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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.5 for Linux x86-64
B69545-03
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4 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのOracleソフトウェアのデプロイ

この章では、Oracle Database Applianceをインストールして起動した後で、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをデプロイするタスクのチェックリストについて説明します。Oracle Database Applianceソフトウェアの構成を完了するには、約1時間必要です。この章は次の項で構成されています:


注意:

仮想化されていないOracle Database ApplianceにOracleソフトウェアをデプロイするタスクのチェックリストは、「ベア・メタルOracle Database ApplianceでのOracleソフトウェアのデプロイ」を参照してください。


関連項目:

デプロイ・プロセスの概要を示す『Oracle Database Applianceセットアップ・ポスター』

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ドメインのサイズ設定

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのアーキテクチャの概要は、図4-1を参照してください。

図4-1 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム

図4-1の説明が続きます
「図4-1 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム」の説明

Oracle Database Applianceには合計24個のコアがあります(各ノードに12のコア)。各コアには2つの仮想CPU (vCPU)があり、各ノードで24個のvCPUが提供されます。たとえば、コア1はvCPU 0および1、コア1はvCPU 2および3、コア2はvCPU 4および5のようにvCPUを提供します。各アプライアンス・ノードにはODAベース・ドメインとドメイン0仮想マシンが含まれます。オプションでユーザー・ドメイン仮想マシンが含まれることもあり、これがvCPUを使用します。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、データベース・ドメインと追加のアプリケーション・ドメインまたはユーザー・ドメインからワークロードを分離することができます。この機能はCPUプールによって実現します。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームが作成されると、24個のvCPUを含むdefault-unpinned-poolが各ノードに作成されます。仮想マシンがVM記憶域リポジトリにインポートされると、デフォルトでdefault-unpinned-poolに割り当てられます。

Oracle Appliance Managerコマンドcreate cpupoolを使用して、追加のCPUプールを作成します。Appliance Managerコマンドconfigure vmを使用すると、1つまたは複数の仮想マシンをCPUプールに割り当ててリソースを共有することができます。

ODA_Baseドメインが作成されると、odaBaseCpuPoolという新しいCPUプールが両方のノードに作成されます。ODA_BASEドメインは、最初のデプロイ時に選択された数のコアに固定されます。CPUプールに割り当てられるコア数は、Oracle Appliance Managerのconfigure cpupoolコマンドを使用して変更できます。たとえば、それぞれが32GBのRAMを備えた8個のvCPUを選択した場合、odaBaseCpuPoolにはvCPU 0、2、4、6、1、3、5および7が割り当てられ、残りのvCPU (8~24)がアプリケーションによって使用されます。

各ノードには、そのサーバーにデプロイされる仮想マシンに基づいて追加のプールを作成できます。それぞれのノードに対するOracle Appliance Manager show cpupoolコマンドの次の出力に示すように、各ノードのCPUプールは異なることができます。

oakcli show cpupool -node 0
                 Pool           Cpu List                                VM List
default-unpinned-pool   [14, 15, 16, 17,  ['test1_odarepo1','sample5_odarepo1',
                         18, 19, 20, 21,   'vm_very_long_name_sample1_odarepo1'
                                 22, 23]                            ,'win_vm1']
         twocpu                 [12, 13]                       ['vm1_odarepo1']
      odaBaseCpuPool     [0, 1, 2, 3, 10                            ['oakDom1']
                                   , 11]
oakcli show cpupool -node 1
                 Pool           Cpu List                                VM List
default-unpinned-pool   [ 12, 13, 14, 15,  ['vm2_odarepo2','test2_odarepo2','sa
                          16, 17, 18, 19,  ample6_odarepo1,'vm_very_long_name_s
                          20, 21, 22, 23]                      ample2_odarepo2]
      odaBaseCpuPool    [0, 1, 2, 3, 4, 5                           ['oakDom1']
                          6, 7, 8, 9, 10,
                                      11]

