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Oracle® WebCenter Content Site Studio Contributorユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B69394-01
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10 ネイティブ・ドキュメントの操作

Contributorを使用してWebページを作成および編集する以外に、サード・パーティ製アプリケーションを使用してネイティブ・ドキュメントを作成および編集することもできます(Microsoft Wordなど)。Site Studioは、これらのドキュメントを、他のWebページとともにWebサイトにシームレスに表示されるWebページに変換します。

Site Studio Webサイトでのネイティブ・ドキュメントの使用については、次の項で詳しく説明します。

10.1 ネイティブ・ドキュメントについて

ネイティブ・ドキュメントは、Microsoft Word、ExcelまたはPowerPointなどのサード・パーティ製アプリケーションで作成されるドキュメントです。ドキュメントは、ドキュメントの作成に使用されたアプリケーション(ネイティブ・アプリケーション)で表示および編集を行うように作成されています。通常は、Webページとして表示できません。

Site Studio Contributorは、コントリビュータ・データファイルの場合と同様に、ネイティブ・ドキュメントをコントリビューション・リージョンに割り当てます。ただし、コントリビュータ・データファイルはWebページにすぐに表示できますが(XMLで記述されているため)、ネイティブ・ドキュメントの場合はHTMLに変換して、Webページに挿入する必要があります。

Site Studioでは、変換エンジン(Dynamic Converter)を使用して、ドキュメントをWebで表示可能なレンダリングに変換します。このため、Site Studio Webサイトでは、Dynamic Converterに設定されたルールまたはテンプレートが自動的に適用されます。

ネイティブ・ドキュメントは、様々な理由でサイトで使用されます。1つは、組織内で別の目的で使用しているドキュメントを追加できるためです。たとえば、人事部のポリシー・ドキュメントまたは開発部の製品仕様を追加して、これらのドキュメントをWebサイトに含めることができます。2つのバージョンのドキュメントを作成する必要はありません。

Microsoft Wordなどの特定のアプリケーションに精通している場合は、そのアプリケーションでサイトのコンテンツを編集できます。作業が終わったら、ドキュメントを保存して閉じます。ドキュメントはHTMLに変換され、すぐにサイトに表示されます。

10.2 ネイティブ・ドキュメントの要件

Site Studio Webサイトでネイティブ・ドキュメントを使用するには、Dynamic Converterを構成してコンテンツ・サーバーで実行する必要があります。サイト・デザイナまたはサイト・マネージャによって、これらのステップが完了している必要があります。

また、ネイティブ・ドキュメントがサイトの一部として認識されるためには、適切なメタデータの割り当てられたネイティブ・ドキュメントをチェックインする必要があります。詳細は、「ネイティブ・ドキュメントのメタデータ」を参照してください。システム管理者の支援を受けることもできます。

10.3 ネイティブ・ドキュメントのメタデータ

ネイティブ・ドキュメントを使用する場合、そのドキュメントをチェックインする際に、コントリビュータが割り当てられているメタデータを制御することが頻繁にあります(Site Studio Contributorでメタデータが割り当てられることが多いコントリビュータ・データファイルとは異なります)。これは特に、コンテンツ・サーバーのチェックイン・ページまたはDesktop Integration Suiteクライアントを使用してネイティブ・ドキュメントをサイトに追加する場合に該当します(「コンテンツ・サーバーを使用したネイティブ・ドキュメントのチェックイン」を参照)。

メタデータの値は、サイトを移動、バックアップ、パブリッシュする場合、またはレポートの生成にサイトを使用する場合に特に重要です。これらの値により、ドキュメントがサイトに属するものであることがSite Studioに伝えられます。

メタデータ・フィールド 定義
Web Sites コンテンツ・サーバーのSite Studio Webサイトを識別します。
Web Site Section コンテンツ・サーバーのSite Studio Webサイト・セクションを識別します。
Web Site Object Type Site Studio Webサイトのファイル・タイプを識別します。

ネイティブ・ドキュメントをチェックインする場合、「Website Object Type」に「Native Document」を選択します。


次の点に注意してください。

10.4 Webサイトへのネイティブ・ドキュメントの追加

ネイティブ・ドキュメントをSite Studio Webサイトに追加するには、いくつかの方法があります。最も馴染みのある方法を選択できます。この項では、Webサイトにネイティブ・ドキュメントを追加するいくつかの方法を説明します。ただし、デザイナによるサイトの設定状況によって、サイトごとに異なる場合があります。このため、ネイティブ・ドキュメントをまったく異なる方法で追加する場合もあります。

