ナビゲーションリンクをスキップ | |
印刷ビューの終了 | |
Oracle Solaris 11.1 ネットワークパフォーマンスの管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
データセンターブリッジングは、特にネットワークトラフィック量が多く転送速度の高い環境のトラフィックを管理するために、従来の Ethernet ネットワークの機能を拡張した一連の機能です。このようなトラフィックの伝送にはファイバチャネルを専用に割り当てることができます。ただし、専用リンクをファイバチャネルトラフィックだけに使用すると、コストが高くなる可能性があります。そのため、FCoE (fiber channel traffic over Ethernet) がより一般的に使用されます。ファイバチャネルは Ethernet ネットワークを通過する間のパケットロスに敏感ですが、DCB 機能はこれに対処します。
DCB では、ピアは優先順位に基づいてトラフィックを区別できます。優先順位を区別することにより、ホスト間で輻輳が発生した場合に、より高い優先順位を持つトラフィックに対してパケットの整合性を確実に維持することができます。DCB 交換プロトコル (DCBX) では、通信を行うホストが、高速ネットワークトラフィックに影響する構成情報を交換できます。ピアは次に、共通の構成についてネゴシエーションを行なって、トラフィックフローを維持しながら、高い優先順位を持つパケットのパケットロスを防止するようにします。
Oracle Solaris では、DCBX TLV ユニットの交換に LLDP が使用されます。ベースとなる NIC が DCB をサポートしている場合、優先順位ベースのフロー制御 (PFC) や拡張伝送選択 (ETS) などの DCB 機能を、ネットワーク上のピアホストと共有することができます。
優先順位ベースのフロー制御 (PFC) は、定義されたサービスクラス (CoS) 優先順位を持つパケットに対して、トラフィックフローを一時停止するメカニズムを実装することにより、パケットロスを防止します。「優先順位ベースのフロー制御」を参照してください。CoS の詳細については、dladm(1M) のマニュアルページにある cos リンクプロパティーの説明を参照してください。
拡張伝送選択 (ETS) は、定義された CoS 優先順位に基づくパケット間での帯域幅共有を可能にします。「拡張伝送選択」を参照してください。
LLDP を使用して交換されるすべてのシステム情報と同様に、ホストにはローカル DCB 情報とリモート DCB 情報の 2 種類の DCB 情報が存在します。PFC 機能が有効になるには、ホスト上の PFC に関するこれら 2 種類の DCB 情報が対称でなければなりません。通常、ローカルホストはピアから受信する DCB 情報を照合できる必要があります。DCB が有効になっている Oracle Solaris システムでは、DCB 情報をピアと同期するこの機能も有効になります。
注 - DCB 機能を Oracle Solaris 11 システムで使用できるのは、物理 NIC が DCB をサポートしている場合だけです。また、そのカードは DCB モードで動作するように構成されている必要があります。
LLDP を有効にすると、DCBX のサポートは自動的に有効になります。この手順では、何らかの自動プロセスが失敗した場合に手動で行う代替手順を示します。この手順は net0 に対して実行されるものとします。
# pkg install lldp
# svcs lldp
LLDP サービスが無効になっている場合は、次のコマンドでサービスを起動します。
# svcadm enable svc:/network/lldp:default
# lldpadm show-agentprop -p mode net0
LLDP エージェントが両方のモードで有効になっていない場合は、次のように入力します。
# lldpadm set-agentprop -p mode=both net0
詳細は、「LLDP の SMF プロパティー」を参照してください。
ほかの取り得る LLDP エージェント構成については、「システムでの LLDP の有効化」を参照してください。
# dladm show-linkprop -p ntcs net0
ゼロ (0) より大きいプロパティー値は、NIC が DCB をサポートしていることを示します。