアログが開きます。

  3. ファイル・システムにマップするフォルダをクリックします。上位フォルダに移動してそのサブフォルダを表示します。ターゲット・フォルダは開いているフォルダです。

  4. 「OK」をクリックします。

    「フォルダ」フィールドに、ターゲット・フォルダが入力されます。

  5. 「ローカル・ディレクトリ」フィールドに、ディレクトリ名を入力します。

    たとえば、c:/my_websiteのように指定します。

  6. 「追加」をクリックします。

    必要な場合は、このディレクトリがファイル・システム上に作成され、指定したフォルダ構造が指定したディレクトリにレプリケートされます。

6.4.2.2 ローカル・フォルダの再構築

ローカル・ファイル・システムにマップするフォルダのディレクトリ構造を再構築するには、次の手順に従います。

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。「フォルダ構成」「ローカル・フォルダ」を選択します。

    ローカル・フォルダ・ページが開きます。

  2. 再構築するフォルダ/ディレクトリのマッピングに対して「再構築」をクリックします。

    そのディレクトリ(およびすべてのサブディレクトリとファイル)がローカル・ファイル・システムから削除され、フォルダ構造がそのディレクトリに再度コピーされます。

6.4.2.3 ローカル・フォルダの削除

ローカル・フォルダのマッピングを削除するには、次の手順に従います。

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。「フォルダ構成」「ローカル・フォルダ」を選択します。

    ローカル・フォルダ・ページが開きます。

  2. 削除するフォルダ/ディレクトリのマッピングに対して「削除」をクリックします。

    そのディレクトリ(およびすべてのサブディレクトリとファイル)がローカル・ファイル・システムから削除され、マッピングがローカル・フォルダ・ページから削除されます。マッピングされたコントリビューション・フォルダは、ローカル・フォルダのマッピングが削除されるまで削除できません。

6.4.3 コントリビューション・フォルダのアーカイブ

この項では、フォルダのアーカイブに関する次の項目について説明します。

6.4.3.1 アーカイブのエクスポート


注意:

アーカイブ・ファイルとしてエクスポートされるフォルダ階層のサイズによっては、JVMのデフォルトのヒープ・サイズの値が十分でない場合があります。エクスポート手順でメモリー・エラーが発生する場合は、ヒープ・サイズを大きくしてください。


フォルダ階層をアーカイブ・ファイルとしてエクスポートするには、次の手順に従います。

  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。

    「仮想フォルダの管理構成」画面が開きます。

  2. 「アーカイブのエクスポート」をクリックします。

    ダイアログが開き、ファイルを保存するように求められます。

  3. 「保存」をクリックします。

  4. フォルダ・アーカイブ・ファイルを保存するディレクトリに移動します。

  5. アーカイブ・ファイルを容易に識別できるように新しいファイル名を指定します(例: 101127_CollectionArchive)。


    注意:

    Windowsでは、ファイル・タイプを「テキスト・ドキュメント」にしておき、これにより、ファイル名に.txt拡張子が追加されます(例: CollectionArchive.hda.txt)。単に.hda拡張子でファイルを保存するには、「すべてのファイル」ファイル・タイプを選択します。


  6. 「保存」をクリックします。

    指定したファイルにフォルダ階層がエクスポートされます。

6.4.3.2 アーカイブのインポート

次の手順を使用して、アーカイブしたフォルダ構造をインポートします。


注意:

この手順を実行すると、現在のフォルダがすべて削除され、インポートされたフォルダ階層に置換されます。この手順は一般に、リポジトリ内にコンテンツ・アイテムが存在しないOracle WebCenter Content Serverに対してのみ実行してください。


