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Oracle® Exalogic Elastic Cloudマシン・オーナーズ・ガイド
リリース2.0.6.4
B71906-08
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8.4 構成の概要

Exalogicマシン内のストレージ・アプライアンスは、Exalogicマシンの設定とエンタープライズ・デプロイメントの各段階で構成されます。

構成の段階は次のとおりです。

8.4.1 初期構成

初期構成には、NET0インタフェースのネットワーク構成、ILOM IPアドレスの構成、サービス・プロセッサ・コンソールの起動、複数のクライアント・ネットワーク・サービスの起動、およびスタンドアロン操作のためのストレージ・プールのレイアウト処理が含まれます。構成完了後は、Exalogicマシンのアプライアンスが使用可能になり、Exalogicの計算ノードがアクセスするためのデフォルト・シェアが構成された状態になります。

注意:

Oracle Exalogic構成ユーティリティの一連のツールおよびスクリプトを実行すると、ストレージ・アプライアンスの初期構成が完了します。

詳細は、Oracle ZFSストレージ・アプライアンス管理ガイド(http://docs.oracle.com/cd/E27998_01/html/E48433/toc.html)のシェアと構成に関する項を参照してください。また、Oracle Exalogic環境で推奨されるストレージ構成については、『Oracle Fusion Middleware Exalogicエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。

8.4.2 ストレージ・ヘッドの管理ネットワークへの接続およびWebインタフェースへのアクセス

図8-1に、ストレージ・アプライアンスの物理的なネットワーク接続を示します。

図8-1 ストレージ・アプライアンスのネットワーク・ポート

図8-1の説明が続きます
「図8-1 ストレージ・アプライアンスのネットワーク・ポート」の説明

デフォルトでは、ストレージ・ヘッドのNET0 (igb0)、NET1 (igb1)およびNET2 (igb2)ポートは、Exalogicマシンに組み込まれているCisco社製管理スイッチに接続されていますigb0およびigb1インタフェースは、Webブラウザ経由またはコマンド行経由のアクセスなどの、管理アクセス用に予約されています。この構成により、ストレージ・ヘッドは、ネットワーク・データ・インタフェースの負荷やアクティブなヘッドの種類に関係なく常に使用可能になります。接続されていない、ぶら下がっているケーブルの一方の端は、NET3 (igb3)に接続されます。このケーブルのもう一方の端を、データ・センターのネットワークに直接接続できます。高可用性を確保するために、通常はこのケーブルを、ExalogicのCisco社製管理スイッチの接続先以外のデータ・センター・スイッチに接続します。

Exalogicマシンに組み込まれているストレージ・アプライアンスのデフォルトのネットワーク構成を表示するには、次のことを行います。

  1. Webブラウザで、いずれかのストレージ・ヘッドのNET0ポートに割り当てたIPアドレスまたはホスト名を次のように入力します。

    https://ipaddress:215

    または

    https://hostname:215

    ログイン画面が表示されます。

  2. 「Username」フィールドにrootを入力した後、アプライアンス・シェル・キット・インタフェースに入力した管理パスワードを入力して、[Enter]キーを押します。「Welcome」画面が表示されます。
  3. 「Configuration」タブをクリックし、「NETWORK」をクリックします。図8-2で示すように、デフォルトのネットワーク構成が表示されます。

    注意:

    この章の画面に表示されているインタフェース名とIPアドレスは例です。ご使用の環境のインタフェース名を検証して、それらを適宜使用してください。

    図8-2 「Network Configuration」画面

    図8-2の説明が続きます。
    「図8-2 「Network Configuration」画面」の説明

    「Interfaces」セクションには、構成されたネットワーク・インタフェースが表示されています。緑色のアイコンは、インタフェースがストレージ・ヘッドでアクティブであり、そのIPアドレスまたはホスト名を使用して管理コンソールにアクセスしていることを示しています。青色のアイコンは、インタフェースがストレージ・ヘッドでアクティブではないことを示しています。インタフェースのネットワーク設定を表示または編集するには、鉛筆アイコンをクリックします。図8-3で示すように、インタフェースの設定が画面に表示されます。

