データ・ロードおよび次元構築の理解

この項の内容:

はじめに

データ・ロードおよび次元構築のプロセス

データ・ソース

ルール・ファイル

ルール・ファイルが必要な場合および不要な場合

ルール・ファイルを必要としないデータ・ソース

セキュリティとマルチユーザーに関する考慮事項

この章の情報は、ブロック・ストレージ・データベースおよび集約ストレージ・データベースに適用されます。集約ストレージ・データベースではいくつかのルール・ファイル・オプションとデータ・ソースの要件が異なるため、集約ストレージ・データベースの準備も参照してください。

はじめに

Essbaseデータベースには、次元、メンバーおよびデータ値が含まれます。

  • データ・ロードは、Microsoft ExcelスプレッドシートやSQLデータベースなどのデータ・ソースからEssbaseデータベースにデータ値を追加するプロセスです。データ・ソースが完全にフォーマットされていない場合、データ値をロードするにはルール・ファイルが必要になります。

  • 次元構築は、データ・ソースとルール・ファイルを使用してEssbaseデータベースのアウトラインに次元とメンバーをロードするプロセスです。アウトライン・エディタを使用して手動で次元とメンバーを追加することもできます。

データ・ロードおよび次元構築のプロセス

Essbaseデータベースにデータ値や次元およびメンバーをロードするには:

  1. データ・ソースを設定します。

    ルール・ファイルを使用しない場合は、Essbaseの外部のデータ・ソースを設定する必要があります。データ・ソースを参照してください。

  2. 必要な場合は、ルール・ファイルを設定します。

    ルール・ファイルを参照してください。

  3. データ・ロードまたは次元構築を実行します。

    データ・ロードまたは次元構築の実行およびデバッグ。を参照してください。

データ・ソース

データ・ソースには、Essbaseデータベースにロードする情報が含まれています。データ・ソースに含まれる情報は、次のとおりです:

  • データ値

  • メンバー情報(メンバー名、メンバーの別名、式、集計プロパティなど)

  • 世代名とレベル名

  • 通貨名とカテゴリ

  • データ・ストレージ・プロパティ

  • 属性

  • UDA

次の項では、各種のデータ・ソースの構成要素について説明します。

サポートされるデータ・ソース

Essbaseでは、次のデータ・ソース・タイプがサポートされます:

  • テキストのバックアップまたは外部ソースにあるテキスト・ファイル(フラット・ファイル)

  • SQLデータ・ソース

  • Essbaseエクスポート・ファイル(エクスポート・ファイルの場合、ロードにルール・ファイルは不要)

  • Microsoft Excelスプレッドシート・ファイル

  • スプレッドシートの監査ログ・ファイル

  • Oracle Business Intelligence Enterprise Edition

注:

Essbaseでスプレッドシート・ファイルを使用してデータのロードやアウトラインの構築を行うには、使用するツールにかかわらず、スプレッドシート・ファイルがWindowsコンピュータ上に置かれている必要があります。UNIXコンピュータ上のスプレッドシート・ファイルや、FTP経由でUNIXコンピュータに転送されたスプレッドシート・ファイルはサポートされません。Essbase管理サーバーがUNIXコンピュータにインストールされている場合、クライアント側のスプレッドシート・ファイルからのデータ・ロードや次元の構築はサポートされません。

ルール・ファイル、データ・ロードおよび次元の構築のエラーを避けるには、Microsoft Excelデータ・ソース・ファイルでフォーマットを削除します。たとえば、Excelで色を「自動」、「塗りつぶしなし」に設定し、太字や斜体などのフォント設定を削除します。