  1. 「メイン」メニューで、「管理」「フォルダ構成」を選択します。

    「仮想フォルダの管理構成」画面が開きます。

  2. 「参照」をクリックし、インポートするアーカイブ・ファイルに移動します。

  3. 「開く」をクリックします。

    パスとファイル名がフィールドに表示されます。

  4. 「アーカイブのインポート」をクリックします。

    確認のプロンプトが開きます。

  5. 「OK」をクリックします。

    アーカイブ済フォルダがインポートされて、再作成されます。

6.4.4 URLがマップされたフォルダ

フォルダにURLをマップするには、「メイン」メニューから「管理」「フォルダ構成」の順に選択します。「フォルダにマップされているWeb URL」オプションを選択します。表示されたリストからフォルダおよびフォルダのURLを選択します。Web URLのマッピングの詳細は、『Oracle WebCenter Content Serverシステム管理者ガイド』のWebUrlMapPluginによるURLのマッピングに関する項を参照してください。

6.5 WebDAVインタフェース

WebDAV (Web-Based Distributed Authoring and Versioning)はOracle WebCenter Content Serverとともに自動的にインストールされて有効化され、WebDAVプロトコルをサポートしているクライアントを使用してOracleコンテンツをリモートで作成および管理する方法を提供します。たとえば、OracleのWebブラウザ・インタフェースを使用せず、Windows Explorerを使用してフォルダやファイルを管理したり、Microsoft Office製品を使用してOracleリポジトリ内のコンテンツをチェックイン、チェックアウトおよび変更できます。WebDAVプロトコルはRFC 2518.0で規定されています。詳細は、http://www.webdav.orgでWebDAVのリソースに関するページを参照してください。

WebDAVは、次のオーサリング機能およびバージョニング機能をサポートしています。

コンテンツ管理システムでWebDAVを使用すると、WebDAVクライアントは、コンテンツ・リポジトリ内のネイティブ・ファイルへの代替ユーザー・インタフェースとして機能します。作成者がOracleのWebブラウザ・インタフェースとWebDAVクライアントのどちらを使用しても、同じバージョニングとセキュリティ制御が適用されます。

Oracle WebCenter Content ServerのWebDAVインタフェースは、Folders(FrameworkFolders)コンポーネントまたはContribution Folders(Folders_g)コンポーネントが提供するフォルダ・インタフェースに基づいています。特に明記されていない場合、WebDAVは両方のコンポーネントに対して同じように機能します。


重要:

WebDAVでは、ユーザー名にASCII以外の文字を使用できません。


この項の内容は次のとおりです。

WebDAVインタフェースを使用する方法の詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Serverユーザーズ・ガイド』を参照してください。

6.5.1 WebDAVクライアント

WebDAVクライアントは、WebDAVプロトコルを使用してリクエストを送信し、レスポンスを受信できるアプリケーションです。通常、WebDAVクライアントには追加設定が必要ありません。

WebDAVプロトコルをある程度サポートするアプリケーションは数多くありますが、コンテンツ・サーバーでは次の項目をテストし、サポートしています。

  • Microsoft Windows Explorer

  • Microsoft Word 2002(XP)から2010

  • Microsoft PowerPoint 2002(XP)から2010

  • Microsoft Excel 2002(XP)から2010

Windows Explorerを使用して、WebDAV以外のクライアントで作成されたファイルを管理できますが、ネイティブ・アプリケーションを使用して、リポジトリとの間でコンテンツのチェックインやチェックアウトを行うことはできません。


注意:

WebDAVクライアントという用語を、Oracle WebDAVクライアント(WebDAVインタフェースを拡張する独立したOracle製品)と混同しないでください。


Windowsエクスプローラ、Microsoft Outlook、Lotus Notesおよびその他のアプリケーションとのより密接な統合によりWebDAVクライアント環境を拡張できるOracle WebCenter Content: Desktopもまた用意されています。詳細は、Oracle WebCenter Desktopユーザーズ・ガイドを参照してください。

