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Oracle® Exalogic Elastic Cloudマシン・オーナーズ・ガイド
リリース2.0.6.4
B71906-08
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3.2 Exalogicマシンの設置の準備

この項の内容は次のとおりです。

3.2.1 始める前に

Exalogicマシンを設置する前に、またはラックにサーバーや機器を設置する前に、ラックに同梱されているSunハードウェア・システムの安全性に関する重要な情報(816-7190)というドキュメントを参照してください。

安全性に関する注意事項について、パッケージに印刷されている事項、およびSun Rack II安全性およびコンプライアンス・ガイド(820-4762)およびSun Rack II電力配分装置ユーザーズ・ガイド(820-4760)に記載されている事項をすべて遵守してください。これらのガイドは、http://download.oracle.com/docs/cd/E19657-01/index.htmlからダウンロードできます。

Exalogicマシンのキャビネットには、ラックマウント型の様々なSunサーバー、ストレージ製品およびサード・パーティ機器を搭載できます。

3.2.2 Exalogicインストールの安全性ガイドライン

Exalogicマシンが到着する前に、次の安全注意事項を検討し、サイトが安全で搬入の準備ができていることを確認する必要があります。これらの対策に従わないと、負傷、機器の損傷または誤動作につながる可能性があります。

  • 換気口をふさがないでください。

  • 直射日光にさらされる場所または高温になる可能性がある機器の近くにExalogicマシンを設置しないでください。

  • 過度の粉塵、腐食性のガスまたは塩分濃度が高い空気にさらされる場所にExalogicマシンを設置しないでください。

  • 頻繁な振動にさらされる場所にExalogicマシンを設置しないでください。平坦で水平な場所にExalogicマシンを設置してください。

  • 正しく接地された電源出力を使用してください。共有の接地を使用する場合は、接地抵抗が10オームを超えないようにしてください。必ず施設管理者または電気技師有資格者が建物の接地方法を検証し、接地作業を行うようにしてください。

  • Exalogicマシンに使用する接地ワイヤが、それぞれExalogicマシン専用であることを確認してください。また、機器のラベル上の取扱いに関する注意事項、警告および注意を遵守してください。

  • 機器の下にケーブルを置いたり、ケーブルが引っ張られた状態にしないでください。

  • 電源がオンの間は、機器から電源コードを外さないでください。

  • LANケーブルを外すときにコネクタ・ロックに手が届かない場合は、マイナスドライバーでコネクタ・ロックを押してケーブルを外してください。マイナスドライバーを使用せずに、すき間に無理に指を押し込むと、システム・ボードを破損するおそれがあります。

  • Exalogicマシンの上に物を置いたり、その上で作業をしないでください。

  • 室温を急激に上げないでください(特に冬場)。急激な温度変化により、Exalogicマシン内部に結露が生じるおそれがあります。サーバーを稼働する前に、十分なウォームアップ時間を設けてください。

  • コピー機、空調機、溶接機、または大きな電気ノイズを発生するその他の機器の近くにExalogicマシンを設置しないでください。

  • 設置場所では静電気を防いでください。静電気がExalogicマシンに伝わると、障害が発生するおそれがあります。静電気は、カーペットで生成されることがよくあります。

  • 供給電圧と周波数が、Exalogicマシンに記載されている電気定格と一致していることを確認してください。

  • ドキュメントに記載された手順の一部である場合を除き、Exalogicマシンの開口部には何も挿入しないでください。Exalogicマシンには高電圧の部品があります。金属物やその他の導電性の物体がExalogicマシンの開口部に入ると、短絡を引き起こすおそれがあります。これにより、人的傷害、火事、感電および機器の損傷が発生する危険性があります。

関連項目

  • ラックに同梱されているSunハードウェア・システムの安全性に関する重要な情報(816-7190)というドキュメント

  • 安全性に関する注意事項について、パッケージに印刷されている事項、およびSun Rack II安全性およびコンプライアンス・ガイド(820-4762)およびSun Rack II電力配分装置ユーザーズ・ガイド(820-4760)に記載されているすべての事項

