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Oracle Solaris 11.1 の管理: デバイスとファイルシステム Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
6. InfiniBand デバイスの使用 (概要/タスク)
11. COMSTAR を使用したストレージデバイスの構成 (タスク)
12. Oracle Solaris Internet Storage Name Service (iSNS) の構成と管理
コマンドを使用してディスク、ファイルシステムなどのデバイスを管理する場合、デバイス名を指定する方法を知っている必要があります。通常、論理デバイス名を使用して、システムに接続されたデバイスを表すことができます。論理デバイス名と物理デバイス名は、システム上でそれぞれ論理デバイスファイルと物理デバイスファイルによって表現されます。
システムがブートされると、デバイス階層が作成されて、システムに接続されたすべてのデバイスが表示されます。カーネルは、このデバイス階層情報を使用して、ドライバを該当するデバイスに対応づけます。また、カーネルは、特定の操作を実行するドライバへの一連のポインタを提供します。
devfs ファイルシステムは、システム上のすべてのデバイスの名前空間である /devices ディレクトリを管理します。このディレクトリは、実際のバスとデバイスのアドレスから成る「物理」デバイスを表します。
dev ファイルシステムは、「論理」デバイス名の名前空間である /dev ディレクトリを管理します。
デフォルトでは、devfsadm コマンドはすべてのドライバをシステムに読み込もうとし、可能な限りすべてのデバイスインスタンスに接続しようとします。次に、devfsadm コマンドはデバイスファイルを /devices ディレクトリに作成し、論理リンクを /dev ディレクトリに作成します。devfsadm コマンドはまた、path_to_inst インスタンスデータベースの保守も行います。
動的再構成イベントまたはファイルシステムアクセスに対応する /dev および /devices ディレクトリの更新は、devfsadmd (devfsadm コマンドのデーモンバージョン) によって処理されます。このデーモンは、システムのブート時にサービス管理機能によって起動されます。
devfsadmd デーモンは再構成イベントによるデバイス構成の変化を自動的に検出するため、このコマンドを対話的に実行する必要はありません。
詳細は、次のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris でデバイスは 3 つの方法のいずれかで参照されます。
物理デバイス名 – デバイス情報階層の完全デバイスパス名を表します。物理デバイス名は、そのデバイスが最初にシステムに追加されるときまでに作成されます。物理デバイスファイルは、/devices ディレクトリにあります。
インスタンス名 – システム上のデバイスすべてのカーネル短縮名を表します。たとえば、sd0 と sd1 は、2 つのディスクデバイスのインスタンス名を表します。インスタンス名は、/etc/path_to_inst ファイル内でマップされます。
論理デバイス名 – 論理デバイス名は、そのデバイスが最初にシステムに追加されるときまでに作成されます。論理デバイス名は、デバイスを参照する際に、ほとんどのファイルシステムコマンドで使用されます。論理デバイス名を使用するファイルコマンドの一覧は、表 3-3 を参照してください。/dev ディレクトリの論理デバイスファイルは、/devices ディレクトリの物理デバイスファイルにシンボリックリンクされています。
上記のデバイス名の情報は、次のコマンドによって表示できます。
dmesg
format
sysdef
prtconf
論理デバイス名は、次のタスクを行う場合に、ディスクデバイスにアクセスするために使用されます。
システムに新しいディスクを追加します。
システム間でディスクを移動します。
ローカルディスク上にあるファイルシステムにアクセスまたはそれをマウントします。
ローカルファイルシステムのバックアップをとります。
管理コマンドの多くは、ディスクスライスまたはファイルシステムを参照する引数を使用します。
シンボリックリンクされるサブディレクトリ(/dev/dsk または /dev/rdsk のどちらか) に続けて、特定のコントローラ、ディスク、およびスライスを識別する文字列を指定することによって、ディスクデバイスを参照してください。
図 3-1 論理デバイス名の説明
一部のディスクとファイルの管理コマンドには、raw (またはキャラクタ型) デバイスインタフェースか、ブロックデバイスインタフェースを使用する必要があります。デバイスからどのような方法でデータを読み取るかによって使い分けます。
raw デバイスインタフェースは、一度に少量のデータだけを転送します。ブロックデバイスインタフェースには、大量のデータブロックが一度に読み取られるバッファーが含まれます。
コマンドによって、必要なインタフェースは異なります。
コマンドが raw デバイスインタフェースを必要とする場合は、/dev/rdsk サブディレクトリを指定してください。(rdsk の「r」は、「raw」を表します。)
コマンドがブロックデバイスインタフェースを必要とする場合は、/dev/dsk サブディレクトリを指定してください。
コマンドが /dev/dsk または /dev/rdsk のどちらを必要とするかがわからない場合は、そのコマンドのマニュアルページの説明を参照してください。
次の表に、一般的に使用されるディスクコマンドとファイルシステムコマンドの一部に必要なインタフェースを示します。
表 3-3 使用頻度の高いコマンドに必要なデバイスインタフェースのタイプ
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ディスクのパーティションやスライスにアクセスする方法は、そのディスクデバイスが直接コントローラとバス指向コントローラのどちらに接続されているかによって異なる場合があります。一般的に、直接コントローラの論理デバイス名には「ターゲット」識別子が含まれません。
両方のタイプのコントローラについて、次のセクションで説明します。
注 - コントローラ番号は、システム初期設定時に自動的に割り当てられます。この番号は、厳密に論理的なものであり、物理コントローラに直接対応するものではありません。
IDE コントローラでアクセスされるディスクにスライスを指定するには、下の図に示す命名規則に従ってください。
図 3-2 直接コントローラでアクセスされるディスク
fdisk パーティション全体を示すには、スライス 2 (S2) を指定してください。
バス指向コントローラ (SCSI など) でアクセスされるディスクにスライスを指定するには、下の図に示す命名規則に従ってください。
図 3-3 バス指向コントローラでアクセスされるディスク
ディスク全体を示すには、スライス 2 (S2) を指定してください。
論理テープデバイスファイルは、/devices ディレクトリからのシンボリックリンクとして /dev/rmt/* ディレクトリ内にあります。
図 3-4 論理テープデバイス名
システムに接続された最初のテープデバイスは 0 (/dev/rmt/0) です。テープ密度の値 (l、m、h、c、および u) の詳細は、第 18 章テープドライブの管理 (タスク)を参照してください。
リムーバブルメディアは、リムーバブルメディア管理サービスによって管理されるため、論理デバイス名は、手動でメディアをマウントしないかぎり、通常使用されません。
システムのリムーバブルメディアデバイスを表す論理デバイス名については、「リムーバブルメディアへのアクセス」を参照してください。