この章では、Oracle Database Applianceの概要について説明します。この章の内容は次のとおりです。
次の各項では、Oracle Database Applianceのハイレベル概要について説明します。
Oracle Database Applianceは、ネットワーク、クラスタ、データベース・ソフトウェアおよびテンプレートが統合されたサーバー、ストレージおよびネットワーク・ハードウェアです。Oracleでは、ハードウェア・コンポーネントおよびソフトウェア・コンポーネントをすべて完全にサポートしています。ハードウェアとソフトウェアは総合的にエンジニアリングされているため、構成およびメンテナンスが簡単であるとともに、特定のデータベースのワークロードに応じた事前構成が可能です。Oracle Database Applianceは、データベースのデプロイおよびメンテナンスのコスト、時間およびリスクを最小限に抑えることができるよう設計されています。
ワークロードに応じてOracle Database Applianceで必要な任意の数のプロセッサをデプロイできます。Pay-As-You-Grow方式のソフトウェア・ライセンスを使用することにより、通常のハードウェアのアップグレードに伴う過度のコストや停止時間を発生させずに2個のプロセッサ・コアから24個のプロセッサ・コアへ簡単にスケールアップできます。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをデプロイすると、アプリケーションの処理のためにスペア・プロセッサを使用できます。ベア・メタルとOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのどちらを使用するかは、企業の方針や、それぞれの実装によってもたらされるメリットに応じて決定されます。
インストールは、第2章「Oracle Database Applianceのデプロイの準備」と、第3章「ベア・メタルOracle Database ApplianceでのOracleソフトウェアのデプロイ」または第4章「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのOracleソフトウェアのデプロイ」で実行する次のステップで構成されています。
サーバー設置場所を準備します。
Oracle Database ApplianceのサポートID (SI)をMy Oracle Supportに登録し、Oracleからソフトウェアおよびサポートを取得できるようにします。
ドメイン・ネーム・サーバー(DNS)でネットワーク名およびアドレスを設定します。
Oracle Appliance Managerコンフィギュレータを使用すると、名前およびアドレスを生成したり、既存の名前およびアドレスを検証できます。コンフィギュレータはOracle Technology Networkからダウンロードできます。
サーバー設置場所のラックにOracle Database Applianceハードウェアを設置します。
電源およびネットワーク・ケーブルをOracle Database Applianceに接続します。
Oracle Database Applianceソフトウェア・パッケージをダウンロードしてアプライアンスにコピーします。
Oracle Appliance Managerを起動し、プロンプトに対応しながらOracle Grid Infrastructureを構成し、Oracle Databaseをインストールおよび構成します。
構成時に、2ノードのOracle Grid Infrastructureインストール(Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management)を構成します。また、Oracle Database Enterprise Edition、Oracle RAC One NodeまたはOracle RACを構成するオプションも用意されています。初期構成の後は、データベースの追加、コア数の構成、およびインスタンス・ケージングの構成が可能になります。
関連項目: Oracle Database Applianceの設定の詳細は『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』を参照 |
図1-1および図1-2に、Oracle Database Applianceのフロント・パネルとバック・パネルのイメージと説明を示します。
表1-1 Oracle Database Applianceのフロント・パネルの図の凡例
コールアウト番号 | 説明 |
---|---|
1 |
|
2 |
SP (サービス・プロセッサ) OK/フォルトLED (ノードごと) |
3 |
サーバー・ノード削除準備完了LED (ノードごと) |
4 |
必要なサービスLED (ノードごと) |
5 |
電源/OK LED (ノードごと) |
6 |
システム過熱LED (ノードごと) |
7 |
後部ハード・ディスク・ドライブ(HDD)/電源(PS)/ファン・フォルトLED (ノードごと) |
8 |
電源ボタン(ノードごと) |
9 |
ドライブ・マップ |
10 |
RFIDおよび製品シリアル番号タグ |
表1-2 Oracle Database Applianceのバック・パネルの図の凡例
コールアウト | ラベル | イーサネット | ボンド | 説明 |
---|---|---|---|---|
1 |
電源コネクタ |
|||
2 |
PCIe 1 |
eth7、6、5、4 (左から右) |
|
eth4およびeth5は |
3 |
PCIe 0 |
eth8、eth9 |
|
2つの10-GbEポート。 |
4 |
SER MGT |
|||
5 |
Net 0、Net 1 |
eth2、eth3 |
|
2つの1-GbEコネクタ。1–GbEネットワークを構成する場合、これらのポートをパブリック・ネットワークに接続します。 |
6 |
NET MGT |
Oracle ILOMのイーサネット接続 |
||
7 |
USBおよびビデオ |
システム・コンソールへの接続に使用されます。 |
||
8 |
サーバー・ノード1 (システム・コントローラ0) |
|||
9 |
サーバー・ノード2 (システム・コントローラ1) |
注意: 他のOracle Database Applianceドキュメントでは、ノードをシステム・コントローラ番号(SC0およびSC1)、その場所(それぞれ下位ノードおよび上位ノード)、またはノード番号(それぞれノード0およびノード1)によってノードを識別する場合があります。このドキュメントではノードをノード1 (システム・コントローラ0)およびノード2 (システム・コントローラ1)と呼びます。これらは、ファクトリ・イメージで割り当てられたシステム名で使用されるナンバリング、oak1およびoak2に一致します。 |
注意: eth0の構成を変更しないでください。また、ベア・メタル・デプロイメントではeth1の構成を変更しないでください。変更した場合、内部クラスタ通信が失敗します。 |
表1-3 Oracle Database Applianceのソフトウェア