JavaScript is required to for searching.
ナビゲーションリンクをスキップ
印刷ビューの終了
Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle ガイド     Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語)
search filter icon
search icon

ドキュメントの情報

はじめに

1.  HA for Oracle のインストールと構成

HA for Oracle のインストールと構成のプロセスの概要

HA for Oracle のインストールと構成の計画

構成の要件

構成計画の質問

ノードとディスクの準備

ノードの準備方法

Solaris Volume Managerを使用した Oracle データベースアクセスの構成方法

Veritas Volume Manager を使用した Oracle データベースアクセスの構成方法

Oracle ASM を使用した Oracle データベースアクセスの構成方法

クラスタ SCAN リスナー用の Oracle Grid Infrastructure の構成方法

Oracle ASM ソフトウェアのインストール

Oracle ASM ソフトウェアのインストールの検証

Oracle Database ソフトウェアのインストール

Oracle Database ソフトウェアをインストールする方法

Oracle Database カーネルパラメータを設定する方法

Oracle Database のインストールおよび構成の確認

Oracle Database のインストールを確認する方法

Oracle データベースの作成

プライマリ Oracle データベースの作成方法

Oracle データベースのアクセス権の設定

Oracle データベースのアクセス権の設定方法

HA for Oracle パッケージのインストール

HA for Oracle パッケージのインストール方法

HA for Oracle の登録と構成

HA for Oracle の登録と構成のツール

HA for Oracle 拡張プロパティーの設定

HA for Oracle を登録および構成する方法 (clsetup)

Oracle Grid Infrastructure なしで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)

スタンドアロンサーバー用 Oracle Grid Infrastructure ありで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)

クラスター用 Oracle Grid Infrastructure ありで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)

HA for Oracle のインストールの確認

HA for Oracle のインストールの確認方法

Oracle クライアント

HA for Oracle ログファイルの場所

HA for Oracle 障害モニターの調整

Oracle サーバー障害モニターの操作

主要障害モニターの操作

データベースクライアント障害検証の操作

アーカイブされた再実行ログ用のパーティションをモニターする操作

データベースが操作可能かどうかを判定する操作

データベーストランザクション障害に対応する、サーバー障害モニターによるアクション

サーバー障害モニターによる記録された警告のスキャン

Oracle リスナー障害モニターの操作

DBMS タイムアウトのトラブルシューティング用にコアファイルを取得

HA for Oracle サーバー 障害モニターのカスタマイズ

エラーに対するカスタム動作の定義

カスタムアクションファイルの形式

DBMS エラーへの対応の変更

影響が重大であるエラーに対応する

影響が軽度のエラーを無視する

記録された警告への対応を変更する

連続タイムアウト検証の最大数を変更する

クラスタ内の全ノードへのカスタムアクションファイルの伝播

サーバー障害モニターが使用するカスタムアクションファイルの指定

サーバー障害モニターが使用する必要のあるカスタムアクションファイルの指定方法

HA for Oracle リソースタイプのアップグレード

SUNW.oracle_listener リソースタイプのアップグレード

リソースタイプの新しいバージョンを登録するための情報

リソースタイプの既存のインスタンスを移行するための情報

SUNW.oracle_server リソースタイプのアップグレード

リソースタイプの新しいバージョンを登録するための情報

リソースタイプの既存のインスタンスを移行するための情報

Oracle Data Guard インスタンスの役割の変更

Oracle Data Guard インスタンスの役割の変更方法

A.  HA for Oracle 拡張プロパティー

B.  DBMS のエラーおよび記録される警告についての事前設定アクション

C.  HA for Oracle を使用した Oracle ASM のサンプル構成

索引

HA for Oracle の登録と構成

このセクションでは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアが実行されているノードと同じノードに Oracle Grid Infrastructure (Grid Infrastructure) ソフトウェアをインストールして、またはインストールしないで、HA for Oracle データサービスを登録および構成する方法について説明します。

このセクションでは次の情報を提供します。

HA for Oracle の登録と構成のツール

Oracle Solaris Cluster には、HA for Oracle の登録と構成のための次のツールがあります。

clsetup ユーティリティーおよび Oracle Solaris Cluster Manager にはそれぞれ、HA for Oracle を構成するためのウィザードがあります。ウィザードは、コマンドの構文エラーや省略から生じる構成エラーの可能性を低減します。また、これらのウィザードは、必要なすべてのリソースが作成され、リソース間で必要なすべての依存関係が設定されるようにします。

HA for Oracle 拡張プロパティーの設定

付録 A HA for Oracle 拡張プロパティーの拡張プロパティーを使用して、リソースを作成します。リソースの拡張プロパティーを設定するには、リソースを作成または変更する clresource(1CL) コマンドにオプション -p property=value を指定します。リソースをすでに作成済みの場合は、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の第 2 章「Administering Data Service Resources」の手順を使用して、拡張プロパティーを構成します。

一部の拡張プロパティーは、動的に更新できます。ただし、その他は、リソースを作成または無効にするときだけ更新できます。「調整可能」エントリは、各プロパティーを更新できるタイミングを示しています。すべての Oracle Solaris Cluster リソースプロパティーの詳細は、r_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

SUNW.oracle_server 拡張プロパティー」で、Oracle サーバーに対して設定できる拡張プロパティーを説明しています。

HA for Oracle を登録および構成する方法 (clsetup)

この手順では、Oracle Solaris Cluster の長い形式の保守コマンドを使用します。多くのコマンドには短い形式もあります。コマンド名の形式を除き、コマンドは同一です。


注 - clsetup ユーティリティーは ZFS での HA for Oracle の構成をサポートしません。


始める前に

次の前提条件を満たしていることを確認します。

次の情報を用意してください。

  1. クラスタノードでスーパーユーザーになります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    # clsetup

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  3. データサービスのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    データサービスメニューが表示されます。

  4. HA for Oracle の構成のオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このタスクを実行するための前提条件のリストを表示します。

  5. 前提条件が満たされていることを確認し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、クラスタノードのリストが表示されます。

  6. Oracle Database ソフトウェアを実行する必要のあるノードまたはゾーンを選択します。
    • 任意の順序で一覧表示されたすべてのノードまたはゾーンのデフォルトの選択を受け入れるには、Return キーを押します。
    • 一覧表示されたノードまたはゾーンのサブセットを選択するには、それらのノードまたはゾーンに対応する番号の、コンマまたはスペースで区切られたリストを入力します。次に、Return キーを押します。

      ノードまたはゾーンが、Oracle Database リソースを配置するリソースグループのノードリストに表示される順序で一覧表示されていることを確認します。リストの最初のノードまたはゾーンが、このリソースグループのプライマリノードまたはゾーンです。

