以降のセクションでは、Sun Ray Software 5.3 リリースからの主な変更点について説明します。これらの機能の多くでは、Sun Ray Operating Software 11.1.1 リリースが Sun Ray クライアントにインストールされている必要があります。詳細については、付録B Sun Ray Operating Software 11.1.1 リリースを参照してください。
Sun Ray サーバーでは、現在、次のオペレーティングシステムがサポートされています。詳細については、製品要件を参照してください。
Oracle Linux 5.8
Oracle Linux 6.3
Oracle Solaris 10 8/11 以降
Oracle Solaris 10 8/11 以降、Trusted Extensions を統合
Oracle Solaris 11.1
utpkgcheck コマンドは、Oracle Linux および Oracle Solaris 11 の両方に対して必要なパッケージのインストールを支援するように更新されました。
次のリモートデスクトップが、Sun Ray Software でこれまでにサポートされていたデスクトップに追加されました。
Windows 8
Windows Server 2012
サポートされていたリモートデスクトップおよび機能の完全なリストについては、製品要件を参照してください。ビデオの高速化およびスマートカードサービス機能は、Windows 8 および Windows Server 2012 ではサポートされません。
Windows 7 および Windows Server 2008 R2 でのビデオプレイバックが改善
Sun Ray 3 シリーズクライアントでは、Windows 7 および Windows Server 2008 R2 デスクトップを使用する場合の Windows Media Player を使用したビデオプレイバックが改善されています。改善には、MPEG-2、H.264、および VC-1 ビデオ形式での最大 720p ビデオのサポートが含まれます。詳細については、管理ガイドのビデオの高速化を参照してください。
スマートカードデバイス (Oracle Linux 用)
Oracle Linux を実行している Sun Ray サーバーでデスクトップクライアント用のスマートカードサービスを利用できるようになりました。スマートカード認証などのスマートカードサービスは、PC/SC-lite API を使用して提供されます。CCID IFD ハンドラ (デスクトップクライアントに接続された CCID 準拠の外付け USB スマートカードリーダーにアクセスできるようにするもの) は、Oracle Linux が動作している Sun Ray サーバーではサポートされません。詳細については、管理ガイドのスマートカードサービスを参照してください。
外部 USB スマートカードリーダーによる Windows 認証
Windows Connector を使用する場合、外部 CCID 準拠 USB スマートカードリーダーは、uttsc コマンドの -r scard:on
を使用するときに Windows RDP スマートカードチャネルを経由してリダイレクトされるようになりました。これにより、外部 CCID 準拠 USB スマートカードリーダーによる Windows 認証が可能になります。詳細については、管理ガイドのスマートカードサービスを参照してください。
Oracle Solaris 11 および Oracle Linux 6 での PulseAudio 経由でのオーディオ出力
PulseAudio サウンドサーバーは、Oracle Solaris 11 および Oracle Linux 6 Sun Ray サーバーを使用する場合にデスクトップクライアントセッションのオーディオ出力を提供するために使用されます。詳細については、管理ガイドのオーディオ出力トラブルシューティング (Oracle Solaris 11 および Oracle Linux 6)を参照してください。
動的なセッションサイズ変更
セッションの動的サイズ変更を使用すると、ローカルのデスクトップクライアントセッションのサイズに合わせてリモートデスクトップのサイズを自動的に変更できます。セッションの存続期間中の動的なセッションサイズ変更をより適切に実現するために、utscreenresize コマンドの -l
オプションが追加されました。動的なセッションサイズ変更は Oracle Virtual Desktop Client でも拡張されており、ウィンドウモード中にタブレットを回転したりウィンドウをサイズ変更したりしたあとで、新しい画面構成を自動的に検出し、それに従ってリモートデスクトップをサイズ変更します。詳細については、管理ガイドのセッションの動的サイズ変更を参照してください。
Sun Ray クライアントの画面回転
Sun Ray クライアントのファームウェアを、モニターの方向 (たとえば、縦か横か) を指定するように構成できるようになりました。この方向の構成は、さまざまな画面構成コマンドによって使用され、適切な画面方向をユーザーに自動的に提供するのに役立ちます。詳細については、画面の回転を構成する方法を参照してください。
モニターモードの正確な一覧表示
xrandr コマンドを使用してモニター情報を表示する場合、モニターでサポートされているサイズのみが表示され、マルチヘッドグループ内のセカンダリヘッドに関する情報は正確です。
Sun Ray Software 管理 GUI のオランダ語のロケール
オランダ語のロケールが管理 GUI で利用可能になりました。また、管理 GUI のすべてのロケールが、Sun Ray Software インストール中に Sun Ray サーバーに自動的にインストールされます。
特定のタッチ画面ディスプレイが現在 Sun Ray 3 クライアントおよび Sun Ray 3 Plus クライアントで動作する
互換性のあるタッチ画面ディスプレイのリストとそれらを使用するための特定の要件については、Sun Ray クライアントおよび Oracle Virtual Desktop Client の周辺機器に関するドキュメントを参照してください。
Network Level Authentication (NLA) セキュリティー経由での Kerberos 認証
Windows Connector 経由で RDP クライアントにアクセスする場合、Kerberos 認証が Network Level Authentication (NLA) セキュリティー経由でのオプションになりました。詳細については、管理ガイドの強化されたネットワークセキュリティーを参照してください。
IPsec によりネットワークセキュリティーが改善
Sun Ray クライアントと Sun Ray サーバーとの間の IPv4 トラフィックセキュリティーを改善するために、IPsec が提供されるようになりました。詳細については、管理ガイドのIPsec サポートを参照してください。
Sun Ray Software のセキュリティーガイド
Sun Ray Software 5.4 では、すべてのセキュリティー関連の情報を 1 か所で提供するために、個別のセキュリティーガイドが用意されています。
Oracle Enterprise Manager Cloud Control による Sun Ray Software 環境の監視
Enterprise Manager for Sun Ray Software を利用できるようになりました。これは、プラグインを通じて Oracle Enterprise Manager Cloud Control を拡張し、Sun Ray Software 環境の管理を支援します。Sun Ray Software のインフラストラクチャー、サービス、およびセッションのパフォーマンスおよび可用性をプロアクティブに監視することで、サービスレベルを改善させることができます。詳細については、「Sun Ray Software 用 Oracle Enterprise Manager システム監視プラグインインストールガイド」を参照してください。