6.5.2 WebDAVアーキテクチャ

WebDAVは、WebDAVリクエストを直接処理するコンポーネントを介してサポートされます。WebDAVリクエストは、次のプロセスに従います(図6-1を参照)。

  1. Oracle WebCenter Content ServerへのリクエストがWebDAVクライアントで作成されます。

  2. メッセージは、カスタム・フィルタを介してWebサーバーで処理されます。

  3. Oracle WebCenter Content Serverで、WebDAVコンポーネントが次の機能を実行します。

    • クライアント・リクエストをWebDAVと認識します。

    • クライアント・リクエストを該当するWebDAVサービス・コールにマップします。

    • WebDAVリクエストから該当するリクエストにクライアント・リクエストを変換します。

    • コアのOracle WebCenter Content Serverに接続し、リクエストを実行します。

  4. WebDAVコンポーネントによってレスポンスがWebDAVレスポンスに変換され、WebDAVクライアントに返されます。

図6-1 WebDAVのプロセス

図6-1は、周囲のテキストで説明されています。

重要:

WebDAVでは、いくつかの標準でないHTTPメソッド(PROPFIND、PROPPATCH、MKCOL、DELETE、COPY、MOVE、LOCK、UNLOCKなど)が使用されます。多くのサードパーティ・アプリケーション(ファイアウォール、プロキシ・サーバー、ロード・バランサ、シングル・サインオンのアプリケーションなど)では、これらのメソッドをデフォルトでは使用できません。これらのアプリケーションのいずれかをネットワークで使用している場合は、WebDAVメソッドを使用可能にするための再構成が必要な場合があります。


6.5.3 WebDAVフォルダ

WebDAVフォルダには、ネットワーク接続場所の場合と同様に接続します。使用する資格証明は、Oracle WebCenter Content Serverの標準のブラウザ・インタフェースに使用するものと同じです。保有するユーザー権限の定義に従って、フォルダおよびフォルダ・コンテンツを操作できます。たとえば、あるコンテンツ・アイテムの読取り権限がある場合、そのファイルは表示できますが、そのファイルにリビジョンをチェックインすることはできません。

WebDAVインタフェースにはブラウザ・インタフェースで使用可能なオプションのサブセットが提供されます。通常は、フォルダとコンテンツ・アイテムの作成、削除、移動およびコピーと、コンテンツ・アイテムの変更およびチェックインができます。WebDAVインタフェースを通じてコンテンツ・アイテムをチェックアウトするには、ファイルを開くことのできるWebDAVクライアントを使用する必要があります。メタデータ値の指定または伝播などの他の管理タスクを実行するには、標準のブラウザ・インタフェースを使用する必要があります。

WebDAVフォルダへの接続を確立し、WebDAVフォルダを使用してコンテンツを管理する方法の詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Serverユーザーズ・ガイド』を参照してください。

6.5.4 複数言語同時サポート

同時に複数の言語をサポートする場合、特定のWebDAVプロパティ(メタデータ・フィールド)ではASCII以外の文字を使用できません。ASCII以外の文字を使用すると、WebDAVクライアントでは、その文字を含むフォルダをリストできなくなる場合があります。たとえば、英語のデスクトップでは日本語の表示に問題が起きることがあります。

ASCII以外のキャラクタ・セットを使用できない具体的なフィールドは、WebDAVクライアントによって異なります。

Microsoft Web Folders

次のフィールドではASCII以外の文字を使用できません。

  • コンテンツ名(dDocName)

  • 元のコンテンツ名(dOriginalName)

  • コンテンツ・タイトル(dDocTitle)

  • フォルダ名

Oracle WebCenter Content Desktop

次のフィールドではASCII以外の文字を使用できません。

  • コンテンツ名(dDocName)

  • 元のコンテンツ名(dOriginalName)

  • コンテンツ・タイトル(dDocTitle)

  • コンテンツ・タイプ(dDocType)

  • コンテンツ・アイテムの作成者(dDocAuthor)

  • セキュリティ・グループ(dSecurityGroup)

  • フォルダ名

6.6 WebDAVの管理

WebDAVをインストールした後、フォルダ・コンポーネントのWebページからほとんどのWebDAVシステム管理タスクを実行できます。コントリビューション・フォルダの詳細は、第6.4項「コントリビューション・フォルダの管理」を参照してください。Foldersの詳細は、第6.2項「Foldersの管理」を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

