この項の内容は次のとおりです。
サブネット・マネージャ(SM)は、次のようなInfiniBandネットワークの操作特性をすべて管理します。
ネットワーク・トポロジの検出
ネットワークに接続されたすべてのポートへのローカル識別子(LID)の割当て
スイッチの転送表の計算とプログラミング
HCAとスイッチでのパーティション・キー(PKEY
)表のプログラミング
QoS表(仮想レーン・マッピング表と仮想レーン・アービトレーション表へのサービス・レベル)のプログラミング
ファブリックの変化のモニタリング
InfiniBandネットワークは通常、複数のSMを持ちますが、一度に1つのSMのみがアクティブです。アクティブなSMがマスターSMで、それ以外はスタンバイSMになります。マスターSMが停止したり、マスターSMで障害が発生した場合、スタンバイSMが自動的にマスターSMになります。
注意:
Exalogicマシンでは、IP over InfiniBand (IPoIB)トラフィックとEthernet over InfiniBand (EoIB)トラフィックを分離するために、InfiniBandスイッチ(リーフとスパインの両方)は自動的に構成されます。
表13-1に、サブネット・マネージャが異なるラック構成で実行されるスイッチについての情報を示します。
表13-1 異なるラック構成でのサブネット・マネージャの実行
ラック構成 | SMの実行場所 | SM優先度 |
---|---|---|
単一のExalogicマシン |
すべてのリーフ・スイッチ |
すべてのリーフ・スイッチ: 5 |
2台のハーフまたはフル・ラックのExalogicマシン |
スパイン・スイッチ |
スパイン・スイッチ: 8 |
2台のクォーター・ラックのExalogicマシン |
すべてのリーフ・スイッチ |
すべてのリーフ・スイッチ: 5 |
3台以上のExalogicマシン |
スパイン・スイッチ |
スパイン・スイッチ: 8 |
ハーフまたはフル・ラックのExadataマシンに接続しているハーフまたはフル・ラックのExalogicマシン |
スパイン・スイッチ |
スパイン・スイッチ: 8 |
クォーター・ラックExadataマシンに接続しているクォーター・ラックExalogicマシン |
すべてのリーフ・スイッチ |
すべてのリーフ・スイッチ: 5 |
2台以上のExadataマシンに接続している2台以上のExalogicマシン |
スパイン・スイッチ |
スパイン・スイッチ: 8 |
ExalogicとExadataマシンの両方で構成されているマルチラック構成で、ファームウェアのアップグレードにより、構成全体で多様なファームウェア・バージョンを使用する複数のスイッチが存在するようになった場合でも、SMは最新のファームウェア・バージョンのスイッチでのみ実行する必要があります。これは、最新のファームウェア機能のメリットを得るために不可欠です。
SMは最低でも、ファブリック内の2つのスイッチで実行される必要があることに注意してください。
3つ以上のスパイン・スイッチ(たとえば、2台のExadataマシンに接続している2台のExalogicマシン)からなり、異なるファームウェア・バージョンを使用している構成を考慮してください。
構成全体で2つ以上の使用可能なスパイン・スイッチが最新のファームウェア・バージョンを持っている場合、SMは優先度を8に設定した後、それらのスパイン・スイッチで実行する必要があります。
構成全体で1つのスパイン・スイッチのみが最新のファームウェア・バージョンを持っている場合、
SMは、そのスパイン・スイッチで実行する必要があります。SM優先度は8に設定される必要があります。
さらに、SMは、最新のファームウェア・バージョンを持つ複数のリーフ・スイッチで実行する必要があります。リーフ・スイッチのSM優先度は5に設定される必要があります。
最低でも2つのSMをファブリックで実行するという要件を満たすには、この場合、SMをスパイン・スイッチで実行するのに加えて1つ以上のリーフ・スイッチで実行する必要があります。
サブネット・マネージャの実行方法の詳細は、次の項を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
サブネット・マネージャの優先度と状態を迅速に判断するには、sminfo
コマンドを使用できます。
コマンド行インタフェース(CLI)で、次のコマンドを実行します。
# sminfo
次の例のような出力が表示されます。
sminfo: sm lid 15 sm guid 0x21283a8389a0a0, activity count 32046 priority 8 state3 SMINFO_MASTER
この出力例では、サブネット・マネージャのホスティングHCAはLID 15とGUID 0x21283a8620b0f0です。サブネット・マネージャは8(高)の優先度を持ち、その状態は3(マスター)です。
コマンド行インタフェース(CLI)で、次のコマンドを実行します。
# getmaster -l
次の例のような出力が表示されます。
# getmaster -l Last ring buffer history listed: whereismaster-daemon is running 20091204 15:00:53 whereismaster started 20091204 15:00:55 No OpenSM Master seen in the system 20091204 15:06:19 OpenSM Master on Switch : 0x0002c9000100d050 ports 36 Sun DCS 36 QDR switch o4nm2-36p-2.norway.test.com enhanced port 0 lid 7 lmc 0
この項の内容は次のとおりです。
ネットワーク(リーフ・スイッチまたはスパイン・スイッチ)の任意のInfiniBandスイッチでroot
としてログインし、次のようにgetmaster
コマンドを実行して、マスターSMの場所を取得します。
# getmaster
このコマンドは、ホスト名またはIPアドレス、およびマスターSMが実行されているスイッチのIPアドレスを表示します。
複数のExalogicマシンに接続している場合、マスターSMをリーフ・スイッチ(Sun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチ)からスパイン・スイッチ(Sun Datacenter InfiniBand Switch 36)に再配置をする必要があります。この手順は、ExalogicマシンをOracle Exadata Database Machineに接続するときにも必要です。
マスターSMの再配置は、InfiniBandネットワークの可用性に影響しません。このタスクは、通常のワークロードの実行中に行えます。
マスターSMをリーフ・スイッチ(Sun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチ)からスパイン・スイッチ(Sun Datacenter InfiniBand Switch 36)に再配置する手順は次のとおりです。
root
ユーザーとしてログインします。