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Oracle® Fusion Middleware Exalogicエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
ExalogicリリースX2-2、X3-2およびX5-2
E88001-01
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6 Exalogic仮想サーバー(vServer)の作成

この章では、Enterprise Manager Operations Control(EMOC)を使用して仮想サーバーを作成し、同じタイプのサーバーが同じ基礎となるハードウェア上で動作しないことを確認する方法について説明します。

作成する必要のあるvServerの数とサイズを確認するには、製品固有のエンタープライズ・デプロイメント・ガイドを参照してください。

仮想サーバー(vServer)は、Oracle Exalogic Elastic Cloud内に作成される仮想ホストです。仮想サーバーは物理サーバーに似ています。仮想Exalogicへのデプロイを計画する場合は、デプロイメントの様々なコンポーネントをホストするために、特定の数の仮想サーバーを作成する必要があります。

仮想サーバーはExalogicマシンの任意の物理的な計算ノードで実行できるため、可用性が最大となるよう、同じコンポーネントをホストするvServerは同じ物理サーバー上で実行しないことをお薦めします。これにより、基礎となる計算ノードに障害が発生しても、サービスの継続性が保証されます。たとえば、wls_proda1およびwls_proda2の両方を計算ノード1で実行しないでください。それらは、2つの異なる計算ノードに分散する必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

6.1 前提条件

この項では、仮想サーバーの前提条件について説明します。

Exalogicのデプロイメントを開始する前に、次のタスクが完了していることを確認してください。

  1. Exalogicラックが稼働済で、コマンド実行済。
  2. Exalogic Controlでアカウント作成済。
  3. アカウント用にプライベートIPoIBネットワークが作成され、「プライベートIPoIBネットワークの作成」で説明されているように、アカウントに割り当てられた仮想サーバー間のセキュアな通信が有効になっている。
  4. デプロイするオペレーティング・システム用のサーバー・テンプレートを作成してロード済。
  5. 作成する仮想サーバーの仕様に一致するvServerタイプを作成済。
  6. vServerと外部のロード・バランサ間の通信用に、結合ネットワーク・インタフェースを使用したクライアント・アクセス・ネットワークが作成済。

6.2 仮想サーバーのサイズ設定

Oracleには、仮想サーバー用のテンプレートがいくつか用意されています。これらのテンプレートには、基本となるオペレーティング・システムがOracle Linux 5またはOracle Linux 6のものがあります。

仮想サーバーには多数のサイズがあり、サイズごとに仮想的なCPUおよびメモリーの数が割り当てられています。これらのテンプレートは単なる例であり、ユーザーは、異なるオペレーティング・システム・イメージ、異なるCPUとメモリーで独自のテンプレートを作成できます。

仮想サーバーを作成する場合は、実際のニーズに十分な仮想サーバーを作成する必要があります。このガイドを、Identity and Access Management EDGなどの製品のEDGとともに使用する場合は、これらのガイドに、使用する仮想サーバーのサイズに関するガイドラインがあります。

この情報がない場合は、物理サーバーと同じ特性でvServerを作成できます。たとえば、Oracle HTTP Serverをデプロイするために、1個のCPU、4GBのメモリーおよび10GBのディスク領域を必要とする場合は、同じサイズの仮想サーバーを作成する必要があります。

追加情報は、製品のインストール・ガイドおよびOracle Fusion Middlewareシステム、要件および仕様ドキュメントなど、関連するサポート・ノートを参照してください。

6.3 vServerゲスト・テンプレートの入手

Oracle Exalogic用の多数の基本テンプレートが用意されており、Oracle E-Deliveryからダウンロードできます。

提供されているデフォルト・テンプレートでは不十分な場合は、Oracle E-Deliveryから別のテンプレートをダウンロードしてください。Oracle Linux v6以降を使用することをお薦めします。たとえば、OL6.5テンプレートをダウンロードするには:
  1. edelivery.oracle.comにログインします。
    次のものを検索します
    • 製品パック: Oracle Fusion Middleware

    • プラットフォーム: Linux x86-64

  2. Oracle Exalogic Elastic Cloud Software 11g Media Packのリンクをクリックします。
  3. Oracle Exalogic 2.0.6.1.2 Base Guest Template for Exalogic Linux 6 x86-64(64bit)の横にある「download」をクリックします。