    • すべてのノードまたはゾーンを特定の順序で選択するには、それらのノードまたはゾーンに対応する番号の、コンマまたはスペースで区切られた順序付きリストを入力して、Return キーを押します。

      ノードまたはゾーンが、Oracle リソースを配置するリソースグループのノードリストに表示される順序で一覧表示されていることを確認します。リストの最初のノードまたはゾーンが、このリソースグループのプライマリノードまたはゾーンです。

  7. ノードまたはゾーンの選択を確定するには、d と入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、構成する Oracle Database コンポーネントのタイプが表示されます。

  8. 構成する Oracle Database コンポーネントの番号を入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、Oracle Database ホームディレクトリが一覧表示されます。

  9. Oracle Database ソフトウェアのインストールに使用する Oracle ホームディレクトリを指定します。
    • ディレクトリが一覧表示されたら、次のようにディレクトリを選択します。
      1. 選択するディレクトリに対応する番号を入力します。

        clsetup ユーティリティーにより、クラスタに構成されている Oracle Database システム識別子のリストが表示されます。また、ユーティリティーにより、Oracle のインストールのシステム識別子を指定するよう求められます。

    • ディレクトリが一覧表示されない場合は、ディレクトリを明示的に指定します。
      1. e と入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーにより、Oracle ホームディレクトリを指定するよう求められます。

      2. Oracle Database ホームディレクトリへのフルパスを入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーにより、クラスタに構成されている Oracle のシステム識別子のリストが表示されます。また、ユーティリティーにより、Oracle Database ソフトウェアのインストール用のシステム識別子を指定するよう求められます。

  10. 構成する Oracle データベースの Oracle SID を指定します。
    • SID が一覧表示されたら、次のように SID を選択します。
      1. 選択する SID に対応する番号を入力します。

        clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーが表示されます。

    • SID が一覧に表示されていない場合は、その SID を明示的に指定します。
      1. e と入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーから、SID を入力するよう求められます。

      2. SID を入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーが表示されます。

    clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーが表示されます。

  11. Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーに別の名前が必要な場合は、それぞれの名前を次のように変更します。
    1. 変更する名前に対応する番号を入力して、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、新しい名前を指定できる画面を表示します。

    2. 「新しい値」プロンプトで、新しい名前を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーのリストに戻ります。

  12. Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーの選択を確定するには、d と入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、既存のストレージリソースのリストが表示されます。ストレージリソースが使用できない場合、clsetup ユーティリティーにより、データが格納される共有ストレージの種類のリストが表示されます。

  13. データの格納に使用する共有ストレージの種類に対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、クラスタ内に構成されているファイルシステムのマウントポイントが表示されます。

  14. 次のように、ファイルシステムのマウントポイントを選択します。
    • 任意の順序で一覧表示されたすべてのファイルシステムのマウントポイントのデフォルトの選択を受け入れるには、a と入力します。次に、Return キーを押します。
    • 一覧表示されたファイル a システムのマウントポイントのサブセットを選択するには、ファイルシステムのマウントポイントに対応する番号の、コンマまたはスペースで区切られたリストを入力します。次に、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、クラスタ内に構成されている広域ディスクセットとデバイスグループが表示されます。

  15. 次のようにデバイスグループを選択します。
    • 任意の順序で一覧表示されたすべてのデバイスグループのデフォルトの選択を受け入れるは、a と入力し、Return キーを押します。
    • 一覧表示されたデバイスグループのサブセットを選択するには、デバイスグループに対応する番号の、コンマまたはスペースで区切られたリストを入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、高可用性ストレージリソースのリストに戻ります。

  16. データサービスに必要なストレージリソースに対応する番号の、コンマまたはスペースで区切られたリストを入力し、Return キーを押します。
  17. Oracle Solaris Cluster ストレージリソースの選択を確定するには、d と入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、クラスタ内のすべての既存の論理ホスト名リソースが表示されます。使用可能な論理ホスト名リソースがない場合は、clsetup ユーティリティーから、リソースを高可用性にする論理ホスト名を入力するよう求められます。

  18. 論理ホスト名を指定し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、使用できる論理ホスト名リソースのリストに戻ります。

  19. データサービスに必要な論理ホスト名リソースに対応する番号の、コンマまたはスペースで区切られたリストを入力して、Return キーを押します。
  20. Oracle Solaris Cluster 論理ホスト名リソースの選択を確定するには、d と入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前が表示されます。

  21. Oracle Solaris Cluster オブジェクトに別の名前が必要な場合は、それぞれの値を次のように変更します。
    • 変更する名前に対応する番号を入力して、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、新しい名前を指定できる画面を表示します。

    • 「新しい値」プロンプトで、新しい名前を入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前のリストに戻ります。

  22. Oracle Solaris Cluster オブジェクト名の選択を確定するには、d と入力して、Return キーを押します。
  23. 構成を作成するには、c と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにこのユーティリティーがコマンドを実行していることを示す進行状況のメッセージを表示します。構成が完了すると、clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが構成を作成するために実行したコマンドが表示されます。

  24. Return キーを押して続行します。
  25. (省略可能) clsetup ユーティリティーが終了するまで繰り返し q と入力し、Return キーを押します。

    必要に応じて、ほかの必要なタスクを実行している間、clsetup ユーティリティーを動作させたままにし、そのあとでユーティリティーを再度使用できます。

Oracle Grid Infrastructure なしで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)

この手順では、Oracle Solaris Cluster の長い形式の保守コマンドを使用します。多くのコマンドには短い形式もあります。コマンド名の形式を除き、コマンドは同一です。

始める前に

次の前提条件を満たしていることを確認します。

次の情報を用意してください。

  1. クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify および solaris.cluster.admin RBAC の承認を提供する役割になります。
  2. データサービスのリソースタイプを登録します。

    HA for Oracle に対して、次のように SUNW.oracle_serverSUNW.oracle_listener の 2 つのリソースタイプを登録します。


    注 - Oracle Database version 11g release 2 または 12c で、クラスタ用 Oracle Grid Infrastructure の単一クライアントアクセス名 (SCAN) リスナーを使用している場合は、SUNW.oracle_listener リソースタイプの登録を省略します。


    # clresourcetype register SUNW.oracle_server
    # clresourcetype register SUNW.oracle_listener
  3. ネットワークとアプリケーションのリソースを保持するフェイルオーバーリソースグループを作成します。

    「ノードの準備方法」で高可用性ローカル ZFS を構成したときにリソースグループが作成されているため、Solaris ZFS を使用する場合、この手順は不要です。この手順のほかのステップで作成したリソースは、このリソースグループに追加されます。