ODAベース・ドメイン(図4-1)の内容と機能は、ベア・メタル・デプロイメントのノードと似ています。すべてのネットワークにアクセスし、次のソフトウェア・コンポーネントのホームになります。


注意:

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、テンプレートのインポートのみがサポートされます。


関連項目:

OAKCLIコマンドの詳しい構文とすべてのリストは、付録D「Oracle Database Appliance Manager (OAKCLI)リファレンス」を参照してください。


関連項目:

Oracle VMリリース3.2.1のドキュメントは、http://docs.oracle.com/cd/E35328_01/index.htmlを参照してください。

ローカル・ログインを使用したシステムへの接続

Oracle Database Applianceには、モニター、キーボードまたはマウスが備えられていません。dom0にローカルでログインするには、サーバーの1つのグラフィック・カード・ポートにモニターを取り付け、USBポートにキーボードおよびマウスを取り付けます(図1-2、コールアウト7)。シリアル・ポートでOracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)を使用することもできます。

デフォルトでは、Oracle Database Applianceは実行レベル3で実行されます。


関連項目:

Oracle Database Applianceのハードウェア・プラットフォームの詳細は、『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』を参照してください。

Oracle Database Appliance仮想化ステータスのチェック

ベンダーがOracle仮想マシン・イメージをOracle Database Applianceにプロビジョニングしている場合があります。作業を進める前に、Oracle仮想マシン・イメージについてテストしてください。これには、dom0にrootとしてパスワードwelcome1でログインし、コマンドxm listを入力します。出力を調べます(出力は次の例のように表示されます)。

[root@oak1 ~]# xm listName                                ID  Mem  VCPUs  State Time(s)Domain-0                             0 2039     24 r-----  496.1

Domain-0がName列に表示される場合、Oracle Database Applianceには必要なOracle仮想マシン・イメージが含まれています。仮想化されたソフトウェアのデプロイメントを進めることができます。このコマンドによって必要な出力が生成されない場合、またはエラーが生成される場合は、Oracle仮想マシン・イメージをインストールする必要があります。


注意:

Oracle仮想マシン・イメージをインストールする詳しい手順は、https://support.oracle.com/CSP/main/Article?cmd=show&type=NOT&id=1520579.1にあるノート1520579.1を参照してください。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのODA_BASEのサイズ設定

この項では、ODAベース・ドメイン(ODA_BASE)およびユーザー・ドメイン(domU)仮想マシン(図4-1)のサイズ設定について説明します。

ODA_BASEには、インストールするOracleソフトウェアのみが使用するCPUとメモリーが含まれます(「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの構成のデプロイ」を参照してください)。このアーキテクチャにより、ノード上の他のドメインのアクティビティがデータベースのパフォーマンスに影響することを防ぎます。ODA_BASEのサイズを設定するためにOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのサイズ設定テンプレートを使用することを強くお勧めします。使用可能なODA_BASEサイズ設定テンプレートと、各アプライアンス・ノードでのCPUサイズとメモリーの関連値は、次のリストを参照してください。

データベースを作成するとODA_BASEに格納されます。ODA_BASEの容量を超えないデータベース・テンプレートを選択する必要があります。このため、予期するデータベース・ワークロードまたは予定されるサイズ増大に最適なODA_BASEサイズ設定テンプレートを選択する必要があります。ただし、将来ニーズが変化した場合には変更できます。

ODA_BASEテンプレートと同じサイズ分類のデータベース・テンプレートを選択する必要はありません。たとえば、小サイズのODA_BASEテンプレートを使用して2つの極小サイズ・データベースをホストできます。また、大サイズのODA_BASEテンプレートを使用すると、1つの大サイズ・データベースと1つの小サイズ・データベースをホストしたり、1つの中サイズ・データベース、1つの小サイズ・データベースおよび2つの極小サイズ・データベースをホストしたりすることができます。

domUユーザー・ドメインはCPUプール(CPUPOOLS)を互いに共有できます。この機能が役立つのは、たとえば、2つのアプリケーションが1日の異なる時間帯にビジ―になる場合です。