6.4 ゲスト・テンプレートのExalogic Controlへのロード

サーバー・テンプレートには、仮想ディスクを持つ個々のvServerの構成が含まれています。テンプレートは、.tgz、.tarまたはその他のファイル形式を指定できます。

HTTP、HTTPSまたはFTPの各プロトコルを使用して、Exalogic Controlのエンタープライズ・コントローラ・コンポーネントをホストしている仮想マシンで使用可能な任意のネットワーク(外部EoIBネットワークを含む)から、サーバー・テンプレートをアップロードできます。サーバー・テンプレートは、Exalogic Controlに次のようにアップロードできます。
  1. クラウド・ユーザーとしてExalogic Controlにログインします。
  2. ナビゲーション・ペインで、「vDC Management」をクリックします。
  3. 「vDC Accounts」で、アカウントの名前をクリックします。
    vDCアカウントのダッシュボードが表示されます。
  4. 上部のナビゲーション・バーで「Server Templates」をクリックします。
    アカウントで使用可能なサーバー・テンプレートがリストされます。
  5. 「Server Templates」で、「Upload Server Template」アイコンをクリックします。または、「Actions」ペインの「Operate」で「Upload Server Template」をクリックします。
  6. 「Identify Server Template」画面で、アップロードするサーバー・テンプレートの名前と説明を入力します。
  7. 後で識別や検索するためにタグを追加できます。「Next」をクリックします。
    「Specify Server Template Details」画面が表示されます。
  8. 次の情報を入力します。
    • Image Sub Type: テンプレート

    • Upload Source: ローカル・ホスト

  9. E-Deliveryからダウンロードしたテンプレート・ファイルを選択して、「Upload」をクリックします。

6.5 配布グループについて

配布グループは、それが割り当てられている仮想サーバーが同じ物理ノードで実行されないようにします。同じ種類の異なるvServerが同じ物理サーバーで実行されないようにすることで、基礎となる物理サーバーの障害によってシステム全体を損なうことがなくなります。

Fusion Middleware Exalogicの実装では、次の配布グループが必要です。

  • EDG_OTD: 2つのOracle Traffic Directorサーバーが同じ物理サーバー上で実行されないようにします

  • EDG_PRODA: PRODAの2つのインスタンスが同じ物理サーバー上で実行されないようにします

  • EDG_PRODB: PRODBの2つのインスタンスが同じ物理サーバー上で実行されないようにします

  • EDG_LDAP: 2つのLDAPインスタンスが同じ物理サーバー上で実行されないようにします。

この項の内容は次のとおりです。

6.5.1 配布グループの作成

配布グループを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 次のURLを使用してExalogic Controlにログインします。

    https://emochost.example.com:9443/emoc/

    割り当てられた管理者アカウントを使用してログインします。アカウントの詳細は、『Oracle Exalogic Elastic Cloud管理者ガイド』を参照してください。

  2. 「vDC Management」を開きます。
  3. 「vDCs」 - 「Accounts」 - 「Cloud Admin Account」と移動します。
  4. 「actions」ウィンドウで、「Create Distribution Group」をクリックします。
  5. 「Name」に、たとえばEDG_OTDと入力します。
  6. 「Next」をクリックします。
  7. 「Number of Elements」を入力します。これは、vServerを配置できるEECSサーバーの数を指定する数値です。
  8. 「Next」をクリックします。
  9. 「Finish」をクリックします。

作成する配布グループごとにこの手順を繰り返します。表6-1に、配布グループとそれぞれの要素の数をリストします。

表6-1 配布グループの要素数

配布グループ 要素数

EDG_LDAP

2

EDG_OTD

2

EDG_PRODA

2

EDG_PRODB

2

6.6 vServerボリュームの作成

vServerを作成すると、デフォルトで1つのデフォルト・ボリュームが作成され、スワップ領域とルート・ファイル・システムが割り当てられます。より効率的に制御するには、スワップ領域と一時領域をマウントするvServerごとに別々のボリュームを作成します。

vServerごとに別々のボリュームを作成するには:

  1. 次のURLを使用してExalogic Controlにログインします。

    https://emochost.example.com:9443/emoc/

    割り当てられた管理者アカウントを使用してログインします。アカウントの詳細は、『Oracle Exalogic Elastic Cloud管理者ガイド』を参照してください。

