Oracle® Fusion Middleware Exalogicエンタープライズ・デプロイメント・ガイド ExalogicリリースX2-2、X3-2およびX5-2 E88001-01 |
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この章では、ホスト上でオペレーティング・システムを設定し、ファイル・システムをマウントし、インストール・ユーザーを作成する方法について説明します。
環境が稼働すると、いくつかの計算ノード(物理デプロイメント)またはvServer(仮想デプロイメント)が用意されます。この章では、vServerまたは計算ノードを総称してホストと呼びます。
この項では、各ホストに必要な最小ハードウェア要件について説明します。
Oracleエンタープライズ・デプロイメントでホストを使用するには、そのホストがシステム要件のドキュメントで説明されている最小仕様を満たしていることを確認する必要があります。
仮想ホスト環境にデプロイする場合は、各仮想ホストが最小要件を満たしていることを確認してください。
十分なローカル・ディスクがあり、共有記憶域が「記憶域の準備」で説明されているように構成されていることを確認します。
十分なスワップおよび一時領域を用意してください。具体的には、次のようになります。
スワップ領域 - システムには最低でも512MBが必要です。
一時領域 - /tmp
には最低でも2GBの空き領域が必要です。
この項では、Linuxオペレーティング・システムの要件を確認するための情報を提供します。
エンタープライズ・デプロイメントを実行する前に、動作保証済のオペレーティング・システムがインストールされていること、およびオペレーティング・システムには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件および仕様に記載されている、必要なすべてのパッチが適用されていることを確認してください。
また、エンタープライズ・デプロイメントの標準的なLinuxオペレーティング・システムの要件については、次の項を参照してください。
25000
に設定することをお薦めします。本番システムでは、システムのパフォーマンスを最適化するように、これらの値を調整することをお薦めします。カーネル・パラメータの調整の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
次に示すカーネル・パラメータおよびシェルの制限値は、単なる推奨値です。
カーネル・パラメータは、トポロジ内のすべてのノードで、最低でも次に示す値を設定する必要があります。
次の表の値は、Linuxの現在の推奨値です。Linuxおよびその他のオペレーティング・システムの最新の推奨事項については、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件および仕様を参照してください。
表7-1 UNIXカーネル・パラメータ
パラメータ | 値 |
---|---|
kernel.sem |
256 32000 100 142 |
kernel.shmmax |
2147483648以上 |
net.ipv4.ip_nonlocal_bind 1 |
注意:
ホストがOTDインスタンスをホストするために使用され、仮想IPアドレスにバインドされたリスナーを作成しようとする場合(フェイルオーバーの高速化のために推奨)は、カーネル・パラメータのnet.ipv4.ip_nonlocal_bindを前述のように設定する必要があります。カーネル・パラメータ(/etc/sysctl.confファイル)が存在しない場合は、追加します。これらのパラメータを設定する手順は次のとおりです。
UNIXオペレーティング・システムでは、オープン・ファイル制限は重要なシステム設定であり、ホスト上で実行されているソフトウェアの全体的なパフォーマンスに影響する可能性があります。
すべてのUNIXオペレーティング・システムで、オープン・ファイル制限の最小値は4096です。
注意:
次に示すのは、Linuxオペレーティング・システムの例です。システムで使用するコマンドを特定するには、オペレーティング・システムのドキュメントを確認してください。
この項の内容は次のとおりです。
この項では、現在のオープン・ファイルの数を表示する方法を説明します。
次のコマンドを使用して、開かれているファイルの数を確認できます。
/usr/sbin/lsof | wc -l
オープン・ファイル数の制限を確認するには、次のコマンドを使用します。
Cシェル:
limit descriptors
Bash:
ulimit -n
この項では、ローカルなhostsファイルの構成について説明します。
Oracleソフトウェアのインストールを開始する前に、ローカルの/etc/hosts
ファイルが次のようにフォーマットされていることを確認します。
IP_Address Fully_Qualified_Name Short_Name
例:
# Host Primary Network Interfaces 192.168.10.5 host1-int.example.com host1-int 10.10.10.5 host1-ext.example.com host1-ext 192.168.32.5 host1-stor.example.com host1-sto 192.168.10.5 host1-data.example.com host1-data #Host Name associated with the ZFS Storage Appliance 172.17.0.9 zfsinternal.example.com zfsinternal #Virtual Hosts 10.10.30.3 adminvhn.example.com adminvhn 192.168.30.5 host1vhn1.example.com host1vhn1 192.168.30.6 host2vhn1.example.com host2vhn1 #OTD Failover Groups 192.168.50.1 idstore.example.com idstore 192.168.50.2 edginternal.example.com edginternal
デフォルトでは、Exalogicの計算ノードではヒュージ・ページが有効になっています。ヒュージ・ページの割当ては、25000
に設定することをお薦めします。
既存の割当てを確認するには、rootとして次のコマンドを実行します。
grep Huge /proc/meminfo
ラージ・ページの数を指定します。次の例では、4GBシステムの中の3GBがラージ・ページ用に予約されています(2048kのラージ・ページ・サイズと仮定し、3g = 3 x 1024m = 3072m = 3072 * 1024k = 3145728k、3145728k / 2048k = 1536)。
ヒュージ・ページ割当てを設定するには、計算ノードで次のコマンドをroot
として実行します。
echo 1536 > /proc/sys/vm/nr_hugepages
注意:
Java VMでヒュージ・ページを使用するには、WebLogic管理対象サーバーの引数フィールドに-XX:+UseLargePages
を追加する必要があります。オペレーティング・システム構成は、Oracle Fusion Middleware製品でサポートされている文字の動作に影響を与える場合があります。
UNIXオペレーティング・システムでは、LANG
環境変数をUTF-8文字セットのロケールに設定することにより、Unicodeサポートを有効にすることを強くお薦めします。次に例を示します。
LANG=en_GB.UTF-8
これにより、オペレーティング・システムはUnicodeの任意の文字を処理できます。たとえば、Oracle SOA SuiteテクノロジはUnicodeに基づいています。
オペレーティング・システムがUTF-8以外のエンコーディングを使用するように構成されていると、Oracle Fusion Middleware Suiteのコンポーネントが予期しない動作をする可能性があります。たとえば、ASCII以外のファイル名の場合、ファイルにアクセスできなかったり、エラーが発生する可能性があります。Oracleでは、オペレーティング・システムの制約による問題はサポートしていません。
デプロイメント内のすべてのホストが同じ時間に設定されていることが重要です。これを実現する最善の方法は、Network Time Protocol(NTP)サーバーを使用することです。
NFSバージョン4(v4)を使用している場合は、ディレクトリ・サービスまたはNetwork Information Host(NIS)を構成します。
組織にこれがまだない場合、ZFS Storage Applianceで組込みのものを使用します。詳細は、「NISでのユーザーおよびグループの作成」を参照してください。
NISホストを構成したら、各計算ノードまたは仮想サーバーでそれを使用するように構成します。Exalogic ZFSアプライアンスに組込みのNISホストを使用する場合は、次の手順を実行します。
各ホストに新規インタフェースを追加したことにより、1つのデフォルト・ゲートウェイでは不十分な場合があります。たとえば、インターネット接続用に1つのインタフェースを、企業のWAN用にもう1つのインタフェースを持つことができます。
次の例では、IPアドレスの例とゲートウェイの要件とともに、各種のインタフェースが示されています。
インタフェース | IPアドレス | ゲートウェイの要件 |
---|---|---|
eth0 |
201.19.23.128 / 24 |
ゲートウェイのIP 201.19.23.1 |
bond0 |
192.168.10.1 / 24 |
ゲートウェイの要件はありません |
bond1 |
10.10.10.101/ 24 |
ゲートウェイのIP 10.10.10.1 |
この例に示すように、eth0およびbond1にはそれぞれのデフォルト・ゲートウェイが必要です。
ただし、Bond0にはデフォルト・ゲートウェイの要件はありません。これは単純に、実際のレイヤー3のサブネットに限定されています。
これを回避するには、ルーティング・ルックアップのルールおよび表を次のように作成します。
