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Sun Storage Archive Manager 5.3 構成および管理ガイド     Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  SAM-QFS について

2.  アーカイブ用のストレージデバイスの構成

3.  追加の SAM-QFS 構成の実行

4.  ネットワーク接続自動ライブラリのパラメータファイルの作成

5.  ライブラリ内のドライブ順序の検査

6.  カタログの生成

7.  自動ライブラリと手動でロードしたドライブの管理

8.  ベンダー固有のライブラリの管理

9.  アーカイブ処理について

10.  アーカイバの構成

11.  アーカイブ指示 (archiver.cmd)

12.  アーカイブセット指示 (archiver.cmd)

アーカイブセット指示について

アーカイブセット割り当て指示

ファイル経過時間の search-criterion 引数: -access および -nftv

ファイル経過時間の search-criterion 引数: -after

ファイルサイズの search-criterion 引数: -minsize および -maxsize

所有者およびグループの search-criterion 引数: -user および -group

パターンマッチングを使用したファイル名の search-criterion 引数: -name regex

解放および書き込みの file-attributes 引数: -release および -stage

アーカイブセットのメンバーシップの衝突

アーカイブセットコピーパラメータ

アーカイブファイルサイズの制御: -archmax パラメータ

アーカイババッファーサイズの設定: -bufsize パラメータ

アーカイブリクエストに対するドライブ数の指定: -drivemax-drivemin、および -drives

ボリュームの容量の最大化: -fillvsns パラメータ

アーカイブバッファーロックの指定: -lock パラメータ

オフラインファイルのアーカイブのコピーの作成: -offline_copy パラメータ

リサイクルの指定

アーカイブファイルのソート: -sort および -rsort パラメータ

アーカイブ解除の制御

アーカイブファイルの書き込み方式の制御: -tapenonstop パラメータ

ボリュームの予約: -reserve パラメータ

アーカイブ優先順位の設定: -priority パラメータ

アーカイブのスケジューリング: -startage-startcount、および -startsize パラメータ

VSN 関連付け指示

VSN プール指示

13.  SAM-QFS でのデータ整合性の検証

14.  解放処理について

15.  ステージャーの構成

16.  リサイクラの構成

17.  SAM-QFS の高度なトピック

18.  Sun SAM-Remote ソフトウェアの使用

アーカイブセットコピーパラメータ

アーカイブセットコピーパラメータは、各アーカイブセットのアーカイブ方法 (データファイル、ディレクトリ、シンボリックリンク、セグメント化されたファイルのインデックス、およびアーカイブメディア情報) を定義します。

archiver.cmd ファイルのアーカイブセットコピーパラメータセクションは、params 指示で始まり endparams 指示で終了します。

次の例は、アーカイブセットのコピーパラメータの形式を示しています。

params
archive-set-name.copy-number[R] [-param1 -param2 ...]
.
.
.
endparams

表 12-3 アーカイブセットコピーパラメータの引数

引数
定義
archive-set-name
アーカイブセットのサイト定義名。ベストプラクティスとしては、アーカイブセットに属するファイルに共通の特性を識別する名前を定義します。この名前には次の要件があります:
  • 最大 29 文字

  • 英字の大文字と小文字、0 - 9 の数字、および下線 (_)。

  • そのほかの特殊文字や空白文字は使用できません。

  • 先頭の文字が英字であること。

copy-number
アーカイブのコピー番号を定義する整数: 123、または 4
R
定義するパラメータが、このアーカイブセットの再アーカイブのコピー用であることを示します。たとえば、R を使用して -param1 引数で VSN を指定した場合は、再アーカイブのコピーが指定のボリュームに作成されます。
-param1

-param2

1 つ以上のパラメータ (最大サイズ、バッファーサイズ、ドライブ数など)。以降のサブセクションで、params 指示と endparams 指示の間に指定できるパラメータについて説明します。

すべてのアーカイブセットに適用されるデフォルトの指示を設定するには、アーカイブセット allsets アーカイブセットに対して指示を指定します。個々のアーカイブセットコピーに対して設定されたパラメータは allsets 指示のパラメータをオーバーライドするため、allsets 指示はアーカイブセットコピーの指示より前に配置する必要があります。allsets アーカイブセットの詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「archiver.cmd(4)」 を参照してください。