3.2.3 Exalogicマシン・ラックの開梱

運送用段ボール箱からラックを開梱するときは、パッケージに同梱されている開梱説明書を参照してください。ラックの開梱が終了したら、地元の法律やガイドラインに従ってパッケージを正しくリサイクルしてください。

注意:

梱包材料および輸送パレットからラックを開梱する際は、慎重に行ってください。ラックを揺らしたり傾けたりすると、ラックが倒れて、重傷や死を招く可能性があります。このラックを開梱および設置する際には、必ず専門の運搬業者に依頼してください。

注意:

ラックを開梱したら、ラックを輸送パレットに固定するために使用されていたマウンティング・ブラケットを保管します。これらのマウンティング・ブラケットは、ラックを設置場所の床に固定するために使用できます。代替ブラケットは注文できませんので、これらのブラケットは捨てないでください。

図3-1 Exalogicマシン・ラックの開梱

図3-1の説明が続きます
「図3-1 Exalogicマシン・ラックの開梱」の説明

3.2.4 設置用工具

設置には次の工具が必要です。

  • スクリュードライバー(マグネット)

  • T-30トルクス・レンチ・キー

  • T-25トルクス・レンチ・キー

  • 6-mm六角アレン・レンチ・キー

  • SW 12-mm片面スパナ

  • サイド・パネル取外し工具

  • 正面ドア、背面ドアおよびサイド・パネルのロックのキー

  • ケージ・ナット取付け工具

  • 32 M6ケージ・ナット

  • 32 M6ねじ

  • 直線チップ

3.2.5 設置場所の準備

次の手順では、Exalogicマシンを開梱および設置する前にサイトを準備する方法について説明します。

  1. 設置の準備で、設置場所を完全に清掃してください。
  2. 特別な機器を必要とする設置場所固有の問題や特殊性を書き留めておきます。
  3. 設置場所の床に、Exalogicマシンとその他の設置機器の総重量に耐える強度があることを確認します。

    注意:

    詳細は、「環境要件」を参照してください。

  4. すべての必要な電気装置を設置して、十分な電力を供給します。

    関連項目

    Sun Rack II電力配分装置(PDU)の電源要件については、Sun Rack II電力配分装置ユーザーズ・ガイドを参照してください。

  5. 設置する施設に適切な空調設備があることを確認してください。
  6. 空調システムを48時間稼働し、部屋の温度を適切なレベルに設定します。

3.2.6 設置場所へのExalogicマシンの据付け

この項の内容は次のとおりです。

3.2.6.1 Exalogicマシンの移動

次の手順では、Exalogicマシンを移動する方法を説明します。

  1. ドアが閉じられ、固定されていることを確認します。
  2. ラックのレベリングおよびスタビライズ・フィートが持ち上げられ、邪魔にならないことを確認します。
  3. Exalogicマシンを後ろから押して設置場所に移動します。

    Exalogicマシンを設置場所に移動する際には、前部キャスタは回転しないため、後部キャスタを動かすことによってユニットを誘導する必要があります。慎重に押すと、Exalogicマシンを目的の方向に安全に移動できます。

    ラックの移動は2人で行うことをお薦めします。1人はラックの前でラックを動かし、もう1人は後ろからラックを誘導する手助けをします。構成済のラックをある場所から別の場所に移動する場合は、慎重にゆっくりと、1秒に0.65m (1秒に2.13フィート)かそれ以下の速度で動かしてください。

    移動経路は、十分に調査してください。出入り口、エレベータ口など、突然の停止や衝撃につながる障害物は避ける必要があります。傾斜台やリフトを使用して障害物を迂回し、円滑な移動を可能にしてください。

警告:

  • サイド・パネルを押してExalogicマシンを移動しないでください。サイド・パネルを押すと、ラックが転倒する場合があります。この行為は、重大な人的傷害または死、および機器への損傷を招くおそれがあります。