    図8-3 ネットワーク・インタフェースの設定

    図8-3の説明が続きます。
    「図8-3 ネットワーク・インタフェースの設定」の説明

    注意:

    この章の画面に表示されているインタフェース名とIPアドレスは例です。ご使用の環境のインタフェース名を検証して、それらを適宜使用してください。

8.4.3 クラスタ・ネットワーク構成

クラスタは、アクティブ/パッシブ構成で設定されています。すべてのリソース、データ・インタフェース・リンクおよびストレージ・プールは、アクティブ・ストレージ・ヘッドにより所有されます。アクティブ・ノードで障害が発生すると、すべてのリソース(アクティブ・ノードにロックされているものは除く)は、パッシブ・ストレージ・ヘッドに引き継がれます。

アクティブ・ヘッドの構成例では、storagenode1などのアクティブ・ストレージ・ヘッド用の管理ネットワーク・インタフェースとして、igb0が使用されています。鍵シンボルは、igb0がこのストレージ・ヘッドにロックされていることを示しています。このアクティブ・ストレージ・ヘッドにブラウザでアクセスするには、ホスト名またはIPアドレスのいずれかを使用する、次のURLを使用できます。

https://storagenode1:215

または

https://<IP_storagenode1>:215

パッシブ・ヘッドの構成例では、storagenode2などのパッシブ・ストレージ・ヘッド用の管理ネットワーク・インタフェースとして、igb1が使用されています。鍵シンボルは、igb1がこのストレージ・ヘッドにロックされていることを示しています。このパッシブ・ストレージ・ヘッドにブラウザでアクセスするには、ホスト名またはIPアドレスのいずれかを使用する、次のURLを使用できます。

https://storagenode2:215

または

https://<IP_storagenode2>:215

注意:

ストレージ・アプライアンスのネットワーク構成の詳細は、Oracle ZFSストレージ・アプライアンス管理ガイドネットワークに関するトピックを参照してください。

8.4.4 ネットワーク構成オプション

個別の要件に基づき、次のストレージ・アプライアンスのネットワーク構成オプションの中からいずれかを選択できます。

8.4.4.1 オプション1の構成: ASRをサポート、管理用パスと障害回復用パスを分離

このデフォルトの構成では、アクティブ・ストレージ・ヘッド(ヘッド1)のigb0ポートが使用され、管理オプションが有効化されます。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb0ポートは使用されません。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb1ポートが使用され、管理オプションが無効化されます。igb2およびigb3ポートはIPマルチパス(IPMP)で結合され、igb2およびigb3の両方で管理オプションが無効化されます。

ヒント:

管理者は各ストレージ・ヘッドで、2つの異なる管理URLを使用する必要があります。

このデフォルト構成オプションには、次のメリットがあります。

  • Exalogicマシンに組み込まれているストレージ・アプライアンスで、igb0およびigb1ポートを使用した自動サービス・リクエスト(ASR)がサポートされます。

  • Exalogicマシンで、igb2およびigb3ポートを使用した障害回復がサポートされます。

  • Exalogicマシンを個別の要件に基づいて(igb0およびigb1ポートで)再構成するために使用する、Exalogic構成ユーティリティが提供されます。

  • 管理パスから障害回復パスが分離されます。

注意:

igb3ポートからぶら下がっているケーブルを、データ・センターのネットワーク・スイッチに接続してください。高可用性を確保するために、通常はこのケーブルを、ExalogicのCisco社製管理スイッチの接続先以外のデータ・センター・スイッチに接続します。

結合されたインタフェースは、igb2およびigb3をIPMPグループとして構成する、dr-repl-interfaceなどの新規のインタフェースになります。例として、図8-4dr-repl-interfaceのネットワーク設定を示します。

図8-4 IPMPグループ内のigb2およびigb3

図8-4の説明が続きます。
「図8-4 IPMPグループ内のigb2およびigb3」の説明

注意:

この章の画面に表示されているインタフェース名とIPアドレスは例です。ご使用の環境のインタフェース名を検証して、それらを適宜使用してください。

「Properties」セクションで「Allow Administration」オプションを選択した場合、インタフェース上での管理が可能になります。igb2およびigb3などの、2つのインタフェースを持つIPMPグループを作成するには、図8-2「+」アイコン(「Interfaces」の横)をクリックする必要があります。図8-5で示すように、「Network Interface」画面が表示されます。

図8-5 新規IPMPグループ・インタフェースの作成

図8-5の説明が続きます。
「図8-5 新規IPMPグループ・インタフェースの作成」の説明

新規インタフェースの名前を入力します。「Properties」セクションで、「Enable Interface」オプションを選択します。「IP MultiPathing Group」オプションを選択して、IPMPグループ内の2つのインタフェース(igb2およびigb3など)を構成します。

8.4.4.2 オプション2の構成: ASRをサポート、管理用パスと障害回復用パスを共有、単一の管理URLを使用

このカスタム構成では、アクティブ・ストレージ・ヘッド(ヘッド1)のigb0ポートが使用され、管理オプションが有効化されます。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb0ポートは使用されません。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb1ポートが使用され、管理オプションが無効化されます。igb2およびigb3ポートはIPマルチパス(IPMP)で結合され、igb2およびigb3の両方で管理オプションが有効化されます。

この構成オプションには、次のメリットがあります。

  • Exalogicマシンに組み込まれているストレージ・アプライアンスで、igb0およびigb1ポートを使用した自動サービス・リクエスト(ASR)がサポートされます。

  • Exalogicマシンで、igb2およびigb3ポートを使用した障害回復がサポートされます。

  • Exalogicマシンを個別の要件に基づいて(igb0およびigb1ポートで)再構成するために使用する、Exalogic構成ユーティリティが提供されます。

  • igb2およびigb3ポートを使用した、両方のストレージ・ヘッドに対する単一の管理URLが提供されます。

注意:

このオプションでは、障害回復パスから管理パスは分離されません。

このオプションを構成するには、次の手順を完了します。

  1. 図8-1で示すように、物理的な接続が正しいことを確認します。igb3ポートからぶら下がっているケーブルを、データ・センターのネットワーク・スイッチに接続してください。
  2. Webブラウザで、いずれかのストレージ・ヘッドのNET0ポートに割り当てたIPアドレスまたはホスト名を次のように入力します。

    https://ipaddress:215

    または

    https://hostname:215

    ログイン画面が表示されます。

  3. 「Username」フィールドにrootを入力した後、アプライアンス・シェル・キット・インタフェースに入力した管理パスワードを入力して、[Enter]キーを押します。「Welcome」画面が表示されます。
  4. 「Configuration」タブをクリックし、「NETWORK」をクリックします。デフォルトのネットワーク構成が表示されます。
  5. 「Network Configuration」画面(図8-2)で、dr-repl-interface (igb2igb3を結合したインタフェース)などのIPMPインタフェースの横にある鉛筆シンボルをクリックします。図8-6のように、dr-repl-interfaceの「Network Interface」画面が表示されます。

    図8-6 IPMPネットワーク・インタフェースの設定

    図8-6の説明が続きます。
    「図8-6 IPMPネットワーク・インタフェースの設定」の説明

    注意:

    この章の画面に表示されているインタフェース名とIPアドレスは例です。ご使用の環境のインタフェース名を検証して、それらを適宜使用してください。

  6. 「Allow Administration」オプションを選択して、igb2およびigb3の両方のインタフェースでトラフィックの管理を有効にします。
  7. 「APPLY」をクリックします。

8.4.4.3 オプション3の構成: ASRをサポート、障害回復なし、単一の管理URLを使用

このカスタム構成では、アクティブ・ストレージ・ヘッド(ヘッド1)のigb0ポートが使用され、管理オプションが有効化されます。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb0ポートは使用されません。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb1ポートが使用され、管理オプションが無効化されます。igb2ポートでは仮想IPが使用され、管理オプションが有効化されます。igb3ポートは使用されません。