アーカイブセットコピーパラメータを指定するには、以降のセクションの説明に従って archiver.cmd ファイルを編集するか、または SAM-QFS Manager ソフトウェアを使用します。詳細は、SAM-QFS Manager のオンラインヘルプを参照してください。

以降のセクションでは、ディスクアーカイブパラメータ以外のすべてのアーカイブセット処理パラメータについて説明します。ディスクアーカイブパラメータについては、「ディスクアーカイブについて」を参照してください。

アーカイブファイルサイズの制御: -archmax パラメータ

-archmax パラメータは、アーカイブセットの最大ファイルサイズを設定します。このパラメータの形式は、次のとおりです。

-archmax target-size

このパラメータは、archmax グローバル指示とよく似ています。その指示および target-size に入力する値については、「アーカイブファイルサイズの制御: -archmax パラメータ」を参照してください。

アーカイババッファーサイズの設定: -bufsize パラメータ

デフォルトでは、アーカイブ対象のファイルは、アーカイブメディアに書き込まれる前にメディアタイプのデフォルトサイズのメモリーバッファーに格納されます。バッファーサイズを指定するには、-bufsize 指示を使用します。サイズをカスタマイズすることで、パフォーマンスを向上させることができます。このパラメータの形式は、次のとおりです。

-bufsize=buffer-size

デフォルトのバッファーサイズは 4 ですが、実際のバッファーサイズは 4 にメディアタイプの dev_blksize 値を乗じた値です。2 - 32 の数値を指定します。dev_blksize 値は、defaults.conf ファイルで指定します。

このファイルの詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「defaults.conf(4)」 を参照してください。

例 12-10 バッファーサイズ: -bufsize

myset.1 -bufsize=6

このパラメータは、bufsize=media buffer-size グローバル指示と似ています。その指示の詳細は、「アーカイババッファーサイズの設定: -bufsize パラメータ」を参照してください。

アーカイブリクエストに対するドライブ数の指定: -drivemax-drivemin、および -drives

デフォルトでは、アーカイバは 1 つのアーカイブセットのファイルをアーカイブするために 1 つのメディアドライブを使用します。アーカイブセットに多数のファイルや大きいファイルが存在する場合は、複数のドライブを使用すると便利です。また、自動ライブラリのドライブの動作速度が異なる場合は、複数のドライブを使用することで、こうしたバリエーションのバランスを取り、アーカイブの効率を高めることができます。ドライブ指示の形式は次のとおりです。

-drivemax max-size
-drivemin min-size
-drives number
引数
定義
max-size
1 つのドライブを使用してアーカイブする最大データ量。
min-size
1 つのドライブを使用してアーカイブする最小データ量。デフォルトは、-archmax target-size 値 (指定されている場合)、またはメディアタイプのデフォルト値。-drivemin min-size 指示を指定した場合、SAM-QFS ソフトウェアは十分な量のアクティビティーが発生した場合にのみ複数のドライブを使用します。基準として、min-size には、転送時間の方がカートリッジの変更時間 (ロード、位置付け、ロード解除) よりも大幅に長くなる程度に大きな値を設定します。
number
このアーカイブセットのアーカイブに使用するドライブの数。デフォルトは 1 です。

アーカイブ要求は、指定されたパラメータによって、次のようにみなされます。

-drives パラメータの使用時に複数のドライブを使用するのは、min-size の値を超えるデータをアーカイブする場合だけです。並行使用されるドライブの数は、次の 2 つの値のうちの小さい方の値です。

アーカイブリクエストを複数のドライブに分割し、すべてのドライブが小さなアーカイブリクエストでビジー状態にならないようにするには、-drivemin パラメータと -drives パラメータを使用します。この状況は、ファイルが非常に大きい場合に発生する可能性があります。

これらのパラメータを設定する場合は、ファイル作成速度、ドライブ数、ドライブのロードとロード解除にかかる時間、およびドライブ転送速度について検討してください。たとえば、あるサイトで bigfiles という名前のアーカイブセットを 5 つのドライブに分割するとします。このアーカイブセットは、次の表のように分割できます。

