データベース・アウトラインの作成および変更

この項の内容:

アウトラインの作成プロセス

アウトラインの作成および編集

アウトラインのロックおよびロック解除

アウトラインへの次元およびメンバーの追加

データ・ストレージ・プロパティの設定

次元およびメンバーの位置付け

アウトラインの確認

アウトラインの保存

この章の情報の一部は、ブロック・ストレージ・データベースのみに適用され、集約ストレージ・データベースとは関係がありません。

関連項目:

この章のすべての例は、Sample.Basicデータベースに基づいています。

アウトラインの作成プロセス

この項では、アウトライン・エディタを使用したアウトライン作成の概要について説明します。アウトライン・エディタについては、Oracle Essbase Administration Services Online Helpを参照してください。

アウトラインに関する基本情報については、多次元データベースの理解。を参照してください。

  アウトラインを作成する手順は次のとおりです:

  1. データベースを作成します。新しいデータベースには、空白のアウトラインが自動的に含まれます。

    アプリケーションとデータベースの作成を参照してください。

  2. アウトラインを開きます。

    アウトラインの作成および編集を参照してください。

  3. アウトラインに次元およびメンバーを追加します。

    アウトラインへの次元およびメンバーの追加を参照してください。

  4. 各次元を密または疎として設定します。

    データ・ストレージ・プロパティの設定を参照してください。

  5. 次元およびメンバーをアウトラインに位置付けます。

    次元およびメンバーの位置付けを参照してください。

  6. 次元とメンバーのプロパティを設定します。

    次元およびメンバーのプロパティの設定。を参照してください。

  7. 必要に応じて、属性次元を作成して、適切な基本次元に関連付けます。

    属性の操作。を参照してください。

  8. アウトラインを確認してから保存します。

    図 37およびアウトラインの保存を参照してください。

アウトラインの作成および編集

データベース・アウトラインによって、データベースの構造が定義されます。アウトライン・エディタには、アウトラインの次元階層が視覚的に表示されます。

データベースが作成されるとき、そのデータベースのアウトラインがEssbaseによって自動的に作成されます。このアウトラインは、データベースと同じ名前(dbname.otl)を持っており、Essbaseサーバー上のデータベース・ディレクトリに保管されます。新しいアウトライン内には、次の方法でコンテンツを作成できます:

  • アウトライン・エディタで、データベースの作成時にデフォルトで作成される空のアウトラインを開き、手動でコンテンツを追加します。

    Oracle Essbase Administration Services Online Helpの「アウトラインを開いて編集する」を参照してください。

  • 既存のアウトラインを現在のデータベースにコピーし、既存のアウトラインを変更します。

  • データ・ソースとルール・ファイルを使用してコンテンツを作成します。

    データ・ロードおよび次元構築の理解。を参照してください。

注意

同じログインIDを使用して、管理サービス・コンソールの2つのインスタンスで同じアウトラインを開いた場合は、保存するたびに、もう一方のインスタンスの変更が上書きされます。保存されたり、上書きされたりした変更を追跡することは困難な場合があるため、この方法はお薦めできません。

  アウトラインを作成するか、既存のアウトラインを開くには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

Administration Services

アウトラインを開いて編集する

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

create database

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

CREATEDB

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

  既存のアウトラインをコピーするには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

Administration Services

アウトラインのコピー

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

create database as

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

COPYDB

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

アウトラインのロックおよびロック解除

アウトライン・エディタでは、アウトラインが編集モードで開かれたとき、そのアウトラインは常にロックされます。アウトラインが閉じられたとき、Essbaseによってそのアウトラインのロックが解除されます。アウトラインがロックされていると、他のユーザーによるそのアウトラインの上書き保存、名前変更、削除または編集はEssbaseによって許可されません。ロックされたアウトラインを編集しようとすると、アウトライン・ビューアでアウトラインを表示するかどうかを選択するよう求められます。

管理者権限を持っている場合は、ロックされたアウトラインのロックを解除できます。ロックされたアウトラインのロックを強制的に解除する前に、そのアウトラインで作業しているユーザーがいないことを確認してください。

注:

Essbaseでは、アウトラインのロックおよびロック解除に、他のデータベース・アーティファクトとは異なるプロセスを使用しています。アーティファクトのロックおよびロック解除を参照してください。

  アウトラインのロックを解除するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

Administration Services

アウトラインのロックおよびロック解除

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

create database as

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

UNLOCKOBJECT

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

アウトラインへの次元およびメンバーの追加

アウトラインに次元およびメンバー階層を追加するには、次のいくつかの方法があります:

  • アウトライン・エディタを使用して手動で

  • データ準備エディタを使用して、データ・ソースとルール・ファイルによって

次元とメンバーに名前を付ける前に、アプリケーションとデータベースの命名規則を参照してください。

  アウトライン・エディタを使用してアウトラインに次元とメンバーを追加するには、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「アウトラインへの次元の追加」および「次元へのメンバーの追加」を参照してください。

  データ準備エディタを使用してアウトラインに次元とメンバーを追加するには、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「次元構築ルール・ファイルの作成」を参照してください。

  アウトライン・エディタから(ルール・ファイルを使用して)次元とメンバーを動的に追加するには、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「ルール・ファイルを使用したアウトラインの動的な更新」を参照してください。

データ・ストレージ・プロパティの設定

次元を作成してアウトラインを保存すると、Essbaseによって、そのアウトライン内の新しい次元が自動的に疎として設定されます。データベースの最適な構成に応じて、次元ストレージ・タイプを変更できます。

属性次元を関連付けることを予定している標準次元はすべて疎として設定します。密次元と疎次元の選択を参照してください。

  アウトライン・エディタを使用してデータ・ストレージ・プロパティを設定するには、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「次元の疎/密の設定」を参照してください。

次元およびメンバーの位置付け

次元は、アウトライン内の最も高いレベルの組織です。次元にはメンバーが含まれており、このメンバーは階層内の他のメンバーの内部にネストできます。次元とメンバーを参照してください。

以降の項では、次元とメンバーをアウトライン内に位置付ける方法について説明します。

注:

アウトライン内の次元の相対的な場所が、計算や取得のパフォーマンス時間に影響を与える場合があります。パフォーマンスを最適化するためのアウトラインの設計を参照してください。

次元およびメンバーの移動

次元およびメンバーを作成した後、それらをアウトライン内で再調整できます。アウトライン内のメンバーと次元を移動する前に、次の点を考慮してください:

  • アウトラインの次元とメンバーの位置によって、パフォーマンスは影響を受けます。

    アウトラインのパフォーマンスの最適化を参照してください。

  • 次元とメンバーを移動すると、計算と取得のパフォーマンスに影響が出る場合があります。

    パフォーマンスを最適化するためのアウトラインの設計を参照してください。

  • メンバーを移動すると、共有メンバーがアウトラインの実際のメンバーより前に移動することがあります(これはお薦めしません)。

  • 属性以外の次元またはメンバーを追加、削除または移動すると、Essbaseでデータベースの再構築が行われるため、データを再計算する必要があります。

  • 属性次元をアウトラインの最後に置きます。そうしないと、アウトラインの確認中に、属性次元をそこに移動するよう求めるプロンプトがEssbaseに表示されます。

  アウトライン・エディタを使用して次元およびメンバーを位置付けるには、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「アウトライン内の次元およびメンバーの操作」を参照してください。

次元およびメンバーのソート

Essbaseでは、アウトライン内の次元または次元内のメンバーを、アルファベット順の昇順(AからZ)またはアルファベットの逆順(ZからA)に整列できます。次元およびメンバーのソート結果のリストについては、次元およびメンバーの移動を参照してください。

アウトライン内の数値属性次元のレベル0のメンバーをソートすると、メンバーはその値によってソートされます。例として、図37に、メンバーを昇順にソートした後のサイズ属性次元のテキストと数値のバージョンを示しています。数値属性次元(右側)のメンバーは、メンバーの数値によって順序付けられるため、メンバー8は他のメンバーの前になります。テキスト属性次元(左側)では、文字が左から右にソートされるため、メンバー8は他のメンバー24の後になります。

図 37. 数値とテキストの属性次元の昇順によるソートの比較

この図は、昇順にソートされた値を示しています。テキスト属性次元では、メンバーの順序は12、16、24、8です。数値属性次元では、メンバーの順序は8、12、16、24です。

ブール属性次元はソートできません。属性タイプの理解を参照してください。

  アウトライン・エディタを使用してメンバーをソートする方法については、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「メンバーのソート」を参照してください。

アウトラインの確認

アウトラインの確認は、アウトラインを保存するときに自動的に行うか、任意に手動で行うことができます。アウトラインを確認すると、Essbaseで次の点が確認されます:

  • すべてのメンバーと別名の名前が有効であること。メンバーと別名は、他のメンバー、別名、世代またはレベルと同じ名前を持つことはできません。

    アプリケーションとデータベースの命名規則を参照してください。

  • 1つの次元のみに、会計、時間、通貨タイプまたは国タグが付けられていること。

  • 共有メンバーが有効であること。

    共有メンバーの規則の理解を参照してください。

  • レベル0のメンバーに、「ラベルのみ」タグが付けられていないこと。

  • ラベルのみのメンバーに、式が割当てられていないこと。

  • ラベルのみメンバーの子孫に動的計算タグが付いていないこと。

    ラベルのみメンバーの理解を参照してください。

  • 通貨カテゴリと通貨名が、通貨アウトラインに対して有効であること。

  • 疎次元の動的計算メンバーの子が100以下であること。

  • 親メンバーに子が1つあり、その子が動的計算メンバーである場合、親メンバーも動的計算であること。

  • 親メンバーに子が1つあり、その子が動的計算の2パス・メンバーである場合、親メンバーも動的計算の2パスであること。

  • ブール属性次元の2つの名前が、アウトラインに対して定義されている2つのブール属性次元メンバー名と同じであること。

  • 日付属性次元のレベル0のメンバーの名前が、日付フォーマット名の設定(mm-dd-yyyyまたはdd-mm-yyyy)に一致すること。この次元にメンバーがない場合、次元名はレベル0のメンバーであるため、次元名はこの設定に一致する必要があります。

  • 数値属性次元のレベル0のメンバーの名前が数値であること。この次元にメンバーがない場合、次元名はレベル0のメンバーであるため、次元名は数値である必要があります。

  • 属性次元がアウトラインの終端に位置付けられ、すべての標準次元に従っていること。

  • 標準次元のレベル0の動的計算メンバーが式を持つこと。

  • メンバーの式が有効であること。

  • ハイブリッド分析アウトラインで、ハイブリッド分析に対応できるのが次元のレベル0のメンバーのみであること。

アウトラインの確認中は、Essbaseで次のような変換も同時に行われ、適切な数値属性次元のメンバー名がアウトラインに表示されます:

  • メンバー名の先頭にあるマイナス符号を、末尾に移動します(-1が1-になるなど)。

  • メンバー名内の先行する値0または末尾に続く値0が、取り除かれます(1.0が1に、00.1が0.1になるなど)。

属性タイプの理解を参照してください。

  アウトラインを確認するには、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「アウトラインの確認」を参照してください。

アウトラインの保存

アウトラインは、Essbaseサーバーまたはクライアント、あるいはネットワークに保管できます。デフォルトでは、アウトラインはEssbaseによってEssbaseサーバー上のデータベース・ディレクトリに保存されます。アウトラインに対する変更を保存する場合は、Essbaseでアウトラインが再構築されることがあります。たとえば、メンバー名を市場から地域に変更すると、Essbaseによって市場に関連して保管されているデータが地域に移動されます。アウトラインを保存するたびに、それが正しいことを保証するためにEssbaseによってアウトラインが確認されます。

  アウトラインを保存する方法は、『Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプ』の「アウトラインの保管」を参照してください。

また、次の項も参照してください。

標準次元を追加したアウトラインの保存

1つ以上の新しい標準(属性以外)次元を追加する場合は、アウトラインを保存する前に、データベース内の既存のデータすべてを新しい各次元のメンバーにマッピングする必要があります。たとえば、Sample.Basicアウトラインにチャネルという次元を追加することは、Sample.Basic内の以前のすべてのデータを特定のチャネルまたはすべてのチャネルの合計に関連付けることを意味します。

1つ以上の標準次元を削除したアウトラインの保存

1つ以上の標準(属性以外)次元を削除する場合は、削除する各次元の1つのメンバーのみに関連付けられているデータを保持し、他の次元の1つのメンバーに関連付ける必要があります。たとえば、アウトラインから市場という次元を削除することは、再構築操作の後データベース内に残るすべてのデータが、市場次元の単一の指定されたメンバーに関連付けられることを意味します。

属性次元を削除すると、Essbaseによってその基本次元に対する関連付けが削除されます。属性の操作。を参照してください。

削除メンバーを使用したサブ・データベースの作成

  サブ・データベースを作成するには:

  1. 既存のアウトラインから次元を削除します。

  2. 別名を使用してデータベースを保存し、保持するメンバーを指定します。

    次元を削除したときに保持できるのは、1つのメンバーのみです。1つ以上の標準次元を削除したアウトラインの保存を参照してください。