この構成オプションには、次のメリットがあります。

  • Exalogicマシンに組み込まれているストレージ・アプライアンスで、igb0およびigb1ポートを使用した自動サービス・リクエスト(ASR)がサポートされます。

  • Exalogicマシンを個別の要件に基づいて(igb0およびigb1ポートで)再構成するために使用する、Exalogic構成ユーティリティが提供されます。

  • igb2ポートを使用した、両方のストレージ・ヘッドに対する単一の管理URLが提供されます。

注意:

このオプションでは、障害回復はサポートされません。この構成オプションを使用する場合は、igb3からぶら下がっているケーブルをCisco社製管理スイッチに接続できます。

このオプションを構成するには、次の手順を完了します。

  1. 図8-1で示すように、物理的な接続が正しいことを確認します。
  2. Webブラウザで、いずれかのストレージ・ヘッドのNET0ポートに割り当てたIPアドレスまたはホスト名を次のように入力します。

    https://ipaddress:215

    または

    https://hostname:215

    ログイン画面が表示されます。

  3. 「Username」フィールドにrootを入力した後、アプライアンス・シェル・キット・インタフェースに入力した管理パスワードを入力して、[Enter]キーを押します。「Welcome」画面が表示されます。
  4. 「Configuration」タブをクリックし、「NETWORK」をクリックします。デフォルトのネットワーク構成が表示されます。
  5. 「Network Configuration」画面(図8-2)で、dr-repl-interface (igb2igb3を結合したインタフェース)などのIPMPインタフェースの横にある削除シンボルをクリックします。このIPMPインタフェースを削除します。
  6. 「Network Configuration」画面(図8-2)で、igb3インタフェースの横にある鉛筆シンボルをクリックします。igb3の「Network Interface」画面が表示されます。「Enable Interface」オプションをクリックし、デフォルトで有効になっているインタフェースを無効にします。
  7. 「APPLY」をクリックします。

8.4.5 デフォルト・ストレージ構成

デフォルトでは、単一のストレージ・プールが構成されています。サーバー・ヘッド用のアクティブ/パッシブ・クラスタリングも構成されています。データはミラー化されており、高い信頼性を誇る高パフォーマンスのシステムが実現されます。

デフォルトのストレージ構成は製造時に行われており、次のシェアが組み込まれています。

  • 各Exalogic計算ノードに対する、2つの排他NFSシェア(1つはクラッシュ・ダンプ用、もう1つは汎用目的)

    このシナリオでは、要件に基づいてこれらのシェアに対するアクセス制御を実装できます。

  • すべての計算ノードからアクセスされる、2つの共通NFSシェア(1つはパッチ用、もう1つは汎用目的)

表8-1 ストレージ・アプライアンスのデフォルト構成

デフォルト構成 名前

ストレージ・プール

exalogic

プロジェクト

  • 計算ノード・レベルのプロジェクト

    NODE_1からNODE_Nまで

    Nは、Exalogicマシンのラック構成における計算ノード数を表します。

  • 共通プロジェクト

    common

共有

  • NODE_SHARES

    dumpsおよびgeneral

    これらのシェアは、計算ノード・レベルです。

  • COMMON_SHARES

    common/patchescommon/generalおよびcommon/images

注意:

この表は、Exalogicマシンのラック構成が顧客サイトで変更される前の、ストレージ・アプライアンスのデフォルト構成を表しています。Oracle Exalogic構成ユーティリティでは、この構成は変更されません。

8.4.6 カスタム構成

ストレージ・アプライアンスでは、複数のプロジェクトとシェアを作成および構成して、企業固有のストレージ要件に適合させることができます。

次のようなカスタム構成が実装できます。

  • Dept_1Dept_2などのカスタム・プロジェクト。

  • jmslogsjtalogsなどのカスタム・シェア。

  • ユーザーの作成および管理

  • カスタム・シェアのアクセス制御

注意:

推奨されるディレクトリ構造およびシェアの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Exalogicエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。