ODA_BASEテンプレートを転送するネットワークの構成

次の手順を使用して、ODA_BASEをダウンロードするための初期ネットワーク接続を構成します。


注意:

このネットワーク構成は、最終イメージ構成時に置換される場合があります。

  1. 最低要件として、パブリック・ゲートウェイにアクセスできるイーサネット・ケーブルがeth2/eth3 (パブリック・インタフェースであるbond0)に取り付けられていることを確認します。参考には、図1-2を参照してください。

  2. コマンドoakcli configure firstnetを実行してネットワークを構成します。必要に応じてプロンプトに応答します。次に例を示します。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli configure firstnet
    

    出力結果は、次のようになります。

    Configure the network for the node(s)(local, global) [global]:  global
    The network configuration for both nodes:
    Domain Name: mydomain.dom
    DNS Server(s):  Primary DNS Server: 190.0.2.2
                   Secondary DNS Server:
    Node Name             Host Name
    0              mysystem1
    1              mysystem2
    Choose the network interface to configure (net1 , net2, net3, net4) [net1]: net1
    Configure DHCP on net1?(yes/no):no
           You have chosen static configuration on net1
           Enter the IP address for net1 on Node 0: 190.0.2.40
           Enter the IP address for net1 on Node 1: 190.0.2.41
           Netmask for net1: 255.255.252.0
           Gateway Address for net1 [144.25.212.1]: 
    Plumbing the IPs now for Node 0
    Restarting the network for Node 0
    Plumbing the IPs now for Node 0
    Restarting the network for Node 1
    :::::::::::::::::
    

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのODA_BASEのデプロイ

他のソフトウェアをデプロイするには、その前にODA_BASEテンプレートを仮想化されたOracle Database Applianceにデプロイする必要があります。これには、次のステップで説明するように、テンプレートを外部クライアントにダウンロードして、それをdom0にコピーしてから、Oracle Appliance Manager deploymentコマンドを実行する必要があります。

  1. ODA_BASEテンプレートをMy Oracle Supportから、接続している外部クライアントにダウンロードします。


    注意:

    ODA_BASEテンプレートの最新バージョンは、https://updates.oracle.com/download/16186172.htmlからダウンロードできます。

  2. scpコマンドを使用して、ODA_BASEテンプレートを外部クライアントからdom0にコピーします。

  3. テンプレートをdom0の/OVSディレクトリにコピーします。

  4. コマンドstartxを実行して、Oracle Appliance ManagerコンフィギュレータのためにX11 Windowマネージャを準備します。

  5. コマンド構文oakcli deploy oda_baseを使用し、プロンプトに応答してODA_BASEを両方のノードにデプロイします。ODA_BASEテンプレートが/OVSディレクトリにある場合、ダイアログは次の例のようになります。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy oda_base
    Enter the template location: /OVS/templateBuild-2012-12-22-12-05.tar.gz
    Core Licensing Options:
                    1. 2 CPU Cores
                    2. 4 CPU Cores
                    3. 6 CPU Cores
                    4. 8 CPU Cores
                    5. 10 CPU Cores
                    6. 12 CPU Cores
                    Selection [1 : 6] : 3
                    ODA base domain memory in GB (min 8, max 88)[default 48]  : 32
    Deployment in non local mode
    Running the command to copy the template /root/templateBuild-2012-12-22-12-05.tar.gz to node1
    

    このコマンドは、両方のノードでデプロイメント・プロセスを生成し、それぞれにイメージ・ファイルを抽出します。次に、両方のノードにIPアドレスを割り当て、Oracle Database Applianceベース・プールをそれぞれに作成し、oakDom1でドメインを起動するVM構成データを書き込みます。最後に、各ノードでOracle Database Applianceベースを起動します。


    注意:

    oakcli deploy oda_baseコマンドによって、dom1 grub構成ファイル/OVS/Repositories/odabaseRepo/VirtualMachines/oakDom1/tmpmnt/boot/grub/grub.confが変更されます。