6.6.1 WebDAV接続文字列

コンテンツ・サーバーへの接続を確立するときには、ユーザーはそのサーバーのWebDAV URLを提供する必要があります。定義した各コンテンツ・サーバー接続には、それぞれ固有のWebDAV URLが必要であることに注意してください。同一のWebDAV URLを使用してコンピュータに2つのサーバー接続を確保することはできません。一般的なWebDAV URLは、次の形式になります。

http[s]://host-name:[port]/web-root/idcplg/webdav

次に例を示します。

http://server:7044/idc/idcplg/webdav
http://server.example.com:16200/cs/idcplg/webdav
https://server/cs/idcplg/webdav

フォームベースのログインを使用するため、WebDAV接続文字列のWebルートの前に_davルートが必須になりました。次に例を示します。

http://host_name:16200/_dav/cs/idcplg/webdav/

6.6.2 コンテンツ・アイテムのデフォルトの命名規則

ユーザーがWebDAVフォルダを介して新しいコンテンツをチェックインしたときには、コンテンツ・アイテムのタイトルなどのメタデータ値は明示的に設定できません。原則として、コンテンツ・アイテムはフォルダに指定されているメタデータのデフォルト値を継承します。

コンテンツ・アイテムのタイトル(dDocTitle)は、後述の場合を除き、常に元のファイル名(dDocOriginalName)に設定されます。

フォルダのデフォルト

Folders(FrameworkFoldersコンポーネント)では、フォルダのデフォルト・メタデータの一部としてタイトルが指定されている場合、フォルダによって指定されたタイトルがドキュメントのタイトルとして使用されます。

コントリビューション・フォルダのデフォルト

Contribution Folders(Folders_gコンポーネント)では、フォルダのデフォルト・メタデータの一部としてタイトルが指定されており、かつ変数CollectionDocTitleOverrideが1に設定されている場合、フォルダによって指定されたタイトルがドキュメントのタイトルとして使用されます。

この変数設定は、IntradocDir/config/config.cfgファイルで変更できます。

6.6.3 セキュリティとWebDAV

WebDAVには、次のセキュリティ機能が含まれています。

  • アクセス: フォルダ・コンポーネントおよびOracle WebCenter Content Serverのユーザー・ログインおよびセキュリティ制御は、WebDAVクライアントで管理されるコンテンツにも適用されます。たとえば、あるコンテンツ・アイテムの読取り権限がある場合、そのファイルを表示できますが、そのファイルに新しいリビジョンをチェックインすることはできません。

  • ログインCookie: ユーザーがWebDAVアプリケーションを使用してOracle WebCenter Content Serverにログインすると、WebDAVコンポーネントによってクライアント内にCookieが設定されます。WebDAVリクエストがWebDAVMaxInactiveInterval構成パラメータに指定された時間内に行われた場合には、Cookieは設定されたままです。デフォルトでは3600秒、つまり1時間です。WebDAVクライアント・アプリケーションが終了しても、Cookieは設定されたままです。Cookieが期限切れになった場合、ユーザーはOracle WebCenter Content Serverに再びログインし、Microsoft Word、ExcelおよびPowerPointを使用してWebDAVトランザクションを実行する必要があります。

    Cookieには、権限のないユーザーが偽のCookieを生成するのを防ぐ暗号化キーが組み込まれています。WebDAVSecretKeyパラメータは、キーの生成に使用されます。WebDAVログインCookieが他のOracle WebCenter Content Serverで使用されないようにするには、WebDAVでアクセスするインスタンスごとにWebDAVSecretKeyの設定を一意の新しい値に変更します。