データ・ソース内のアイテム

図62に示すように、データ・ソースはレコード、フィールドおよびフィールド区切り記号からなります。

  • レコードとは、関連フィールドの行を構造化したものです。

  • フィールドとは、個々の値のことです。

  • 区切り記号は、フィールドが完結しており、レコード内の次の文字から別のフィールドになることを示しています。

Essbaseでは、データ・ソースの読取りは上から下、左から右へと行われます。

図 62. レコードとフィールド

この図は、この図の前のテキストで説明されている、データ・ソース内のレコードとフィールドの概念を示しています。

図63に示すように、データ・ソースには、次元フィールド、メンバー・フィールド、メンバーの組合せフィールドおよびデータ・フィールドがあります。

図 63. フィールドの種類

この図は、この図の前のテキストで説明されている、フィールドの種類を示しています。
  • 次元フィールドは、市場など、データベースの次元を識別します。次元フィールドを使用して、Essbaseにデータ・ソース内の次元の順序を指示します。図63では、たとえば、「Market」、「Product」、「Year」、「Measures」および「Scenario」の次元フィールドがあります。「Market」列のフィールド(「Texas」など)は「Market」次元のメンバー、「Product」列のフィールド(「100-10」など)は「Product」次元のメンバーになります。次元フィールドはデータ・ソース内に設定することもできますが、通常はルール・ファイル内に定義します。

  • メンバー・フィールドは、指定した次元のメンバーまたはメンバーの組合せを識別します。メンバー・フィールドを使用して、Essbaseに新しいデータ値をマッピングするメンバーや、アウトラインに追加するメンバーを指示します。図63では、たとえば、「Texas」、「100-10」、「Jan」、「Sales」および「Actual」がメンバー・フィールドになります。

  • データ・フィールドには、データベースのメンバーの交差にロードされるデータ値(数値)が含まれます。各データ値は、次元の交差にマッピングされている必要があります。図63では、たとえば、「42」は「Texas」、「100-10」、「Jan」、「Sales」および「Actual」の交差に対応するデータ値です。

    ヘッダーと個々のレコード内に情報を指定できます。次の例では、100は、Jan、Actual、Cola、EastおよびSalesの交差に対応するデータ値です。200は、Jan、Actual、Cola、WestおよびSalesの交差に対応するデータ値です。

                Jan, Actual
    Cola  East  Sales  100
    Cola  West  Sales  200
    Cola  South  Sales  300
             

データ・フィールドは、データ・ロードに対してのみ使用されます。次元構築では、データ・フィールドは無視されます。

次の項では、データ・ソース内の各アイテムについて説明します。

有効な次元フィールド

データ・ロードでは、データ・ソースでEssbaseデータベース内のすべての次元が識別されない場合、ルール・ファイルで欠落した次元を識別する必要があります。たとえば、Sample.Basicデータベースには年次元があります。複数の地域から月番号を持つ複数のデータ・ソースを生成する場合、月自体はデータ・ソース内に指定されていないことがあります。この場合は、データ・ソースのヘッダーまたはルール・ファイルに月を指定する必要があります。ヘッダー・レコードの定義を参照してください。

次元フィールドには、有効な次元名を含める必要があります。次元構築を実行しない場合は、その次元がすでにデータベース内に存在している必要があります。次元構築を実行する場合、新しい次元名を指定できますが、この名前はルール・ファイルに指定する必要があります。

有効なメンバー・フィールド

メンバー・フィールドには、有効なメンバーの名前または別名を含めることができます。図63では、たとえば、「Texas」と「Ohio」は「Market」次元の有効なメンバーです。空のメンバー・フィールドは、以前のレコードのメンバー名を継承します。データ・ソースの各メンバー・フィールドとデータベースのメンバーのマッピングをEssbaseに指示する必要があります。

有効なメンバー・フィールドにするには、次の基準を満たしている必要があります:

  • メンバー・フィールドには、有効なメンバー名またはメンバー・プロパティを入力するか、継承させる必要があります。データ・ソースを使用したメンバー・プロパティの操作を参照してください。次元構築を実行しない場合、そのメンバーはすでにアウトライン内に存在している必要があります。次元構築を実行する場合は、新しいメンバーを指定できます。

