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Sun Storage Archive Manager 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
4. ネットワーク接続自動ライブラリのパラメータファイルの作成
ファイル経過時間の search-criterion 引数: -access および -nftv
ファイル経過時間の search-criterion 引数: -after
ファイルサイズの search-criterion 引数: -minsize および -maxsize
所有者およびグループの search-criterion 引数: -user および -group
パターンマッチングを使用したファイル名の search-criterion 引数: -name regex
アーカイブファイルサイズの制御: -archmax パラメータ
アーカイババッファーサイズの設定: -bufsize パラメータ
アーカイブリクエストに対するドライブ数の指定: -drivemax、-drivemin、および -drives
オフラインファイルのアーカイブのコピーの作成: -offline_copy パラメータ
アーカイブファイルのソート: -sort および -rsort パラメータ
アーカイブファイルの書き込み方式の制御: -tapenonstop パラメータ
次のアーカイブセットがデフォルトで使用可能です:
予約されたアーカイブセット: no_archive および allsets。
no_archive アーカイブセットは、デフォルト時に定義されます。このアーカイブセットに割り当てられたファイルは、決してアーカイブされません。たとえば、一時ディレクトリ内のファイルを no_archive アーカイブセットに割り当てることができます。
allsets アーカイブセットは、すべてのアーカイブセットに適用されるパラメータを定義します。
各ファイルシステムには、同じ名前を持つ変更できないデフォルトのアーカイブセットがあります。これらのアーカイブセットは、制御構造情報用に予約されています。ファイルシステムごとに、メタデータとデータファイルの両方がアーカイブされます。ファイルシステムアーカイブセットには、ディレクトリとリンクの情報、および別のアーカイブセットに含まれていないファイルが含まれています。
デフォルトでは、ファイルは、ファイルシステムに対して指定されたアーカイブセットの一部としてアーカイブされます。ただし、共通の条件 (サイズ、所有権、グループ、ディレクトリの場所など) を共有するファイルのアーカイブセットを作成できます。ファイルが指定されたアーカイブセットのいずれかと一致しない場合、それはデフォルトアーカイブセットの一部としてアーカイブされます。ファイルシステム内の 1 ファイルが所属できるアーカイブセットは 1 つだけです。アーカイブセット内のすべてのファイルは、アーカイブセットに関連付けられているボリュームにコピーされます。
アーカイブファイルは、Oracle Solaris OS およびその他の UNIX システムとのデータ互換性のため、標準の UNIX tar 形式と互換性があります。tar 形式を使用しているため、SAM-QFS 環境が完全に失われた場合でも、標準の UNIX ツールおよびコマンドでファイルを回復できます。
アーカイブセットの特性は、アーカイブセット指示によって制御されます。これらの指示は、次のカテゴリに整理されます:
割り当て指示は、アーカイブセット (アーカイブのコピー先、コピーの保管期間、およびこのソフトウェアがデータをアーカイブするまでの待ち時間) を定義します。
コピーパラメータは、各アーカイブセットのアーカイブ方法を定義します。アーカイブ処理では、ファイルシステム操作に必要なデータ (ディレクトリ、シンボリックリンク、セグメント化されたファイルのインデックス、およびアーカイブメディア情報を含む) がコピーされます。
VSN 関連付け指示は、アーカイブセットにボリュームを割り当てます。
VSN プール指示は、ボリュームの集まりを定義します。
アーカイブセットを作成するには、以降のセクションの説明に従って archiver.cmd ファイルを編集するか、または SAM-QFS Manager ソフトウェアを使用します。SAM-QFS Manager では、アーカイブポリシーによってアーカイブセットが定義されます。詳細は、SAM-QFS Manager のオンラインヘルプを参照してください。
アーカイブセット割り当て指示は、アーカイブセットに含めるファイルを共通の特性に従って選択します。アーカイブセット割り当て指示の形式は、次のとおりです。
archive-set-name path [search-criterion1 search-criterion2 \ ... ] [file-attribute1 file-attribute2 ...]
