Exalogicマシン内のストレージ・アプライアンスは、Exalogicマシンの設定とエンタープライズ・デプロイメントの各段階で構成されます。
構成の段階は次のとおりです。
初期構成には、NET0
インタフェースのネットワーク構成、ILOM IPアドレスの構成、サービス・プロセッサ・コンソールの起動、複数のクライアント・ネットワーク・サービスの起動、およびスタンドアロン操作のためのストレージ・プールのレイアウト処理が含まれます。構成完了後は、Exalogicマシンのアプライアンスが使用可能になり、Exalogicの計算ノードがアクセスするためのデフォルト・シェアが構成された状態になります。
注意:
Oracle Exalogic構成ユーティリティの一連のツールおよびスクリプトを実行すると、ストレージ・アプライアンスの初期構成が完了します。
詳細は、Oracle ZFSストレージ・アプライアンス管理ガイド(http://docs.oracle.com/cd/E27998_01/html/E48433/toc.html
)のシェアと構成に関する項を参照してください。また、Oracle Exalogic環境で推奨されるストレージ構成については、『Oracle Fusion Middleware Exalogicエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。
図8-1に、ストレージ・アプライアンスの物理的なネットワーク接続を示します。
デフォルトでは、ストレージ・ヘッドのNET0
(igb0
)、NET1
(igb1
)およびNET2
(igb2
)ポートは、Exalogicマシンに組み込まれているCisco社製管理スイッチに接続されていますigb0
およびigb1
インタフェースは、Webブラウザ経由またはコマンド行経由のアクセスなどの、管理アクセス用に予約されています。この構成により、ストレージ・ヘッドは、ネットワーク・データ・インタフェースの負荷やアクティブなヘッドの種類に関係なく常に使用可能になります。接続されていない、ぶら下がっているケーブルの一方の端は、NET3
(igb3
)に接続されます。このケーブルのもう一方の端を、データ・センターのネットワークに直接接続できます。高可用性を確保するために、通常はこのケーブルを、ExalogicのCisco社製管理スイッチの接続先以外のデータ・センター・スイッチに接続します。
Exalogicマシンに組み込まれているストレージ・アプライアンスのデフォルトのネットワーク構成を表示するには、次のことを行います。
クラスタは、アクティブ/パッシブ構成で設定されています。すべてのリソース、データ・インタフェース・リンクおよびストレージ・プールは、アクティブ・ストレージ・ヘッドにより所有されます。アクティブ・ノードで障害が発生すると、すべてのリソース(アクティブ・ノードにロックされているものは除く)は、パッシブ・ストレージ・ヘッドに引き継がれます。
アクティブ・ヘッドの構成例では、storagenode1
などのアクティブ・ストレージ・ヘッド用の管理ネットワーク・インタフェースとして、igb0
が使用されています。鍵シンボルは、igb0
がこのストレージ・ヘッドにロックされていることを示しています。このアクティブ・ストレージ・ヘッドにブラウザでアクセスするには、ホスト名またはIPアドレスのいずれかを使用する、次のURLを使用できます。
https://storagenode1:215
または
https://<IP_storagenode1>:215
パッシブ・ヘッドの構成例では、storagenode2
などのパッシブ・ストレージ・ヘッド用の管理ネットワーク・インタフェースとして、igb1
が使用されています。鍵シンボルは、igb1
がこのストレージ・ヘッドにロックされていることを示しています。このパッシブ・ストレージ・ヘッドにブラウザでアクセスするには、ホスト名またはIPアドレスのいずれかを使用する、次のURLを使用できます。
https://storagenode2:215
または
https://<IP_storagenode2>:215
注意:
ストレージ・アプライアンスのネットワーク構成の詳細は、Oracle ZFSストレージ・アプライアンス管理ガイドのネットワークに関するトピックを参照してください。
個別の要件に基づき、次のストレージ・アプライアンスのネットワーク構成オプションの中からいずれかを選択できます。
このデフォルトの構成では、アクティブ・ストレージ・ヘッド(ヘッド1)のigb0
ポートが使用され、管理オプションが有効化されます。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb0
ポートは使用されません。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb1
ポートが使用され、管理オプションが無効化されます。igb2
およびigb3
ポートはIPマルチパス(IPMP)で結合され、igb2
およびigb3
の両方で管理オプションが無効化されます。
ヒント:
管理者は各ストレージ・ヘッドで、2つの異なる管理URLを使用する必要があります。
このデフォルト構成オプションには、次のメリットがあります。
Exalogicマシンに組み込まれているストレージ・アプライアンスで、igb0
およびigb1
ポートを使用した自動サービス・リクエスト(ASR)がサポートされます。
Exalogicマシンで、igb2
およびigb3
ポートを使用した障害回復がサポートされます。
Exalogicマシンを個別の要件に基づいて(igb0
およびigb1