  • データ・ソースまたはルール・ファイルのいずれかで、各メンバー・フィールドをどの次元にマッピングするかを指定する必要があります。

  • メンバー・フィールドは、1つのメンバー名(年次元のメンバーであるJanなど)またはメンバーの組合せ(年次元およびシナリオ次元のメンバーであるJan、Actualなど)にマッピングできます。

  • ファイル区切り記号と同じ文字が含まれるメンバー名は二重引用符で囲む必要があります。たとえばデータ・ソースの区切り記号がスペースの場合、"New York"のようにスペースが含まれるメンバー名は二重引用符で囲みます。ルール・ファイルなしでデータ・ロードを実行する場合は、その他の文字が含まれるメンバー名も引用符で囲む必要があります。ルール・ファイルを必要としないデータ・ソースを参照してください。

ルール・ファイルを使用しない場合、空の次元およびメンバー・フィールドが有効になります。Essbaseでは、ルール・ファイルなしでデータ・ロードを実行する際に空の次元またはメンバー・フィールドが検出された場合、その次元またはメンバーの列で最後に検出された次元またはメンバー名が使用されます。

注:

データ・ロードのデータ・ソース内の各レコードの処理中、Essbaseでは、メンバー・フィールドに指定されたメンバーが次元フィールドに指定された次元に属しているかどうかは確認されません。Essbaseによって、レコード内のメンバーの組合せで識別されるデータ・セルにデータ値がロードされます。図63では、たとえば、2番目のレコードで「Jan」と「Sales」が反転した場合(「Texas, '100-10', Sales, Jan, Actual, 42」)、Essbaseによって正しいデータ・セルに「42」がロードされます。ただし、次元の参照方法としてルール・ファイルが設定されているフィールドは例外です。

有効なデータ・フィールド

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。次元構築時は、データ・フィールドは無視されます。

データ・ソースまたはルール・ファイルには、Essbaseに各データ値の配置先を判断させるために十分な情報が含まれている必要があります。データ・フィールドには、データベース内の交差に入るデータ値が含まれます。図63では、たとえば、「42」はデータ・フィールドです。これは、1月のテキサスにおけるコーラ(100-10)のドル建ての売上高です。

Essbaseでは、表38に示すように、データ・フィールドには間にスペースや区切り記号のない数字と修飾子、およびテキスト文字列#MIと#MISSINGが入ります。

表 38. 有効なデータ・フィールド修飾子

有効な修飾子

通貨記号:

  • ドル($)

  • ユーロ この図は、ユーロの記号です。

  • 円(¥)

$12は有効な値です。

$ 12は、ドル記号と12の間にスペースがあるため無効な値です。

負の値を示す、丸かっこで囲まれた数字

(12)

数字の前のマイナス符号。数字の後ろのマイナス符号は無効。

-12

小数点

12.3

桁数の多い数字(カンマありまたはカンマなし)

1,345,218と1345218は有効な値です。

欠落値または不明な値を表す#MIまたは#MISSING

空のフィールドへのテキストの配置を参照してください。

データ・ソースに各次元のメンバー・フィールドとデータ値を含むフィールドが1つ含まれる場合、このデータ値を含むフィールドをデータ・フィールドとしてルール・ファイル内に定義する必要があります。たとえば、次のデータ・ソースをSample.Basicデータベースに読み込むには、最後のフィールドをデータ・フィールドとして定義します。

      Jan    Cola    East    Sales    Actual    100
Feb    Cola    East    Sales    Actual    200
   

  データ・フィールドを定義するには、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』のデータ・フィールドとしての列の定義に関する項を参照してください。

データ・ソース内にデータ値の空白フィールドが含まれる場合、#MIまたは#MISSINGで置き換えます。データ・フィールドに値が入っていない場合(または値が#MISSINGの場合)、Essbaseではデータベース内の既存のデータ値は変更されません。Essbaseによって現在の値が空の値で置き換えられることはありません。

有効な区切り記号

フィールド間は区切り記号で区切る必要があります。ルール・ファイルなしでデータをロードする場合、フィールドの区切り記号としてスペースを使用する必要があります。

ルール・ファイルを使用する場合は、区切り記号として次のいずれかを使用できます:

  • タブ(デフォルト)

  • スペース

  • 改行

  • キャリッジ・リターン

  • カンマ

余分な区切り記号(ルール・ファイルを使用しない場合)

ルール・ファイルなしでロードされたデータ・ソースでは、Essbaseにより余分な区切り記号は無視されます。次の例では、フィールドがスペースで区切られています。Essbaseではフィールド間の余分なスペースは無視されます。

      East   Cola   Actual   Jan   Sales   10
East   Cola   Actual   Feb   Sales   21
East   Cola   Actual   Mar   Sales   30
   
余分な区切り記号(ルール・ファイルを使用する場合)

ルール・ファイルを使用してロードされたデータ・ソースでは、Essbaseによって余分な区切り記号が空フィールドとして読み取られます。たとえば、ルール・ファイルを使用して次のファイルをSample.Basicデータベースにロードしようとした場合、失敗します。Essbaseでは、最初のレコードのEastとColaの間の余分なカンマが余分なフィールドとして読み取られます。このため、EssbaseではColaがフィールド3に入ります。しかし、次のレコードでは、Colaはフィールド2に入っています。Essbaseではこの場合、Colaはフィールド3に入る必要があると見なされるので、データ・ロードが停止します。

      East,,Cola,Actual,Jan,Sales,10
East,Cola,Actual,Feb,Sales,21
East,Cola,Actual,Mar,Sales,30
   

問題を解決するには、データ・ソースから余分な区切り記号を削除します。

有効なフォーマット用文字

Essbaseでは、データ・ソース内の一部の文字がフォーマット用文字としてのみ認識されます。Essbaseでは表39にない文字は無視されます。

表 39. 有効なフォーマット用文字

フォーマット用文字

説明

==

二重の下線などを表す複数の等号

--

一重の下線などを表す複数のマイナス符号

_ _

複数のアンダースコア

==

複数のIBM PCグラフィック二重下線(ASCII文字205)

_ _

複数のIBM PCグラフィック一重下線(ASCII文字196)

無視されるフィールドは、データ・ロードまたは次元構築に影響を与えません。

たとえば、Essbaseでは次のデータ・ソース内の等号は無視され、その他のフィールドのみが正常にロードされます。

      East  Actual  "100-10"
      Sales   Marketing
      =====   =========
Jan   10      8
Feb   21      16
   

ルール・ファイル

ルールには、Essbaseでのデータ・ソース処理時に、データ値または次元およびメンバーに対して実行される操作が定義されます。ルールを使用して、データ値のEssbaseデータベースへのマッピングや、次元およびメンバーのEssbaseアウトラインへのマッピングを実行できます。

図 64. ルール・ファイルを使用したデータ・ソースのロード

この図は、ルール・ファイルを使用してデータ・ソースをロードするプロセスを示しています。RAWデータ・ファイルはルール・ファイルによって読み取られ、ルール・ファイルはRAWデータに対して操作を実行し、処理されたデータはEssbaseデータベースに保管されます。

ルールはルール・ファイルに保管されます。ルール・ファイルには、使用する構築方法、データ値やメンバーをソートするかランダムな並び順のままにするか、およびデータ値やメンバーをロードする前に変換する方法が定義されます。次元ごとに別々のルール・ファイルを作成することをお薦めします。

Essbaseにより、データ・ソースのデータ値またはメンバーが読み込まれ、ルール・ファイルに指定されたルールに基づいて変更が加えられます。さらに、変更されたデータ値がデータベースに、変更されたメンバーがアウトラインにロードされます。Essbaseではデータ・ソースは変更されません。ルール・ファイルは、同じルール・セットを必要とする任意のデータ・ソースで再利用できます。

次元構築ルール・ファイルを作成した後、次元更新プロセスを自動化する場合があります。ESSCMDの使用。を参照してください。

ルール・ファイルが必要な場合および不要な場合

ルール・ファイルは、データ・ソースがデータベースに完全にマッピングされないか、または次のいずれかのタスクを実行する場合に必要となります:

  • SQLデータ・ソースからのデータのロード

  • 次元の構築

    • 次元およびメンバーをデータベースに追加する場合

    • データベース内の既存の次元およびメンバーを変更する場合

  • 次のいずれかの場合を含む、データの変更:

    • データ・ソース内のフィールドまたは文字列を無視する場合

    • フィールドを移動、結合、分割または作成して、フィールドの順序を変更する場合

    • 文字列を変更して、データ・ソース内のデータをデータベースにマッピングする場合

    • データ値をスケーリングしたり、データ値をデータ・ソース内の既存のデータ値に追加して、データ・ソース内のデータ値を変更する場合

    • 欠落している値に対してヘッダー・レコードを設定する場合

    • 無効なレコードを除外してデータ・ロードを続行する場合

データ・ロードを実行し、データ・ソースがデータベースに完全にマッピングされる場合、ルール・ファイルは不要です。ルール・ファイルを必要としないデータ・ソースを参照してください。

注:

ルール・ファイルを使用する場合、ルール・ファイル内の各レコードのフィールド数が一致する必要があります。データ・ソース内の欠落フィールドの処理を参照してください。

ルール・ファイルを必要としないデータ・ソース

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。

データ・ソース内のデータ値をデータベースにロードするために必要なすべての情報がデータ・ソース内に含まれている場合、このデータ・ソースを直接、フリーフォームのデータ・ロードでロードできます。

データ値を正常にロードするには、Essbaseにより、データ値の前に、各次元のメンバーが1つずつ検出される必要があります。たとえば、図63では、「Texas」、「100-10」、「Jan」、「Sales」および「Actual」の各メンバーとともに、データ値「42」がEssbaseによってデータベースにロードされます。各次元のメンバーが指定される前にEssbaseでデータ値が検出された場合、データ・ソースのロードは停止します。

完全にマッピングするには、データ・ソースに次の項目のみが含まれ、他の項目が含まれないようにします:

  • 各次元の有効なメンバーを1つ以上。メンバー名に次のいずれかの文字が含まれる場合、メンバー名を引用符で囲む必要があります:

    • スペース

    • 数字(0-9)

    • ダッシュ(マイナス符号、ハイフン)

    • プラス符号

    • アンパサンド(&)

      ルール・ファイルを使用しないでデータ・ロードを実行する場合、Essbaseにより無効なメンバー・フィールドが検出されると、データ・ロードが停止します。Essbaseでは、無効なフィールドより前の読込み済のフィールドはすべてデータベースにロードされます。つまり、データ値の一部のみがロードされることになります。次元構築およびデータ・ロードのエラー・ログのロードを参照してください。

  • 1つ以上の有効なデータ値。有効なデータ・フィールドを参照してください。

    データ・ソースにデータ値の空白フィールドが含まれる場合、空白フィールドを#MIまたは#MISSINGで置き換えます。そうしないと、データ値が正常にロードされない可能性があります。

  • 有効な区切り記号。有効な区切り記号を参照してください。

データ・ソース内のフィールドが、Essbaseに読み取られる順にフォーマットされている必要があります。レコードの最も簡単なフォーマットでは、次に示すように、各次元のメンバー1つとデータ・フィールド1つを含めます:

      Sales "100-10" Ohio Jan Actual 25
Sales "100-20" Ohio Jan Actual 25
Sales "100-30" Ohio Jan Actual 25
   

正常にフォーマットされていないデータ・ソースは、ロードされません。データ・ソースをテキスト・エディタで編集して、問題を修正できます。多くの修正(複数のフィールドおよびレコードの移動など)が必要な場合は、ルール・ファイルを使用してデータ・ソースをロードすることを検討してください。ルール・ファイルを参照してください。