  6. ODA_BASEのデプロイメントが有効であることを確認するには、xm listコマンドを入力します。出力を調べて、次の例のようにName列に値Domain-0oakDom1が含まれることを確認します。

    [root@oak1 ~]# xm listName                             ID   Mem  VCPUs  State    Time(s)Domain-0                          0  2039     24 r-----  119879.5
    oakDom1                           1 49152     12 r-----    1969.7
    

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの構成のデプロイ

Oracle Database Applianceの構成をデプロイするために、既存の構成ファイルを使用することも、構成ファイルをその場で作成することもできます。まず、VNCを使用してdom1に接続し、「Hostname」にdom0、「Port」に5900を指定します。次に、コマンドstartxを実行して、Oracle Appliance ManagerコンフィギュレータのためにX11 Windowマネージャを準備します。

使用する構成ファイルが外部クライアントにある場合は、まずアプライアンスのODA_BASEにそのファイルをコピーする必要があります。dom0にログインしているため、コピーには2つのステップが必要です。最初に、scpコマンドを使用して構成をdom0にコピーします。次に、内部IPアドレス192.168.16.27を指定してscpコマンドを入力し、dom0からODA_BASEにコピーします。

既存の構成ファイルを使用してデプロイメントを開始するには、次のようなコマンドを入力します。

# /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy -conf <path_name>/onecommand.param

ここで、path_nameは構成ファイルを含むディレクトリのフル・パス名、onecommand.paramは構成ファイルのデフォルト名です(このデフォルト名を使用しなかった場合は、実際のファイル名で置き換えます)。

すぐに構成とデプロイメントを開始するには、次のコマンドを入力します。

# /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy

その後、Oracle Appliance Managerコンフィギュレータの画面で設定を行います(第2章を参照)。コンフィギュレータの「Summary」ページで「Install」オプションを選択して、デプロイメントを完了します。


注意:

Oracle Appliance Manager のコンフィギュレータの「Welcome」ウィンドウが正常に開かない場合は、VNCウィンドウでDISPLAY変数を設定します。

デプロイメントが両方のノードで完了すると、「Oracle Database Appliance Deployment successful.」というメッセージが表示されます。


注意:

インストール時に問題が発生した場合は、Node 1 (System Controller 0)から/opt/oracle/oak/onecmd/cleanupDeploy.plコマンドを実行できます。

このコマンドにより、サーバーがデプロイ前の状態に戻ります。これにより、デプロイを再実行できるようになります。

デプロイの再初期化の詳細は、次を参照してください。

Oracleソフトウェアのアンインストールおよびストレージの再初期化


Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・コンポーネントの管理

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームではOracle VM Managerはサポートされません。表4-1のOracle Appliance Manager (OAKCLI)コマンドを使用して、仮想マシンのインスタンスとテンプレートを管理します。

表4-1 OAKCLIユーティリティのコマンド

コマンド 説明

oakcli clone vm

仮想マシン・テンプレートをクローニングします。

oakcli configure cpupool

CPUプールを構成して、コアを仮想マシンにマッピングします。

oakcli configure vm

仮想マシンを構成します。

oakcli configure vmtemplate

仮想マシン・テンプレートを構成します。

oakcli delete vm

仮想マシンを削除します。

oakcli delete vmtemplate

仮想マシン・テンプレートを削除します。

oakcli import vmtemplate

仮想マシン・テンプレートをインポートします。

oakcli show cpupool

コアと仮想マシンのマッピング情報を表示します。

oakcli show vm

仮想マシンの情報を表示します。

oakcli show vmtemplate

仮想マシン・テンプレートの情報を表示します。

oakcli start vm

仮想マシンを起動します。

oakcli stop vm

仮想マシンを停止します。



注意:

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、テンプレートのインポートのみがサポートされます。


関連項目:

OAKCLIコマンドの詳しい構文とすべてのリストは、付録D「Oracle Database Appliance Manager (OAKCLI)リファレンス」を参照してください。


関連項目:

Oracle VMリリース3.2.1のドキュメントは、http://docs.oracle.com/cd/E35328_01/index.htmlを参照してください。