  • Windows Explorer: ユーザーがWindows Explorerを使用してOracle WebCenter Content Serverにログインすると、クライアントによってユーザー・ログイン認証がシェル内に保持されます。ログインCookieの期限が切れた場合でも、Oracle WebCenter Content ServerにはWindows Explorerからユーザー名とパスワードが自動的に送信されるため、ログインを要求するプロンプトは表示されません。これをクリアする唯一の方法は、ユーザーがWindowsからログアウトすることです。

  • 個人フォルダ: コンテンツ・サーバーは、ユーザーごとに個人フォルダ(/Users/<username>/)を作成します。Webインタフェースの機能により、ユーザーは/Usersディレクトリにフォルダを作成できません。ただし、ユーザーがWebDAVインタフェースを介して/Usersディレクトリに書き込むことができないようにするには、/Usersフォルダに対する権限を明示的に設定する必要があります。たとえば、フォルダに対する読取りアクセス権はほとんどのユーザーに付与し、フォルダへの書込みは管理者にのみ許可できます。

  • セッション・タイムアウト: WebDAVクライアントでセッション・タイムアウト値が指定されていない場合は、WebDAVDefaultTimeout設定で指定されているデフォルトのタイムアウトが使用されます。セッション中にアクティビティがなくタイムアウトまでの間ファイルがロック(チェックアウト)されたままの場合は、チェックアウトされたすべてのコンテンツに「チェックアウトを元に戻す」が適用されます。

6.7 WebDAVのトラブルシューティング

この項では、WebDAVの使用時に発生する問題について説明し、想定される解決策を示します。


ヒント:

WebDAVコンポーネントの操作に関するエラー・メッセージと詳細情報は、Oracle WebCenter Content Serverのログを参照してください。


6.7.1 ゼロバイトのファイル

Office 2000アプリケーションの使用時にWebDAVサーバーにあるドキュメントを開くと、内容が空(0バイト)であると表示されます。

6.7.1.1 原因

この問題は、Microsoft Internet Explorerのインターネット一時ファイルの設定の組合せに起因している可能性があります。WebDAVファイルはOracle WebCenter Content Serverに存在していますが、特定の設定を伴うクライアント・コンピュータでは正しく開けません。

6.7.1.2 解決策

  1. Internet Explorerで、「ツール」「インターネット オプション」を選択します。

  2. 「全般」タブで、「設定」をクリックします。

  3. 「保存しているページの新しいバージョンの確認」で「ページを表示するごとに確認する」を選択します。

  4. 「インターネット一時ファイルのフォルダ」で、ディスク領域の容量増加を検討します。(容量が少ないと、空のファイルの問題が発生する頻度が高くなります。)

  5. 「OK」を2回クリックして設定を保存し、画面を閉じます。

6.7.2 WebDAVフォルダへの接続がない

クライアント・コンピュータがWebDAVフォルダに接続されません。

6.7.2.1 原因

Internet Explorerがプロキシ・サーバーを使用するように構成されています。

6.7.2.2 解決策

次のいずれかを実行します。

  • HTTPサーバー/WebDAVサーバーにプロキシ・サーバー・インスタンスを使用しないようにクライアント・コンピュータを構成します。このためには、Internet Explorerで「ツール」「インターネット オプション」を選択します。「接続」「LANの設定」「詳細設定」「例外」を選択します。WebDAVサーバーのIPアドレス/ホスト名を指定します。

  • プロキシ・サーバーの構成を変更して、WebDAVメソッド(WebDAV固有のHTTP/1.1拡張機能)が標準のGET、POSTおよびその他のHTTP/1.1メソッドとともに通過できるようにします。詳細は、ご使用のプロキシ・サーバーのマニュアルを参照してください。

  • Windows VistaでWebDAVが正しく機能するには、Service Pack 2が必要です。

6.7.3 接続に関するその他の問題

  • Windows XP、Vistaおよび7の一部のバージョンは、HTTP経由またはHTTP基本認証を使用して実行しているWebDAVサーバーに接続されません。解決するには、レジストリ・エントリを設定する必要があります。詳細は、http://support.microsoft.com/kb/841215を参照してください。

