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Oracle® Exalogic Elastic Cloudマシン・オーナーズ・ガイド
リリース2.0.6.4
B71906-08
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6.1 ネットワーク要件の概要

Exalogicマシンには、計算ノード、ストレージ・アプライアンス、および計算ノードをネットワークに接続するための機器が含まれています。ネットワーク接続によって、サーバーのリモート管理、クライアントから計算ノードへの接続、およびクライアントからストレージ・アプライアンスへのアクセスが可能になります。

次の表に、各計算ノードおよびストレージ・アプライアンスのネットワーク・コンポーネントおよびインタフェースを示します。

表6-1 計算ノードおよびストレージ・アプライアンスの使用可能なネットワーク・コンポーネントおよびインタフェース

計算ノード ストレージ・アプライアンス(2つのサーバー・ヘッド)

ギガビット・イーサネット(GbE)・ポート:

  • Oracle Linux: NET0NET1NET2およびNET3

  • Oracle Solaris: igb0igb1igb2およびigb3

4 (接続されて使用されるのはNET0またはigb0のみです)

サーバー・ヘッドごとに4つ(Exalogic X4以降のシステムに1GbEおよび10GbEポート、それ以前のシステムに1GbEを使用可能)

デュアルポートQDR InfiniBandホスト・チャネル・アダプタ:

  • Oracle Linux: ib0およびib1

  • Oracle Solaris: ibp0およびibp1

1 (このポートは接続または使用されません)

サーバー・ヘッドごとに1つ

ILOMリモート管理のイーサネット・ポート

1

ヘッドごとに4つ(ETH0およびETH1インタフェースは、アクティブおよびパッシブ・クラスタリングのサポートに使用されます。専用ILOMポートは使用されません。サイドバンド管理がigb0ポート経由でかわりに使用されます)

注意:

これらのポートは、製造時にExalogicマシンにあらかじめ配線されています。ポートを触ったり、変更しないでください。

Exalogicマシンで提供されているCisco社製イーサネット・スイッチでは、インストール時に最低限の構成が行われます。最低限の構成ではIPルーティングが無効化され、次のものが設定されます。

  • ホスト名

  • IPアドレス

  • サブネット・マスク

  • デフォルト・ゲートウェイ

  • ドメイン名

  • ドメイン・ネーム・サーバー

  • NTPサーバー

  • 時間

  • タイムゾーン

ご使用の環境でスイッチが正しく動作するために、複数の仮想Local Area Network (VLAN)の定義やルーティングの有効化など、追加の構成が必要とされる場合がありますが、これはインストール・サービスの範囲外となります。

Exalogicマシンをデプロイする場合、ネットワークの最小要件を満たしていることを確認してください。Exalogicマシンには、最大5つのネットワークがあります。各ネットワークは、他から独立した個別のサブネット上に存在する必要があります。ネットワークの詳細は次のとおりです。

  • 管理ネットワーク: この必須ネットワークは、既存の管理ネットワークに接続し、Exalogicマシンのすべてのコンポーネントの管理作業に使用します。ILOM、計算ノード、ストレージ・アプライアンスのサーバー・ヘッド、Exalogicマシン・ラックのイーサネット・スイッチに接続されているスイッチに接続します。この管理ネットワークは、単一のサブネット内にあります。ILOM接続では、NET0 (Oracle Solarisでは、igb0)サイドバンド・インタフェースを使用します。

    マルチラック構成では、次のいずれかの構成になります。

    • 構成ごとに1つのサブネット

    • マルチラック構成のラックごとに1つのサブネット

    • 構成ごとに複数のサブネット

    構成ごとに1つのサブネットを構成することをお薦めします。

    サイドバンド管理では、各計算ノードのNET0 (Oracle Solarisでは、igb0)インタフェースのみが、ラックのイーサネット・スイッチに物理的に接続されます。ストレージ・アプライアンスのサーバー・ヘッドでは、NET0およびNET1インタフェース(Oracle Solarisでは、igb0およびigb1)が物理的に接続され、アクティブ/パッシブ・クラスタリングをサポートします。

    注意:

    管理ネットワーク・インタフェース(Oracle LinuxではNET0、Oracle Solarisではigb0)は、クライアントまたはアプリケーションのネットワーク・トラフィックの計算ノードで使用しないでください。Exalogic計算ノードのこれらのインタフェースの配線変更や構成変更は許可されていません。

  • InfiniBandプライベート・ネットワーク: この必須ネットワークは、BOND0インタフェースを介して、計算ノードとストレージ・アプライアンスをExalogicラックのInfiniBandスイッチ/ゲートウェイに接続します。これは、Exalogicマシンの初期構成中に自動的に作成される、デフォルトのIP over InfiniBand (IPoIB)サブネットです。

    注意:

    このネットワークは、デフォルトのInfiniBandパーティション、またはExalogicマシンに割り当てられているパーティションのいずれかに基づいています。単一のデフォルト・パーティションは、ラック・レベルで定義されます。詳細は、「デフォルトのラックレベルのInfiniBandパーティションを使用した作業」を参照してください。

  • クライアント・アクセス・ネットワーク: この必須ネットワークは、BOND1インタフェースを介して、計算ノードを既存のクライアント・ネットワークに接続し、クライアントから計算ノードへのアクセスに使用されます(これは、物理Exalogicデプロイメントに主に関連しています)。各Exalogic計算ノードには、Sun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチを介して外部10Gbイーサネット・ネットワークにアクセスする、単一のデフォルト・クライアント・アクセス(エッジ・ネットワーク)があります。

    各計算ノードのクライアント・アクセス・ネットワーク接続用の論理ネットワーク・インタフェースは結合されています。Bond1は、2つのVNIC (Ethernet over IB VNIC)で構成されています。VNICはそれぞれ個別の高可用性(HA)用のSun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチにマップされ、ホストEoIB VNICはそれぞれ異なるHCA IBポート(Oracle Linuxでは、VNIC0 -> ib0、VNIC1 -> ib1、Oracle Solarisでは、VNIC0 -> ibp0、VNIC1 -> ibp1)に関連付けられます。

  • 追加ネットワーク(オプション): Sun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチには、それぞれ8つの10Gbイーサネット・ポートがあります。Exalogicのデプロイメントで使用するポートの数は、特定の帯域幅の要件(計算ノード当たりいくつの10Gbポートを共有できるか)および特定のLAN/VLAN接続の要件に応じて異なります。16の計算ノードからなるグループは、アクティブ/パッシブ結合で、2つのSun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチに接続します。各計算ノードは、2つの個別のHA用Sun Network QDR InfiniBandゲートウェイ・スイッチに接続されます。

    各計算ノードは、各外部ネットワーク(物理ネットワークまたはVLAN)に対して結合する必要があります。

図6-1に、Oracle Linuxオペレーティング・システムを使用するExalogicマシンのネットワーク・ダイアグラムを示します。

図6-1 Exalogicマシンのネットワーク・ダイアグラム

図6-1の説明が続きます
「図6-1 Exalogicマシンのネットワーク・ダイアグラム」の説明

注意:

Oracle Solarisを使用している場合は、IPMPグループの論理名にipmp0またはBOND0、およびipmp1またはBOND1を割り当て、Solaris管理コマンドで、NET0イーサネット・ポートに対応するデータリンクの名前をigp0またはnet0として表示できます。詳細は、「Oracle SolarisユーザーへのIPMPの概要」を参照してください。