Exalogicマシンには、計算ノード、ストレージ・アプライアンス、および計算ノードをネットワークに接続するための機器が含まれています。ネットワーク接続によって、サーバーのリモート管理、クライアントから計算ノードへの接続、およびクライアントからストレージ・アプライアンスへのアクセスが可能になります。
次の表に、各計算ノードおよびストレージ・アプライアンスのネットワーク・コンポーネントおよびインタフェースを示します。
表6-1 計算ノードおよびストレージ・アプライアンスの使用可能なネットワーク・コンポーネントおよびインタフェース
計算ノード | ストレージ・アプライアンス(2つのサーバー・ヘッド) | |
---|---|---|
ギガビット・イーサネット(GbE)・ポート:
|
4 (接続されて使用されるのはNET0またはigb0のみです) |
サーバー・ヘッドごとに4つ(Exalogic X4以降のシステムに1GbEおよび10GbEポート、それ以前のシステムに1GbEを使用可能) |
デュアルポートQDR InfiniBandホスト・チャネル・アダプタ:
|
1 (このポートは接続または使用されません) |
サーバー・ヘッドごとに1つ |
ILOMリモート管理のイーサネット・ポート |
1 |
ヘッドごとに4つ(ETH0およびETH1インタフェースは、アクティブおよびパッシブ・クラスタリングのサポートに使用されます。専用ILOMポートは使用されません。サイドバンド管理がigb0ポート経由でかわりに使用されます) |
注意:
これらのポートは、製造時にExalogicマシンにあらかじめ配線されています。ポートを触ったり、変更しないでください。
Exalogicマシンで提供されているCisco社製イーサネット・スイッチでは、インストール時に最低限の構成が行われます。最低限の構成ではIPルーティングが無効化され、次のものが設定されます。
ホスト名
IPアドレス
サブネット・マスク
デフォルト・ゲートウェイ
ドメイン名
ドメイン・ネーム・サーバー
NTPサーバー
時間
タイムゾーン
ご使用の環境でスイッチが正しく動作するために、複数の仮想Local Area Network (VLAN)の定義やルーティングの有効化など、追加の構成が必要とされる場合がありますが、これはインストール・サービスの範囲外となります。
Exalogicマシンをデプロイする場合、ネットワークの最小要件を満たしていることを確認してください。Exalogicマシンには、最大5つのネットワークがあります。各ネットワークは、他から独立した個別のサブネット上に存在する必要があります。ネットワークの詳細は次のとおりです。
管理ネットワーク: この必須ネットワークは、既存の管理ネットワークに接続し、Exalogicマシンのすべてのコンポーネントの管理作業に使用します。ILOM、計算ノード、ストレージ・アプライアンスのサーバー・ヘッド、Exalogicマシン・ラックのイーサネット・スイッチに接続されているスイッチに接続します。この管理ネットワークは、単一のサブネット内にあります。ILOM接続では、NET0
(Oracle Solarisでは、igb0
)サイドバンド・インタフェースを使用します。
マルチラック構成では、次のいずれかの構成になります。
構成ごとに1つのサブネット
マルチラック構成のラックごとに1つのサブネット
構成ごとに複数のサブネット
構成ごとに1つのサブネットを構成することをお薦めします。
サイドバンド管理では、各計算ノードのNET0
(Oracle Solarisでは、igb0
)インタフェースのみが、ラックのイーサネット・スイッチに物理的に接続されます。ストレージ・アプライアンスのサーバー・ヘッドでは、NET0
およびNET1
インタフェース(Oracle Solarisでは、igb0
およびigb1
)が物理的に接続され、アクティブ/パッシブ・クラスタリングをサポートします。
注意:
管理ネットワーク・インタフェース(Oracle LinuxではNET0
、Oracle Solarisではigb0
)は、クライアントまたはアプリケーションのネットワーク・トラフィックの計算ノードで使用しないでください。Exalogic計算ノードのこれらのインタフェースの配線変更や構成変更は許可されていません。
InfiniBandプライベート・ネットワーク: この必須ネットワークは、BOND0
インタフェースを介して、計算ノードとストレージ・アプライアンスをExalogicラックのInfiniBandスイッチ/ゲートウェイに接続します。これは、Exalogicマシンの初期構成中に自動的に作成される、デフォルトのIP over InfiniBand (IPoIB)サブネットです。
注意:
このネットワークは、デフォルトのInfiniBandパーティション、またはExalogicマシンに割り当てられているパーティションのいずれかに基づいています。単一のデフォルト・パーティションは、ラック・レベルで定義されます。詳細は、「デフォルトのラックレベルのInfiniBandパーティションを使用した作業」を参照してください。
クライアント・アクセス・ネットワーク: この必須ネットワークは、BOND1
インタフェースを介して、計算ノードを既存のクライアント・ネットワークに接続し、クライアントから計算ノードへのアクセスに使用されます(これは、物理Exalogicデプロイメントに主に関連しています)。各Exalogic計算ノードには、Sun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチを介して外部10Gbイーサネット・ネットワークにアクセスする、単一のデフォルト・クライアント・アクセス(エッジ・ネットワーク)があります。
各計算ノードのクライアント・アクセス・ネットワーク接続用の論理ネットワーク・インタフェースは結合されています。Bond1は、2つのVNIC (Ethernet over IB VNIC)で構成されています。VNICはそれぞれ個別の高可用性(HA)用のSun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチにマップされ、ホストEoIB VNICはそれぞれ異なるHCA IBポート(Oracle Linuxでは、VNIC0 -> ib0、VNIC1 -> ib1、Oracle Solarisでは、VNIC0 -> ibp0、VNIC1 -> ibp1)に関連付けられます。
追加ネットワーク(オプション): Sun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチには、それぞれ8つの10Gbイーサネット・ポートがあります。Exalogicのデプロイメントで使用するポートの数は、特定の帯域幅の要件(計算ノード当たりいくつの10Gbポートを共有できるか)および特定のLAN/VLAN接続の要件に応じて異なります。16の計算ノードからなるグループは、アクティブ/パッシブ結合で、2つのSun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチに接続します。各計算ノードは、2つの個別のHA用Sun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチに接続されます。
各計算ノードは、各外部ネットワーク(物理ネットワークまたはVLAN)に対して結合する必要があります。
図6-1に、Oracle Linuxオペレーティング・システムを使用するExalogicマシンのネットワーク・ダイアグラムを示します。
注意:
Oracle Solarisを使用している場合は、IPMPグループの論理名にipmp0
またはBOND0
、およびipmp1
またはBOND1
を割り当て、Solaris管理コマンドで、NET0
イーサネット・ポートに対応するデータリンクの名前をigp0
またはnet0
として表示できます。詳細は、「Oracle SolarisユーザーへのIPMPの概要」を参照してください。