この項の内容:
パーティションを作成すると、パーティション内の各データベースでは、パーティション定義ファイルを使用して、パーティションのデータ・ソース、データ・ターゲット、共有する領域などパーティションに関するすべての情報が記録されるようになります。パーティションを作成するには、データベース・マネージャ以上の権限が必要です。
パーティションの作成が完了したら、パーティションが含まれるデータベースをロードし、計算します。パーティションのロードと計算を実行するには、既存のルール・ファイルと計算スクリプトの変更が必要になる可能性があります。データ・ロードおよび次元構築の理解とEssbaseデータベースの計算。を参照してください。
データ・ソースとデータ・ターゲットを定義します。その一環として、ソース・アプリケーションおよびデータベース、ターゲット・アプリケーションおよびデータベース、さらにそれぞれの場所を指定します。パーティション・タイプごとのサポートされているブロック・ストレージおよび集約ストレージのデータ・ソースとデータ・ターゲットの組合せについては、データ・ソースとデータ・ターゲットを参照してください。
データ・ソースとデータ・ターゲットを設定するには:
データ・ソースおよびデータ・ターゲットのアプリケーションとデータベースの名前を指定します。
Oracle Essbase Administration Services Online Helpの「パーティションの接続情報の指定」を参照してください。
データ・ソースとデータ・ターゲットが置かれているEssbaseサーバーの場所を指定します。
Oracle Essbase Administration Services Online Helpの「パーティションの接続情報の指定」を参照してください。
データ・ソースやデータ・ターゲットの名前にネットワーク別名を使用する場合は、使用しているシステム上のすべてのコンピュータに別名を適用する必要があります。それ以外の場合は、完全サーバー名を使用します。
システム上のすべてのコンピュータに別名を適用するには、使用しているオペレーティング・システムのhostsファイルを編集します(このためにはrootの権限か管理権限が必要です):
Windows: %WINDIR%/system32/drivers/etc/hosts
UNIX: /etc/hosts
次の構文を使用して、hostsファイルにエントリを追加します:
IP_address hostname . domainname alias [ alias ]
172.234.23.1 myhost.mydomain abcdefg.hijk.123
オプション: データ・ソースまたはデータ・ターゲットを説明するノートを入力します。
Oracle Essbase Administration Services Online Helpの「パーティションの接続情報の指定」を参照してください。
デフォルトでは、アウトラインの同期の際、データ・ソースのアウトラインへのすべての変更内容はデータ・ターゲットのアウトラインに上書きされます。反対に、データ・ターゲットのアウトラインへの変更内容でデータ・ソースのアウトラインが上書きされるように指定することもできます。
アウトラインの同期化を参照してください。
データ・ソースとデータ・ターゲットで使用するEssbaseのユーザー名とパスワードを指定する必要があります。データ・ソースとデータ・ターゲットで共通のユーザー名とパスワードを使用する必要があります。Essbaseでは、このユーザー名とパスワードを使用して、次の作業が行われます:
パーティション・データベースのセキュリティを参照してください。
パーティション内のデータ・ターゲットと共有するように、データ・ソース内の領域を定義または編集できます。領域はデータベース内のサブキューブであり、1つ以上の領域で構成されるパーティションです。たとえば、東部地区の実績データの最下位レベルにあるすべてのメジャーを1つの領域ととらえることができます。
複製領域を定義するときは、データ・ソースとデータ・ターゲットのセル数を揃えてください。2つのパーティションの形状は一致している必要があります。たとえば、データ・ソース内の領域に18個セルがある場合、これらの値を配置するため、データ・ターゲット内の領域にも18個セルが必要です。属性次元のセルはセル数にはカウントされません。
パーティション領域定義内で代替変数を使用すると、異なる時間の異なるデータを共有できる柔軟性が得られます。パーティション定義での代替変数を参照してください。
パーティションを作成するには、Essbaseで、データ・ソースのすべての共有メンバーをデータ・ターゲットのメンバーにマッピングできる必要があります。パーティションのメンテナンスの要件(特にパーティションがメンバー属性に基づいている場合)を減少させるため、データ・ソースのメンバー名とデータ・ターゲットのメンバー名を同一にすることをお薦めします。
データ・ソースとデータ・ターゲットのメンバー数が同じで、同じメンバー名を使用している場合は、Essbaseで自動的にメンバーのマッピングが行われます。ユーザーは、パーティションを検証し、保存して、テストするだけで済みます。Essbaseでメンバーのマッピングが自動的に行われない場合は、手動でマッピングする必要があります。