アーカイブセットのサイズ
ドライブ数
< 20G バイト
1
> 20G バイトから < 30G バイト
2
> 30G バイトから < 40G バイト
3
> 40G バイトから < 50G バイト
4
> 50G バイト
5

例 12-11 アーカイブ要求を複数のドライブに分割する指示

次の例は、10G バイト以上のアーカイブリクエストを 5 つのドライブに分割する方法を示しています。

params
bigfiles.1 -drives 5 -drivemin 10G
endparams

さらに、次の行によって、アーカイブセット huge_files.2 内のファイルの合計サイズがメディアの drivemin の 2 倍以上であるときは、2 つのドライブを使用してファイルがアーカイブされます。

huge_files.2 -drives 2

ボリュームの容量の最大化: -fillvsns パラメータ

デフォルトでは、アーカイバはアーカイブのコピーを書き込むときに、すべてのファイルに対して十分な容量のあるボリュームを選択します。この動作のため、ボリュームの容量が完全には使用されないことがあります。-fillvsns を指定すると、アーカイバはアーカイブリクエストを小さなグループに分割して、異なるボリュームを使用できます。

アーカイブバッファーロックの指定: -lock パラメータ

デフォルトでは、ファイルはアーカイブメディアに書き込まれる前にバッファーに格納されます。直接入出力が使用可能であれば、-lock パラメータを使用してこのバッファーをロックできます。-lock パラメータは、アーカイブのコピーの作成時にアーカイバがロックバッファーを使用する必要があることを示します。-lock が指定されている場合は、sam-arcopy の動作中に、アーカイバがメモリー内のアーカイブバッファーにファイルロックを設定します。この動作により、バッファーのページングが回避されるため、パフォーマンスを向上させることができます。

このパラメータの形式は、次のとおりです。

-lock

-lock パラメータは、大容量メモリーを備えた大型システムでのみ使用します。十分なメモリーがないと、メモリー不足状態となります。

-lock パラメータは、ファイルに対して直接入出力が使用可能になっている場合にのみ有効です。デフォルトでは、-lock は指定されておらず、アーカイブバッファーを含むあらゆる直接入出力バッファーがロックされています。直接入出力を使用可能にする方法の詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「setfa(1)」『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「sam_setfa(3)」、または『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「mount_samfs(1M)」-O forcedirectio オプションを参照してください。

このパラメータは、bufsize グローバル指示に対する lock 引数に似ています。このトピックの詳細は、「アーカイババッファーサイズの設定: -bufsize パラメータ」を参照してください。

オフラインファイルのアーカイブのコピーの作成: -offline_copy パラメータ

1 つのアーカイブのコピーが作成されたあと、ファイルはリリース候補になります。残りのアーカイブのコピーが作成される前にファイルがリリースされ、オフラインになった場合、アーカイバはこのパラメータを使用して、ほかのアーカイブのコピーを作成するときに使用する方式を判定します。方式を指定するときは、SAM-QFS システムで使用できるドライブ数と、使用できるディスクキャッシュの容量について検討してください。このパラメータの形式は、次のとおりです。

-offline_copy method
method の値
定義
none
各ファイルについて、アーカイブボリュームにコピーする前に必要に応じてファイルを書き込みます。デフォルト。
direct
キャッシュを使用せずに、オフラインボリュームからアーカイブボリュームにファイルを直接コピーします。この方式は、コピー元ボリュームとコピー先ボリュームが別のボリュームで、2 つのドライブが使用できることを前提にしています。stage_n_window マウントオプションの値は、デフォルトの 256K バイトよりも大きい値にしてください。マウントオプションの詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「mount_samfs(1M)」 を参照してください。
stageahead
アーカイブファイルをコピー先に書き込む間に、次のアーカイブファイルを書き込みます。
stageall
アーカイブの前にすべてのファイルをディスクキャッシュに書き込みます。この方式は 1 つのドライブを使用し、すべてのファイルを書き込めるディスクキャッシュ容量が使用できることを前提にしています。

