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Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
Oracle Solaris OS プラットフォーム上での共有ファイルシステムの構成例
Oracle Solaris Cluster プラットフォーム上での共有ファイルシステムの構成例
Oracle Solaris Cluster 環境で共有ファイルシステムの mcf ファイルを作成する方法
このセクションの構成例は、1 つの Oracle Solaris OS ホストにインストールされるファイルシステムの mcf ファイルを構成するために使用してください。
Oracle Solaris Cluster 環境で使用できる例については、「高可用ファイルシステムの構成例」を参照してください。
この例は、Oracle の SCSI 接続された StorageTek Multipack デスクトップアレイを備えたサーバーを使用して 2 つのファイルシステムを構成する方法を示しています。
format コマンドを使用すると、ディスクがどのようにパーティション分割されているかを確認できます。例 3-1 は、format コマンドの出力を示しています。
注 - format コマンドの出力の最後の数行のみが示されています。
例 3-1 構成例のための format コマンドの出力
# format < /dev/null Searching for disks...done AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t10d0 <SUN36G cyl 24620 alt 2 hd 27 sec 107> /sbus@3,0/SUNW,fas@3,8800000/sd@a,0 1. c0t11d0 <SUN36G cyl 24620 alt 2 hd 27 sec 107> /sbus@3,0/SUNW,fas@3,8800000/sd@b,0 2. c6t2d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> /pci@7,4000/SUNW,isptwo@3/sd@2,0 3. c6t3d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> /pci@7,4000/SUNW,isptwo@3/sd@3,0 4. c6t4d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> /pci@7,4000/SUNW,isptwo@3/sd@4,0 5. c6t5d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> /pci@7,4000/SUNW,isptwo@3/sd@5,0 6. c8t2d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> /pci@b,4000/SUNW,isptwo@3/sd@2,0 7. c8t3d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> /pci@b,4000/SUNW,isptwo@3/sd@3,0 8. c8t4d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> /pci@b,4000/SUNW,isptwo@3/sd@4,0 9. c8t5d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> /pci@b,4000/SUNW,isptwo@3/sd@5,0 Specify disk (enter its number): # format /dev/rdsk/c6t2d0s2 . . . Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 1 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wu 0 - 4923 8.43GB (4924/0/0) 17682084 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 - 1229 2.11GB (1230/0/0) 4416930 5 unassigned wm 1230 - 2459 2.11GB (1230/0/0) 4416930 6 unassigned wm 2460 - 3689 2.11GB (1230/0/0) 4416930 7 unassigned wm 3690 - 4919 2.11GB (1230/0/0) 4416930
次の手順で説明されているように、ファイルシステムとそのディスクパーティションを定義することによって、この構成例のための mcf ファイルの作成を開始します。
完成した mcf ファイルでは、次の 2 つのファイルシステムが定義されています。
ディスク c8t2d0 (メタデータ)、c6t2d0 (ファイルデータ)、および c6t3d0 (ファイルデータ) のスライス 4 上に作成された qfs1 ファイルシステム。
ディスク c8t2d0 (メタデータ)、c6t2d0 (ファイルデータ)、および c6t3d0 (ファイルデータ) のスライス 5 上に作成された qfs2 ファイルシステム。
次のコード例は、結果として得られる mcf ファイルを示しています。