  • ラックが倒れかかる可能性があるため、Exalogicマシンを傾けたり揺らしたりしないでください。

3.2.6.2 Exalogicマシンの固定

Exalogicマシンを設置場所に移動した後は、ラックが動いたり倒れかかったりしないように固定します。ラックのレベリング・フィートを広げるか、マウンティング・ブラケットを使用することによって(あるいはその両方)、ラックを固定できます。設置後は、フィートおよびブラケットを使用してExalogicマシンを固定してください。

3.2.6.3 レベリング・フィートによるExalogicマシンの固定

ラックにある4つのレベリング・フィートを下げることによって、ラックを安定させます。レベリング・フィートは、ラックを床に固定する場合も使用できます。レベリング・フィートを調節するには、次のことを行います。

  1. Exalogicマシン底部の各角部に付けられている4つのレベリング・フィートを確認します。図3-2に、Exalogicマシン底部にあるレベリング・フィートの場所を示します。

    図3-2 Exalogicマシン上のレベリング・フィートの場所

    図3-2の説明が続きます
    「図3-2 Exalogicマシン上のレベリング・フィートの場所」の説明
    • 1: マウンティング・フィートの端からラックの側面までの長さは33.75mm (1.33インチ)

    • 2: レベリング・フィートの外側の両端からの幅は532.5mm (20.96インチ)

    • 3: レベリング・フィートの内側の両端からの幅は429mm (16.89インチ)

    • 4: フィートの端からラック正面までの長さは73.75mm (2.90インチ)

    • 5: レベリング・フィートの外側の両端からの奧行きは1058.5mm (41.67インチ)

    • 6: レベリング・フィートの端からラック背面までの長さは33.75mm (1.33インチ)

    • 7: 前部キャスタの中心からラック側面までの長さは86.7mm (3.41インチ)

    • 8: 前部キャスタの中心の間の幅は426.6mm (16.80インチ)

    • 9: 後部キャスタの中心からラック側面までの長さは173.7mm (6.83インチ)

    • 10: 前部キャスタと後部キャスタの間の奧行きは828.6mm (32.62インチ)

    • 11: 後部キャスタとラック背面の間の長さは162.4mm (6.39インチ)

    • 12: 後部キャスタの中心からラック側面までの長さは96.4mm (3.80インチ)

    • 13: 後部キャスタの中心の間の幅は407.2mm (16.03インチ)

  2. 図3-3に示すとおり、SW 12mmレンチを使用して水平調整脚をフロアに対して下げます。正しく下げられると、4個のレベリング・フィートでExalogicマシンの全重量を支えられます。

図3-3 レベリング・フィートを使用したExalogicマシンの固定

図3-3の説明はこの後にあります
「図3-3 レベリング・フィートを使用したExalogicマシンの固定」の説明

3.2.6.4 マウンティング・ブラケットによるExalogicマシンの固定

ラックを輸送パレットに固定していたマウンティング・ブラケットを使用して、ラックを設置場所の床に固定します。ラックは4個のマウンティング・ブラケットによってパレットに固定されています。正面と背面のブラケットを使用して、ラックを設置場所の床に固定します。床に4つの穴を開けて、設置場所を準備します。マウンティング・ブラケットを使用してExalogicマシンを固定する前に、マウンティング・ホールを開けておきます。図3-4に、取付けブラケットの場所と寸法を示します。

図3-4 ラック上のマウンティング・ブラケットの場所

図3-4の説明はこの後にあります
「図3-4 ラック上のマウンティング・ブラケットの場所」の説明
  1. Exalogicマシンを床に取り付けるために、4つのボルトとワッシャを用意します。取付けブラケットのボルト穴は、10.0mm径です。フロアごとに必要となるボルト・タイプおよび強度は異なるため、オラクル社では取付けボルトは提供していません。
  2. あらかじめ開けておいた穴の上にExalogicマシンを配置します。図3-5に、Exalogicマシンの底面図、およびマウンティング・ホールの場所と床のカットアウト寸法を示します。

