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Oracle® Real User Experience Insightインストレーション・ガイド
12c リリース2 (12.1.0.3) for Linux x86-64
B70759-01
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C 代替エンリッチ・データ・エクスポート・データベース・インスタンスの設定

この付録では、エンリッチ・データ・エクスポート・ファシリティで使用する代替Oracleデータベース・インスタンスの設定方法を説明します。このファシリティの使用方法の詳細は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』を参照してください。


注意:

代替データベースの構成を進める前に、構成のバックアップを作成することをお薦めします。「構成」「システム」「メンテナンス」「バックアップおよびリストア」の順に選択します。

概要

デフォルトでは、エンリッチ・データ・エクスポート・ファシリティを使用する場合、レポータが使用するものと同じデータベース・インスタンスにデータがエクスポートされます。ただし、エンリッチ・データのエクスポートには、別のデータベース・インスタンスを構成することを強くお薦めします。この理由は、次のとおりです。

代替エクスポート・データベースを使用する場合、これをOracleデータベース・バージョン11gR1または11gR2にする必要があり、この付録の残りの部分で説明する設定手順を開始する前にOracleデータベース・ソフトウェアのインストールを完了している必要があります。Oracleデータベース管理の高度な知識を想定していることに注意してください。

この付録で説明している設定手順は、いくかの設定を示しています(RUEI_DB_TNSNAME_BIなど)。これについては、表2-2で説明しています。

代替エンリッチ・データ・エクスポート・データベースへの移行

エンリッチ・データ・エクスポートを1つのデータベースから別なデータベースに移行する場合、前のデータベースに保存されている最新のエクスポート・データは新しいデータベースに自動的に移行されない点に注意してください。定義されているデータ保存ポリシーは前のデータベースでは有効ではなくなくなるため、履歴データは前のデータベースに残ります。適宜必要な表を前のデータベースから手動でパージする必要があります。

エクスポート・データへのアクセス

エクスポート・データベース内のデータへのアクセスは、SQLを使用して行うことができます。エクスポートしたデータにアクセスするためのSQLクエリーによって、エクスポート・データベースに多大なパフォーマンス・オーバーヘッドがかかることがあります。したがって、SQLクエリーの設計を慎重に確認して、オーバーヘッドを最小限にすることをお薦めします。特に、戻されたデータから、外部分析に不要な表の列を除外しておく必要があります。さらに、特定の期間に実行するSQLクエリー数を最小化する必要があります。特に、同じデータを複数回問い合わせないようにしてください。

別のデータベース・インスタンスの設定

この項では、別のデータベース・サーバーのデータベース・インスタンスを設定するために従う必要がある手順について説明します。

データベース・インスタンスの作成

次の説明では、Oracleデータベース・インスタンスをコマンド行で作成することを想定しています。ただし、適切なユーティリティを使用して、必要なパラメータを指定できます。次を実行します。

  1. oracleユーザーとして別のデータベース・システムにログオンして、次のコマンドを発行します。

    dbca -silent -createDatabase -gdbName EXPORT_DATABASE_NAME \
       -sid EXPORT_DATABASE_NAME -characterSet AL32UTF8 \
       -templateName Data_Warehouse.dbc -databaseType DATA_WAREHOUSING \
       -redoLogFileSize 500 -initParams recyclebin=off -initParams audit_trail=none 
    

    ここで、

    • EXPORT_DATABASE_NAMEは、エクスポート・データベース・インスタンスのリテラル名です。

    • パフォーマンス上の理由から、recyclebinおよびaudit_trail機能は無効にしておくことをお薦めします。

    • 文字セット・インスタンスは、ALT32UTF8として指定する必要があります。

圧縮表領域の使用

パフォーマンス上の理由から、圧縮表領域を使用することを強くお薦めします。次を実行します。

  1. 別のデータベース・サーバーでシステム管理者として次のSQLコマンドを発行し、USERS表領域の圧縮を有効にします。

    alter tablespace USERS default compress;
    
  2. デフォルトでは、USERS表領域に1つの32GBデータファイルが作成されます。ほとんどのデプロイメントでは、次のSQLコマンドを使用して、追加の表領域を追加する必要があります。

    alter tablespace USERS add datafile 'user02.dbf' size 5M autoextend on;
    

    上記のコマンドでは、デフォルトのデータファイルの場所が指定されている点に注意してください。別な場所を任意に指定できます。

Oracleデータベースのスケジュール変更

デフォルトでは、Oracleデータベースの保守タスクは22:00に実行するように設定されています。これはデータベース全体のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことがあります。したがって、監視する環境内でのトラフィック量と、エクスポート・データベース表の読取りスケジュールのプロセスによっては、トラフィック/ロード量の少ない時間帯(たとえば03:00)に、この種の保守タスクのスケジュールを変更する必要があるかもしれません。予定された保守タスクのスケジュール変更方法については、次の場所にある『Oracle Database管理者ガイド』をを参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E11882_01/server.112/e25494/tasks.htm#ADMIN0235