リサイクルの指定

期限切れとなったアーカイブイメージによって使用されているアーカイブボリューム上の空間を再利用するには、リサイクル処理を使用します。デフォルトでは、リサイクルは行われません。archiver.cmd ファイルと recycler.cmd ファイルの両方で指示を指定する必要があります。詳細は、第 16 章リサイクラの構成を参照してください。

アーカイブファイルのソート: -sort および -rsort パラメータ

デフォルトでは、アーカイブセット内のファイルはアーカイブされる前にパスでソートされます。ファイルを ageprioritysize でソートするように指定したり、ソートしない (none) ように指定したりできます。1 つのアーカイブセットで使用できるソート方法は 1 つだけです。

-rsort を使用すると、方法によって指定されたソートを逆順にすることができます。

例 12-12 アーカイブセット内のファイルのソート

この例の 1 行目は、アーカイブセットコピー cardiac.2 を、ファイルの経過時間が長いものから順にソートします。2 行目は、アーカイブセットコピー catscans を、ファイルサイズの大きい方から順に (逆順で) 強制的にソートします。

size

cardiac.2 -sort age
catscans.3 -rsort size

アーカイブ解除の制御

アーカイブ解除は、ファイルまたはディレクトリのアーカイブエントリが削除されるプロセスです。ファイルのアーカイブ解除は、最後にアクセスされてから経過した時間に基づいて行われます。この区別は、頻繁にアクセスされるデータがディスクなどの高速なメディアに格納され、あまりアクセスされないデータがテープに格納されることを意味します。デフォルトでは、ファイルがアーカイブ解除されることはありません。

例 12-13 アーカイブ解除を制御する指示

次の例の指示は、arset1 というファイルが 60 日を超えてもずっとディスク上に存在し続けることを指定しています。このファイルが 60 日間アクセスされなかった場合、コピー 1 の情報は削除されます。コピー 1 の情報が削除されたあと、アクセスリクエストはコピー 2 によって満たされ、テープから読み取られます。アーカイバはディスク上に新しいコピー 1 を作成し、60 日間のサイクルが再度開始されます。

arset1 dir1
1 10m 60d
2 10m
3 10m
vsns
arset1.1 mo OPT00[0-9]
arset1.2 lt DLTA0[0-9]
arset1.3 lt DLTB0[0-9]

この例の指示は、次のシナリオのアクセスとアーカイブ処理の両方の要件を満たしています。

ある患者が 4 週間入院しています。この期間中、この患者のすべてのファイルは高速メディア上にあり、データが頻繁にアクセスされています。これがコピー 1 (コピー 1=mo) です。2 週間後、患者は退院します。患者のファイルに対するアクセス回数が減り、その後まったくアクセスされなくなります。この患者のデータが 60 日間アクセスされなかった場合、i ノードのコピー 1 のエントリはアーカイブ解除されます。コピー 2 およびコピー 3 のエントリだけが利用可能になります。これで、ディスクライブラリを増やすことなく、高速メディアのボリュームをリサイクルして現在の患者に使用できるようになります。しかし、この患者は 6 か月後に再度来院します。患者のファイルへの最初のアクセスは、テープ (コピー 2) から行われます。データを高速メディア上に配置するため、アーカイバは新しいコピー 1 をディスク上に作成し、新しい情報に備えます。

アーカイブファイルの書き込み方式の制御: -tapenonstop パラメータ

デフォルトでは、アーカイバは、アーカイブファイル間に 1 つのテープマーク、1 つのファイル末尾 (EOF) ラベル、および 2 つのテープマークを書き込みます。次のアーカイブファイルが起動されるとドライバは最初のテープマークのあとの位置まで戻るので、パフォーマンスが低下します。-tapenonstop パラメータは、最初のテープマークだけを書き込むようにアーカイバに指示します。さらに、アーカイバはコピー操作の終了時にアーカイブ情報を入力します。

-tapenonstop パラメータの詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「archiver.cmd(4)」 を参照してください。