    オプションで、次のようにデータサービスを -n オプションで実行できるノードまたはゾーンのセットを選択できます。

    # clresourcegroup create [-n node-zone-list] resource-group
    -n node-zone-list

    このリソースグループをマスターできるゾーンの、コンマで区切られた順序付きリストを指定します。リスト内の各エントリの形式は node:zone です。この形式では、node はノードの名前または ID を示し、zone は Solaris 非大域ゾーンの名前を示します。大域ゾーンを指定するか、非大域ゾーンのないノードを指定するには、node のみを指定します。

    このリスト内の順序によって、フェイルオーバー中にプライマリとみなされるノードまたはゾーンの順序が決まります。このリストはオプションです。このリストを省略した場合は、各クラスタノードの大域ゾーンがリソースグループをマスターできます。

    resource-group

    リソースグループの名前を指定します。この名前には任意のものを選択できますが、クラスタ内のリソースグループで一意である必要があります。

  4. 使用するすべてのネットワークリソースがネームサービスデータベースに追加されていることを確認します。

    この確認は、Oracle Solaris Cluster のインストール中に行う必要があります。


    注 - ネームサービスの検索による障害を避けるため、すべてのネットワークリソースがサーバーとクラスタの /etc/inet/hosts ファイルに存在するようにしてください。


  5. 論理ホスト名リソースをフェイルオーバーリソースグループに追加します。
    # clreslogicalhostname create -g resource-group [-h logical-hostname] logical-hostname-rs
    logical-hostname

    論理ホスト名を指定します。この論理ホスト名は、ネームサービスデータベースに存在する必要があります。logical-hostnamelogical-hostname-r が同一の場合、logical-hostname はオプションです。

    logical-hostname-rs

    作成する論理ホスト名リソースに割り当てる名前を指定します。

  6. HAStoragePlus リソースタイプをクラスタに登録します。
    # clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
  7. タイプ HAStoragePlus のリソースをフェイルオーバーリソースグループに追加します。

    注 - Oracle Database ファイル用に Solaris ZFS を使用する場合は、この手順を省略してください。HAStoragePlus リソースは、高可用性ローカル ZFS を構成したときに作成されています。詳細については、「ノードの準備方法」を参照してください。



    注意

    注意 - 非大域ゾーンでは、Oracle Solaris Cluster デバイスグループの raw デバイスはサポートされません。



    注 - HAStoragePlus リソースタイプは、非大域ゾーンでサポートされる場合はバージョン 4 以上である必要があります。


    # clresource create -g resource-group \
    -t SUNW.HAStoragePlus \
    -p GlobalDevicePaths=device-path \
    -p FilesystemMountPoints=mount-point-list \
    -p AffinityOn=TRUE hastp-rs

    GlobalDevicePaths 拡張プロパティーまたは FilesystemMountPoints 拡張プロパティーのいずれかを設定する必要があります。

    • データベースが raw デバイスにある場合は、GlobalDevicePaths 拡張プロパティーをグローバルデバイスのパスに設定します。

    • データベースがクラスタファイルシステムにある場合は、クラスタファイルシステムおよびローカルファイルシステムのマウントポイントを指定します。


    注 - AffinityOnTRUE に設定する必要があり、ローカルファイルシステムはフェイルオーバーであるグローバルディスクグループにある必要があります。


    リソースは有効状態で作成されます。

  8. クラスタのノードまたはゾーンで管理状態にあるフェイルオーバーリソースグループをオンラインにします。
    # clresourcegroup online -M resource-group
    -M

    オンラインになったリソースグループを管理状態にします。

  9. フェイルオーバーリソースグループで、Oracle Database アプリケーションリソースを作成します。
    Oracle server resource:
    # clresource create  -g resourcegroup \
    -t SUNW.oracle_server \ 
    -p Alert_log_file=path-to-log \
    -p Connect_string=user/passwd \
    -p ORACLE_SID=instance \
    -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
    -p Restart_type=entity-to-restart \
    [-p Dataguard_role=role] \
    [-p Standby_mode=mode] \
    -p Resource_dependencies_offline_restart=storageplus-resource \
    resource
    
    Oracle listener resource:
    # clresource create -g resource-group \
    -t SUNW.oracle_listener \ 
    -p LISTENER_NAME=listener \
    -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
    -p Resource_dependencies_offline_restart=storageplus-resource \
    resource
    -g resource-group

    リソースを配置するリソースグループの名前を指定します。

    -t

    追加するリソースのタイプを指定します。

    -p Alert_log_file =path-to-log

    $ORACLE_HOME 下にある、サーバーメッセージログのパスを設定します。

    -p Connect_string =user/passwd

    障害モニターがデータベースへの接続に使用するユーザーとパスワードを指定します。これらの設定は、「Oracle データベースのアクセス権の設定方法」で設定したアクセス権と一致する必要があります。Oracle Solaris 認証を使用する場合は、ユーザー名とパスワードの代わりにスラッシュ (/) を入力します。

    -p ORACLE_SID =instance

    Oracle Database システム識別子を設定します。

    -p LISTENER_NAME =listener

    Oracle Database リスナーインスタンスの名前を設定します。この名前は、listener.ora の対応するエントリと一致する必要があります。

    -p ORACLE_HOME =Oracle_home

    Oracle Database ホームディレクトリへのパスを設定します。

    -p Restart_type= entity-to-restart

    障害への応答が再起動されたときに、サーバー障害モニターが再起動させるエンティティーを指定します。entity-to-restart は、次のように設定します。

    • このリソースだけが再起動されるように指定するには、entity-to-restartRESOURCE_RESTART に設定します。デフォルトでは、このリソースのみが再起動されます。

    • このリソースを含むリソースグループのすべてのリソースが再起動されるように指定するには、entity-to-restartRESOURCE_GROUP_RESTART に設定します。

      entity-to-restartRESOURCE_GROUP_RESTART に設定すると、障害がない場合でも、リソースグループのほかのすべてのリソース (Apache や DNS など) が再起動されます。したがって、リソースグループには、Oracle Database サーバーリソースが再起動したときに再起動される必要があるリソースだけを含めます。

    -p Dataguard_role=role

    データベースインスタンスの役割を指定します。role を次のように変更します。

    • スタンバイインスタンスが構成されていないプライマリデータベースインスタンスのリソースを作成するには、roleNONE に変更します。この値はデフォルト値です。