# cat /etc/opt/SUNWsamfs/mcf # # Equipment Eq Eq Family Device Additional # Identifier Ord Type Set State Parameters #----------- --- ---- ------ ------ ---------- # *qfs1 10 ma qfs1 on* /dev/dsk/c8t2d0s4 11 mm qfs1 on /dev/dsk/c6t2d0s4 12 mr qfs1 on /dev/dsk/c6t3d0s4 13 mr qfs1 on # *qfs2 20 ma qfs2 on* */dev/dsk/c8t2d0s5 21 mm qfs2 on* */dev/dsk/c6t2d0s5 22 mr qfs2 on* */dev/dsk/c6t3d0s5 23 mr qfs2 on*
/etc/vfstab ファイル内に、mcf ファイルで定義した qfs1 および qfs2 ファイルシステムのためのエントリを追加します。下のコード例の最後の 2 行が、これらの新しいファイルシステムのためのエントリを示しています。
/etc/vfstab ファイル内のフィールドについては、次を参照してください: 表 3–2。
# cat /etc/vfstab # device device file mount # to to mount system fsck at mount # mount fsck point type pass boot params # ----- ---- ----- ---- ---- ---- ------ fd - /dev/fd fd - no - /proc - /proc proc - no - /dev/dsk/c0t10d0s1 - - swap - no - /dev/dsk/c0t10d0s0 /dev/rdsk/c0t10d0s0 / ufs 1 no logging swap - /tmp tmpfs - yes - *qfs1 - /qfs1 samfs - yes stripe=1* *qfs2 - /qfs2 samfs - yes stripe=1*
この例は、4 台のディスクドライブに対してラウンドロビン式割り当てを使用する、qfs3 という名前のファイルシステムの構成を示しています。
この例では、次のように仮定しています。
メタデータ装置は、コントローラ 8、ディスク 4 上の単一のパーティション (s1) である
データデバイスは、コントローラ 6 に接続された 4 台のディスクで構成されています。各ディスクが個別のターゲット (1-4) 上に存在します。
この例では、ラウンドロビン式データレイアウトを使用します。
次のコード例は、このラウンドロビン式ディスク構成のための mcf ファイルを示しています。
# cat /etc/opt/SUNWsamfs/mcf # # Equipment Eq Eq Family Device Additional # Identifier Ord Type Set State Parameters #----------- --- ---- ------ ------ ---------- # *qfs3 10 ma qfs3 on* /dev/dsk/c8t4d0s4 11 mm qfs3 on /dev/dsk/c6t2d0s4 12 mr qfs3 on /dev/dsk/c6t3d0s4 13 mr qfs3 on /dev/dsk/c6t4d0s4 14 mr qfs3 on /dev/dsk/c6t5d0s4 15 mr qfs3 on
/etc/vfstab ファイルを編集して mount params フィールドに stripe=0 を指定することにより、ファイルシステムでのラウンドロビン式割り当てを明示的に設定します。次のコード例は、qfs3 ファイルシステムの stripe=0 を示しています。
# cat /etc/vfstab #device device file mount #to to mount system fsck at mount #mount fsck point type pass boot params #----- ---- ----- ---- ---- ---- ------ fd - /dev/fd fd - no - /proc - /proc proc - no - /dev/dsk/c0t10d0s1 - - swap - no - /dev/dsk/c0t10d0s0 /dev/rdsk/c0t10d0s0 / ufs 1 no logging swap - /tmp tmpfs - yes - *qfs3 - /qfs3 samfs - yes stripe=0*
デフォルトのディスク割り当て単位 (DAU) は 64K バイトが、次の例では、DAU サイズを 128K バイトに設定しています。
# sammkfs -a 128 qfs3
この例は、ファイルデータを 4 台のディスクドライブにストライプ化する、qfs4 という名前のファイルシステムの構成を示しています。この例では、次のように仮定しています。
メタデータ装置は、コントローラ 0、論理ユニット番号 (LUN) 0 で使用される単一パーティション (s6) である。
データデバイスは、コントローラ 6 に接続された 4 台のディスクで構成されています。各ディスクが個別のターゲット (2-5) 上に存在します。
次のコード例は、このストライプ化ディスク構成のための mcf ファイルを示しています。
# Equipment Eq Eq Family Device Additional # Identifier Ord Type Set State Parameters #----------- --- ---- ------ ------ ---------- # *qfs4 40 ma qfs4 on* /dev/dsk/c8t4d0s4 41 mm qfs4 on /dev/dsk/c6t2d0s4 42 mr qfs4 on /dev/dsk/c6t3d0s4 43 mr qfs4 on /dev/dsk/c6t4d0s4 44 mr qfs4 on /dev/dsk/c6t5d0s4 45 mr qfs4 on
stripe= オプションを使用してストライプ幅を設定します。次のコード例は、qfs4 ファイルシステムに対して stripe=1 のマウントパラメータが設定された /etc/vfstab ファイルを示しています。