次のいずれかの方法を使用して、データ・ソースのメンバーをデータ・ターゲットのメンバーにマッピングします:
マッピングの指定では、メンバー名の代替変数を使用できます。パーティション定義での代替変数を参照してください。 |
メンバーをマッピングする方法については、Oracle Essbase Administration Services Online Helpの「パーティションでのグローバル・マッピングの定義」を参照してください。
データ・ソースのアウトラインとデータ・ターゲットのアウトラインに含まれるメンバーが異なる場合や、各アウトラインに含まれるメンバーの名前が異なる場合は、データ・ソースのメンバーをデータ・ターゲットのメンバーにマッピングする必要があります。次の例では、1番目と2番目のメンバー名は同じですが、3番目のメンバー名が異なっています:
Source Target Product Product Cola Cola Year Year 1998 1998 Market Market East East_Region
データ・ソースのEastはデータ・ターゲットのEast_Regionに対応することがわかっているので、EastをEast_Regionにマッピングします。すると、データ・ターゲット内のEast_Regionの参照がすべてデータ・ソース内のEastをポイントするようになります。たとえば、データ・ソース内のCola、1998、Eastのデータ値が15の場合、データ・ターゲット内のCola、1998、East_Regionのデータ値は15になります。
データ・ソースとデータ・ターゲットに含まれる次元数が異なっている場合があります。ここでは、データ・ソースのアウトラインにデータ・ターゲットのアウトラインより多くの次元が含まれている例を紹介します:
Source Target Product Product Cola Cola Market Market East East Year 1999 1998 1997
年次元のメンバー1997は、データ・ターゲットのVoidにマッピングできます。最初にデータ・ターゲットと共有するデータ・ソースの領域を定義します:
Source Target @DESCENDANTS(Market), 1997 @DESCENDANTS(Market)
次に、データ・ソースのメンバーをデータ・ターゲットのVoidにマッピングします:
Source Target 1997 Void
Voidは自動で表示されます。Voidを手動で入力するとエラーになる可能性があります。
追加の次元のメンバーが、領域定義に1つも含まれていない場合には、パーティションの検証を試みたときに、エラー・メッセージが表示されます。
追加の次元のメンバーをマッピングすると、結果のパーティションにはマッピングされたメンバーのデータのみが反映されます。この例の場合、年次元には1999、1998、1997の3つのメンバーがあります。データ・ソースのメンバー1997をデータ・ターゲットにマッピングすると、結果のパーティションに1997年の製品データと市場データが反映されます。1998年と1999年の製品および市場データは抽出されません。 |
次の例は、データ・ターゲットが、データ・ソースよりも多くの次元を含むケースを示しています:
Source Target Product Product Cola Cola Market East Year Year 1997 1997
このようなケースでは、最初にデータ・ソースとデータ・ターゲットの共有領域を定義します:
Source Target @IDESCENDANTS(Product) @IDESCENDANTS(Product), East
これで、データ・ターゲットの市場次元のメンバーEastを、データ・ソースのVoidにマッピングできます:
Source Target Void East
データ・ターゲット内の市場次元のメンバーEastが、ターゲット領域の定義に含まれていない場合、パーティションの検証時にエラー・メッセージが返されます。
共有メンバーを使用して複製パーティションまたは透過パーティションを作成するときは、マッピングに含まれる実際のメンバー名を使用します。Essbaseでは、データ・ソースの実際のメンバーがマッピングされます。
テキスト・ファイルからメンバー・マッピングをインポートできます。マッピング・ファイルには拡張子.txtを付ける必要があります。サンプルのメンバー・ファイルには、次のすべての項目が含まれている必要があります(追加の列を除く):
データ・ソースの属性次元とメンバーをデータ・ターゲットに正確にマッピングして、パーティションが有効であることを確認します。
複製パーティション内の属性次元メンバーのマッピングはできません(複製パーティションのルールを参照)。しかし、透過パーティション内とリンク・パーティション内の属性のマッピングは可能ですパーティションにおける属性を参照)。 |