    • スタンバイデータベースインスタンスが構成されているプライマリデータベースインスタンスのリソースを作成するには、rolePRIMARY に変更します。

    • スタンバイデータベースインスタンスのリソースを作成するには、roleSTANDBY に変更します。

    -p Standby_mode=mode

    スタンバイデータベースインスタンスのモードを指定します。Dataguard_roleNONE または PRIMARY に変更すると、Standby_mode の値は無視されます。

    • 論理スタンバイデータベースを指定するには、modeLOGICAL に変更します。この値はデフォルト値です。

    • 物理スタンバイデータベースを指定するには、modePHYSICAL に変更します。

    • Oracle Database 11g 以降、スナップショットスタンバイデータベースを指定するには、modeSNAPSHOT に変更します。

    resource

    作成するリソースの名前を指定します。


    注 - オプションとして、Oracle Database データサービスに属している追加の拡張プロパティーを設定して、それらのデフォルト値をオーバーライドできます。拡張プロパティーのリストについては、「HA for Oracle 拡張プロパティーの設定」を参照してください。


    リソースは有効状態で作成されます。

例 1-1 大域ゾーンで実行する HA for Oracle の登録

次の例は、2 ノードのクラスタで HA for Oracle 11g Release 1 を登録する方法を示しています。

Cluster Information
Node names: phys-schost-1, phys-schost-2
Logical Hostname: schost-1
Resource group: resource-group-1 (failover resource group)
HAStoragePlus Resource: hastp-rs
Oracle Database Resources: oracle-server-1, oracle-listener-1
Oracle Database Instances: ora-lsnr (listener), ora-srvr (server)
 
Create the failover resource group to contain all of the resources
# clresourcegroup create resource-group-1
 
Add the logical hostname resource to the resource group
# clreslogicalhostname create -g resource-group-1 schost-1 
 
Register the SUNW.HAStoragePlus resource type
# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus

Add a resource of type SUNW.HAStoragePlus to the resource group
# clresource create -g resource-group-1 \
-t SUNW.HAStoragePlus \
-p FileSystemMountPoints=/global/oracle,/global/ora-data/logs,local/ora-data \
-p AffinityOn=TRUE \
hastp-rs

Bring the resource group online in a managed state
# clresourcegroup online -M resource-group-1

Register the Oracle Database resource types
# clresourcetype register SUNW.oracle_server
# clresourcetype register SUNW.oracle_listener
 
Add the Oracle Database application resources to the resource group
# clresource create -g resource-group-1 \
-t SUNW.oracle_server \
-p Alert_log_file=/global/oracle/message-log \
-p Connect_string=scott/tiger \
-p ORACLE_HOME=/global/oracle \
-p ORACLE_SID=ora-srvr \
-p Dataguard_role=STANDBY \
-p Standby_mode=PHYSICAL \
-p Resource_dependencies_offline_restart=hastp-rs \
oracle-server-1
 
# clresource create -g resource-group-1 \
-t SUNW.oracle_listener \
-p ORACLE_HOME=/global/oracle \
-p LISTENER_NAME=ora-lsnr \
oracle-listener-1

例 1-2 非大域ゾーンで実行する HA for Oracle の登録

次の例は、2 ノードのクラスタで HA for Oracle 11g Release 1 を登録する方法を示しています。非大域ゾーンのルートはローカルファイルシステムに配置され、ゾーンには HA for Solaris Containers データサービスが構成されていません。

Cluster Information
Node names: phys-schost-1, phys-schost-2
Non-global zone names: sc1zone1, sc2zone1
Logical Hostname: schost-1
Resource group: resource-group-1 (failover resource group)
HAStoragePlus Resource: hastp-rs
Oracle Database Resources: oracle-server-1, oracle-listener-1
Oracle Database Instances: ora-lsnr (listener), ora-srvr (server)

 
Create the failover resource group to contain all of the resources
# clresourcegroup create phys-schost-1:sc1zone1,phys-schost-2:sc2zone1 \
resource-group-1
 
Add the logical hostname resource to the resource group
# clreslogicalhostname create -g resource-group-1 \
schost-1 
 
Register the SUNW.HAStoragePlus resource type.
# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus

Add a resource of type SUNW.HAStoragePlus to the resource group.
# clresource create -g resource-group-1 -t SUNW.HAStoragePlus \
-p FileSystemMountPoints=/global/oracle,/global/ora-data/logs,local/ora-data \
-p AffinityOn=TRUE \
hastp-rs

Bring the resource group online in a managed state
# clresourcegroup online -M resource-group-1

Register the Oracle resource types.
# clresourcetype register SUNW.oracle_server
# clresourcetype register SUNW.oracle_listener
 
Add the Oracle Database application resources to the resource group
# clresource create -g resource-group-1 \
-t SUNW.oracle_server \ 
-p ORACLE_HOME=/global/oracle \
-p Alert_log_file=/global/oracle/message-log \
-p ORACLE_SID=ora-srvr \ 
-p Connect_string=scott/tiger \
-p Dataguard_role=STANDBY \ 
-p Standby_mode=PHYSICAL \
oracle-server-1
 
# clresource create -g resource-group-1 \
-t SUNW.oracle_listener -p ORACLE_HOME=/global/oracle \
-p LISTENER_NAME=ora-lsnr \
oracle-listener-1

例 1-3 ゾーンクラスタで実行する HA for Oracle の登録

次の例は、ゾーンクラスタで HA for Oracle 11g Release 1 を登録する方法を示しています。

Cluster Information
Node names: phys-schost-1, phys-schost-2
zone cluster names: zonecluster1, zonecluster2
Logical Hostname: zchost-1
Resource group: resource-group-1 (failover resource group)
HAStoragePlus Resource: hastp-rs
Oracle Database Resources: oracle-server-1, oracle-listener-1
Oracle Database Instances: ora-lsnr (listener), ora-srvr (server)
 
Create the failover resource group to contain all of the resources
# clresourcegroup create -Z zonecluster1 resource-group-1
 
Add the logical hostname resource to the resource group
# clreslogicalhostname create -Z zonecluster1 -g resource-group-1 zchost-1 
 
Register the SUNW.HAStoragePlus resource type.
# clresourcetype register -Z zonecluster1 SUNW.HAStoragePlus

Add a resource of type SUNW.HAStoragePlus to the resource group.
# clresource create -Z zonecluster1 \
-g resource-group-1 \
-t SUNW.HAStoragePlus \
-p FileSystemMountPoints=/global/oracle,/global/ora-data/logs,local/ora-data \
-p AffinityOn=TRUE \
hastp-rs

Bring the resource group online in a managed state
# clresourcegroup online -Z zonecluster1 -M resource-group-1