次の項では、フリーフォームのデータ・ソースのより複雑なフォーマット方法について説明します。

メンバー・フィールド範囲のフォーマット

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。

メンバー名を次元内の範囲として表現できます。たとえば、SalesとCOGSはメジャー次元内の範囲になります。メンバー名の範囲を使用して、一連の値を処理できます。

データ・ソースには、同時に複数の次元の範囲を含めることができます。次の例では、JanとFebが年次元の範囲、SalesとCOGSがメジャー次元の範囲になります。

      
Actual   Texas   Sales   COGS
           Jan   Feb   Jan   Feb
"100-10"   98    89    26    19
"100-20"   87    78    23    32
   

Salesは先頭の2列に対して、COGSは末尾の2列に対して、それぞれ定義されています。

次の項では、他のタイプの範囲について説明します。

範囲の自動設定

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。

Essbaseにより、間にデータ・フィールドを挟まないで同じ次元のメンバーが複数検出された場合、その次元の範囲が設定されます。この範囲は、Essbaseで同じ次元の別のメンバー名が検出されるまで有効です。同じ次元の別のメンバー名が検出されると、この範囲はEssbaseによって新しいメンバー範囲で置き換えられます。

次の例には、年次元のJanからFebの範囲が含まれています。EssbaseでMarのような別のメンバー名が検出されるまで、この範囲は有効です。EssbaseでMarが検出されると、範囲がJan、Feb、Marに変わります。

      Texas   Sales
                    Jan   Feb   Mar
Actual   “100-10"   98    89    58
         “100-20”   87    78    115
   

範囲外のデータ値の処理

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。

Essbaseによってメンバー名の範囲が検出されると、対応するデータ値の範囲が存在するものと見なされます。データ値がメンバー範囲にない場合、データ・ロードは停止します。Essbaseにより、無効なフィールドの前に読み込まれたすべてのデータがデータベースにロードされます。このため、部分的なデータ・ロードになります。

次の例では、データ・フィールドの数が、定義されたメンバー範囲内のメンバー・フィールドの数より多くなっています。データ・ロードは、10データ・フィールドに達した時点で停止します。Essbaseにより100および120のデータ・フィールドがデータベースにロードされます。

      Cola   Actual   East
        Jan   Feb
Sales   100   120   10
COGS    30    34    32
   

ロードを再開する方法については、次元構築およびデータ・ロードのエラー・ログのロードを参照してください。

範囲内の重複メンバーの解釈

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。

ソース・データ内に範囲を構築して、Essbaseで範囲が正しく解釈されるようにします。ある範囲内に同じメンバーが1回以上含まれる場合、Essbaseでは重複は無視されます。

次の例に示すのは、Actual、Budget、Sales、およびBudgetと2つの範囲(ActualからBudgetとSalesからCOGS)の重複メンバーです。EssbaseではActual、Budget、SalesおよびCOGの重複インスタンスは無視されます(たとえば、例の2行目の、2番目のActualと2番目のActualは無視されます):

      
Cola   East
      Actual   Budget   Actual   Budget
      Sales   Sales   COGS   COGS
Jan   108     110     49     50
Feb   102     120     57     60
   

最初の範囲の最初のメンバーであるActualでは、Essbaseにより2番目の範囲の各メンバー(SalesとCOGS)にデータ値がマッピングされます。Essbaseでは次に、最初の範囲の2番目の値であるBudgetでも、同様に2番目の範囲の各メンバーに値がマッピングされます。結果として、Essbaseではファイルは次のように解釈されます:

      Cola   East
      Actual         Budget
      Sales   COGS   Sales   COGS
Jan   108     110    49      50
Feb   102     120    57      60
   

複数の範囲の読取り

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。

Essbaseでは、ファイルのスキャンの際、一番最後に検出されたデータ値の範囲が最初に処理されます。この例には、ActualとBudget、SalesとCOGSの2つの範囲が含まれています。左から右、上から下へファイルが読み取られる際、Essbaseでは最初にActualとBudgetの範囲が検出され、次にSalesとCOGSの範囲が検出されます。SalesとCOGSの範囲は2番目に検出されるので、EssbaseではデータベースのSalesとCOGSの部分にあるデータ・フィールドが最初に配置されます。