この項の内容は次のとおりです。

10.4.1 Webページへのネイティブ・ドキュメントの割当て

Webサイトにネイティブ・ドキュメントを追加するには、Webページ(具体的にはページのコントリビューション・リージョン)にドキュメントを割り当てます。それには、ページにコントリビュータ・データファイルを割り当てる場合と同様に、コントリビューション・グラフィックを使用します。

詳細は、「コントリビューション・リージョンへのコンテンツの割当て」を参照してください。

10.4.2 リンクの作成でのネイティブ・ドキュメントの追加

Contributorでネイティブ・ドキュメントを指すハイパーリンクを作成して、Webサイトにネイティブ・ドキュメントを追加できます。Contributorでハイパーリンクを作成する際、リンクを作成すると同時にリンクが指すファイル(ターゲット)も作成できます。

「コンテンツ・サーバーの既存ファイルへのリンクの作成」を参照してください。

10.4.3 動的リストへのネイティブ・ドキュメントの追加

動的リスト(デザイナがサイトに設定したリスト)にネイティブ・ドキュメントを追加して、Webサイトにネイティブ・ドキュメントを追加できます。動的リストはコンテンツ・サーバーで検索を実行し、一致するすべてのファイルをWebページに表示します。その結果、各ファイルへのリンクを含む項目のリストがページに表示されます。

動的リストにネイティブ・ドキュメントを追加するには、次のいずれかの方法を使用してドキュメントをチェックインできます。

10.4.4 コンテンツ・サーバーを使用したネイティブ・ドキュメントのチェックイン

Site Studio Contributorには、Webサイトに新規および既存のネイティブ・ドキュメントを追加するためのオプションが付属していますが(「Webサイトへのネイティブ・ドキュメントの追加」を参照)、馴染みのあるコンテンツ・サーバーの従来の方法を使用してネイティブ・ドキュメントをチェックインすることもできます。次のような方法があります。

  • コンテンツ・サーバーのチェックイン・ページ

  • Desktop Integration Suiteクライアント

  • コンテンツ・サーバーのフォルダ機能

ただし、前述のいずれかの方法を使用してドキュメントをチェックインする場合、ネイティブ・ドキュメントのメタデータと、Webサイトおよび動的リストで使用されるメタデータが一致することを確認する必要があります(「ネイティブ・ドキュメントのメタデータ」を参照)。


注意:

コンテンツ・サーバーへの項目のチェックインの詳細は、コンテンツ・サーバーのユーザー・ドキュメントを参照してください。

10.5 ネイティブ・ドキュメントを開いて編集する

Webサイトにネイティブ・ドキュメントを追加した後、各ドキュメントを開いて編集できます。Site Studio Webサイトでのネイティブ・ドキュメントの操作は、他の状況でネイティブ・ドキュメントを操作する場合とほとんど同じです。

主な違いは、ドキュメントがWebサイト、すなわち、コンテンツ・サーバーに格納される点です。そのため、この場所からドキュメントを開き、この場所に保存し、少々異なるスタイルを使用し(スタイルを使用する場合)、少し違ったリンクを作成する必要があります。

Contributorを使用してコントリビュータ・データファイルを開いて編集するのと同じ方法で、Site Studio Webサイトからネイティブ・ドキュメントを開いて編集できます。また、コンテンツ・サーバーと各種アドイン・コンポーネントを使用して、ネイティブ・ドキュメントのチェックアウトや編集も行えます。

Site Studio Contributorを使用してネイティブ・ドキュメントを開いて編集する

これらの手順を行う場合、Contributorを開くかわりに、最初にファイルの作成に使用したアプリケーションでネイティブ・ドキュメントを開きます(たとえば、Microsoft Wordで.docファイルを開きます)。この方法でドキュメントをチェックアウトすると、ドキュメントを保存するたびにリビジョンがコンテンツ・サーバーに作成されます。ドキュメントを閉じると、コンテンツ・サーバーにドキュメントがチェックインされます。

コンテンツ・サーバーを使用してネイティブ・ドキュメントを開いて編集する

Site Studio Contributorで利用できる機能の使用に加えて、コンテンツ・サーバー・インタフェースおよび様々なアドオン(Desktop Integration Suite、フォルダ機能など)を使用してネイティブ・ドキュメントを開いて編集することもできます。

それには、該当する製品に示された通常の手順に従って、コンテンツ・アイテム(この場合はネイティブ・ドキュメント)をチェックアウトして開き、チェックインします(「コンテンツ・サーバーを使用したネイティブ・ドキュメントのチェックイン」を参照)。Site Studio Contributorの機能を使用して通常行うようにサイトを参照するのではなく、コンテンツ・サーバーでネイティブ・ドキュメントを検索する必要があります。


重要:

コンテンツ・サーバーを使用してSite StudioのWebサイトを参照すると、馴染みのないファイル(拡張子が.xml、.hcsp、.jsまたは.cssなどのファイル)が検出されることがあります。これらはWebサイトで使用されるファイルであり、コントリビュータは編集しないでください。通常は、馴染みのある拡張子(Microsoft Wordの.doc、Microsoft Excelの.xls、Microsoft PowerPointの.pptなど)のファイルのみを編集します。

10.6 ネイティブ・ドキュメントでのスタイルの使用

ネイティブ・ドキュメントでは、ドキュメントの内容の書式設定および編集に対する自由度が非常に高くなります。これは長所にも短所にもなります。ネイティブ・ドキュメントは制限なく編集できます。ただし、新しい書体やフォント・サイズを採用したり、行間のスペースを広くすると、できあがったWebページの見た目は、Webサイトの他のWebページとは異なります。

そのため、サイトのデザイナは、ドキュメントをWebページに変換する際にHTMLタグにマップするスタイル名を設定しておきます。(実際には、このようなマッピングは、ドキュメントの変換に使用するDynamic Converterテンプレートに保存されます。)

ドキュメントのコンテンツを手動で書式設定するのではなく、テンプレートにスタイルを適用します。

図10-1 Microsoft Word 2003のスタイル・メニュー

Microsoft Wordのスタイル・メニュー。
「図10-1 Microsoft Word 2003のスタイル・メニュー」の説明

たとえば、「Title」、「Body」、「Footer」のスタイルを、HTMLの対応するタグや、カスタマイズしたCascading Style Sheetにマップできます。サイト・デザイナやサイト・マネージャに問い合せて、このようなスタイルが適切かどうか、スタイルをどのように使用するかについて確認する必要があります。

10.7 ネイティブ・ドキュメントでのハイパーリンクの作成

ネイティブ・ドキュメントを操作する際に実行するタスクの1つに、ハイパーリンクの作成があります。ハイパーリンクは、別のWebサイト、現在のサイトの別のセクション、現在のサイトの別のWebページなどを指すことができます。

ネイティブ・ドキュメントでのハイパーリンクの作成は、Contributorでのハイパーリンクの作成とは異なります。Contributorでは、リンク・ウィザードを使用して、ハイパーリンクの作成に関するすべての処理を実行し、作成可能な各種リンクを選択できます(「リンク・ウィザード」を参照)。

ネイティブ・ドキュメントでは、そのドキュメントに関連付けられているアプリケーションで使用可能な方法を使用してリンクを作成します。たとえば、Microsoft Word 2003の場合、「挿入」をクリックして「ハイパーリンク」を選択し、リンク先のアドレスを入力して「OK」をクリックします。このプロセスはプログラムごとに異なります。したがって、この項では、ネイティブ・ドキュメントでのリンクの作成方法については説明せず、リンクに対して入力する値(これらは、使用するアプリケーションで、リンク・アドレス、URL、ターゲット・ファイルなどと呼ばれています)について説明します。

Webサイトの別の部分へのリンクを作成するには、次の3つの方法があります。

10.7.1 リンクでのパスベースURLの使用方法

パスベースURLは、Webアドレスを簡単に示すことができます。通常は、ドメイン名(example.com)の後にスラッシュ(/)、セクション名(news)、場合によってはファイル名(news1.htm)が続きます。

パスベースURLを使用するには、次の作業を行います。

  1. Webブラウザを開き、現在のWebサイト上のリンク先に移動します。

  2. Webブラウザのアドレス・バーに表示されたアドレスをコピーします(たとえば、http://www.example.com/news/)。

  1. ネイティブ・ドキュメントのハイパーリンクにこのアドレスを貼り付けます。

  1. ハイパーリンク機能を終了して、ドキュメントを保存します。

ハイパーリンクのフルパスではなく、相対パスを使用することもできます(../products/myfileなど)。ただし、サイトの別の部分でそのネイティブ・ドキュメントを再利用する場合、その部分にリンクできないことに注意してください。(相対パスは、ドキュメントの配置場所に応じて変わるためです。)

ファイルへのリンクを作成するときに、ファイルのコンテンツIDと、そのファイルが格納されているセクションを把握している場合は、サイトに移動しなくてもそのWebアドレスを予測できます。Webサイトのアドレス(http://www.example.com)の後に、スラッシュ(/)、セクション(Newsなど)、スラッシュ(/)、コンテンツID (NewsIDなど)を入力します。完全なアドレスは次のようになります。

http://www.example.com/news/NewsID

10.7.2 リンクでのSite Studio Contributorトークンの使用方法

パスベースURLのかわりに、Site Studioで提供されるssLINKという特殊なトークンを使用できます。トークンを使用すると、Webサイトやドキュメントの格納場所の詳細がわからなくても、別のドキュメントへのリンクを簡単に作成できます。トークンは、ページがWebブラウザで処理されるときに実際のWebアドレスに解決します。