# cat /etc/vfstab # #device device file mount #to to mount system fsck at mount #mount fsck point type pass boot params #----- ---- ----- ----- ---- ---- ------ fd - /dev/fd fd - no - /proc - /proc proc - no - /dev/dsk/c0t10d0s1 - - swap - no - /dev/dsk/c0t10d0s0 /dev/rdsk/c0t10d0s0 / ufs 1 no logging swap - /tmp tmpfs - yes - *qfs4 - /qfs4 samfs - yes stripe=1*
stripe=1 を指定すると、ファイルデータが 4 つの mr データディスクに、1 DAU のストライプ幅でストライプ化されます。DAU は、sammkfs コマンドを使用してファイルシステムを初期化するときに設定する割り当て単位です。
次の例では、DAU サイズを 128K バイトに設定しています。
# sammkfs -a 128 qfs4
このストライプ化ディスク構成では、このファイルシステムに書き込まれるすべてのファイルは、128K バイトとしてすべての装置上にストライプ化されます。ストライプ幅×装置数に満たないファイルも、128K バイトのディスク容量を使用します。128K バイトを超えるファイルには、必要に応じて合計 128K バイト単位で領域が割り当てられます。
ストライプ化グループを使用すると、別々のディスク装置からなる RAID-0 装置を構築できます。ただし、ストライプ化グループでは、ストライプ化グループあたりの DAU は 1 つだけです。複数の RAID デバイスにわたって大容量の、効率的な DAU を書き込むこの方法によって、システムの更新時間が節約されるとともに、高速の逐次入出力がサポートされます。ストライプ化グループは、ディスクデバイスのグループに非常に大容量のファイルを書き込むのに役立ちます。
注 - DAU は、割り当てられる最小ディスク容量です。ストライプ化グループで割り当てられる最小ディスク容量は、次のとおりです。
割り当て単位×グループ内のディスク数
1 バイトのデータを書き込むと、ストライプ化グループの全メンバー上で 1 DAU が消費されます。ファイルシステムでストライプ化グループを使用する場合は、その影響を理解していることが重要です。
ストライプ化グループの装置は、同じサイズである必要があります。ストライプ化グループのサイズを増やすことはできません。ただし、ストライプ化グループをファイルシステムに追加することはできます。
この例は、メタデータを低遅延ディスクに分離する (qfs5 という名前の) ファイルシステムの構成を示しています。mcf ファイルは、4 つのドライブ上の 2 つのストライプ化グループを定義しています。この例では、次のように仮定しています。
メタデータ装置は、コントローラ 8、ディスク 4 上の単一のパーティション (s5) である
データデバイスは、コントローラ 6 に接続された 4 台のディスク (2 台の同一のディスクから成る 2 つのグループ) で構成されています。各ディスクが個別のターゲット (2-5) 上に存在します。
次のコード例は、ストライプ化グループ構成のための mcf ファイルの例を示しています。
# cat /etc/opt/SUNWsamfs/mcf # # Equipment Eq Eq Family Device Additional # Identifier Ord Type Set State Parameters #----------- --- ---- ------ ------ ---------- # *qfs5 50 ma qfs5 on* /dev/dsk/c8t4d0s5 51 mm qfs5 on /dev/dsk/c6t2d0s5 52 g0 qfs5 on /dev/dsk/c6t3d0s5 53 g0 qfs5 on /dev/dsk/c6t4d0s5 54 g1 qfs5 on /dev/dsk/c6t5d0s5 55 g1 qfs5 on
stripe= オプションを使用してストライプ幅を設定します。次のコード例は、ストライプ化グループ g0 とストライプ化グループ g1 の間のラウンドロビン式割り当てを指定する stripe=0 のマウントパラメータが設定された /etc/vfstab ファイルを示しています。
# cat /etc/vfstab #device device file mount #to to mount system fsck at mount #mount fsck point type pass boot params #----- ---- ----- ---- ---- ---- ------ fd - /dev/fd fd - no - /proc - /proc proc - no - /dev/dsk/c0t10d0s1 - - swap - no - /dev/dsk/c0t10d0s0 /dev/rdsk/c0t10d0s0 / ufs 1 no logging swap - /tmp tmpfs - yes - *qfs5 - /qfs5 samfs - yes stripe=0*
DAU は割り当てのサイズ、または各グループのサイズに等しいため、ストライプ化グループでは -a オプションは使用されません。
# sammkfs qfs5
この例には、g0 と g1 の 2 つのストライプ化グループがあります。/etc/vfstab で stripe=0 が指定されているため、デバイス 12 と 13 およびデバイス 14 と 15 がストライプ化され、ファイルは 2 つのストライプ化グループの間でラウンドロビン式割り当てが行われます。ストライプ化グループは、結合された 1 つのエンティティとして扱われます。ストライプ化グループを構成したあとは、別の sammkfs コマンドを発行しないとその構成を変更できません。