列のフォーマット

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。

ファイルには、フィールドの列を含めることができます。Essbaseでは、対称列または非対称列のデータのロードがサポートされます。

対称列

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。次元構築を実行するには、ルール・ファイルが必要です。

対称列の下には、同数のメンバーがあります。次の例では、各次元列の下に、メンバーの列が1つあります。たとえば、製品の下に1列(100-10と100-10)、市場の下に1列(TexasとOhio)があります。

      
Product    Measures   Market    Year   Scenario   
"100-10"   Sales      Texas    Jan    Actual     112
"100-10"   Sales      Ohio     Jan    Actual     145
   

JanおよびFebの下には同数のメンバーがあるため、次のファイルにおける列も対称列です。

                                       Jan               Feb
                           Actual   Budget   Actual   Budget
"100-10"   Sales   Texas   112      110      243      215
"100-10"   Sales   Ohio    145      120      81       102
   

非対称列

次元構築を実行する場合、この項はスキップします。

非対称列では、その下のメンバー数が異なっています。次の例のJan列とFeb列は非対称列です。これは、Janの下の列数が2列(ActualとBudget)、Febの下の列数が1列(Budget)のためです:

                                 Jan      Jan      Feb
                           Actual   Budget   Budget
"100-10"   Sales   Texas   112      110      243
"100-10"   Sales   Ohio    145      120      81
   

ファイル内に非対称列が含まれている場合は、各列に適切なメンバー名のラベルを付加します。

この例は、ActualとBudgetにJanラベルが付加されているので有効です。Essbaseでは、両方の列がJanにマッピングされることがわかります。

次の例は、列ラベルが不十分なので無効です。Actual列とBudget列にJanラベルを付加する必要があります。

                                 Jan               Feb
                           Actual   Budget   Budget
"100-10"   Sales   Texas   112      110      243
"100-10"   Sales   Ohio    145      120      81
   

セキュリティとマルチユーザーに関する考慮事項

Essbaseでは、複数ユーザーが同時にデータベースの読取りおよび更新を実行できます。このためユーザーは、データベースを使用しながら、次元構築、データ・ロード、データベースの計算などを動的に実行できます。マルチユーザー環境では、EPM Systemセキュリティ・モードでのユーザーの管理およびセキュリティで説明するセキュリティ・システムを使用して、Essbaseによりデータが保護されます。

  • セキュリティの問題

    セキュリティ・システムにより、無許可のユーザーによるデータベースの変更が防止されます。データベースへの書込みアクセスを持つユーザーのみが、データ値のロード、またはデータベースへの次元およびメンバーの追加を実行できます。書込みアクセスはグローバルに、またはフィルタを使用して提供できます。

  • マルチユーザー・データ・ロードの問題

    複数のユーザーがデータベースに接続しているときも、データ値をロードできます。Essbaseでは、マルチユーザーの問題を処理するため、ブロックのロック・スキームが採用されています。ユーザーがデータ値をロードすると、Essbaseにより次の処理が行われます:

    • ロード先ブロックがロックされます。これにより、このブロックへの書込みができなくなります。

      Essbaseのトランザクション設定については、データの整合性の確保を参照してください。トランザクション設定では、ロックされたブロックに対する読取り専用アクセスを他のユーザーが取得するかどうかを特定したり、ロックされたブロックが解放されるまでEssbaseが待機する時間を決定します。

    • そのブロックが更新されます。

      更新が完了した時点でEssbaseによってブロックが解除されるか、またはデータ・ロード全体が完了した後にブロックが解除されるかについては、データ・ロックを参照してください。

  • マルチユーザーの次元構築の問題

    他のユーザーがデータベースの読取りや書込みを実行している間は、次元を構築できません。次元の構築が完了すると、Essbaseによりアウトラインが再構築され、再構築の操作が完了するまでデータベースがロックされます。