Register the Oracle Database resource types
# clresourcetype register -Z zonecluster1 SUNW.oracle_server
# clresourcetype register -Z zonecluster1 SUNW.oracle_listener
 
Add the Oracle Database application resources to the resource group
# clresource create -Z zonecluster1 \
-g resource-group-1 \
-t SUNW.oracle_server \ 
-p Alert_log_file=/global/oracle/message-log \
-p Connect_string=scott/tiger \
-p ORACLE_HOME=/global/oracle \
-p ORACLE_SID=ora-srvr \ 
-p Dataguard_role=STANDBY \ 
-p Standby_mode=PHYSICAL \
oracle-server-1
 
# clresource create -Z zonecluster1 \
-g resource-group-1 \
-t SUNW.oracle_listener \ 
-p ORACLE_HOME=/global/oracle \
-p LISTENER_NAME=ora-lsnr \
oracle-listener-1

スタンドアロンサーバー用 Oracle Grid Infrastructure ありで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)


注 - シングルインスタンス Oracle ASM は、Oracle 11g release 2 または 12c ではサポートされていません。これらのリリースでは、クラスタ Oracle ASM のみを使用する必要があります。


この手順では、Oracle Solaris Cluster の保守コマンドを使用してシングルインスタンス Oracle ASM を登録および構成する手順を説明します。Oracle ASM 用の Oracle_Home はローカルファイルシステムのみです。


注 - Oracle ASM ディスクグループと Oracle データベースは、別々のリソースグループ内に構成できます。Oracle ASM ディスクグループと Oracle データベースを別々のリソースグループ内に構成する場合は、Oracle ASM ディスクグループのリソースグループと Oracle データベースのリソースグループの間に強い肯定的なアフィニティー (+++) を設定するようにしてください。


始める前に

  1. クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify および solaris.cluster.admin RBAC の承認を提供する役割になります。
  2. データサービスの Oracle ASM リソースタイプを登録します。
    1. スケーラブルな ASM インスタンスリソースタイプを登録します。
      # clresourcetype register SUNW.scalable_asm_instance
    2. ASM ディスクグループリソースタイプを登録します。
      # clresourcetype register SUNW.asm_diskgroup
    3. HAStoragePlus リソースタイプを登録します。
      # clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
  3. Oracle ASM インスタンス用にスケーラブルなリソースグループ asm-inst-rg を作成します。
    # clresourcegroup create -S asm-inst-rg
    -S asm-inst-rg

    Oracle ASM インスタンスのスケーラブルなリソースグループの名前を指定します。

  4. タイプ SUNW.scalable_asm_instance のリソースを asm-inst-rg リソースグループに追加します。
    # clresource create -g asm-inst-rg \
    -t SUNW.scalable_asm_instance \
    -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
    -d asm-inst-rs
    -g asm-inst-rg

    Oracle ASM インスタンスのリソースグループの名前を指定します。

    -p ORACLE_HOME =Oracle_home

    Oracle ASM ホームディレクトリへのパスを設定します。


    注 - Oracle ASM ホームディレクトリにはローカルファイルシステムのみを使用する必要があります。


    -d asm-inst-rs

    作成する Oracle ASM インスタンスリソースの名前を指定します。

  5. クラスタノードで管理状態にあるスケーラブルなリソースグループをオンラインにします。
    # clresourcegroup online -eM asm-inst-rg
  6. Oracle ASM リソースグループ asm-dg–rg を作成します。
    # clresourcegroup create asm-dg-rg
  7. 論理ホスト名リソースを asm-dg-rg リソースグループに追加します。
    # clreslogicalhostname create -g asm-dg-rg [-h logical-hostname] \
    logical-hostname-rs
    -h logical-hostname

    論理ホスト名を指定します。この論理ホスト名は、ネームサービスデータベースに存在する必要があります。logical-hostnamelogical-hostname-r が同一の場合、logical-hostname はオプションです。

    logical-hostname-rs

    作成する論理ホスト名リソースに割り当てる名前を指定します。

  8. Oracle ASM ディスクグループに対して、リソースグループ asm-dg-rg による強い肯定的なアフィニティーを設定します。
    # clresourcegroup set -p rg_affinities=++asm-inst-rg asm-dg-rg
  9. Oracle ASM ディスクグループが Solaris Volume Managerディスクセットまたは VxVM ディスクグループを使用する場合は、タイプ SUNW.HAStoragePlus のリソースを Oracle ASM ディスクグループのリソースグループに追加します。
    # clresource create -g asm-dg-rg -t SUNW.HAStoragePlus \
    -p globaldevicepaths=path1,path2 hasp-asm-rs
  10. タイプ SUNW.asm_diskgroup のリソースを asm-dg-rg リソースグループに追加します。
    # clresource create -g asm-dg-rg -t SUNW.asm_diskgroup \
    -p asm_diskgroups=dg[,dg…] \
    -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-inst-rs,asm-stor-rs \
    -p Resource_dependencies_offline_restart=hasp-asm-rs \
    -d asm-dg-rs
    -t SUNW.asm_diskgroup

    追加するリソースのタイプを指定します。

    -p asm_diskgroups =dg

    ASM ディスクグループを指定します。

    asm-stor-rs

    Oracle ASM ストレージリソースの名前を指定します。

    hasp-asm-rs

    HAStoragePlus リソースの名前を指定します。

    -d asm-dg-rs

    作成するリソースの名前を指定します。

  11. 管理状態にある Oracle ASM ディスクリソースグループをオンラインにします。
    # clresourcegroup online -eM asm-dg-rg
  12. ステータスコマンドを発行して、Oracle ASM のインストールを確認します。
    # clresource status +
  13. HA for Oracle データサービスのリソースタイプを登録します。

    HA for Oracle に対して、次のように SUNW.oracle_serverSUNW.oracle_listener のリソースタイプを登録します。

    # clresourcetype register SUNW.oracle_server
    # clresourcetype register SUNW.oracle_listener
  14. フェイルオーバーリソースグループで、Oracle Database アプリケーションリソースを作成します。
    • Oracle サーバーリソース:

      # clresource create -g asm-dg-rg \
      -t SUNW.oracle_server \ 
      -p Connect_string=user/passwd \
      -p ORACLE_SID=instance \
      -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
      -p Alert_log_file=path-to-log \
      -p Restart_type=entity-to-restart \
      -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-dg-rs \
      -d  ora-db-rs
    • Oracle Database リスナーリソース:

      # clresource create -g asm-dg-rg \
      -t SUNW.oracle_listener \ 
      -p LISTENER_NAME=listener \
      -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
      -p resource_dependencies_offline_restart=asm-dg-rs \
      -d ora-lsr-rs
    -g asm-dg-rg