エンタープライズ・デプロイメントでは、WebLogic管理ホストやSOA管理対象ホストなどの特定のホストで仮想IPアドレスを使用する必要があります。
各ホストで適切なIPアドレスを有効にする必要があります。「ネットワークの準備」に、IPアドレスのホストへのマッピングが説明されています。
次の表に、標準的なエンタープライズ・デプロイメント・トポロジでのネットワーク・インタフェースへの仮想IPアドレスの割当てを示します。仮想IPアドレスを使用しない管理対象ホストは、通信にデフォルトのネットワーク・インタフェースを使用します。
ネットワークを構成すると、デフォルトでネットワーク・カードに割り当てられるデフォルトのネットワーク・インタフェースが作成されます。たとえば、クライアントのEoIBネットワークの場合はbond1、内部のIPoIBネットワークの場合はbond0です。
別のIPアドレスを同じネットワーク・カードに割り当てる場合は、インデックス番号が適用されます。たとえば、bond0にVIP1とVIP2を割り当てると、bond0:1とbond0:2という結果になります。
注意:
デプロイメントのために作成が必要なVIPアドレスのリストは、該当する製品固有のエンタープライズ・デプロイメント・ガイドを参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
この項では、Exalogic仮想IPアドレスの概要を示します。
表7-2に、Exalogic上の標準的なエンタープライズ・デプロイメントでの仮想IPアドレスのマッピングを示します。
これらの仮想IPアドレスの定義については、「ネットワーク・インタフェースの仮想IPアドレスの有効化」を参照してください。
表7-2 IPoIBおよびEoIBネットワーク・インタフェースに関連付けられた仮想IPアドレス
インタフェース | アドレス例 | ネットマスクの例 | 使用者 | 仮想ホスト名 | デフォルトの物理ホスト | デフォルトの仮想ホスト |
---|---|---|---|---|---|---|
BOND1:1 |
10.10.30.1 |
255.255.224.0 |
OTD管理ホスト |
OTDADMINVHN |
HOST1 |
WEBHOST1 |
BOND1:1 |
10.10.30.2 |
255.255.224.0 |
管理ホスト |
ADMINVHN |
HOST1 |
HOST1 |
BOND0:1 |
192.168.30.1 |
255.255.240.0 |
WLS_PRODA1 |
HOST1VHN1 |
HOST1 |
HOST1 |
BOND0:1 |
192.168.30.2 |
255.255.240.0 |
WLS_PRODA2 |
HOST2VHN1 |
HOST2 |
HOST2 |
BOND0:2 |
192.168.30.3 |
255.255.240.0 |
WLS_PRODB1 |
HOST1VHN2 |
HOST1 |
HOST1 |
BOND0:2 |
192.168.30.4 |
255.255.240.0 |
WLS_PRODB2 |
HOST2VHN2 |
HOST2 |
HOST2 |
192.168.50.1 |
255.255.224.0 |
コールバック用のOTDフェイルオーバー・グループ |
EDGINTERNAL |
HOST1 |
WEBHOST1 |
|
192.168.50.2 |
255.255.224.0 |
LDAP用のOTDフェイルオーバー・グループ |
IDSTORE |
HOST2 |
WEBHOST2 |
デフォルトの物理ホストは、デフォルトで仮想ホストが割り当てられている計算ノードです。ホスト障害が発生した場合にのみ移動します。
デフォルトの仮想ホストは、デフォルトで仮想ホストが割り当てられている仮想ホストです。ホスト障害が発生した場合にのみ移動します。
前述の例では、管理ホストは外部IPoIBネットワークでリスニングします。それは内部ネットワーク上にある可能性もあります。
注意:
ここで使用される仮想IPアドレスは例です。「仮想IPアドレスの予約」で予約したIPアドレスを使用する必要があります。
この項では、ネットワーク・インタフェースの仮想IPアドレスを有効にする手順を説明します。
ifconfig
コマンドは非推奨となり、ip
コマンドに置き換えられました。NFS 4を使用している場合は、入力したユーザーとグループがNISサーバーに存在することを確認してください。
それらはローカルには作成しないでください。NFSv3を使用している場合は、ローカルでユーザーを作成できます。ローカル、またはNISホストかLDAPホストのいずれかで、次のユーザーおよびグループを作成します。このユーザーはOracleソフトウェア所有者です。
次の手順は、ユーザーおよびグループをローカルに作成する手順です。NISホストでのこれらのユーザー/グループの作成の詳細は、NISのドキュメントを参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
この項では、ユーザーおよびグループの作成に関する情報を提供します。