Site Studio Contributorトークンを使用するには、次の作業を行います。

  1. ネイティブ・ドキュメントでハイパーリンクを開きます。

  2. テキストssLINKの後にスラッシュ(/)とドキュメントのコンテンツIDを入力します。したがって、コンテンツID「MyDoc1」のドキュメントの場合は、次のように入力します。

    ssLINK/MyDoc1
    

図10-2 Microsoft Wordでのトークンベースのリンク・ターゲット

ハイパーリンク・アドレス・ターゲットのSite Studioトークン。
「図10-2 Microsoft Wordでのトークンベースのリンク・ターゲット」の説明

  1. ハイパーリンク機能を終了して、ドキュメントを保存します。

この方法でリンクを作成すると、ドキュメントの「xWebSiteSection」メタデータ・フィールドで定義されたWebサイト・セクションにドキュメントが表示されます。これを変更して、選択したセクションにドキュメントを表示するには、選択したセクションのIDをssLINKトークンに付加し、その後にドキュメントのコンテンツIDを続けます。

たとえば、コンテンツID「MyDoc1」のドキュメントへのリンクを作成し、そのドキュメントがID「23」のセクションに表示されるようにするとします。この場合、次のように使用します。

ssLINK/23/MyDoc1

サイトの別のセクションへのリンクを作成するには、ssNODELINKトークンを使用することもできます。これを使用するには、リンク先のセクションのIDを知っている必要があります。たとえば、ID「23」のセクションへのリンクを作成するには、次のように使用します。

ssNODELINK/23

セクションまたはWebサイトのIDを確認するには、コンテンツ・サーバーのコンテンツ・チェックイン・ページを開き、「Web Site Section」の横の「Browse」をクリックします。Choose Web Site Sectionウィンドウで、Webサイトを選択します。カッコで囲まれたIDが、各セクションの横に表示されます(図10-3)。

図10-3 セクションまたはWebサイトのID

Webサイトのセクションをリストから選択するダイアログ。
「図10-3 セクションまたはWebサイトのID」の説明

10.7.3 リンクでのクライアント側JavaScriptの使用方法

パスベースURLやSite Studio Contributorトークンのかわりに、クライアント側JavaScriptを使用してリンクを作成できます。このオプションは、簡単で直感的な方法ではありませんが、以前のバージョンのSite Studio Contributorおよびそれらのバージョンで作成されたWebサイトと互換性のあるリンクが作成されます。(詳細は、サイト・デザイナまたはサイト・マネージャに問い合せてください。)

クライアント側JavaScriptを使用するには、次の作業を行います。

  1. ネイティブ・ドキュメントでハイパーリンクを開きます。

  2. テキストjavascript:linkの後に左丸括弧、一重引用符、ドキュメントのコンテンツID、一重引用符、右丸括弧、セミコロンを入力します(これはJavaScript構文です)。したがって、コンテンツID「MyDoc1」のドキュメントの場合は、次のように入力します。

    javascript:link('MyDoc1');
    

図10-4 Microsoft WordでのJavaScriptベースのリンク・ターゲット

ハイパーリンクの「Address」フィールドのJavaScriptエントリ。
「図10-4 Microsoft WordでのJavaScriptベースのリンク・ターゲット」の説明

  1. ハイパーリンク機能を終了して、ドキュメントを保存します。

この方法でリンクを作成すると、ドキュメントは、格納されているWebサイトのセクションに表示されます。これを変更して、選択したセクションにドキュメントを表示するには、選択したセクションをネイティブ・ドキュメントのコンテンツIDに付加します。たとえば、コンテンツID「MyDoc1」のドキュメントへのリンクを作成し、ID「23」のセクションに表示されるようにするとします。この場合、次のように使用します。

javascript:link('MyDoc1','23');

サイトの別のセクションへのリンクを作成するには、構文javascript:nodelinkを使用することもできます。これを使用するには、リンク先のセクションのIDを知っている必要があります。たとえば、ID「23」のセクションにリンクする場合は、次のように使用します。

javascript:nodelink('23');

セクションまたはWebサイトのIDを確認するには、コンテンツ・サーバーのコンテンツ・チェックイン・ページを開き、「Web Site Section」の横の「Browse」をクリックします。Choose Web Site Sectionウィンドウで、Webサイトを選択します。カッコで囲まれたIDが、各セクションの横に表示されます。