    リソースを配置する Oracle ASM ディスクリソースグループの名前を指定します。

    -t

    追加するリソースのタイプ (SUNW.oracle_server または SUNW.oracle_listener) を指定します。

    -p Alert_log_file =path-to-log

    $ORACLE_HOME 下にある、サーバーメッセージログのパスを設定します。

    -p Connect_string =user/passwd

    障害モニターがデータベースへの接続に使用するユーザーとパスワードを指定します。これらの設定は、「Oracle データベースのアクセス権の設定方法」で設定したアクセス権と一致する必要があります。Solaris 認証を使用する場合は、ユーザー名とパスワードの代わりにスラッシュ (/) を入力します。

    -p ORACLE_SID =instance

    Oracle システム識別子を設定します。

    -p LISTENER_NAME =listener

    Oracle Database リスナーインスタンスの名前を設定します。この名前は、listener.ora の対応するエントリと一致する必要があります。

    -p ORACLE_HOME =Oracle_home

    Oracle Database ホームディレクトリへのパスを設定します。


    注 - オプションとして、Oracle Database データサービスに属している追加の拡張プロパティーを設定して、それらのデフォルト値をオーバーライドできます。拡張プロパティーのリストについては、「HA for Oracle 拡張プロパティーの設定」を参照してください。


  15. Oracle Database サーバーリソースをオンラインにします。
    # clresource enable ora-db-rs 

クラスター用 Oracle Grid Infrastructure ありで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)

この手順では、Oracle Solaris Cluster の保守コマンドを使用して、クラスタ Oracle ASM インスタンスで HA for Oracle を登録および構成する手順を説明します。

Oracle Database 11g Release 2 および 12c 専用、オプションでサードパーティーのボリュームマネージャーを使用すると、クラスタ Oracle ASM ディスクグループに候補ディスクを指定できます。このタイプの構成では、この手順を使用して、Oracle Solaris Cluster SUNW.ScalDeviceGroup リソースをプロキシ設定する Oracle Grid Infrastructure (Grid Infrastructure) リソースを手動で作成します。この手順では、Grid Infrastructure リソースの名前は sun.resource です。sun.resource がオンラインになるまで、対応する Oracle ASM ディスクグループがマウントされないように、sun.resource を構成します。sun.resource リソースは、対応する SUNW.ScalDeviceGroup リソースがオンラインの場合のみ、オンラインになります。また、SUNW.ScalDeviceGroup リソースは、実際のボリュームマネージャーのディスクセットまたはディスクグループがオンラインの場合だけ、オンラインになります。

Oracle ASM ディスクグループがこの依存関係チェーンのメリットを得られるようにするには、sun.resource を定義したあと、ハードスタート依存関係に sun.resource が含まれるように、適切な Grid Infrastructure Oracle ASM ディスクグループリソースを変更します。Grid Infrastructure の Oracle ASM ディスクグループリソースのハードスタート依存関係の変更は、VALIDATE メソッドを使用することで、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy リソースによってのみ実行できます。したがって、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy および SUNW.ScalDeviceGroup リソース間のオフライン再起動依存関係を設定する必要があります。

始める前に

  1. クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify および solaris.cluster.admin RBAC の承認を提供する役割になります。
  2. サードパーティーのボリュームマネージャー、または Oracle ASM ディスクグループの候補ディスクとして NFS を使用する場合は、Grid Infrastructure を構成します。

    Oracle ASM 候補ディスクは、次のいずれかから指定できます。

    • Solaris Volume Manager ディスクセット

    • Veritas Volume Manager ディスクグループ

    • NFS

    1. Grid Infrastructure の sun.storage_proxy.type リソースタイプを作成します。
      # /Grid_home/bin/crsctl add type sun.storage_proxy.type -basetype cluster_resource
    2. Grid Infrastructure の、タイプ sun.storage_proxy.typesun.resource リソースを作成します。

      注 - 必ずすべての属性値を単一引用符 (') で囲んでください。そうしないと、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy リソースの VALIDATE メソッドは検証に失敗します。


      # /Grid_home/bin/crsctl add res sun.scal-asmdg1-rs -type sun.storage_proxy.type \
            -attr "ACTION_SCRIPT='/opt/SUNWscor/dsconfig/bin/scproxy_crs_action' \
            HOSTING_MEMBERS='node1 node2' \
            CARDINALITY='2' \
            PLACEMENT='restricted' \
            ACL='owner:root:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--' \
            SCRIPT_TIMEOUT='20' \
            RESTART_ATTEMPTS='60'"
      sun.scal-asmdg1-rs

      SUNW.ScalDeviceGroup リソース名。

      -type sun.storage_proxy.type

      sun.storage_proxy.type リソースタイプを指定します。

      ACTION_SCRIPT

      /opt/SUNWscor/dsconfig/bin/scproxy_crs_action アクションスクリプトを指定します。

      HOSTING_MEMBERS

      SUNW.ScalDeviceGroup リソースを含む Oracle Solaris Cluster リソースグループのノードリストのエントリを指定します。

      CARDINALITY

      HOSTING_MEMBERS に定義されているホストの数を設定します。

      PLACEMENT

      restricted に設定します。

      ACL

      所有者を root と、グループを Oracle ASM ディスクグループの ACL グループエントリと同一に設定します。次のコマンドは、ACL グループエントリを表示します。

      # /Grid_home/bin/crsctl stat res ora.DATA1.dg -p | grep ACL=
      ACL=owner:oragrid:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--

      この出力例は、oinstall がそのグループエントリであることを示しています。

      SCRIPT_TIMEOUT

      20 に設定します。

      RESTART_ATTEMPTS

      60 に設定します。

    3. sun.resource が正しく定義されていることを確認します。

      次に出力例を示します。

      # /Grid_home/bin/crsctl stat res sun.scal-asmdg1-rs -p
            NAME=sun.scal-asmdg1-rs
            TYPE=sun.storage_proxy.type
            ACL=owner:root:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--
            ACTION_FAILURE_TEMPLATE=
            ACTION_SCRIPT=/opt/SUNWscor/dsconfig/bin/scproxy_crs_action
            ACTIVE_PLACEMENT=0
            AGENT_FILENAME=%CRS_HOME%/bin/scriptagent
            AUTO_START=restore
            CARDINALITY=2
            CHECK_INTERVAL=60
            DEFAULT_TEMPLATE=
            DEGREE=1
            DESCRIPTION=
            ENABLED=1
            FAILOVER_DELAY=0
            FAILURE_INTERVAL=0
            FAILURE_THRESHOLD=0
            HOSTING_MEMBERS=node1 node2
            LOAD=1
            LOGGING_LEVEL=1
            NOT_RESTARTING_TEMPLATE=
            OFFLINE_CHECK_INTERVAL=0
            PLACEMENT=restricted
            PROFILE_CHANGE_TEMPLATE=
            RESTART_ATTEMPTS=60
            SCRIPT_TIMEOUT=20
            SERVER_POOLS=
            START_DEPENDENCIES=
            START_TIMEOUT=0
            STATE_CHANGE_TEMPLATE=
            STOP_DEPENDENCIES=
            STOP_TIMEOUT=0
            UPTIME_THRESHOLD=1h
      #
    4. 現在のオフライン再起動依存関係を表示します。
      # /Grid_home/bin/crsctl stat res ora.DATA1.dg -p | grep START_DEPENDENCIES
                  START_DEPENDENCIES=hard(ora.asm) pullup(ora.asm)
      