    図3-5 マウンティング・ホールと床のカットアウト寸法を示すExalogicマシンの底面図

    図3-5の説明はこの後にあります
    「図3-5 マウンティング・ホールと床のカットアウト寸法を示すExalogicマシンの底面図」の説明
    • 1: マウンティング・ブラケットからラックの端までの長さは113mm (4.45インチ)

    • 2: マウンティング・ホール・スロットの中心(複数)の間の幅は374mm (14.72インチ)

    • 3: マウンティング・ブラケットからラックの端までの間の長さは113mm (4.45インチ)

    • 4: 前部と後部のマウンティング・ホール・スロットの中心(複数)の間の長さは1120mm (44.1インチ)

    • 5: 配線用の床カットアウトの奧行きは330mm (13インチ)

    • 6: 床のカットアウトとラックの端の間の長さは160mm (6.3インチ)

    • 7: 配線用の床カットアウトの幅は280mm (11インチ)

    データまたはPDU電源コードをラック底部を通して配線する場合は、設置場所の床に穴を開ける必要があります。ラックの後部部分(2つの後部キャスタの間で後部RETMA(無線電子装置/テレビジョン製造業者協会)レールの後ろ)の下に長方形の穴を開けます。図3-6に、底部からのラックの基底位置を示します。

    注意:

    ラックのキャスタやレベリング・フィート・ブラケットが置かれる場所に穴を開けないでください。

  3. 正面および背面のExalogicマシンのドアを開けます。
  4. 図3-7で示すように、6 mm六角アレン・レンチ・キーを使用して、マウンティング・ブラケットをラックに取り付けます。

    図3-7 マウンティング・ブラケットを使用したExalogicマシンの固定

    図3-7の説明はこの後にあります
    「図3-7 マウンティング・ブラケットを使用したExalogicマシンの固定」の説明
  5. 図3-7で示すように、設置場所に適したボルトとワッシャを使用して、4個のマウンティング・ブラケットでシステムを床に固定します。

    注意:

    Exalogicマシンを床に固定するために必要なボルトは、設置場所によって異なります。ユーザー固有の場所に適切なボルトを選択してください。

  6. マウンティング・ブラケットをExalogicマシンおよび床に固定するすべてのボルトをしっかりと締めます。

3.2.6.5 接地ケーブルの接続(オプション)

Exalogicマシン電力配分装置(PDU)は、電源コードで接地されます。最終的に、シャーシは、電源コードをソケットに接続するときに接地プロングを経由して接地されます。追加で接地するには、シャーシ接地ケーブルをExalogicマシンに接続してください。接地ポイントを追加することにより、漏洩電流をより効率的に消散できます。

警告:

PDUの電源入力リード・コードおよび接地ケーブルは、共通の接地を使用する必要があります。そうでない場合、接地ポテンシャルの相違が生じる可能性があります。施設のPDUレセプタクル接地がわからない場合は、正しいPDUレセプタクル接地があることを確認するまで、接地ケーブルは取り付けないでください。接地ポテンシャルの相違が明らかな場合は、修正処置を取る必要があります。

注意:

接地ケーブルはシステムに同梱されていません。

  1. データ・センター内の設置場所で電源が正しく接地されていることを確認してください。施設のPDUには、接地が必要です。
  2. 上げ床や電源レセプタクルなど、すべての接地ポイントが施設の接地を基準にしていることを確認してください。
  3. 製造時に、接地ケーブルの接続部の表面が塗装またはコーティングされている場合があります。設置をするときに、金属同士が直接接触していることを確認してください。
  4. 図3-8で示すように、システム・フレームの後底部にある接続ポイントのいずれかに接地ケーブルを接続します。接続ポイントは、Exalogicマシン・キャビネット右側背面の内側にある調節可能ボルトです。

    図3-8 接地用接続ボルトの場所

    図3-8の説明はこの後にあります
    「図3-8 接地用接続ボルトの場所」の説明