次の例のデータ・ソースのアウトラインには、メンバー100 (Cola)を持つ製品次元が含まれています。子100-10と100-20はCaffeinated属性次元のメンバーTRUEに、子100-30はCaffeinated属性次元のメンバーFALSEに関連付けられています。
データ・ターゲットのアウトラインには、メンバー200 (Cola)を持つ製品次元が含まれています。子200-10と200-20はWith_Caffeine属性次元のメンバーYesに、子200-30はWith_Caffeine属性次元のメンバーNoに関連付けられています。
最初に、データ・ソースからデータ・ターゲットへ共有される領域を定義します:
Source Target @DESCENDANTS(100) @DESCENDANTS(200) @DESCENDANTS(East) @DESCENDANTS(East)
Source Target 100–10 200–10 100–20 200–20 100–30 200–30 Caffeinated With Caffeine Caffeinated_True With_Caffeine_True Caffeinated_False With_Caffeine_False
属性Caffeinated_Trueを属性With_Caffeine_Noにマッピングすると、検証中にエラー・メッセージが返されます。データ・ソースのカフェイン入りコーラをデータ・ターゲットのカフェイン入りコーラに関連付ける必要があります。
属性次元または属性メンバーがデータ・ソースのアウトライン内に存在する場合、データ・ターゲットのアウトライン内には存在できません。属性次元または属性メンバーがデータ・ターゲットのアウトライン内に存在する場合、データ・ソース内のアウトライン内には存在できません。例:
Source Target Caffeinated True False
属性の詳細は、属性の操作。を参照してください。パーティション内の属性の一般情報については、パーティションにおける属性を参照してください。
標準のメンバー・マッピングを使用して、データ・ソースのすべてのメンバーを、データ・ターゲットの対応箇所にマッピングできる場合は、拡張領域固有マッピングを実行する必要はありません。
ただし、Essbaseで、より細かいレベルでメンバーのマッピングの方法を制御する必要がある場合は、領域固有マッピングを使用する必要が生じることがあります。領域固有マッピングでは、特定の領域マップのコンテキストでのみ、ある領域のメンバーを別の領域のメンバーにマッピングできます。
Essbaseでは、データ・ソース内の複数のメンバーをデータ・ターゲット内の単一のメンバーにマッピングする方法を決定できません。このため、ユーザーは、データのサブセットに1つのマッピング・ルールを適用できるまで、そのデータの分割方法を論理的に決定する必要があります。次に、このルールを領域固有マッピングのコンテキストで使用して、メンバーのマッピングを行います。
領域固有マッピングを作成する方法については、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「パーティションでの領域固有のメンバー・マッピングの定義(オプション)」を参照してください。
データ・ソースおよびデータ・ターゲットには、次の次元およびメンバーが含まれます:
Source Target Product Product Cola Cola Market Market East East Year Year 1998 1998 1999 1999 Scenario Actual Budget
データ・ソースにはシナリオ次元がありません。かわりに、過去のデータは実績データ、未来のデータは予測データまたは予算データと見なされます。
データ・ソースの1998はデータ・ターゲットの1998, Actualに、データ・ソースの1999はデータ・ターゲットの1999, Budgetに対応することがわかっています。したがって、たとえばデータ・ソースのCola, East, 1998のデータ値が15の場合、データ・ターゲットのCola, East, 1998, Actualのデータ値は15になります。
マッピングできるのはメンバーの組合せではなくメンバーなので、1998を1998, Actualに単純にマッピングはできません。領域(1998と1998, Actual)を定義し、この領域の領域固有マッピングルールを作成します。
また、データ・ソースにはActualメンバーとBudgetメンバーがないので、これらのメンバーをデータ・ターゲットのVoidにマッピングする必要があります。
データ・ソースとデータ・ターゲットの構造が非常に異なっていても、同じタイプの情報を持つ場合、拡張領域固有マッピングを使用できます。
この方法は、たとえば、データ・ソースとデータ・ターゲットが、次の次元とメンバーを含む場合に機能します:
Source Target Market Customer_Planning NY NY_Actual CA NY_Budget CA_Actual CA_Budget Scenario Actual Budget