      # clresource show -p Resource_dependencies_offline_restart asm-data1-rs
      
                  === Resources ===
      
                  Resource: asm-data1-rs
                  Resource_dependencies_offline_restart: asm-inst-rs
      
                  -- Standard and extension properties --
    5. 新しい依存関係を設定します。
      • asm-data1-rs がすでに存在する場合は、次のコマンドを使用して依存関係を設定します。

        コマンドにはプラス (+) 記号が含まれることに注意してください。

        # clresource set -p Resource_dependencies_offline_restart+=scal-asmdg1-rs asm-data1-rs
        -p Resource_dependencies_offline_restart +=resource

        (Oracle ASM デバイスグループ専用) 指定した Oracle ASM ストレージリソースのオフライン再起動依存関係を設定します。

        asm-data1–rs

        変更するリソースの名前を指定します。

      • asm-data1-rs がまだ存在していない場合は、次のコマンドを使用して、オフライン再起動依存関係を持つリソースを作成します。
        # clresource create -g asm-dg-rg \
        -t SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy \
        -p asm_diskgroups=data1 \
        -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-inst-rs,scal-asmdg1-rs \
        -d asm-data1-rs
        -g asm-dg-rg

        リソースを配置する Oracle ASM デバイスグループの名前を指定します。

        -t resource-type

        追加するリソースのタイプを指定します。

        -p asm_diskgroups=data1

        Oracle ASM ディスクグループの名前を設定します。

        -d

        作成するリソースが無効になるように指定します。

    6. 構成した依存関係を確認します。
      # /Grid_home/bin/crsctl stat res ora.DATA1.dg -p | grep START_DEPENDENCIES
                  START_DEPENDENCIES=hard(ora.asm,sun.scal-asmdg1-rs) pullup(ora.asm)
      # clresource show -p Resource_dependencies_offline_restart asm-data1-rs
                  === Resources ===
                   
                  Resource: asm-data1-rs
                  Resource_dependencies_offline_restart: asm-inst-rs scal-asmdg1-rs
                   
                  -- Standard and extension properties --
  3. Oracle Clusterware フレームワークのリソースタイプを登録します。

    注 - 代わりに、clsetup ユーティリティーを使用して、この手順の手順 3 から手順 5 までを実行することもできます。


    # clresourcetype register SUNW.crs_framework
  4. タイプ SUNW.crs_framework のリソースを rac-fmwk-rg リソースグループに追加します。
    # clresource create -g rac-fmwk-rg -t SUNW.crs_framework \
    -p Resource_dependencies=rac-fmwk-rs \
    -d crs-fmwk-rs
  5. Oracle データベース用のフェイルオーバーリソースグループ ora-db-rg を作成します。
    # clresourcegroup create ora-db-rg
  6. SPARC: SPARC を使用している場合は、次の手順を実行します。それ以外の場合は、手順 7 に進みます。

    注 - この手順を実行できるのは、Oracle ASM ソフトウェアのインストールを実行する前に ORCLudlm パッケージをインストールしてある場合のみです。


    1. Oracle UDLM のリソースタイプを登録します。
      # clresourcetype register SUNW.rac_udlm
    2. タイプ SUNW.rac_udlm のリソースを rac-fmwk-rg リソースグループに追加します。
      # clresource create -g rac-fmwk-rg -t SUNW.rac_udlm \
      -p Resource_dependencies=rac-fmwk-rs rac-udlm-rs
      -g asm-inst-rg

      リソースを配置するリソースグループの名前を指定します。

  7. データサービスの Oracle ASM リソースタイプを登録します。
    1. スケーラブルな ASM インスタンスプロキシリソースタイプを登録します。
      # clresourcetype register SUNW.scalable_asm_instance_proxy
    2. 適切な Oracle ASM ディスクグループリソースタイプを登録します。
      • Oracle Database 10g および 11g Release 1 専用、SUNW.asm_diskgroup リソースタイプを使用します。
        # clresourcetype register SUNW.asm_diskgroup
      • Oracle Database 11g Release 2 および 12c 専用、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy リソースタイプを使用します。
        # clresourcetype register SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy
  8. リソースグループ asm-inst-rg および asm-dg-rg を作成します。
    # clresourcegroup create -S asm-inst-rg asm-dg-rg
  9. asm-inst-rg による rac-fmwk-rg に対する強い肯定的なアフィニティーを設定します。
    # clresourcegroup set -p rg_affinities=++rac-fmwk-rg asm-inst-rg
  10. asm-dg-rg による asm-inst-rg に対する強い肯定的なアフィニティーを設定します。
    # clresourcegroup set -p rg_affinities=++asm-inst-rg asm-dg-rg
  11. タイプ SUNW.crs_framework のリソースを rac-fmwk-rg リソースグループに追加します。
    # clresource create -g rac-fmwk-rg -t SUNW.crs_framework \
    -p Resource_dependencies=rac-fmwk-rs \
    -d crs-fmwk-rs
  12. クラスタファイルシステム上に Oracle ASM 用の Oracle_Home をインストールした場合は、クラスタファイルシステムを使用するようにリソースを構成します。

    asm-inst-rg リソースグループにリソースのタイプ (SUNW.HAStoragePlus および SUNW.scalable_asm_instance) を追加し、2 つのリソース間に適切な依存関係を設定します。

    # clresource create -g asm-inst-rg -t SUNW.HAStoragePlus \ 
    -p FilesystemMountPoints=cluster-file-system \
    hastp-rs
    
    # clresource create -g asm-inst-rg -t SUNW.scalable_asm_instance_proxy \
    -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
    -p CRS_HOME=grid-home
    -p "oracle_sid{node1}"=instance \
    -p "oracle_sid{node2}"=instance \
    -p Resource_dependencies_offline_restart=hastp-rs \
    -p Resource_dependencies_offline_restart=crs-fmwk-rs \
    asm-inst-rs
    -p FilesystemMountPoints= cluster-file-system