  • Windows 7でネットワーク・ドライブをマッピングすると、Windowsでは、ログイン・セッションで失敗となったすべての試行が記憶され、ホストへの1回の接続が失敗すると、その後は接続が再試行されません。このことは、Internet Explorerでブラウザ・キャッシュを消去し、WebDAV URLを変更している場合でも同じです。この問題を回避するには、Windows 7を再起動してから、WebDAV経由でそのホストへの接続を再試行してください。

  • デフォルトでは、Office 2010では、非SSL接続での、Basic認証を使用するWebDAV経由のドキュメントは開かれません。解決するには、レジストリ・エントリを設定する必要があります。詳細は、http://support.microsoft.com/kb/2123563を参照してください。

6.7.4 ファイル名のダブルバイト文字

ファイル名にダブルバイト文字を使用したファイルをチェックインできません。

6.7.4.1 原因

西ヨーロッパ言語のオペレーティング・システムでOracle WebCenter Content Serverを実行している場合、Microsoft WebDAVクライアントは、ファイル名にダブルバイト文字を使用したファイルを処理できないことがあります。

6.7.4.2 解決策

ファイル名からダブルバイト文字をすべて排除するか、Oracle WebCenter Content ServerのWebブラウザ・インタフェースを介してファイルをチェックインします。

6.7.5 仮想フォルダ名またはファイル名の番号記号

フォルダ名に番号記号(#)を使用すると、エラーが発生したり、番号記号(#)の前でフォルダ名が切り捨てられます。ファイル名に番号記号(#)を使用するとエラーが発生します。

6.7.5.1 原因

WebDAVフォルダ名またはファイル名では番号記号(#)を使用できません。

6.7.5.2 解決策

フォルダ名から番号記号(#)を削除します。ファイル名から番号記号をすべて排除するか、Oracle WebCenter Content ServerのWebブラウザ・インタフェースを介してファイルをチェックインします。

6.7.6 ExtranetLookコンポーネントの問題

フォルダ・コンポーネントをインストールした後、ExtranetLookコンポーネントが機能しません。

6.7.6.1 原因

WebDAVコンポーネントでは、CookieベースのログインにCookieLoginPlugin.dllが使用されます。WebDAVを使用してMS Wordでドキュメントを開くと、Cookieによって追加のログイン・プロンプトが排除されます。大部分のユーザーはフォームベースのログインを望まないため、通常、コンポーネントでは、Webページでのフォームベースのログインがdllによって実行されないようになっています。ただし、ユーザーが希望する場合は、次の手順に従ってフォームベースのログインを実行できます。

6.7.6.2 解決策

WebDAVコンポーネントでフォームベースのログインを可能にするには、追加の構成変更が必要です。WebDAVコンポーネントとExtranetLookコンポーネントを併用するには、WebDAVDisableOtherFilterCookies=falseを設定します。

6.7.7 自動コントリビューション・ワークフロー・ステップにおけるコンテンツ・アイテムのスタック

コンテンツ・アイテムをフォルダにドラッグ・アンド・ドロップすると、コンテンツ・アイテムが予期したとおり、自動的にワークフローに入りました。ただし、このコンテンツ・アイテムはワークフローの自動コントリビューション・ステップ内でスタックしているように見えます。このコンテンツ・アイテムを承認する唯一の方法は、選択した「リビジョン編集の終了」オプションでコンテンツ・アイテムをチェックアウトし、再度チェックインすることであり、これによって、そのコンテンツ・アイテムはワークフローの最初のステップに移動します。

6.7.7.1 原因

WebDAVインタフェースを介してコンテンツ・アイテムをコントリビュートするときのデフォルトのワークフロー動作が変更されました。Foldersリビジョン91以上では、フォルダにコントリビュートしたとき、コンテンツ・アイテムは、従来のデフォルトであったワークフローの最初のステップではなく、コントリビューション・ステップでワークフローに入ります。これは、Site Studioのプレビュー・モードをサポートするための変更ですが、その結果、コンテンツ・アイテムはワークフローを正しく進まなくなり、Site Studioインタフェースを使用した承認が可能になりました。ただし、Site Studioを使用していない場合、これは望ましい動作ではありません。