データ・ソースのNYとActualはデータ・ターゲットのNY_Actualに、データ・ソースのNYとBudgetはデータ・ターゲットのNY_Budgetに対応することがわかっています。したがって、たとえばデータ・ソースのNY, Budgetのデータ値が28の場合、データ・ターゲットのNY_Budgetのデータ値は28になります。
マッピングできるのはメンバーの組合せではなくメンバーなので、NY, ActualをNY_Actualに単純にマッピングはできません。領域(NYとActual、およびNY_Actual)を定義し、この領域の領域固有マッピングルールを作成します。
データ・ターゲットは、NYメンバーとCAメンバーを持たないため、データ・ソースからデータ・ターゲットに向かうときに、次元性が完全であるよう、これらのメンバーをデータ・ターゲットのVoidにマッピングすることが必要です。
パーティションを作成したら、使用する前に検証して、正確であることを確認します。データベース・マネージャ以上の権限が必要です。検証が完了したら、パーティション定義を保存します。必要に応じて、既存のパーティションを編集することもできます。
Essbaseでは、パーティション定義の検証時に、Essbaseサーバー上で、データ・ソースとデータ・ターゲットについて次の項目が確認されます:
すべての接続情報(すなわち、サーバー名、データベース名、アプリケーション名、ユーザー名およびパスワード情報)が正しいこと。
複製パーティションおよび透過パーティションの場合、複製ターゲットが複製ターゲットとオーバーラップしないこと。複製ターゲットが透過ターゲットとオーバーラップしないこと。透過ターゲットが透過ターゲットとオーバーラップしないこと。
複製パーティションおよび透過パーティションの場合、パーティションのセル数が、データ・ソースとデータ・ターゲット上で同じであること。
結果が完全であることを検証するには、属性値に基づく透過パーティションを検証する必要があります。結果が不完全な場合でも、Essbaseでは、エラー・メッセージが表示されません。
検証後、パーティションを保存すると、パーティション定義は、データ・ソース・サーバーとデータ・ターゲット・サーバーの2つの異なる.ddbファイルに保存されます。
パーティション定義の検証を完了した後、パーティション定義を次のいずれかの場所に保存できます:
注: | マッピング・エラーがあるパーティションも保存できますが、マッピング・エラーを修正しないかぎり、そのパーティションを使用して行う操作は失敗します。 |
データベースをパーティション化する際、Essbaseでは、データ・ソースのアウトライン内の各次元およびメンバーを、データ・ターゲットのアウトライン内の適切な次元およびメンバーにマッピングできる必要があります。2つのアウトラインを相互にマッピングした後、Essbaseではデータ・ソース内のデータをデータ・ターゲットから使用可能にできます。ただし、このためには、アウトラインが同期していて、パーティション定義が最新である必要があります。
一方のアウトラインに変更を加えると、2つのアウトラインの同期が失われます。アウトラインが同期していない場合、Essbaseによって複製パーティションと透過パーティションにできるかぎりの変更が加えられますが、Essbaseではデータ・ソース内のデータをデータ・ターゲット内で使用可能にできない場合があります。
Essbaseでは、ユーザーによるブロック・ストレージのアウトラインの変更が追跡されます。また、ブロック・ストレージのアウトラインの同期を確保するツールが提供されます。
注: | Essbaseでは、集約ストレージのアウトラインを自動的には同期できません。ソースおよびターゲットのアウトラインに、手動で同じ内容の変更を加える必要があります。 |
ブロック・ストレージのアウトラインを同期化する前に、どのアウトラインがソースのアウトラインであり、どのアウトラインがターゲットのアウトラインであるかを決める必要があります。
デフォルトでは、ソースのアウトラインは、データ・ソースと同じデータベースのアウトラインになります。これは、アウトラインとデータの変更のフローが同じ向きになるということです。たとえば、Eastデータベースがデータ・ソース、Companyデータベースがデータ・ターゲットの場合、デフォルトのソースのアウトラインはEastです。
データ・ターゲットのアウトラインをソースのアウトラインとして使用することもできます。アウトラインの構造(次元、メンバーおよびプロパティ)を全社レベルで集中管理し、アウトラインのデータ値を地区レベル(たとえばEast)で管理している場合、この方法をお薦めします。管理者は、Companyアウトラインに変更を加え、これらの変更をアウトラインの同期時に各地区のアウトラインに適用できます。
ソースのアウトラインの共有領域に変更を加えた場合、その内容をアウトラインの同期時にターゲットのアウトラインに適用できます。
ターゲットのアウトラインに変更を加えた場合、その内容をアウトラインの同期時にソースのアウトラインに適用できません。ターゲットのアウトラインの変更をソースのアウトラインに適用する場合は、アウトライン・エディタで変更します。データベース・アウトラインの作成および変更。を参照してください。