    クラスタファイルシステムの名前を指定します。

    hastp-rs

    作成する SUNW.HAStoragePlus リソースの名前を指定します。

    -p ORACLE_SID =instance

    Oracle Database システム識別子を設定します。

    -p ORACLE_HOME =Oracle_home

    Oracle Database ホームディレクトリへのパスを設定します。

    -p CRS_HOME =grid_home

    クラスター用 Oracle Grid Infrastructure のホームディレクトリへのパスを設定します。

  13. タイプ SUNW.scalable_asm_instance_proxy のリソースを asm-inst-rg リソースグループに追加します。
    # clresource create -g asm-inst-rg \
    -t SUNW.scalable_asm_instance_proxy \
    -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
    -p CRS_HOME=grid-home \
    -p "oracle_sid{node1}"=instance \
    -p "oracle_sid{node2}"=instance \
    -p Resource_dependencies_offline_restart=crs-fmwk-rs \
    -d asm-inst-rs
  14. ASM ディスクグループリソースを asm-dg-rg リソースグループに追加します。
    • Oracle Database 10g および 11g Release 1 専用、SUNW.asm_diskgroup リソースタイプを使用します。
      # clresource create -g asm-dg-rg \
      -t SUNW.asm_diskgroup \
      -p asm_diskgroups=dg[,dg…] \
      -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-inst-rs,asm-stor-rs \
      -d asm-dg-rs
      -p asm_diskgroups =dg

      Oracle ASM ディスクグループを指定します。

      asm-stor-rs

      Oracle ASM ストレージリソースの名前を指定します。

    • Oracle Database 11g Release 2 および 12c 専用、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy リソースタイプを使用します。
      # clresource create -g asm-dg-rg \
      -t SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy \
      -p asm_diskgroups=dg[,dg…] \
      -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-inst-rs,asm-stor-rs \
      -d asm-dg-rs
  15. クラスタノードで管理状態にある asm-inst-rg リソースグループをオンラインにします。
    # clresourcegroup online -eM asm-inst-rg
  16. クラスタノードで管理状態にある asm-dg-rg リソースグループをオンラインにします。
    # clresourcegroup online -eM asm-dg-rg
  17. ステータスコマンドを発行して、Oracle ASM のインストールを確認します。
    # clresource status +
  18. HA for Oracle データサービスのリソースタイプを登録します。

    次のように、SUNW.oracle_serverSUNW.oracle_listener の 2 つのリソースタイプを登録します。


    注 - Oracle Database Version 11g Release 2 または 12c で、クラスタ用 Oracle Grid Infrastructure の単一クライアントアクセス名 (SCAN) リスナーを使用している場合は、SUNW.oracle_listener リソースタイプの登録を省略します。


    # clresourcetype register SUNW.oracle_server
    # clresourcetype register SUNW.oracle_listener
  19. 論理ホスト名リソースを Oracle データベースのフェイルオーバーリソースグループに追加します。
    # clreslogicalhostname create -g ora-db-rg [-h logical-hostname] logical-hostname-rs
    logical-hostname

    論理ホスト名を指定します。この論理ホスト名は、ネームサービスデータベースに存在する必要があります。logical-hostnamelogical-hostname-r が同一の場合、logical-hostname はオプションです。

    logical-hostname-rs

    作成する論理ホスト名リソースに割り当てる名前を指定します。

  20. クラスタノードで管理状態にあるフェイルオーバーリソースグループをオンラインにします。
    # clresourcegroup online -eM ora-db-rg
  21. フェイルオーバーリソースグループで、Oracle Database アプリケーションリソースを作成します。

    注 - Oracle Database Version 11g Release 2 または 12c で、クラスタ用 Oracle Grid Infrastructure の単一クライアントアクセス名 (SCAN) リスナーを使用している場合は、SUNW.oracle_listener リソースの構成を省略します。


    • Oracle Database 10g および 11g Release 1 専用、次のコマンドを使用します。

      Create the Oracle Database server resource
      # clresource create -g ora-db-rg \
      -t SUNW.oracle_server \ 
      -p Connect_string=user/passwd \
      -p ORACLE_SID=instance \
      -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
      -p Alert_log_file=path-to-log \
      -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-dg-rs \
      -d ora-db-rs
      
      Create the Oracle Database listener resource
      # clresource create -g ora-db-rg \
      -t SUNW.oracle_listener \
      -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
      -p listener_name=listener \
      -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-dg-rs \
      -d ora-ls-rs
    • Oracle Database 11g Release 2 および 12c 専用、次のコマンドを使用します。

      Create the Oracle server resource
      # clresource create -g ora-db-rg \
      -t SUNW.oracle_server \ 
      -p ORACLE_SID=instance \
      -p ORACLE_HOME=Oracle_home \
      -p Db_unique_name=db-unique-name
      -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-dg-rs \
      -d ora-db-rs
    -p Alert_log_file =path-to-log

    (Oracle Database 10g および 11g Release 1 専用) $ORACLE_HOME 下にある、サーバーメッセージログのパスを設定します。

    -p Connect_string =user/passwd

    (Oracle Database 10g および 11g Release 1 専用) 障害モニターがデータベースへの接続に使用するユーザーとパスワードを指定します。これらの設定は、「Oracle データベースのアクセス権の設定方法」で設定したアクセス権と一致する必要があります。Solaris 認証を使用する場合は、ユーザー名とパスワードの代わりにスラッシュ (/) を入力します。

    -p Db_unique_name =db-unique-name

    (Oracle Database 11g Release 2 および 12c 専用 で、SCAN リスナーを使用している場合) Oracle Database の一意の名前を設定します。

    -p listener_name =listener

    Oracle Database リスナーインスタンスの名前を設定します。この名前は、listener.ora の対応するエントリと一致する必要があります。

    -d resource

    作成するリソースの名前を指定します。


    注 - オプションとして、Oracle Database データサービスに属している追加の拡張プロパティーを設定して、それらのデフォルト値をオーバーライドできます。拡張プロパティーのリストについては、「HA for Oracle 拡張プロパティーの設定」を参照してください。


  22. Oracle Database サーバーリソースをオンラインにします。
    # clresource enable ora-db-rs
  23. 構成すると、Oracle Database リスナーリソースがオンラインになります。
    # clresource enable ora-ls-rs

次の手順

Solaris Cluster HA for Oracle を登録および構成したあとは、「HA for Oracle のインストールの確認」に進みます。