  2. 「vDC Management」を開きます。
  3. 「vDCs」「Accounts」「Cloud Admin Account」の順に移動します。
  4. 「Actions」メニューから「Create Volume」を選択します。
  5. ボリューム名、たとえばvServer1_tmp、および説明を入力します。
  6. 「Next」をクリックします。
  7. 「Volume Configuration」画面で、ボリュームのサイズを入力します。

    注意:

    スワップ領域は、Linuxのベスト・プラクティスである、16GBのメモリーまではメモリーの2倍、に従います。

    「shared」は選択しないでください。

  8. 「Next」をクリックします。
  9. 「Volume Summary」画面で、「Finish」をクリックしてボリュームを作成します。
  10. スワップ・ボリューム、たとえばvServer1_swapについて、前述の手順を繰り返します。

6.7 vServerのタイプ

この項では、vServerのタイプ、メモリーおよびスワップ領域に関する情報を提供します。

表6-2に、このドキュメントで使用されているvServerのタイプをリストします。これらのvServerタイプはガイドとして使用できます。最新のハードウェア要件については、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件および仕様を参照してください。

表6-2 vServerのタイプ

vServerのタイプ メモリー スワップ領域 一時領域

LARGE

8GB

16GB

2GB

EXTRA_LARGE

16GB

16GB

2GB

6.8 vServerの作成

この項では、vServerを作成する手順について説明します。

vServerを作成するには、次の手順を実行します。
  1. Exalogic Controlにログインします。
  2. 「vDC Management」を開きます。
  3. 「vDCs」 - 「Accounts」 - 「Cloud Admin Account」と移動します。
  4. 「Actions」ウィンドウで、「Create vServer」をクリックします。
  5. 次の情報を入力します。
    • Name: たとえば、otdhost1

    • Number of vServers: 1

    「Support High Availability」を選択します。

  6. 「Next」をクリックします。
  7. デプロイするサーバー・テンプレートを選択します。
  8. 「Next」をクリックします。
  9. 作成するvServerのタイプ、たとえばLARGEを選択します
  10. たとえば、swapおよびtmpボリュームを作成した場合は、ここで選択します。
  11. 「Next」をクリックします。
  12. 割り当てる仮想ネットワークをすべて入力します。

    注意:

    割り当てるネットワークについては、ネットワーク図を参照してください。
    ネットワーク図 説明
    Webサーバー EoIB-client、IPoIB-FMW、IPoIB-Storage
    アプリケーション・サーバー IPoIB-FMW、IPoIB-Storage、IPoIB-Data
    LDAPサーバー IPoIB-FMW、IPoIB-Storage、IPoIB-Data(*)

    ディレクトリ・タイプがOIDの場合、LDAPサーバーではIPoIB-Dataネットワークに対するアクセスのみを必要とします。

  13. 選択したネットワークごとに、次のように入力します。
    • IP Address Type - 静的または自動

    • IP Address - 使用するIPアドレスが決まっている場合は、そのIPアドレスを入力します。

      注意:

      IPoIB-vServerの共有ストレージには、通常、事前に割り当てられたIPアドレスは必要ありません。
    • Hostname - IPアドレスに割り当てる完全修飾ホスト名を選択します。

  14. 「Next」をクリックします。
  15. 使用する配布グループを入力します。
  16. 「Next」をクリックします。
  17. 「vServerAccessControl」画面で、「Next」をクリックします。
  18. 「Finish」をクリックします。
作成するvServerごとにこの手順を繰り返します。

6.9 vServerの更新

この項では、ルート・パスワードの更新、ネットワーク構成の後、InfiniBandインタフェースのMTUサイズの設定について説明します。

vServerが作成されたら、次のタスクを実行してそれを使用可能にする必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

6.9.1 ルート・パスワードの更新

この項では、ルート・パスワードの更新について説明します。

vServerが作成されると、デフォルトのパスワード、通常はovsrootが使用されます。これを、実際の組織に適した値に変更します。

6.9.2 /etc/hostsファイルの更新

この項では、ホスト・ファイルの更新について説明します。

構成の後では、hostsファイルは次のようになります。

IP Address   Host_Name

例:

192.168.32.3 host1-stor
各ネットワークの完全修飾名と短縮名の両方が含まれるように、hostsファイルを変更します。次に例を示します。
192.168.10.3 host1-int.example.com host1-int
192.168.32.3 host1-stor.example.com host1-stor
192.168.10.3 host1-data.example.com host1-data
10.10.10.5   host1-ext.example.com host1-ext

注意:

外部ネットワークのインタフェース名は、DNSに存在するものと仮定しています。

6.9.3 ネットワーク構成の後

vServerが作成されたら、実際の組織にあわせてそれを構成する必要があります。

これには、通常、次の手順が含まれます。

6.9.3.1 vServerのストレージIPアドレスの決定

vServerを作成したときに、ネットワークIPoIB-Storageを追加しました。これは、vServerがZFS記憶域アプライアンスと通信するために使用されるネットワークです。

それらが適切に通信できるように、使用するストレージ・アプライアンスの適切なIPアドレスを決定する必要があります。

IPアドレスを確認するには、次の手順を実行します。

  1. Exalogic Controlにクラウド・ユーザーとしてログインします。
  2. 左側のナビゲーション・ペインから、「vDC Management」を選択します。
  3. 「vDC Accounts」の下でアカウントの名前を開き、ストレージ・アプライアンスへのアクセスを構成するvServerを選択します。
    vServerのダッシュボードが表示されます。
  4. 「Network」タブを選択して、IPoIB-Storageネットワークに対するvServerのIPアドレスをメモします。これは、/etc/hostsファイルの-storエントリに対応します。
    例: 172.17.0.100

6.9.3.2 ストレージ・アプライアンスのIPアドレスの決定

この項では、ストレージ・アプライアンスのIPアドレスを決定する方法について説明します。

  1. ストレージ・アプライアンスにrootとしてログインします。

    たとえば、次のように入力します。

    ssh root@exalogicsn01.example.com
  2. 次のコマンドを使用して、ネットワーク・インタフェースを表示します。
    configuration net interfaces show
  3. 出力は、次のようになります。
    configuration net interfaces show
    Interfaces:
     
    INTERFACE   STATE    CLASS LINKS       ADDRS                  LABEL
    igb0        up       ip    igb0        10.244.64.60/21        igb0
    igb1        offline  ip    igb1        10.244.64.61/21        igb1
    ipmp1       up       ipmp  pffff_ibp1  192.168.10.15/24       ipmp1
                               pffff_ibp0
    ipmp2       up       ipmp  p8001_ibp0  192.168.20.9/24        IB_IF_8001
                               p8001_ibp1
    ipmp3       up       ipmp  p8002_ibp0  192.168.21.9/24        IB_IF_8002
                               p8002_ibp1
    ipmp4       up       ipmp  p8005_ibp0  172.17.0.9/16          IB_IF_8005p8005_ibp1
    p8001_ibp0  up       ip    p8001_ibp0  0.0.0.0/8              ibp0.8001
    p8001_ibp1  up       ip    p8001_ibp1  0.0.0.0/8              ibp1.8001
    p8002_ibp0  up       ip    p8002_ibp0  0.0.0.0/8              ibp0.8002
    p8002_ibp1  up       ip    p8002_ibp1  0.0.0.0/8              ibp1.8002
    p8005_ibp0  up       ip    p8005_ibp0  0.0.0.0/8              ibp0.8005
    p8005_ibp1  up       ip    p8005_ibp1  0.0.0.0/8              ibp1.8005
    pffff_ibp0  up       ip    pffff_ibp0  0.0.0.0/8              ibp0
    pffff_ibp1  up       ip    pffff_ibp1  0.0.0.0/8              ibp1
  4. 172.17.0.100と同じ範囲内のIPアドレスを検索して、対応するIPアドレスを決定します。

    この例では、インタフェースipmp4に関連付けられているもので、たとえば、172.17.0.9です。

  5. すべてのvServerの/etc/hostsにエントリを作成します。たとえば、次のようになります。
    172.17.0.9  zfsinternal.example.com  zfsinternal

6.9.4 InfiniBandインタフェースのMTUサイズの設定

最適なパフォーマンスを維持するには、vServerの各InfiniBandインタフェースのMTUサイズを65520に更新する必要があります。

これを行うには、次の手順を実行します。
  1. vServerにrootユーザーとしてログインします。
  2. bond2の現在のMTUを確認するには、ifconfigコマンドを実行します。

    注意:

    このプロシージャの手順では、例としてbond2を使用します。すべてのInfiniBandインタフェースにおいて、この手順を繰り返す必要があります。

    ifconfig bond2bond2     Link encap:InfiniBand  HWaddr
              80:58:08:CA:FE:80:00:00:00:00:00:00:00:00:00:00:00:00:00:00 
              inet addr:192.168.1.12  Bcast:192.168.1.255  Mask:255.255.255.0
              UP BROADCAST RUNNING MASTER MULTICASTMTU:1500Metric:1
              RX packets:9 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
              TX packets:7 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
              collisions:0 txqueuelen:0
              RX bytes:504 (504.0 b)  TX bytes:420 (420.0 b)
  3. 次のように、bond2インタフェースに対応するifcfgファイルにMTU=64000という行を追加します。
    echo MTU=64000 >> /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bond2
  4. 次のように、 ifcfg-bond2ファイルにMTU=64000という行が追加されたかどうかを確認します。
    cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bond2 | grep MTU
    MTU=64000
  5. 次のように、bond2のスレーブ・インタフェースを検索します。
    cd /etc/sysconfig/network-scripts
    grep "MASTER=bond2" ifcfg-* | awk -F":" '{print $1}'
    ifcfg-ib0.8009
    ifcfg-ib1.8009
  6. 次のように、bond2インタフェースの両方のスレーブ・インタフェースに対するモードをconnectedに設定します。
    echo connected > /sys/class/net/ib0.8009/mode
    echo connected > /sys/class/net/ib1.8009/mode
  7. 他のInfiniBandインタフェースに対しても、手順2-6を実行します。
  8. 『Oracle Exalogic Elastic Cloudマシン・オーナーズ・ガイド』の説明に従って、vServerを停止して起動します。
  9. vServerが起動したら、SSHを使用してrootユーザーとして再度vServerにログインします。
  10. 各InfiniBandインタフェースに対してifconfigコマンドを実行し、次の例(bond2とそのスレーブ・インタフェース)に示すように、コマンドの出力にMTU:64000が表示されていることを確認します。
    ifconfig bond2| grep MTU
    UP BROADCAST RUNNING MASTER MULTICASTMTU:64000Metric:1
    
    ifconfig ib0.8009| grep MTU
    UP BROADCAST RUNNING SLAVE MULTICASTMTU:64000Metric:1
    
    ifconfig ib1.8009| grep MTU
    UP BROADCAST RUNNING SLAVE MULTICASTMTU:64000Metric:1

6.10 SwapとTMPを別々のボリュームに移動する

swaptmp用に別々のディスク・ボリュームを作成する場合は、新規ボリュームを使用するようにvServerを更新してください。

ディスク・ボリュームは、仮想ボリュームとして仮想サーバーに追加されます。それらは/devディレクトリにxvdb/cとして表示されます。

正確な名前を確認するには、次のコマンドを実行します。

fdisk -l

コマンドのサンプル出力:

255 heads, 63 sectors/track, 1305 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x000c520c
 
Device Boot Start End Blocks Id System
/dev/xvda1 * 1 32 256000 83 Linux
Partition 1 does not end on cylinder boundary.
/dev/xvda2 32 1305 10223616 8e Linux LVM
 
Disk /dev/xvdb: 18.3 GB, 18253611008 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 2219 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x00000000
 
 
Disk /dev/xvdc: 2147 MB, 2147483648 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 261 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x00000000

出力からわかるように、/dev/xvdaにはパーティションが作成されており、使用中です。これはデフォルトのディスクです。

ディスク/dev/xvdbおよび/dev/xvdcにはパーティションがないため、アタッチされたディスク・ボリュームです。ボリュームのサイズによって、どちらがどちらかわかります。

vServerでこれらのボリュームを使用するには、LVMタイプのパーティションを作成します。これにより、Linux LVMの使用が可能になり、後で必要になったらサイズを変更するのが容易になります。この手順は、swapまたはtmpのディスクを使用している場合と同じです。

この項の内容は次のとおりです。

6.10.1 LVMパーティションの作成

この項では、LVMパーティションを作成するための詳細な手順を説明します。

  1. 次のコマンドを使用して作業するディスクを選択します。
    fdisk disk_name

    例:

    fdisk /dev/xvdb
  2. コマンドの入力を求められたら、nと入力します。
  3. 拡張パーティションまたはプライマリ・パーティションを作成するかどうかを尋ねられます。プライマリにはpを選択します。
  4. パーティション番号の入力を求められたら、1と入力します。
  5. 次に、パーティションを作成するディスク上の場所を尋ねられます。デフォルト値の1を受け入れます。ディスク全体を使用するには、デフォルトの終了値を受け入れます。
  6. 「First cylinder (1-2088, default 1)」と尋ねられたら、デフォルト値の1を使用します。「Last cylinder, +cylinders or +size{K,M,G} (1-2088, default 2088)」では、デフォルト値の2088を使用します。
  7. パーティションが作成されたら、タイプを指定します。これを行うには、コマンドの入力を求められたら、tと入力します。
  8. 使用可能なタイプのリストは、コマンドLを入力すると表示されます。
  9. 16進コードの入力を求められたら、Linux LVMのコード(前述のリストのコード)を入力します。これは、通常は8eです。
  10. コマンドwを使用して変更を保存します。
  11. コマンドfdisk -lを使用して、変更が正しいことを確認します
  12. 各ディスク・ボリュームに対してこの手順を繰り返します。
ディスク・パーティションができたら、これらのディスクを使用するための論理ボリュームを作成します。

6.10.2 論理ボリュームの作成

ディスク・パーティションができたら、これらのディスクを使用するための論理ボリュームを作成します。

  1. 次のコマンドを使用して、ディスク・パーティション上に物理ボリュームを作成します。
    pvcreate disk_partition

    例:

    pvcreate /dev/xvdb1

    注意:

    ディスクの最後の番号1は、パーティション番号を示しており、fdisk -lコマンドで確認した値と同じです。

    前述の手順で作成したディスク・パーティションごとに、この手順を繰り返します。

  2. 次のコマンドを使用して、物理ボリュームが正しく作成されていることを確認します。
    pvdisplay
  3. 仮想ディスクごとに1つのボリューム・グループを作成します。すべてのディスクに対して単一のボリューム・グループを作成できますが、この例ではディスクごとに1つを使用します。

    ボリューム・グループを作成するには、次のコマンドを使用します。

    vgcreate volume_group_name disk partition

    例:

    vgcreate volGroupSwap /dev/xvdb1

    ボリューム・グループごとに繰り返します。たとえば、volGroupTempやvolGroupSwapです。

  4. 次のようにして、ボリューム・グループが適切に作成されたことを検証します。
    vgdisplay
  5. ボリューム・グループを作成したら、次のコマンドを使用してボリューム・グループ内に論理ボリュームを作成します。
    lvcreate --name lvname --size 40G volume_group

    sizeは、ボリューム・グループに割り当てる領域のサイズです。これは、ファイル・システムのサイズに相当します。

    例:

    lvcreate --name Temp1 --size 2G volGroupTemp

    作成する論理ボリュームごとにこの手順を繰り返します。

  6. 次のコマンドを使用して、論理ボリュームが正常に作成されたことを検証します。
    lvdisplay

6.10.3 新規論理ボリュームにスワップ・ファイルを作成する

この項では、新規論理ボリュームにスワップ・ファイルを作成する手順を説明します。

  1. 次のコマンドを使用してスワップ・ファイルを作成します
    mkswap volume_group

    例:

    mkswap /dev/volGroupSwap/Swap1
  2. 新規スワップ・ファイルのエントリを/etc/fstabディレクトリに作成します。エントリは次のようになります。
    /dev/volGroupSwap/Swap1 swap swap defaults 0 0 

    オリジナルのスワップ・エントリをコメント・アウトします。

  3. 次のコマンドを発行して、新規スワップ領域が使用されていることを確認します。
    • swapoff -a

    • swapon -a

    • swapon -s

    次のコマンドを使用して、オリジナルのスワップを無効にできます。

    swapoff 

    注意:

    再起動後は新規スワップ領域のみが使用可能となるため、これは必要ありません。

6.10.4 /tmpの新規論理ボリュームへの移動

/tmp用の論理ボリュームを作成した場合は、ファイル・システムを作成してからディスクとしてマウントすることで、これを有効にできます。

これを行うには、次のコマンドを実行します。
  1. 次のコマンドを使用してファイル・システムを作成します。
    mkfs.ext3 volume_name

    例:

    mkfs.ext3 /dev/volGroupTemp/Temp1
  2. 新規ファイル・システムを/etc/fstabに追加して、自動的にマウントされるようにします。

    次のようなエントリを作成します。

    /dev/volGroupTemp/Temp1 /tmp ext3 defaults 1 1
  3. 次のコマンドを使用してファイル・システムをマウントします
    mount -a
  4. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムが正しく作成されていることを確認します。
    df -k