Essbaseにより、ターゲットのアウトラインに可能なかぎりの変更が更新されます。Essbaseがすべての変更を適用できない場合は、アプリケーション・ログでの詳細の確認を要求する警告メッセージが表示されます。アウトラインの同期に関するメッセージの先頭にはOUTLINE SYNCという文字列が付加されます。Essbaseサーバー・ログおよびアプリケーション・ログの表示を参照してください。
ソースのアウトラインを設定する方法については、データ・ソースとデータ・ターゲットの設定を参照してください。
この項では、ソースのアウトラインを変更し、ソースのアウトラインとターゲットのアウトラインを同期化する手順について説明します。
ソースのアウトラインに変更を加えると、Essbaseでは次の処理が行われます:
アウトライン・ソースから変更を戻すと、Essbaseでは次の処理が行われます:
ターゲットのアウトラインの.ddbファイル内にある最後に更新されたタイム・スタンプと、ソースのアウトラインのバックアップ(.dbb)ファイルの内にある最後に更新されたタイム・スタンプが比較されます。2つのアウトラインが異なるタイム・ゾーンのサーバー上に存在している場合でも、Essbaseではソースのアウトライン上にある最後に更新された時刻を使用して、アウトラインの同期化の終了時にターゲットのタイム・スタンプが更新されます。
ソースのアウトラインが前回の同期の後で変更された場合、Essbaseによってソースのアウトラインの変更ログから変更内容が取得され、ターゲットのアウトラインの変更ログに適用されます。ソースのアウトライン上とターゲットのアウトライン上では、変更ログの名前が異なる場合があります。
ターゲットのアウトラインに適用する変更を選択すると、Essbaseでは次の処理が行われます:
ターゲットのアウトラインに変更が適用されます。
ターゲットのアウトラインの.ddbファイルにあるタイムスタンプがソースのアウトラインの時刻で更新されます。
パーティション領域に実際のメンバーまたは共有メンバーが1つ以上定義されていれば、ソースのアウトラインに含まれる実際のメンバーとその共有メンバーはターゲットのアウトラインに適用されます。図60に示すように、パーティション定義は@IDESC("Diet")です。親100と子(100-10、100-20、100-30)はパーティション領域内に定義されていません。親Dietとその子(100-10、100-20、100-30)はパーティション領域内に定義されています。Dietの子は実際のメンバーの共有メンバーです。
未定義のパーティション領域で実際のメンバーを変更(実際のメンバー100-10への別名の追加など)すると、その変更は、定義されたパーティション領域の共有メンバーに関連付けられているため、ターゲットのアウトラインに適用されます。
その逆も当てはまります。共有メンバーがパーティション定義領域になく、その実際のメンバーがそこに存在する場合、未定義領域での共有メンバーへの変更は、ターゲットのアウトラインに適用されます。
定義済のパーティション領域内に実際のメンバー(または共有メンバー)を1つ以上持たないメンバーに変更を加えた場合、その変更はターゲットのアウトラインに適用されません。たとえば、図60では、親100は未定義のパーティション領域にあり、定義済パーティション領域内に関連する共有メンバーを持たないので、親100への変更はターゲットのアウトラインに適用されません。
パーティション領域内に共有メンバーがある場合、その親も含めることをお薦めします。この例の場合、親Dietの子が共有メンバーで定義済パーティション領域内にあるので、親Dietもアウトラインに含めます。
アウトラインの同期時には、暗黙の共有メンバーも共有メンバーと同様に扱われます。パーティション領域内に実際のメンバーまたは暗黙の共有メンバーが1つ以上定義されていれば、ソースのアウトライン内の実際のメンバーとその暗黙の共有メンバーは、ターゲットのアウトラインに適用されます。
図61の例で、パーティション定義@CHILD("A")を使用する場合、A1とA2は定義済パーティション領域内、A11、A21およびA22は未定義のパーティション領域内にあります。A11 (暗黙の共有メンバー)は未定義のパーティション領域にありますが、その親であるA1は定義済パーティション領域内にあるので、A11への変更はターゲットのアウトラインに適用されます。子A21とA22はパーティション領域内に定義されておらず、定義済パーティション領域内のメンバーに関連付けられていないので、これらの子メンバーへの変更はターゲットのアウトラインに適用されません。
ここでも、その逆が当てはまります。A1がパーティション領域で定義されておらず、その暗黙的な共有メンバーが定義されている場合は、A1に対する変更はターゲットのアウトラインに適用されます。