ポートで)再構成するために使用する、Exalogic構成ユーティリティが提供されます。
管理パスから障害回復パスが分離されます。
注意:
igb3
ポートからぶら下がっているケーブルを、データ・センターのネットワーク・スイッチに接続してください。高可用性を確保するために、通常はこのケーブルを、ExalogicのCisco社製管理スイッチの接続先以外のデータ・センター・スイッチに接続します。
結合されたインタフェースは、igb2
およびigb3
をIPMPグループとして構成する、dr-repl-interface
などの新規のインタフェースになります。例として、図8-4にdr-repl-interface
のネットワーク設定を示します。
注意:
この章の画面に表示されているインタフェース名とIPアドレスは例です。ご使用の環境のインタフェース名を検証して、それらを適宜使用してください。
「Properties」セクションで「Allow Administration」オプションを選択した場合、インタフェース上での管理が可能になります。igb2
およびigb3
などの、2つのインタフェースを持つIPMPグループを作成するには、図8-2で「+」アイコン(「Interfaces」の横)をクリックする必要があります。図8-5で示すように、「Network Interface」画面が表示されます。
新規インタフェースの名前を入力します。「Properties」セクションで、「Enable Interface」オプションを選択します。「IP MultiPathing Group」オプションを選択して、IPMPグループ内の2つのインタフェース(igb2
およびigb3
など)を構成します。
このカスタム構成では、アクティブ・ストレージ・ヘッド(ヘッド1)のigb0
ポートが使用され、管理オプションが有効化されます。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb0
ポートは使用されません。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb1
ポートが使用され、管理オプションが無効化されます。igb2
およびigb3
ポートはIPマルチパス(IPMP)で結合され、igb2
およびigb3
の両方で管理オプションが有効化されます。
この構成オプションには、次のメリットがあります。
Exalogicマシンに組み込まれているストレージ・アプライアンスで、igb0
およびigb1
ポートを使用した自動サービス・リクエスト(ASR)がサポートされます。
Exalogicマシンで、igb2
およびigb3
ポートを使用した障害回復がサポートされます。
Exalogicマシンを個別の要件に基づいて(igb0
およびigb1
ポートで)再構成するために使用する、Exalogic構成ユーティリティが提供されます。
igb2
およびigb3
ポートを使用した、両方のストレージ・ヘッドに対する単一の管理URLが提供されます。
注意:
このオプションでは、障害回復パスから管理パスは分離されません。
このオプションを構成するには、次の手順を完了します。
このカスタム構成では、アクティブ・ストレージ・ヘッド(ヘッド1)のigb0
ポートが使用され、管理オプションが有効化されます。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb0
ポートは使用されません。スタンバイ・ストレージ・ヘッド(ヘッド2)のigb1
ポートが使用され、管理オプションが無効化されます。igb2
ポートでは仮想IPが使用され、管理オプションが有効化されます。igb3
ポートは使用されません。
この構成オプションには、次のメリットがあります。
Exalogicマシンに組み込まれているストレージ・アプライアンスで、igb0
およびigb1
ポートを使用した自動サービス・リクエスト(ASR)がサポートされます。
Exalogicマシンを個別の要件に基づいて(igb0
およびigb1
ポートで)再構成するために使用する、Exalogic構成ユーティリティが提供されます。
igb2
ポートを使用した、両方のストレージ・ヘッドに対する単一の管理URLが提供されます。
注意:
このオプションでは、障害回復はサポートされません。この構成オプションを使用する場合は、igb3
からぶら下がっているケーブルをCisco社製管理スイッチに接続できます。
このオプションを構成するには、次の手順を完了します。
デフォルトでは、単一のストレージ・プールが構成されています。サーバー・ヘッド用のアクティブ/パッシブ・クラスタリングも構成されています。データはミラー化されており、高い信頼性を誇る高パフォーマンスのシステムが実現されます。
デフォルトのストレージ構成は製造時に行われており、次のシェアが組み込まれています。
各Exalogic計算ノードに対する、2つの排他NFSシェア(1つはクラッシュ・ダンプ用、もう1つは汎用目的)
このシナリオでは、要件に基づいてこれらのシェアに対するアクセス制御を実装できます。
すべての計算ノードからアクセスされる、2つの共通NFSシェア(1つはパッチ用、もう1つは汎用目的)
表8-1 ストレージ・アプライアンスのデフォルト構成
デフォルト構成 | 名前 |
---|---|
ストレージ・プール |
|
プロジェクト |
|
共有 |
|
注意:
この表は、Exalogicマシンのラック構成が顧客サイトで変更される前の、ストレージ・アプライアンスのデフォルト構成を表しています。Oracle Exalogic構成ユーティリティでは、この構成は変更されません。