6.7.7.2 解決策

この問題に対処するための構成エントリが2つあります。

  • AutoContributorAdvancesOnUnlock: この構成エントリを有効にすると、リビジョン91より前のFoldersコンポーネントのバージョンと同様に、コンテンツは最初のワークフロー・ステップに即座に進みます。

  • AutoContributorAllowsReview: この構成エントリによって、ユーザーは、チェックアウト/チェックインの手順を実行しなくても、ワークフローのコントリビューション・ステップのコンテンツ・アイテムを承認できます。

6.7.8 Site Studio Webサイトのコントリビューション・フォルダからのコンテンツの削除

Site Studio Webサイトへのコントリビュートに使用しているフォルダからドキュメントを削除しても、削除したドキュメントはWebサイトの動的リストに引き続き表示されます。

6.7.8.1 原因

Foldersコンポーネントのインストール時にごみ箱機能の有効化を選択すると、ごみ箱が作成され、各フォルダから削除されたコンテンツがすべて格納されます。Site Studioには副作用があり、WebDAVフォルダから削除されたドキュメントが引き続きSite Studioの動的リスト(目次など)および問合せに表示されます。Site Studio Webサイトのすべての動的リストおよび問合せからドキュメントを消去するには、ドキュメントをごみ箱から明示的に削除します。

6.7.8.2 解決策

ドキュメントを2回削除する必要がないようにする方法は、第6.4.1.3項「ごみ箱の無効化」を参照してください。ごみ箱を無効にした後は、一度削除したドキュメントを復元できなくなることに注意してください。

6.7.9 WebDAVのドラッグ・アンド・ドロップがWindows 2000で機能しない

WebDAVクライアントを使用してドラッグ・アンド・ドロップを試行しても、ファイルが作成されないか、0バイトのファイルが作成されます。アクションが正常に完了していないのに、エラー・メッセージが表示されません。WebDAVクライアントを使用したファイルのコピー・アンド・ペーストは機能します。

6.7.9.1 原因

この問題は、Office 2000サービス・リリース1以降にアップグレードしたWindows 2000の一部のバージョンで既知の問題です。

6.7.9.2 解決策

次の解決策を使用すると、ドラッグ・アンド・ドロップの問題を回避または解決できます。

  • ドラッグ・アンド・ドロップが機能しない状況では、コピー・アンド・ペーストを使用してコンテンツを追加します。

  • 次のURLにあるMicrosoftナレッジ・ベース記事の説明に従って、Windows dllファイルをアップグレードします: http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;288440

6.7.10 フォルダ・ショートカットに最新の変更が表示されない

Webフォルダへのショートカットを作成し、そのショートカットを使用してWebフォルダを開いた場合、Webフォルダにはフォルダ・コンテンツに対する最新の変更が表示されません。

6.7.10.1 原因

フォルダ・ショートカットには、最新ではなくなったキャッシュ済情報が表示されることがあります。これは、Microsoft Windowsの既知の問題です。

6.7.10.2 解決策

[F5]を押すか、または「表示」メニューの「リフレッシュ」を選択して、フォルダの表示をリフレッシュします。

6.7.11 すべてのWebDAVリクエストのプロファイル・ルール

すべてのWebDAVリクエストに適用するプロファイル・ルールはどのようにすると作成できますか。

6.7.11.1 解決策

プロファイル・ルールの変数IsWebdavRequestをチェックします。たとえば、dOutDateフィールドに対して次のスクリプトを使用すると、dOutDateフィールドがすべてのWebDAVチェックインに対して今後30日間に設定されていることを確認できます。

<$if IsWebdavRequest$> 
<$dprDerivedValue=dateCurrent(30)$> 
<$endif$>