管理者は、複製パーティション内のデータを定期的に更新する必要があります。複製パーティションを更新する頻度は、最新データに対するユーザーのニーズによって決まります。Essbaseでは、複製パーティションの更新のタイミングを決定できるように、データ・ソースの前回の変更時刻とデータ・ターゲットの前回の更新時刻が追跡されています。この情報はデータ・ソース側で保存されています。データの複製を担当するのは、データ・ソース・サイトまたはデータ・ターゲット・サイトの管理者です。
Essbaseでは、パーティション内のどのセルが変更されたかも追跡されています:
次のガイドラインに従います:
前回の複製以降ソース・データが変更されていないときは、ユーザーがすべてのセルを更新しないかぎり、複製によってターゲット・データが更新されることはありません。
デフォルトでは、Essbaseで#MISSINGのセルが複製されます。#MISSINGのセルが複製されないようにするには、essbase.cfgファイル内のDISABLEREPLMISSINGDATA構成設定を使用します。『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。
データ・ソース上のデータ・ブロックを削除した場合は、変更されたセルのみが更新されるように設定している場合でも、Essbaseによりデータ・ターゲット上のすべてのデータ・セルが更新されます。次のいずれかの方法で、データ・ソース側のデータ・ブロックを削除できます:
計算スクリプト内でCLEARDATAコマンドを使用
データ・ロード時にルール・ファイル内で「組合せの消去」を使用
Administration ServicesでCLEAR UPPER、CLEAR INPUTまたはRESETDBコマンドを発行
レベル0のデータまたは入力データのみを記録するデータベースを再構築
疎メンバーの削除
データ・ソースに接続されたすべてのデータ・ターゲットの複製。
たとえば、Sampeast.Eastデータベースに接続されたすべてのデータ・ターゲットを複製する場合、Samppart.Companyデータベース内のBudget、Actual、VarianceおよびVariance %メンバーがEssbaseによって更新されます:
データ・ターゲットに接続されたすべてのデータ・ソースからの複製。
たとえば、Samppart.Companyデータベースに接続されたすべてのデータ・ソースからデータを複製する場合、EssbaseによりSampeast.EastデータベースからBudget、Actual、VarianceおよびVariance %メンバーが取得され、これらのデータによりSamppart.Companyデータベースが更新されます。
パーティションを編集するときは、パーティションを作成するときと同じインタフェースを使用します。
パーティションを削除すると、Essbaseにより、データ・ソース・サーバーとデータ・ターゲット・サーバー上の.ddbファイルからパーティション定義が削除されます。
保護モード(SSL)でパーティション化する場合は、次の考慮事項が適用されます:
パーティションのソースとターゲットのセキュリティ・プロトコルは同じである必要があります(両方ともがSSLを使用するか、どちらもSSLを使用しない)。
EssbaseがSSL接続を使用できるようにするには、ENABLESECUREMODEをTRUEに設定する必要があります。
CLIENTPREFERREDMODEをSECUREに設定することを検討します。
CLIENTPREFERREDMODEが設定されていないか、または、FALSEに設定されているが、ENABLESECUREMODEがTRUEに設定されている場合は、:secureをHOST-NAME文字列に追加することにより、MaxLでパーティションを安全に作成およびリフレッシュできます。たとえば、
login esbuser esbpassword on “localhost:6423:secure”;
次の表では、パーティションの使用時に起こる一般的な問題をリストします。
表 37. パーティションの問題のトラブルシューティング
パーティションに依存関係の循環がある可能性があります。データベースAがデータベースBのソースである場合、データベースBを同じスライスのデータベースAのソースにすることはできません。 | ||
ホスト名が一致していない可能性があります。hostsファイルを使用してローカル・マシンに別名を指定したか確認してください。 データ・ソースとデータ・ターゲットの設定を参照してください。 | ||
Administration Servicesには、アウトラインの変更は反映されません。すなわち、変更されたアウトラインがあっても、同期されているアウトラインとしてリストされます。 | ||
パーティション内にない以前の次元を移動した場合、アウトラインの同期化の実行時に変更がターゲットのアウトラインに適用されないことがあります。パーティション内にない以前のメンバーを移動した場合も同様の問題が発生することがあります。 |
パーティション間でメンバーと次元の移動が行われないように、アウトラインの構造を設定します。それが不可能な場合は、ソースのアウトライン内で移動したメンバーや次元が反映されるようにターゲットのアウトラインを変更します。 |