ボリュームの予約: -reserve パラメータ

デフォルトでは、アーカイバは、archiver.cmd ファイルのボリューム関連付けセクションの記述に従い、正規表現で指定された任意のボリュームにアーカイブセットコピーを書き込みます。しかし、1 つのアーカイブセットのファイルだけがアーカイブセットボリュームに格納されている必要がある場合は、この目的のためにボリュームを予約できます。

次のガイドラインに注意してください:

-reserve パラメータは、アーカイブセットに使用するボリュームを指定し、アーカイブセットをそのボリュームに結び付ける一意の識別子を割り当てます。このボリューム識別子は、正規表現が一致しても、ほかのアーカイブセットコピーには割り当てられません。-reserve パラメータの形式は、次のとおりです。

-reserve keyword

keyword の値は、使用する書式によって異なります。1 つ、2 つ、または 3 つの書式すべてを組み合わせて指定できます。

書式
キーワード
予約名の例
説明
アーカイブセット
set
users.1// {}Data.1//
所有者
dir
proj.1/p105/ {}proj.1/p104/
diruser、および group は相互排他のキーワードで、予約名に所有者コンポーネントがあることを示します。dir キーワードは、アーカイブセット定義のパス指定の直後にあるディレクトリのパスコンポーネントを使用します。
user
users.1/user5/ {}users.1/user4/
group
data.1/engineering/
ファイルシステム
fs
proj.1/p103/samfs1{} {}proj.1/p104/samfs1
fs キーワードは、予約名にファイルシステムコンポーネントがあることを示します。

例 12-14 アーカイブセットごとのボリューム予約

次の例は、allsets アーカイブセットがアーカイブセットごとにボリュームを予約することを指定しています。

params
allsets -reserve set
endparams

例 12-15 予約ボリューム名

次の例は、arset.1 アーカイブセットがボリュームを予約し、そのボリューム識別子がアーカイブセット、グループ、およびファイルシステムに基づいて作成されることを指定しています。

params
arset.1 -reserve set -reserve group -reserve fs
endparams

予約ボリュームに関する情報は、ライブラリカタログに保管されます。ライブラリカタログ内の予約ボリュームを記述する行は #R で始まり、メディアタイプ、VSN、予約情報、および予約日時を示します。この情報には、アーカイブセットコンポーネント、パス名コンポーネント、およびファイルシステムコンポーネントが含まれ、それぞれが 2 つのスラッシュ文字 (//) で区切られています。


注 - スラッシュ文字はパス名を示すものではありません。予約名のコンポーネントを区切る役割を果たしています。


例 12-16 予約ボリュームを示すライブラリカタログ

行は、ページ幅に合わせて折り返されています。

6 00071 00071 lt 0xe8fe 12 9971464 1352412 0x6a000000 131072 0x
# -il-o-b----- 05/24/00 13:50:02 12/31/69 18:00:00 07/13/01 14:03:00
#R lt 00071 arset0.3// 2001/03/19 18:27:31
10 ST0001 NO_BAR_CODE lt 0x2741 9 9968052 8537448 0x68000000 1310
# -il-o------- 05/07/00 15:30:29 12/31/69 18:00:00 04/13/01 13:46:54
#R lt ST0001 hgm1.1// 2001/03/20 17:53:06
16 SLOT22 NO_BAR_CODE lt 0x76ba 6 9972252 9972252 0x68000000 1310
# -il-o------- 06/06/00 16:03:05 12/31/69 18:00:00 07/12/01 11:02:05
#R lt SLOT22 arset0.2// 2001/03/02 12:11:25

archiver.cmd ファイルに定義されているオプションによっては、1 つまたは複数の予約情報フィールドを空のままにしておくことができます。アーカイブ処理中にアーカイブセット用に予約されるボリュームごとに予約行 1 行がファイルに付加されます。

reserve コマンドと unreserve コマンドを使用して、ボリュームの予約と予約解除を行うこともできます。これらのコマンドの詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「reserve(1M)」 および『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「unreserve(1M)」 を参照してください。

アーカイブデータが実質的に消去されたためにボリュームが再ラベル付けされると、そのボリュームは予約解除されます。

予約情報を表示するには、samu ユーティリティーの v 表示を使用するか、あるいは archiver または dump_cat コマンドを次の例に示すいずれかの形式で使用します:

# archiver -lv
# dump_cat -V _catalog-name_

アーカイブ優先順位の設定: -priority パラメータ

アーカイブ対応のファイルシステムでは、ファイルのアーカイブ処理に対して優先順位を設定できます。ファイルの属性と archiver.cmd ファイルに設定できる優先順位乗数に基づいて算出された優先順位が、各ファイルに割り当てられます。属性としては、オンライン/オフライン、経過時間、作成コピー数、およびサイズがあります。

デフォルトでは、アーカイブ要求内のファイルはソートされず、属性乗数はすべてゼロです。この結果、検出されたファイルから順にアーカイブされます。ファイルのアーカイブ順序を変更するには、優先順位とソート方法を設定します。新しい優先順位の例として、次のようなものがあります:

表 12-4 アーカイブ優先順位

アーカイブ優先順位
定義
-priority age value
アーカイブ経過時間属性乗数
-priority archive_immediate value
アーカイブ即時属性乗数
-priority archive_overflow value
マルチアーカイブボリューム属性乗数
-priority archive_loaded value
アーカイブボリュームロード済み属性乗数
-priority copies value
作成済みコピーの属性乗数
-priority copy1 value
コピー 1 の属性乗数
-priority copy2 value
コピー 2 の属性乗数
-priority copy3 value
コピー 3 の属性乗数
-priority copy4 value
コピー 4 の属性乗数
-priority offline value
ファイルオフライン属性乗数
-priority queuewait value
待ち行列待ち属性乗数
-priority rearchive value
再アーカイブ属性乗数
-priority reqrelease value
要解放属性乗数
-priority size value
ファイルサイズ属性乗数
-priority stage_loaded value
書き込みボリュームロード済み属性乗数
-priority stage_overflow value
マルチ書き込みボリューム属性乗数

value には、次の範囲の浮動小数点数を指定します。

-3.400000000E+38 <= _value_ <= 3.402823466E+38

優先順位の詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「archiver(1M)」 および『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「archiver.cmd(4)」 を参照してください。

アーカイブのスケジューリング: -startage-startcount、および -startsize パラメータ

アーカイバは、ファイルシステムをスキャンしながら、アーカイブ対象ファイルを識別します。アーカイブ処理の候補として認識されたファイルは、「アーカイブリクエスト」というリストに設定されます。ファイルシステムのスキャンが終了すると、システムはアーカイブ要求をアーカイブするスケジュールを設定します。-startage-startcount、および -startsize アーカイブセットパラメータは、アーカイブの負荷を制御し、ファイルを適時にアーカイブします。

表 12-5 -startage-startcount、および -startsize 指示

指示
定義
-startage time
スキャン中にアーカイブ要求に含めるようファイルを最初にマークしてから、アーカイブを開始するまでの経過時間。「アーカイブ経過時間の設定」で説明されている形式で時間を指定します。この変数が設定されていない場合は、interval 指示が使用されます。
-startcount count
アーカイブ要求に含めるファイルの数。アーカイブリクエストのファイル数がこの値に達すると、アーカイブが開始されます。デフォルトでは、count は設定されません。
-startsize size
アーカイブ要求内のアーカイブ対象ファイルすべての最小合計サイズ (バイト単位)。アーカイブ作業は累積され、ファイルの合計サイズがこの値に達したときにアーカイブが開始されます。デフォルトでは、size は設定されません。

examine=method 指示と interval=time 指示は、-startage 指示、-startcount 指示、および -startsize 指示と相互に作用し合います。-startage 指示、-startcount 指示、および -startsize 指示は、アーカイブの適時性と、実行するアーカイブ作業のバランスを最適化します。これらの値は、examine=method の指定をオーバーライドします (指定されている場合)。

-startage 指示、-startcount 指示、および -startsize 指示は、アーカイブコピーごとに指定できます。これらの指示を複数指定した場合、一致した最初の条件でアーカイブ動作が開始します。これらの指示がいずれも指定されていない場合、アーカイブリクエストは examine=method 指示に基づいてスケジュールされます:

archiver.cmd(4) のマニュアルページに、これらの指示の使用方法を示す例があります。