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例 12-1 アーカイブセット割り当て指示。
この例では、ユーザーアカウント hmk 内のすべてのファイルが別個のアーカイブセットにアーカイブされます。xray グループのディレクトリ内の、サイズが 1M バイトを超えるすべてのファイルは、datafiles アーカイブセットにアーカイブされます。ほかのすべてのファイルは、system アーカイブセットにアーカイブされます。
hmk_files net/home/hmk -user hmk datafiles xray_group/data -size 1M system .
次の例は、ファイルシステム内のどのディレクトリに tmp ディレクトリが存在するかに関係なく、あらゆるレベルで tmp ディレクトリ内のファイルをアーカイブしないようにする指示を示しています。
fs = samfs1 no_archive tmp no_archive . -name .*/tmp/
ファイルが最後に開かれた時間を使用してアーカイブセットへの割り当てを定義するには、search-criterion 引数の 1 つとして -access age 特性を使用します。
この特性により、age の値の範囲内でアクセスされなかったファイルが別の安価なメディアに再アーカイブされます。age には、整数と次の表に示すいずれかの接尾辞を続けて指定します。
表 12-1 ファイル経過時間の接尾辞
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経過時間を判定するとき、ファイルのアクセス時刻と変更時刻の妥当性が検査され、それらの時刻がファイル作成時刻よりあとであり、ファイル検証時刻より前であることが確認されます。ディレクトリに移行されたファイルの場合は、この検証の結果が想定していた動きと異なることもあります。そのような場合は、-nftv (ファイル時間の検証なし) パラメータを使用して、ファイルのアクセス時間と変更時間の検証を抑止します。
最近変更または作成されたファイルを同じアーカイブセットに含めるには、-after date-time 特性を使用します。指定した日付よりあとに作成または変更されたファイルのみがアーカイブセットに取り込まれます。日付と時間を次の形式で指定します:
YYYY-MM-DD[Thh:mm>:ss][Z]
時間を指定しなかった場合、デフォルトの時間は 00:00:00 です。Z が含まれている場合、時間は協定世界時 (UTC) です。Z が含まれていない場合、時間は現地時間です。
アーカイブセットのメンバーシップを、指定されたサイズを超えるものまたは下回るものに制限するには、-minsize size および -maxsize size 特性を使用します。size には、整数と次の表に示すいずれかの文字を続けて指定します。
表 12-2 -minsize と -maxsize の size の接尾辞
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例 12-2 -minsize および -maxsize 特性の使用
この例では、500K バイト以上で 100M バイト未満のファイルはすべて big_files アーカイブセットに属するように指定しています。100M バイトを超えるファイルは、huge_files アーカイブセットに属します。
big_files . -minsize 500k -maxsize 100M huge_files . -minsize 100M
アーカイブグループのメンバーシップを所有者およびグループの関係に制限するには、-user name および -group name 特性を使用します。
例 12-3 -user および -group 指示の使用
次の例では、ユーザー sysadmin に属するファイルはすべてアーカイブセット adm_set に属し、グループ名が marketing であるファイルはすべてアーカイブセット mktng_set に属します。
adm_set . -user sysadmin mktng_set . -group marketing
アーカイブセットへの割り当てにファイル名を使用することを指定するには、-name regex 特性を使用して、正規表現 regex に一致するあらゆる絶対パスをアーカイブセットのメンバーにすることを指定します。
ファイルシステムのマウントポイントを基準とする相対パスを指定することによって選択されたディレクトリ内のすべてのファイルが、パターンマッチングの対象になります。したがって、-name regex フィールドにパターンを指定して、ファイル名とパス名の両方を照合できます。
regex 引数には、regexp(5) のマニュアルページに記載されている規約が適用されます。正規表現の規約は、UNIX のワイルドカードの規約とは異なります。
例 12-4 -name 引数
次の指示は、アーカイブセット images に含めるファイルを、末尾が .gif であるファイルに制限します:
images . -name .gif$
次の指示は、文字 GEO で始まるファイルを satellite アーカイブセットのために選択します:
satellite . -name /GEO
次の指示は、末尾が .o であるファイルのアーカイブ処理を行わないようにします:
no_archive . -name .o$
例 12-5 正規表現によるパターンマッチング
次の例のアーカイブセット割り当て指示は、ユーザーのディレクトリまたはサブディレクトリにある fred.* をアーカイブしません。
# File selections. fs = samfs1 1 1s 2 1s no_archive share/marketing -name fred.
その結果、次のファイルはアーカイブされません:
/sam1/share/marketing/fred.* /sam1/share/marketing/first_user/fred.* /sam1/share/marketing/first_user/first_user_sub/fred.*
次のファイルはアーカイブされます:
/sam1/fred.anything /sam1/share/fred.* /sam1/testdir/fred.* /sam1/testdir/share/fred.* /sam1/testdir/share/marketing/fred.* /sam1/testdir/share/marketing/second_user/fred.*
例 12-6 正規表現によるパターンマッチング
次の例のアーカイブセット割り当て指示は、ユーザーのホームディレクトリにある fred.* をアーカイブしませんが、ユーザーのサブディレクトリとディレクトリ share/marketing にある fred.* をアーカイブします。この場合、ユーザーのホームディレクトリは文字列の share/marketing/ から次のスラッシュ (/) までの部分です。
# File selections. fs = samfs1 1 1s 2 1s no_archive share/marketing -name ^share/marketing/[^/]*/fred.
次のファイルはアーカイブされません:
/sam1/share/marketing/first_user/fred.*
次のファイルはアーカイブされます:
/sam1/share/fred.* /sam1/share/marketing/fred.* /sam1/share/marketing/first_user/first_user_sub/fred.* /sam1/fred.* /sam1/testdir/fred.* /sam1/testdir/share/fred.* /sam1/testdir/share/marketing/fred.* /sam1/testdir/share/marketing/second_user/fred.* /sam1/testdir/share/marketing/second_user/sec_user_sub/fred.*
アーカイブセット内のファイルに関連付けられた解放属性と書き込み属性を設定するには、それぞれ -release オプションと -stage オプションを使用します。これらの設定は、どちらも既存の書き込みまたは解放属性をオーバーライドします。
-stage オプションの形式は、次のとおりです。
-stage attribute
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例 12-7 アーカイブセットとファイル属性
次の例は、ファイル名の指定とファイル属性を使用して Macintosh リソースディレクトリを部分的に解放する方法を示しています。
MACS . -name .*/.rscs/ -release p
アーカイブセットに含めるファイルの選択があいまいな場合、アーカイバは次の規則を使用します:
アーカイブセット内における最初のメンバーシップ定義が選択される。もっとも制限の強い割り当て指示を archiver.cmd ファイルの最初の方に配置してください。
グローバルな定義より先に、ファイルシステムに対するローカルなメンバーシップ定義が選択される。
以前の定義とまったく同じメンバーシップ定義は、エラーになる。
アーカイバは、グローバル指示を評価する前にファイルシステム固有の指示を評価します。したがって、グローバルアーカイブに割り当てるのではなく、ローカルアーカイブセット (no_archive アーカイブセットを含む) にファイルを割り当てることができます。この結果は、no_archive などのグローバルアーカイブセットの割り当てに影響します。
例 12-8 メンバーシップが衝突している archiver.cmd ファイル
次の例では、管理者は両方のファイルシステムにあるどの .o ファイルもアーカイブするつもりはありませんでした。しかし、ローカルアーカイブセット割り当て allfiles がグローバルアーカイブセット割り当て no_archive より先に評価されるため、samfs1 および samfs2 ファイルシステムの .o ファイルはアーカイブされます。
no_archive . -name .*.o$ fs = samfs1 allfiles . fs = samfs2 allfiles .
例 12-9 メンバーシップが衝突していない archiver.cmd ファイル
次の例は、2 つのファイルシステムで .o ファイルがアーカイブされないようにするために使用する指示を示しています。
fs = samfs1 no_archive . -name .*.o$ allfiles . fs = samfs2 no_archive . -name .*.o$ allfiles .