次の項のグループの作成とユーザーの作成を参照してください。
この項では、各ノードでグループを作成する手順を説明します。
各ノードに次のグループを作成する必要があります。
oinstall
dba
グループを作成するには、root
として次のコマンドを実行します。
groupadd groupname
例:
groupadd -g 500 oinstall groupadd -g 501 dba
この項では、ユーザーを作成する手順を説明します。
次のユーザーを各ノードで作成する必要があります。
oracle
- Oracleソフトウェアの所有者。別の名前を使用することもできます。このアカウントのプライマリ・グループは、oinstall
とする必要があります。
このアカウントはdba
グループに属することも必要です。
注意:
グループoinstall
には、Oracleソフトウェアで使用される共有記憶域およびローカル記憶域のすべてのファイル・システムに対する書込み権限が必要です。
各グループは、それぞれのノードで同じグループIDを持つ必要があります。
各ユーザーは、すべてのノードで同じユーザーIDを持つ必要があります。
ユーザーを作成するには、root
として次のコマンドを実行します。
useradd -g primary_group -G optional_groups -u userid username
例:
useradd -g oinstall -G dba -u 500 oracle
この項では、ホストに共有記憶域をマウントする方法を説明します。
「記憶域の準備」で説明されているように、それを使用する各ホストで共有記憶域を使用できるようにする必要があります。
この項の内容は次のとおりです。
この項では、共有記憶域に関する情報を提供します。
次の表に従って、共有記憶域をホストにマウントします。
表7-3 各計算ノードにおけるマウント・ポイントへのアプライアンス上の共有のマッピング
マウントされるボリューム | マウントされる物理ホスト | マウントされる仮想ホスト | マウント・ポイント | 排他 |
---|---|---|---|---|
|
HOST1 HOST2 |
HOST1上のvServer HOST2上のvServer |
|
しない |
|
HOST1 |
WEBHOST1 |
|
する |
|
HOST2 |
WEBHOST2 |
|
する |
|
HOST1 HOST2 |
HOST1上のvServer HOST2上のvServer |
|
しない |
|
HOST1 HOST2 |
HOST1上のvServer HOST2上のvServer |
|
しない |
|
HOST1 |
HOST1上のvServer |
|
する |
|
HOST2 |
HOST2上のvServer |
|
する |
次の点に注意してください。
各ホストは、共有記憶域に書込みができるように、NASまたはSAN内で適切な権限が設定されている必要があります。
一時マウントは、プロビジョニングとパッチ適用時にのみ必要です。
WEBHOST1とWEBHOST2がDMZにある場合、SW_ROOT
はこれら2つのホスト間で共有されません。
マウント・ポイントは、「ユーザーおよびグループの構成」で作成されたユーザーおよびグループが所有する必要があります。
共有記憶域のマウントは、ご自身の組織のベスト・プラクティスに従ってください。この項では、NFS記憶域を使用し、UNIXまたはLinuxでこれを行う方法の例を示します。
共有記憶域のファイル・システムの作成に使用するユーザーIDは、それらのファイルを所有しており、読取り、書込み、および実行の権限を持っています。オペレーティング・システム・グループ内の他のユーザーは、ファイルの読取り、実行はできますが、書込み権限はありません。インストールおよび構成権限の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のインストールと構成の権限とユーザーの理解に関する項を参照してください。
各アプリケーション層のホストがバイナリ・インストールで同じ場所を参照できるように、共有記憶域の場所を作成およびマウントする必要があります。
ZFS記憶域デバイスからLinuxホストに共有記憶域をマウントするには、次のコマンドを使用します。
共有記憶域をホストにマウントするには、次のようなコマンドを使用します。
mount -t nfs zfs:volume mountpoint
例:
mount -t nfs zfsinternal:/export/product_binaries/shared_binaries /u01/oracle/products
mount
コマンドの使用により、ホストが再起動されるまで共有記憶域がマウントされます。再起動後は、記憶域をホストに再マウントする必要があります。
ホストの再起動後に記憶域を使用可能にするには、ファイル/etc/fstab
に次のようなエントリを挿入します。
zfsinternal:/export/product_binaries/shared_binaries /u01/oracle/products nfs4 nointr,timeo=300