RUEIデータベース・ユーザーの作成

代替データベースにアクセスするには、正式な権限を持つユーザーを作成する必要があります。次を実行します。

  1. 別のデータベース・サーバーで次のコマンドを発行して、最小の必要な権限を持つRUEIデータベース・ユーザーを作成します。

    create user RUEI_DB_USER_BI
             identified by "password"
             default tablespace USERS
             temporary tablespace TEMP
             profile DEFAULT
             quota 50G on USERS;
    
    alter profile DEFAULT
             limit PASSWORD_LIFE_TIME unlimited;
    
    grant    create session,
             create table
             to RUEI_DB_USER_BI;
    

    ここで、

    • RUEI_DB_USER_BIは、エクスポート・データベース・ユーザー名を示します。

    • passwordは、必要なパスワード変数を示します。

DRCP接続プールの設定

パフォーマンス上の理由により、データベースのすべての接続用の共有プールを使用できます。次を実行します。

  1. Oracle Database Resident Connection Pooling (DRCP)内では、sysdbaユーザーとして次のSQLコマンドを使用して、共有プールを有効にします。

    exec dbms_connection_pool.start_pool;
    exec dbms_connection_pool.configure_pool(inactivity_timeout=>3600, max_think_time=>3600);
    

別のデータベース・サーバーへのRUEIシステムの接続

この項では、レポータおよび処理エンジン・システムを別のデータベース・サーバーに接続するために従う必要がある手順について説明します。レポータおよび処理エンジン・システムで、この手順に従う必要があります。

接続データの設定

代替Oracleデータベースを定義したら、接続データの設定が必要です。これには、レポータおよび処理エンジン・システム上のRUEIデータ・ディレクトリ(RUEI_DATA)内に、sqlnet.oraおよびtnsnames.oraという2つのファイルが必要です。次を実行します。

  1. sqlnet.oraファイルに次が含まれていることを確認します。

    NAMES.DIRECTORY_PATH = (TNSNAMES)
    SQLNET.WALLET_OVERRIDE = TRUE
    WALLET_LOCATION = (SOURCE=(METHOD=FILE)(METHOD_DATA=(DIRECTORY=RUEI_DATA)))
    DIAG_SIGHANDLER_ENABLED = FALSE
    

    DIRECTORY設定が、/etc/ruei.confファイルで指定されたRUEIデータ・ディレクトリ(RUEI_DATA)を示していることを確認してください。

  2. レポータおよび処理エンジン・システムのtnsnames.oraファイルを編集します。次を追加する必要があります。

    RUEI_DB_TNSNAME_BI =(DESCRIPTION=
      (ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=BI_database_server) 
         (PORT=1521)))
      (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=RUEI_DB_INST_BI)))
    

    ここで、

    • BI_database_serverは、代替エンリッチ・データ・エクスポート・データベース・サーバーのネットワーク・アドレス(ホスト名またはIPアドレス)を指定します。

    • RUEI_DB_TNSNAME_BIはエクスポート・データベース文字列を示します。

    • RUEI_DB_INST_BIは、エクスポート・データベース・インスタンス名を示します。

    HOST設定がご使用のデータベースを示していることを確認します。ホスト名を使用する場合は、/etc/hostsの設定でも指定されていることを確認してください。ただしIPアドレスも指定できます。

Oracleウォレットの設定

レポータおよび処理エンジンでは、代替エンリッチ・データ・エクスポート・データベースへの非対話式のアクセスが必要です。このために、Oracleオートログイン・ウォレットを使用してパスワードを安全に保存します。レポータ・データベースに接続するために、ウォレットが存在していなければなりません。次を実行します。

  1. 次のコマンドを使用して、新しい資格証明を既存のウォレット・ファイルewallet.p12およびcwallet.ssoに追加します。

    mkstore -wrl RUEI_DATA -createCredential RUEI_DB_TNSNAME_BI RUEI_DB_USER_BI
    

    ここで、

    • RUEI_DB_TNSNAME_BIはエクスポート・データベース文字列を示します。

    • RUEI_DB_USER_BIは、リモート・データベースのユーザーを示します。

    ウォレット・パスワードと、RUEI_DB_USER_BIのデータベース・パスワードの入力を求められます。

  2. これらのファイルの権限が正しく設定されていることを確認します。両方のファイルがRUEI_USERRUEI_GROUPの所有権を持っている必要があります。RUEI_USERewallet.p12ファイルの読取りのみが可能で、RUEI_GROUPは両方のファイルの読取りが可能でなければなりません。

  3. データベース・インスタンスが正しく設定されると、パスワードを入力しなくてもエクスポート・データベースにアクセスできるようになるはずです。レポータ・システム上のRUEI_USERは、次のようにデータベース・インスタンスにアクセスできます。

    sqlplus /@RUEI_DB_TNSNAME_BI
    

    この手順が失敗する場合は、ここまでで説明した手順を慎重に確認してから次に進んでください。

構成ファイルの編集

  1. エンリッチ・データのエクスポートを行うレポータ・システムおよび処理エンジン・システム上の/etc/ruei.conf構成ファイルを編集します。RUEI_DB_TNSNAME_BI設定を使用して、エクスポート・データベース接続文字列を指定します。詳細は、「RUEIの構成ファイル」を参照してください。


    重要:

    上記の変更以外は、ruei.confファイルは変更しないでください。

  2. moniforceユーザーとして再度ログアウトおよびログオンします。

  3. 次のコマンドを発行して、レポータ・システム上の処理を再起動します。

    project -restart wg